JP2011072642A - 積層型吸収性シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸収側の第1シートの層と、非吸収側の第2シートの層と、第1シートの層及び第2シートの層の間の高吸水性ポリマーの層とを含む積層型吸収性シートであって、第1シート及び/又は第2シートが嵩高吸収紙であり、上記嵩高吸収紙が、当該嵩高吸収紙中に分散され、そして加熱により膨張された熱膨張性粒子を含むことを特徴とする積層型吸収性シート。
【選択図】図13
Description
特に第4世代で目標としているポリマーシート主体の吸収体構造では、上記欠点が顕著である。
従って、本発明は、液体保持性、液拡散性及び吸収保液量等の吸収特性に優れながらも、特に、捩れ、シワ等の変形に対する耐変形性に優れる積層型吸収性シートを提供することを課題とする。
[態様1]
吸収側の第1シートの層と、非吸収側の第2シートの層と、第1シートの層及び第2シートの層の間の高吸水性ポリマーの層とを含む積層型吸収性シートであって、
第1シート及び/又は第2シートが嵩高吸収紙であり、
上記嵩高吸収紙が、当該嵩高吸収紙中に分散され、そして加熱により膨張された熱膨張性粒子を含む、
ことを特徴とする積層型吸収性シート。
上記嵩高吸収紙が、
30〜100質量%の天然パルプ及び0〜70質量%の他の繊維から成る繊維原料と、平均粒径5〜30μmの熱膨張性粒子とを、上記繊維原料100質量部当たり上記熱膨張性粒子5〜30質量部の割合で水中に分散させた製紙用原料から、上記熱膨張性粒子が上記繊維原料中に分散された湿潤混抄シートを抄造する工程、次いで
加熱により、上記熱膨張性粒子の少なくとも一部を、20〜125倍の体積に膨張させ、嵩高吸収紙を得る工程、
を含む製法により得られた、密度0.025〜0.1g/cm3の嵩高吸収紙である、態様1に記載の積層型吸収性シート。
上記加熱が湿熱空気又は水蒸気により行われ、そして上記膨張させる工程の後に上記湿潤混抄シートを乾燥させる工程をさらに含む、態様2に記載の積層型吸収性シート。
[態様4]
上記嵩高吸収紙が、高目付領域と低目付領域とから構成される凹凸模様を有する、態様1〜3のいずれか一つに記載の積層型吸収性シート。
上記高目付領域内に上記低目付領域が点在するように配置されている、態様4の積層型吸収性シート。
[態様6]
上記嵩高吸収紙が、上記熱膨張性粒子の膨張の程度が大きい低密度領域と、上記熱膨張性粒子の膨張の程度が小さい高密度領域から成る凹凸模様を有する、態様1〜5のいずれか一つに記載の積層型吸収性シート。
第1シートと、第2シートとの両方が嵩高吸収紙である、態様1〜6のいずれか一つに記載の積層型吸収性シート。
[態様8]
第1シートが嵩高吸収紙であり、そして第2シートが耐水性ティッシュペーパーである、態様1〜7のいずれか一つに記載の積層型吸収性シート。
[態様9]
第2シートの非吸収側に、フラッフパルプ積層マットの層をさらに含む、態様1〜8のいずれか一つに記載の積層型吸収性シート。
また、本発明の積層型吸収シートは、嵩高吸収紙内の上記空隙の容積が従来の吸収紙よりも大きく吸収保液量に優れるため、瞬間的に大量の排泄液を吸収することができる。
さらに、本発明の積層型吸収性シートは、湿潤時であっても嵩高吸収紙内の膨張された熱膨張性粒子の反発弾力性のために捩れ、シワ等の変形に対する耐変形性に優れ、また変形した場合でも早急に元の形状に復元する形状復元特性に優れる。
[第1シート及び第2シート]
[嵩高吸収紙]
第1シート及び/又は第2シートを構成する嵩高吸収紙は、当該嵩高吸収紙中に分散され、そして加熱により膨張された熱膨張性粒子を含む。
上述の液拡散性に優れる嵩高吸収紙を、高吸収性ポリマーの層に隣接させることにより、嵩高吸収紙が吸収した液体は、嵩高吸収紙内で迅速に拡散しながら高吸収性ポリマー層に迅速に吸収させることができる。
