JP2011071863A - 時定数回路、スイッチ回路、dc/dcコンバータ及び表示装置 - Google Patents

時定数回路、スイッチ回路、dc/dcコンバータ及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】単調に減衰するだけの出力電圧特性に比べて、急峻に減衰した後に緩やかに減衰する出力電圧特性が得られる時定数回路等を提供する。
【解決手段】時定数回路10は、抵抗素子111と容量素子121との並列回路131,…が第一の端子14と第二の端子15との間に複数直列に接続されて成る直並列回路16と、第二の端子15に接続された第三の端子17と第四の端子18との間に接続された分圧用抵抗素子19と、を備えている。並列回路131は抵抗素子111と容量素子121とから成り、並列回路132は抵抗素子112と容量素子122とから成り、・・・、並列回路13nは抵抗素子11nと容量素子12nとから成る。nは、並列回路131〜13nの数であり、2以上の整数である。
【選択図】図1

Description

本発明は、時間とともに減衰する電圧を出力する時定数回路、及びこれを備えたスイッチ回路等に関する。
近年、表示装置のパネルの高解像度化・大型化に伴い、表示装置内の消費電力もそれに追従して増える傾向にある。定常的に電源電圧を安定して供給するために、また過渡的な電流の応答にも安定して電源電圧を供給するためには、電荷を蓄積しておいて必要な時に放電するためのコンデンサが必要不可欠となる。
また、一方で安定な電源電圧を得るためにコンデンサの容量を大きくしていくと、電源起動時に大きな突入電流が発生するという問題が発生する。この問題は、特に表示装置の高解像度化や大型化が進むと、より顕著になる。
このような突入電流を抑制する時定数回路が、特許文献1に開示されている。この時定数回路は、FET(Field Effect Transistor)のゲート−ソース間にコンデンサ1つと抵抗器1つとを並列に配置し、FETのゲート−グランド(GND:ground)間に抵抗器を1つ配置した構成である(図8参照)。この時定数回路によって、FET起動時のFETのゲート電位の変化を緩やかにすることにより、突入電流を低減する。なお、FETのゲート−GND間には、FETのゲート電位を確定するための分圧用抵抗器が配置される。
また、特許文献2には、FETのゲート−ソース間電圧を制御する電圧制御回路が開示されている。この電圧制御回路は、突入電流を低減するために、オペアンプと抵抗器とコンデンサとを用いている。この電圧制御回路によって、FETのゲート−ソース間電圧を制御することにより、FET起動時の突入電流を低減する。
特開2003−111460(図1) 特開2005−223804(図4)
表示装置を駆動するためのドライバIC(Integrated Circuit)やタイミングコントローラ等の各種ICは、異なる電圧値を出力する電源を必要とする。しかし、外部の電源から入力する電圧は使い易さから一種類の電圧値が要望されるため、その一種類の電圧値から複数の電圧値を生成する電源回路(DC(Direct Current)/DCコンバータ)が用いられる。このDC/DCコンバータで生成された各電圧の出力タイミングに関しては、各種ICの破壊及び誤動作を避けるために起動順序(電源シーケンス)を設定する必要がある。その起動順序については、通常、FET等のスイッチ機能を有する部品あるいは素子を利用して制御する。
ここで、FETが起動する場合(FETがONする場合)、FETの出力側に平滑コンデンサがあると、FETがONした直後にこのコンデンサへの急激な充電動作により過渡的に大きな電流(突入電流)が流れることになる。この突入電流が大きすぎると、FETが破損したり、入力電源ラインの保護機能が誤動作したりする。また、その入力電源ラインの保護機能が誤動作に至らない場合でも、入力電圧の予期せぬ電圧値降下(電圧ドロップ)が起きたり、その電圧ドロップに伴いDC/DCコンバータの保護機能が誤動作したりする。
この突入電流を小さくするためには、FETに電圧が印加された後のFETのゲート−ソース間の電圧変化を、FETが緩やかに起動するよう、制御すればよい。例えば、特許文献2で開示されているように、FETのゲート−ソース間に電圧制御回路を設ければよい。
しかし、この電圧制御回路を用いて、FETのゲート−ソース間電圧を適切に制御するためには、回路規模が大きくなるという欠点がある。すなわち、特許文献2の構成では、オペアンプ1点、トランジスタ1点、コンデンサ1点及び抵抗器7点が必要になるので、回路規模が非常に大きくなる。回路規模が大きくなれば、その回路を搭載する基板の面積も大きくなり、全体としてコストも高くなる。
そこで、簡素な構成(受動素子のみ)で突入電流の低減を実現するため、特許文献1で開示されているように、FETのゲート−ソース間に抵抗器1つとコンデンサ1つとから成る時定数回路を設けることにより、FETを緩やかに起動する場合が多い(図8参照)。
ただし、突入電流を充分小さくするためには、抵抗器の抵抗値とコンデンサの容量値とによって決められる時定数の値を大きくする必要がある。ところが、この時定数を大きくすると、FETの電圧を印加してから実際にFETが起動するまでの時間が長くなる。すなわち、DC/DCコンバータの出力電圧の起動点が遅延する、という新たな問題が発生する。このことは、そのDC/DCコンバータを具備する表示装置において、各種ICへ電圧を供給する電源の起動タイミングが遅延することを意味する。その結果、各種ICを駆動するまでの時間が延びてしまい、電源を投入してから映像が表示されるまでの時間が長くなる。
このように、回路規模を大きくせずに極力突入電流が小さくなるように、FETの起動タイミングを時定数回路によって緩やかにすると、突入電流を低減できるものの、今度は起動タイミングが遅れるという新たな問題が発生する。この起動タイミングが遅れると、表示装置では画像を表示するまでの時間が長くなるという問題が発生する。
これは、時定数回路の有する時定数に起因する。つまり、突入電流を確実に低減しようとすれば、時定数を大きくしてゲート電圧を緩やかに減衰する必要があり、その結果FETの起動タイミングが遅れる。逆に、FETの起動タイミングを速くしようとすれば、時定数を小さくしてゲート電圧を急峻に減衰する必要があり、その結果突入電流を十分に低減できなくなる。
そこで、本発明の目的は、単調に減衰するだけの出力電圧特性に比べて、急峻に減衰した後に緩やかに減衰する出力電圧特性が得られる時定数回路等を提供することにある。
本発明に係る時定数回路は、
抵抗素子と容量素子との並列回路が第一の端子と第二の端子との間に複数直列に接続されて成る直並列回路と、前記第二の端子に接続された第三の端子と第四の端子との間に接続された分圧用抵抗素子とを備え、
前記第一の端子と前記第二の端子とが入力端子であり、前記第三の端子と前記第四の端子とが出力端子である、
ことを特徴とする。
本発明によれば、抵抗素子と容量素子との並列回路を複数直列に接続した直並列回路を用いて時定数回路を構成したことにより、時定数回路の出力電圧を、急峻に減衰した後に緩やかに減衰する特性にすることができる。
実施形態1を示すブロック図である。 実施形態2を示すブロック図である。 実施形態3を示す回路図である。 実施形態3及び比較例におけるFETのゲート電位の変化を示すグラフ(その1)である。 実施形態3及び比較例におけるFETのゲート電位の変化を示すグラフ(その2)である。 実施形態4を示すブロック図である。 実施形態5を示す回路図である。 比較例を示す回路図である。 比較例におけるFETのゲート電位の変化を示すグラフである。 比較例におけるDC/DCコンバータの出力電圧起動点遅延の例を示すグラフであり、図10[A]は図9におけるC100=0.01[μF]の場合に相当し、図10[B]は図9におけるC100=0.1[μF]の場合に相当する。 実施形態3におけるFETのゲート電位についてのシミュレーション結果を示すグラフである。 実施形態3における抵抗素子及び容量素子に流れる電流についてのシミュレーション結果を示すグラフである。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1を示すブロック図である。以下、図1に基づき説明する。
