JP3322152B2 - 加工性に優れた熱延高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
加工性に優れた熱延高張力鋼板の製造方法Info
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Description
げ性,打抜き穴拡げ性等)に優れ、プレス加工や伸びフ
ランジ加工等により様々な形状に成形し自動車あるいは
産業機器等の構造部材として用いるのに好適な加工用熱
延高張力鋼板の製造方法に関するものである。
るいわゆる熱延鋼板は、比較的安価な構造材料として自
動車を始めとする各種の産業機器に広く使用されている
が、その用途にはプレス加工で成形される部材が多く、
従って高強度と高延性の両立に関する強い要求がある。
段としては“残留オ−ステナイトのTRIP(変態誘起
塑性)を利用する方法”が知られており、例えば特開昭
63−4017号公報にはこれに関連した「高Si含有鋼
を低温オ−ステナイト域で大圧下する方法」が開示され
ている。この方法は、ベイナイト変態を起こさせること
によってCを未変態オ−ステナイト中に濃化することで
オ−ステナイトの安定化を図り、これにより残留オ−ス
テナイトを得ようとしたものであって、この方法で得ら
れる熱延鋼板は実質的にフェライトとベイナイトと残留
オ−ステナイトからなる組織を有したものとなる。
生成に重要な“炭化物を含まないベイナイト”に加え
“炭化物を含む硬いベイナイト”までもが粗大かつバン
ド状に生成しやすく、そのため得られる熱延鋼板は高延
性ではあるが穴拡げ性が著しく劣るといった問題があっ
た。
TRIPを利用した高延性高強度熱延鋼板の穴拡げ性を
改善すべく、特開平5−195150号公報には、「Nb
添加によってパ−ライト生成量を適度にコントロ−ル
し、 パ−ライトを適度に含む残留オ−ステナイト組織を
確保するようにした熱延高張力鋼板」に関する技術が提
案されている。しかしながら、この方法では、添加する
Nbの析出強化能が大きくて製品の強度が高くなり過ぎ、
それ故にプレス加工を施した際に寸法精度が悪化する等
の問題が生じた。
低強度化を実現するためには、特開平5−59485号
公報に開示されているような「Siの代わりに固溶強化能
の低いAlを添加する方法」が考えられるが、Al含有量が
多くなると今度は溶接性に問題を生じ、何れも性能的に
今一つの改善の余地が残るものであった。
のは、前述の如き従来技術の問題を解決し、十分な延性
を有していてプレス加工が容易な上に、穴拡げ性にも優
れ、かつ溶接性の点でも満足できる熱延高張力鋼板の安
定提供手段を確立することであった。
を達成すべく鋭意研究を行った結果、次の知見を得るこ
とができた。 a) 熱延高張力鋼板に十分に満足できる高延性を確保す
るためには残留オ−ステナイトのTRIP効果を利用す
ることが欠かせず、そのためには体積率で5%以上の残
留オ−ステナイトを残存させておくことが是非とも必要
である。 b) そして、良好な溶接性をも確保するためにはC含有
量の低減とAl含有量の抑制が必要となるが、C含有量が
低くなると鋼板の強度が低下が懸念されることとなる。
しかし、C含有量の低い鋼板であっても、その組織を残
留オ−ステナイトとパ−ライトを含むポリゴナルフェラ
イト及びベイナイトからなる組織にすると、自動車用高
張力鋼板等に必要な強度を安定して確保できるようにな
る。 c) また、上述のように鋼板組織中に適量(体積率で3
〜20%)のパ−ライトを導入すると、硬質なベイナイ
トの量が減少されて鋼板の穴拡げ性が著しく向上する。
鋼板中にNbが混入する頻度が増しており、またNbは残留
オ−ステナイトの残存を容易化する作用も有しているの
でTRIP効果を利用する自動車用高張力鋼板等ではこ
のNbの効果を積極的に利用するのが有利であるが、前述
したようにNbは析出強化能が大きく、従ってNbを含有す
る高張力鋼板はプレス加工によって寸法精度の高い製品
を製造する上で大きな不利を伴う(プレス時の寸法精度
を確保するには690N/mm2以下の引張強さに抑える必
要があるもののNbが含有されると強度をこの範囲に抑え
るのが困難となる)。そのため、プレス加工性を考慮し
た場合にはNb含有量を十分に規制しなければならない。
