JP2011068796A - 焼成鉛筆芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面に割れや脹れなどの外観不良を発生させることなく、曲げ強さとともに、濃い筆跡を有する鉛筆芯を提供すること
【解決手段】 焼成鉛筆芯の原材料中に充填材としてシルセスキオキサンを含有させた。結合材中への分散性に優れる充填材となるため表面に割れや脹れなどの外観不良が発生せず、体質材の配向を乱さず体質材と炭化物との結着を高めるため曲げ強さと濃い筆跡を両立する焼成鉛筆芯が得られた。
【選択図】 なし

Description

本発明は、少なくとも体質材と結合材とを主材とし、混練、細線状に押出成形後、焼成温度まで熱処理を施し得られる焼成鉛筆芯に関する。
一般的な鉛筆芯は、黒鉛、窒化ホウ素などの体質材と、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ブチルゴムといった有機結合材又は粘土など無機結合材とを主材として使用し、必要に応じてフタル酸エステルなどの可塑剤、メチルエチルケトン、水などの溶剤、ステアリン酸塩などの安定剤、ステアリン酸などの滑材、カーボンブラック、無定形シリカといった無機微粉末の充填材を併用し、これらの配合材料を分散混合および混練して、細線状に押出成形した後、焼成温度まで熱処理を施し、得られた焼成芯体の気孔中に必要に応じて油状物を含浸させて完成されている。
押出成形時の芯径を種々選択することにより目的の芯径の芯体を得ることができ、また結合材種や焼成温度を変えることなどにより、目的の硬度の芯体を得ることもできるが、基本的に濃い筆跡と、筆記時に加わる力や落下した際の衝撃などで折れない強さ、すなわち曲げ強さとの両立が求められる。
ところで、鉛筆芯で運筆することは、芯体を紙面に擦過することである。紙面との接触面では、黒鉛粒子が芯体から剥離したり、樹脂炭化物が挽き粉状に微粒化しながら崩れていく。これが筆記摩耗粉であり、筆記摩耗粉が紙面に定着することにより筆跡を得られる。つまり、濃い筆跡を得るには、運筆時の紙面との擦過で芯体が容易に崩れ、筆記摩耗粉が多量に発生することが必要である。したがって、芯体中に気孔と呼ばれる微細な空隙を無数に形成させて油状物を含浸させ、油状物の潤滑作用により紙面に擦られた芯体を崩れ易くして、筆記摩耗粉が多量に発生するような手法が用いられているのであるが、単に気孔を無数に形成して油状物の含浸量を増やし、濃い筆跡を得ようとすると曲げに弱く折れ易くなってしまうことが問題であった。そこで、無機微粉末の充填材を添加して芯骨格の密度を高めて、曲げ強さを得る手法などが検討されている。
ところが単に無機微粉末を添加してしまうと、結合材に対して増粘・吸着効果が必要以上に発揮されて、無機微粉末は材料混練時に均一に分散せず偏在化してしまう。その結果焼成鉛筆芯表面に割れや脹れなどの外観不良が発生してしまう。この問題を解消するため、有機結合材に対して充填材として疎水性無定形シリカを用いる手法が提案されている(特許文献1参照)。
無定形シリカの表面を修飾した疎水性無定形シリカの使用は、単なる無定形シリカに比べて有機結合材中で凝集し難いことから、材料混練時の均一分散性が向上する。よって、芯表面に割れや脹れなどの外観不良を抑えつつ、芯体の密度を高めて曲げ強さを向上することができる。さらにはシリカの凝集塊が無くなる事から、押出成形時に体質材の流動が起きる際、流動を阻害されることによる体質材の配向の乱れが起き難くなる。また、炭化や焼結により収縮した結合材からシリカの凝集塊が突出して体質材を押上げて体質材と炭化物との結着を阻害する、ということも起き難くなる。この、体質材の配向と体質材と炭化物との結着も、曲げ強さの向上に繋がっていた。
(特許文献1)特開2004−175900号公報
しかしながら、疎水性無定形シリカも無機物の硬い粒子であり、押出成形時の体質材配向や、焼成時の体質材と炭化物との結着への影響を完全に排除するには至らない。配向が悪く炭化物との結着が十分ではない体質材があると、力が加わった際に脆く折れ易くなるため、曲げ強さの向上には尚一層、体質材の配向を高め、体質材と炭化物との結着を向上させることが望まれていた。
本発明は、少なくとも体質材と結合材とを主材とし、混練、細線状に押出成形後、焼成温度まで熱処理を施し得られる鉛筆芯において、原材料中に少なくともシルセスキオキサンを含有することを特徴とする焼成鉛筆芯を要旨とする。
