JP2011072907A - 超音波洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波振動子(BLT)の周波数特性を安定させる。
【解決手段】洗浄槽13内に振動板35を設ける。振動板35に複数のBLT45を固定する。洗浄槽13に、槽内の液体を吸引する吸引口32を設ける。吸引口32に、循環路83を接続する。循環路83に、第1循環路85と第2循環路86とを接続する。両循環路85,86の他端を、それぞれ給水ノズル31a、各カプラ33a,33bに接続する。循環路83にCP(循環ポンプ)84を設ける。BLT45を駆動して超音波洗浄を開始する前に、CP84を駆動して洗浄槽13内の液体を循環する。洗浄槽13の内面や振動板35等に気泡が付着する。BLT45から出力される超音波が気泡により吸収されるため、洗浄槽13の内面や振動板35からの超音波の反射が防止される。BLT45の周波数特性が安定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、超音波振動子の駆動周波数が共振周波数と一致するように周波数制御を行う超音波洗浄装置に関するものである。
使用済みの内視鏡の洗浄及び消毒を効率よく行うために、内視鏡洗浄消毒装置が利用されている。内視鏡洗浄消毒装置は、使用済みの内視鏡を洗浄槽に収容し、洗浄工程、消毒工程等を行う。洗浄工程は、内視鏡に水、洗剤等を噴射して外表面及び各チャンネル内に付着した体液や汚物を洗い流す。消毒工程は、洗浄槽内に消毒液を供給し、消毒液中に内視鏡を浸漬させて病原菌やウイルスを除去し、または病原性を消失させる。
内視鏡の洗浄に超音波洗浄を用いる内視鏡洗浄消毒装置が知られている(特許文献1参照)。この内視鏡洗浄消毒装置の洗浄槽には、底面に振動板が設けられており、この振動板の下面には、複数個の超音波振動子が取り付けられている。超音波振動子は、振動板を介して洗浄液を振動させることで、内視鏡に超音波洗浄を施す。
超音波振動子は、交流の電圧を印加することによって駆動され、共振周波数と一致する駆動周波数の電圧が印加されたときに、最大の電流が流れて、最も大きく振動する。ここで、共振周波数は、電圧と電圧の印加によって生じる電流の位相差がゼロとなる周波数である。また、駆動周波数が共振周波数に一致していないと、電力効率が悪いばかりか、超音波振動子の駆動回路の発熱量が増加することにより、故障や不具合の原因となる。
超音波振動子は、機械的な共振現象を利用する共振子であるので、インピーダンスの周波数特性は、超音波振動子が取り付けられる内視鏡洗浄消毒装置の使用状況などの外的要因によって変化し、共振周波数が変動する。内視鏡洗浄消毒装置の使用状況は、例えば、洗浄槽に貯留される液体の液面の高さ、液面の揺れ、洗浄槽内における内視鏡のセット位置などである。
図16において、太線はインピーダンスの周波数特性を示し、細線は電圧と電流の位相差の周波数特性を示す。洗浄装置の使用状況が変化すると、インピーダンスの周波数特性が変化し、それに応じて共振周波数も変動する。このような共振周波数の変動に対応するために、超音波振動子の駆動に際しては、駆動周波数を制御することにより電圧と電流の位相を同期させるPLL(Phase Locked Loop)回路を用いて、内視鏡洗浄消毒装置の使用状況に応じて変化する共振周波数の変動に駆動周波数を追尾させる周波数制御が行われている。
PLL回路は、予め設定された中心周波数Cを基準にしてその前後の仕様で定められた範囲を制御範囲Aとして、周波数制御を行う。例えば、中心周波数Cが36kHzに設定されると、その中心周波数Cを基準としてその前後の仕様で定められた範囲(例えば1kHz)を制御範囲A(35kHz〜37kHz)として、周波数制御を行う。制御範囲Aは、反共振周波数が含まれないような幅に設定されている。反共振周波数は、共振周波数と同様に電圧と電流の位相差がほぼゼロになるが、インピーダンスが最小となる共振周波数とは反対に、インピーダンスが最大となる周波数である。
内視鏡洗浄消毒装置の使用状況が変化して、共振周波数が36.2kHzに変動した場合には、PLL回路は、制御範囲A内で駆動周波数を制御することにより、駆動周波数を、電圧と電流の位相差がほぼゼロになる36.2kHzの共振周波数に合わせる。
特開平9−28669号公報
しかし、上述の図16は、あくまで理想的なインピーダンス及び位相の周波数特性の一例を示したものである。実際には、洗浄槽や振動板での超音波の反射の影響などにより、図17に示すように、各周波数特性の波形は乱れてしまう。その結果、PLL回路の制御範囲A内には、電圧と電流の位相差がゼロとなる周波数が複数存在し、共振周波数となる周波数が一意に定まらない。さらに、これら各周波数では、超音波振動子のインピーダンスが最小にならない場合がある。
PLL回路は、駆動周波数を、位相差がゼロとなるいずれかの周波数に合わせてしまうため、インピーダンスが最小にならない駆動周波数で超音波振動子が駆動されることがある。このため、超音波振動子やその駆動回路の発熱量の増加に起因する故障や不具合が、依然として発生するおそれがある。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、超音波振動子の周波数特性を安定させることができる超音波洗浄装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、交流の駆動電圧で駆動され、洗浄槽内の液体を振動させて洗浄槽に収容された被洗浄物を超音波洗浄するための超音波振動子であって、超音波洗浄の実行期間中におけるインピーダンスの変動により共振周波数が変動する超音波振動子と、前記超音波洗浄の実行期間中に、駆動電圧と駆動電流の位相差を検出して、前記位相差がゼロになるように駆動電圧の駆動周波数を制御することにより、駆動周波数を、超音波振動子の共振周波数に追尾させる周波数制御を行う駆動周波数制御手段と、前記超音波洗浄の実行前に前記洗浄槽内の液体を循環させることにより、前記インピーダンスが最小となる点と前記位相差がゼロとなる点が一致するように、前記超音波振動子の周波数特性を安定させる循環手段と、を備えたことを特徴とする。
