JP2011072673A - 洗濯乾燥機および乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗濯乾燥機Sは、乾燥運転中に、外槽20から排出される空気の全部または一部を、排水ホース8を経由して排気する。その際、回転ドラム10に吐出される吐出空気温度を、外気を取り込む量と循環される温風の量を吸気弁41の開度を調整して、所定の温度に制御する。
【選択図】図2
Description
また、乾燥時間短縮と使用水量や消費電力を低減するため乾燥工程の前半に空冷または水冷除湿を行い、後半に周囲の乾燥した外気を給気し、洗濯物に吹き付けた後の温風空気をそのまま排気する方式がある。これに関する従来技術としては、例えば、後記の特許文献1,2がある。
一方、同じ空気を循環させ洗濯物から蒸発した水分を冷やし結露させて水分を除去する除湿方式は、循環させる空気の湿度が高くなり、洗濯物から水分を蒸発させる度合いが低くなり、乾燥性能が途中から低下するという問題がある。
本発明はこのような実状に鑑み、湿度の高い空気を室内に排気することなく外槽内の圧力を所定値以下に保ち、消費電力を低減し得る乾燥運転が可能な洗濯乾燥機および乾燥機を提供することを目的とする。
乾燥時に、空気が外槽、戻り風路、送風手段、加熱手段、吐出風路、内槽の順に循環可能な洗濯乾燥機であって、吐出風路内の空気温度を検出する第1の温度センサと、戻り風路の途中に、外気を取り込み可能な吸気開口と、吸気開口からの外気の取り込み量を制御するとともに、外槽からの戻り空気量を制御する外気の取り込み開度の設定が、弁駆動手段により可変の吸気弁と、を備え、
制御手段は、乾燥運転中に、第1の温度センサからの信号にもとづいて吐出風路内の空気温度が予め設定された所定の温度となるように弁駆動手段を制御して前記吸気弁の外気取り込み開度を制御し、排水手段および溢水排出経路のいずれかから排水管路を通じて、吐出風路から内槽に吐出された空気の全部または一部を排気することを特徴とする。
制御手段は、乾燥運転を開始してから予め設定された所定の時間経過後の恒率乾燥期において、吸気弁の外気取り込み開度を固定制御し、減率乾燥期において、少なくとも第2の温度センサからの信号にもとづいて乾燥終了を判定することを特徴とする。
吐出風路内の空気温度を検出する第1の温度センサと、戻り風路の途中に、外気を取り込み可能な吸気開口と、吸気開口からの外気の取り込み量を制御するとともに、外槽からの戻り空気量を制御する外気の取り込み開度の設定が、弁駆動手段により可変の吸気弁と、を備え、
制御手段は、乾燥運転中に、第1の温度センサからの信号にもとづいて吐出風路内の空気温度が予め設定された所定の温度となるように弁駆動手段を制御して吸気弁の外気取り込み開度を制御し、排水管路を通じて、吐出風路から内槽に吐出された空気の全部または一部を排気することを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係る洗濯乾燥機を示す斜視図である。
《洗濯乾燥機の概要》
図1に示す洗濯乾燥機Sは、洗濯や、乾燥、または洗濯から乾燥までを連続して行える斜めドラム式の洗濯乾燥機である。乾燥工程の初期の予熱乾燥期には、温風を循環させて洗濯物の温度を上昇させる。その後、予め設定されたコースに応じた温度に温風の温度がなるように、外槽内に外気を取り入れる吸気弁の外気の取り込み開度(以下、「吸気弁開度」または「吸気弁41の開度」と称する)を調節し、その後、吸気弁開度を固定制御し、排水ホース8から排気する恒率乾燥期の制御を行い、乾燥時の排気を室内に排出しないようにしている。そして、恒率乾燥期が終了して減率乾燥期に入ると、少なくとも排水管路18(図2参照)の排気温度の上昇にもとづいて、乾燥工程の終了を判定する。
なお、恒率乾燥期とは、後記する図16に示すように、乾燥工程において洗濯物への温風による入熱量と洗濯物からの水分の蒸発時に奪われる蒸発潜熱の量がバランスして洗濯物を通過した排気温度が一定になる期間をいう。また、減率乾燥期とは、図16に示すように、洗濯物の乾燥が進み、洗濯物への温風による入熱量の方が洗濯物からの水分の蒸発時に奪われる蒸発潜熱の量を上回り、洗濯物を通過した排気温度が上昇する期間をいう。
