JP3805035B2 - 吸収性物品 - Google Patents
吸収性物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3805035B2 JP3805035B2 JP27822396A JP27822396A JP3805035B2 JP 3805035 B2 JP3805035 B2 JP 3805035B2 JP 27822396 A JP27822396 A JP 27822396A JP 27822396 A JP27822396 A JP 27822396A JP 3805035 B2 JP3805035 B2 JP 3805035B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- superabsorbent polymer
- physiological saline
- polymer
- absorbent
- synthetic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/141—Feedstock
Landscapes
- Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、失禁パッドなどの吸収性物品に関し、更に詳細には、吸収力に優れると共に、フィット性が高く、漏れ防止性に優れた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シート間に介在する液保持性の吸収体とを有する、生理用ナプキン、使い捨ておむつ及び失禁パッドなどの吸収性物品は、広く用いられている。
このような吸収性物品においては、吸収力は高く、且つ吸収性物品自体の厚みが薄くコンパクトで嵩張らないことが要望されており、このため、吸収体の厚みを薄くすることが提案されている。
【0003】
そして、このような厚みの薄い吸収体は、多量の高吸水性ポリマーが用いられているため、多量の該高吸水性ポリマーを固定して吸収体の乾燥時及び湿潤時における保形性を高めるために、吸収体をエンボス処理したり、吸収体にその構成物として熱可塑性樹脂を含有させて各構成物を熱融着処理したり、更には粘着剤を用いて各構成物を固着処理するなどしている。
【0004】
しかし、上記の処理を施してなる上記吸収体を具備する従来の吸収性物品においては、湿潤時における保形性を良好なものとするために構造を強固なものとせざるを得ず、よれに対する追従性が低下し、漏れ防止性が低下するという問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、吸収体の乾燥時及び湿潤時における保形性が高く且つ該吸収体のよれに対する追従性が高く、漏れ防止性に優れた、生理用ナプキン、使い捨ておむつ及び失禁パッドなどの吸収性物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、繊維状基材からなる層に特定の物性を有する合成樹脂を含む高吸収性ポリマーの層を積層してなる吸収体を用いてなる吸収性物品が、上記目的を達成しうることを知見した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シート間に介在する液保持性の吸収体とを有する吸収性物品において、上記吸収体は、繊維状基材からなるシート層と、高吸水性ポリマー及び100%ひずみを与えたときの永久ひずみが50%以下である合成樹脂からなるポリマー層とが積層されて形成されており、上記高吸水性ポリマーが、下記(1)及び(2)の条件を満たす高吸水性ポリマーであり、上記合成樹脂が、スチレンーイソプレンースチレン系のホットメルト樹脂であり、該スチレンーイソプレンースチレン系のホットメルト樹脂は、その180℃における粘度が10000cps以上であることを特徴とする吸収性物品を提供するものである。
【0008】
(1)遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が25g/g以上である。
(2)液通過時間〔高吸水性ポリマー0.5gを、断面積4.91cm 2 (内径25mmφ)で底部に開閉自在のコック(内径4mmφ)が設けられた円筒に、該コックを閉鎖して生理食塩水と共に充填し、該生理食塩水により該高吸水性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させ、膨潤した該高吸水性ポリマーが沈降した後、該コックを開き、生理食塩水50mlを通過させ、該生理食塩水50mlが通過するのに要した時間〕が20秒以下である。
【0009】
また、本発明は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シート間に介在する液保持性の吸収体とを有する吸収性物品において、上記吸収体は、繊維状基材からなるシート層と、高吸水性ポリマー及び100%ひずみを与えたときの永久ひずみが50%以下である合成樹脂からなるポリマー層とが積層されて形成されており、上記高吸水性ポリマーが、上記(1)及び(2)の条件を満たす高吸水性ポリマーであり、上記合成樹脂が、メタロセン触媒を用いて重合されてなる樹脂密度0.920g/cm 3 以下のポリオレフィンであることを特徴とする吸収性物品を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記繊維状基材と上記高吸水性ポリマーと上記合成樹脂との合計量を100重量部とした場合に、上記高吸水性ポリマーの配合量が、45〜75重量部であり、上記合成樹脂の配合量が1〜20重量部であることを特徴とする上記吸収性物品を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収性物品について詳細に説明する。本発明の吸収性物品は、吸収体が、繊維状基材からなるシート層と、高吸水性ポリマー及び特定の物性を有する合成樹脂からなるポリマー層とが積層されている。