前記循環手段は、前記超音波洗浄の実行期間中に前記液体の循環を停止することが好ましい。
前記循環手段は、前記超音波洗浄の実行期間中も継続して前記液体の循環を行うことが好ましい。また、前記循環手段は、前記超音波洗浄の実行前と実行期間中とで前記液体の循環量を変化させることが好ましい。さらに、前記循環手段は、前記超音波洗浄の実行前の前記液体の循環量を、前記超音波洗浄の実行期間中の前記液体の循環量よりも大きくすることが好ましい。
本発明の超音波洗浄装置は、超音波洗浄の実行前に洗浄槽内の液体を循環させるので、超音波洗浄の実行期間中に超音波振動子の周波数特性を安定させることができる。これにより、駆動電圧と駆動電流の位相差がゼロとなる共振周波数が一意に定まり、かつこの周波数で超音波振動子のインピーダンスが最小となる。その結果、位相差がゼロとなるように駆動周波数の周波数制御を行ったときに、超音波振動子やその駆動回路の発熱を最小限に抑えることができるので、これらの故障や不具合の発生が防止される。
超音波洗浄の実行期間中に液体の循環を停止するので、超音波洗浄装置の省電力化が図れる。特に多数の精密部品で構成されている内視鏡を超音波洗浄する場合、超音波洗浄による故障を防止するために超音波洗浄時間が短く設定されているので、循環を停止しても、超音波洗浄中に超音波振動子の周波数特性が不安定になることはない。また、超音波振動子の振動などにより発生した気泡が液体の循環によって移動することがないため、被洗浄物の特定の範囲を集中的に超音波洗浄することができる。例えば、被洗浄物が内視鏡である場合、汚れの付着しやすい内視鏡先端部が超音波振動子の近傍に配置されるような構成の洗浄槽では、循環を停止した状態で超音波洗浄を行うことで、内視鏡先端部を集中的に超音波洗浄することができる。
超音波洗浄の実行期間中も継続して液体の循環を行うようにしたので、超音波振動子の振動などにより発生した気泡が、被洗浄物の外表面の微細な穴や溝に入り込み易くなるため、より効果的に超音波洗浄を実行することができる。また、発生した気泡が液体の循環によって移動するため、より広範囲を超音波洗浄することができる。
超音波洗浄の実行期間中よりも実行前の液体の循環量を大きくしたので、洗浄槽内に気泡が付着する付着領域を増やすことができる。気泡は超音波振動子から出力される超音波を吸収するので、この気泡の付着領域が増加するほど、洗浄槽内での超音波の反射がより抑えられる。その結果、超音波振動子の周波数特性をより安定させることができる。
内視鏡洗浄消毒装置の斜視図である。 トップカバーを開放したときの内視鏡洗浄消毒装置の斜視図である。 洗浄槽の上面図である。 洗浄槽の断面図である。 装置本体内の概略的な配管系統を示す配管図である。 内視鏡洗浄消毒装置の電気的構成を示すブロック図である。 洗浄消毒処理の流れを示したフローチャートである。 洗浄液を循環させた後の洗浄槽の断面拡大図である。 洗浄液を循環させた後の超音波振動子の周波数特性を示したグラフである。 第2実施形態の内視鏡洗浄消毒装置の洗浄消毒処理の流れを示したフローチャートである。 超音波振動子の駆動前及び駆動中における、洗浄槽内の液体の循環量を示したグラフである。 第1比較例の超音波振動子の周波数特性を示したグラフである。 第2比較例の超音波振動子の周波数特性を示したグラフである。 第1実施例の超音波振動子の周波数特性を示したグラフである。 第2実施例の超音波振動子の周波数特性を示したグラフである。 理想的な超音波振動子の周波数特性を示したグラフである。 洗浄液の循環を行わなかった場合の超音波振動子の周波数特性を示したグラフである。
図1及び図2に示すように、内視鏡洗浄消毒装置(以下、洗浄消毒装置と呼ぶ)10は、箱状の装置本体11を備えている。装置本体11の上部には、使用後の内視鏡12を収容し、洗浄液や消毒液が供給される洗浄槽13が設けられている。洗浄槽13は、上部が開放された水槽であり、例えばステンレス等の耐熱性、耐蝕性等に優れた金属材料で形成されている。装置本体11には、洗浄槽13の開口部13aを覆う蓋として機能するトップカバー16が設けられている。
装置本体11は、シャーシ(図示せず)を有しており、シャーシには、洗浄槽13やトップカバー16の他、洗浄液や消毒液の供給、排出等の洗浄消毒処理に係る各種機構が設けられている。シャーシの外周は、前面パネル17、側面パネル18、上部パネル19からなる外装部材によって覆われている。
装置本体11内には、前面パネル17の下部に配されたフットスイッチ20とトップカバー16を連動させる連動機構(図示せず)が組み込まれている。トップカバー16は、フットスイッチ20が踏み込まれたときに開放され、さらにフットスイッチ20がもう一度踏み込まれたときに閉じられる。装置本体11には、図示は省略するが、内視鏡12の洗浄消毒処理の間、トップカバー16を閉じた位置でロックするロック機構、及びトップカバー16の開閉を検出する開閉センサが設けられている。