以下、本実施形態の洗濯乾燥機Sについて、図1から図10を参照して説明する。洗濯乾燥機Sは、例えば、乾燥容量6kgの機種を例に以下説明する。
図1に示すように、洗濯乾燥機Sは、外枠を構成する筐体1を有し、筐体1がベース1hの上に取り付けられて構成されている。筐体1は、左右の側板1a,1b、前面カバー1c1、下部前面カバー1c2、背面カバー1d、上面カバー1fで構成されている。左右の側板1a,1bは、コの字型の上補強材(図示せず)、前補強材(図示せず)、後補強材(図示せず)で結合されており、ベース1hを含めて箱状の筐体1を形成し、筐体1として十分な強度を有している。
なお、乾燥フィルタ6は、メッシュ式のフィルタ(図示せず)を備えており、乾燥工程において機外からの吸気または循環される温風に含まれる糸くず等が除去されるようになっている。乾燥フィルタ6の掃除は、乾燥フィルタ6を引き出してメッシュ式のフィルタを取り出して行う。また、上面カバー1fには、水道栓からの給水ホース接続口7a,風呂の残り湯の吸水ホース接続口7bが設けられている。
なお、排水管路18の途中には排水弁(排水手段)204が設けられ、この排水弁204を閉じて給水することで外槽20内に水が溜められ、排水弁204を開くことで外槽20内の水が機外へ排出される。
また、外槽20の下側は、下側をベース1hに固定されたサスペンション9,9(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽20の上側は、上部補強部材に取り付けた補助ばね(図示せず)で支持されており、外槽20の前後方向への倒れを防ぐように構成されている。
そして、図2に示すように循環ダクト30の入口30aよりも上方の前側に溢水孔30bが設けられ、溢水孔30bと排水弁204の下流側の排水管路18とがオーバーフロー管路(溢水排出管路)19とで連通可能に接続されている。このため、前記した溢水孔30bのやや上方から下方の循環ダクト30、蛇腹管31と入口30aとの接続、蛇腹管31と吸気口20dとの接続は、水密になされている。
フィルタダクト32の前面は開口部を有しており、この開口部に引き出し式の乾燥フィルタ6(図1参照)が挿入される。循環ダクト30の屈曲部30cを経てからフィルタダクト32へ入った空気は、乾燥フィルタ6のフィルタ(図示せず)に流入することで糸くず等が除去される。また、フィルタダクト32には、乾燥フィルタ6の挿入部の下面に開口部(図示せず)が形成されており、この開口部が吸気ダクト(戻り風路)33に接続されている。吸気ダクト33の他端は送風ユニット40の吸気口(図示せず)と接続されている。
送風ユニット40は、ファンケース(送風手段)41、羽根車(送風手段)42、ファン駆動用モータ(送風手段)43、ヒータ(加熱手段)44等で構成されている。
なお、図3に示すように、送風ユニット40は、洗濯乾燥機Sの筐体1内の上部右側に位置し、ファン駆動用モータ43側が後方かつ右側に位置し、送風ユニット40の吐出口が前方に位置し、ファン駆動用モータ43が前から見て右斜め上側に位置するように傾斜して配置されている。
ここで、図2に示した循環ダクト30、蛇腹管31、フィルタダクト32、吸気ダクト33、送風ユニット40、温風ダクト37、蛇腹管38、蛇腹管継手39が、特許請求の範囲に記載の「乾燥装置」に対応している。
次に、洗濯乾燥機Sの種々の条件を測定する各種センサについて説明する。
図2に示す吸気ダクト33および温風ダクト37には、空気流の温度を検出する温度センサ152,153が設けられている。また、図2に示すオーバーフロー管路19との合流点よりも下流側の排水管路18には、洗濯物100の乾き具合を検出する温度センサ154が設けられている。さらに、筺体1内の下部にも外気温度を検出するための温度センサ155が設けられている。
これらの温度センサ152,153,154,155は、例えば、サーミスタ等の温度センサである。
ここで温度センサ153は、特許請求の範囲に記載の「第1の温度センサ」に対応し、温度センサ154は、特許請求の範囲に記載の「第2の温度センサに対応する。