また、本明細書において、単に「熱膨張性粒子」と称する場合には、膨張させる前の粒子を意味し、そして「膨張された熱膨張性粒子」と称する場合には、加熱等により膨張させた後の粒子を意味する。
上記膜ポリマーとしては、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の共重合体から成る熱可塑性樹脂が挙げられ、上記膜ポリマーの軟化点以上に加熱されると、膜ポリマーが軟化しはじめ、同時に内包されている低沸点溶剤の蒸気圧が上昇し、膜が押し広げられてカプセルが膨張する。上記熱膨張性粒子は、比較的低温且つ短時間で膨張して独立気泡を形成し、弾力性に優れた粒子となり、また比較的扱い易い粒子であるので、本用途には最適である。
上記他の繊維は、合成パルプ、有機繊維及び無機繊維から成る群から選択されることが好ましい。
上記他の繊維としては、例えば、本発明に用いられる嵩高吸収紙にヒートシール性を付与する場合には、低融点の合成繊維を用いることができ、破れにくさを付与する場合には、繊維長が長い(3〜25mm)化合繊を用いることができる。
また、湿潤時のシート強度を高めるためには、上記低融点の合成繊維の他に、製紙業界で一般的に用いられている内添型の湿潤紙力剤を、その製造時に添加することができる。上記湿潤紙力剤を添加することにより、嵩高吸収紙の耐水性を向上させることができる。
ただし、上記定着剤及び湿潤紙力剤の過剰な添加は、上記嵩高吸収紙に親水性の阻害、柔軟性の喪失等の不具合をもたらす場合があるので、用途に合わせて添加量を調整する必要がある。
[抄紙工程]
図3は、本発明に用いられる嵩高吸収紙の製造することができる抄紙機の簡略図である。抄紙機4は、抄紙パート5、湿式混抄シート6、第1搬送ベルト7、第2搬送ベルト8、サクションボックス9、噴射用ノズル10、開口スクリーン11、ドライヤー12及び完成品巻取りロール13から構成されている。繊維原料と熱膨張性粒子とを水中に分散させた製紙用原料から、抄紙パート5により湿式混抄シート6を抄造し、湿式混抄シート6を、第1搬送ベルト7によって搬送し、次いでプレスパートで脱水する。
一般的な抄紙工程では、当該脱水工程により、湿潤混抄シートの含水率は約60質量%となる。
脱水された湿潤混抄シートを、第2搬送ベルト8によって搬送し、噴射用ノズル10から熱風等を噴射することにより加熱して熱膨張性粒子を膨張させる。この際、脱水された湿潤混抄シートを支持体上に載せ、その上面側から上記熱風等を吹きつけながら、支持体の下面側のサクションボックス9から吸引すると、シート全体が素早く且つムラなく加熱され、それによって加熱膨張効果が高まるため効率が高い。ここで、支持体としては、ネットなどの搬送ベルトが挙げられるが、これに限定されるものではない。
所望により、ドライヤー12によりシートを乾燥し、嵩高吸収紙を完成品巻取りロール13で巻取る。噴射用ノズル10からの熱風等の噴射を省略し、ドライヤー12により、熱膨張性粒子の膨張と、嵩高吸収紙の乾燥とを同時に行ってもよい。
湿熱空気又は水蒸気の湿度は、熱膨張工程において湿式混抄シートを乾燥させない場合には、相対湿度が高い、例えば、100%RHであることが望ましい。湿熱空気又は水蒸気を供給する手段としては、ボイラから高温蒸気を取り出して直接シートに噴射する手段が最も望ましいが、乾燥装置からの加湿された排気を用いることも可能である。
熱膨張性粒子の膨張の程度が大きい低密度領域と熱膨張性粒子の膨張の程度が小さい高密度領域とを含む凹凸模様を有する嵩高吸収紙を、湿式混抄シートの所定部分に熱膨張性粒子の膨張開始温度以上の湿熱空気又は水蒸気を噴射して該部分の熱膨張性粒子を膨張させ、次いで熱膨張性粒子が充分に膨張しない温度で乾燥させることにより製造することができる。
上記噴射用ノズルの別の例として、図5に、噴射スリット17を有するノズルプレート15の平面図及びそれを組み込んだ噴射用ノズル10の斜視図を示す。図5のノズルプレート15を用いると、カーテン状噴流18が得られる。