【0012】
以下、先ず上記吸収体の構成物である上記繊維状基材、上記高吸水性ポリマー及び上記合成樹脂について説明する。
【0013】
本発明において用いられる上記繊維状基材としては、解繊されたパルプ繊維など、通常吸収性物品の吸収体に用いられる繊維材料が特に制限無く用いられる。
【0014】
本発明において用いられる上記高吸水性ポリマーとしては、下記(1)及び(2)の条件を満たす高吸水性ポリマーが好ましく用いられる。
【0015】
(1)遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が、好ましくは25g/g以上、更に好ましくは35〜65g/gである。
ここで、上記の「遠心脱水法による吸水量」は、下記の如くして測定されるものである。
<高吸水性ポリマーの遠心脱水法による吸水量>
高吸水性ポリマー1gを生理食塩水150mlで30分間膨潤させた後、250メッシュのナイロンメッシュ袋に入れ、遠心分離機にて143Gで10分間脱水し、脱水後の全体重量を測定した。次いで、下記〔数1〕に示す数式に従って遠心脱水法による吸水量(g/g)を算出した。
【0016】
【数1】
【0017】
(2)液通過時間〔高吸水性ポリマー0.5gを、断面積4.91cm2 (内径25mmφ)で底部に開閉自在のコック(内径4mmφ)が設けられた円筒に、該コックを閉鎖して生理食塩水と共に充填し、該生理食塩水により該高吸水性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させ、膨潤した該高吸水性ポリマーが沈降した後、該コックを開き、生理食塩水50mlを通過させ、該生理食塩水50mlが通過するのに要した時間〕が、好ましくは20秒以下、更に好ましくは2〜15秒である。
【0018】
上記吸水量が25g/g未満であると、体液を保持する能力が低下する。
上記液通過時間が20秒を超えると、吸収体内部への体液の浸透に時間がかかり、その吸収量が飽和状態に達する前に、モレを生じることがある(いわゆるゲルブロッキング現象を生じて、所望の吸水量に達する前にモレを生じることがある。)。
【0019】
上記(1)及び(2)を満足する上記高吸水性ポリマーとしては、上記(1)及び(2)を満足するものであれば特に制限されないが、具体的には下記するポリマーなどが挙げられる。
ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられる。尚、上記条件(1)及び(2)を満たすようにするためには、例えば、高吸水性ポリマーの粒子表面に架橋密度勾配を設けたり、高吸水性ポリマーの粒子を非球形状の不定形粒子とすればよい。具体的には特開平7−184956号公報の第7欄28行〜第9欄第6行に記載の方法を用いて、高吸水性ポリマーを製造することにより、上記(1)及び(2)を満たす高吸水性ポリマーが得られる。
【0020】
本発明において用いられる上記合成樹脂が有する上記の特定の物性は、100%歪みを与えたときの永久歪みが50%以下、好ましくは30%以下である。
上記永久歪みが、50%を超えると、使い捨ておむつ等の吸収性物品の装着時における体の動きに対して吸収体の形状が追従して変化せず、永久変形として形がくずれてしまうため、所望の吸収性能が得られなかったり、装着時の違和感が発生したり、見た目のすっきり感が損なわれたりする。
ここで、上記「永久歪み」は、下記の如くして測定されるものである。
合成樹脂により作成した厚み0.2mmのシートを10mm幅にカットして測定サンプルを作成する。次いで、該測定サンプルをチャック間距離(初期試料長)50mmで、「TOYO BALDWIN テンシロン TM−100」(装置名)に装着した後、該測定サンプルに300mm/minの引っ張り速度でひずみを与え、100%のひずみを与えたところからヒステリシスカーブを描かせた時の永久ひずみを読みとり、これを上記「永久歪み」とする。
【0021】
上記合成樹脂としては、上記の永久歪みを満足するものを用いることができ、具体的には、スチレンーイソプレンースチレン(SIS)系のホットメルト樹脂;メタロセン触媒を用いて重合されてなる樹脂密度が好ましくは0.920g/cm3 以下、更に好ましくは0.850〜0.900g/cm3 のエチレン−α・オレフィン共重合体や低密度ポリエチレン;ポリプロピレン等が挙げられる。
【0022】
また、上記のスチレンーイソプレンースチレン系のホットメルト樹脂は、その180℃における粘度が10000cps以上であり、12000〜20000cpsであるのが好ましい。上記粘度が10000cps未満であると、上記永久歪みが50%を越えてしまい、本発明の効果が十分発揮されない。また、上記ホットメルト樹脂におけるスチレンの含有量は、20〜80重量%とするのが好ましい。
【0023】
上記ポリオレフィンとしては、エチレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましく用いられる。該エチレン−α・オレフィン共重合体における樹脂密度が、0.920g/cm3 を超えると、永久ひずみが50%を超えてヨレに対する追従性を失う他、吸収体が堅くなり違和感が生じてしまうので上記範囲内とするのが好ましい。
