JP2011072061A - インバータ制御装置と電動圧縮機および電気機器 - Google Patents

インバータ制御装置と電動圧縮機および電気機器 Download PDF

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Abstract

【課題】共振周波数帯での連続運転を回避し、配管等の折損を防止し、信頼性の高い圧縮機のインバータ制御装置を提供する。
【解決手段】圧縮機の共振周波数帯を含む運転禁止領域を予め設定しておく運転禁止周波数設定部と、デューティ比が上限の値でかつ実回転数が運転禁止領域にかかると速やかに運転禁止領域の下限より下の回転数を目標回転数に設定し、連続して運転禁止領域で運転することを避けるように共振回避動作を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ制御装置を用いた電動圧縮機および該インバータ制御装置によって駆動されるブラシレスDCモータを具備した家庭用冷蔵庫等の電気機器における圧縮機の共振を防止するインバータ制御装置に関するものである。
従来、インバータ制御装置によって駆動される圧縮機には、インバータ制御装置から出力される特定の周波数領域において共振することが知られている。
そのため、この種のインバータ制御装置は、圧縮機の共振による騒音・振動および配管の劣化を低減するために、圧縮機の接続配管に振動検出装置を設け、この装置の検出した振動値が予め設定した異常振動値を超えた場合に、モータの回転数を上昇または、下降させている(例えば、特許文献1参照)。
また、圧縮機への供給電力の周波数が共振周波数より若干高い周波数以下になったときに、圧縮機への電力供給を遮断するスイッチを備えたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭60−125790号公報 特開昭62−299655号公報
しかしながら、前者の構成では、特に往復動圧縮機の場合、圧縮機の内部に配管が引き回された構成であるため、圧縮機内部へ振動検出装置を取り付けることが困難であり、また、振動検出装置の動作における信頼性の確保が難しいという課題がある。
さらに、後者の構成では、圧縮機への供給電力の周波数が共振周波数より若干高い周波数以下になったことに伴い、圧縮機への電力供給を遮断すると、冷却システムが停止することになり、冷蔵庫などの冷却システムの場合、冷えなくなるという課題を有している。
また、従来のインバータ制御装置においては、負荷が重たくなったときや、電源電圧が低下した場合において、トルクが十分出力できないとデューティ比が100%に達しても回転数が低下し、共振周波数帯で運転してしまうことになる。特にモータ巻線の巻き込み量が多いと、トルクダウンとなるため、上記共振周波数帯での運転が発生しやすい。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、負荷が重くなったときや、電源電圧が低下した場合においても、共振周波数帯で連続して運転することを防止し、圧縮機の共振による騒音、振動および配管の折損などを低減することができる信頼性の高い圧縮機のインバータ制御装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のインバータ制御装置は、圧縮機の共振周波数帯を含む運転禁止領域を予め設定しておく運転禁止周波数設定部と、デューティ比が上限の値でかつ実回転数が運転禁止領域にかかると速やかに運転禁止領域の下限値より下の
回転数を目標回転数に設定し、連続して運転禁止領域で運転することを避けて共振回避を行なう共振回避制御手段を設けたものである。
これによって、負荷が重たくなったときや、電源電圧が低下した場合において、デューティの上限の100%に達してもなお回転数が低下し、圧縮機の実回転数が運転禁止領域の上限値に達した場合に、速やかに運転禁止領域の下限値より下の回転数を目標回転数に設定することにより、共振帯で連続して運転することを防止し、圧縮機の配管の折損や共振による騒音・振動を防ぐことができ、圧縮機の信頼性を向上することができる。
本発明は、デューティが上限に到達した状態において、圧縮機が共振帯で連続して運転することを防止することができ、圧縮機の配管の折損や共振による騒音・振動を防ぎ、圧縮機の信頼性を向上することができる。