て、しかも溶接性への悪影響が問題とならない 1.6%以
下のAl含有量のものを素材として、優れた伸びにつなが
る適量の残留オ−ステナイトを安定して確保され、かつ
コントロ−ルされた適量のパ−ライトが現出されて穴拡
げ性もが改善された高張力熱延鋼板を実現する手段は全
く不知であった。ところが、熱間圧延後の加速冷却に先
立つ所定時間の空冷によってフェライトの核生成を行わ
せ、また加速冷却途中における特定の温度域でも所定時
間の徐冷(空冷)を行うと、上述のような素材からも5
体積%以上の残留オ−ステナイトと3〜20%のパ−ラ
イトを含むポリゴナルフェライト及びベイナイトからな
る組織を有し、プレス時の寸法精度を確保できる690
N/mm2を上回らない引張強さの、伸びと穴拡げ性に優れ
る熱延高張力鋼板が得られることを見出した。
れたもので、次に示す加工性に優れた熱延高張力鋼板の
製造方法を提供するものである。 C:0.05〜0.25%(以降 、 成分割合を表す%は重量
%とする), Si: 2.0%以下, Al: 1.6%以下, Mn: 0.8〜 2.0%, Ti:0〜0.04% を含むと共に N:0.0100%以下, Nb: 0.003%未満, Si(%) +Al(%) ≧ 1.0 の各条件を満たしていて残部がFe及び不可避的不純物か
らなる鋼片を、1100℃以上に加熱して熱間圧延を行
い、仕上温度Ar3点以上で熱間圧延を終了した後1〜5
秒間の空冷を行ってから30℃/s以上の冷却速度にて5
50〜650℃まで冷却し、更に2〜10秒間の空冷を
行った後、再度30℃/s以上の冷却速度にて350〜5
20℃まで冷却して巻取ることを特徴とする、体積率で
5%以上の残留オ−ステナイトと3〜20%のパ−ライ
トとを含み残りがポリゴナルフェライトとベイナイトか
らなる組織を有する引張強さが690N/mm2以下の加工
性に優れた熱延高張力鋼板の製造方法。 C:0.05〜0.25%, Si: 2.0%以下, Al:
1.6%以下, Mn: 0.8〜 2.0%, Ti:0〜0.04% を含み、更に Ca:0.0002〜0.01%, Zr:0.01〜0.10%, 希土類元素:0.002 〜0.10% の1種以上をも含むと共に N:0.0100%以下, Nb: 0.003%未満, Si(%) +Al(%) ≧ 1.0 の各条件を満たしていて残部がFe及び不可避的不純物か
らなる鋼片を、1100℃以上に加熱して熱間圧延を行
い、仕上温度Ar3点以上で熱間圧延を終了した後1〜5
秒間の空冷を行ってから30℃/s以上の冷却速度にて5
50〜650℃まで冷却し、更に2〜10秒間の空冷を
行った後、再度30℃/s以上の冷却速度にて350〜5
20℃まで冷却して巻取ることを特徴とする、体積率で
5%以上の残留オ−ステナイトと3〜20%のパ−ライ
トとを含み残りがポリゴナルフェライトとベイナイトか
らなる組織を有する引張強さが690N/mm2以下の加工
性に優れた熱延高張力鋼板の製造方法。
きる範囲の低C,低Al含有量であって、かつTRIP効
果で高延性を発揮するのに十分な量のオ−ステナイトが
確保されたところの、プレス加工が容易で穴拡げ性も良
好な熱延高張力鋼板を安定提供できるようにするもので
あるが、以下、鋼の化学組成と組織並びにその製造条件
の前記の如くに規定した理由を説明する。
態オ−ステナイト中に濃縮してオ−ステナイトを安定化
することにより熱延鋼板中にTRIP効果を得るのに十
分な残留オ−ステナイトを得ることができる。しかし、
C含有量が0.05%未満では十分な残留オ−ステナイトを
得ることができず、一方0.25%を超えてCを含有させる
と溶接性が問題となる上、第2相が多くなり過ぎて穴拡
げ性も劣化する。従って、C含有量は0.05〜0.25%と定
めたが、好ましくは0.08〜0.20%に調整するのが良い。
オ−ステナイトへの濃縮を助け、またセメンタイトの析
出を遅らせる作用を有しているので、残留オ−ステナイ
トを得やすくする効果を発揮する。しかしながら、過度
の添加は、固溶強化によって鋼板を著しく強化するので
プレス成形性が問題となるばかりか、表面品質や溶接性
も悪化させる。従って、Si含有量の上限を 2.0%とした
が、好ましくは 1.1%以下、より好ましくは 0.5%以下
