JP3541726B2 - 高延性熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高延性熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度熱延鋼板に係り、とくに自動車向けに好適な、極めて高い延性を有する高強度熱延鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料消費の低減と、衝突時に乗員を保護するための安全性向上の目的から、自動車用鋼板においては、高強度化が指向され、高強度と良好な延性を兼備し、加工性が極めて優れた高延性高強度熱延鋼板が熱望されている。このような鋼板は、強度−延性バランスTS×Elが20000 MPa 以上を有することが要望されている。
【0003】
このような良好な延性と高強度を両立させた鋼としては、フェライトとマルテンサイトを主体とした複合組織鋼(デュアルフェー鋼:DP鋼)と、フェライト、ベイナイト、残留オーステナイトを有するTRIP鋼が知られている。しかし、DP鋼はTRIP鋼に比べ延性が低く、強度−延性バランスTS×Elが20000 MPa %以下である。一方、TRIP鋼は、変形時に残留オーステナイトがマルテンサイトに変態することで高い延性を示す特徴を有し、TS×Elが20000 MPa %を超えることも可能である。このように、強度−延性バランスの観点からは、TRIP鋼の方が優れている。
【0004】
例えば、特開平3-10049 号公報には、C、Si、Mnを基本成分として含有する鋼に、圧下率を80%以上、圧延仕上温度を780 〜900 ℃とする熱間圧延を施したのち、熱間圧延終了温度から40℃/s未満の冷却速度で冷却を開始し、圧延仕上温度や仕上圧延速度から決まる所定温度で冷却を終了後、ついで冷却速度40℃/s以上で冷却して、350 〜500 ℃で巻き取る高強度熱延鋼板の製造方法が提案されている。この方法で製造された熱延鋼板の強度延性バランスは20000 MPa %以上となることが可能であることが示されている。また、この熱延鋼板の組織は、ポリゴナルフェライト占積率が61%以下、ポリゴナルフェライト占積率とフェライト粒径との比が18以上で、かつ残留オーステナイトを5%以上含む、フェライト、ベイナイトおよび残留オーステナイトからなる複合組織を有している。
【0005】
しかしながら、特開平3-10049 号公報に記載された技術では、▲1▼熱間圧延の冷却が、所定温度までの40℃/s未満の緩冷却と、所定温度以降の急速冷却を必要とすること、さらに▲2▼冷却速度を変化させる所定温度が熱間圧延時の仕上温度や圧延速度の関数となっており、このような所定温度に合わせて冷却速度を変更することは、実操業上から困難といわざるを得ない。
【0006】
また、仮にこのような方法が実操業で実現されたとしても、巻取温度が350 〜500 ℃であり、巻き取り後の放冷時における冷却速度がコイル長手方向で大幅に異なる事態が生じる。このため、コイルの位置により未変態のオーステナイト相がベイナイトに変態する速度が異なることから、得られる残留オーステナイト量に大幅な変動が生じることになり、製品歩留りの低下をもたらす。
【0007】
TRIP鋼の製造においては、まず圧延終了後にオーステナイトの一部をフェライトに変態させる必要がある。このために、熱間圧延時に大圧下圧延やオーステナイト域での低温圧延が望ましく、さらに、圧延終了後巻き取りまでの冷却中にフェライト変態のノーズを通過させる必要がある。そのため、冷却途中に短時間の保持を行う、いわゆる中間徐冷冷却や、あるいはフェライト変態のノーズまで徐冷したのち急冷を行う前段徐冷却などが考えられている。また、巻き取った後に未変態のオーステナイトの一部がベイナイト変態をするのにともない、固溶Cが未変態のオーステナイトに濃化してオーステナイトの安定化を促進するために、5以上の保持が必要である。しかし、60を超えるような長時間の保持ではベイナイト変態が進行し過ぎて製品中の残留オーステナイトが減少する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、TRIP鋼の製造においては、種々の製造面における制約があり、従来技術を用いる限り、強度−延性バランスTS×Elが20000 MPa %以上を有するTRIP型高延性高強度鋼板を高い歩留りで製造するのは難しい。現状では最良でも70%程度の製品歩留りに止まっている。このため、更なる製品歩留りの向上、製造コストの低下が要望されていた。