前面パネル17内には、図示しない収納トレイが設けられている。収納トレイには、洗剤タンク及びアルコールタンクが収納されている。洗剤タンクには、内視鏡12の洗浄に使用される洗剤が貯えられている。アルコールタンクには、内視鏡12の洗浄、消毒後に、鉗子チャンネル等の各チャンネル内に流されるアルコールが貯えられている。前面パネル17には、各タンク内の液体の残量視認用の透明窓22が取り付けられている。
また、収納トレイには、消毒液を濃縮した濃縮液を貯えた供給ボトルが交換可能に収納される。供給ボトルは、シャーシに備え付けられた消毒液タンクに接続され、濃縮液を消毒液タンク内に供給する。濃縮液は、消毒液タンク内において水によって希釈されて使用される。
前面パネル17には、排紙口23が設けられている。排紙口23は、洗浄履歴情報が印字されたプリントを排出する。洗浄履歴情報は、例えば、洗浄を実施した日時、洗浄担当者名、洗浄した内視鏡12のIDなどの情報である。洗浄履歴情報が印字されたプリントは、内視鏡12の洗浄消毒結果の確認、管理等に用いられる。
上部パネル19の前端部には、操作部24が設けられている。操作部24には、各種の操作指示を入力するための操作ボタン25、各種表示を行うディスプレイ26、及び読み取り部27が設けられている。操作ボタン25は、例えば、洗浄、消毒の開始を指示するスタートボタン、緊急停止を指示するためのストップボタン、ディスプレイ26に表示される操作画面を操作するための操作キーからなる。ディスプレイ26は、洗浄・消毒処理のメニューを選択する選択画面や各種設定を行うための設定画面を含む操作画面を表示する他、洗浄・消毒処理の進捗状況や残り時間、トラブル発生時の警告メッセージ等を表示する。
読み取り部27は、その内部にタグリーダ(図示せず)が配置されている。タグリーダは、内視鏡12に設けられたRFIDタグや、洗浄担当者のネームプレートに設けられたRFIDタグと非接触で通信してRFIDタグ内の情報(内視鏡12のIDや洗浄担当者名など)を読み取る。
洗浄槽13の後方部分の底面には、廃液口28が設けられており、側面には、液面センサ29が設けられている。廃液口28は、洗浄槽13から使用済みの水、洗浄液、消毒液を排出する。液面センサ29は、例えば、アース電極及び検出電極に被測定物(導電性液体)が接触した場合に、両電極間に流れる電流を検知する電極式レベルセンサであり、洗浄槽13内に貯えられた液体の液面位置を検出する。
洗浄槽13の後方部分には、洗浄槽13の底面よりも一段高いテラス部13b、13cが設けられている。各テラス部13b、13cは、後方部分の2つの角にそれぞれ設けられている。一方のテラス部13bには、気密試験ポート30が設けられている。気密試験ポート30は、内視鏡12の挿入部及びユニバーサルコードの外皮と内蔵物の隙間に圧縮エアを送り込み、外皮に液体が進入する小さな孔や亀裂が生じていないかを試験するためのポートである。
また、テラス部13bには、内視鏡12の洗浄、消毒に用いる液体を洗浄槽13内に供給する供給ポートが設けられている。供給ポートには、洗浄槽13内に向けて屈曲された給水ノズル31a、消毒液供給ノズル31b、洗剤供給ノズル31cが設けられている。これらのノズル31a〜31cは、洗浄槽13内に貯えられる液体の液面よりも高い位置に配置されている。
給水ノズル31aは、洗浄槽13内に水を供給し、洗剤供給ノズル31cは、洗剤タンク内に貯えられている洗剤を洗浄槽13内に供給する。消毒液供給ノズル31bは、消毒液タンク内に貯えられている消毒液を洗浄槽13内に供給する。
テラス部13bの側面には、洗浄槽13内の液体に水流を生じさせるために、洗浄槽13に貯えられた液体を吸引して、循環させるための吸引口32が設けられている。給水ノズル31aは、循環用のノズルとしても使用され、吸引口32から吸引された液体は、配管を通って給水ノズル31aから再び洗浄槽13に供給される。
テラス部13cには、内視鏡12の送気・送水チャンネル、吸引チャンネル及び鉗子チャンネル内の洗浄、消毒に用いられるチャンネル洗浄ポート33が設けられている。チャンネル洗浄ポート33には、送気・送水チャンネル用カプラ33a、吸引チャンネル用カプラ33bが設けられている。各カプラ33a,33bは、図示しない接続チューブを介して、内視鏡12に設けられた送気・送水ボタン及び吸引ボタンのそれぞれの装着口と接続される。チャンネル洗浄ポート33は、水、洗浄液、消毒液、アルコール、及び圧縮エア等の液体及び気体を、送気・送水チャンネル、鉗子チャンネル及び吸引チャンネル内に供給する。
図3に示すように、洗浄槽13の前方部分の底面には、洗浄槽13の形状に合わせて円板状の振動板35が配置されている。振動板35は、例えばステンレスなどの耐エロージョン性の高い材料で形成されている。この振動板35上には、内視鏡12が載置される略円形のネット36が配置されている。ネット36は、内視鏡12と底面との間に液体が流れ込む隙間を作り、洗浄槽13に供給される液体が、内視鏡12の外表面に接触する面積を増加させる。
ネット36の中央には、内視鏡12から取り外された、送気・送水ボタンや吸引ボタンなどの小物部品を収容する小物洗浄かご37が配置されている。小物洗浄かご37の近傍には、噴射ノズル38が配置されている。噴射ノズル38は、上方に位置するトップカバー16に向けて水を噴射する。
内視鏡12は、被検体内に挿入される挿入部及びユニバーサルコードが巻き回された状態で、小物洗浄かご37の周囲を取り囲むようにして、ネット36上に載置される。
