JP5369692B2 - 焼成鉛筆芯 - Google Patents

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本発明は、体質材と有機結合材とを主材とし、混練、細線状に押出成形後、焼成温度まで熱処理を施し得られる鉛筆芯に関する。
一般的な鉛筆芯は、黒鉛、窒化ホウ素などの体質材と、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ブチルゴムといった有機結合材とを主材として使用し、必要に応じてフタル酸エステルなどの可塑剤、メチルエチルケトンなどの溶剤、ステアリン酸塩などの安定剤、ステアリン酸などの滑材、カーボンブラックなどの充填材を併用し、これらの配合材料をニーダー、3本ロールなどで混練し、細線状に押出成形した後、800℃〜1200℃程度の焼成温度まで熱処理を施して多数の細孔を形成し、必要に応じてこの細孔にシリコン油、流動パラフィン、スピンドル油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、カルナバワックスといった油脂類を含浸させて製造している。押出し成形時の線径を種々選択することにより目的の芯径の芯体を得ることができ、また結合材種や焼成温度を変えることなどにより細孔の量、容積を変化させて、目的の軟硬の芯体を得ることもできる。
鉛筆芯には、濃い筆跡と、筆記時に加わる力や落下した際の衝撃などで折れない強さ、すなわち曲げ強さとの両立が求められる。また0.3mmや0.2mmなど細い芯径においては、芯がシャープペンシル先端より突出していない状態においても、落下時にはその衝撃によりシャープペンシル内部の芯把持部で折れてしまうことが多々あるため、曲げ強い芯体が必要である。
鉛筆芯を運筆することは、芯体を紙面に擦過することである。紙面との接触面では、黒鉛がへき開したり樹脂炭化物が挽き粉状になるなどして順々に微粒化しながら崩れていく。これが筆記摩耗粉であり、筆記摩耗粉が紙面に定着することにより筆跡を得られる。つまり、濃い筆跡を得るには、運筆時の紙面との擦過で芯体が容易に崩れ、筆記摩耗粉が多量に発生することが必要である。一般的に、濃い筆跡を得るために芯体を崩れ易くすると折れ易くなり、曲げ強さを得るために硬いものとすると、崩れずに濃い筆跡が得られなくなる。このような筆跡濃度と曲げ強さとの逆相関関係を改善させるために、体質材の一部に補強材として繊維状物を配合したものが提案されており、気相成長炭素繊維を含有したもの(特許文献1参照)や、カーボンナノチューブを含有したもの(特許文献2参照)等がある。
(特許文献1)特開2002−105377号公報
(特許文献2) 特開平8−325504号公報
特許文献1及び2に記載されている発明のごとく、気相成長炭素繊維やカーボンナノチューブのような剛直な棒状物を含有させてしまうと、曲げ強さは得られるのであるが、黒鉛や樹脂炭化物といった体質材もしくは結合材とは異なり、運筆時の紙面との擦過の際に微粒化するものではなく、また剛直さがあるために黒鉛や樹脂炭化物の崩れる動きを阻害してしまい、筆記摩耗粉の発生量が抑制されてしまうので濃い筆跡を得難い。よって逆相関関係の改善には限界があった。この点を改善する為に、特許文献1においては、2,500℃以上に熱処理して潤滑性を持たせた気相成長炭素繊維を用いることも記載されているが、それにより強度が落ちることも同時に述べられており、抜本的な解決には至っていない。
本発明は、体質材と有機結合材とを主材とし、混練、細線状に押出成形後、焼成温度まで熱処理を施し得られる鉛筆芯において、体質材の一部としてカーボンナノコイルを含有することを特徴とする焼成鉛筆芯を要旨とする。
芯体中に分散したカーボンナノコイルは、グラファイト構造をとり、非晶質である樹脂炭化物よりも硬いことから、筋交いのように働き曲げ強さが向上する。運筆時の紙面との擦過の際には、黒鉛や樹脂炭化物のように微粒化することはないものの、コイル状の形状により屈曲性があることから、周囲の崩れる動きに合わせて屈曲するので、芯体が崩れる動きは阻害されない。したがって、曲げ強さとともに、濃い筆跡を得ることができるものと推察される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるカーボンナノコイルとは、主成分が炭素から成るコイル状(螺旋状)物であり、コイル外径が1nm以上1000nm未満のものである。長手方向から見た場合、中心部に穴が開いた構造となっている。カーボンナノコイルの生成は1994年にAmelinckxらが成功しており(SCIENCE、265(1994)635)、グラファイト構造であることも解明されている。その後も様々な研究が行われており、高い導電性や高い機械強度を有すること、螺旋性ゆえにバネとしての性質や電磁波を吸収する性質を有することなどが解明されてきている。
類似の物質に元島らが生成に成功したカーボンマイクロコイルがあるが(Appl.Phys.Lett.、56(1990)321)、μm単位のピッチでコイル状に巻いた非晶質の炭素繊維と定義されているが、コイル外径が大きくなってくると、混練や押出成形時に構造が崩壊してしまう。