【0009】
本発明は、上記した問題を解決し、安定して、高強度で、高い延性と、20000 MPa %以上の優れた強度−延性バランスTS×Elを有する高延性高強度熱延鋼板を提供することを目的とする。また、本発明は、複雑な工程を経ずに安定して、前記高延性高強度熱延鋼板を、しかも85%を超えるような高い製品歩留りで製造できる高強度熱延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するため鋭意研究し、種々の実験室的検討を加えた結果、従来技術が持つ問題点を一挙に解決し、高い強度−延性バランスを有する高延性高強度熱延鋼板を複雑な工程を経由せずに、安定して製造できることを見いだした。
【0011】
本発明の基礎になった実験結果について説明する。
本発明者らは、重量%で、C:0.14%、Si:1.1 %、Mn:1.05%、S:0.001 %、Al:0.035 %、Ti:0.105 %を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を用い、熱間圧延条件を変えた熱間圧延により種々の熱延鋼板を得て、組織と引張特性の関係、製造条件と引張特性の関係を調査した。
【0012】
なお、熱間圧延は、実機熱間圧延設備を用い、加熱温度を1080℃、粗圧延終了温度を925 ℃、仕上圧延終了温度を830 ℃として、3mm 厚の熱延鋼板とした。また、仕上圧延終了から冷却開始までの時間を2以内と2超で調整した。また、350 ℃までの冷却速度を5 〜100 ℃/sの範囲で変化させ、巻取温度は350 ℃とした。
【0013】
まず、組織と引張特性の関係について説明する。
強度−延性バランスTS×Elとフェライト粒径、べイナイト粒径との関係を図1に示す。なお、フェライト粒径、べイナイト粒径は、JIS G 0552に規定する切断法に準拠して測定した。図1から、フェライト粒径を2.5 μm未満かつべイナイト粒径を5μm以下とすることにより、TS×Elが20000 MPa 以上となることがわかる。
【0014】
強度−延性バランスTS×Elと残留オーステナイト量との関係を図2に示す。なお、残留オーステナイト量はX線回折により測定した。図2から、残留オーステナイト量を5体積%以上とすることにより、TS×Elが20000 MPa 以上となることがわかる。
つぎに、製造条件と引張特性の関係を説明する。
【0015】
強度−延性バランスTS×Elと熱間圧延後の冷却速度との関係を図3に示す。なお、図3には、冷却開始までの時間が2以内(0.3 〜0.8 )と、2超で区別している。図3から、熱間圧延後の冷却速度が20℃/ s 以上でかつ圧延後0.3 〜0.8 秒で急冷を開始した場合に、TS×Elが20000 MPa 以上となることがわかる。
【0016】
また、本発明者らは、C:0.15%、Si:1.2 %、Mn:1.2 %、P:0.013 %、S:0.001 %、Al:0.041 %を含有し、Ti:0.09%、あるいはTi無添加とした鋼を用い、熱間圧延条件を変えた熱間圧延により種々の熱延鋼板を得て、製造条件と組織、引張特性との関係を調査した。
なお、熱間圧延は、実機熱間圧延設備を用い、加熱温度を1080℃、粗圧延終了温度を925 ℃、仕上圧延終了温度を830 ℃として、3mm厚の熱延鋼板とした。また、仕上圧延終了から冷却開始までの時間を0.8 、巻取温度までの冷却速度を55℃/sとし、巻取温度を変化した。なお、熱延コイルは幅1280mm重量21トンであった。
【0017】
コイルの長手方向各位置における残留オーステナイト量と巻取温度との関係を図4に示す。図4(b)に示すように、Ti無添加鋼では巻取温度400 ℃近傍に残留オーステナイト量のピークがあるが、コイル長手中央部と最後尾部で残留オーステナイト量のピークを示す巻取温度が異なり、しかも残留オーステナイト量も少ない。一方、図4(a)に示すように、Ti:0.09%添加鋼では巻取温度380 ℃以下で残留オーステナイト量が5 %以上となるとともにコイルの長手方向各位置における残留オーステナイト量のばらつきが小さくなる。
【0018】