図4に示すように、振動板35は、洗浄槽13の底面から僅かに上方に離れた位置で固定されている。振動板35の周縁部と底面との間には、防振及び液漏れ防止のためにリング状のパッキン39が設けられている。また、振動板35の周縁部には、鉛直下方に長く延びた複数のスタッド40が設けられている。各スタッド40は、パッキン39及び洗浄槽13の底部を貫通して、この底部の下面から下方に突出している。
各スタッド40の先端部はネジ切りされており、この先端部にはナット41が締結されている。ナット41は、スタッド40を介して、振動板35を洗浄槽13に固定する。なお、ナット41と洗浄槽13の底部との間には、ワッシャ42及びスプリングワッシャ43が設けられている。
洗浄槽13の底部には、パッキン39よりも内側で開口した開口部44が形成されている。振動板35の下面には、開口部44により空いたスペースに複数のボルト締めランジュバン型超音波振動子(Bolt-clamped Langevin type Transducer:以下、BLTと略す)45が設けられている。各BLT45は、接着剤46と、振動板35を上面側から下面側に貫通するBLT固定用ボルト47とで、振動板35に固定されている。各BLT45は、交流駆動電圧(以下、駆動電圧と略す)の印加により振動して、振動板35を振動させる。
装置本体11内の配管系統を示す図5において、洗浄槽13の下面には、温度センサ(図示せず)と、ラバーヒータ51とが取り付けられている。温度センサは、洗浄槽13内に貯えられた液体の温度を測定する。ラバーヒータ51は、洗浄槽13を介して、洗浄槽13内に貯えられた液体を加熱する。このラバーヒータ51は、温度センサが測定する温度によって制御される。
給水ノズル31aには、水、洗浄液、消毒液が流される給液路52が接続されている。給液路52の他端は、電動三方弁53の吐出口に接続されている。電動三方弁53の一方の流入口には、給水路54が接続されている。
給水路54は、装置本体11の外部に露呈されて水道水の蛇口に接続されている。給水路54には、蛇口に接続される側から電磁弁55、ウォータフィルタ(WF)56が設けられている。電磁弁55は、給水路54に対する水道水の供給/停止を切り換える。WF56は、水道水に含まれる異物や細菌を捕捉する。電動三方弁53は、洗浄槽13内に水を供給する際に、給液路52と給水路54とを接続する。
洗剤供給ノズル31cには、洗剤供給路58が接続されている。洗剤供給路58の他端は、洗剤(例えば、液状酵素洗剤等)が貯えられた洗剤タンク59に接続されている。洗剤供給路58には、ウォータポンプ(以下、WPと省略する)60が設けられている。WP60は、洗剤タンク59内の洗剤を吸引し、洗剤供給ノズル31cから吐出させる。
消毒液供給ノズル31bには、消毒液供給路62が接続されている。消毒液供給路62の他端は、消毒液が貯えられた消毒液タンク63に接続されている。消毒液供給路62には、消毒液タンク63内の消毒液を吸引して消毒液供給ノズル31bから吐出させるWP64が設けられている。
消毒液タンク63には、濃縮液注入路66、希釈液供給口67、回収口68、排出口69が設けられている。濃縮液注入路66は、供給ボトル70内の消毒液の濃縮液を消毒液タンク63内へ導く。
希釈液供給口67は、消毒液タンク63内に水を供給し、濃縮液を希釈して所定濃度の消毒液を作成するための口部である。希釈液供給口67には、給水路54から消毒液タンク63内に水を供給する希釈液供給路71が接続されている。希釈液供給路71には、これを開閉する電磁弁72が設けられている。
回収口68は、洗浄槽13内で内視鏡12の消毒に使用された消毒液を消毒液タンク63内に回収するため口部である。消毒液は、数回の使用では消毒効果が消失しないので、消毒液タンク63に戻して繰り返し使用される。排出口69は、消毒液を消毒液タンク63から排出するための口部である。排出口69には、装置本体11の外まで引き回された排出路74が接続されている。排出路74には、これを開閉する手動弁75が設けられている。
洗浄槽13の廃液口28には、廃液路77が接続されている。廃液路77は、下流側で排水路78と回収路79とに分岐されている。排水路78は、内視鏡12の洗浄で使用された洗浄液、水をWP80によって装置本体11の外に排出する。回収路79は、回収口68に接続されており、使用済みの消毒液を消毒液タンク63に戻すために用いられる。排水路78及び回収路79は、各々に設けられた電磁弁81、82の開閉により切り換えられる。
洗浄槽13の吸引口32には、循環路83が接続されている。循環路83には、洗浄槽13内の液体を吸引する循環ポンプ(Circulating Pump:以下、CPという)84が設けられている。CP84は、基本的には上述の各WP60,64,80と同じものである。循環路83は、下流側で第1循環路85と第2循環路86とに分岐している。第1循環路85は、電動三方弁53の他方の流入口に接続されている。電動三方弁53は、第1循環路85と給液路52とを接続し、CP84により洗浄槽13内から吸引された液体を給水ノズル31aから洗浄槽13内に噴出させて循環させる。
第2循環路86は、噴射ノズル38、送気・送水チャンネル用カプラ33a、及び吸引チャンネル用カプラ33bにそれぞれ接続されている。CP84により洗浄槽13内から吸引された液体は、噴射ノズル38から洗浄槽13内に噴射されるとともに、各カプラ33a,33bから内視鏡12の各チャンネル内に供給される。また、噴射ノズル38の手前の第2循環路86には、所定の圧力で液体が噴射ノズル38から噴射されるように、リリーフ弁87が設けられている。
