JP2011072181A - センサ付きアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 アクチュエータの動作効率を向上させ、またセンサの検出感度を向上させることができるセンサ付きアクチュエータを提供する。
【解決手段】 一対の電極と前記一対の電極に挟まれて存在するイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサを有し、前記アクチュエータが変形すると、前記センサも変形するセンサ付きアクチュエータであって、前記アクチュエータの弾性率(A)と、前記センサの弾性率(S)の関係は、S<Aであることを特徴とするセンサ付きアクチュエータ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変位や位置の情報を取得するためのセンサを搭載したセンサ付きアクチュエータに関する。
高分子アクチュエータの制御性の向上には、高分子アクチュエータの変位量や位置に関する情報の検出が重要である。
特許文献1では、イオン伝導体膜からなる高分子アクチュエータの電極を分割し、分割して電極の一部をセンサとして使用する方法が提案されている。これは、イオン伝導体からなる高分子膜に加圧や延伸などが施されると、その高分子膜の表面に電位が発現し、電圧が生じる現象を利用したものである。
上記構成により、高分子アクチュエータの動作に対するセンサの検出値を照らし合わせることで、高分子アクチュエータの変位状態や位置情報の検出が可能となる。
特開2007−318960号公報
しかしながら、上記従来例では、次のような課題を有している。
特許文献1においては、高分子アクチュエータとセンサとは同一材料から構成されており、電気的信号の入出力が異なるものである。また、センサはあくまで高分子アクチュエータの動作に追従した、センサ自身の形状の変化を検出するものである。
これら高分子アクチュエータとセンサが一体となっている場合において、センサの存在は高分子アクチュエータの動作に対して妨げとなっていた。しかしながら、これら動作の妨げを低減するための有効な技術的思想は開示されていなかった。
また、高分子アクチュエータの変位量が小さい場合には、センサ自身の変位量も小さいために検出感度が必ずしも高くなかった。制御性を高めるためには高分子アクチュエータの微小変動をも検出できるセンサの構成が必要であるが、そのための有効な技術的思想は開示されていなかった。
本発明は、上記課題に鑑み、アクチュエータと、アクチュエータの動作に追従して形状が変化するセンサとが一体となったセンサ付きアクチュエータにおいて、アクチュエータの動作効率を向上させ、またセンサの検出感度を向上させたセンサ付きアクチュエータを提供するものである。
本発明に係るセンサ付きアクチュエータは、一対の電極と前記一対の電極に挟まれて存在するイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサを有し、前記アクチュエータが変形すると、前記センサも変形するセンサ付きアクチュエータであって、前記アクチュエータの弾性率(A)と、前記センサの弾性率(S)の関係は、S<Aであることを特徴とする。
本発明によれば、アクチュエータが変形すると、センサも変形するセンサ付きアクチュエータにおいて、アクチュエータの動作効率を向上させ、またセンサの検出感度を向上させたセンサ付きアクチュエータを提供することができる。
特に、センサの存在によるアクチュエータの動作の妨げを低減させ、アクチュエータの動作効率を向上させることが可能となる。また、センサの形状変化をより促す構成により、センサの検出感度を向上させることが可能となる。
本発明のセンサ付きアクチュエータの一実施形態の構成を説明するための模式図である。 本発明の実施例1で用いられたアクチュエータとセンサの弾性率の評価を表す図である。 本発明の実施例1で用いられたセンサ付きアクチュエータの動作特性を表す図である。 本発明の実施例1で用いられたセンサ付きアクチュエータの起電圧の検出性能を表す図である。 本発明のセンサ付きアクチュエータの他の実施形態の構成を説明するための模式図である。 本発明のセンサ付きアクチュエータの他の実施形態の構成を説明するための模式図である。 本発明のセンサ付きアクチュエータの他の実施形態の構成を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るセンサ付きアクチュエータは、一対の電極と前記一対の電極に挟まれて存在するイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサを有し、前記アクチュエータが変形すると、前記センサも変形するセンサ付きアクチュエータであって、前記アクチュエータの弾性率(A)と、センサの弾性率(S)の関係は、S<Aであることを特徴とする。
アクチュエータが変形すると、センサも変形するのは、アクチュエータとセンサとが集積化されているからである。集積化されているとは、1つのフレームの同一主面上にアクチュエータとセンサとが設けられている場合が挙げられる。また、フレームの表面と裏面にアクチュエータとセンサとがそれぞれ設けられていてもよいし、フレームに孔を設け、その孔にアクチュエータとセンサとを設置しても良い。さらにアクチュエータ、フレーム、センサの順に積層されている場合も含む。
上記の本発明に係るセンサ付きアクチュエータは、下記の(1)と(2)の実施態様を含むことを特徴とする。
(1)アクチュエータとセンサの間に接続部を有する実施態様
電極とイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサと、前記アクチュエータとセンサの間に、前記アクチュエータとセンサを接続する接続部を有し、前記アクチュエータが変形すると、前記接続部および前記センサも変形し、且つ前記アクチュエータの弾性率(A)と、前記センサの弾性率(S)と、前記接続部の弾性率(I)の関係は、S<I<A、S=I<A、S<I=A、あるいはI<S<Aであることを特徴とするセンサ付きアクチュエータである。
(1−1)前記電極とイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサは、前記アクチュエータとセンサの間に設けられた接続部を介して並列に接続されている構成のセンサ付きアクチュエータが好ましい。
(1−2)前記電極とイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサは、前記アクチュエータとセンサの間に設けられた接続部を介して積層して接続されている構成のセンサ付きアクチュエータが好ましい。
(2)アクチュエータとセンサとが直接積層されている実施態様
電極とイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサは直接積層されており、前記アクチュエータが変形すると前記センサも変形するセンサ付きアクチュエータであって、前記アクチュエータの弾性率(A)と、センサの弾性率(S)の関係は、S<Aであることを特徴とするセンサ付きアクチュエータである。
次に、図面に基づいて上記のセンサ付きアクチュエータについて説明する。
図1は、本発明のセンサ付きアクチュエータの一実施形態の構成を説明するための模式図であり、図1(a)上面から見た模式図、図1(b)は(a)のA−A’断面から見た断面図を示す。
図1に示すセンサ付きアクチュエータは、上記の実施態様(1)を表すものであり、アクチュエータと、アクチュエータの動作に追従して形状が変化するセンサとが、アクチュエータとセンサの間に接続部を介して、一体に構成されたものである。また、アクチュエータ領域の柔軟性よりもセンサ領域の柔軟性を高めた構成となっている。
図1において、21はセンサ付きアクチュエータ、22は高分子アクチュエータ(以下アクチュエータと略すことがある)、23はセンサ、24は接続部を表すフレーム、25は電気信号入力装置、26は電気信号検出装置、27はアクチュエータ電極、28はセンサ電極、29はアクチュエータ領域、30はセンサ領域、31は層間領域、32はイオン伝導層(アクチュエータ高分子膜)、33は電気機械変換素子を表す。
本実施形態に係るセンサ付きアクチュエータは、高分子アクチュエータ22およびセンサ23が各々のイオン伝導層32、電気機械変換素子33の膜面上を介して少なくとも一部が接続されており、ここでは接続部を形成するフレーム24の一部共有するように接続して形成されている。
アクチュエータ22およびセンサ23は、それぞれのイオン伝導層32、電気機械変換素子33の膜面上に2つ以上の電極を配置した構造を有しており、電気的信号の入出力方向が異なっている。
アクチュエータ22は電極部分に接続されるリード線を介して、電気信号入力装置25に接続されている。電気信号入力装置25はアクチュエータ22に対して電圧あるいは電流を印加する装置であり、これら電気的な入力によりアクチュエータ22は形状の変化を示し、屈曲あるいは伸縮の運動を行う。
アクチュエータ22が運動して形状を変化させると膜内に応力が発生する。
フレーム24はこの応力をセンサ23に伝える役割を持ち、センサ23は応力の伝達を受けて自身の形状を変化させる。また、センサ23は電極部分に接続されるリード線を介して、電気信号検出装置26に接続されている。
電気信号検出装置26は、アクチュエータ22の形状変化に追従してセンサ23が自身の形状を変化させたときの電気的信号の出力変動を検出する。
予めアクチュエータ22の運動に対する位置情報と、センサ23の検出値との関係を把握しておくことにより、センサ23から検出する電気的信号の出力変動から、アクチュエータ22の変位状態を算出することが可能となる。
本実施形態に係るセンサ付きアクチュエータは、アクチュエータ22が形成されたアクチュエータ領域29と、センサ23が形成されたセンサ領域30との柔軟性の比較において、アクチュエータ領域29よりもセンサ領域30の方がより柔軟であること、すなわちアクチュエータの弾性率(A)と、センサの弾性率(S)の関係は、S<Aであることを特徴とする。
上記構成を取ることにより、アクチュエータ22の動作に対して、センサ23がより従順にその形状を変化させることから、センサ23の存在によるアクチュエータ22の動作の妨げをより少なくすることが可能となる。
また、面内において柔剛の分布を有するセンサ付きアクチュエータの形状を変化させた場合、柔らかい個所にひずみの応力が集中しやすくなる。そのため、実施形態のような構成を取ることにより、アクチュエータ22の動作量が小さい場合であっても、センサ23にはより大きな応力が集中し、ひずみを生じやすくするため、センサ23の検出感度を向上させることが可能となる。
以下、センサ付きアクチュエータの各材料および構成について更に詳しく説明する。
(アクチュエータの構成)
本実施形態において用いられるアクチュエータ22は、高分子アクチュエータが好ましい。
以下の説明では、高分子アクチュエータを用いた例について説明する。
高分子アクチュエータは、イオン伝導性高分子、導電性高分子、電歪高分子など、どのような材料から構成されても構わない。電気的信号の入力に対して変位を出力するアクチュエータであると同時に、変位の入力に対して電気的信号を出力するセンサとして使用できるものがより好ましい。中でもイオン伝導性高分子アクチュエータは、低電圧で駆動し、比較的速い応答速度が得られることからより好ましい。
イオン伝導性高分子アクチュエータはイオン性物質を含有するイオン伝導層32の両側表面に、導電材とイオン性物質を含有するアクチュエータ電極27が形成されている。各層は柔軟性を有し、矩形状に構成される。
図1で示すように両電極が向かい合うように挟持された構造においては、電圧印加に対してアクチュエータ全体として屈曲動作を示す。また、イオン伝導層の構成や電極の配置などを設計することで、伸縮動作や捻り動作を示すことも可能である。
高分子アクチュエータ22は矩形平板状の構成の他、円形、三角形、楕円形、棒状等の平板状、膜状、円筒状、螺旋状、コイル状等の各種構成を任意に選択可能である。
また、高分子アクチュエータ22は単数あるいは複数の各素子から成る複合構成をとることも可能である。
(高分子アクチュエータの構成材料)
高分子アクチュエータ22を構成する部材について、代表的な材料を説明する。
<イオン伝導層>
イオン伝導層32はイオン性物質を含む柔軟材料であり、イオン性物質を含有する非イオン性高分子化合物、あるいはイオン伝導性高分子化合物からなる。これらの材料は、電場下で電荷が移動して電流が流れるときに、イオンが電荷の担い手となる。
非イオン性高分子化合物としては、例えば、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー;ポリブダジエン系化合物;エラストマーやゲルなどのポリウレタン系化合物;シリコーン系化合物;熱可塑性のポリスチレン;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。これらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また官能基化してもよく、他のポリマーとの共重合体としてもよい。
これら非イオン性高分子化合物に含有されるイオン性物質としては、例えば、フッ化リチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸銅、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等を挙げられる。
また、イオン性物質としてイオン液体を用いれば空気中での駆動における耐久性が向上するためより好ましい。
ここでイオン液体とは、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を呈する塩であり、例えば0℃、好ましくは−20℃、さらに好ましくは−40℃で溶融状態を呈する塩である。また、イオン液体はイオン伝導性が高いものが好ましい。
イオン液体には各種公知のものを使用することができるが、実使用温度域において液体状態を呈する安定なものが好ましい。好適なイオン液体としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などが挙げられ、単独あるいは複合して用いてもよい。
また、イオン伝導性高分子化合物としては、ポリカチオンやポリアニオンを用いることができる。ポリアニオンの例としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)等の基本骨格を持った公知のポリマーにアニオン性官能基として、スルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基等を導入したもの;含フッ素系のポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基などのアニオン性官能基を導入したパーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー、パーフルオロリン酸ポリマー等を挙げることができる。
また、パーフルオロスルホン酸/PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)共重合体(フレミオン(登録商標、旭硝子)、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)等)を好適に用いることができる。
また、ポリカチオンの例としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)等の公知のポリマーにカチオン性官能基として、スルホニウム基、アンモニウム基、ピリジニウム基等を導入したものを挙げることができる。
これらイオン伝導性高分子化合物は、電圧を印加して運動させる時点で、含水状態である必要がある。また、水に代えてイオン液体を含んでいる状態であってもよい。
また、イオン伝導性高分子化合物がポリアニオンである場合は、アニオン性官能基のカウンターカチオンを、Li+、Na+、K+、アルキルアンモニウムイオン等に交換したものを用いることがより好ましい。
また、イオン伝導性高分子化合物がポリカチオンである場合は、カチオン性官能基のカウンターアニオンを、F−、Cl−、Br−、芳香族または脂肪族のスルホン酸類、芳香族または脂肪族のカルボン酸類、芳香族または脂肪族のリン酸類等に交換したものを用いることがより好ましい。
<電極>
アクチュエータ電極27は導電材料と高分子材料(高分子バインダ)の複合体からなる柔軟電極、あるいは導電材料からなる柔軟な薄層電極を用いるのが好ましい。
導電材料としては、アクチュエータ性能に悪影響を及ぼさないものであればよい。例えば、黒鉛、カーボンブラック、カーボンウイスカー、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイルなどの各種炭素材料や、金属(金、白金、パラジウム、銀、鉄、コバルト、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム等)粉(微粒子)、金属化合物(酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、ITO等)、金属繊維、導電性セラミックス材料、導電性高分子材料、等が挙げられる。電極層はこれら導電材料を1種またはそれらの混合物として含有する。
これらの中で、導電性及び比表面積の観点より、ナノ構造を有する炭素材料が好ましく、特に好ましくは、カーボンナノチューブ(CNT)である。また、カーボンナノチューブとイオン液体とのCNTゲルはCNTのバンドルがイオン液体との自己組織化によりゲル化してCNTが効果的に分散しているなどの利点があり、電極材料として極めて好適である。
アクチュエータ電極27に含まれる高分子バインダとしては、アクチュエータの動作に追従できる柔軟性を有するものであれば特に限定されるものではないが、加水分解性が少なく、大気中で安定であることが好ましい。
このような高分子バインダとしては、イオン伝導体膜で列挙された材料を用いることができる。また、導電性を有する高分子を用いることもでき、かかる高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン等を挙げることができる。尚これらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また官能基化してもよく、他のポリマーとの共重合体としてもよい。
また、上記高分子バインダは、イオン伝導層32と相溶性の高いポリマーであることが好ましい。イオン伝導層32との相溶性および接合性が高いことで、強固に密着したアクチュエータ電極27を構成することが可能となる。このため高分子バインダは、イオン伝導層32を構成する高分子化合物と、同種、類似または同一のポリマー構造を有するポリマー、または、同種、類似または同一の官能基を有するポリマーであることが好ましい。
また、アクチュエータ電極27をめっきや蒸着、スパッタなどで薄い金属層として形成してもよい。このような電極をイオン伝導層に直接形成する場合には、アクチュエータ電極27は導電材のみから形成されると見なしてもよい。このような金属薄層は、電極面内方向の導電性の向上に寄与できる。
(アクチュエータの作製方法)
本実施形態で用いるイオン伝導層32の作製方法については特に制限はなく、イオン伝導層32が、非イオン性高分子化合物とイオン液体から構成される場合を例にとって示せば、例えば加熱下においてイオン液体と高分子成分を機械的に混練し、ついで成形する方法;イオン液体及び高分子成分を適当な溶媒に溶解させた後に溶媒を除去し、ついで成形する方法;高分子成分にイオン液体を含浸させ、ついで成形する方法;イオン液体中で高分子成分の製造に用いるモノマーを重合開始剤の存在下に反応させ、ついで成形する方法等が挙げられる。これらは目的に応じ、適宜選択することができる。
上記のイオン液体及び高分子成分を適当な溶媒に溶解させた後に溶媒を除去する方法に用いる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAc)等を挙げることができる。
本実施形態で用いるアクチュエータ電極27の作製方法についても特に制限はなく、例えば、イオン伝導層32を作製する場合に導電材を添加し、同様の手法などでアクチュエータ電極27を形成することが可能である。
得られたイオン伝導層32およびアクチュエータ電極27は任意の形状・サイズに切り揃える。高分子アクチュエータ22を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、イオン伝導層32の両面にアクチュエータ電極27を挟持するよう配置し、加熱プレス(ホットプレス,熱圧着)する方法を好適に用いることができる。
加熱プレスの温度やプレス圧、時間は、高分子バインダの分解温度以下であれば特に限定されるものではなく、用いる高分子バインダ、アクチュエータを構成する高分子化合物、移動するイオン種等に応じて適宜選択すればよい。例えば、加熱プレスの温度は、30から150℃であることが好ましい。また、プレス圧は1から100kg/cmであることが好ましく、10から50kg/cmであることがより好ましい。
また、イオン伝導層32の表面にめっきや蒸着、スパッタなどで薄く金属層を形成する方法であっても構わない。
高分子アクチュエータ22に、水、イオン性物質、イオン液体、またはこれらの混合物を素子作製後に含ませる場合には、これらの溶液に高分子アクチュエータを含浸させればよい。ここで、含浸させる溶液の濃度、含浸させる時間は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いればよい。
(高分子アクチュエータの駆動)
高分子アクチュエータ22の両方のアクチュエータ電極27は、図示せぬ電極固定端およびリード線を介して電気信号入力装置25と接続している。電気信号入力装置25は高分子アクチュエータ22の電極間に電圧あるいは電流を印加して電位差を与える。これにより高分子アクチュエータ22に形状の変化をもたらす。
電極/イオン伝導層/電極の構造を有する高分子アクチュエータでは、電位差によるイオン伝導体の層内移動に起因して、2つの電極層の間で体積差が生じる。例えば、イオン液体を含有している場合は、電圧印加に対してイオン液体を構成するアニオンはプラス極に、カチオンはマイナス極に引き寄せられる。これらアニオンとカチオンはイオンの大きさが異なるが、このイオンサイズの違いが電極層の間で体積差を生じさせる一因となる。
このような電極間での形状・体積の変化に付随して、高分子アクチュエータ全体としては一方の電極側に撓むような屈曲の運動を示すことになる。
また、イオン伝導体の移動量および移動速度は、両極間に印加される電圧や電流の値によって異なるため、電気的な制御によって高分子アクチュエータの屈曲運動における変位量や変位速度を制御することが可能である。また、印加する電圧の極性あるいは電流の方向を変えることで、屈曲運動の向きを制御することが可能である。
イオン伝導性型の高分子アクチュエータは、両電極間に0.1から10V程度の低い電圧を印加することで屈曲動作を行わせることができる。イオン液体を使用した場合には、イオン液体の電位窓を超えない範囲で電圧印加することで、劣化を抑制することができる。一般的なイオン液体を使用した場合、印加電圧は4V以下であることがより好ましい。
電気信号入力装置25は高分子アクチュエータ22に対して直流電圧(電流)あるいは交流電圧(電流)を印加する。これら電気信号の入力は一定値の印加、リニア掃引、矩形波や正弦波など任意の形状波形をとることが可能であり、信号の基準や振幅の制御を行うことが可能であってもよい。また、信号の入力時間や信号波形のデューティサイクルなどを任意に設定できてもよい。また、電極の極性を変えるような回路上の切替手段や両極間を短絡させるための短絡手段を設けていても良い。
電気信号入力装置25は、センサ23が検出した値から高分子アクチュエータ22の変位や位置に関する情報を取得し、該情報に基づいて高分子アクチュエータ22への入力信号を適宜変更するような制御機構を有している。これにより、高分子アクチュエータ22の運動状態に基づいた、より柔らかで親和性のある動作を行うことが可能となる。
また、センサ付きアクチュエータにはセンサ23とは別に、対象物との距離や接触状態を検出するための外界センサが設けられていても良い。
電気信号入力装置は、外界センサが検出した対象物との距離や接触状態の情報に基づいて、高分子アクチュエータ22への入力信号を適宜変更するような制御機構を有していてもよい。
(センサの構成)
本実施形態において、センサ23は電気機械変換素子33および電気機械変換素子33上に配置された2つのセンサ電極28を有する。センサ23は、変位の入力に対して電気的信号の変化を出力するものであればどのようなものでも構わない。
電気機械変換素子33としてイオン伝導体膜あるいは誘電体膜を使用すれば、加圧や延伸を受けて、その高分子膜の表面に電位を発現させ電圧を発生させるため、センサ材料として好ましい。
電気機械変換素子33にイオン伝導体膜を使用する場合には、材料を既述の高分子アクチュエータ22のイオン伝導層の構成材料から選択すればよく、高分子アクチュエータ22と同一の材料を用いることができる。高分子アクチュエータ22と同一の材料を用いると、コスト・生産性において利点がある。
また、センサ電極28も同様に、材料を高分子アクチュエータ22の電極の構成材料から選択して構わない。
また、センサ23は高分子アクチュエータ22の形状変化に追従して、自身の形状を変化させるものである。かつ、アクチュエータ領域とセンサ領域における弾性率(柔軟性)の関係を満たすものならば、電気機械変換素子33の材料にはイオン伝導体膜や誘電体膜のほか、各種公知のセンサ素子を使用しても構わない。このような電気機械変換素子の材料に用いられるセンサ素子としては、シリコーンゴムなどの高分子母材にカーボンや金属などの導電粒子を混入させた感圧導電性ゴムが好適に挙げられる。感圧導電性ゴムに2つ以上の電極を設け、電極間の抵抗を検出することでセンサとして使用できる。これら感圧導電性ゴムから成るセンサは、母材変形に対して、内部の導電粒子間の距離や密着性が変化する。これによりセンサ素子としての抵抗値の出力を変化させる。電極は感圧導電性ゴムを挟持するように配置されても良いし、片側面状に並べて配置されても良い。高分子アクチュエータ22の動作に対する、センサの動作から得られるセンサの出力値から、高分子アクチュエータ22の変位や位置に関する情報を取得することができる。
前記センサの電気機械変換素子は、イオン伝導体層または感圧導電性層であることが好ましい。前記アクチュエータのイオン伝導層と前記センサの電気機械変換素子は同一材料から構成され、また前記アクチュエータおよび前記センサの電極は同一材料から構成されて、それらの材料の組成比が異なることが好ましい。
(センサの駆動)
センサ23の両方のセンサ電極28は、図示せぬ電極固定端およびリード線を介して、電気信号検出装置26と接続している。
電気信号検出装置26は、センサ23の電気機械変換素子33を挟持するセンサ電極28の間で電気的な出力変動を検出する。電極/電気機械変換素子/電極の構造を有するセンサ23においては、自身の形状変化に付随して電圧を発生させる。電気信号検出装置は、この電圧値の検出を行う。
発生する電圧が微小であり、ノイズが含まれる場合などには、電気信号検出装置にフィルタや増幅器などの各種機構を設けてもよい。例えば、センサ23の起電圧である直流信号に対しては、増幅アンプで電圧を増幅後に、抵抗とコンデンサで作られた積分回路(1次のローパスフィルタ)に通してノイズを除去する方法などを取ることが可能である。 センサ23のセンサ電極28は必ずしも電気機械変換素子33を挟持する必要はなく、電気機械変換素子33の片側面上に2つのセンサ電極28が並べて配置された構成であっても構わない。検出される値は低下すると考えられるが、このような構成でもセンサ23の形状変化に対して、電極間での起電圧の発生を検出することは可能である。
また、感圧導電性ゴムのように、電極間の抵抗変化を検出するセンサに対しては、電気信号検出装置26は、直流電圧(電流)印加に対する直流電流(電圧)の取得から直流抵抗を測定する機構を備えてもよく、また、交流電圧(電流)印加に対する交流電流(電圧)の取得からインピーダンスを測定する機構を備えてもよい。またインピーダンスの測定には任意の交流周波数を印加できる機構を備えてもよい。
このような感圧導電性ゴムから成るセンサを利用する場合には次のような利点が挙げられる。
イオン液体などのイオン性物質を含むイオン伝導体膜の、形状変化に伴う起電力を検出するセンサにおいては、電圧を発生させる電荷の偏りが時間とともに緩和すると考えられる。デバイスとして変位が維持された場合に、センサとして検出される電圧値が維持されるとは限らず、制御において電圧値の減衰過程を考慮しないといけない。
一方、感圧導電性ゴムから成るセンサにおいては、検出される抵抗値は、あくまでセンサの形状に起因するため緩和することなく、デバイスとして変位が維持された場合でも、抵抗値は維持されると考えられる。制御において抵抗値の減衰過程への考慮がより少なくなる。
(高分子アクチュエータとセンサの弾性率の関係)
本実施形態においては、高分子アクチュエータ22が存在するアクチュエータ領域29と、センサ23が存在するセンサ領域30に対して、アクチュエータ領域29よりもセンサ領域30の方が柔軟となるように、高分子アクチュエータおよびセンサの材料および構造を選択して形成されている。
アクチュエータ領域29およびセンサ領域30とは、それぞれの電極および電極形成面直下の高分子膜を含む領域、即ち電極とイオン伝導層を有するアクチュエータ領域と、電極と電気機械変換素子を有するセンサ領域を指している。また、柔軟性の比較は、各領域全体における弾性率の平均値をもって行われる。
弾性率は、例えば、引張試験機などを用いて測定した場合の引張力(δ)[MPa]−ひずみ(ε)[mm/mm]曲線から、傾きδ/ε=弾性率[MPa]の値をもって算出される。
高分子膜からなるフィルムの測定では、材料の持つガラス転移温度と測定環境温度の間で弾性率が変わるため、これら測定における環境温度はセンサ付きアクチュエータの実使用温度域、例えば25℃を採用する。
また、高分子膜と電極からなる複合膜の測定では、各膜の特性が引張力−ひずみ曲線に反映されるため、傾きδ/εから弾性率を算出するのが難しくなる。このような場合は、各膜の弾性率(E(高分子膜)、E(電極))を個別に測定し、構成の体積率(V(高分子膜)、V(電極))から、複合弾性率をE(高分子膜)・V(高分子膜)+E(電極)・V(電極)として算出しても構わない。
弾性率の平均値が小さいほど、その領域は柔軟である、ということになる。
また、柔軟性の違いを出すためには、弾性率の異なる材料を使用する手法や、膜構造や材料組成比の違いによる多孔度の制御などで、構造として弾性率・圧縮率に差を持たせる手法などが考えられる。
前記アクチュエータの弾性率(A)と、センサの弾性率(S)の関係は、S<Aである。
また、センサ23の電気機械変換素子33およびセンサ電極28の少なくとも一部に高分子アクチュエータ22の構成材料よりも柔軟な、即ち弾性率の小さな材料を挿入する、などの手法も考えられる。
これら挿入材料は、イオン伝導層中、電極層中、電気機械変換素子(イオン伝導体膜)と電極層の間など任意な箇所に配置して構わない。
これら挿入材料が存在する場合、高分子アクチュエータ22とセンサ23が挿入材料以外は同一な材料で構成されていたとしても、各々の領域における弾性率の全体平均としては、挿入材料の存在するセンサ領域でより弾性率は小さくなる。
アクチュエータの弾性率は、選択される材料にもよるが、10Mpaから1GPa程度と考えられる。
例えば、後述の実施例1において使用したポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF(HFP))からなる母材に、イオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート(BMIBF4)を充填させたイオン伝導体膜と、それらイオン伝導体膜中にカーボンナノチューブを混入させた電極と、から成るアクチュエータにおいては、作製条件やロットに対して、通常、約10MPaから200MPaの弾性率を示す。
センサは弾性率が上記の値よりも小さくなる範囲で任意に選択すればよく、また、局所的に非常に柔軟な材料を挿入すればよい。
また、挿入材料の存在は、柔軟さを与えるということの他に、歪みやすい箇所を形成することができる。そのため挿入材料の存在により、センサ23は高分子アクチュエータ22の微小動作に対しても自身の領域をより大きく歪ませることができるため、検出感度を向上させることが可能である。
これら挿入材料は、イオン伝導体膜中やイオン伝導体膜と電極の間に配置される場合は、弾性率が小さく、且つ、イオン伝導性を有する材料から構成されることが好ましい。挿入材料がイオン伝導性を有すれば、起電力を検出するセンサとしての利用が可能である。
また、電極層中やイオン伝導体膜と電極の間に配置される場合は、弾性率が小さく、且つ、歪みに応じて導電率を変化させる材料から構成されても構わない。このような場合、センサ領域中の挿入材料による歪みに応じた導電率の変化で検出される起電力の値が増幅されると考えられる。
センサの形成箇所として、高分子アクチュエータの応力が集中しやすい箇所に形成することが好ましい。屈曲運動を示す高分子アクチュエータは固定端により一部が固定され、自由度や動作性などが制御される。センサ付きアクチュエータの形状(幅や長さ、厚み、断面形状など)や構成材料のヤング率、デバイスとしての変位量などの情報を有していれば、計算により変位に対して発生する応力の分布を把握することが可能である。センサ23を応力分布において力の集中しやすい箇所に形成すれば、センサの歪み量をより大きくすることができるため検出感度を向上させることが可能となる。
(高分子アクチュエータとセンサの接続)
高分子アクチュエータ22とセンサ23とは、接続部としてのフレーム24を介して接続されることで一体的構成となっている。これらフレーム24としては、プラスチックなどの各種高分子フィルムや金属フィルムなど、どのようなものを用いても構わないが、高分子アクチュエータ22の動作を妨げることのない柔軟なフィルムであることが好ましい。高分子アクチュエータと同程度(以下)の弾性率を有することが好ましい。フレーム24と高分子アクチュエータ22およびセンサ23の接続は熱圧着や接着、積層などの各種方法をとって構わない。
フレーム24は、高分子アクチュエータ22の動作によって生じた応力をセンサ23に伝える役割を持ち、センサ23は応力の伝達を受けて自身の形状を変化させる。
フレーム24は高分子アクチュエータ22のイオン伝導層32やセンサ23の電気機械変換素子33とは同一の膜であってもよく、別個の膜であってよい。フレーム24を介してイオン伝導層32および電気機械変換素子33は同一平面上(並列配置)あるいは積層方向(積層配置)に形成される。また、積層配置においては、高分子アクチュエータのアクチュエータ電極27とセンサのセンサ電極28がフレームを介さず接続される構成であっても構わず、アクチュエータ電極27とセンサ電極28は共通の一枚の電極であっても構わない。
接続方法は以下のパターンに分類される。
(1−1)接続部を介して並列配置
図1に示す様に、本発明の実施態様(1−1)の電極とイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサは、前記アクチュエータとセンサの間に設けられた接続部(フレーム)を介して並列に接続されている構成のセンサ付きアクチュエータである。
並列配置における接続としては、(1)イオン伝導層32、電気機械変換素子33、フレーム24はそれぞれ異なる膜である、(2)フレーム24はイオン伝導層32や電気機械変換素子33のどちらか一方と共通の膜である、(3)フレーム24はイオン伝導層32や電気機械変換素子33の両方に対して共通な一枚の膜である、などの構成が考えられる。
(2)においては、例えば、フレーム24と高分子アクチュエータ22のイオン伝導層32を共通な一枚の高分子膜と見れば、センサ23はフレーム24(即ちイオン伝導層32)上に形成される。また(3)において、フレーム24とイオン伝導層32および電気機械変換素子33を共通な一枚の高分子膜と見れば、高分子アクチュエータ22およびセンサ23は共有な高分子膜に、各電極がパターニング配置されて同一面上に形成されることになる。この場合、フレーム24としては、高分子アクチュエータとしてもセンサとしても働く高分子膜であることが必要であり、既述のイオン伝導体膜が好適に挙げられる。フレーム24は高分子アクチュエータ22およびセンサ23の間で電圧(電流)が重畳することのないよう、お互いを電気的に独立させることのできる絶縁構造を有した膜であることが好ましい。
ただし、これらフレーム24に対しては、柔軟性において次のような規定を考慮すべきである。即ちアクチュエータ(アクチュエータ領域29)の弾性率を(A)、センサ(センサ領域30)の弾性率を(S)、アクチュエータ領域29とセンサ領域30の間に存在するフレーム24の層間領域31の弾性率を(I)とすると、S<I<A、S=I<A、S<I=A、あるいはI<S<Aを満たすことが好ましい。
ここで、層間領域31とは、高分子アクチュエータ22のアクチュエータ電極27の形成面直下とセンサ23のセンサ電極28の形成面直下との間の領域を示す。また、S<Aとは、センサ領域の方がアクチュエータ領域よりも弾性率の平均値が小さい、即ち柔軟であることを示している。
柔軟性の関係において、本実施形態からはずれるS<A<Iである場合は、フレーム24の存在が高分子アクチュエータ22の動作を妨げる、あるいは、センサ23にひずみの応力が伝達しにくい。
センサ23にひずみの応力を集中させるためには、S<I<A、S<I=Aの関係を有する構成が好ましい。理想的構成を有する場合、高分子アクチュエータ22の変位量とセンサ23の検出値との間にはある程度の直線性が存在すると考えられる。
また、I<S<Aの関係を有する構成においては、ひずみの応力がセンサ23よりもフレーム24に、より集中すると考えられる。この場合であっても、高分子アクチュエータ22の変位量とセンサ23の検出値にはある程度の相関性が存在すると考えられるが、直線性がある段階で飽和していくような曲線関係になると考えられる。
(1−2)接続部を介して積層配置
図5に示す様に、本発明の実施態様(1−2)の電極とイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサは、前記アクチュエータとセンサの間に設けられた接続部(フレーム)を介して積層して接続されている構成のセンサ付きアクチュエータである。
積層配置における接続としては、高分子アクチュエータ22とセンサ23の間にフレーム24が配置される。
(2)アクチュエータとセンサとが直接積層配置
図7に示す様に、本発明の実施態様(2)の前記電極とイオン伝導層を有するアクチュエータと、前記電極と電気機械変換素子を有するセンサは直接積層されており、前記アクチュエータが変形すると前記センサも変形するセンサ付きアクチュエータであって、前記アクチュエータの弾性率(A)と、センサの弾性率(S)の関係は、S<Aであることを特徴とするセンサ付きアクチュエータである。
(2)のアクチュエータとセンサとが直接積層されている場合の接続としては、(i)高分子アクチュエータ22とセンサ23の間にフレーム24が配置されず電極同士が接合している、(ii)高分子アクチュエータ22とセンサ23の間にフレーム24が配置されず一つの電極を共有している、(iii)高分子アクチュエータ22とセンサ23の間にフレームが配置されず電極同士が絶縁層を挟んで接合している、などの構成が考えられる。
ここで、積層配置においては、並列配置のときと同様に、構成部材間の弾性率の関係が重要であるが、配置構成の違いから各領域の定義が多少異なる。即ち、アクチュエータ領域29は高分子アクチュエータのアクチュエータ電極27およびイオン伝導層32からなり、センサ領域30はセンサのセンサ電極28および電気機械変換素子33からなる。両者の間を層間領域31と定義する。
(1−2)の接続部を介して積層配置において構成部材間の弾性率の関係は、S<I<A、S=I<A、S<I=A、あるいはI<S<Aを満たすことが好ましい。
また、(2)のアクチュエータとセンサとが直接積層されている場合は、層間領域が存在しないため、S<Aを満たすことが必要である。また、絶縁層が挿入しない場合、高分子アクチュエータ22のアクチュエータ電極27とセンサ23のセンサ電極28との接続部位は等電位であるため、等電位電極をグランドとして使用することが好ましい。 各領域の弾性率の範囲としては、アクチュエータ(アクチュエータ領域29)の弾性率(A)が5MPa以上1GPa以下、好ましくは10MPa以上200MPa以下が望ましい。
センサ(センサ領域30)の弾性率(S)は、アクチュエータの弾性率(A)の90%程度以下であれば、柔軟性において有意な差であると見なされるため、弾性率(S)が1MPa以上900MPa以下、好ましくは5MPa以上180MPa以下が望ましい。
接続部(層間領域31)の弾性率(I)が3MPa以上950MPa以下、好ましくは10MPa以上200MPa以下が望ましい。
高分子アクチュエータ22およびセンサ23は上記構成の範囲において、矩形平板状の構成の他、円形、三角形、楕円形、棒状等の平板状、膜状、円筒状、螺旋状、コイル状等の各種構成を任意に選択可能である。
また、高分子アクチュエータ22およびセンサ23の大きさの比は任意に選択可能である。高分子アクチュエータ22の動作効率をより向上させるためには、センサ23の大きさを相対的に小さくする構成が好ましい。
また、センサ23は高分子アクチュエータ22よりも膜厚が小さい構成を取ることも可能である。同一の材料から構成される場合でも膜厚が小さいほど、フィルムとしての曲げ半径を小さくすることができる。高分子アクチュエータ22とセンサ23を積層配置した場合において特に有効である。
また、高分子アクチュエータ22およびセンサ23は単数あるいは複数の各素子から成る複合構成をとることも可能である。
以下に、本発明の実施例について、更に詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示すセンサ付きアクチュエータを作製した。本実施例ではフレーム24上に高分子アクチュエータ22およびセンサ23を形成することで一体的な構成となり、高分子アクチュエータおよびセンサは並列配置の構成からなる。
高分子アクチュエータはポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF(HFP))からなる母材に、イオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート(BMIBF4)を充填させたイオン伝導体膜と、それらイオン伝導体膜中にカーボンナノチューブを混入させた電極とから成る。
イオン伝導体膜は以下の手順で作製される。
母材であるPVdF(HFP)(関東化学社製)100mgと、イオン液体であるBMIBF4(関東化学社製)100mgと、有機溶剤であるN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(キシダ化学社製)1mLとを80℃で加熱混合する。混合溶液をPTFEから成る型(厚み0.1mm)に流し込み、ブレードなどで平坦に均した後、室温にて乾燥させることで厚みの揃ったイオン伝導体膜を得た。
電極は以下の手順で作製される。
導電材である単層カーボンナノチューブ(SWNT、カーボン・ナノテクノロジー・インコーポレッド社製、「HiPco」)50mgと、イオン液体(BMIBF4)100mgと、有機溶剤(DMAc)1mLを容器に入れる。
粒径2mmのジルコニアボールを容器容量の1/3まで加え、ボールミル機(フリッチュ社製遊星型微粒粉砕機)を用いて、200rpm/30分間の条件で分散処理を行う。次いで、母材であるPVdF(HFP)80mgをDMAc2mLで加熱溶解させて作った溶液を加え、更に500rpm/30分間の条件で分散処理を行った。
得られた混合溶液をPTFEから成る型(厚さ0.05mm)に流し込み、ブレードなどで平坦に均した後、室温にて乾燥させることで導電材が均一分散して厚みの揃った電極を得た。
イオン伝導体膜を幅6mm、長さ22mmの形状に、また電極を幅4mm、長さ20mmの形状にカットし、2枚の電極で電極同士が接触することのないようイオン伝導体膜の中央部を挟持するように配置し、80℃/0.4MPa/1分間の条件で熱圧着した。
得られた高分子アクチュエータの厚みは約0.12mmであった。
センサは高分子アクチュエータと同一な材料から構成されるが、混合の組成比を調整することで弾性率を制御する。上記高分子アクチュエータの各材料の使用量に対して、イオン伝導体膜は母材であるPVdF(HFP)を80mgとして作製することでより柔軟な構造とした。また、電極はSWNTを40mg、PVdF(HFP)を64mgとして作製することでより柔軟な構造とする。
イオン伝導体膜を幅4mm、長さ22mmの形状に、また電極を幅2mm、長さ20mmの形状にカットし、2枚の電極で電極同士が接触することのないようイオン伝導体膜の中央部を挟持するように配置し、80℃/0.4MPa/1分間の条件で熱圧着する。得られたセンサの厚みは約0.1mmとなる。
また、センサのイオン伝導体膜からなる電気機械変換素子および電極の間には、母材となるPVdF(HFP)よりも弾性率の小さな材料にイオン液体(BMIBF4)を充填させたイオン伝導性バッファ層が形成されても良い。
得られた高分子アクチュエータ及びセンサのそれぞれの単独なフィルムに対して、引張・圧縮試験機(島津製作所社製MST−1)を使用して弾性率を測定した。
図2は弾性率の評価のデータである。それぞれのフィルムのひずみ(ε)[mm/mm]と、引張力(δ)[MPa]の関係を示す。また、大きさの違いを考慮して、引張力δはフィルムの断面積あたりの力として表している。傾きδ/εの値から弾性率[MPa]が算出される。
高分子アクチュエータとセンサの両方とも引張力δの値が大きくなる程、ひずみεが大きくなり、あるひずみの値に対して急激に引張力δが減少していくことが判る。このδの急激な減少はフィルムの破壊・切断点を表し、この点に到達するまでの傾き引張力δ/ひずみεをもって各フィルムの弾性率の全体平均と見なした。図2ではセンサの弾性率は約7.5MPa、高分子アクチュエータの弾性率は約12MPaであり、センサの弾性率(約7.5MPa)は高分子アクチュエータの弾性率(約12MPa)よりも小さく柔軟である。
フレーム24はPVdFを母材とするフィルムから成り、弾性率が図2の高分子アクチュエータとセンサの間になるよう組成調整して作製し、約7.5MPaから約12MPaとする。本実施例では、高分子アクチュエータのイオン伝導体膜を流用し、フレームの弾性率は約12MPaである。
フレーム24は幅12mm、長さ24mm、厚さ約0.1mmの矩形であり、高分子アクチュエータ及びセンサの配置箇所がくり抜かれている。高分子アクチュエータ及びセンサのイオン伝導体膜がフレームと糊しろ1mmで接するように、また、高分子アクチュエータとセンサとが2mmの間隙を有するように配置して、熱圧着により一体化する。
本実施例1のセンサ付きアクチュエータの高分子アクチュエータへの電圧印加に対する屈曲運動の違いを調べた。図3は高分子アクチュエータへの電圧印加パターン(a)と、それに対する屈曲運動の様子(b)を示すものである。
また、比較例として、大きさ及び形状を揃え、高分子アクチュエータとセンサの構成材料を同一なものとした場合のセンサ付きアクチュエータを別に用意する。比較例のデバイスでは、センサを高分子アクチュエータに揃えるため、高分子アクチュエータと同じ材料組成でセンサを作製する。
電圧は任意波形発生器(Agilent社、33220A)の信号を電流/電圧増幅器(エヌエフ回路設計ブロック社製、HSA4014)により増幅して印加した。波形は矩形波であり、基準電圧を0V、振幅を±2V、周波数を0.1Hzとして交流電圧を印加した。
また、屈曲運動の変位量の評価はレーザー変位計(キーエンス社製、LK−G80)で行った。高分子アクチュエータの設定点にレーザーを照射し、屈曲運動による設定点とレーザー変位計との測定距離の変化をもって、高分子アクチュエータの変位量とした。これらデータをレコーダにより同期して取得した。
図3(b)により、本発明の実施例1におけるセンサ付きアクチュエータの屈曲運動の変位量は、比較例のセンサ付きアクチュエータの変位量よりも大きい。これは、センサの存在による動作の妨げが低減することを意味しており、本実施例の構成によって、高分子アクチュエータの動作効率が向上することを表している。
また、本発明の実施例1のセンサ付きアクチュエータのセンサへの変位入力に対する起電圧を評価した。比較例として、サイズ・形状を揃え、高分子アクチュエータとセンサの構成材料を同一なものとした場合のセンサ付きアクチュエータを別に用意した。
図4はセンサ付きアクチュエータの一端を固定して、他端側に外部から機械的に押して屈曲運動させたときの、デバイスの変位量(a)に対するセンサの検出値(b)の関係を示すものである。
外部からの機械的な押圧は引張・圧縮試験機(島津製作所社製MST−1)により行い、定められた押圧のストロークをセンサ付きアクチュエータに繰り返し与えた。また、その時の変位量をレーザー変位計(キーエンス社製LK−G80)により測定した。また、起電圧の検出はポテンショ/ガルバノスタット(ソーラートロン社製SI1287)を用いて行った。これらのデータをレコーダにより同期して取得した。
図4(b)により、本発明の実施例1におけるセンサ付きアクチュエータのセンサの検出値は、比較例のセンサ付きアクチュエータの検出値よりも大きいことが判る。これは、センサがより歪みやすい構成であることを意味しており、本実施例の構成によって、センサの検出感度が向上することを表している。
センサ付きアクチュエータにおいて、高分子アクチュエータに電圧印加して屈曲運動させたときの、センサの検出値を測定すると、変位量と検出値には相関関係が認められ、センサによる高分子アクチュエータの変位量のモニタリングが可能となる。
本発明の実施例1の構成により、高分子アクチュエータと、高分子アクチュエータの動作に追従して自身の形状を変化させるセンサとが一体となったセンサ付きアクチュエータにおいて、センサの存在による高分子アクチュエータの動作の妨げをより低減させ、高分子アクチュエータの動作効率をより向上させることが可能である。また、センサの形状変化をより促す構成により、センサの検出感度を向上させることが可能である。
なお、比較例では、高分子アクチュエータとセンサの構成材料を同一なものとした構成例からり、この場合、図3で示したように、センサの存在による高分子アクチュエータの動作の妨げにより、変位量が小さくなった。また、図4で示したように、センサの変位に対する起電圧の検出感度が低減した。
(実施例2)
図5に、本実施例のセンサ付きアクチュエータにおける構成を説明するための模式図を示す。図5において、(a)は上面から見た構成模式図を、(b)は(a)の断面線B−B’に対応する位置で切断した断面図を示す。
本実施例ではフレーム24を間に挿み、高分子アクチュエータ22およびセンサ23を積層方向に配置することで一体的な構成としている他は実施例1と同様な構成である。
高分子アクチュエータ22の弾性率は約12MPa、センサ23の弾性率は約7.5MPa、フレーム24の弾性率は約12MPaである。
上記構成を取ることで、高分子アクチュエータと、高分子アクチュエータの動作に追従して自身の形状を変化させるセンサとが一体となったデバイスにおいて、センサの存在による高分子アクチュエータの動作の妨げをより低減させ、高分子アクチュエータの動作効率をより向上させることが可能となる。また、センサの形状変化をより促す構成により、センサの検出感度を向上させることが可能となる。
(実施例3)
図6に、本発明の実施例のセンサ付きアクチュエータにおける構成を説明するための模式図を示す。図6において、(a)は並列配置における断面図を、(b)は積層配置における断面図を示す。
本実施例ではセンサ23として感圧導電性ゴム膜34及び抵抗検出用電極35からなるセンサ23を用いた他は実施例1と同様な構成である。
センサ23はシリコーンゴム中にカーボン粒子を混入させた感圧導電性ゴム膜34に、2枚の抵抗検出用電極35を圧着させた構成である。抵抗検出用電極35は柔軟で導電率の高い材料であれば金属箔や金属やカーボンなどの導電粒子を含んだ材料など、どのようなものであっても良い。センサ23は抵抗検出用電極35間の抵抗値の変化を検出する。
また、フレーム24は高分子アクチュエータ22のイオン伝導層32およびセンサ23で用いられる感圧導電性ゴム膜34との密着性の良い材料から構成されている。
センサ23の感圧導電性ゴム膜34は、高分子アクチュエータ22のイオン伝導層32およびアクチュエータ電極27からなるアクチュエータ領域よりも弾性率の全体平均が小さくなるように形成される。これにより、センサ領域の弾性率がアクチュエータ領域の弾性率よりも小さい、即ち柔軟な構造となる。
高分子アクチュエータ22の弾性率は約12MPa、センサ23の弾性率は約5MPa、フレーム24の弾性率は約12MPaである。
また、フレーム24を間に挿み、高分子アクチュエータ22およびセンサ23を積層方向に配置することで一体的な構成としても良い。
また、センサ23の感圧導電性ゴム膜34および抵抗検出用電極35の間には、母材となるシリコーンゴムよりも弾性率の小さな材料にカーボンあるいは金属の微粒子を混入させた導電性バッファ層が形成されても良い。
上記構成を取ることで、高分子アクチュエータと、高分子アクチュエータの動作に追従して自身の形状を変化させるセンサとが一体となったデバイスにおいて、センサの存在による高分子アクチュエータの動作の妨げをより低減させ、高分子アクチュエータの動作効率をより向上させることが可能となる。また、センサの形状変化をより促す構成により、センサの検出感度を向上させることが可能となる。
(実施例4)
図7に、本実施例のセンサ付きアクチュエータにおける構成を説明するための模式図を示す。図7において、(a)は上面から見た構成模式図を、(b)は(a)の断面線C−C’に対応する位置で切断した断面図を示す。
本実施例ではフレーム24を設けないで、高分子アクチュエータ22およびセンサ23を直接積層して配置することで一体的な構成としている他は実施例2と同様な構成である。
高分子アクチュエータ22の電極およびセンサ23の電極の接触部分は、フッ素樹脂の
塗布膜からなる絶縁層41により絶縁されている。または、高分子アクチュエータ22のアクチュエータ電極28およびセンサ23のセンサ電極27の接触部分は、絶縁層を配置せず一枚の電極を共有する構成にしてもよい。
高分子アクチュエータ22の弾性率は約12MPa、センサ23の弾性率は約7.5MPaである。
上記構成を取ることで、高分子アクチュエータと、高分子アクチュエータの動作に追従して自身の形状を変化させるセンサとが一体となったデバイスにおいて、センサの存在による高分子アクチュエータの動作の妨げを低減させ、アクチュエータの動作効率をより向上させることが可能となる。また、センサの形状変化をより促す構成により、センサの検出感度を向上させることが可能となる。
本発明のセンサ付きアクチュエーは、アクチュエータと、アクチュエータの動作に追従して自身の形状を変化させるセンサとが一体となり、アクチュエータの動作効率を向上させ、またセンサの検出感度を向上させることができるので、柔軟性や安全性が必要な人と接するロボットのアクチュエータ、ロボット用ハンドやマニュピレータ、各種機械類の駆動源、さらには、手術デバイスやアシストスーツなどの医療・福祉用ロボット、さらにはマイクロマシーンなどのためのアクチュエータ利用することができる。
21 センサ付きアクチュエータ
22 高分子アクチュエータ
23 センサ
24 フレーム
25 電気信号入力装置
26 電気信号検出装置
27 アクチュエータ電極
28 センサ電極
29 アクチュエータ領域
30 センサ領域
31 層間領域
32 イオン伝導層(アクチュエータ高分子膜)
33 電気機械変換素子(イオン伝導体膜)

Claims (9)

  1. 一対の電極と前記一対の電極に挟まれて存在するイオン伝導層を有するアクチュエータと、電極と電気機械変換素子を有するセンサを有し、前記アクチュエータが変形すると、前記センサも変形するセンサ付きアクチュエータであって、前記アクチュエータの弾性率(A)と、前記センサの弾性率(S)の関係は、S<Aであることを特徴とするセンサ付きアクチュエータ。
  2. 前記電極と前記イオン伝導層を有するアクチュエータと、前記電極と前記電気機械変換素子を有するセンサと、前記アクチュエータと前記センサの間に、前記アクチュエータとセンサを接続する接続部を有し、前記アクチュエータが変形すると、前記接続部および前記センサも変形し、且つ前記アクチュエータの弾性率(A)と、前記センサの弾性率(S)と、前記接続部の弾性率(I)の関係は、S<I<A、S=I<A、S<I=A、あるいはI<S<Aであることを特徴とする請求項1に記載のセンサ付きアクチュエータ。
  3. 前記電極と前記イオン伝導層を有するアクチュエータと、前記電極と前記電気機械変換素子を有する前記センサは、前記アクチュエータと前記センサの間に設けられた前記接続部を介して並列に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ付きアクチュエータ。
  4. 前記電極と前記イオン伝導層を有するアクチュエータと、前記電極と前記電気機械変換素子を有する前記センサは、前記アクチュエータと前記センサの間に設けられた前記接続部を介して積層して接続されていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ付きアクチュエータ。
  5. 前記電極と前記イオン伝導層を有するアクチュエータと、前記電極と前記電気機械変換素子を有する前記センサは直接積層されており、前記アクチュエータが変形すると前記センサも変形することを特徴とする請求項1に記載のセンサ付きアクチュエータ。
  6. 前記アクチュエータの弾性率(A)が5MPa以上1GPa以下であり、前記センサの弾性率(S)が1MPa以上900MPa以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載のセンサ付きアクチュエータ。
  7. 前記アクチュエータと前記センサの間の接続部の弾性率(I)が3MPa以上950MPa以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のセンサ付きアクチュエータ。
  8. 前記センサの前記電気機械変換素子は、イオン伝導体層または感圧導電性層からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載のセンサ付きアクチュエータ。
  9. 前記アクチュエータの前記イオン伝導層と前記センサの前記電気機械変換素子は同一材料から構成され、また前記アクチュエータおよび前記センサの前記電極は同一材料から構成されていて、それらの材料の組成比が異なることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかの項に記載のセンサ付きアクチュエータ。
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