本発明の実施の形態1における圧縮機を駆動するインバータ制御装置のブロック回路構成図 本発明の実施の形態1におけるインバータ制御装置によって駆動される圧縮機の平面断面図 本発明の実施の形態1におけるインバータ制御装置の動作説明図 本発明の実施の形態1におけるインバータ制御装置の動作内容を説明するフローチャート
請求項1に記載の発明は、圧縮機を駆動するモータの位置を検出し位置信号を出力する位置検出手段と、前記位置検出手段の位置信号に基づきモータの回転数を制御するための信号を出力する制御回路部と、前記制御回路部の出力信号に基づき前記モータへ電圧を印加するインバータ回路部を具備し、前記制御回路部を、前記位置検出手段の位置信号に基づいて前記モータの回転数を演算する回転数演算手段と、前記圧縮機を必要能力に回転させる指令回転数を目標回転数に変換する回転数設定手段と、前記目標回転数と実回転数の差に応じて、キャリア周期内のオン時間の割合であるデューティ比を調整し、前記モータへの印加電圧を可変して前記モータの回転数を制御する回転数制御手段と、前記圧縮機の特定回転数範囲である運転禁止領域を予め設定しておく運転禁止周波数設定部とを具備する構成とし、前記回転数制御手段のデューティ比が上限の値で、かつ前記圧縮機の実回転数が運転禁止領域に入る回転数となった場合に、前記運転禁止領域の下限値より下の回転数を目標回転数に設定し、前記モータが連続して前記運転禁止領域範囲内の回転数で運転することを避けるようにしたものである。
かかることにより、圧縮機の負荷が重くなったときや、モータへの印加電圧が低下した場合において、インバータ制御装置が最大出力を発生しても前記モータの回転数が低下し、前記圧縮機の運転禁止領域にかかると、速やかに目標回転数を運転禁止領域の下限値より下の回転数に設定する。
その結果、圧縮機は、連続して運転禁止領域で運転することがなくなり、圧縮機からの異音発生、あるいは圧縮機の振動などを防止することができ、その振動に伴う騒音、あるいは配管の折損を防ぐことができ、圧縮機の信頼性を向上することができる。
また、前記指令回転数が運転禁止領域の下限値以下の回転数であれば、速やかに運転回転数を低くすることができ、圧縮機の能力を速やかにシステム制御に追従することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記圧縮機の特定回転数範囲を、該圧縮機の共振周波数帯を含む運転禁止領域とし、前記運転禁止領域の上限値の周波数をFul、デューティ比の上限値をDmax、共振回避後の実回転数をN、デューティ比をDrとした場合、
を満足した時に、指令回転数を目標回転数に設定するように前記回転数設定手段へ出力する共振回避制御手段を設けたものである。
かかることにより、一端共振帯を回避し回転数を下げた場合に、圧縮機の負荷が軽くなったり電源電圧が上昇してデューティ比が小さくなったりした場合に、デューティ比の上限値に対する回転数が運転禁止領域の上限の周波数より高くできると判断し、前記制御回路部からの指令回転数を再び目標回転数に設定する。その結果、前記圧縮機の運転回転数を高くし、圧縮機の能力を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記回転数設定手段による目標回転数設定において、目標回転数の運転禁止領域の下限値以下の状態を、所定時間継続するようにしたものである。
かかることにより、前記圧縮機にかかる負荷変動に都度反応し、運転禁止領域を挟んで頻繁に回転数が上下することを防止することができる。その結果、ハンチングによる圧縮機からの騒音・振動、および振動に伴う圧縮機配管の折損などを防ぐことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記指令回転数が運転禁止領域の下限値以下の回転数であれば、前記共振回避制御手段の前記回転数設定手段への出力を停止し、指令回転数を目標回転数に設定するようにしたものである。
かかることにより、前記圧縮機の回転数制御を通常の回転数制御とし、システムの負荷が軽減され、速やかに運転回転数を低くすることができ、圧縮機の能力を速やかにシステム制御に追従させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記モータのステータ巻線の巻数を160ターン以上としたものである。