このようなTi添加の有無による残留オーステナイト量の相違の原因を調査するため、Ti含有量の異なる鋼について、Ti含有量と残留オーステナイト量の関係をコイル長手方向中央部で調査した。
なお、製造条件は、巻取温度:350 ℃とした以外は、同様とした。残留オーステナイト量以外にもベイナイト粒径についても測定した。
【0019】
その結果を図5に示す。図5から、Tiの増加につれべイナイト粒径が減少し、べイナイト粒径が5 μm以下になると残留オーステナイトが5%以上となっていることがわかる。
このような実験結果から、強度−延性バランスTS×Elが20000 MPa 以上を有し、かつ材質が均一な高延性高強度鋼板を得るためには、Tiを0.05%以上含有する組成とし、組織を、フェライト粒径が2.5 μm未満、べイナイト粒径が5 μm以下であり、残留オーステナイト量が5%以上含まれる組織とする必要があることが分かった。また、これを達成するために、熱間圧延終了後の冷却開始までの時間を短くし、かつその後の冷却速度を20℃/s以上とし、380 ℃以下まで冷却する必要があることがわかった。
【0020】
本発明は、上記した知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、
(1)重量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.5 〜2.0 %、Mn:0.5 〜3.0 %、Ti:0.05〜0.3 %を含み、あるいはさらにP:0.10%以下および/またはAl:0.10%以下を含み、残部は実質的に鉄からなる組成と、フェライトを主相とし、ベイナイトと残留オーステナイトを含む組織を有し、前記フェライトの平均粒径が2.5 μm未満、前記ベイナイトの平均粒径が5μm以下であり、前記残留オーステナイトが体積率で5%以上含まれることを特徴とする超微細粒を有する高延性高強度熱延鋼板である。また、本発明では、前記組成がさらに、重量%で、次A群〜C群
A群:Nb:0.1 %以下、V:0.1 %以下のうちの1種または2種
B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下のうちの1種または2種以上
C群:Ca:0.0005〜0.015 %、REM :0.001 〜0.05%、B:0.0002〜0.01%のうちの1種または2種以上
のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することが好ましい。
(2)重量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.5 〜2.0wt %、Mn:0.5 〜3.0 %、Ti:0.05〜0.3wt %を含み、あるいはさらにP:0.10%以下および/またはAl:0.10%以下を含み、残部は実質的に鉄からなる組成の鋼片を、1150℃以下の温度に加熱したのち、700 〜900 ℃で圧延を終了する熱間圧延を施し、熱間圧延終了後2秒以内に冷却を開始し、平均冷却速度20℃/s以上で冷却し、150 〜380 ℃で巻き取り、フェライトの平均粒径が 2.5 μm未満、ベイナイトの平均粒径が5μm以下で、残留オーステナイトを体積率で5%以上含む、フェライトを主相としベイナイトと残留オーステナイトを含む組織を有する熱延鋼板とすることを特徴とする高延性高強度熱延鋼板の製造方法である。また、本発明では、前記組成がさらに、重量%で、次A群〜C群
A群:Nb:0.1 %以下、V:0.1 %以下のうちの1種または2種
B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下のうちの1種または2種以上
C群:Ca:0.0005〜0.015 %、REM :0.001 〜0.05%、B:0.0002〜0.01%のうちの1種または2種以上
のうちから選ばれた1群または2群以上を含有してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明鋼板の組成限定理由について説明する。
C:0.05〜0.25%
Cは、オーステナイトに濃化して、高延性化に必要な残留オーステナイト量を確保するのに必要な元素であり、また、Tiと結合してTiC を形成し、Tiの効果を高める。このためには、少なくとも0.05%以上の含有が必要であるが、0.25%を超えると溶接性が劣化する。このため、Cは0.05〜0.25%に限定する。