図6に示すように、洗浄消毒装置10は、CPU88によって、装置の各部が統括的に制御される。CPU88には、上述の操作部24などの他に、メモリ89、弁駆動回路90、ポンプ駆動回路91、BLT駆動回路92等が接続している。
CPU88は、操作部24からの操作指示の入力によって、制御プログラムを実行し、弁駆動回路90、ポンプ駆動回路91、及びBLT駆動回路92等を制御することで、内視鏡12の洗浄消毒処理を行う。この洗浄消毒処理は、大別して、洗浄工程、超音波洗浄工程、消毒工程の3つの工程からなる。
メモリ89は、制御プログラムや各種設定情報が格納されるROMと、ROMからロードしたプログラムをCPU88が実行する際の作業領域となるRAMとからなる。弁駆動回路90は、CPU88の制御の下、各電磁弁55,72,81,82、及び電動三方弁53を駆動する。ポンプ駆動回路91は、CPU88の制御の下、各WP60,64,80及びCP84を駆動する。
BLT駆動回路92は、CPU88の制御の下、各BLT45に駆動電圧を印加して振動させるとともに、この駆動電圧の周波数を制御する。BLT駆動回路92には、ドライブ回路93、カレントトランス94、出力トランス95、PLL回路(駆動周波数制御手段)96が設けられている。
ドライブ回路93は、PLL回路96から入力される周波数信号と、電源(図示せず)から供給される電力とに基づき、周波数信号と同じ周波数の駆動電圧を、出力トランス95に印加する。
ドライブ回路93と出力トランス95とを接続する信号線路上には、コンデンサ97と、カレントトランス94とが直列に並べて設けられている。カレントトランス94は、駆動電圧の印加により信号線路を流れる駆動電流を検出して電圧信号に変換する。この電圧信号は、駆動電流の位相を示す電流位相信号となる。
出力トランス95は、ドライブ回路93から入力される駆動電圧を所定の大きさに昇圧した後、この駆動電圧を各BLT45に印加する。各BLT45は、互いに並列接続されている。また、各BLT45には、1つの位相補正インダクタ98が直列接続し、さらにこの位相補正インダクタ98は出力トランス95に接続している。
位相補正インダクタ98は、コイルであり、駆動電圧と電流の位相が小さくなるように位相を補正する。位相補正インダクタ98のリアクタンスは、BLT45の固有インピーダンスに応じて決められる。
PLL回路96には、カレントトランス94の電流位相信号と、ドライブ回路93からの駆動電圧とが入力される。なお、PLL回路96に入力される駆動電圧は、電流との位相の比較に用いられるものであり、以下、電圧位相信号という。
PLL回路96は、図示しない位相検出回路、電圧制御発振回路、ループフィルタ、分周器から構成されており、CPU88の制御の下、ドライブ回路93へ周波数信号を出力し、このドライブ回路93から出力される駆動電圧の周波数(以下、駆動周波数という)を制御する。具体的には、電圧及び電流位相信号に基づき、駆動電圧と電流の位相差を検出し、この位相差がほぼゼロとなるように周波数信号の周波数を制御することで、駆動周波数をBLT45の共振周波数に追尾させる。この駆動周波数の周波数制御は、上述の図16、図17で説明したように、出荷検査時等に設定された中心周波数Cを基準とする制御範囲A内で実行される。
CPU88は、メモリ89から読み出したプログラムを逐次実行することで、PLL駆動制御部101、洗浄消毒制御部102、BLT駆動制御部103、タイマー部104として機能する。PLL駆動制御部101は、超音波洗浄工程時に作動して、PLL回路96からの周波数信号の出力のON/OFFを切り替える。
洗浄消毒制御部102は、内視鏡12の洗浄消毒処理時に、弁駆動回路90及びポンプ駆動回路91を制御して、内視鏡12の洗浄消毒処理を実行する。具体的に、洗浄消毒制御部102は、弁駆動回路90を制御して、電磁弁55,72,81,82の個々の開閉と、電動三方弁53の切り替えとを実行する。電動三方弁53は、給液路52と給水路54とを接続する給水状態、または給液路52と第1循環路85とを接続する循環状態に切り替えられる。
また、洗浄消毒制御部102は、ポンプ駆動回路91を制御して、各WP60,64,80、及びCP84の駆動/停止を切り替える。さらに、超音波洗浄工程時に洗浄消毒制御部102は、各BLT45の駆動開始前にCP84を駆動させて、洗浄槽13内の液体を循環させる。この循環時間は、15秒に設定されている。
BLT駆動制御部103は、超音波洗浄工程時に作動して、ドライブ回路93の作動(ON)/作動停止(OFF)を切り替える。BLT駆動制御部103は、CP84による洗浄槽13内の液体の循環が終了した後でドライブ回路93をONさせ、所定の超音波洗浄時間が経過した後にドライブ回路93をOFFさせる。この超音波洗浄時間は、例えば30秒に設定されている。
タイマー部104は、超音波洗浄工程時に洗浄槽13内の液体の循環が行われたときに、その循環時間を計測する。また、タイマー部104は、BLT45による超音波洗浄が開始されたときに、その超音波洗浄時間も計測する。
次に、図7を用いて上記構成の洗浄消毒装置10の作用について説明を行う。洗浄消毒装置10は、起動中に操作指示の入力を待機する。フットスイッチ20が踏み込み操作されると、連動機構によりトップカバー16が開放される。次いで、内視鏡12が洗浄槽13内のネット36上にセットされ、内視鏡12の送気・送水ボタン及び吸引ボタンのそれぞれの装着口が、チューブによって各カプラ33a,33bに接続される。内視鏡12のセットが完了した後、フットスイッチ20がもう一度踏み込まれると、トップカバー16が閉じる。