本実施形態1の時定数回路10は、抵抗素子111と容量素子121との並列回路131,…が第一の端子14と第二の端子15との間に複数直列に接続されて成る直並列回路16と、第二の端子15に接続された第三の端子17と第四の端子18との間に接続された分圧用抵抗素子19と、を備えている。並列回路131は抵抗素子111と容量素子121とから成り、並列回路132は抵抗素子112と容量素子122とから成り、・・・、並列回路13nは抵抗素子11nと容量素子12nとから成る。nは、並列回路131〜13nの数であり、2以上の整数である。
そして、第一の端子14と第二の端子15との間に直流電圧V0が印加され、第三の端子17と第四の端子18との間から出力電圧V(t)が得られるとき、出力電圧V(t)は時定数が異なる複数の指数関数の和によって変化する。換言すると、第一の端子14と第二の端子15とが入力端子であり、第三の端子17と第四の端子18とが出力端子である。このとき、入力端子間に直流電圧V0を印加したとき、出力端子間から得られる出力電圧V(t)は時定数が異なる複数の指数関数の和によって変化する。なお、直流電圧V0は、直流電源32及びメインスイッチ33によって供給される。
時定数回路10において、直流電圧V0を印加した時を0とする時間をtとすると、次のn階の定係数常微分方程式が成り立つ。
(d/dt)nV(t)+A1(d/dt)n-1V(t)+・・・+An-1(d/dt)V(t)+AnV(t)+An+1=0 ・・・[1]
ここで、A1〜An+1は定数である。
式[1]の解は、本実施形態1では次式となる。
V(t)=B1exp(−c1t)+B2exp(−c2t)+・・・+Bnexp(−cnt)+Bn+1 ・・・[2]
ここで、B1〜Bn+1は定数であり、c1〜cnは減衰定数(時定数の逆数)である。
式[2]は、出力電圧V(t)が複数の指数関数B1exp(−c1t),…の和の影響を受けることを示している。各指数関数は、単調に減衰する関数であるが、速く減衰するものもあれば遅く減衰するものもある。そのため、これらの和である出力電圧V(t)は、直流電圧V0を印加した直後では速く減衰する指数関数の影響を受けるが、時間の経過とともに遅く減衰する指数関数の影響を受けるようになる。つまり、時定数回路10によれば、並列回路が一つ(すなわちn=1)しか無い時定数回路(特許文献1)で得られる出力電圧特性、すなわち単調に減衰するだけの出力電圧特性に比べて、急峻に減衰した後に緩やかに減衰する出力電圧V(t)の特性が得られることになる。
抵抗素子111〜11n及び分圧用抵抗素子19は、抵抗値を有する素子であればどのようなものでもよく、例えば個別部品の抵抗器、モノリシックIC内に形成される抵抗器、抵抗器として動作するトランジスタなどが含まれる。容量素子121〜12nは、容量値を有する素子であればどのようなものでもよく、例えば個別部品のコンデンサ、モノリシックIC内に形成されるコンデンサ、コンデンサとして動作するダイオード、コンデンサと抵抗器との直列回路などが含まれる。
抵抗素子111〜11nの抵抗値及び容量素子121〜12nの容量値は、時定数が異なる複数の指数関数の和によって出力電圧V(t)が変化すれば、すなわち式[1]の解がn重根にならなければ、どのような値でもよい。
本実施形態1のスイッチ回路20は、時定数回路10と、制御端子21、第一の通電端子22及び第二の通電端子23を有する半導体スイッチ素子24とを備えている。半導体スイッチ素子24は、制御端子21に一定電圧Vthが印加されると、第一の通電端子22と第二の通電端子23との間が導通するものである。そして、第一の端子14が第一の通電端子22に接続され、第三の端子17が制御端子21に接続されている。
時定数回路10の作用によって、出力電圧V(t)は急峻に減衰した後に緩やかに減衰する。また、半導体スイッチ素子24は、制御端子21の電圧が一定電圧Vthの近傍にあるとき、制御端子21の電圧が緩やかに変化するほど緩やかに導通する性質を持つ。そこで、出力電圧V(t)が急峻に減衰した後に一定電圧Vthに至るように、各条件を設定する。各条件とは、抵抗素子111〜11n及び分圧用抵抗素子19の抵抗値、容量素子121〜12nの容量値、一定電圧Vth、直流電圧V0などである。その結果、制御端子21の電圧は、急峻に減衰した後、一定電圧Vthに至るとともに緩やかに減衰する。これにより、半導体スイッチ素子24が速くかつ徐々に導通することになる。
半導体スイッチ素子24は、例えばFET、バイポーラトランジスタ、サイリスタなどであり、直流電圧V0が正であればpチャネル型のFET、pnp型のバイポーラトランジスタなど適しており、直流電圧V0が負であればnチャネル型のFET、npn型のバイポーラトランジスタなど適している。
本実施形態1のDC/DCコンバータ30は、スイッチ回路20と、第二の通電端子23と第四の端子18との間に接続された平滑用容量素子31と、を備えている。平滑用容量素子31の出力側には、必要に応じて、定電圧電源用のICや部品などが接続される。
半導体スイッチ素子24が速く起動しかつ徐々に導通することにより、スイッチ回路20の起動が遅れることなくかつ出力電圧Vout1が徐々に上昇する。そのため、DC/DCコンバータ30の出力電圧Vout2の起動点を遅延させることなく、平滑用容量素子31への突入電流を十分に低減できる。
なお、本明細書でいう「端子」とは、単なる導電体も含み、物理的又は機械的な端子に限らない。同じく「接続」とは、電気的に同電位にすることであり、物理的又は機械的な接続に限らない。
<実施形態2>
図2は、本発明の実施形態2を示すブロック図である。以下、図2に基づき説明する。なお、図2において図1と同じ構成要素については、図1と同じ符号を付す。
本実施形態2の時定数回路40は、実施形態1の構成において、直並列回路46が第一の並列回路131と第二の並列回路132とから成ることを特徴とする。このとき、実施形態1で述べた式[2]における複数の指数関数の和から、近似的に第一の指数関数と第二の指数関数とが導出される。出力電圧V(t)は、直流電圧V0が印加された直後から一定時間t1までは第一の指数関数によって変化し、一定時間t1以後は第二の指数関数によって変化する。
すなわち、式[1]は、n=2であるから、次のように2階の定係数常微分方程式となる。
(d/dt)2V(t)+A1(d/dt)V(t)+A2V(t)+A3=0 ・・・[3]
式[3]の解は、本実施形態2では次式となる。
V(t)=B1exp(−c1t)+B2exp(−c2t)+B3 ・・・[4]
式[4]は、出力電圧V(t)が二つの指数関数B1exp(−c1t),B2exp(−c2t)の和の影響を受けることを示している。本実施形態2では、これらの指数関数のうち、相対的に、一方の指数関数が速く減衰し、他方の指数関数が遅く減衰する。そのため、出力電圧V(t)は、直流電圧V0を印加した直後から一定時間t1までは速く減衰する指数関数の影響を受けるが、一定時間t1以後は遅く減衰する指数関数の影響を受けるようになる。
ここで、直流電圧V0を印加した直後から一定時間t1までの出力電圧をV1(t)、一定時間t1以後の出力電圧をV2(t)とすると、V1(t),V2(t)は式[4]に基づき近似的に次式で示される。
V1(t)=D1exp(−E1t)+D2 ・・・[5]
V2(t)=F1exp(−G1t)+F2 ・・・[6]
ここで、D1,D2,F1,F2は定数であり、E1,G1は減衰定数(時定数の逆数)であり、E1>G1である。
つまり、出力電圧V(t)は、直流電圧V0が印加された直後から一定時間t1までは第一の指数関数としての式[5]で示され、一定時間t1以後は第二の指数関数としての式[6]で示される。時定数回路40によれば、単調に減衰するだけの出力電圧特性に比べて、減衰定数E1で急峻に減衰した後に減衰定数G1で緩やかに減衰する出力電圧V(t)の特性が得られる。このことは、直並列回路46に含まれる二つの容量素子121,122のうち、一方の容量素子が速く充電され、他方の容量素子が遅く充電されることに対応する。