かかることにより、巻線の巻き込み量が多いモータは、トルク不足になりやすく、回転数の低下が生じやすいが、かかるモータを圧縮機に採用することが可能となり、圧縮機の負荷が重くなったときや、電源電圧が低下した場合においても、圧縮機の共振帯での連続運転を回避することができ、圧縮機の配管の折損や共振による騒音・振動を抑制して、圧縮機の信頼性を向上することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータ制御装置を具備した電動圧縮機である。
かかることにより、回転数制御される電動圧縮機の運転において、共振帯で連続運転されることを回避することができる。その結果、電動圧縮機に接続された配管の折損や共振による騒音・振動を防ぐことができ、電動圧縮機の信頼性、および運転時の静寂性を向上
することができる。
請求項7に記載の発明は、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を、配管を介して環状に接続した冷凍サイクルを有する冷却システムと、前記圧縮機の回転数制御を行なうインバータ装置を具備する電気機器において、前記インバータ制御装置を、請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータ制御装置とした電気機器である。
かかることにより、騒音・振動の少ない静寂な運転が期待でき、また前記圧縮機の振動などに伴う配管の折損などを抑制した信頼性の高い電気機器を期待することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における圧縮機を駆動するインバータ制御装置のブロック回路構成図である。図2は、同実施の形態1におけるインバータ制御装置によって駆動される圧縮機の平面断面図である。図3は、同実施の形態1におけるインバータ制御装置の動作説明図である。図4は、同実施の形態1におけるインバータ制御装置の動作内容を説明するフローチャートである。
まず、図1によってインバータ制御装置の回路構成について説明する。
図1において、AC/DC変換手段101は、商用電源102に接続され、商用交流電圧を直流電圧に変換する。インバータ回路103は、AC/DC変換手段101に接続され、その出力はブラシレスDCモータ104に接続されている。
ブラシレスDCモータ104は、ステータ巻線が集中巻き構造で、巻数が160ターン以上に設定されたもので、例えば、冷蔵庫などの冷却システム(図示せず)を構成する圧縮機105に組み込まれている。
ここで、冷却システムは、周知の如く、圧縮機105と、凝縮器、減圧装置、蒸発器(いずれも図示せず)を、配管を介して環状に接続した冷凍サイクルを有するもので、前記蒸発器による熱交換空気を利用して所定の室内(空間)を冷却し、温度センサ(図示せず)などの温度検出信号に基づいて冷却能力を制御し、前記室内(空間)を所定の温度に維持する機能を有するものである。
インバータ回路103は、6つのスイッチング素子T1、T2、T3、T4、T5、T6を具備した構成であり、これらの6つのスイッチング素子は、三相ブリッジ接続されている。
制御回路106は、位置検出手段107、転流手段108、回転数演算手段109、回転数設定手段110、回転数制御手段111、運転禁止周波数設定手段112、共振回避制御手段113、合成手段114、ドライブ手段115を具備した構成となっている。
また、共振回避手段113は、あらかじめ設定された時間をカウントし、その設定時間経過後に経過信号を出力する待機タイマ116を備えている。
位置検出手段107は、ブラシレスDCモータ104の逆起電圧から回転子の位置を検出し、位置検出信号を転流手段108、回転数演算手段109に出力する。
転流手段108は、位置検出手段107の出力に応じて、合成手段114を駆動する転
流信号を出力する。
回転数演算手段109は、位置検出手段107の位置検出信号を一定期間カウントしたり、パルス間隔を測定したりすることにより、ブラシレスDCモータ104の回転数を演算し、回転数制御手段111にブラシレスDCモータ104が運転している回転数(以下、実回転数と称す)を出力する。
一方、回転数設定手段110は、冷蔵庫などの冷却システムから送られてくる信号、例えば、圧縮機105の回転数を指示する指令回転数信号を入力し、圧縮機105の目標回転数を設定する。
回転数制御手段111は、インバータ回路103のブラシレスDCモータ104への通電/停電タイミングの設定を行なう機能を有し、具体的には、単位時間当たりにおいて、通電と停電を交互に行なう通電時間と停電時間の比率(以下、デューティ比と称す)を設定する。