操作部24のスタートボタンが操作されると、CPU88は、ロック機構によりトップカバー16をロックする。次いで、CPU88は、弁駆動回路90、ポンプ駆動回路91、及びBLT駆動回路92を制御して、超音波洗浄工程を開始させる。
最初に、洗浄消毒制御部102は、弁駆動回路90を制御して電磁弁55を開くとともに、電動三方弁53を給水状態に切り替える。これにより、蛇口から給水路54に供給された水道水が、給水ノズル31aから洗浄槽13内に噴射される。
また、給水と同時に、洗浄消毒制御部102は、ポンプ駆動回路91を制御してWP60を駆動させる。これにより、洗剤供給ノズル31cから洗浄槽13内に洗剤が吐出される。洗浄槽13内には、水と洗剤が混合されてなる洗浄液が貯留される。
液面センサ29で洗浄液の液面位置が規定値に達したことが検知されたときに、洗浄消毒制御部102は、両駆動回路90,91を制御して、電磁弁55を閉じて給水を停止させるとともに、WP60の駆動を停止させる。以下、説明の煩雑化を防止するため、両駆動回路90,91についての記載は省略する。
給水等が停止した後、洗浄消毒制御部102はCP84を駆動させる。これにより、洗浄槽13内の洗浄液が吸引口32から吸引される。吸引口32内に吸引された洗浄液は、循環路83、第2循環路86によって循環され、噴射ノズル38から洗浄槽13内に噴射される。
このように洗浄槽13内の洗浄液が循環されると、CP84内でのキャビテーションなどにより、洗浄液中に気泡B(図8参照)が発生する。この気泡Bの一部は、洗浄液が循環する際に、洗浄槽13の内面、及び振動板35などの洗浄液と接する各部に付着する。これらに付着する気泡Bの付着量及び付着領域は、洗浄液の循環時間が長くなるのに従い次第に増加する。
また、CP84の駆動開始と同時に、タイマー部104が作動して、洗浄液の循環時間の計測を開始し、この計測結果を洗浄消毒制御部102へ逐次出力する。洗浄消毒制御部102は、タイマー部104から入力される計測結果に基づき、循環時間が15秒に達するまでCP84の駆動を継続し、循環時間が15秒に達したときにCP84の駆動を停止させる。
CP84の駆動停止後、BLT駆動制御部103は、ドライブ回路93をONさせる。また、これと同時に、PLL駆動制御部101は、PLL回路96からの周波数信号の出力を開始させる。
ドライブ回路93は、PLL回路96から入力される周波数信号に基づき、周波数信号と同じ駆動周波数の駆動電圧を出力トランス95に印加する。出力トランス95は、ドライブ回路93から印加された駆動電圧を昇圧した後、この駆動電圧を各BLT45に印加する。これにより、各BLT45が振動して、振動板35を介して洗浄液を振動させることにより、内視鏡12の超音波洗浄が実施される。また、BLT45の駆動開始と同時に、タイマー部104は、超音波洗浄時間の計測を開始する。
BLT45の駆動中、PLL回路96には、カレントトランス94からの電流位相信号と、ドライブ回路93からの電圧位相信号とがそれぞれ入力される。PLL回路96は、電圧位相信号及び電流位相信号に基づき、駆動電圧と駆動電流の位相差がゼロとなるように、駆動周波数の制御を行う。
このとき、先に洗浄液の循環が15秒間実行されたことで、図8に示すように、洗浄槽13の内面や洗浄槽13内の振動板35等は気泡Bで覆われた状態となる。これにより、BLT45から出力された超音波は、洗浄槽13の内面や振動板35等で反射することなく、気泡Bにより吸収される。
洗浄槽13の内面や振動板35等での超音波の反射が防止されると、図9に示すように、BLT45のインピーダンス及び位相の周波数特性の波形が、上述の図17に示した乱れた状態から上述の図16に示した理想状態に近い波形となり、周波数特性が安定する。これにより、中心周波数Cを基準とする制御範囲A内で、駆動電圧と駆動電流の位相差がほぼゼロとなる共振周波数が一意に定まり、さらに、この周波数でBLT45のインピーダンスが最小になる。
PLL回路96は、駆動周波数を上述の一意に定められた共振周波数に追尾させるので、この共振周波数あるいはその近傍でBLT45を常時駆動させることができる。これにより、BLT45やBLT駆動回路92の発熱が最小限に抑えられ、これらの故障や不具合の発生が防止される。
また、BLT45は共振周波数で最も大きく振動するため、このときに最も効率よく内視鏡12に超音波洗浄を施すことができる。このため、共振周波数と一致しない駆動周波数でBLT45を駆動するおそれのある従来の装置よりも、超音波洗浄時間を短く設定することができる。特に内視鏡12は、イメージセンサや信号処理回路等の多数の精密部品で構成されており、超音波洗浄時間が長くなるほど精密部品の故障やその固定位置のずれなどの問題が発生し易くなるので、超音波洗浄時間は可能な限り短く設定することが好ましい。
さらに、上述の理由で内視鏡12の超音波洗浄時間は短く設定されるため、超音波洗浄開始前に洗浄液の循環を停止した場合でも、少なくとも超音波洗浄中は、洗浄槽13の内面や振動板35等に気泡Bが付着した状態が維持され、BLT45の周波数特性が不安定になることはない。このため、超音波洗浄中に洗浄液の循環を停止しても問題はない。これにより、洗浄消毒装置10の省電力化が図れる。
また、超音波洗浄の実行期間中に洗浄液の循環を停止することで、BLT45の振動により発生した気泡が洗浄液の循環によって移動することがないため、内視鏡12の特定部分を集中して超音波洗浄することができる。これにより、振動板35上に、内視鏡12の汚れが付着している部分、例えば体内に挿入された挿入部をセットした場合、この挿入部を集中的に超音波洗浄することができる。