また、上記エチレン−α・オレフィン共重合体において、エチレンと共重合されるα・オレフィンとしては、1ーブテン、1ーペンテン、1ーオクテン、4−メチル−ペンテン−1−オン等が挙げられる。
また、上記メタロセン触媒としては、通常公知のものが特に制限されずに用いられる。
【0024】
また、上記合成樹脂は、後述する図1に示す形態の吸収体とする場合には、その使用時(即ち、上記高吸水性ポリマーと混合される際)には、粒状で用いられるのが好ましい。粒状で用いる際の該合成樹脂の粒径は、50〜1000μmとするのが好ましい。
また、上記合成樹脂は、後述する図1に示す形態の吸収体とする場合には、繊維状で用いることもできる。とくに、上記ポリオレフィンを用いた場合には、繊維状で用いるのが好ましい。この際、該繊維状の合成樹脂の繊維径は0.5〜10デニールとするのが好ましく、平均繊維長は、5〜100mmとするのが好ましい。
【0025】
上記繊維状基材と上記高吸水性ポリマーと上記合成樹脂との配合割合は、これらの合計量を100重量部とした場合に、上記高吸水性ポリマーの配合量が、好ましくは45〜75重量部、更に好ましくは55〜75重量部であり、上記合成樹脂の配合量が好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは5〜15重量部であるのが望ましい。尚、上記繊維状基材の配合量は、5〜50重量部とするのが好ましく、20〜40重量部とするのが更に好ましい。
上記高吸水性ポリマーの配合量が、45重量部未満であると、薄型の吸収性物品とした場合に実用的な吸収容量が得られず、75重量部を超えると、吸収体の保形性が悪いか、あるいは湿潤時にポリマーがこぼれてしまうといった問題を有するので、上記範囲内とするのが好ましい。
また、上記合成樹脂の配合量が、1重量部未満であると、吸収体に伸縮性を付与できず、吸収体が歪みに対して永久変形を残してしまい、20重量部を超えると、吸収体が疎水性となり吸収阻害を起こしたり、吸収体自身の弾性率が高くなるために堅い印象を与えるので、上記範囲内とするのが好ましい
【0026】
次に、上記吸収体の構造について図1及び図2を参照して説明する。
ここで、図1及び図2は、それぞれ、本発明において用いられる吸収体の構造を模式的に示す拡大断面図である。
図1に示す吸収体1は、繊維状基材2からなるシート層5と、高吸水性ポリマー3と合成樹脂4とがそれぞれランダムに混合されているポリマー層6とからなる。また、該シート層5は該ポリマー層6の表裏両面に設けられており、全体として上記シート層/上記ポリマー層/上記シート層の3層構造となされている。そして、上記合成樹脂4は、主として、上記高吸水性ポリマー3を固定するように該高吸水性ポリマー3の表面に位置し、各高吸水性ポリマー3をそれぞれ、上記シート層5に固定している。
上記合成樹脂4が、繊維状基材2及び高吸水性ポリマー3をそれぞれ固定しつつ、上記高吸水性ポリマー3を上記シート層5に固定していることにより、吸収体の形状が、乾燥時及び湿潤時(体液を吸収した時)のいずれにも維持されるようになされている。尚、上記合成樹脂4は、高吸水性ポリマーの一部を覆っているのみであり、全面を覆ってはいない。
【0027】
また、図2に示す吸収体1’は、繊維状基材2からなるシート層5と、該シート層5上に層状に載置された合成樹脂4及び該合成樹脂4上に層状に載置された高吸水性ポリマー3からなるポリマー層6’とからなる。また、該シート層5は該ポリマー層6’の表裏両面に設けられており、全体として上記シート層/上記ポリマー層/上記シート層の3層構造となされている。
このように、上記ポリマー層は、合成樹脂と高吸水性ポリマーとからなっていれば、両者の配置形態は特に制限されず、図1に示すようなランダムに混合した形態や図2に示すような層状に積層した形態などとすることができる。
【0028】
また、上記吸収体は、上記ポリマー層/上記シート層/上記ポリマー層のような3層以上の構造とすることもでき、また、上記ポリマー層/上記シート層の2層の構造とすることもできる。
尚、上記ポリマー層を上記シート層の表面側(表面シート側)に設ける場合には、上記合成樹脂が高粘度であることから、吸収阻害を起こさないために、上記シート層の表面の上記合成樹脂による被覆率を該シート層の表面全面の面積に対して50%以下とするのが好ましく、20%以下とするのが更に好ましい。
【0029】
上記吸収体は、その全体の坪量が、100〜1000g/m2 であるのが好ましく、その厚みは、0.5〜5.0mmであるのが好ましい。
【0030】
上記吸収体の製造方法について説明すると、図1に示す形態の上記吸収体1を製造するには、上記繊維状基材2からなるシート層5に、上記高吸水性ポリマー3と上記合成樹脂4とを通常の方法で均一に混合してなる混合物を積層して、積層体を得、得られた積層体をウェブを形成し、得られたウェブを80〜150℃の熱風で処理するか又は100〜200℃の熱プレスする等して、容易に製造することができる。
また、図2に示す形態の上記吸収体1’を製造するには、上記シート層5に上記合成樹脂4を溶融させて、溶融させた該合成樹脂4をスパイラルスプレーやスッロトスプレー等を用いて塗布するか又はビード状に塗布する。次いで、塗布された溶融状態の合成樹脂4上に上記高吸水性ポリマー3を積層して、ポリマー層6’を形成する等して、容易に製造することができる。
【0031】
尚、上記シート層5は、上記繊維状基材2に加えて保形のために用いられる通常のバインダーを用いることができる。
【0032】
次いで、上記吸収体を具備してなる本発明の吸収性物品について、図3を参照して説明する。