に調整するのが良い。
Cの未変態オ−ステナイトへの濃縮を助け、またセメン
タイトの析出を遅らせるて残留オ−ステナイトを得やす
くする作用を有するが、Siの場合に比べて鋼板をあまり
強化することがないため加工性及びプレス時の寸法精度
を劣化させることがない。しかし、 1.6%を超えてAlを
含有させると溶接性が問題となることからその含有量を
1.6%以下と定めたが、好ましくは 1.3%以下に規制す
るのが良い。なお、このようにAl含有量を規制する必要
があることからも、上述したSi含有量は0.05%を下回ら
ないことが望まれる。また、ポリゴナルフェライト生成
を促進してCの未変態オ−ステナイトへの濃縮を助け、
かつセメンタイトの析出を遅らせて残留オ−ステナイト
を得やすくするSi及びAlの効果を十分ならしめるために
は、SiとAlの合計含有量が 「Si(%) +Al(%) ≧ 1.0」 な
る条件を満たす必要がある。
過度にパ−ライトに変態するのを抑制する。しかし、こ
の効果はMn含有量が 0.8%未満では十分ではなく、一
方、 2.5%を超えて含有させると熱延後の冷却過程で十
分なポリゴナルフェライトを得られず、またそのためC
の未変態オ−ステナイトへの濃縮も不十分となって目的
とする高延性あるいはTRIP効果が得られない。従っ
て、Mnの含有量は 0.8〜 2.5%と定めた。
に応じて添加される成分であるが、0.04%を超えて添加
してもその効果は飽和してしまうことから、Ti含有量の
上限を0.04%と定めた。
び割れの原因となる好ましくない元素である。そのた
め、N含有量は0.0100%以下と定めた。
せ、かつ本発明においてはパ−ライト変態を過度に抑制
する好ましくない元素であり、Nb含有量の規制は本発明
鋼板の大きな特徴の1つである。ただ、Nb含有量が 0.0
03%未満の領域に規制されておれば前記弊害は顕著化し
ないことから、本発明鋼板ではNb含有量を 0.003%未満
と定めた。
工性を改善する作用を有するので必要に応じて1種以上
を含有させるのが良い。しかしながら、その含有量がCa
の場合は0.0002%未満、Zrの場合は0.01%未満、そして
希土類元素の場合は 0.002%未満であると前記作用によ
る所望の効果が得られず、一方、Caでは0.01%、Zrでは
0.10%そして希土類元素では0.10%を超えて含有される
と逆に鋼中の介在物が多くなり過ぎて冷間加工性が劣化
するようになることから、それぞれの含有量を、Ca:0.
0002〜0.01%、Zr:0.10〜0.10%、希土類元素: 0.002
〜0.10と定めた。
純物である。この不可避不純物としてはO,P,S,C
u,Ni,Cr,Mo等の鋼中に不可避的に混入する元素が含
まれる。これらの中でも、Pは溶接性に悪影響を及ぼす
不純物元素であるので低含有量であるほど好ましく、所
望の溶接性を確保するためにはPの含有量を0.05%以下
に抑えるのが望ましい。また、SはMnS系介在物を形成
して加工性を低下させる不純物元素であるのでやはり低
含有量であるほど好ましく、できればその含有量を0.02
%以下とするのが望ましい。
確保が問題となるが、その組織を残留オ−ステナイトと
パ−ライトを含むポリゴナルフェライト及びベイナイト
からなる組織にすると、自動車用高張力鋼板等に必要な
強度を安定して確保できるようになる。また、この場
合、残留オ−ステナイトのTRIP効果を利用して熱延
鋼板に加工用としての高延性を付与するためには、体積
率で5%以上の残留オ−ステナイトの確保は欠かせな
い。しかも、上記鋼板組織中のパ−ライトの体積率を3
〜20%とすることで、硬質なベイナイトの量が減少さ
れて鋼板の穴拡げ性が著しく向上する。ここで、パ−ラ
イトの体積率が3%未満であると上記効果が十分でな
く、一方、パ−ライトの体積率が20%を超える組織に
すると残留オ−ステナイトの確保が困難となって所望の
高延性を達成できなくなる。なお、上記組織は、鋼板の
化学組成調整と、次に説明する製造条件の調整によって
実現することができる。
により溶製することができ、鋼種もリムド鋼,キャップ
ド鋼,セミキルド鋼又はキルド鋼の何れであっても良
い。そして、圧延素材である鋼片の製造にも“造塊−分
塊圧延”あるいは“連続鋳造”等の何れの手段が採用さ