また、脱水工程時に回転ドラム10を高速回転させた場合に、回転ドラム10を主軸35を介して支持する外槽20に過大な振動が発生した際に脱水運転を停止するために、回転ドラム10、外槽20等の振動を検知する振動センサ156(図10参照)が洗濯乾燥機Sに設けられている。
さらに、吸気弁41の吸気弁開度を検出するための角度センサ157(図10参照)が設けられている。ここで、角度センサ157は、例えば、吸気弁41が吸気口30dを閉じる状態を全閉の0°(図8参照)、吸気弁41が後記する段差部87(図7の(b)参照)に当接する状態を全開の90°として検出する。
なお、0〜90°の吸気弁開度を0〜100%の相対開度で表示する場合もある。これは、全閉から全開までの角度は設計に依存するものであるためである。
次に洗濯乾燥機Sの水の流路について、図4を参照しながら説明する。図4は、洗濯乾燥機の水の流路の説明模式図である。洗濯乾燥機Sは、給水ホース接続口7aから機内に給水され、3つの給水弁201,202,203へと分岐する。
なお、風呂の残り湯の吸水ホース接続口7bが、設けられている機種では、吸水ホース接続口7bに続く風呂水給水ポンプ213の吐出側に設けられている逆止弁(図示せず)を介して、給水ホース接続口7aの下流側の配管と接続している。
第1の給水弁201は、洗濯工程の中の詳細工程である洗い工程および溜めすすぎ工程において開放される電磁弁であり、トレイ5(図1参照)に装着された洗剤容器5aを経由して外槽20に設けられた給水口20eへと接続ホースを介して接続される。
これにより、給水弁201を開放することにより、給水ホース接続口7aから給水される水道水や給水ホース接続口7bから給水される風呂水が、洗剤容器5aに投入された洗剤と共に外槽20に設けられた給水口20eから外槽20の内壁面に沿って流れ込む。
第3の給水弁203は、乾燥工程の終了時に一時的に開放される電磁弁であり、排水管路18、さらには排水ホース8に接続される。これにより、給水弁203を開放することにより、給水ホース接続口7aから給水される水道水が、排水トラップ47に給水して、排水トラップ47の機能を回復させる。
循環ポンプ211は、内部に循環ポンプモータ211M(図10参照)を備え、吸込口211a、自然排水口211b、2つの吐出口211c,211dを有する。
吸込口211aは、外槽20の排水口20cと接続ホースを介して接続される。自然排水口211bは、排水弁204の一端と接続ホースを介して接続される。吐出口211cは、二股継手141と接続ホースを介して接続され、さらに、左右の循環シャワーノズル140A,140Bへ配管接続されている。吐出口211dは、外槽20の流入口20gと接続ホースを介して接続される。また、排水弁204の他端は、排水管路18を介して排水ホース8と接続される。
循環ポンプ211は、排水弁204を閉塞した状態において、循環ポンプモータ211Mを逆転させることにより、吸込口211aから水(循環水)を吸い込み、吐出口211dから循環水を流入口20gに吐出する。これにより、洗濯工程の最初の給水時の初期において、洗剤と給水を窪み部20fで混ぜ、洗剤を給水に良く溶かすように回転ドラム10内の水を循環させることができる。その後、循環ポンプ211は、排水弁204を閉塞した状態において、循環ポンプモータ211Mを正転させることにより、吸込口211aから水(循環水)を吸い込み、吐出口211cから循環水を吐出する。循環ポンプ211の吐出口211cからの洗剤と良く混ざった水は二股継手141を介して循環シャワーノズル140A,140Bから回転ドラム10内の洗濯物に散水して、洗剤を浸み込ませることができる。
次に、図5を参照しながら洗濯乾燥機S(図2参照)の排水ホース8の排水孔49への接続構造について説明する。図5は、排水ホースと排水トラップの接続構造を示す縦断面図であり、(a)は、実施形態の通常の一般的な排水ホースと排水トラップの接続構造を示す縦断面図であり、(b)は、実施形態の排水孔の内径が排水ホースの外径より小さい場合の排水ホースと排水トラップの接続構造を示す縦断面図であり、(c)は、防水パンに取付けられている一般的な排水トラップと排水ホースとの接続構造を示す縦断面図である。