そして、回転数制御手段111は、回転数演算手段109からのブラシレスDCモータ104の回転数と、回転数設定手段110からの指令回転数を比較し、その結果、ブラシレスDCモータ104の回転数が、指令回転数よりも小さい場合は、デューティ比を増加し、通電時間率を大きくする。
また、逆に前記比較の結果、ブラシレスDCモータ104の回転数が、指令回転数よりも大きい場合は、デューティ比を減少し、通電時間率を小さくする。
この回転数設定手段111の比較結果は、合成手段114を介してドライブ手段115へ出力され、その出力を入力とするドライブ手段115は、インバータ回路103へ所定の周波数信号を出力し、各スイッチング素子T1、T2、T3、T4、T5、T6を断続的動作から連続動作の範囲で駆動する。
そして、前記デューティ比が増加の場合は、ブラシレスDCモータ104に印加される電圧を増加し、ブラシレスDCモータ104の回転数を上昇させ、前記デューティ比が減少の場合は、ブラシレスDCモータ104に印加される電圧を減少し、ブラシレスDCモータ104の回転数を下降させる。
また、回転数演算手段109からのブラシレスDCモータ104の回転数と、回転数設定手段110からの指令回転数を比較し、変動がなければ、回転数制御手段111は現状のデューティ比を合成手段114に出力し、ドライブ手段115も変動なく動作してインバータ回路103を駆動している。
運転禁止周波数設定手段112には、圧縮機105の共振周波数帯を含む周波数領域が設定されている。
また、共振回避制御手段113は、回転数設定手段110からの目標回転数と、回転数演算手段109からの実際の運転回転数とを比較し、さらに回転数制御手段111によって設定されたデューティ比が上限値であるかどうかを判断し、上述の如く、回転数設定手段110によって設定された目標回転数(ドライブ手段115からの出力周波数)が、運転禁止周波数帯に含まれる回転数(周波数)となる場合に、その旨の信号を回転数設定手段110へ出力し、圧縮機105が共振周波数領域の回転数で運転することを回避する。
上述の回転数設定手段110と共振回避制御手段113による回避策としては、共振回
避制御手段113の運転禁止の信号を受けて回転数設定手段110が演算処理を行ない、運転禁止周波数帯の外れた回転数を設定する策、あるいは、共振回避制御手段113が、運転禁止周波数帯の外れた周波数を回転数設定手段110へ出力する策、さらには、共振回避制御手段113からの信号を回転数設定手段110が入力し、一段下降(上昇)した周波数を共振回避制御手段113へ出力して、共振回避制御手段113により、その周波数が運転禁止周波数帯に含まれるか否かを判断し、その結果を回転数設定手段110へ出力することを繰り返し、運転禁止周波数帯の外れた回転数を設定する策などがある。
合成手段114は、転流手段108と回転数制御手段111の出力の論理積をドライブ手段115に出力し、ドライブ手段115は、前述の如くインバータ回路103を構成する各スイッチング素子T1、T2、T3、T4、T5、T6を駆動する。
次に、図2により、上記インバータ制御装置によって駆動される圧縮機105の構成について説明する。
図2において、レシプロ式の圧縮機105は、密閉容器201内にブラシレスDCモータ104と、ブラシレスDCモータ104によって駆動される圧縮要素202を収納している。密閉容器201に固定された吐出接続管203には、圧縮要素202と吐出接続管203とを連通する吐出管204が接続されている。
以上のように構成されたレシプロ式の圧縮機105は、インバータ回路103によりブラシレスDCモータ104が運転されることで圧縮要素202が駆動され、圧縮要素202によって圧縮された圧縮ガスが、吐出管204を経て吐出接続管203から導出される。
しかしながら、吐出管204は固有の共振周波数を持ち、圧縮機105のいくつかの運転回転数において共振を起す。運転禁止周波数設定手段112は、吐出管204が共振するいくつかの周波数領域を運転禁止周波数帯として記憶している。
また、運転禁止周波数設定手段112には、運転禁止周波数帯の下限周波数Fllより小さい下段回転数Nllが記憶されており、圧縮機105の実回転数が運転禁止周波数帯にかかると、回転数設定手段110の目標回転数を下段回転数Nllに設定し、圧縮機105の共振を回避する。