なお、嵩高吸収紙が低密度領域及び高密度領域を有する場合には、単に「密度」と称する場合には、嵩高吸収紙のみかけの密度を意味する。
部分的に製紙用原料が少ない低目付領域と、部分的に製紙用原料が多い高目付領域とを含む凹凸模様を有する嵩高吸収紙を、部分的に目詰めをしたワイヤーを用い、部分的に製紙用原料が少ない低目付領域と、部分的に製紙用原料が多い高目付領域とからなる湿式混抄シートを得ることにより製造することができる。
低目付領域は、液体の透過が早いため、瞬間的に多量の体液を受けた場合に、吸収性シート表面に液体をあふれさせることなく、下層へ透過させることができる。低目付領域を高目付領域内に分布させることで、全体のシート強度はほとんど低下しない。低目付領域を設けることにより、高目付領域をさらに高目付化することができ、均一な場合に比べて高目付領域がさらに厚くなり、液の逆戻り防止効果、クッション性等に優れる傾向が生じる。低目付領域の1個のサイズは、液透過効果を考慮すると、直径又は1辺が1mm〜5mmであることが好ましい。1mm未満では、液の透過の際の抵抗が大きすぎ、5mm超では、下層からの液体の逆戻りが生じやすくなる。
高吸収性ポリマーを凹部に集中散布させると、第1シートと第2シートとの接着を、高吸収性ポリマーの量が少ない凸部を中心に行なうことができるため、接着一体化が容易になる。また、凸部の高吸収性ポリマーが少ないと、高吸収性ポリマーの膨潤によるブロッキング現象が生じにくくなる。
第1シート及び第2シートは、少なくともいずれか一方が上述の嵩高吸収紙であり、当該嵩高吸収紙以外は、用途に応じてその他のシート状材料から選択することができる。上記その他のシート状材料としては、例えば、耐水性ティッシュペーパー、フラッフパルプ積層マットを挙げることができる。
本明細書において、「耐水性ティッシュペーパー」とは、MD方向及びCD方向の湿潤引張強度が、共に0.6N/25mm以上であるティッシュペーパーを意味する。上記湿潤引張強度は、JIS P 8135に従って行うことができる。
また、本明細書において、「フラッフパルプ積層マット」は、フラッフパルプを積層したマットを意味する。
本明細書において、「高吸収性ポリマー」は、合成ポリマー系吸収材、例えば、デンプン系、セルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリオキシエチレン系等の吸収材を意味する。上記高吸収性ポリマーとしては、ポリアクリル酸系吸収材が好ましく、中でも、ポリアクリル酸ナトリウム系吸収材が好ましい。
本発明の積層型吸収性シートは、用途に応じて種々の形態が選択されうる。
図13は、本発明の吸収性シートのバリエーション例の断面の模式図を示す。本発明の積層型吸収性シート29は、例えば、図13(a)に示すように、第1シートが耐水性ティッシュペーパー32であり、そして第2シートが嵩高吸収紙30であることができる。また、第1シートが嵩高吸収紙30であり、そして第2シートが耐水性ティッシュペーパー32であってもよい。
また、図13(c)に示すように、本発明の積層型吸収性シート29は、第1シートが嵩高吸収紙30であり、そして第2シートが凹凸模様を有する嵩高吸収紙30’であることができる。また、第1シートが凹凸模様を有する嵩高吸収紙30’であり、そして第2シートが嵩高吸収紙30であってもよい。
また、第1シート及び第2シートが共に嵩高吸収紙である場合には、2つの嵩高吸収紙は、所望の機能に応じて、密度、目付等が異なっていてもよい。
本発明の積層型吸収性シートにおいて、第1シートは、上述の嵩高吸収紙であることが最も好ましい。嵩高吸収紙の特性、特に、液拡散性を発揮することができるからである。