【0022】
Si:0.5 〜2.0 %、
Siは、高延性化に必要な残留オーステナイト量を確保するために、少なくとも0.5 %以上の含有が必要であるが、2.0 %を超えて含有しても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できず、経済的に不利となる。このため、Siは0.5 〜2.0 %に限定した。なお、好ましくは0.90%超〜2.0 %である。
【0023】
Mn:0.5 〜3.0 %
Mnは、べイナイトと残留オーステナイトを適量存在させるのに必要な元素であり、少なくとも0.5 %以上含有する。しかし、3.0 %を超える含有は、巻取り後のべイナイト変態が抑制され、残留オーステナイトがむしろ減少する。このため、Mnは0.5 〜3.0 %の範囲に限定する。
【0024】
Ti:0.05〜0.3 %
Tiは、本発明では最も重要な元素であり、熱間圧延の加熱に際し初期オーステナイト粒の粗大化を防止し、熱間圧延後のフェライト粒、あるいはベイナイト粒の微細化に寄与し、高延性化に必要な残留オーステナイト量を確保する。このような効果は、0.05%以上の含有で認められる。しかし、0.3 %を超えて含有すると、含有量に見合う効果が期待できず、コストアップの一因となる。このため、Tiは0.05〜0.3 %の範囲に限定した。
【0025】
本発明では、0.05〜0.3 %と比較的多量のTiを添加するため、Tiは低温加熱と相まって、TiC として存在しオーステナイト粒の粗大化を防止する。Tiのオーステナイト粒粗大化防止により、加熱時の初期オーステナイト粒径は50μm 以下となる。このような微細な初期オーステナイト粒が、熱間圧延により、再結晶が進行し、さらに微細なオーステナイト粒となる。このような状況で熱間圧延を終了すると、そのドライビングホースの高さから速やかなフェライト変態が起こるとともに、フェライト生成サイトの増加により未変態オーステナイトも微細になる。微細な未変態オーステナイトの一部は、巻取り保持中に微細なべイナイトに変態する。その際、固溶Cが未変態オーステナイト中に濃化し、さらに残る未変態オーステナイトを安定化させる。これが残留オーステナイトとなる。
【0026】
巻取り保持中、未変態オーステナイトからべイナイトへの変態は、比較的速く進むと思われるが、すでに変態した微細なべイナイトとフェライトの共存により、残留オーステナイトが安定なため、コイルの長手方向中心部のように巻き取り後に比較的高温に長時間保持されても、依然として高い残留オーステナイト量が確保されるものと推定される。
【0027】
上記した組成に加えて、必要に応じ、A群〜C群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有できる。
A群:Nb:0.1 %以下、V:0.1 %以下のうちの1種または2種
Nb、Vは、いずれも炭窒化物形成元素であり、析出強化を介して高強度化に有効な元素であり、所望強度に応じ1種または2種を含有できる。しかし、いずれも0.1 %を超える含有は、延性を劣化させるため、それぞれ0.1 %以下に限定するのが好ましい。
【0028】
B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下のうちの1種または2種以上
Cu、Mo、Ni、Crは、いずれも固溶強化ならびに組織強化により高強度化に有効な元素であり、必要に応じ1種または2種以上を選択して含有できる。しかし、いずれも、1.0 %以上の含有は効果が飽和するとともに延性が劣化するため、それぞれ1.0 %以下に限定するのが好ましい。
【0029】
C群:Ca:0.0005〜0.015 %、REM :0.001 〜0.05%、B:0.0002〜0.01%のうちの1種または2種以上
Ca、REM 、Bは、いずれも介在物の形態、あるいは組織を制御し、伸びフランジ性を向上させる元素であり、必要に応じ1種または2種以上を選択して含有できる。Caが0.0005%未満、REM が0.001 %未満、Bが0.0002%未満では、このような効果が認められない。一方、Caが0.0015%、REM が0.05%、Bが0.01%を超えると、延性が劣化する。このため、Caは0.0005〜0.015 %、REM は0.001 〜0.05%、Bは0.0002〜0.01%に限定するのが好ましい。