次に、上記運転禁止周波数帯を外した制御内容について図3を用いて説明する。ここでは、便宜上最初に指令回転数66r/sで運転している状態として説明する。
例えば、冷蔵庫に搭載された圧縮機105の場合であると、負荷が重たくなったり、電源電圧が低下したりすると、出力デューティが上限値(例えば100%)になっても指令回転数どおりに運転できなくなり、回転数が徐々に低下する。
そして、圧縮機105の吐出管204の共振帯(例えば44〜47Hz)を含む運転禁止周波数帯(例えば43〜49Hz)にかかることになり、長期間連続してこの周波数帯で運転すると、吐出管204の折損や騒音大となる問題が発生する。
そのため、圧縮機105の回転数が、圧縮機105の共振帯を含む運転禁止周波数帯に到達すると、共振帯より下の回転数(下段回転数Nll、例えば42r/s)で運転するように回転数制御手段111によって回転数を制御する。
そして、冷蔵庫の庫内が冷却されて負荷が軽減されたり、電源電圧が復帰したりしたこ
とに伴い、圧縮機105の目標回転数を元にもどしても圧縮機105の共振帯を含む運転禁止周波数帯にかからないと判断できるデューティまで出力デューティが低下すると、元の指令回転数で運転するように指示する。
そして、下段回転数Nllの状態での運転中にデューティが小さくなり、安定復帰デューティDr(例えば75%)以下になっているかを判断し、十分運転禁止周波数帯にかからない回転数で運転できると判断すると、目標回転数を指令回転数に設定する。
ここで、運転禁止領域の上限の周波数をFul、デューティ比の上限をDmax、共振回避後の実回転数をN、デューティ比をDrとし、
を満足した時に、指令回転数を目標回転数に設定するように回転数設定手段110を動作させる。
そして、さらに負荷が軽減され、あるいは電源電圧が高くなると、圧縮機105は、元の指令回転数で運転できるようになる。
次に、ブラシレスDCモータ104の回転数の共振回避制御動作について、図4を用いて説明する。
圧縮機105のインバータ制御装置が、ブラシレスDCモータ104を運転している状態において、回転数設定手段110で冷蔵庫等の制御装置からの指令回転数の変更信号を受信すると、ブラシレスDCモータ104の回転数を変更するように制御する。
まず、ステップS001で共振回避制御中(共振フラグ=1)であるか否かを判断する。通常状態では、共振回避制御中ではないのでステップS002へ進む。
ステップS002では、回転数設定手段110の指令回転数Nrefを目標回転数Ntgとして設定し、ステップ003へ進む。
ステップS003では、圧縮機105の実際の運転回転数である実回転数Nと、目標回転数Ntgを比較し、小さくなければステップS004へ移行する。
ステップS004で、実回転数Nと目標回転数Ntgが一致していれば、ステップS006へ抜ける。
また、ステップS004で、実回転数Nと目標回転数Ntgが一致せず、実回転数Nが目標回転数Ntgより大きければ、ステップS005でデューティ比を減少し、ステップS006へ移行する。
さらに、ステップS003で実回転数Nが目標回転数Ntgより小さければ、ステップS501に進み、デューティ比が上限値(例えば100%)であるかを判断する。デューティ比が上限値でなければ、ステップS502へ移行してデューティ比を増加し、ステップS006へ抜ける。
ここまでは、一般的な圧縮機105の回転数制御である。
ステップS501で、デューティ比が100%であるとステップS601へ移行し、実回転数Nが禁止帯上限周波数Fulより小さいか等しく、かつ禁止帯下限周波数Fllより大きいか等しい場合、ステップS701へ進み、目標回転数Ntgを禁止帯下限周波数Fllより小さい下段回転数Nllに設定する。そして、次にステップS702で共振フラグをセットし、ステップS703で待機タイマ116を動作させ、待機時間のカウントを開始する。
ここで、ステップS601で、実回転数Nが禁止帯上限周波数Fulより大きいか、または禁止帯下限周波数Fllより小さい場合は、ステップS006へ抜ける。
また、ステップS001で共振回避制御中(共振フラグがセット状態:1)である場合、ステップS101へ移行する。
このステップS101では、指令回転数Nrefが下段回転数Nllより小さいか等しい場合、ステップS102へ進み、目標回転数Ntgを指令回転数Nrefに設定する。また、ステップS103で共振フラグをクリアし、ステップS104で待機タイマをクリアする。