また、第一の並列回路131の抵抗素子111の抵抗値をR1、第一の並列回路131の容量素子121の容量値をC1、第二の並列回路132の抵抗素子112の抵抗値をR2、第二の並列回路132の容量素子122の容量値をC2としたとき、
C1>C2 かつ R1>R2 ・・・[7]
が成り立つ、としてもよい。
このとき、第二の並列回路132の容量素子122の容量値C2は、第一の並列回路131の容量素子121の容量値C1よりも小さいので、容量素子122は、容量素子121に流れる充電電流の積分値よりも少ない充電電流の積分値で充電が完了する。しかも、第二の並列回路132の抵抗素子112の抵抗値R2は第一の並列回路131の抵抗素子111の抵抗値R1も小さいので、容量素子122は、容量素子121よりも確実に速く最終的な充電電圧に到達する。このことは、式[5]の減衰定数E1をより大きく設定でき、式[6]の減衰定数G1をより小さく設定できることを意味する。
したがって、時定数回路40によれば、式[7]の条件を採用することにより、単調に減衰するだけの出力電圧特性に比べて、より急峻に減衰した後に、より緩やかに減衰する出力電圧V(t)の特性が得られる。このことは、直並列回路46に含まれる二つの容量素子121,122のうち、一方の容量素子122がより速く充電され、他方の容量素子121がより遅く充電されることに対応する。
式[7]が成り立つときに、更に、分圧用抵抗素子19の抵抗値をR3としたとき、
R3×C1>100[kΩ・μF] ・・・[8]
が成り立つ、としてもよい。
このときは、十分に小さな減衰定数G1が得られるので、急峻に減衰した後に極めて緩やかに減衰する出力電圧V(t)の特性が得られる。
本実施形態2のスイッチ回路50は、時定数回路40と、半導体スイッチ素子24とを備えている。そして、直流電圧V0を印加してから一定時間t1後に、出力電圧V(t)が一定電圧Vthに至る。
時定数回路40の出力電圧V(t)は、一定時間t1までは急峻に減衰し、一定時間t1後は緩やかに減衰する。そのため、出力電圧V(t)に等しい制御端子21の電圧は、一定時間t1までは速やかに減衰し、その後に半導体スイッチ素子24が導通する一定電圧Vthに至るとともに緩やかに減衰する。これにより、半導体スイッチ素子24が速くかつ徐々に導通することになる。
また、スイッチ回路50は、次のように具体的に構成してもよい。半導体スイッチ素子24はpチャネル型のFET24であり、第一及び第二の通電端子22,23はそれぞれソース端子22及びドレイン端子23であり、制御端子21はゲート端子21であり、一定電圧VthはFET24のしきい値電圧Vthである。ここで、理解しやすくするために、具体化に際して対応する構成要素には、それぞれ同じ符号を使うことにする。
このとき、時定数回路40の出力電圧V(t)は、一定時間t1までは急峻に減衰し、一定時間t1後は緩やかに減衰する。そのため、出力電圧V(t)に等しいゲート端子21の電圧は、一定時間t1までは速やかに減衰し、その後にFET24が導通するしきい値電圧Vthに至るとともに緩やかに減衰する。これにより、FET24が速くかつ徐々に導通することになる。FET24は、MOS(Metal Oxide Silicon)型、接合型など、どのようなものでもよい。
本実施形態2のDC/DCコンバータ60は、スイッチ回路50と、平滑用容量素子31とを備えている。平滑用容量素子31は、FET24のドレイン端子23と第四の端子18との間に接続されている。
FET24が速く起動しかつ徐々に導通することにより、スイッチ回路50の起動が遅れることなく、かつスイッチ回路50の出力電圧Vout1が徐々に上昇する。そのため、DC/DCコンバータ60の出力電圧Vout2の起動点を遅延させることなく、平滑用容量素子31への突入電流を十分に低減できる。
本実施形態2におけるその他の構成、作用及び効果については、実施形態1と同様である。
<実施形態3>
図3は、本発明の実施形態3を示すブロック図である。以下、図3に基づき説明する。なお、図3において図2と同じ構成要素については、図2と同じ符号を付す。
本実施形態3は、実施形態2の構成を更に具体化したものである。ここで、理解しやすくするために、具体化に際して対応する構成要素には、それぞれ同じ符号を使うことにする。なお、図3では、図2における第一及び第二の端子14,15、第三及び第四の端子17,18、直流電源32並びにメインスイッチ33については、簡潔に表すために図示を略している。また、平滑用容量素子31の出力側には、IC電源等の負荷61が接続されている。
本実施形態3では、電源の起動順序を守るためのスイッチの役割を果たすFET24のゲート端子21とソース端子22との間に、時定数回路40が設けられている。時定数回路40は、抵抗素子111(抵抗値R1)、抵抗素子112(抵抗値R2)、容量素子121(容量値C1)及び容量素子122(容量値C2)から成る。平滑用容量素子31は、FET24の出力側に配置されており、負荷61の急激な過渡応答に対応するためのコンデンサと考えてもよい。分圧用抵抗素子19(抵抗値R3)は、ゲート端子21の電位を確定するための抵抗器である。FET24のドレイン端子23の先には、表示装置駆動用のIC等の負荷61が配置されている。
FET24のソース端子22側にDC/DCコンバータ60内で生成された直流電圧V0が印加された場合、又はソース端子22側に外部から直流電圧V0が入力された場合の、FET24のゲート電位の変化について考える。なお、FET24は、DC/DCコンバータ60の起動順序を制御するためのスイッチ、あるいは入力された電圧の起動順序を制御するためのスイッチとして用いられる。以下、「ゲート端子21」、「ソース端子22」及び「ドレイン端子23」は、それぞれ「ゲート」、「ソース」及び「ドレイン」と簡略化して述べることにする。
直流電圧V0がFET24に印加された直後は、FET24のゲート電位はV0となる。続いて、FET24のゲート電位は、FET24のゲート−ソース間に配置されている時定数回路40の時定数により決定される傾きにて時間経過とともに変化し、最終的に充分な時間が経過した後は電圧
V0×(R3)/(R1+R2+R3)
の電位となる。
この回路構成において、FET24のソースに直流電圧V0が印加されてから充分な時間が経過するまでのFET24のゲート電位の変化について、以下に詳しく述べる。
まず、図3において、FET24のソース側に直流電圧V0が印加された直後は、容量素子121,122がそれぞれ仮想的にショート状態となるため、FET24のゲート電位はV0となり、FET24のゲート−ソース間電圧は0V(電位差無し)となる。ここで、容量値C1は容量値C2よりも充分に大きくすることが望ましい。本実施形態3では、容量値C1は容量値C2の10倍としている。
直流電圧V0の印加後、時間経過とともに容量素子121,122が充電される。このとき、容量値C2の方が容量値C1よりも小さいため、先に容量値C2の容量素子122の充電が完了することになる。容量素子122の充電が完了するまでのFET24のゲート電位の時間tによる変化は、近似的に下記の式1にて示すことができる。
V1(t)=V0×〔R3/(A×R2+R3)+(A×R2)/(A×R2+R3)×exp(−t/α1)〕 ・・・式1
ただし、
α1=〔(A×R3×R2)/(A×R2+R3)〕×C2
A=〔1+(C2/C1)×(R1/R2)〕
である。
α1の値は、R2、R3、C2で決められる時定数を表している。Aの値は、容量素子122の充電が完了するまでの、容量素子121の充電を考慮した係数である。つまり、容量素子122の充電が行われている最中には、当然、容量素子121にも充電が行われている。このとき、容量素子121と容量素子122との接点の電荷は保存されると考えると、容量素子122の充電が完了した時には容量素子121にも容量素子122と同等の電荷が蓄積されており、その分だけFET24のゲート電位は降下することとなる。すなわち、Aの値は、このことを加味した値である。