【0030】
P:0.1 %以下
Pは、強度を増加させる元素であり、しかも0.10%程度までの添加では耐2次加工脆化特性を劣化することなく高強度化が可能であり、必要に応じ0.10%まで添加できる。
Al:0.10%以下
Alは、脱酸剤として作用し、必要に応じ0.10%以下の添加が可能である。
【0031】
本発明鋼板は、上記した成分以外の残部は実質的に鉄からなる。なお、不可避的不純物として、S:0.020 %以下が許容できる。Sは、非金属介在物を増加させ、延性、伸びフランジ性を劣化する元素でありできるだけ低減するのが望ましいが、0.020 %までは許容できる。
つぎに、本発明鋼板の組織の限定理由について説明する。
【0032】
本発明鋼板は、フェライトを主相とし、ベイナイトと残留オーステナイトを含む組織を有する。本発明でいう主相とは、50%以上の体積率を有する相をいう。主相であるフェライトは、2.5 μm未満の平均粒径を有する。平均粒径が2.5 μm以上では、べイナイト粒径を5μm以下に小さくすることができない。また、下限はとくに限定されないが、現状で到達できる粒径は0.8 μm程度と考えられる。
【0033】
第2相は、ベイナイトと残留オーステナイトである。
ベイナイトの存在は、安定な残留オーステナイトを得て、高い延性を均質に得るのに重要である。ベイナイト変態後に、Cを未変態オーステナイトに濃化させるためには、5μm以下の微細なべイナイトとすることが必要である。このため、ベイナイトの平均粒径を5μm以下とした。べイナイト粒径は先に形成されるフェライトの粒径の影響を強く受けるが、さらに熱間圧延条件にも影響される。例えば、熱間仕上圧延が700 ℃未満の低温で行われると、フェライトは微細化されるがべイナイトはバンド上に粗大に伸びた組織を呈し好ましくない。べイナイトの粒径の下限は特に限定されないが、実用上到達できるのはフェライト粒径と同じ0.8 μm程度と考えられる。なお、ベイナイト量は、1〜30%(体積%)とするのが延性の観点から好ましい。
【0034】
残留オーステナイト量は5%(体積%)以上とする。
高い延性を確保するためには残留オーステナイト量は5%以上とされる。残留オーステナイト量が5%未満では、図2に示すように強度−延性バランスTS×Elが20000 MPa 以上を確保できない。なお、残留オーステナイトは、多ければ多いほど延性は向上するが、降伏強さの低下や、安定性の低下等から、20%程度が上限である。
【0035】
なお、上記した相以外の第2相としてはパーライトが考えられるが、本発明においてはパーライトの量は少なく限定するにおよばない。なお、マルテンサイト量は極めて少なく限定するには及ばないが、焼戻マルテンサイトは、ベイナイトと同様の役割を果たすため、10 までの含有は許容できる。
つぎに、本発明鋼板の製造条件について説明する。
【0036】
上記した組成の鋼を、常法の溶製方法、鋳造方法でスラブとしたのち、該スラブに熱間圧延を施し熱延鋼板とする。
熱間圧延は、スラブを、一旦冷却したのち再加熱する再加熱圧延とするか、冷却中の高温スラブを加熱するDHCRプロセスとしても、直送圧延としてもよい。再加熱する場合には、TiC の溶解を防止して、初期オーステナイト粒を微細化するため、極力低温とするのが好ましく、1150℃以下、好ましくは1080℃以下に加熱するのが好ましい。また、直送圧延する場合でも、1150℃以下まで冷却したのち圧延を開始するのが好ましい。初期オーステナイト粒の微細化により、熱延鋼板の組織微細化と残留オーステナイトの確保が可能となる。なお、加熱温度は、870 ℃以上とするのが圧延負荷の観点から好ましい。加熱炉の在炉時間はとくに限定されないが、スラブ全体が均一に加熱される必要最小限の時間とするのが好ましい。
【0037】
加熱されたスラブは、ついで700 〜900 ℃で圧延を終了する熱間圧延を施される。圧延終了温度が、700 ℃未満では、2相域圧延となり、第2相が展伸した組織となるため、所定量の残留オーステナイトが確保できない。一方、圧延終了温度が900 ℃を超えると熱間圧延終了後変態開始までの間にオーステナイト粒の成長が進み、微細なフェライトやべイナイトが生成されない。このため、熱間圧延の終了温度を700 〜900 ℃とするのが好ましい。
【0038】
なお、その他の圧延条件は、とくに限定されないが、操業上許される範囲内で低温での圧下率を高くするようにするのが好ましい。