ちなみに、アダプタ52Aは、排水ホース8と排水孔49Aとの間を気密封止している。
また、図5の(c)に示すように、防水パンPに取付けられている一般的な排水トラップ47Bの場合、防水パンPからの水が流れ込む穴47aを有して排水孔49Bを形成する有底のマス筒55に固定された内筒と、その内筒の径方向外側に間隙を有してマス筒55に固定された有底の外筒とを、マス筒55の中に有している。ちなみに、マス筒55の周面側から床下に配管された排水管56が接続されている。
このため、防水パンPの排水孔49Bのマス筒55と排水ホース8の先端に取り付けられたアダプタ52Bとの間の環状部分を密閉する蓋53を取付け、排水ホース8と排水トラップ47Bとの気密を確保する構成とする。通常の防水パンPの排水孔49Bに取り付けられた蓋は、窓を有しており、前記環状部分が気密ではない。
このように、専用の蓋53を通常の蓋と交換して取り付けることにより、外槽20から排水ホース8を経て排出される排気が、排水トラップ47B内を矢印のように流れ、洗濯乾燥機Sが設置される室内に漏れないように構成されている。
ちなみに、防水パンPが使用される場合、洗濯乾燥機Sは防水パンP上に設置されるので、防水パンPが設置面Gとなる。
次に、図6から図9を参照しながら吸気弁41の詳細な構成について説明する。図6は、吸気弁の構成を示す斜視断面図であり、図7、図8は、吸気弁の動作を説明する断面図であり、図7の(a)は、吸気弁の中途開度状態を示す断面図、図7の(b)は、吸気弁の全開状態を示す断面図、図8は、吸気弁の全閉状態を示す断面図である。図9は、図7の(a)におけるB−B矢視断面図である。
図6に示すように吸気口30dは、下方から上方に延伸する循環ダクト30からフィルタダクト32(図3参照)に向かって前方に屈曲した屈曲部30cの内周側(前側)に開口させてある。そして、吸気弁41は、屈曲部30cの内側に配置され、ヒンジ軸81,81(図7から図9参照)を回動中心として、内側から吸気口30dを全閉したり、中途開度にしたり、吸気口30dを全開として循環ダクト30の下方からの風路を全閉したりすることが可能に構成されている。図6では、吸気弁41は、0°の全閉状態から45°程度開いた状態を示している。
弁体41aは、その表側(前側)中央部の窪み部分に硬質樹脂(硬質プラスチック)で構成された、弁体41aより小さいほぼ長方形の弁体強化構造体41bが接着結合されている。弁体強化構造体41bは、周縁部がリブで補強され、図示してないが必要に応じて、中央部にもリブを配して吸気弁41の剛性を強化する。
弁体強化構造体41bの左右中央部には、表側に立ち上がって一体成形された駆動受部82が設けられ、後記する連接桿79の一端に形成された連結ピン79aを回動可能に受け入れ、嵌合される左右方向に貫通する軸孔を有している。
駆動軸76は、屈曲部30cの内側の外表面から突出させて形成された軸受部77A,77Bに支承され、駆動軸76の他端側において駆動軸76と一端側を一体成形されたクランクアーム78を揺動させる。ちなみに、軸受部77A,77Bは、クランクアーム78を挟むように配置されている。
クランクアーム78の他端側には連結ピン78aが一体成形され、前記した連接桿79の他端に設けられた軸穴に挿入され回動可能に嵌合される。
さらに、洗濯乾燥機Sを乾燥運転中は、角度センサ157で吸気弁41の角度位置が確認できるので、必要に応じて通電制御することにより、吸気弁41を任意の中途開度に保持できる。
ちなみに、吸気弁開度はここでは%表示で示すが、吸気弁41の全開角度、つまり、前記した段差部87に当接して、循環ダクト30側を全閉する角度を100%として、角度に比例した値である。
次に、図10を参照しながら、適宜、図1、図2、図3を参照して洗濯乾燥機Sの制御を行う制御装置60の構成について説明する。
図10は、洗濯乾燥機の制御を行う制御装置の構成を示すブロック図である。