次に、容量素子122の充電が完了した後の時間経過に伴うFET24のゲート電位に関して説明する。
容量素子122の充電が完了した直後は、容量素子122が蓄えた電荷量と等しい電荷量を容量素子121も蓄えている(前述のAの値による)。ここから、容量素子121への更なる充電が行われる。ただし、容量素子122の充電が完了しているため、容量素子122は開放状態(すなわち容量素子122が無いと等しい)と考えることができる。したがって、容量素子122の充電が完了した後のFET24のゲート電位の時間tによる変化は、近似的に下記の式2にて示すことができる。
V2(t)=V0×〔{R3/(R2+R3)}×{(R2+R3)/(R1+R2+R3)+{R1/(R1+R2+R3)}×exp(−t/α2)}〕 ・・・式2
ただし、
α2=〔{R1×(R2+R3)}/(R1+R2+R3)〕×C1
である
上述の通り、FET24のゲート電位は、容量素子122への充電が完了するまでは式1で表わされるV1(t)によって変化し、容量素子122への充電が完了した後は式2で表わされるV2(t)によって変化することとなる。
図4及び図5は、本実施形態3及び比較例におけるFET24のゲート電位の変化を示すグラフである。以下、図3乃至図5に基づき説明する。
図4及び図5は、横軸が時間[ms]、縦軸がゲート電位[V]であり、四つの条件におけるFET24のゲート電位の変化を示している。四つの条件とは、後述する比較例において容量値C100=0.01[μF]とした場合、容量値C100=0.1[μF]とした場合、本実施形態3において容量素子122の充電時の場合、容量素子122の開放後の場合である。図4及び図5では、「本実施形態3」及び「容量素子122」を、それぞれ「本発明」及び「C2」と略称している。図4では容量素子122の充電及び開放の説明を付記し、図5ではFETのオン電圧におけるゲート電位の傾き(接線)を付記している。なおかつ、図5では、実際のゲート電位の時間変化を太い実線で示している。
図4及び図5に示すように、本実施形態3におけるFET24のゲート電位は、容量素子122の充電が完了するポイントまでは急峻に変化し、容量素子122の充電が完了した後は緩やかに変化していることがわかる。
ここで、本実施形態3では、容量値C2を容量値C1よりも小さくし、かつ抵抗値R1,R2,R3も適切な値を採ることにより、FET24のゲート電位の変化を、直流電圧V0の印加直後に急峻にし、容量素子122の充電が完了してからは緩やかにする。これにより、FET24がON状態となる前後でのゲート電位の傾きを制御する。その結果、FET24の起動する際の突入電流を低減しつつ、かつFET24が起動するまでの時間を極力短くできる。
時定数回路40に関する各定数は、式1及び式2によって表されるV1(t)及びV2(t)から算出できる。すなわち、容量素子122の充電が完了するタイミングで、V1(t)又はV2(t)がFET24の実動作電圧Xに達するように、抵抗値及び容量値を選択する。なお、「実動作電圧X」とは、FET24のソース電位及びゲート電位をそれぞれVs,Vgとしたとき、X=Vs−Vgで定義される。「実動作電圧X」は、実施形態1、2における「一定電圧(しきい値電圧)Vth」に対応する。
本実施形態3では、直流電圧V0が12[V]、実動作電圧Xが2.5[V]のときに、
R1=1.2[MΩ]、
R2=300[kΩ]、
R3=1.5[MΩ]、
C1=0.1[μF]、
C2=0.01[μF]
とし、
R1/R2=4 ・・・式a
(R1+R2)/R3=1 ・・・式b
C1/C2=10 ・・・式c
R2×C2=3[kΩ・μF] ・・・式d
とした。
上記の式a〜dの左辺に示される関係は、直流電圧V0や実動作電圧Xの値によって異なる最適値(右辺)を採る。しかし、式a〜dの右辺によって示される比率が基本となるため、抵抗素子111,112、分圧用抵抗素子19及び容量素子121,122の各値を選択する際には、式a〜dの関係式が重要である。すなわち、式a〜dを応用することにより、直流電圧V0や実動作電圧X、その他の条件が変わった場合でも、適切な値を導くことが可能である。
更に、式a〜dの関係式を一般化したものについて詳細に説明する。まず、式aに関して、抵抗素子112の抵抗値R2は、分圧用抵抗素子19の抵抗値R3の影響を大きく受けることとなる。
例えば、V2(t)に関してtが0の場合は、式2から、
V2(0)=V0×(R3/(R2+R3))
となる。このことは、図4においてV2(0)の切片は、
V0×(R3/(R2+R3))
であることを表している。
また、C2をC1よりも充分小さくした場合、式1において、
C2/C1≒0、A≒1、α1≒0となるので、
V1(t)=V0×(R3/(R2+R3))
となる。このことは、C2をC1よりも限りなく小さくした場合でも、FET24に電圧を印加した瞬間はゲート電位はV0となるが、その直後は
V0×(R3/(R2+R3))
の値になることを意味する。この電位差をFET24のゲート−ソース間から見た電位差で考えると、
V0−(V0×(R3/(R2+R3)))=V0×(R2/(R2+R3)
となる。
つまり、この電圧値V0×(R2/(R2+R3))を、FET24の実動作電圧よりも小さくする必要がある。さもなければ、FET24のゲート電位の変化が緩やかになる前に、そのゲート電位がFET24の実動作電圧に達してしまう可能性があるからである。FET24のゲート電位の変化が緩やかになる前に、FET24が起動すると突入電流が低減できないことは言うまでもない。
これより、FETの実動作電圧をX[V]とした場合
X > V0×(R2/(R2+R3)) ・・・式e
X ・・・FET24の実動作電圧
V0・・・FET24のソース−GND間に印加される電圧
R2・・・時定数回路40の抵抗素子112の抵抗
R3・・・ゲート電位確定用の分圧用抵抗素子19の抵抗
という関係式を満たすR2,R3を選定する必要がある。
本実施形態3では、V0=12[V]、R2=300[kΩ]、R3=1500[kΩ]であるからX>2.0[V]となり、X=2.5[V]であるから式eを満足している。
次に、抵抗素子111の抵抗値R1に関して詳細に述べる。
R1は、FET24のソース−GND間に電圧が印加されてから、充分な時間が経過した後の、FET24のゲート電位を決める抵抗値となる。ここで、FET24のゲート−ソース間の電位差は、充分な時間が経過した後はFET24の実動作電圧Xの以上の値になっている必要がある。FET24のゲート−ソース間電位差がFET24の実動作電圧Xまで達していないと、FET24が起動しない(FET24がONしない)からである。
よって、R1は、
X < V0×(R3)/(R1+R2+R3) ・・・式f
X ・・・FET24の実動作電圧
V0・・・FET24のソース−GND間に印加される電圧
R1・・・時定数回路40の抵抗素子111の抵抗
R2・・・時定数回路40の抵抗素子112の抵抗
R3・・・ゲート電位確定用の分圧用抵抗素子19の抵抗
という関係式を満たすように、選定する必要がある。
本実施形態3では、V0=12[V]、R1=1200[kΩ]、R2=300[kΩ]、R3=1500[kΩ]であるからX<6.0[V]となり、X=2.5[V]であるから式fを満足している。
次に、容量素子121の容量値C1に関して詳細に述べる。
C1は、本実施形態3において突入電流を低減する上で重要なパラメータとなる。というのは、本実施形態3では、容量素子122(容量値C2)の充電が先に完了することを前提としているからである。すなわち、C1はC2よりも大きくする必要があるからであり、かつ、容量素子122の充電が完了してからは、C1,R2及びR3で決まる時定数でFET24のゲート電位が変化するからである。
容量素子122の充電が完了してからFET24のゲート電位の変化が緩やかになるため、この緩やかな電圧領域にFE24Tの実動作電圧Xを持ってくる必要がある。なぜなら、容量素子122の充電が行われている期間は、FET24のゲート電位が急峻に変化する期間になるので、この期間を避ける必要があるからである。仮に、FET24のゲート電位が急峻に変化している期間に、そのゲート電位が実動作電圧Xに至ると、FET24の起動時の突入電流が大きくなってしまう。よって、C1は、R2とR3を考慮し、充分に突入電流を低減できる値となるように、選択する必要がある。