ここで、図3は、本発明の吸収性物品の1形態としての使い捨ておむつを示す平面図である。
尚、以下の説明においては、使い捨ておむつを例示して説明するが、本発明の吸収性物品としては、使い捨ておむつの他に、吸収体以外の部材は通常の部材からなり、通常の構造を有する、生理用ナプキンや失禁パッドなどが挙げられる。
【0033】
図3に示す本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつ10は、液透過性の表面シート11と、液不透過性の裏面シート12と、これら両シート間に介在する液保持性の吸収体1とを有し、該吸収体1が、上述した繊維状基材2、高吸水性ポリマー3及び合成樹脂4が混合されて形成されている。
【0034】
更に詳述すると、上記吸収体1はその股下領域が縊れた砂時計状に湾曲形成されている。また、上記表面シート11及び上記裏面シート12も上記吸収体1の形状に即してその股下領域が上述の如く湾曲形成されている。そして、上記吸収体1は、上記表面シート11及び上記裏面シート12により挟持・固定されている。
また、上記吸収体1の周縁部には、おむつを着用した際に、着用者にウエスト部13及びレッグ部14をフィットさせるための弾性伸縮部材15が、それぞれ上記表面シート11と上記裏面シート12とにより挟持・固定されて設けられており、これにより、ウエスト部13とレッグ部14とに、それぞれウエストギャザー及びレッグギャザーが形成されている。
【0035】
上記表面シート11、上記裏面シート12及び上記弾性伸縮部材15の形成材料としては、通常吸収性物品に用いられるものが特に制限なく用いられる。
【0036】
上記形態の使い捨ておむつ1は、上述の如く形成した上記吸収体1を用いて、通常公知の方法で製造することができる。
【0037】
このような構成を有する上記使い捨ておむつ1は、乾燥時及び湿潤時のいずれの場合も良好な保形性を示し、且つよれに対して良好な追従性を示すため、身体にフィットし、もれの少ないものである。
【0038】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
〔実施例1〕
坪量50g/m2 の乾式パルプ不織布によりシートを作成し(解繊、積層されたパルプ不織布をバインダーとしてのアクリルエマルジョンで接着し、シート状にした)、得られたシートをシート層とした。
次いで、得られたシート層に小量の水を散布した後、該シート層上に、遠心脱水法による吸水量が29g/gで、液通過時間が12秒である高吸水性ポリマー(ポリアクリル酸ソーダ架橋体粒子であって、表面部分の架橋密度が高いもの)100重量部とSIS系のホットメルト樹脂粉体(平均粒径300ミクロン、永久ひずみ35%)10重量部とを均一混合し、坪量150g/m2 で積層した。更に、その上に上記シートを積層し、3層構造の積層体を得、得られた積層体を熱プレスして、図1に示す吸収体を得た。
得られた吸収体の一面に繊維径3デニール、カット長51mmの芯成分がポリプロピレン、鞘成分がポリエチレンである複合繊維からなる不織布(親水化処理されたもの、坪量25g/m2 )を配するとともに、他面に裏面材としてポリエチレン製フィルムを配して、図3に示す使い捨ておむつを得た。
【0040】
得られた使い捨ておむつについて、尿のモレにくさ及び保形性の評価を行った。その結果を〔表1〕に示す。
評価は、10人のモニターを対象として、得られた使い捨ておむつについて計500枚の使用テストを実施することにより行った。そして、尿のモレにくさは、全おむつ使用枚数に対する尿モレが生じたおむつの割合で評価した。また、保形性は、使用した使い捨ておむつを回収し、下記評価基準で吸収体の形状を観察し、おむつ全使用枚数に対する評価が×のおむつの割合で評価した。
〔評価基準〕
○;吸収体の崩れや際だった変形がない。
△;やや形状の変化がある程度に変形。
×;吸収体が崩れて、大きく変形している。
【0041】
〔実施例2〕
シート層上にSIS系のホットメルト樹脂を加熱溶解させて、スパイラル状に坪量10g/m2 で塗工し、その上に実施例1で使用した高吸水性ポリマーを坪量150g/m2 で積層し、更にその上に上記乾式パルプ不織布からなるシートを積層して、3層構造の積層体を得た以外は、実施例1と同様にして、吸収体を得、更に使い捨ておむつを得た。尚、吸収体における合成樹脂の被覆率は24%であった。
得られた使い捨ておむつについて、実施例1と同様に評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0042】
〔実施例3〕
SIS系のホットメルト樹脂粉体に代えて密度0.890g/cm3 のメタロセン触媒のエチレン−1・ブテン共重合体の粉体(平均粒径100ミクロン、永久ひずみ20%)20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収体を得、更に使い捨ておむつを得た。
得られた使い捨ておむつについて、実施例1と同様に評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0043】
〔実施例4〕
SIS系のホットメルト樹脂粉体に代えて密度0.890g/cm3 のメタロセン触媒の低密度ポリエチレン繊維(繊維径12デニール、平均繊維長10mm、永久ひずみ15%)を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収体を得、更に使い捨ておむつを得た。
得られた使い捨ておむつについて、実施例1と同様に評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0044】