れても構わない。
る鋼片は1100℃以上で加熱保持してから熱間圧延を
開始し、仕上圧延はAr3点以上の温度で仕上げる。11
00℃未満の加熱では熱間圧延中に鋼片が冷却され、A
r3点以上の仕上温度が確保できない。そして、仕上温度
がAr3点未満になると、熱間圧延中にフェライト変態が
生じ、生成したフェライト粒に熱間圧延による歪が導入
されて得られる熱延鋼板の加工性が劣化してしまう。な
お、加熱炉に装入する鋼片は、鋳造後の高温のままでの
スラブでも、室温で放置されたスラブでも構わない。
要である。つまり、熱間圧延終了後の1〜5秒間の空冷
と、加速冷却途中の550〜650℃からの2〜10秒
間の空冷が特に重要である。
しにコントロ−ルされた適量のパ−ライトを生成させる
ためには、550〜650℃の温度からの2〜10秒間
の空冷が必要であることが確認された。そして、この温
度域でのパ−ライト変態は比較的遅いため、適量の未変
態オ−ステナイトも含有しており、その後の加速冷却の
巻取りでベイナイト変態させることで延性に有効な5%
以上の残留オ−ステナイトを残存させることが可能とな
る。この場合、空冷開始温度が650℃を上回っている
とパ−ライト生成量の適量に調整することができなくな
り、一方、空冷開始温度が550℃を下回ってしまうと
炭化物を含むベイナイトが生成してしまい、何れも所望
量のパ−ライトを確保できなくなることから、加速冷却
途中の空冷開始温度を550〜650℃と定めたが、好
ましくは550〜600℃の範囲に調整するのが良い。
中のC濃度が共析点(約 0.8%) 以上に達することで開
始され、オ−ステナイトへのCの濃化(残留オ−ステナ
イトの確保に欠かせない)はフェライトが生成すること
により未変態のオ−ステナイト中にCが吐き出されるこ
とで生じる。本発明者等は、鋭意研究の結果、フェライ
トの生成促進のためには熱間圧延後1〜5秒間の空冷が
重要であることを見出した。
が重要な役割を持つことを意味している。即ち、熱間圧
延後の空冷が1秒未満ではフェライト核の生成が不十分
で、その結果十分なフェライトが生成せずにオ−ステナ
イトへのCの濃化が不十分となって、加速冷却途中で空
冷を実施しても十分なパ−ライトが得られず、炭化物を
含むベイナイトが生成してしまう。一方、この空冷が5
秒を超えると、フェライト生成量が多くなるために高温
域からパ−ライトの生成が開始される。このような高温
域でのパ−ライトへの変態速度は非常に速いため、未変
態オ−ステナイトのほぼ全量がパ−ライト変態してしま
い、延性向上に有効な残留オ−ステナイトが得られなく
なる。
まで30℃/s以上の冷却速度で加速冷却を行うが、これ
は本発明鋼がNbを積極的に含まない鋼であるためにパ−
ライト生成速度が速く、そのため空冷により組織制御で
きる温度以外は過度の組織変化が生じるのを抑制するた
めである。即ち、この加速冷却での冷却速度が30℃/s
未満では、過度にパ−ライトが生成して狙いとする組織
が得られなくなる。
空冷によるフェライト核の生成”と“加速冷却途中の5
50〜650℃での空冷”との組み合わせは、適量のフ
ェライトとパ−ライトを生成させる上で極めて重要な処
理である。
で実施し、その後に巻取りを行う。この温度域で巻き取
ることにより、未変態オ−ステナイトが炭化物を含まな
いベイナイトへ変態し、Cが未変態オ−ステナイトへ更
に濃化することでマルテンサイト変態が抑制され、高延
性に必要な5%以上のオ−ステナイトが残留する。即
ち、520℃を超える温度で巻取りを行うと炭化物が生
成してオ−ステナイトが残留せず、一方、350℃を下
回る温度で巻取るとベイナイト変態ではなくマルテンサ
イト変態が生じてしまい、何れも5%以上の残留オ−ス
テナイトを得ることができない。
る。
で溶製後、熱間鍛造により60mm厚のスラブを製造し、
表2に示す条件で2mm厚の熱延鋼板とした。
板からJIS5号引張試験片を採取し、その機械的性質
を調べた。また、各熱延鋼板から別の試験片を採取し、
15%クリアランスで打ち抜いた打ち抜き穴の“限界穴
拡げ率”を60φ円錐ポンチで拡げて調査した。更に、
各熱延鋼板中央部よりX線試験用の試験片を採取し、残
留オ−ステナイト量を測定した。また、パ−ライト量
は、断面研磨後ナイタル腐食したサンプルをSEMで観