ここで、最適な容量値C1を求めるために、「比較例」を考えることにする。比較例の時定数回路は、一つの抵抗素子と一つの容量素子との並列回路から成り、特許文献1に開示された技術に相当する。また、実施形態3の構成において、時定数回路を比較例の構成に置き換えたスイッチ回路及びDC/DCコンバータを、「比較例のスイッチ回路及びDC/DCコンバータ」とする。
dV2(t)/dtを「傾き」としたとき、突入電流を充分低減するには、FET24の実動作電圧付近における傾きを、比較例におけるFETの実動作電圧付近の傾きよりも大きくする必要がある。まず、比較例におけるFETの実動作電圧での傾きと、その実動作電圧に達するまでの時間(t1)とを求める。
最初に、比較例の回路構成に関して述べる。図8は、比較例を示す回路図である。以下、図3及び図8に基づき、実施形態3と比較例とを対比しつつ説明する。なお、図8において図3と同じ構成要素については、図3と同じ符号を付す。
比較例の時定数回路100は、抵抗素子101(抵抗値R100)及び容量素子102(容量値C100)から成る並列回路103と、分圧用抵抗素子104(抵抗値R101)とを備えている。スイッチ回路110は、時定数回路100とFET24とを備えている。DC/DCコンバータ120は、スイッチ回路110と平滑用容量素子31とを備えている。実施形態3の時定数回路40(図3)がRC並列回路を二つ有するのに対して、比較例の時定数回路100はRC並列回路を一つのみ有する点で異なる。
比較例の回路構成におけるゲート電位の時間変化は、下記の式3によって表される。
V3(t)=V0×〔R101/(R100+R101)+{R100/(R100+R101)}×exp(−t/α3)〕 ・・・式3
ただし、
α3=〔(R100×R101)/(R100+R101)〕×C100
である。
上記の式3を時間微分すると、
dV3(t)/dt=−(V0/(R101×C100))×exp(−t/α3)
となる。
ここで、実施形態3における抵抗値R1,R2,R3及び容量値C1を、比較例における抵抗値R100,R101及び容量値C100に置き換えると、
R100=R1+R2、R101=R3、C100=C1
とみなすことができ、
dV3(t)/dt=−(V0/(R3×C1))×exp(−t/α3) ・・・式g
ただし、
α3=((R1+R2)×R3×C1)/(R1+R2+R3))
となる。式gにより、比較例において、FET24の実動作電圧におけるゲート電位の傾き(時間変化率)が求められる。
また、FET24の実動作電圧をX[V]とするとFET24の実動作電圧に達するまでの時間t1は、式3を用いて(前述の通りR100=R1+R2、R101=R3、C100=C1とする。)、
t1=−((R3×C1)/2)×ln((R3/(R1+R2))−((R2+R3)/R2)×(X/V0)) ・・・式h
と表すことができる(実施形態3ではt1=40ms)。
ここで、実施形態3の回路構成に戻り、同様にFET24の実動作電圧でのゲート電位の傾きを求める。実施形態3において、FET24の実動作電圧付近では、容量素子122の充電が既に完了していなければならない。このときのFET24のゲート電位の時間変化は式2を用いて表され、FET24の実動作電圧でのゲート電位の傾きは式2を時間微分して次のように求められる。
dV2(t)/dt=−(V0×R3)/((R2+R3)×(R2+R3)×C1)×exp(−t/α2) ・・・式i
ただし
α2=(R1×(R2+R3)×C1)/(R1+R2+R3)
式hで示される時間t1において、式iから得られる実施形態3における傾きは、式gから得られる比較例における傾きよりも小さくなっている必要がある。更に、時間t1において、実施形態3のFET24のゲート電位は実動作電圧に達している必要がある。そのため、これらの条件によって下記の2式が成立する。
|dV3(t1)/dt|>|dV2(t1)/dt| ・・・式j
V0−V2(t1)>X ・・・式k
ただし、
t1=−((R3×C1)/2)×ln((R3/(R1+R2))−((R2+R3)/R2)×(X/V0))
である。
実施形態3では、dV3(t1)/dt=−0.047であり、dV2(t1)/dt=−0.032であるので、式jを満たしている。また、V0−V2(t1)=3.7であり、X=2.5であるから、式kを満たしている。以上のように、容量値C1は、上記式jと式kを満たすよう選定する必要がある。
次に、容量値C2に関して詳細に述べる。
C2は、実施形態3においてFET24の起動点を極力短くする上で重要なパラメータとなる。実施形態3の特徴でもあるが、容量素子121(容量値C1)と容量素子122(容量値C2)に関して、容量素子122の充電を先に完了させる必要があるため、C1>C2とする必要がある。更に、実施形態3の効果を充分に出すためには、C1>5×C2の関係を満たすようにC2を選定することが望ましい。ちなみに、上記式lにてC2をC1に対して小さくすればする分、FET24の起動点の遅延量を短くできる。
以上のように、図3に示した時定数回路40において抵抗値R1,R2,R3と容量値C1,C2を選定する際は、式e〜式kを満たすような値を選択する。
更にいうと、実施形態3の効果(突入電流を低減しつつ、かつFET24の起動点を極力短くする)を充分に出すには、式e〜式kを満たし、かつ下記の比率又は式を満たす値を選定することが重要である。
R3×C1>100[kΩ・μF] ・・・式l(える)
C1/C2>5 ・・・式m
0.5<(R1+R2)/R3<2 ・・・式n
2<(R1/R2)<14 ・・・式o
実施形態3での具体例では、R3×C1=150、C1/C2=10、(R1+R2)/R3=1、R1/R2=4としている。
本実施形態3におけるその他の構成、作用及び効果については、実施形態1、2と同様である。
<実施形態3についての更に詳しい説明>
次に、本実施形態3について、図3等に基づき更に詳細に説明する。
図3は、DC/DCコンバータ60内のFET24の周辺回路を示す。FET24のソースに抵抗素子111と容量素子121との一端子が接続され、その抵抗素子111と容量素子121との反対の端子同士がお互い接続され、かつその接点にて抵抗素子112と容量素子122との一端子が接続され、その抵抗素子112と容量素子122との反対の端子がそれぞれFET24のゲートに接続されている。また、FET24のゲートとGNDとの間には抵抗素子19が接続され、FET24のドレインとGND間には平滑用容量素子31が接続されている。FET24のソース側から直流電圧V0が供給され、平滑用容量素子31の先にはIC等の負荷61が接続されている。
本実施形態3ではFET24のゲート電位の変化に関して説明しているが、これはFET24に限定するものではない。印加電圧の変化に伴って流れる電流値が変化するようなスイッチ機能を有する部品(素子)であれば、本実施形態3のスイッチ回路50と同様に制御することが可能である。また、時定数回路40を構成する容量素子121,122についても、コンデンサに限定されることは無く、容量成分を有する部品であれば代用することが可能である。本実施形態3では、最も安価な技術で実現するためコンデンサを用いて説明している。
次に、本実施形態3のDC/DCコンバータ60の動作について説明する。
FET24のゲート−ソース間の電圧変化に関して説明する。直流電圧V0が印加された直後は、容量素子121,122がショート状態となるため、FET24のゲートにかかる電位はV0である。ここで、C1>>C2(本実施形態3ではC1はC2の10倍)であるとき、時間経過とともに容量素子121,122への充電が行われるが、容量素子122の充電が先に完了して、容量素子122が開放状態となる。この時に、容量素子121への充電はまだ続いている。