カーボンナノコイルを得る方法としては特に限定されず、公知のいかなる方法を用いても良いが、例えば、原料ガスにアセチレンを用い触媒として鉄、ニッケル、亜鉛を用いた触媒CVD法を用いることが出来る。
コイル長が長いと、成形時にカーボンナノコイル自体が配向しなかったり体質材の配向を阻害したりするので、50μm以下が望ましく、またコイル外径に対してコイル長が短くても配向しなくなるので、コイル長/コイル外径が1以上であることが望ましい。
本発明に使用する、カーボンナノコイルを分散させる芯体は、従来用いられている構成材料及び製造方法を限定なく用いることができる。
黒鉛や窒化硼素等の各種体質材と、粘土や各種合成樹脂などを結合材として使用し、必要に応じて使用される着色材、気孔形成材、可塑剤、溶剤などと共にニーダー、ヘンシェルミキサー、3本ロールなどで均一分散させ、押し出し成形後、800℃〜1200℃で高温焼成して得られる。
具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリ塩素化ポリエチレン、フラン樹脂、ポリビニルアルコール、スチロール樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂を結合材として使用し、黒鉛、窒化硼素、タルク、雲母などの体質材、必要に応じて使用される有機顔料や無機顔料などの着色材、ポリアミド、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの気孔形成材、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)などの可塑剤、水、アルコール、ケトン、エステル、芳香族炭化水素などの溶剤と共にニーダー、ヘンシェルミキサー、3本ロールなどで均一分散させた後に成形、高温焼成して黒色の焼成鉛筆が得られる。
以下、実施例に基き本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(カーボンナノコイルの準備)
触媒CVD法において、Fe-Sn-Inの触媒薄膜を形成したシリコン基板をセットした反応器内部に、ヘリウムガスを流しながら700℃まで昇温、反応ガスとしてアセチレンを30sccm供給、線径50nm、平均コイル外径150nmのカーボンナノコイルを得た。反応時間を変化させることにより、任意のコイル長を得た。
(実施例1)
塩化ビニル樹脂 30重量部
黒鉛 47重量部
カーボンナノコイル(コイル長60μm) 3重量部
ジオクチルフタレート 10重量部
ステアリン酸 2重量部
メチルエチルケトン 30重量部
上記配合を配合物として、ニーダー及び3本ロールにより十分に混練後、細線状に押し出し成形し、空気中で300℃まで加熱し、更に、不活性雰囲気で1000℃に加熱し、呼び直径0.5の焼成芯体を得た。これを100℃に加熱した流動パラフィンに10時間浸漬後、表面上の余分な流動パラフィンを除去して鉛筆芯を得た。
(実施例2)
実施例1においてコイル長60μmの代わりにコイル長200μmのカーボンナノコイルを使用した以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(実施例3)
実施例1においてコイル長60μmの代わりにコイル長100nmのカーボンナノコイルを使用した以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(実施例4)
実施例1においてコイル長60μmの代わりにコイル長10μmのカーボンナノコイルを使用した以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(実施例5)
実施例1においてコイル長60μmの代わりにコイル長200nmのカーボンナノコイルを使用した以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(比較例1)
実施例1においてカーボンナノコイルの代わりにグラファイトウィスカー(直径150nm、繊維長50μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
(比較例2)
実施例1においてカーボンナノコイルの代わりにカーボンナノチューブ(直径30nm、繊維長50μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして鉛筆芯を得た。
上記各例により得られた鉛筆芯の曲げ強さと筆跡濃度を、JIS S 6005に準じて測定した。曲げ強さは不動工業(株)製のRHEO METERを使用して測定した値、濃度はSAKURA Densitometer PDA−65を用いて筆記線の反射率から求めた値である。結果を表1に示す。
Figure 0005369692

Claims (2)

  1. 体質材と有機結合材とを主材とし、混練、細線状に押出成形後、焼成温度まで熱処理を施し得られる鉛筆芯において、体質材の一部として少なくともカーボンナノコイルを含有することを特徴とする焼成鉛筆芯。
  2. 前記カーボンナノコイルの、コイル長/コイル外径が1以上であることを特徴とする、請求項1記載の焼成鉛筆芯。
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