さらに、ステップS101において、指令回転数Nrefが下段回転数Nllより大きい、または等しい場合、ステップS201へ移行し、目標回転数Ntgを下段回転数Nllに再設定し、リフレッシュする。
次にステップS202に進み、デューティ比が安定復帰デューティ比Dr(例えば75%)以下になっているか判断し、Dr(75%)以下であれば、S301へ進む。
そして、ステップS301では、待機タイマが5分経過しているかを判断し、5分以上経過していれば、安全に復帰できると判断し、ステップS401へ移行する。
そして、ステップS401にて目標回転数Ntgを指令回転数Nrefに設定し、ステップS402にて共振フラグをクリアし、ステップS403にて待機タイマ116をクリアする。
ステップS403の処理が終わると、ステップS003へ移行し、通常の回転数制御を行なうことになる。
また、ステップS202でデューティがDr(75%)超であったり、さらにステップS301で5分経過していなかったりすると、ステップS003へ移行し、通常の回転数制御を行う。
以上のように、本実施の形態1においては、圧縮機105の負荷の増大、あるいは商用電源102の電圧変動に伴う電圧低下に起因してブラシレスDCモータ104の回転数が低下し、上限のデューティ比100%に達してもなお圧縮機105の回転数が低下し、実回転数が圧縮機105の運転禁止領域にかかると、速やかに運転禁止領域より下の回転数で運転するように制御することにより、圧縮機105を共振周波数の回転数で連続して運転することがなくなる。その結果、吐出管204の折損を防止し、圧縮機105の信頼性を向上させることができる。
また、圧縮機105の負荷軽減、あるいは商用電源102の電圧復帰に伴い、圧縮機105の回転数をその負荷に対応する回転数にもどしても、圧縮機105の回転数が共振帯
にかからないと判断できるデューティ比まで制御可能と判断すると、圧縮機105を元の指令回転数で運転するよう指示することにより、圧縮機105の能力を高めることができる。
その結果、冷却システムにおいては、共振回避動作で共振帯より下の低冷却能力状態を回避し、本来の冷却能力状態で運転できることから、冷却能力の低下を極力防止することができる。
さらに、共振回避のために下げた目標回転数を、上述の復帰に伴い上昇設定する場合において、一定時間経過後に指令回転数を目標回転数に再設定するため、例えば、冷蔵庫において、冷蔵庫庫内の負荷の変動が頻繁に発生したりする場合や、電源の電圧変動が頻繁に発生する場合であっても、圧縮機105の回転数を、共振帯を避けるために頻繁に増減を繰り返す制御となることを抑制することができる。
その結果、回転数の頻繁な繰り返し制御に伴う回転数の変動騒音の発生を抑制することができる。
また、システム負荷の変動などに伴う外部からの指令回転数が、運転禁止領域より下の回転数であれば、共振回避制御を解除し、指令回転数を目標回転数に設定して通常の回転数制御に戻すことができる。
その結果、速やかに運転回転数を低くすることができ、圧縮機105の冷却能力を冷蔵庫等の冷却システム制御の要望する能力に速やかに追従することができる。
また、ブラシレスDCモータ104は、ステータ巻線の巻数を160ターン以上としているため、効率は向上するものの、出力トルク不足になり易い、あるいは回転数の低下が発生し易いモータであるが、回転数の低下が発生し共振帯で連続して運転することを回避することができるため、圧縮機104の配管の折損や共振による騒音・振動を防ぐことができ、圧縮機105の信頼性を損なうこともない。
また、ブラシレスDCモータ104のステータ巻線を集中巻き構造としているため、分布巻き構造に比べて巻き数の増加が可能である反面、出力トルクが低下し、回転数が低下し易いが、共振帯での連続した圧縮機105の運転を防止することができるため、圧縮機105の信頼性を向上することができる。
さらに、本実施の形態1の圧縮機を、冷蔵庫などの家庭用電気機器に適用することにより、より高効率で高い信頼性を確保することができる。
なお、本実施の形態1では、共振帯を含む運転禁止周波数帯を一領域として説明したが、運転禁止周波数帯が複数個所に存在する場合であっても、それぞれの共振帯の周波数を運転禁止周波数設定手段112に設定することにより、同様の制御で共振帯での連続運転を回避することができる。