〔比較例1〕
SIS系のホットメルト樹脂粉体を用いない以外は実施例1と同様にして、吸収体を得、更に使い捨ておむつを得た。
得られた使い捨ておむつについて、実施例1と同様に評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0045】
〔比較例2〕
SIS系のホットメルト樹脂粉体に代えてSEBS系のホットメルト樹脂粉体(永久ひずみ70%)を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収体を得、更に使い捨ておむつを得た。
得られた使い捨ておむつ及び吸収体について、保形性及びもれ率について評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、吸収体の乾燥時及び湿潤時における保形性が高く且つ該吸収体のよれに対する追従性が高く、漏れ防止性に優れたものである。
従って、本発明の吸収性物品は、吸収体の厚みを薄くして、吸収性物品自体の厚みを薄くした場合でも、従来の薄型の吸収性物品における前述の問題が無く、吸収性及び漏れ防止性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明において用いられる吸収体の構造を模式的に示す拡大断面図である。
【図2】図2は、本発明において用いられる吸収体の構造を模式的に示す拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明の吸収性物品の1形態としての使い捨ておむつを示す平面図である。
【符号の説明】
1 吸収体
2 繊維状基材
3 高吸水性ポリマー
4 合成樹脂
5 シート層
6 ポリマー層
10 使い捨ておむつ
11 表面シート
12 裏面シート
13 ウエスト部
14 レッグ部
15 弾性部材
Claims (3)
- 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シート間に介在する液保持性の吸収体とを有する吸収性物品において、
上記吸収体は、繊維状基材からなるシート層と、高吸水性ポリマー及び100%ひずみを与えたときの永久ひずみが50%以下である合成樹脂からなるポリマー層とが積層されて形成されており、
上記高吸水性ポリマーが、下記(1)及び(2)の条件を満たす高吸水性ポリマーであり、
上記合成樹脂が、スチレンーイソプレンースチレン系のホットメルト樹脂であり、該スチレンーイソプレンースチレン系のホットメルト樹脂は、その180℃における粘度が10000cps以上であることを特徴とする吸収性物品。
(1)遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が25g/g以上である。
(2)液通過時間〔高吸水性ポリマー0.5gを、断面積4.91cm 2 (内径25mmφ)で底部に開閉自在のコック(内径4mmφ)が設けられた円筒に、該コックを閉鎖して生理食塩水と共に充填し、該生理食塩水により該高吸水性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させ、膨潤した該高吸水性ポリマーが沈降した後、該コックを開き、生理食塩水50mlを通過させ、該生理食塩水50mlが通過するのに要した時間〕が20秒以下である。 - 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シート間に介在する液保持性の吸収体とを有する吸収性物品において、
上記吸収体は、繊維状基材からなるシート層と、高吸水性ポリマー及び100%ひずみを与えたときの永久ひずみが50%以下である合成樹脂からなるポリマー層とが積層されて形成されており、
上記高吸水性ポリマーが、下記(1)及び(2)の条件を満たす高吸水性ポリマーであり、
上記合成樹脂が、メタロセン触媒を用いて重合されてなる樹脂密度0.920g/cm 3 以下のポリオレフィンであることを特徴とする吸収性物品。
(1)遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が25g/g以上である。
(2)液通過時間〔高吸水性ポリマー0.5gを、断面積4.91cm 2 (内径25mmφ)で底部に開閉自在のコック(内径4mmφ)が設けられた円筒に、該コックを閉鎖して生理食塩水と共に充填し、該生理食塩水により該高吸水性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させ、膨潤した該高吸水性ポリマーが沈降した後、該コックを開き、生理食塩水50mlを通過させ、該生理食塩水50mlが通過するのに要した時間〕が20秒以下である。 - 上記繊維状基材と上記高吸水性ポリマーと上記合成樹脂との合計量を100重量部とした場合に、上記高吸水性ポリマーの配合量が45〜75重量部であり、上記合成樹脂の配合量が1〜20重量部であることを特徴とする請求項 1 又は2記載の吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27822396A JP3805035B2 (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27822396A JP3805035B2 (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 吸収性物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10118115A JPH10118115A (ja) | 1998-05-12 |