直流電圧V0がFET24のソースに印加されてから、容量素子122の充電が完了して容量素子122が開放状態となるまでの、FET24のゲート電位の時間変化は近似的に前述の式1によって表される。また、この時の容量素子121への充電に関しては、式1のAの値により考慮されている。
容量素子122の充電が完了して容量素子122が開放状態になった後の、FET24のゲート電位の変化に関して述べる。容量素子122が開放状態になると、容量素子122は無いものと考えることができる。その結果、前述の式2によって示されるようにC1、R1、R2及びR3から成る時定数によって、FET24のゲート電位が変化することとなる。
このような回路構成とすることにより、式1及び式2からわかるように、FET24のゲート電位は、容量素子122が開放となるまでは容量素子122に起因する時定数が支配的となるため急峻に変化し、容量素子122の開放後は容量素子121に起因する時定数が支配的となるため緩やかに変化することとなる。
ここで、一例として具体的な数値を用いて説明する。本実施形態3の回路構成において、V0=12[V]、R1=1.2[MΩ]、R2=300[kΩ]、R3=1.5[MΩ]、C1=0.1[μF]、C2=0.01[μF]とする。また、FET24はpチャネル型のMOSFETとし、実動作電圧は2.5[V]として説明する。これらの値を式1に代入し、FET24のゲート電位の変化の様子を図4及び図5のグラフに示す。
本実施形態3の回路構成の場合、FET24のゲート電位が実動作電圧(FET24のゲート−ソース間電位差=2.5[V])に到達するまでの時間は、およそ10[ms]となる。このポイントでのゲート電位の変化率(傾き)は、式1を時間微分してt=10[ms]を代入して得られ(または図5に示す接線によって表され)、およそ−0.038[V/ms]となる。このゲート電位の変化率は、FET24が起動する際の突入電流に影響しており、この絶対値が小さいほど突入電流の低減量が大きくなる。
以下、対比説明をするため、前述の比較例の回路構成を用いる。比較例については、図8に加え図9及び図10を用いて説明する。図9は、比較例におけるFETのゲート電位の変化を示すグラフである。図10は、比較例におけるDC/DCコンバータの出力電圧起動点遅延の例を示すグラフである。図10[A]は図9におけるC100=0.01[μF]の場合に相当し、図10[B]は図9におけるC100=0.1[μF]の場合に相当する。
図8に示すように、比較例におけるFET24の周辺回路は、抵抗素子101、分圧用抵抗素子104、容量素子102及び平滑用容量素子31から構成される。本実施形態3の回路構成と異なるのは、FET24のゲート−ソース間に配置される時定数回路100が抵抗素子101及び容量素子102から成る点である。すなわち、本実施形態3の時定数回路が抵抗素子二個及び容量素子二個で構成されるのに対し、比較例の時定数回路100は抵抗素子一個及び容量素子一個で構成される。
比較例におけるゲート電位の時間変化は、前述の式3によって表される。比較例の回路構成において、本実施形態3との対比のため、V0=12[V]、R100=1.5[MΩ]、R101=1.5[MΩ]、C100=0.01[μF]とする。また、FET24はpチャネル型のMOSFETとし、実動作電圧は2.5[V]として説明する。
上記の値を前述の式3に代入して得られたFET24のゲート電位の変化を、図9のグラフに示す(「C100=0.01μF」の曲線)。この場合、FET24の実動作電圧(ゲート−ソース間電位差=2.5V)に到達するまでの時間は、図9からおよそ4[ms]となる。このポイントでのゲート電位の変化率(傾き)は式3を時間微分して、t=4[ms]を代入することにより得られ(又は図9の接線から算出してもよく)、およそ−0.47[V/ms]となる。C100=0.01[μF]とした場合におけるDC/DCコンバータ120(FET24)の出力電圧の起動点について、図10[A]に示す。
このゲート電位の変化率はFET24が起動する際の突入電流に影響しており、この変化率の絶対値が小さいほど突入電流が低減する。比較例の回路構成にて、本実施形態3の回路構成と同等の突入電流低減量にしようとした場合、時定数をおよそ10倍にする必要があり、C100=0.1[μF]とする必要がある。
C100=0.1[μF]とした場合、この値を式3に代入して得られたFET100のゲート電位の変化を図9のグラフに示す(「C100=0.1μF」の曲線)。比較例においてC100=0.1[μF]の場合、FET24の実動作電圧(2.5[V])に達するまでの時間は、およそ40[ms]である(図4及び図5)。このポイントでのゲート電位の変化率は、式3を時間微分して、t=40[ms]を代入して得られ、およそ−0.047[V/ms]となる。C100=0.1[μF]とした場合におけるDC/DCコンバータ120(FET24)の出力電圧の起動点について、図10[B]に示す。
比較例においてC100=0.1[μF]としたときのFET24の実動作電圧ポイントにおけるゲート電位の変化率が、本実施形態3のFET24の実動作電圧ポイントにおけるゲート電位の変化率と同じ値になることがわかる。つまり、本実施形態3と比較例とで突入電流を同じ程度に低減するようにFET24をオンする場合、比較例では直流電圧V0が印加されてから40[ms]程度かかっていたものが、本実施形態3では10[ms]程度に短くできる。
また、本実施形態3及び比較例において、式1、式2、式3を用いて近似的にFET24が起動する際のゲート電位の変化を示したが、このゲート電位の変化は回路シミュレータ、例えばSpice(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)等、を用いて容易に算出することが可能である。
例えば、本実施形態3ではFET24の実動作電圧を2.5[V]として説明したが、この実動作電圧の値はFETによって異なる場合もある。そのような場合は、FET24のゲート−ソース間に組んだ時定数回路40の時定数を回路シミュレータにてシミュレーションし、FET24の実動作電圧とゲート電位の変化率とを確認して時定数回路40の最適な抵抗値及び容量値を選択することが可能である。重要なことは、FET24の実動作電圧付近に容量素子122の充電完了ポイントを持ってくるように、抵抗値R1,R2,R3及び容量値C1,C2を選択するということである。
参考までに、本実施形態3の構成についてのシミュレーション結果を図11及び図12に示す。図11は、本実施形態3におけるFET24のゲート電位についてのシミュレーション結果を示すグラフであり、図4におけるFET24のゲート電位(太い実線)を抜き出したものに相当する。図12は、本実施形態3における抵抗素子111,112及び容量素子121,122に流れる電流についてのシミュレーション結果を示すグラフである。図12において、横軸[ms]が時間、縦軸が電流[μA]であり、抵抗素子111,112に流れる電流が◇:I(R1),▽:I(R2)であり、容量素子121,122に流れる電流が△:I(C1),●:I(C2)である。図12から明らかなように、約10[ms]において、I(C2)≦0となり、容量素子122の充電が完了したことがわかる。
以上のように、比較例と本実施形態3とでFET起動時の突入電流量を同じ程度にした場合、すなわち比較例と本実施形態3とでFET起動時のゲート電位の時間変化を同じ程度にした場合、次のように言える。比較例ではFETが起動するまでの時間が時定数回路の時定数に比例して遅延するのに対し、本実施形態3ではFETが起動するまでの遅延量を比較例よりも極力短くできる。言い換えると、本実施形態3の回路構成を表示装置に用いることにより、表示装置の起動時に発生する突入電流を低減しつつかつ表示装置が起動するまでの時間を極力短くできる。
次に、本実施形態3の効果について更に詳しく説明する。
図8に示す比較例では、FET24のゲート−ソース間に用いる時定数回路100を一つの抵抗素子101と一つの容量素子102とで構成し、FET24のゲート電位を緩やかに立ち上げることによりFET24の起動時(DC/DCコンバータ120起動時)の突入電流を低減している。しかし、比較例の時定数回路100で時定数を大きくしようとした場合に、FET24の起動点(DC/DCコンバータ120の起動点)までの時間が遅れるという問題がある。