制御装置60は、電源を操作する電源オンボタン4a(図1参照)、電源オフボタン4b(図1参照)の背面に設けられた電源スイッチ4swを介して商用電源に接続され、商用電源の電圧が、マイクロコンピュータ60a等の必要電圧に変圧するためのトランスや、ドラム駆動用モータ21、ファン駆動用モータ43、ヒータ44、吸気弁駆動モータ75、電磁弁である給水弁201,202,203、電磁弁である排水弁204、循環ポンプ211(図2参照)を駆動する循環ポンプモータ211M、風呂水給水ポンプ213(図3参照)を駆動する風呂水給水ポンプモータ213a等のための駆動回路64(図10では、駆動回路それぞれの符号を省略して、総称して「駆動回路64」と表示)等に供給されている。
制御装置60に設けられるマイクロコンピュータ60aは、洗濯乾燥機Sの動作を制御するための、例えば、C言語で組まれた制御プログラムがROM(Read Only Memory)に格納されており、制御プログラムを実行することにより洗濯乾燥機Sが制御される。
また、マイクロコンピュータ60aは、ユーザに洗濯乾燥機Sの動作状態を知らせるための発光ダイオードの表示器4d1,4d2や発光ダイオード66、ブザー67等に接続され、洗濯乾燥機Sの動作状態に応じて、表示器4d1,4d2や発光ダイオード66による表示、ブザー67によるブザー音の発音がなされる。
次に、図11から図14を参照しながら適宜、図1、図2、図4、図15、図16を参照して、洗濯乾燥機Sの主に乾燥工程について説明する。洗濯乾燥機Sの洗濯〜乾燥の連続運転、洗濯運転、乾燥運転等は、制御装置60のマイクロコンピュータ60aに格納される制御プログラムが実行されることにより、行われる。図11から図14は、洗濯乾燥機の乾燥工程の制御の流れを示すフローチャートである。
洗濯乾燥機Sの、例えば、洗濯〜乾燥の連続運転は、ユーザが、図1に示すドア開放ボタン3を押下しドア2を開いて洗濯物100(図2参照)を回転ドラム10内に投入し、電源オンボタン4aが押下されて、マイクロコンピュータ60aが起動し、ステップS01において、操作ボタン4e(図1では各種コース設定ボタンを代表的に「操作ボタン4e」と表示)でユーザが行うコース設定をするのをマイクロコンピュータ60aが受け付けることにより始まる。このコース設定操作には、洗濯〜乾燥運転(洗濯乾燥連続運転)、洗濯運転、乾燥運転の選択設定、洗濯運転時のすすぎ回数や1回当りすすぎ時間設定等の他、洗濯〜乾燥運転におけるにおける「標準」、「快速洗濯乾燥」、「念入り」等のコース設定、洗濯運転における「標準」、「念入り」等のコース設定、乾燥運転における「標準」、「念入り」、「低温乾燥」、「静止乾燥」のコース設定、洗濯物100が柔らかいもの(ソフト)か、どうかの布質を示す選択等がある。
ステップS03では、洗濯物量のセンシングを行う。具体的には、ドラム駆動用モータ21(図2参照)によって、洗濯物100(図2参照)が収容された回転ドラム10を回転させて、ドラム駆動用モータ21に通電される電流の大きさの大小で、洗濯物100の重さ(量)を検知し、量のランク分けを行う。洗濯物100の量のランクは、例えば、少量から多量の順にランク1〜ランク8に区分けされる。
なお、洗濯、すすぎ後の脱水工程においては、排水弁204を開いて外槽20内の洗濯水を排水し、回転ドラム10をドラム駆動用モータ21によって高速回転させて、濡れた洗濯物100に遠心力を加え、遠心脱水する。ステップS05では、洗濯工程の最後の脱水工程を実行する。
以下では、この実施形態における乾燥工程は、後記するようにヒータ44の出力を従来よりも低い出力とすることが特徴であり、予熱乾燥以降の乾燥工程では、外気を循環温風に取り込み、積極的に洗濯物100から蒸発した水分を含む空気(湿潤な空気)を、排水ホース8を経て、排水孔49に排出する排気乾燥とするので「低温乾燥」とも称する。
これは、ステップS01のコース設定で説明したコース名称の「低温乾燥」とは別の意味で用いており、従来の洗濯乾燥機の乾燥工程において設定される回転ドラム10内への吐出空気(温風)の温度より低いことから、そのように「低温乾燥」と呼称するものである。
