JP2011079725A - 炭化ケイ素含浸炭素質材料 - Google Patents
炭化ケイ素含浸炭素質材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011079725A JP2011079725A JP2009235745A JP2009235745A JP2011079725A JP 2011079725 A JP2011079725 A JP 2011079725A JP 2009235745 A JP2009235745 A JP 2009235745A JP 2009235745 A JP2009235745 A JP 2009235745A JP 2011079725 A JP2011079725 A JP 2011079725A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- silicone composition
- curable silicone
- component
- groups
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- JHEQSUFSNIGGNY-UHFFFAOYSA-N CO[NH+]([N-]([N]#C)[N+]#C)[O-] Chemical compound CO[NH+]([N-]([N]#C)[N+]#C)[O-] JHEQSUFSNIGGNY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】炭素基材の少なくとも表面層に有機過酸化物硬化性シリコーン組成物等の硬化性シリコーン組成物を含浸させ、こうして含浸した前記硬化性シリコーン組成物を硬化させ、こうして得られた硬化性シリコーン含浸状態の炭素基材を、非酸化性雰囲気下において、1500℃を越え、2200℃の範囲内で熱分解させて炭化ケイ素に転化させて得られる炭化ケイ素含浸炭素質材料。
【選択図】なし
Description
炭素質基材の少なくとも表面層に、硬化性シリコーン組成物を含浸させ、
こうして含浸した前記硬化性シリコーン組成物を硬化させ、
こうして得られた含浸状態のシリコーン硬化物を非酸化性雰囲気下で熱分解して炭化ケイ素に転化させる、
ことにより得られる炭化ケイ素含浸炭素質材料
を提供するものである。
本発明によれば、炭化ケイ素含浸炭素質材料は炭化ケイ素含浸層のために機械的強度が向上する。また、炭化ケイ素は基材細孔に含浸した状態ばかりでなく基材表面を被覆して存在することが好ましく、その場合、炭素質基材を外部から完全に遮断するので、炭素質基材が例えば半導体分野で有害な不純物金属に汚染されていても、その漏出を防止することができる。
本発明の炭化ケイ素含浸炭素質材料は、多孔質炭素質基材と、該基材の少なくとも表面層に含浸した状態にある炭化ケイ素とを有してなるものである。
該製造方法は、
(1)炭素質基材の少なくとも表面層に硬化性シリコーン組成物を含浸させ、
(2)こうして含浸した前記硬化性シリコーン組成物を硬化させ、
(3)こうして得られた含浸状態のシリコーン硬化物を非酸化性雰囲気下で熱分解して炭化ケイ素に転化させる、
工程を有する。
上記の工程(1)で用いられる硬化性シリコーン組成物としては公知のものを使用することが出来る。その具体例としては有機過酸化物硬化性、放射線硬化性反応性、付加硬化反性型、縮合硬化性のシリコーン組成物等が挙げられる。得られる含浸を高純度にする点では、有機過酸化物硬化性及び放射線硬化性反応性のシリコーン組成物が有利であり、得られる炭化ケイ素成形体中の不純物元素の合計含有量を1ppm以下、好ましくは0.5ppm以下、さらに好ましくは0.1ppm以下に抑制することができる。不純物元素としては、特にFe, Cr, Ni, Al, Ti, Cu, Na, Zn, Ca, Zr, Mg, 及びBが挙げられ、これらの合計含有量を上記のように抑制することができる。
有機過酸化物硬化性シリコーン組成物として、具体的には、例えば、
(a)ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン及び
(b)有機過酸化物及び任意成分として
(c)ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全硬化性シリコーン組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(c)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の量が0.1〜2モルとなる量
を含有する有機過酸化物硬化性シリコーン組成物があげられる。
(a)成分のオルガノポリシロキサンは、有機過酸化物硬化性シリコーン組成物のベースポリマーである。(a)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は特に限定されず、(a)成分としては、25℃で液状のオルガノポリシロキサンから生ゴム状のオルガノポリシロキサンまで使用できるが、平均重合度が好ましくは50〜20,000、より好ましくは100〜10,000、更により好ましくは100〜2,000程度のオルガノポリシロキサンが好適に使用される。また、(a)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、原料の入手のしやすさの観点から、分子鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2単位)の繰返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)もしくはヒドロキシジオルガノシロキシ基((HO)R1 2SiO1/2単位)で封鎖された、分岐を有しない直鎖構造、又は分子鎖が該ジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる、分岐を有しない環状構造を有するが、三官能性シロキサン単位やSiO2単位等の分岐状構造を部分的に含有してもよい。
R1 aSiO(4−a)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が1〜10、より好ましくは1〜8の一価炭化水素基を表し、R1の50〜99モル%はアルケニル基であり、aは1.5〜2.8、より好ましくは1.8から2.5、さらにより好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)で示され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが用いられる。