また、圧縮機105の機種により、共振帯が複数存在する場合、一つの運転禁止周波数帯に複数の共振帯を含めてもよいし、それぞれの共振帯に対し運転禁止周波数帯を複数持たすようにしてもよい。
また、運転禁止周波数帯の設定は、回転数制御を行なうインバータ制御装置の制御回路106を構成するマイコンの発振子の精度、圧縮機105の共振帯のばらつき、回転数制御精度などを考慮して決定するのが好ましい。
また、共振帯については、圧縮機105の吐出管204を例に説明したが、冷蔵庫等のシステム側の配管において共振周波数が既知であれば、その周波数を予め設定しておくことにより、同様の効果が期待でき、冷凍サイクルのシステムの配管との共振による配管の折損や共振騒音の抑制を行なうことができ、圧縮機を用いた電気機器の信頼性の向上、低騒音、低振動化をはかることができる。
本発明にかかる圧縮機のインバータ制御装置は、デューティ比が上限に達しても、圧縮機が共振帯で連続して運転することがなくなり、圧縮機の配管の折損や共振による騒音・振動を防ぐことができ、圧縮機の信頼性を向上することができる。したがって、冷蔵庫、空調機器、洗濯乾燥機等の圧縮機を用いた家庭用電気機器の用途に広く適用することができる。
103 インバータ回路
104 ブラシレスDCモータ
105 圧縮機
106 制御回路
107 位置検出手段
109 回転数演算手段
110 回転数設定手段
111 回転数制御手段
112 運転禁止周波数設定部
113 共振回避制御手段

Claims (7)

  1. 圧縮機を駆動するモータの位置を検出し位置信号を出力する位置検出手段と、前記位置検出手段の位置信号に基づきモータの回転数を制御するための信号を出力する制御回路部と、前記制御回路部の出力信号に基づき前記モータへ電圧を印加するインバータ回路部を具備し、前記制御回路部を、前記位置検出手段の位置信号に基づいて前記モータの回転数を演算する回転数演算手段と、前記圧縮機を必要能力に回転させる指令回転数を目標回転数に変換する回転数設定手段と、前記目標回転数と実回転数の差に応じて、キャリア周期内のオン時間の割合であるデューティ比を調整し、前記モータへの印加電圧を可変して前記モータの回転数を制御する回転数制御手段と、前記圧縮機の特定回転数範囲である運転禁止領域を予め設定しておく運転禁止周波数設定部とを具備する構成とし、前記回転数制御手段のデューティ比が上限の値で、かつ前記圧縮機の実回転数が運転禁止領域に入る回転数となった場合に、前記運転禁止領域の下限値より下の回転数を目標回転数に設定し、前記モータが連続して前記運転禁止領域範囲内の回転数で運転することを避けるようにしたインバータ制御装置。
  2. 前記圧縮機の特定回転数範囲を、該圧縮機の共振周波数帯を含む運転禁止領域とし、前記運転禁止領域の上限値の周波数をFul、デューティ比の上限値をDmax、共振回避後の実回転数をN、デューティ比をDrとした場合、
    を満足した時に、指令回転数を目標回転数に設定するように前記回転数設定手段へ出力する共振回避制御手段を設けた請求項1に記載のインバータ制御装置。
  3. 前記回転数設定手段による目標回転数設定において、目標回転数の運転禁止領域の下限値以下の状態を、所定時間継続するようにした請求項1または2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記指令回転数が運転禁止領域の下限値以下の回転数であれば、前記共振回避制御手段の前記回転数設定手段への出力を停止し、指令回転数を目標回転数に設定するようにした請求項2または3に記載のインバータ制御装置。
  5. 前記モータのステータ巻線の巻数を160ターン以上とした請求項1から4のいずれか一項に記載のインバータ制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータ制御装置を具備した電動圧縮機。
  7. 圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を、配管を介して環状に接続した冷凍サイクルを有する冷却システムと、前記圧縮機の回転数制御を行なうインバータ装置を具備する電気機器において、前記インバータ制御装置を、請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータ制御装置とした電気機器。
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