タイマー部104で計測された超音波洗浄時間が30秒に達したとき、BLT駆動制御部103及びPLL駆動制御部101は、それぞれドライブ回路93、PLL回路96をOFFさせる。次いで、洗浄消毒制御部102は、電磁弁81を開いた後でWP80を駆動して、洗浄液を洗浄槽13から排出させる。これにより、超音波洗浄工程が終了する。
超音波洗浄工程の終了後、洗浄消毒制御部102は、弁駆動回路90及びポンプ駆動回路91を制御して、洗浄工程を開始させる。洗浄工程は、基本的に超音波洗浄工程と同様であり、洗浄槽13に水と洗剤を供給し、さらに洗浄液を循環させて、内視鏡12の外表面及び各チャネル内を洗い流す。所定の洗浄時間が経過後、洗浄液は洗浄槽13から排出され、洗浄工程が終了する。
なお、洗浄消毒制御部102は、洗浄工程終了後、洗浄槽13内に水を供給し、さらにこの水を循環させて、内視鏡12の外表面及び各チャネル内に残っている洗浄液をすすぎ流す。すすぎに使用された水も洗浄槽13から排出される。
すすぎ終了後、洗浄消毒制御部102は消毒工程を開始させる。洗浄消毒制御部102は、WP64を駆動させて、洗浄槽13に消毒液を供給する。以下、洗浄工程と同様にして、消毒液を循環させて、超音波洗浄工程や超音波洗浄工程で洗い流されなかった病原菌やウイルスを除去し、または病原性を消失させる。所定の消毒時間が経過後、消毒液は洗浄槽13から排出されて、消毒工程が終了する。
洗浄消毒機構52は、消毒工程終了後、洗浄工程終了後と同様に洗浄槽13内への水の供給と、水の循環とを順次実行して、内視鏡12の外表面、各チャネル内に残っている消毒液をすすぎ流す。なお、すすぎの終了後、内視鏡12の各チャネル内をアルコールにより乾燥させる乾燥工程を実施しても良い。
以上で洗浄消毒処理の全工程が終了する。CPU88は、トップカバー16のロックを解除する。次いで、トップカバー16が開放され、洗浄槽13から内視鏡12が取り出される。
次に、本発明の第2実施形態の洗浄消毒装置について説明を行う。この第2実施形態の洗浄消毒装置では、超音波洗浄工程時に、洗浄槽13内の洗浄液の循環を、BLT45の駆動開始前だけでなく駆動中も引き続き実行する。
第2実施形態の洗浄消毒装置は、上記第1実施形態の洗浄消毒装置10と基本的に同じ構成であり、その各部についての説明は省略する。ただし、この第2実施形態の洗浄消毒装置は、BLT45の駆動中も洗浄液の循環を継続する循環洗浄モードを有している。この循環洗浄モードのON/OFFは、操作部24で切り替えられる。
図10を用いて、第2実施形態の洗浄消毒装置の作用について説明する。なお、循環洗浄モードがOFFされている場合は上記第1実施形態と同じであるので、ここでは、循環洗浄モードがONされている場合ついて説明を行う。
超音波洗浄工程が開始すると、上記第1実施形態と同様に、洗浄槽13内への洗浄液の貯留、CP84による洗浄液の循環が実行される。そして、洗浄液の循環が15秒実行された後、洗浄消毒制御部102は、循環洗浄モードがONされている場合、CP84の駆動を継続させる。
次いで、BLT45の駆動が開始され、洗浄液が循環されている状態で超音波洗浄が実行される。この場合も、洗浄槽13の内面や振動板35が気泡Bで覆われているため、第1実施形態と同様に、BLT45の周波数特性が安定し、BLT45を確実に共振周波数またはその近傍で駆動させることができる。
また、洗浄液を循環させることで、BLT45の振動などにより発生した気泡Bが、内視鏡12の外表面の微細な穴や溝に入り込み易くなる。その結果、これら穴や溝内に入り込んだ気泡Bが破裂して穴や溝内に付着した汚れを剥離させるため、第1実施形態よりも効果的に超音波洗浄を実施することができる。また、発生した気泡Bが洗浄液の循環によって移動するため、より広範囲を超音波洗浄することができる。BLT45及びCP84の駆動は、超音波洗浄時間が30秒経過した後で停止される。これ以降の処理は、第1実施形態と同じであるため、説明は省略する。
上記第2実施形態では、BLT45の駆動前と駆動中とでCP84による洗浄液の循環量に差異を設けていないが、例えば、図11に示すように、BLT45の駆動前の洗浄液の循環量L1を、BLT45の駆動中の洗浄液の循環量L2よりも大きく設定してもよい。洗浄液の循環量が増加するほど、洗浄液中に発生する気泡Bの量が増えるため、洗浄槽13の内面や振動板35等に付着する気泡Bの付着量及び付着領域が増える。その結果、BLT45の周波数特性をより安定させることができる。
上記各実施形態では、内視鏡12の超音波洗浄前に洗浄液の循環を行っているが、例えば、洗浄消毒装置10の出荷検査時において、PLL回路96の中心周波数C及び制御範囲Aの設定を行う前にも、同様に洗浄液の循環を行うことが好ましい。これにより、出荷検査時にBLT45の共振周波数を正確に求め、この共振周波数を中心周波数CとしてPLL回路96に設定することができる。正確に求められた中心周波数Cを基準としてPLL回路96の制御範囲Aが定まるため、上述の洗浄消毒装置10の使用状況が変化してBLT45の共振周波数が変動したとしても、この共振周波数が制御範囲Aから外れることはない。
上記各実施形態では、超音波振動子としてBLTを例に挙げて説明したが、超音波振動子の種類は特に限定されない。また、上記各実施形態では、洗浄液を用いて超音波洗浄を行っているが、洗浄液の代わりに水などを用いてもよい。
上記各実施形態において、図8に示した気泡Bは例示であり、その大きさは特に限定されず、気泡Bが視認できない程度の大きさであってもよい。
