JP2011073365A - ブロー成形用金型およびプラスチック容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の分割金型は入れ駒9を備え、入れ駒9は、文字や図形などの立体表記を形成するための凹部と、凹部上に、分割金型とパリソンとの間の空気を除去するためのφ0.5mm以下のエアベント12とを備える。プラスチック容器1は、ブロー成型用金型を用いてポリエチレン樹脂製のパリソンでブロー成形してなり、立体表記の肉厚は0.1mm以上である。
【選択図】図5
Description
(1)密度(g/cm3): JIS K7112に準拠して測定した。
(2)メルトフローレート(g/10分): JIS K7210に準拠して190℃、荷重21,18Nの条件にて測定した。
メルトフローレートの値が小さいほど引張強度、衝撃強度等の物性に優れる。一方、成形性の面においてはメルトフローレートの値が小さくなると溶融粘度が高くなり押出し加工時のメルトフラクチャ、シャークスキンの原因となる。
(3)溶融張力(g): 東洋精機製メルトテンションテスターを用いて、温度190℃の条件で溶融した樹脂をノズル部のオリフィス径2.09mm、長さ8mmから押出速度10mm/分で押出し、巻き取り速度4m/分の条件で測定した。一般に溶融張力の値が大きくなるほど加工性に優れ、特にブロー成形時のドローダウンがなく容器の壁面を薄肉に調整することが可能となり成形性に優れる。
(4)外観:ブロー成形条件を一定にして、各実施例および比較例の多層プラスチック容器を成形した場合に、エアベントが目立たず、立体表記部が明瞭であれば○、エアベントが目立つあるいは立体表記部が不明瞭であれば×評価とした。
(5)落下強度:ブロー成形により形成した各実施例および比較例の多層プラスチック容器に水を約500cc充填し、20℃で保存したものを1.5mの高さからコンクリート面に水平方向、垂直方向に各1回ずつ落下させて破損しなかった場合は○、破損した場合は×評価とした。
エアベントφ0.3mm、立体表記の平均幅A=0.15、立体表記と隣接する陥没面との深さB=0.15の金型にて、内外層を構成するポリエチレン系樹脂として、高圧法にて重合された低密度ポリエチレンを用いてブロー成形した容器を評価した結果、外観、耐落下強度ともに優れた容器を得ることができた。
エアベントφ0.5mm、立体表記の平均幅A=0.30、立体表記と隣接する陥没面との深さB=0.15の金型にて、内外層を構成するポリエチレン系樹脂として、高圧法にて重合された低密度ポリエチレンを用いてブロー成形した容器を評価した結果、外観、耐落下強度ともに優れた容器を得ることができた。
エアベントφ0.3mm、立体表記の平均幅A=0.15、立体表記と隣接する陥没面との深さB=0.15の金型にて、内外層を構成するポリエチレン系樹脂として、メタロセン系触媒を用いて重合された長鎖分岐構造を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を用いてブロー成形した容器を評価した結果、外観、耐落下強度ともに優れた容器を得ることができた。
エアベントなし、立体表記の平均幅A=0.15、立体表記と隣接する陥没面との深さB=0.15の金型にて、内外層を構成するポリエチレン系樹脂として、高圧法にて重合された低密度ポリエチレンを用いてブロー成形した容器を評価した結果、立体表記部形成突部が不明瞭になり、その部分において局部薄肉が発生し、耐落下強度も劣る結果となった。
エアベントφ0.6mm、立体表記の平均幅A=0.15、立体表記と隣接する陥没面との深さB=0.15の金型にて、内外層を構成するポリエチレン系樹脂として、高圧法にて重合された低密度ポリエチレンを用いてブロー成形した容器を評価した結果、耐落下強度は優れるものの立体表記部においてエアベント形状が転写され外観を損なう結果となった。
エアベントφ0.3mm、立体表記の平均幅A=0.15、立体表記と隣接する陥没面との深さB=0.30の金型にて、内外層を構成するポリエチレン系樹脂として、高圧法にて重合された低密度ポリエチレンを用いてブロー成形した容器を評価した結果、外観は優れるものの立体表記部形成突部において局部薄肉が発生し、耐落下強度が劣る結果となった。
エアベントをφ0.1mmとし強制的に真空吸引を行った以外は実施例1と同様の方法で得られた容器を評価した結果、立体表記部においてエアベント形状が転写され、概観を損なう結果となった。
2 容器胴部
3 陥没面
4 輪郭部
5 立体表記部
6,7 一対の分割金型
8 キャビティ
9 入れ駒
10 クリアランス
11 排気通路
12 エアベント
13 正常肉厚断面
14 局部薄肉断面
Claims (6)
- 一対の分割金型に、入れ駒を備え、
前記入れ駒は、文字や図形などの立体表記を形成するための凹部と、
前記凹部上に、前記分割金型とパリソンとの間の空気を除去するためのφ0.5mm以下のエアベントと、を備えることを特徴とするブロー成形用金型。 - 前記立体表記の平均幅をA、前記立体表記と隣接する陥没面との深さをBとして、A≧Bであることを特徴とする請求項1記載のブロー成形用金型。
- 前記入れ駒と、前記分割金型のキャビティとの間の全周に0.1〜0.15mmのクリアランスを有し、前記エアベントは、前記入れ駒を貫通して設けられることを特徴とする請求項1又は2記載のブロー成形用金型。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載のブロー成型用金型を用いて作られるポリエチレン樹脂製のパリソンでブロー成形してなる前記立体表記の肉厚が0.1mm以上であることを特徴とするプラスチック容器。
- 少なくとも1つの層を構成する耐湿性樹脂が密度0.936g/cm3未満、メルトフローレイト(MFR)が5.0g/10分未満、190℃における溶融張力が4.5〜12gであることを特徴とする請求項4記載のプラスチック容器。
- 前記ポリエチレン樹脂は、メタロセン系触媒を用いて重合された長鎖分岐構造を有するエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項5記載のプラスチック容器。
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