熱間圧延終了後、ついで熱延鋼板は、冷却を施される。冷却は、熱間圧延終了後2以内に開始するのが好ましい。冷却速度は20℃/s以上とするのが好ましい。なお、冷却速度の上限は、とくに限定されないが現有設備では200 ℃/sが上限となる。
【0039】
本発明の熱延鋼板では、熱間圧延終了段階で微細なオーステナイト粒に歪みが蓄積されているため、速やかにフェライト変態が開始する。そのため、熱間圧延終了後2秒以内に冷却を開始する必要がある。従来技術のように、フェライトノーズを通過させるために、冷却中の保定や前半部を徐冷する必要はない。冷却開始が遅れ、熱間圧延終了後2秒以上の放置がなされた場合や、冷却速度が20℃/sより遅い場合はフェライト粒が急激に粗大化するので好ましくない。
【0040】
冷却を終了した熱延鋼板はコイル状に巻き取られる。巻取温度は150 〜380 ℃とするのが好ましい。
本発明では、比較的低温の380 ℃以下の巻取温度でも5%以上の高い残留オーステナイト量を確保できる。本発明では、巻取温度が380 ℃を超えるとコイル長手方向の位置にかかわらず、残留オーステナイト量が減少する。これは、微細なべイナイト組織の鋼といえども炭化物の析出が進み、オーステナイトへの固溶Cの濃化が抑制され、残留オーステナイト量が減少するためである。巻取温度が、150 ℃未満では、マルテンサイトが生成する。このため、巻取温度は150 〜380 ℃とするのが好ましい。
【0041】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す組成の溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブとした。ついでこれらスラブを1065℃に加熱したのち、熱間圧延を施した。熱間圧延終了温度は835 ℃とした。熱間圧延終了後、0.8 秒で冷却を開始し、55℃/sの冷却速度で345 ℃まで冷却し、その温度で巻き取った。板厚は2.6mm である。
【0042】
コイル長手方向の中央部よりJIS 5号引張試験片を採取し、引張試験を実施した。また、コイル長手方向の中央部より組織測定用試験片を採取し、顕微鏡(1000倍)により、フェライト、ベイナイトの平均結晶粒径を測定した。なお、フェライト粒径、べイナイト粒径は、JIS G 0552に規定する切断法に準拠して測定した。また、残留オーステナイト量はX線回折により測定した。
【0043】
それらの結果を表2に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003541726
【0045】
【表2】
Figure 0003541726
【0046】
表2から、本発明例は、いずれも、平均粒径2.5 μm未満の微細なフェライトと、平均粒径5μm以下の微細なべイナイトと、5%以上の高い残留オーステナイト量を有し、20000 MPa 以上のTS×Elを示す、高延性熱延鋼板である。
これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、TS×Elが20000 MPa 未満の低い延性しか示していない。
(実施例2)
表1の鋼No. Bの組成を有するスラブに、表3に示す熱間圧延条件で熱間圧延を施し、熱延鋼板とした。これら熱延鋼板のコイル各位置(コイルの長手方向中央部および最尾端部)から試験片を採取し、組織、機械的性質を評価した。なお、機械的性質をコイル長手方向に数メートル間隔で調査し、製品の歩留を調査した。ここで製品の歩留は、製品の歩留(=(良品になった量)/(圧延量)×100 %) でもとめた。なお、良品とは、強度- 延性バランス(TS×El)が20000 MPa 以上を有するものとした。
【0047】
コイルと長手方向中央部と、最尾端部の組織、機械的性質、歩留についての結果を表4に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0003541726
【0049】
【表4】
Figure 0003541726
【0050】
本発明例は、いずれも、平均粒径2.5 μm未満の微細なフェライトと、平均粒径5μm以下の微細なべイナイトと、5%以上の高い残留オーステナイト量を有し、20000 MPa 以上の優れたTS×Elを示す高延性熱延鋼板であり、ほぼコイル全長にわたりてTS×Elが20000 MPa 以上の高延性を示し、製品歩留も91%以上と優れている。