これに対し、図3に示す本実施形態3では、FET24のゲート−ソース間に用いる時定数回路40を二つの抵抗素子111,112と二つの容量素子121,122とで構成することにより、FET24の起動時の突入電流を低減しつつFET24の起動点(DC/DCコンバータ60の起動点)までの遅延時間を比較例よりも短くできる。
具体的には、FET24の起動時の突入電流を低減する場合に、比較例のような単純な時定数回路100で時定数を10倍にすれば、FETの起動点も10倍遅延してしまう。これに対し、本実施形態3の時定数回路40を採用することにより、FET24の起動遅延量をおよそ2.5倍に抑えることができる。
図4は、比較例及び本実施形態3のFET24のゲート電位の変化を表している。図4において、FET24の実動作電圧2.5[V](FET24のゲート−ソース間電位差が2.5[V])に相当するFET24のゲート電位は、9.5[V]である。図4において9.5[V]のラインに至る時間は、比較例(図中の▲)では40[ms]であるのに対し、本実施形態3(図中の太い実線)では10[ms]である。
つまり、本実施形態3の回路構成を表示装置に用いることにより、表示装置の起動時に発生する突入電流を低減しつつ、かつ表示装置が起動するまでの時間を極力短くできる。また、本実施形態3の回路構成は、受動素子のみから成る時定数回路を用いることにより簡素かつ安価にできるとともに、FET起動時(DC/DCコンバータ起動時)の突入電流を低減しつつ起動時間の遅延量も短くできる。
<実施形態4>
図6は、本発明の実施形態4を示すブロック図である。以下、図6に基づき説明する。
本実施形態4の表示装置62は、信号線及び走査線のマトリクスの各交点に画素を有する映像表示部63と、映像表示部63の各画素へ映像信号に応じた電圧を印加する走査線ドライバ64及び信号線ドライバ65と、映像信号源66から得た映像信号を処理して走査線ドライバ64及び信号線ドライバ65へ出力する映像信号処理回路67と、電源電圧供給源68から得た電圧を所定値に変換して走査線ドライバ64、信号線ドライバ65及び映像信号処理回路67へ供給する電源電圧生成回路69とを備えている。表示装置62は、実施形態3のDC/DCコンバータ60を電源電圧生成回路69内に備えたことを特徴とする。例えば、映像表示部63は液晶パネル、表示装置62は液晶表示装置である。
映像表示部63を駆動するためには、映像信号処理回路67と電源電圧生成回路69とが必要である。映像信号処理回路67は、映像信号供給源66から供給された映像信号を処理(映像信号の並び替えや基準信号の生成等)する。電源電圧生成回路69は、映像表示部63を駆動するための各種IC(走査線ドライバ64、信号線ドライバ65、映像信号処理回路67等)へ適切な電源電圧を供給する。
電源電圧生成回路69では、一種類の供給された電源電圧から、複数の電源電圧を生成する。映像表示部63を駆動するために走査線ドライバ64、信号線ドライバ65、映像信号処理回路67等の複数のICがあり、その各ICの必要とする電源電圧は異なる場合が多い。その際に、供給された一つの電源電圧から複数の電源電圧を生成する回路(DC/DCコンバータ60等)が必要である。DC/DCコンバータ60には、実施形態3で述べたように、各電源の起動順序や起動タイミングを制御するためのスイッチ用FETが使われている。
表示装置62によれば、DC/DCコンバータ60を含んだ電源電圧生成回路69を用いているので、電源投入時の突入電流による不具合もなく、かつ電源を投入してから映像が表示されるまでの時間も短い。
本実施形態4では実施形態3のDC/DCコンバータ60を用いているが、他の実施形態のDC/DCコンバータを用いてもよい。表示装置62は、液晶表示装置に限らず、例えば有機EL表示装置やLED表示装置など、どのような表示装置でもよい。
<実施形態5>
図7は、本発明の実施形態5を示す回路図である。以下、図7に基づき説明する。なお、図7において図3と同じ構成要素については、図3と同じ符号を付す。
本実施形態5では、直並列回路76が第一の並列回路131と第二の並列回路132と第三の並列回路133とから成る。第一の並列回路131は抵抗素子111(抵抗値R10)及び容量素子121(容量値C10)から成り、第二の並列回路132は抵抗素子112(抵抗値R11)及び容量素子122(容量値C11)から成り、第三の並列回路133は抵抗素子113(抵抗値R12)及び容量素子123(容量値C12)から成る。時定数回路70は、直並列回路76及び分圧用抵抗素子19(抵抗値R13)から成る。スイッチ回路80は、時定数回路70とFET24とを備える。DC/DCコンバータ90は、スイッチ回路80と平滑用容量素子31とを備える。
実施形態3の時定数回路では抵抗素子と容量素子とを二個ずつ用いているのに対して、本実施形態5の時定数回路70では抵抗素子と容量素子とを三個ずつ用いている。本実施形態5のその他の構成は、実施形態3と同じである。本実施形態5によれば、FET24の実動作電圧に達するまでのゲート電位の変化をより急峻にできる、すなわちFET24の起動点の遅延量を実施形態3よりも短くできる。
その理由は、FET24のゲート−ソース間の時定数回路70を三個の容量素子121〜122を用いて構成することにより、FET24の実動作電圧に達するまでのFET24のゲート電位の変化をより細かく制御できるからである。同様に、N個の容量素子とN個の抵抗素子を用いて時定数回路を構成し、その時定数回路をFETのゲート−ソース間に接続することにより、更に細かい制御が可能となる(実施形態1)。FETのゲート−ソース間に容量素子を三個以上用いた場合のFETのゲート電位の変化については、前述の式1,2に準じて示すことができるが、回路シミュレータを用いることで容易に知ることができる。
本実施形態5の動作に関して、実施形態3と違う点は次のとおりである。つまり、本実施形態5では、FET24のゲート−ソース間に、容量素子121〜123を三個用いた時定数回路70を設けている。そのため、実施形態3で説明したFET24のゲート電位が経過時間によって急峻に変化する部分(FET24の実動作電圧に達するまでのゲート電位変化)を、更に急峻に変化させることができる。換言すると、FET24が起動するまでの時間(FET24の実動作電圧までの時間)に、FET24のゲート電位をより急峻に近付けることで、FET24が起動するまでの遅延量をより短くできる。よって、本実施形態5によれば、実施形態3に比べて、FET24の起動遅延量をより短くできる。
本実施形態5の効果は、実施形態3と同様に表示装置を起動する際の突入電流を低減でき、かつ表示装置が起動するまでの時間を極力短くできることである。本実施形態5の効果について実施形態3と違う点は、時定数回路に容量素子を三個用いることで、表示装置が起動するまでの時間を実施形態3よりも更に短く制御できる点である。したがって、実施形態5は、受動素子のみから成る時定数回路を用いることにより簡素かつ安価な回路構成にできるとともに、FET起動時(DC/DCコンバータ起動時)の突入電流を低減しつつ、かつ起動時間の遅延量も実施形態3よりも短くできる。
本実施形態5におけるその他の構成、作用及び効果については、実施形態1、2、3と同様である。
<その他>
次に、上記実施形態1〜5として述べてきた本発明について、全体をまとめる説明をする。
本発明の目的は、前述した課題を解決する技術として、DC/DCコンバータ起動時の突入電流を小さくしつつ、かつDC/DCコンバータの起動点の遅延時間を極力小さくし、かつそのための規模を最小限とした回路を有する表示装置等を提供することである。
この目的を実現するために、FETのゲート電位の制御に関して、抵抗素子と容量素子とで構成される時定数回路を用いてFETをONするという回路構成を採る。しかし、単純に抵抗素子と容量素子とを一つずつ用いた時定数回路では、時定数にほぼ比例して起動点の遅延量が決まることになってしまう。そこで、本発明では下記の回路構成をとる。