(b)成分は、有機過酸化物硬化性オルガノポリシロキサン組成物において(a)成分の架橋反応を促進するための触媒として使用される有機過酸化物である。(b)成分としては、(a)成分の架橋反応を促進することができる限り、従来公知の有機過酸化物を使用することができる。その具体例としては、ベンソイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンソイルパーオキサイド、p−メチルベンソイルパーオキサイド、o−メチルベンソイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)へキサン等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
任意成分である(c)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を少なくとも2個(通常2〜200個)、好ましくは3個以上(通常3〜100個)含有する。(a)成分単独でも(b)成分を添加し、加熱することで硬化させることが可能であるが、(c)成分を添加することで、(a)成分単独の場合と比べて、(a)成分と反応しやすいため、より低温かつ短時間で、硬化させることができる。(c)成分の分子構造は特に限定されず、例えば、線状、環状、分岐状、三次元網状(樹脂状)等の、従来製造されているいずれのオルガノハイドロジェンポリシロキサンも(c)成分として使用することができる。(c)成分が線状構造を有する場合、SiH基は、分子鎖末端及び分子鎖末端でない部分のどちらか一方でのみケイ素原子に結合していても、その両方でケイ素原子に結合していてもよい。また、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)が、通常、2〜300個、好ましくは4〜150個程度であり、室温(25℃)において液状であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、(c)成分として好ましく使用できる。
R2 bHcSiO(4−b−c)/2 (2)
(式中、R2は同一又は異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が1〜10、より好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、b及びcは、好ましくは0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0、より好ましくは1.0≦b≦2.0、0.01≦c≦1.0、かつ1.5≦b+c≦2.5を満足する正数である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが用いられる。上記R2としては、例えば、上記平均組成式(1)中のR1と同様の基(ただし、アルケニル基を除く。)が挙げられる。
紫外線硬化性シリコーン組成物として、具体的には、例えば
(d)紫外線反応性オルガノポリシロキサン、及び
(e)光重合開始剤
を含有する紫外線硬化性シリコーン組成物が挙げられる。
(d)成分の紫外線反応性オルガノポリシロキサンは、通常、紫外線硬化性シリコーン組成物においてベースポリマーとして作用する。(d)成分は、特に限定されず、好ましくは1分子中に少なくとも2個、より好ましくは2〜20個、特に好ましくは2〜10個の紫外線反応性基を有するオルガノポリシロキサンである。このオルガノポリシロキサン中に複数存在する前記紫外線硬化性基は、すべて同一でも異なっていてもよい。
又は下記一般式(3b);
で表される少なくとも2個の紫外線反応性基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
(e)成分の光重合開始剤は、前記(d)成分中の紫外線反応性基の光重合を促進させる作用を有する。(e)成分は特に限定されず、その具体例としては、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントン、3,9−ジクロロキサントン、3−クロロ−8−ノニルキサントン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシアセタール、2−クロロチオキサントン、ジエチルアセトフェノン、1−ヒドロキシクロロフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられ、好ましくは高純度の観点からベンゾフェノン、4−メトキシアセトフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが挙げられ、より好ましくはジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが挙げられる。これらの光重合開始剤は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
付加硬化性シリコーン組成物として、具体的には、例えば
(f)ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
(g)ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全硬化性シリコーン組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(g)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の量が0.1〜5モルとなる量、及び
(h)白金族金属系触媒 有効量
を含有する付加硬化性シリコーン組成物が挙げられる。
(f)成分のオルガノポリシロキサンは、付加硬化性シリコーン組成物のベースポリマーであり、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有する。(f)成分としては公知のオルガノポリシロキサンを使用することが出来る。ゲルパーミッションクロマトグラフィー(以下、「GPC」とする。)により測定された(f)成分のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量はポリスチレン換算で好ましくは3,000〜300,000程度である。さらに(f)成分のオルガノポリシロキサンの25℃に置ける粘度は、100〜1,000,000mPa.sであることが好ましく、1,000〜100,000mPa.s程度であることが特に好ましい。100mPa.s以下であると曳糸性が低く、繊維の細径化が困難となり、1,000,000mPa.s以上では取扱が困難となる。(f)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、原料の入手のしやすさの観点から、分子鎖(主鎖)がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2単位)の繰返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)で封鎖された、分岐を有しない直鎖状構造、又は分子鎖が該ジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる、分岐を有しない環状構造を有するが、R1SiO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状構造を部分的に有してもよい。