吸収された液体は、凹部から浸透する共に、さらに高目付の凸部を通って拡散するので、体液を受けた場所以外にある高吸収性ポリマーも、液体を効率的に吸収できる。
本発明の積層型吸収性シートは、肌当接面側の表面シートと、肌非当接面側の裏面シートと、両シート間に位置する吸収体とを含む吸収性物品において、当該吸収体の少なくとも一部として用いられうる。
[表面シート及び裏面シート]
上記表面シートとしては、例えば、スルーエア不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等の公知の不織布や開孔フィルム等の透液性材料を用いることができる。
なお、本明細書において、「肌当接面」とは、着用時に肌に接する面を意味し、そして「肌非当接面」とは、着用時に肌に接しない側の面を意味し、例えば、吸収性物品が生理用ナプキンである場合には、下着に接する面である。
図16(b)では、積層型吸収性シート40は、第1シートの層としての凹凸模様を有する嵩高吸収紙30’の層、高吸収性ポリマー31の層、及び第2シートの層としての嵩高吸収紙30の層から成る吸収性シートから構成されている。
図16(c)では、積層型吸収性シート40は、第1シートの層としての凹凸模様を有する嵩高吸収紙30’の層、高吸収性ポリマー31の層、及び第2シートの層としての耐水性ティッシュペーパー32の層から成る吸収性シートと、フラッフパルプ積層マット39の層とから構成されている。
なお、図18に示すように、貼り合わされた積層型吸収性シートをそのままロール状に巻き取れば、積層型吸収性シートの巻取りロール54を得ることができる。
上記吸収性物品としては、パンティライナー、生理用ナプキン、紙おむつ、汗取りシート、ペットシート、肉、魚等の食品ドリップ吸収シート等が挙げられる。
−嵩高吸収紙1の製造−
(i)繊維原料として、未叩解の針葉樹晒クラフトパルプ70質量部と、PP/PE芯鞘型複合繊維2.2dtex × 5mm(ダイワボウポリテック(株)製,NBF)15質量部、(ii)熱膨張性粒子として、低沸点溶剤封入マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアー,FUC−36、粒径5〜15μm、膨張開始温度75〜85℃)15質量部、並びに(iii)助剤として、パルプへの熱膨張性粒子定着剤としてのカチオン変性アクリル系共重合体(明成化学工業(株)製,ファイレックスRC−104)0.5質量部(有効成分として)、アクリル系共重合体(明成化学工業(株)製,ファイレックスM)0.3質量部(有効成分として)、紙力増強剤としてのポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)製湿潤紙力剤,WS4024)0.5質量部(有効成分として)、及び親水柔軟剤としての脂肪酸アミド(ハーキュリーズ社製,プロソフトTQ218)0.4質量部(有効成分として)を水中で混合し、水分散させて、2質量%の製紙用原料1を得た。
−嵩高吸水紙2の製造−
目詰めしていないワイヤーを用いたこと以外は製造例1と同様にして、目付が50g/m2、厚さ1.6mm、密度0.031g/cm3の凹凸模様のない嵩高吸水紙2を得た。
−耐水性ティッシュペーパー1の製造−
熱膨張性粒子としての低沸点溶剤封入マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーFUC−36と、パルプへの熱膨張性粒子定着剤としてのカチオン変性アクリル系共重合体(明成化学工業(株)製ファイレックスRC−104)及びアクリル系共重合体(明成化学工業(株)製,ファイレックスM)とを除いた以外は製造例1と同様にして、耐水性ティッシュペーパー1(坪量50g/m2)を製造した。
−乾式パルプ不織布1の製造−