シルセスキオキサンは、分子内に有機部位と無機部位を有することから、結合材に対して混練時の均一分散性が高いため、割れや脹れなどの外観不良を発生させることが無い。
さらに押出成形時には、分子が持つ柔軟性により体質材の配向を乱すことも無い。また焼成時にはシロキサン骨格が焼結してシリカとなり充填効果を発揮し且つ、有機基の炭化により周囲の結合材と同様に収縮して、体質材や結合材の炭化物と結着する。即ち、体質材の配向を高め、体質材と炭化物との結着を向上させることから、曲げ強い芯体構造を得られる。
得られた芯体で筆記すると、配向が高まった体質材同士がお互いの動きを阻害することなく、滑らかに芯体から剥離して芯体の崩れを助長するため、濃い筆跡を得られる。
したがって、焼成鉛筆芯表面に割れや脹れなどの外観不良を発生させることなく、曲げ強さとともに、濃い筆跡を得ることができるものと推察される。
以下、本発明を詳細に説明する。
シルセスキオキサンはポリシロキサンの一種である。ポリシロキサンの基本構成単位は、有機基がケイ素原子1個につき何個あるかで分類され、(表1)に示すように4つに分けることが出来る。
Figure 2011068796
M単位およびD単位が基本構成単位であるのが有機シリコーンであり、Q単位が基本構成単位であるのが無機シリカである。そしてT単位を基本構成単位とするのがシルセスキオキサンである。組成式では〔(RSiO1.5〕と表され、単位組成式中に1.5個(=sesqui)の酸素を有するシロキサンという意味で、[sil‐sesqui‐oxane]と称されている。
(表1)の構造をみると、シルセスキオキサンは、シロキサン結合が完全な結晶構造には至らないながらも3次元的に連なり、各々のケイ素原子には有機基が1つ配置することが分かる。この、シロキサン結合の3次元的な構造は有機シリコーンには無い構造であり、ケイ素原子のそれぞれに有機基が配置する構造は無機シリカに無い構造である。すなわち構造的に、SiO1.5で示される無機部位とRで示される有機部位とが分子レベルで複合化された材料であり、無機シリカ〔RSiO〕に近い耐熱性や硬さと、有機シリコーン〔(RSiO)〕に近い柔軟性や可溶性などの性質とを併せ持つ。
シルセスキオキサンのシロキサン結合骨格は、ランダム構造やはしご構造、カゴ構造が知られており、例えばカゴ構造で最小となるオクタシルセスキオキサン骨格の大きさは約0.5nmである。
合成方法は種々考えられるが、例えば、シリケート原料を水酸化テトラアルキルアンモニウムと反応させてオクタシリケートアニオンのテトラアルキルアンモニウム塩を得た後に、クロロジメチルシランと反応させることによりオクタ(ヒドリドジメチルシロキシ)シルセスキオキサンを得ることが出来る。
シルセスキオキサンの市販の品として、例えばQ‐2OHS、Q‐3TCHS、Q‐4OG、Q‐5OC、Q‐6OVS、Q‐7OHPS、Q‐8OMPS、OX‐SQTX‐100、OX‐SQ SI‐20、OX‐SQ ME‐20、AC‐SQ(以上東亞合成(株)製)、TOSPEARL 120A、同145A、同2000B、同1110A(以上モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などがあるが、この他にも組成式〔(RSiO1.5〕で表されるポリシロキサンであれば、特に限定されることはなく好ましく使用できる。
使用量については、体質材や結合材の種類や量などに応じて適宜であるが、結合材全量に対して1乃至20重量%、好ましくは2乃至10重量%程度にしておくと概ね良好である。その理由として、1重量%未満であるとその効果が発現し難く、20重量%を超えると、充填効果が強くなり芯体の密度が高くなり過ぎて摩耗しづらくなる為である。
上記以外の使用原材料としては、従来用いられている構成材料を限定なく用いることができる。また、従来公知の製造方法を限定なく用いて製造することができる。
黒鉛や窒化硼素等の各種体質材と、粘土や各種合成樹脂などを結合材として使用し、必要に応じて使用される着色材、気孔形成材、可塑剤、溶剤などと共にニーダー、ヘンシェルミキサー、3本ロールなどで均一分散させ、押し出し成形後、800℃〜1300℃で高温焼成して得られる。