布質がソフトの場合は、ステップS09へ進み、吐出空気温度TBを設定する。布質が標準の場合は、ステップS10へ進み、吐出空気温度TAを設定する。静止乾燥の場合は、ステップS11へ進み、吐出空気温度TCを設定する。
吐出空気温度は、温度センサ153(図2参照)で検出された空気温度に対応し、前記した吐出空気温度の設定は、例えば、TA,TB,TCの順に低い値に設定される。
ここでは、予熱乾燥における回転ドラム10の回転制御は、逆転(左回転)を43rpmの回転速度で60sec間継続後、2sec停止させ、ついで、正転(右回転)を47rpmの回転速度で60sec間継続後、2sec停止させる交互回転である(図15参照)。
ちなみに、設定コースが静止乾燥の場合は、破線矢印で示すようにステップS13を実行せずステップS14へ進む。
ステップS14では、ヒータ44を一定出力、例えば、400Wの標準出力で一定出力とする。このステップS14におけるヒータ出力は、従来、乾燥定格容量が6kgの場合、乾燥工程における標準出力が600Wであったものよりも低い出力である。
ステップS17では、ファン駆動用モータ43を定格最大速度、例えば、13500rpmで回転させる(「送風ファン高速回転」)。そして、ステップS18では、タイマt2をスタートさせる。
なお、吸気弁41を開けての吸気、排水ホース8からの排気を行う本乾燥工程では、外槽20内の圧力が所定値以上に高くなると、ドア2が意図に反して開いたり、ドア2が損傷したりするおそれがあるので、後記するステップS20において水位換算で所定値HDLを超えた場合には、ステップS41(図14参照)へ進ませ、これらの不具合を防止している。また、排水孔49(図2参照)からの臭気を抑えるため、水封じを破った後も高い圧力(所定以上の圧力)を確保する必要があり、排水ホース8による排気式乾燥中は、高い圧力を保つようにファン駆動用モータ43を制御する。
なお、静止乾燥では、所定の固定値t3LTに設定される。
ステップS25では、温度センサ153の信号にもとづいてステップS09〜S11のいずれかで設定された吐出空気温度となるように吸気弁41の開度を調節する。この調節は、例えば、吸気弁41の開度角を10°ごとに設定変更して調節される。
ステップS28では、温度センサ155(図2参照)からの信号にもとづき外気温度TR0を読み込み記憶する。ステップS29では、温度センサ154(図2参照)からの信号にもとづき排気温度TDE0を読み込み記憶する。
図15、図16に示すように恒率乾燥期に十分入り、タイマt3が閾値時間t3LT以上になると、循環温風に外気を所定量取り込んだ状態で送風ユニット40による入熱は洗濯物100の蒸発潜熱とバランスし、吸気弁41の開度を調整せずとも吐出空気の温度は一定になる。
そして、時間が経過し、洗濯物100の乾燥が進むと減率乾燥期に入る。
閾値ΔTLTは、乾燥が十分進んだことを示す値を、適宜実験的に定めるものとする。また、ステップS09〜S11のいずれかで設定される吐出空気温度に応じて、閾値ΔTLTの値も異なる値が自動的に設定されるようにしても良い。
ステップS31では、乾燥が十分進んだと判定して、ヒータ44を停止する。ついで、ステップS32では、ファン駆動用モータ43を所定の回転速度まで減速する(「送風ファン減速」)。このファン駆動用モータ43の所定の回転速度までの減速は、排水トラップ47の水封じを回復できるようにするためである。
ステップS37では、乾燥工程を終了する。つまり、ファン駆動用モータ43を停止し、吸気弁駆動モータ75を制御して吸気弁41全閉させ、ドラム駆動用モータ21を停止する(「送風ファン停止、吸気弁全閉、ドラム回転停止」)。
以上により、一連の乾燥工程の制御を終了する。
次に、乾燥工程における吸気弁41の開度が、外気温度が低い場合でも、所定の下限値(第1の所定値)以上、例えば、50%開度以上は維持できるように制御する第1の変形例について説明する。
冬季のような外気温度が低い場合、ヒータ44の出力が400Wで一定出力であるとすると、予熱乾燥期の後、前記した図11のフローチャートのステップS09〜S11のいずれかで設定された吐出空気温度を維持するように吸気弁開度の調節を行うと、吸気弁開度が、下限閾値、例えば、50%未満になり、吸気口30dから取り込まれる空気の量よりも循環される空気の量の方が多くなってしまう可能性がある。その場合、湿潤な循環空気の割合が増すことになり、乾燥工程の時間がより長くなる。