JP3805035B2 true JP3805035B2 (ja) | 2006-08-02 |
Family
ID=17594338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27822396A Expired - Lifetime JP3805035B2 (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3805035B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5252683B2 (ja) | 2005-05-13 | 2013-07-31 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 吸収性複合体及びその製造方法 |
US8148598B2 (en) | 2006-02-22 | 2012-04-03 | Dsg Technology Holdings Limited | Method of making an absorbent composite and absorbent articles employing the same |
JP5614964B2 (ja) | 2009-09-30 | 2014-10-29 | ユニ・チャーム株式会社 | 積層型吸収性シート |
CA3186021A1 (en) | 2013-07-03 | 2015-01-08 | Dsg Technology Holdings Limited | An absorbent composite, an absorbent article employing the same, and methods, systems, and apparatus for making the absorbent composite and/or article |
-
1996
- 1996-10-21 JP JP27822396A patent/JP3805035B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10118115A (ja) | 1998-05-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100221095B1 (ko) | 일체형으로 부착된 소수성 대향층을 갖는 섬유상 초흡수 코어 | |
US5476459A (en) | Disposable urine and fecal waste containment product | |
JP5001099B2 (ja) | 吸収性物品 | |
FI97274B (fi) | Imukykyinen rakenneyksikkö | |
JP3820096B2 (ja) | 体液吸収性のパネル | |
JP3781617B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP4617044B2 (ja) | 区域分けされた方向性のある伸張性を有する吸収性物品 | |
US5030229A (en) | Disposable urinary pad | |
JPH09187476A (ja) | 吸収性物品 | |
JP3791982B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2020156754A (ja) | 吸収性物品 | |
JP3722550B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP3805035B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP3807834B2 (ja) | 吸収体 | |
JP2017080028A (ja) | 吸収性物品 | |
JP3805034B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JPH08229070A (ja) | 体液吸収性物品 | |
JPH02189149A (ja) | 吸収性エレメント | |
JP3981745B2 (ja) | 吸水性構造物およびその製造方法 | |
JP2000024033A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2020048930A (ja) | 吸収性物品 | |
JP7519200B2 (ja) | 吸収体及び吸収性物品 | |
JP2022175672A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2001340369A (ja) | 失禁ライナー | |
JP2020195419A (ja) | 吸収性物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050315 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050516 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060509 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060509 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |