JP3440591B2 - カーボンチューブの製造方法 - Google Patents
カーボンチューブの製造方法Info
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Description
し、より詳しくは、従来製造できなかった、特定の形状
のカーボンチューブと、新規なカーボンチューブの製造
方法に関する。
ラファイト電極のアーク放電や、気相熱分解法などによ
り製造され、その特殊な形状から種々の応用が期待され
ている物質である。かかるカーボンチューブは、その製
造方法からも明らかなように、直径等、サイズの非常に
小さいものしか製造できなかった。又、直径の大きいカ
ーボンチューブを製造するために、耐炎化ポリアクロニ
トリル(以下、「PAN」と略する。)系炭素繊維を加
熱処理し、中空にしたカーボンチューブも知られている
(「炭素」1992年155号307頁等参照)。
ーボンチューブは、その製造方法のため、均一の直径を
有するものが得られにくく、また、チューブの直径を、
大きくすることは困難であり、さらにはチューブの両端
が閉じた形で得られる為、酸化処理等により、両端が開
放されたカーボンチューブとする必要があった。又、耐
炎化PAN系炭素繊維を加熱処理する方法では、PAN
系炭素繊維自体の直径が、ミクロンオーダーである為、
得られるカーボンチューブも直径がミクロンオーダーの
ものしか得ることができず、さらには得られたカーボン
チューブは、節のあるものしか得られなかった。
意検討の結果、略直線状の細孔を有する無機物質を、い
わば型枠のように用いることにより、均一な直径のカー
ボンチューブを製造することができ、又従来製造できな
かったサイズのカーボンチューブを得ることができるこ
とを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の目
的は、従来得られなかった、サイズのカーボンチューブ
を提供することであり、又本発明の他の目的は、均一な
大きさのカーボンチューブを量産する方法を提供するこ
とである。
m〜1μm、長さ1〜100μm、アスペクト比20〜
10000であって、略直線状である均一な大きさのカ
ーボンチューブ、両端が開放された、直径1μm以下、
長さ1〜100μm、アスペクト比20〜10000で
あって、略直線状である均一な大きさのカーボンチュー
ブ、略直線状の細孔を有する無機物質の細孔内壁に有機
物を被覆し、それを加熱することにより該有機物を炭化
し、その後前記無機物質を溶解除去するカーボンチュー
ブの製造方法、そして、略直線状の細孔を有する無機物
質の細孔中に、気体状の炭化水素を気相炭化させ、細孔
内壁に炭素薄膜を堆積させ、その後前記無機物質を溶解
除去するカーボンチューブの製造方法により達成され
る。
明の第一の態様である、直径10nm〜1μm、長さ1
〜100μm、アスペクト比20〜10000であっ
て、略直線状である均一な大きさのカーボンチューブ
は、略直線状の細孔を有する無機物質の細孔内壁に有機
物を被覆し、それを加熱することにより該有機物を炭化
し、その後前記無機物質を溶解除去することにより容易
に製造することができる。該製造方法に用いられる略直
線状の細孔を有する無機物質として好適なものとして
は、各種金属の陽極酸化皮膜、セピオライト等の粘土鉱
物等が挙げられる。このうち特に好ましくは、アルミニ
ウムの陽極酸化皮膜(アルマイト)である。アルマイト
の細孔の直径の制御は、常法に従って行えばよく、その
条件は、例えば、高電圧(高電流密度)で行うほど細孔
の直径は大きくなる。又使用される電解液としては、酸
性、アルカリ性のいずれの電解液でも差し支えない。酸
性の電解液としては、主に、硫酸、シュウ酸、クロム
酸、リン酸等が使用され、この順で細孔の直径が増加す
る。
かの方法により液化することが必要であり、液化する方
法としては、温度を上げること、溶媒に溶かすこと等が
挙げられる。溶かす溶媒を具体的に例示するなら、フル
フリルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ロニトリル、酢酸ビニル、これらの一部重合物、石炭や
石油等のピッチ、アセナフチレン等が挙げられる。
せ、無機物質中の細孔に充填し、これを加熱することに
より該有機物を炭化すると、カーボンチューブが、該細
孔中に生成するので、該無機物質を酸等を用いることに
より溶解すれば略直線状である均一な大きさのカーボン
チューブを容易に大量に得ることができる。無機物質中
の細孔に前記有機物を充填する際には、予め減圧してお
くと細孔中に有機物が入りやすいため好ましい。
機物の炭化は生じるが無機物質自体が破壊されたり、製
造されるべきカーボンチューブ自体と反応したりする恐
れのない範囲で選択すればよく、例えばアルマイトの場
合には500〜1300℃、セピオライトの場合には5
00〜1000℃が好ましい。この範囲より温度が低す
ぎると、炭化が進行しにくい。
るカーボンチューブを侵さずに無機物質のみを溶解可能
な酸を用いることが好ましく、酸の例としては、例えば
アルマイトの場合にはフッ化水素酸が挙げられ、セピオ
ライトの場合には塩酸、フッ化水素酸が挙げられる。か
かる方法で製造された本発明の第一の態様のカーボンチ
ューブは、アスペクト比20〜10000である。
れた、直径1μm以下、長さ1〜100μm、アスペク
ト比20〜10000であって、略直線状である均一な
大きさのカーボンチューブは、略直線状の細孔を有する
無機物質の細孔中に、気体状の炭化水素を気相炭化さ
せ、細孔内壁に炭素薄膜を堆積させ、その後前記無機物
質を溶解除去することにより容易に製造することができ
る。該製造方法も、基本的には第一の態様における方法
と同様に行われるが、この場合、無機物質の形態として
は、板状のもの、薄膜状のものであって、略直線状の細
孔が厚さ方向に連続し、該細孔の両端が外部に開放した
ものが、気体状の炭化水素を細孔の内部に通しやすいた
めに好ましい。このようなものとしては、例えば「An
odisc」(ホワットマンペーパー社製、アルミニウ
ム陽極酸化皮膜)等が挙げられる。
炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、プロピ
レン、ベンゼン、エチレン等の常温で気体の炭化水素が
好適に用いられる。かかる気体状の炭化水素は、通常、
キャリアガスと共に無機物質に接触させるように流通さ
せる。このときの流量は、細孔の長さ(薄膜の厚さ)、
細孔の径により異なるため特に限定されないが、気体状
炭化水素の濃度が高い場合、滞留時間が長い場合等に、
カーボンチューブが得られなくなることがあるため、気
体状の炭化水素流通条件は適宜調節する。
ーブも、アスペクト比20〜10000である。
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、実施例
に限定されるものではない。 (実施例1)略直線状の細孔を有する無機物質として、
市販のアルミニウム陽極酸化皮膜(「Anodisc2
5」(ホワットマンペーパー社製))を用いた。この陽
極酸化皮膜は、厚さ60μm、直径25mmの円板状に
形成されており、図1の断面を示す薄膜写真で示される
ように、陽極酸化皮膜中の細孔の直径はほぼ200nm
で一定している。カーボンチューブの原料となる有機物
としては、フルフリルアルコール200gにシュウ酸
0.5gを加え、これを70℃で5時間撹拌し、次いで
この熱処理を加えたフルフリルアルコールを、予め乾燥
した前述のアルミニウム陽極酸化皮膜の細孔中に減圧を
行うことにより充填、含浸した。このアルミニウム陽極
酸化皮膜を窒素雰囲気中、900℃まで昇温し、炭化を
行った。炭化後に、陽極酸化皮膜をフッ化水素酸処理に
より溶解し、細孔内に生成したカーボンチューブを取り
出した。このカーボンチューブのSEM写真を図2に、
TEM写真を図3に示す。炭化物はほぼ全てカーボンチ
ューブとなっていることが判る。又、その径は、陽極酸
化皮膜中の細孔の直径である約200nmであり、長さ
は陽極酸化皮膜の厚さである約60μmであった。な
お、このカーボンチューブ中には、節が存在していた。
同一の陽極酸化皮膜(1)を1枚、内径2cmの石英反
応管(2)内のガラス繊維集合体(3)上に置き、石英
管ごと炉中に設置し、ヒーター(4)により温度を80
0℃とした。次に前述の反応管にプロピレン濃度2.5
体積%となるように窒素と混合したガスを、200m〓
/min(STP)で6時間の気相炭化を行った。これ
により陽極酸化皮膜の細孔中にカーボンチューブを生成
させた。この後、実施例1と同様の酸処理を行い、生成
したカーボンチューブを取り出した。このカーボンチュ
ーブのSEM写真を図5に、TEM写真を図6に示す。
直径200nm、長さ60μmの均一な大きさで、節の
無い両端が開放されたカーボンチューブが大量に得られ
たことが判る。
ズのカーボンチューブを提供し、さらに、均一な大きさ
のカーボンチューブを量産する方法を提供することがで
きる。そしてかかるカーボンチューブは、必要に応じて
他の物質を内包すること等により、新規な複合材料、電
気伝導性材料、量子細線素子、超高速電気素子、超高密
度磁気記録媒体、炭素膜、非線形光学材料等として使用
されうる。
である。
の繊維の形状を示す図である。
の繊維の形状を示す図である。
の説明図である。
の繊維の形状を示す図である。
の繊維の形状を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 略直線状の細孔を有する無機物質の細孔
中に、気体状の炭化水素を気相炭化させ、細孔内壁に炭
素薄膜を堆積させ、その後前記無機物質を溶解除去する
ことを特徴とするカーボンチューブの製造方法。 - 【請求項2】 略直線状の細孔を有する無機物質が、金