市販の乾式パルプ不織布(王子キノクロス社製キノクロス、坪量48g/m2、厚さ1.05mm、密度0.046g/cm3)を準備し、乾式パルプ不織布1とした。乾式パルプ不織布1は、乾式により離解させたパルプ繊維を積層させることにより得た繊維マットに、アクリル樹脂エマルジョンバインダーをスプレーし、そして乾燥することにより製造された不織布である。
−積層型吸収性シート1の製造−
高吸水性ポリマーとして、中心粒径が300〜500μmのポリアクリル酸ナトリウム系吸収材(サンダイヤポリマー社,PA−800)を準備した。
製造例1で得た嵩高吸水紙1を、支持ネット上に、凹凸模様を上面にして置いた。嵩高吸水紙1の下面から空気を吸引しながら、上面から高吸収性ポリマーを50g/m2の割合で散布した。次いで、高吸収性ポリマーを間に挟むように、製造例3で製造した耐水性ティッシュペーパー1を重ねて一体化して積層型吸収性シート1を得た。耐水性ティッシュペーパー1には、一体化前に、ホットメルト粘着剤をスパイラルパターンで塗工した。高吸収性ポリマーは、大部分が嵩高吸収紙1の凹部、すなわち、低目付領域上に存在したが、一部は、嵩高吸収紙1の凸部、すなわち、高目付領域上にも存在した。
−積層型吸収性シート2の製造−
耐水性ティッシュペーパー1の代わりに製造例2で製造した嵩高吸水紙2を用いた以外は実施例1と同様にして、積層型吸収性シート2を得た。
−積層型吸収性シート3及び積層型吸収性シート4の製造−
製造例5で製造した積層型吸収性シート1の嵩高吸収紙1を、耐水性ティッシュペーパー1及び乾式パルプ不織布1に変更した以外は製造例5と同様にして、それぞれ、積層型吸収性シート3及び積層型吸収性シート4を製造した。
製造の際、吸引用の支持ネットを部分的に目詰めすることにより、目詰めされていない部分に高吸収性ポリマー粒子を集中的に吸引し、配置させて、嵩高吸収紙1の場合とほぼ同様のパターンで高吸収性ポリマーを配置させた。
積層型吸収性シート1及び2を、それぞれ、実施例1及び2として、そして積層型吸収性シート3及び4を、それぞれ、比較例1及び2として、下記項目に関して試験した。その結果を表1に示す。
<最大吸収量>
5cm角の積層型吸収性シートを金網に載せた状態で10分間生理食塩水に浸漬する。10分後に取り出して水平に静置して、水滴が落ちなくなった後の質量を測定して、積層型吸収性シート1g当たりの吸収量を最大吸収量とする。
水平に置いた15cm角の積層型吸収性シートの中央部分に、ビュレットから生理食塩水20mLを、積層型吸収性シートから外へ流れ出さないように量を調整しながら滴下し、全量をシート内部に吸収するのに要した時間を測定して吸収速度(秒/20mL)を測定し、1回目の吸収速度とする。
3分後に生理食塩水20mLを追加滴下して吸収速度(秒/20mL)を測定し、2回目の吸収速度とする。
2回目の吸収速度の測定から10分経過した後、積層型吸収性シートの上に15cm角の濾紙(アドバンテック東洋製,No.2)を10枚重ね、濾紙の上から35g/cm2の荷重を1分間かけて、濾紙が吸収した生理食塩水量をリウェット量とする。
図19に示す幅圧縮回復率測定器55を用いる。リウェット量測定後の積層型吸収性シート29を10メッシュの金網56上に載置し、金網56から2cmの高さのところに同一の10メッシュの金網57で蓋をし、対向する2方向(図19では、左右)から、プッシャー58で積層吸収性シート29が5cmの幅になるまで押し縮め、押し縮められた積層型吸収性シート59を形成させる。次いで、プッシャー58と金網57とを取り除き、回復した積層型吸収性シート60の幅w(cm)を測定し、次式:
幅圧縮回復率(%)={(w−5)÷(15−5)}×100
により幅圧縮回復率(%)を計算する。
2 繊維原料
3 膨張された熱膨張性粒子の断面
4 抄紙機
5 抄紙パート
6 湿式混抄シート
7 第1搬送ベルト
8 第2搬送ベルト
9 サクションボックス
10 噴射用ノズル
11 開口スクリーン
12 ドライヤー
13 完成品巻取りロール
14 噴射穴
15 ノズルプレート
16 柱状噴流
17 噴射スリット
18 カーテン状噴流
19,19’ 嵩高吸収紙
20 波状ライン
21 製紙用原料溶液
22 抄紙用丸網シリンダー
23 スクリーンドラム
24 抄紙用ワイヤー
25 目詰め領域
26 非目詰め領域
27 高目付領域
28 低目付領域
29 積層型吸収性シート
30 嵩高吸収紙
30’ 凹凸模様を有する嵩高吸収紙
31 高吸収性ポリマー
32 耐水性ティッシュペーパー
33 ホットメルト接着剤
34 吸収性物品
35 表面シート
36 裏面シート
37 粘着部
38 剥離部
39 フラッフパルプ積層マット
40 積層型吸収性シート
41 第1シート
42 第2シート
43 ホットメルト接着剤塗工機
44 高吸収性ポリマー散布機
45 高吸収性ポリマー散布チャンバー
46 吸引回転ドラム
47 吸引部
48 第1貼り合わせロール
49 ベルトコンベア
50 積層型吸収性シートカッター
51 第2貼り合わせロール
52 製品カッター
53A,53B,53C,53D ロール
54 積層型吸収性シートの巻取りロール
55 幅圧縮回復率測定器
56,57 金網
58 プッシャー
59 押し縮められた積層型吸収性シート
60 回復した積層型吸収性シート
Claims (9)
- 吸収側の第1シートの層と、非吸収側の第2シートの層と、第1シートの層及び第2シートの層の間の高吸水性ポリマーの層とを含む積層型吸収性シートであって、
第1シート及び/又は第2シートが嵩高吸収紙であり、
前記嵩高吸収紙が、当該嵩高吸収紙中に分散され、そして加熱により膨張された熱膨張性粒子を含む、
ことを特徴とする積層型吸収性シート。 - 前記嵩高吸収紙が、
30〜100質量%の天然パルプ及び0〜70質量%の他の繊維から成る繊維原料と、平均粒径5〜30μmの熱膨張性粒子とを、前記繊維原料100質量部当たり前記熱膨張性粒子5〜30質量部の割合で水中に分散させた製紙用原料から、前記熱膨張性粒子が前記繊維原料中に分散された湿潤混抄シートを抄造する工程、次いで
加熱により、前記熱膨張性粒子の少なくとも一部を、20〜125倍の体積に膨張させ、嵩高吸収紙を得る工程、
を含む製法により得られた、密度0.025〜0.1g/cm3の嵩高吸収紙である、請求項1に記載の積層型吸収性シート。 - 前記加熱が湿熱空気又は水蒸気により行われ、そして前記膨張させる工程の後に前記湿潤混抄シートを乾燥させる工程をさらに含む、請求項2に記載の積層型吸収性シート。
- 前記嵩高吸収紙が、高目付領域と低目付領域とから構成される凹凸模様を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層型吸収性シート。
- 前記高目付領域内に前記低目付領域が点在するように配置されている、請求項4の積層型吸収性シート。
- 前記嵩高吸収紙が、前記熱膨張性粒子の膨張の程度が大きい低密度領域と、前記熱膨張性粒子の膨張の程度が小さい高密度領域から成る凹凸模様を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層型吸収性シート。
- 第1シートと、第2シートとの両方が嵩高吸収紙である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層型吸収性シート。
- 第1シートが嵩高吸収紙であり、そして第2シートが耐水性ティッシュペーパーである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層型吸収性シート。
- 第2シートの非吸収側に、フラッフパルプ積層マットの層をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層型吸収性シート。
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