察し、画像処理にて測定した。これらの結果を表3に示
す。
ことができる。即ち、本発明法に従って製造された試験
番号1〜6及び試験番号18〜28に係る高張力熱延鋼板
は、5%を超える残留オ−ステナイトと3〜20%のパ
−ライトを有し、そのため引張強さが690N/mm2以下
で、伸びが35%以上、穴拡げ率80%以上と優れた加
工性を示した。
号7に係る熱延鋼板は、圧延時の温度降下により仕上温
度がAr3点を下回り、試験番号8に係る熱延鋼板と共
に、熱間圧延中にフェライトに歪が加わるため延性が低
下した。また、熱延後の空冷時間が短い試験番号9に係
る熱延鋼板は、パ−ライトの生成が不十分で穴拡げ性に
劣った。加速冷却時の冷却速度の遅い試験番号10及び15
に係る熱延鋼板と、中間の空冷時間が長い試験番号14に
係る熱延鋼板、更に巻取温度の高い試験番号16に係る熱
延鋼板は、何れもパ−ライト変態が過度に進行して残留
オ−ステナイト量が不足し、伸びが低い。更に、加速冷
却途中の空冷開始温度の高い試験番号11と空冷開始温度
の低い試験番号12に係る熱延鋼板、更に空冷時間の短い
試験番号13と巻取温度の低い試験番号17に係る熱延鋼板
は、何れもパ−ライトの生成が不足して穴拡げ性が低
い。
延鋼板は強度が高過ぎ、Al量が高い試験番号30に係る熱
延鋼板は特性は良好であったがフラッシュバット溶接を
実施すると十分な溶接強度が得られなかった。また、Nb
含有量が高い試験番号31及び32に係る熱延鋼板は、本発
明に係る製造条件ではパ−ライト量が不足し、穴拡げ性
が低い。そして、Si+Alの合計含有量が低い試験番号33
に係る熱延鋼板は、パ−ライト変態が過度に進行し残留
オ−ステナイト量が不足するため伸びが低い。
ば、高延性を示す上に穴拡げ性,溶接性も良好で自動車
足廻り部品等として好適な加工用高張力熱延鋼板を安定
提供することが可能となるなど、産業上有用な効果がも
たらされる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量割合で C:0.05〜0.25%, Si: 2.0%以下, Al: 1.6
%以下, Mn: 0.8〜 2.0%, Ti:0〜0.04% を含むと共に N:0.0100%以下, Nb: 0.003%未満, Si(%) +Al(%) ≧ 1.0 の各条件を満たしていて残部がFe及び不可避的不純物か
らなる鋼片を、1100℃以上に加熱して熱間圧延を行
い、仕上温度Ar3点以上で熱間圧延を終了した後1〜5
秒間の空冷を行ってから30℃/s以上の冷却速度にて5
50〜650℃まで冷却し、更に2〜10秒間の空冷を
行った後、再度30℃/s以上の冷却速度にて350〜5
20℃まで冷却して巻取ることを特徴とする、体積率で
5%以上の残留オ−ステナイトと3〜20%のパ−ライ
トとを含み残りがポリゴナルフェライトとベイナイトか
らなる組織を有する引張強さが690N/mm2以下の加工
性に優れた熱延高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 重量割合で C:0.05〜0.25%, Si: 2.0%以下, Al: 1.6
%以下, Mn: 0.8〜 2.0%, Ti:0〜0.04% を含み、更に Ca:0.0002〜0.01%, Zr:0.01〜0.10%, 希土類元
素:0.002 〜0.10% の1種以上をも含むと共に N:0.0100%以下, Nb: 0.003%未満, Si(%) +Al(%) ≧ 1.0 の各条件を満たしていて残部がFe及び不可避的不純物か
らなる鋼片を、1100℃以上に加熱して熱間圧延を行
い、仕上温度Ar3点以上で熱間圧延を終了した後1〜5
秒間の空冷を行ってから30℃/s以上の冷却速度にて5
50〜650℃まで冷却し、更に2〜10秒間の空冷を
行った後、再度30℃/s以上の冷却速度にて350〜5
20℃まで冷却して巻取ることを特徴とする、体積率で
5%以上の残留オ−ステナイトと3〜20%のパ−ライ
トとを含み残りがポリゴナルフェライトとベイナイトか
らなる組織を有する引張強さが690N/mm2以下の加工
性に優れた熱延高張力鋼板の製造方法。
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