本発明では、FETのゲート−ソース間の時定数回路を、容量素子と抵抗素子を二つずつ組み合わせた構成とする。容量素子及び抵抗素子を一つずつ並列接続し、そのペアを二つ構成し、それぞれを直列接続し、その両端をFETのゲートとソースとにそれぞれ接続する。この回路構成により、FETのゲート電位の変化は、実施形態3等に記載のV1(t)とV2(t)の式によって表される。
続いて、課題を解決するための手段について説明する。FETのゲート電位の制御に関して、FETのゲート−ソース間に抵抗素子と容量素子を設置し、その時定数を用いてFETをONするという回路構成を採る場合がある。この場合に、FETのゲート−ソース間に抵抗素子1点と容量素子1点を用いて構成される時定数回路では、その時定数にほぼ比例して起動点の遅延量が決まることになる。ここに、FET起動時の突入電流を低減するためには時定数の値を大きくしなければならず、それに反してFETの起動点の遅延量を極力短くするには時定数の値を小さくしなければならない、という相反する問題がある。ここで、本発明では、FETのゲート−ソース間に設置する時定数回路に、更に容量素子と抵抗素子を1点ずつ追加して組み合わせた構成とした。この時定数回路の特徴は、FETに電圧が印加された(FETのゲート−ソース間に電位差が発生し始める)直後はFETのゲート電位の変化量を急峻とし、FETがONする電圧(実動作電圧)近傍ではFETのゲート電位の変化量を緩やかにするものである。
続いて、本発明の効果について説明する。本発明の時定数回路の特徴は、FETのゲート−ソース間に電位差が発生した直後はゲート電位の変化量を急峻とし、FETがONする電圧(実動作電圧)近傍ではゲート電位の変化量を緩やかとするように制御することにある。通常の時定数回路(抵抗素子1つと容量素子1つで構成される回路)では、実際にFETがONする電圧(実動作電圧)に達するまで、抵抗素子1つと容量素子1つで決められる時定数で変化するため、時定数の値を大きくした分だけFETの実動作電圧に達するまでの時間が延びる。これに対し、本発明の時定数回路の構成を採ることで、FETの実動作電圧に到達するまでの時間を極力短くすることが可能である。つまり、突入電流を低減しつつ、かつDC/DCコンバータの遅延量も極力短くでき、回路規模も最小限で構成できる表示装置を提供することが可能である。これにより、表示装置を起動する際に発生する突入電流を、表示装置が映像を表示するまでの遅延時間を極力小さくした状態で、低減できる。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。特に、図1乃至図3及び図7に示す構成要素は、必ずしも部品に対応していない。つまり、等価回路にすれば図1乃至図3及び図7のように表せるならば、それも本発明に含まれる。
本発明は次のように表現することもできる。
(1)FETのゲート−ソース間に少なくとも2つ以上のコンデンサが直列に接続されて成る時定数回路を有する電源電圧生成回路を具備したDC/DCコンバータ。
(2)FETのソース側に第1のコンデンサ及び第1の抵抗器の各一方の端子が接続され、第1のコンデンサ及び第1の抵抗器の各他方の端子が第2のコンデンサ及び第2の抵抗器の各一方の端子に接続され、第2のコンデンサ及び第2の抵抗器の各他方の端子がFETのゲート側に接続され、FETのゲート側とGNDとの間に第3の抵抗器が接続された回路構成にて、時定数回路を有する電源電圧生成回路を具備した上記(1)記載のDC/DCコンバータ。
(3)FETのゲート−ソース間に電圧が印加されてFETがON状態となる実動作電圧に達するまでは、ゲート電位の傾きは急峻に変化し、実動作電圧に達する瞬間におけるゲート電位の傾きは、実動作電圧に達するまでのゲート電位の傾きよりも緩やかにする、ことを特徴とした時定数回路をFETのゲート−ソース間に有する上記(1)又は(2)に記載のDC/DCコンバータ。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のDC/DCコンバータを搭載した表示装置。
本発明は、時間とともに減衰する電圧を出力する時定数回路、及びこれを備えたスイッチ回路、DC/DCコンバータ、表示装置等に利用可能である。
10,40,70 時定数回路
111,112,113,11n 抵抗素子
121,122,123,12n 容量素子
131,132,133,13n 並列回路
14 第一の端子
15 第二の端子
16,46,76 直並列回路
17 第三の端子
18 第四の端子
19 分圧用抵抗素子
20,50,80 スイッチ回路
21 制御端子(ゲート端子)
22 第一の通電端子(ソース端子)
23 第二の通電端子(ドレイン端子)
24 半導体スイッチ素子(FET)
30,60,90 DC/DCコンバータ
31 平滑用容量素子
32 直流電源
33 メインスイッチ
61 負荷
62 表示装置
63 映像表示部
64 走査線ドライバ
65 信号線ドライバ
66 映像信号供給源
67 映像信号処理回路
68 電源電圧供給源
69 電源電圧生成回路

Claims (9)

  1. 抵抗素子と容量素子との並列回路が第一の端子と第二の端子との間に複数直列に接続されて成る直並列回路と、前記第二の端子に接続された第三の端子と第四の端子との間に接続された分圧用抵抗素子とを備え、
    前記第一の端子と前記第二の端子とが入力端子であり、前記第三の端子と前記第四の端子とが出力端子である、
    ことを特徴とする時定数回路。
  2. 請求項1記載の時定数回路において、
    前記入力端子間に直流電圧を印加したとき、前記出力端子間から得られる出力電圧は時定数が異なる複数の指数関数の和によって変化する、
    ことを特徴とする時定数回路。
  3. 請求項2記載の時定数回路において、
    前記直並列回路が第一の並列回路と第二の並列回路とから成り、
    前記複数の指数関数の和から近似的に第一の指数関数と第二の指数関数とが導出され、
    前記出力電圧は、前記直流電圧が印加された直後から一定時間までは前記第一の指数関数によって変化し、前記一定時間以後は前記第二の指数関数によって変化する、
    ことを特徴とする時定数回路。
  4. 請求項3記載の時定数回路と、
    制御端子、第一の通電端子及び第二の通電端子を有する半導体スイッチ素子とを備え、
    この半導体スイッチ素子は、前記制御端子に一定電圧が印加されると、前記第一の通電端子と前記第二の通電端子との間が導通し、
    前記第一の端子が前記第一の通電端子に接続され前記第三の端子が前記制御端子に接続され、
    前記一定時間後に前記出力電圧が前記一定電圧に至る、
    ことを特徴とするスイッチ回路。
  5. 請求項4記載のスイッチ回路において、
    前記半導体スイッチ素子がpチャネル型のFETであり、前記第一及び第二の通電端子がそれぞれソース端子及びドレイン端子であり、前記制御端子がゲート端子であり、
    前記一定電圧が前記FETのしきい値電圧である、
    ことを特徴とするスイッチ回路。
  6. 請求項5記載のスイッチ回路と、
    前記FETのドレイン端子と前記第四の端子との間に接続された平滑用容量素子と、
    を備えたことを特徴とするDC/DCコンバータ。
  7. 請求項6記載のDC/DCコンバータを、
    備えたことを特徴とする表示装置。
  8. 請求項2記載の時定数回路において、
    前記直並列回路が第一の並列回路と第二の並列回路とから成り、
    前記第一の並列回路の抵抗素子の抵抗値をR1、前記第一の並列回路の容量素子の容量値をC1、前記第二の並列回路の抵抗素子の抵抗値をR2、前記第二の並列回路の容量素子の容量値をC2としたとき、
    R1>R2 かつ C1>C2
    が成り立つ、
    ことを特徴とする時定数回路。
  9. 請求項8記載の時定数回路において、
    前記分圧用抵抗素子の抵抗値をR3としたとき、
    R3×C1>100[kΩ・μF]
    が成り立つ、
    ことを特徴とする時定数回路。
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