属陽極酸化皮膜、セピオライトのいずれかであることを
特徴とする請求項1に記載のカーボンチューブの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31406694A JP3440591B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | カーボンチューブの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31406694A JP3440591B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | カーボンチューブの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08151207A JPH08151207A (ja) | 1996-06-11 |
JP3440591B2 true JP3440591B2 (ja) | 2003-08-25 |
Family
ID=18048821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31406694A Expired - Lifetime JP3440591B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | カーボンチューブの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3440591B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7335408B2 (en) | 2004-05-14 | 2008-02-26 | Fujitsu Limited | Carbon nanotube composite material comprising a continuous metal coating in the inner surface, magnetic material and production thereof |
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---|---|---|---|---|
US7375366B2 (en) | 2000-02-25 | 2008-05-20 | Sharp Kabushiki Kaisha | Carbon nanotube and method for producing the same, electron source and method for producing the same, and display |
JP5277511B2 (ja) * | 2003-08-05 | 2013-08-28 | 東レ株式会社 | 気相反応方法および装置 |
JP2005327368A (ja) | 2004-05-14 | 2005-11-24 | Fujitsu Ltd | 磁気記録装置用保護層、磁気ヘッドおよび磁気記録装置 |
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-
1994
- 1994-11-24 JP JP31406694A patent/JP3440591B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
P.M.Ajayan,T.W.Ebbesen,T.Ichihashi,S.Iijima,K.Tanigaki and H.Hiura,Opening carbon nanotubues with oxygen and implications for filling,Nature,vol.362,p.522−524 |
京谷隆,無機化合物を鋳型とする新しい炭素材料の合成,高分子,日本,42巻,6月号,486頁 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7335408B2 (en) | 2004-05-14 | 2008-02-26 | Fujitsu Limited | Carbon nanotube composite material comprising a continuous metal coating in the inner surface, magnetic material and production thereof |
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JPH08151207A (ja) | 1996-06-11 |
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