上記各実施形態では、超音波洗浄前の洗浄液の循環時間を15秒に設定しているが、15秒以上であれば特に限定されない。周波数特性が安定するのに要する循環時間は、洗浄槽の容積や材質、振動板の大きさや材質、液体の循環量等の各条件で変わるので、個々の洗浄消毒装置ごと、あるいは洗浄消毒装置の機種ごとに最適な循環時間を決定すればよい。また、超音波洗浄時間も30秒に限定されず、適宜設定してもよい。
上記各実施形態では、内視鏡12に超音波洗浄を施す洗浄消毒装置を例に挙げて説明を行ったが、被洗浄物は内視鏡に限定されるものでなく、把持鉗子、高周波メスなど、内視鏡とともに使用される処置具などの各種医療器具の洗浄に用いられる各種の超音波洗浄装置に本発明を適用することができる。
以下、本発明の効果を実証するための実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。実施例として、超音波洗浄の実行前の液体の循環を15秒間行った「第1実施例」と、液体の循環を30秒間行った「第2実施例」との2つの例を用意した。また、比較例として、超音波洗浄の実行前の液体の循環を行わない「第1比較例」と、液体の循環を5秒間行った「第2比較例」との2つの例を用意した。
各実施例及び比較例では、洗浄槽13として、約13リットルの液体を貯留可能なステンレス製の洗浄槽を用いた。また、振動板35として、直径320mm、厚さ2.0mmのステンレス製の振動板を用いた。また、内径が3/8inchの噴射ノズル38を用いるとともに、液体の循環時には200(kPa)の一定圧力で液体が噴射ノズル38から噴射されるようにリリーフ弁87を調整した。
第1比較例では、最初に洗浄槽13に水を貯留した後、注水時に混ざる気泡の影響を無くすため30分間放置した。次いで、LCRメータ(HIOKI社製 3522−50)を用いてBLT45のインピーダンス及び位相(電圧と電流の位相差)の周波数特性を測定した。なお、本測定では、実際のBLT45の駆動電圧よりも低い電圧である5.0Vで測定を行った。
第2比較例、第1実施例、及び第2実施例では、第1比較例と同様の状態から、それぞれ洗浄槽13内の水を5秒、15秒、30秒間循環させた後、上述のLCRメータを用いてBLT45のインピーダンス及び位相の周波数特性を測定した。
図12に示すように、第1比較例の周波数特性の測定結果では、電圧と電流の位相差がゼロとなる周波数が複数存在し、共振周波数となる周波数が一意に定まらなかった。また、各周波数ではBLT45のインピーダンスが最小とならなかった。このため、第1比較例では、周波数特性が安定せず、BLT45の共振周波数を求めることができなかった。
図13に示すように、第2比較例では、第1比較例の周波数特性と大差のない周波数特性の測定結果が得られた。このため、第2比較例においても、周波数特性が安定せず、BLT45の共振周波数を求めることができなかった。
これに対して、図14及び図15に示すように、第1実施例及び第2実施例の周波数特性の測定結果では、電圧と電流の位相差がゼロとなる周波数が共振周波数と反共振周波数の2つであり、さらに共振周波数に対応する周波数ではBLT45のインピーダンスがほぼ最小となった。第1及び第2実施例では、周波数特性が安定したので、BLT45の共振周波数を求めることができた。
以上のように、超音波洗浄の実行前に洗浄槽13内の液体を、洗浄槽13の容積や材質、振動板35の大きさや材質、液体の循環量等の各条件で決定される適切な循環時間だけ循環させることで、BLT45のインピーダンス及び位相の周波数特性が安定することが確認された。
10 内視鏡洗浄消毒装置
13 洗浄槽
45 BLT
84 循環ポンプ(CP)
96 PLL回路
102 洗浄消毒制御部
B 気泡

Claims (5)

  1. 交流の駆動電圧で駆動され、洗浄槽内の液体を振動させて洗浄槽に収容された被洗浄物を超音波洗浄するための超音波振動子と、
    前記超音波洗浄の実行期間中に、駆動電圧と駆動電流の位相差を検出して、前記位相差がゼロになるように駆動電圧の駆動周波数を制御することにより、この駆動周波数を、超音波振動子の共振周波数に追尾させる周波数制御を行う駆動周波数制御手段と、
    前記超音波洗浄の実行前に前記洗浄槽内の液体を循環させることにより、前記超音波振動子のインピーダンスが最小となる点と前記位相差がゼロとなる点が一致するように、前記超音波振動子の周波数特性を安定させる循環手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波洗浄装置。
  2. 前記循環手段は、前記超音波洗浄の実行期間中に前記液体の循環を停止することを特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。
  3. 前記循環手段は、前記超音波洗浄の実行期間中も継続して前記液体の循環を行うことを特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。
  4. 前記循環手段は、前記超音波洗浄の実行前と実行期間中とで前記液体の循環量を変化させることを特徴とする請求項3記載の超音波洗浄装置。
  5. 前記循環手段は、前記超音波洗浄の実行前の前記液体の循環量を、前記超音波洗浄の実行期間中の前記液体の循環量よりも大きくすることを特徴とする請求項4記載の超音波洗浄装置。
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