そこで、本変形例では、乾燥工程におけるヒータ44の出力を、マイクロコンピュータ60aにより標準の出力(弱出力)の400Wと強出力の800Wとの切替が可能とする。
そして、図16に示したタイマt3の時間閾値t3LTの期間に、吸気弁開度が下限値、50%を下回ったときは、マイクロコンピュータ60aは、ヒータ44の出力を標準出力の400Wから強出力の800Wに切替えて、吸気弁開度を調節する。このようにすれば、冬季の外気温度が低い場合でも、吸気弁開度を下限閾値以上とすることができ乾燥時間を短くすることができる。
前記した実施形態およびその第1の変形例では、乾燥工程における排気を、オーバーフロー配管19を用いて排気することとしたがそれに限定されるものではない。
以下に説明する第2の変形例のように、排気弁204を開として、排水口20cを通じても排気するようにしても良い。
本変形例では、図16に示す恒率乾燥期、減率乾燥期において、排気弁204(図4参照)をも開とし、排水口20c(図4参照)から吸込口211a(図4参照)、循環ポンプ21(図4参照)1、自然排水口211b(図4参照)、排水弁204、排水管路18(図4参照)を介して排水ホース8(図4参照)に排気する経路も加わる。
なお、前記したフローチャートのステップS20においてNoでステップS41へ進み、排気異常と判定して、乾燥運転を中止する制御としたがそれに限定されるものではない。以下に説明するような第3の変形例の構成としても良い。
本変形例では図4、図10に示すように給水弁205を設け、循環ダクト30内に配置した水冷除湿機構(図示せず)に給水し、その排水は循環ダクト30の下部に破線で示したドレイン管でオーバーフロー配管19に接続するする。そして、フローチャートのステップS20においてNoの場合は、吸気弁41を全閉とし、従来のように循環ダクト30内を流れる湿潤な温風を、水冷除湿機構を流れる冷却水に接触させて湿分を凝縮させ、冷却水とともにドレイン管経由で排水する。
8 排水ホース
10 回転ドラム(内槽)
18 排水管路
19 オーバーフロー管路(溢水排出経路)
20 外槽
20c 排水口
20d 吸気口
21 ドラム駆動用モータ(内槽回転駆動手段)
30 循環ダクト(戻り風路、乾燥装置)
30a 入口
30b 溢水孔
30c 屈曲部
30d 吸気口(吸気開口)
32 フィルタダクト(戻り風路、乾燥装置)
33 吸気ダクト(戻り風路、乾燥装置)
37 温風ダクト(吐出風路、乾燥装置)
38 蛇腹管(吐出風路、乾燥装置)
39 蛇腹管継手(吐出風路、乾燥装置)
40 送風ユニット(送風手段、加熱手段、乾燥装置)
41 吸気弁
42 羽根車(送風手段、乾燥装置)
43 ファン駆動用モータ(送風手段、乾燥装置)
44 ヒータ(加熱手段、乾燥装置)
47,47A,47B 排水トラップ
49,49A,49B 排水孔
60 制御装置(制御手段)
75 吸気弁駆動モータ(弁駆動手段)
100 洗濯物
151 水位センサ
152 温度センサ(第3の温度センサ)
153 温度センサ(第1の温度センサ)
154 温度センサ(第2の温度センサ)
155 温度センサ
156 振動センサ
157 角度センサ
201 給水弁
202 給水弁
203 給水弁
204 排水弁(排水手段)
205 給水弁
S 洗濯乾燥機(乾燥機)
Claims (5)
- 乾燥時に内部が乾燥室となる外槽と、
前記外槽内に回転自在に配置され、前記外槽と連通する複数の貫通孔を有するとともに洗濯物を収容する内槽と、
該内槽を回転駆動する内槽回転駆動手段と、
前記内槽に乾燥用の空気を送るための前記外槽内と連通する戻り風路、該戻り風路から空気を吸気して送風する送風手段、該送風手段から吐出された空気を加熱する加熱手段および該加熱手段を通過した空気を前記内槽に導く吐出風路を有する乾燥装置と、
前記外槽から排出される水を排出する排水手段と、