【0051】
これに対し、本発明の範囲を外れる比較例では、コイルの全長あるいは一部でTS×Elが20000 MPa 未満となり、製品歩留も69%以下と低い。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、コイル長手方向に均質な自動車向け高延性高強度熱延鋼板が安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明の熱延鋼板は、自動車向け以外にも、成形性と強度の両立が望まれている用途に好適であり、使途の範囲はさらに拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強度−延性バランス(TS×El)とフェライト粒径、べイナイト粒径との関係を示すグラフである。
【図2】強度−延性バランス(TS×El)と残留オーステナイト量との関係を示すグラフである。
【図3】強度−延性バランス(TS×El)と熱間圧延後の冷却速度、冷却開始までの時間の関係を示すグラフである。
【図4】残留オーステナイト量と巻取り温度との関係を示すグラフであり、(a)はTi添加鋼、(b)はTi無添加鋼の例を示す。
【図5】残留オーステナイト量、ベイナイト粒径とTi含有量との関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 重量%で、
    C:0.05〜0.25%、 Si:0.5 〜2.0 %、
    Mn:0.5 〜3.0 %、 Ti:0.05〜0.3 %
    を含み、あるいはさらにP: 0.10 %以下および/または Al 0.10 %以下を含み、残部は実質的に鉄からなる組成と、フェライトを主相とし、ベイナイトと残留オーステナイトを含む組織を有し、前記フェライトの平均粒径が2.5 μm未満、前記ベイナイトの平均粒径が5μm以下であり、前記残留オーステナイトが体積率で5%以上含まれることを特徴とする超微細粒を有する高延性高強度熱延鋼板。
  2. 前記組成がさらに、重量%で、下記A群〜C群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の超微細粒を有する高延性高強度熱延鋼板。

    A群:Nb:0.1 %以下、V:0.1 %以下のうちの1種または2種
    B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下のうちの1種または2種以上
    C群:Ca:0.0005〜0.015 %、REM :0.001 〜0.05%、B:0.0002〜0.01%のうちの1種または2種以上
  3. 重量%で、
    C:0.05〜0.25%、 Si:0.5 〜2.0
    Mn:0.5 〜3.0 %、 Ti:0.05〜0.3
    を含み、あるいはさらにP: 0.10 %以下および/または Al 0.10 %以下を含み、残部は実質的に鉄からなる組成の鋼片を、1150℃以下の温度に加熱したのち、700 〜900 ℃で圧延を終了する熱間圧延を施し、熱間圧延終了後2秒以内に冷却を開始し、平均冷却速度20℃/s以上で冷却し、150 〜380 ℃で巻き取り、フェライトの平均粒径が 2.5 μm未満、ベイナイトの平均粒径が5μm以下で、残留オーステナイトを体積率で5%以上含む、フェライトを主相としベイナイトと残留オーステナイトを含む組織を有する熱延鋼板とすることを特徴とする高延性高強度熱延鋼板の製造方法。
  4. 前記組成がさらに、重量%で、下記A群〜C群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の高延性高強度熱延鋼板の製造方法。

    A群:Nb:0.1 %以下、V:0.1 %以下のうちの1種または2種
    B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下のうちの1種または2種以上
    C群:Ca:0.0005〜0.015 %、REM :0.001 〜0.05%、B:0.0002〜0.01%のうちの1種または2種以上
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