具体的には、充填材としてポリシロキサンを使用するほか、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩素化ポリエチレン、フラン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、塩素化パラフィン、尿素樹脂、などの有機結合材や粘土などの無機結合材を結合材として使用し、黒鉛、窒化硼素、タルク、雲母などの体質材、必要に応じて使用される有機顔料や無機顔料などの着色材、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)などの可塑剤、水、アルコール、ケトン、エステル、芳香族炭化水素などの溶剤と共にニーダー、ヘンシェルミキサー、3本ロールなどで均一分散させた後に細線状に成形し、空気中で室温から300℃前後までの熱処理を施し、その後不活性雰囲気中で800℃〜1300℃の焼成処理を施して黒色の焼成鉛筆を得る。さらにシリコーン油、流動パラフィン、スピンドル油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、カルナバワックスといった油状物を含浸させて製造する。
以下、実施例に基き本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリ塩化ビニル 40重量部
黒鉛 50重量部
Q‐2OHS
(オクタ(ヒドリドジメチルシロキシ)シルセスキオキサン、
R=OSi(CHH、東亞合成(株)製)
2重量部
ジオクチルフタレート 10重量部
ステアリン酸 2重量部
メチルエチルケトン 30重量部
上記配合を配合物として、ニーダー及び3本ロールにより十分に混練後、細線状に押し出し成形し、空気中で300℃まで加熱し、更に、不活性雰囲気で1000℃に加熱し、呼び直径0.5の焼成芯体を得た。これを100℃に加熱した流動パラフィンに10時間浸漬後、表面上の余分な流動パラフィンを除去して鉛筆芯を得た。
(実施例2)
実施例1においてQ‐2OHSの代わりにQ−3TCHS(テトラ[(4−シクロヘキセニル)エチルジメチルシロキシ]テトラ(ジメチルシロキシ)シルセスキオキサン、R=(OSi(CHH)、(OSi(CH(CH)を使用した以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(実施例3)
実施例1においてQ‐2OHSの代わりにOX−SQ−H(R=((CHOCHC(CO)C)を使用した以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(実施例4)
実施例1においてQ‐2OHSを0.5重量部に変えた以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(実施例5)
実施例1においてQ‐2OHSを0.3重量部に変えた以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(実施例6)
実施例1においてQ‐2OHSを8重量部に変えた以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(実施例7)
実施例1においてQ‐2OHSを9重量部に変えた以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(比較例1)
実施例1においてQ‐2OHSをアエロジル200(親水性無定形シリカ、日本アエロジル(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(比較例2)
実施例1においてQ‐2OHSをアエロジルR202(疎水性無定形シリカ、R=(Si(CHO)、日本アエロジル(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(比較例3)
実施例1においてQ‐2OHSをKF96A−30(ジメチルシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
上記各例により得られた鉛筆芯100本ずつについて、その表面に割れや脹れなどの外観不良が発生していないかどうかを観察し、また曲げ強さと筆跡濃度を、JIS S 6005に準じて測定した。結果を表2に示す。
Figure 2011068796

Claims (1)

  1. 体質材と結合材とを主材とし、混練、細線状に押出成形後、焼成温度まで熱処理を施し得られる鉛筆芯において、原材料中に少なくともシルセスキオキサンを含有することを特徴とする焼成鉛筆芯。
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