前記外槽の水位が高くなり過ぎたときに前記排水手段の下流側の排水管路に排水可能とする溢水排出管路と、
洗濯運転および乾燥運転を制御する制御手段と、を備え、
乾燥時に、空気が前記外槽、前記戻り風路、前記送風手段、前記加熱手段、前記吐出風路、前記内槽の順に循環可能な洗濯乾燥機であって、
前記吐出風路内の空気温度を検出する第1の温度センサと、
前記戻り風路の途中に、外気を取り込み可能な吸気開口と、
該吸気開口からの外気の取り込み量を制御するとともに、前記外槽からの戻り空気量を制御する外気の取り込み開度の設定が、弁駆動手段により可変の吸気弁と、を備え、
前記制御手段は、乾燥運転中に、
前記第1の温度センサからの信号にもとづいて前記吐出風路内の空気温度が予め設定された所定の温度となるように前記弁駆動手段を制御して前記吸気弁の外気取り込み開度を制御し、
前記排水手段および溢水排出経路のいずれかから前記排水管路を通じて、前記吐出風路から前記内槽に吐出された空気の全部または一部を排気することを特徴とする洗濯乾燥機。 - さらに、前記排水管路に、前記排水管路内の水温または空気温度を検出する第2の温度センサを備え、
前記制御手段は、
乾燥運転を開始してから予め設定された所定の時間経過後の恒率乾燥期において、前記吸気弁の外気取り込み開度を固定制御し、
減率乾燥期において、少なくとも前記第2の温度センサからの信号にもとづいて乾燥終了を判定することを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥機。 - 前記加熱手段は、その出力を少なくとも標準の出力と該標準の出力より高い強出力の設定が可能であり、
前記制御手段は、前記加熱手段の出力を前記標準の出力に設定して、前記第1の温度センサからの信号にもとづいて前記吐出風路内の空気温度が予め設定された所定の温度となるように前記弁駆動手段を制御して前記吸気弁の外気取り込み開度を制御し、
その外気取り込み開度が下限値未満の場合は、前記加熱手段の出力を前記標準の出力より増大させ、外気取り込み開度が前記下限値以上とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機。 - 乾燥時に内部が乾燥室となる外槽と、
前記外槽内に回転自在に配置され、前記外槽と連通する複数の貫通孔を有するとともに洗濯物を収容する内槽と、
該内槽を回転駆動する内槽回転駆動手段と、
前記内槽に乾燥用の空気を送るための前記外槽内と連通する戻り風路、該戻り風路から空気を吸気して送風する送風手段、該送風手段から吐出された空気を加熱する加熱手段および該加熱手段を通過した空気を前記内槽に導く吐出風路を有する乾燥装置と、
前記外槽から排出される水を排出する排水管路と、
乾燥運転を制御する制御手段と、を備え、
乾燥時に、空気が前記外槽、前記戻り風路、前記送風手段、前記加熱手段、前記吐出風路、前記内槽の順に循環可能な乾燥機であって、
前記吐出風路内の空気温度を検出する第1の温度センサと、
前記戻り風路の途中に、外気を取り込み可能な吸気開口と、
該吸気開口からの外気の取り込み量を制御するとともに、前記外槽からの戻り空気量を制御する外気の取り込み開度の設定が、弁駆動手段により可変の吸気弁と、を備え、
前記制御手段は、乾燥運転中に、
前記第1の温度センサからの信号にもとづいて前記吐出風路内の空気温度が予め設定された所定の温度となるように前記弁駆動手段を制御して前記吸気弁の外気取り込み開度を制御し、
前記排水管路を通じて、前記吐出風路から前記内槽に吐出された空気の全部または一部を排気することを特徴とする乾燥機。 - さらに、前記排水管路に、前記排水管路内の水温または空気温度を検出する第2の温度センサを備え、
前記制御手段は、
乾燥運転を開始してから予め設定された所定の時間経過後の恒率乾燥期において、前記吸気弁の外気取り込み開度を固定制御し、
減率乾燥期において、少なくとも前記第2の温度センサからの信号にもとづいて乾燥終了を判定することを特徴とする請求項4に記載の乾燥機。
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