R7 lSiO(4−l)/2 (4)
(式中、R1は前記同様、同一又は異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が1〜10、より好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、lは好ましくは1.5〜2.8、より好ましくは1.8から2.5、さらにより好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)で示され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが用いられる。上記R7としては、例えば、上記平均組成式(1)中のR1と同様の基(ただし、アルケニル基を除く。)が挙げられる。
(g)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を少なくとも2個(通常2〜200個)、好ましくは3個以上(通常3〜100個)含有する。(g)成分は、(f)成分と反応し架橋剤として作用する。(g)成分の分子構造は特に限定されず、例えば、線状、環状、分岐状、三次元網状(樹脂状)等の、従来製造されているいずれのオルガノハイドロジェンポリシロキサンも(b)成分として使用することができる。(g)成分が線状構造を有する場合、SiH基は、分子鎖末端及び分子鎖末端でない部分のどちらか一方でのみケイ素原子に結合していても、その両方でケイ素原子に結合していてもよい。また、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)が、通常、2〜300個、好ましくは4〜150個程度であり、室温(25℃)において液状であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、(g)成分として好ましく使用できる。
R8 pHqSiO(4−p−q)/2 (5)
(式中、R8は同一又は異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が1〜10、より好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、p及びqは、好ましくは0.7≦p≦2.1、0.001≦q≦1.0、かつ0.8≦p+q≦3.0、より好ましくは1.0≦p≦2.0、0.01≦q≦1.0、かつ1.5≦p+q≦2.5を満足する正数である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが用いられる。上記R8としては、例えば、上記平均組成式(1)中のR1と同様の基(ただし、アルケニル基を除く。)が挙げられる。
また、該添加量が上記SiHの量が5.0モルより多くなる量であると該硬化反応物中に脱水素反応による発泡が生じてしまい、さらに該硬化反応物の強度及び耐熱性が悪影響を受ける。
(h)成分の白金族金属系触媒は、(f)成分と(g)成分との付加硬化反応(ヒドロシリル化反応)を促進させるための触媒として使用される。(h)成分としては、公知の白金族金属系触媒を用いることができるが、白金もしくは白金化合物を用いることがこのましい。(h)成分の具体例としては、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類との錯体が挙げられる。
縮合硬化性シリコーン組成物として、具体的には、例えば、
(i)シラノール基(即ちケイ素原子結合水酸基)又はケイ素原子結合加水分解性基を少なくとも2個、好ましくは分子鎖両末端に含有するオルガノポリシロキサン、
(j)任意成分として、加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物、ならびに
(k)任意成分として、縮合反応触媒
を含有する縮合硬化性シリコーン組成物が挙げられる。
(i)成分はシラノール基又はケイ素原子結合加水分解性基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンであり、縮合硬化性シリコーン組成物のベースポリマーである。(i)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、原料の入手のしやすさの観点から、分子鎖(主鎖)がジオルガノシロキサン単位(R9 2SiO2/2単位)の繰返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R9 3SiO1/2)で封鎖された、分岐を有しない直鎖状構造、又は分子鎖が該ジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる、分岐を有しない環状構造を有するが、分岐状構造を部分的に含有してもよい。
R1について例示したものと同じ非置換又は置換の一価炭化水素基が挙げられる。
が挙げられる。
(j)成分の加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物は任意成分であり、硬化剤として作用する。ベースポリマーである(i)成分がシラノール基以外のケイ素原子結合加水分解性基を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである場合には、(j)成分を縮合硬化性シリコーン組成物に添加するのを省略することができる。(j)成分としては、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合加水分解性基を含有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(即ち、少なくとも1個、好ましくは2個以上の加水分解性基が残存するオルガノポリシロキサン)が好適に使用される。
R9 rSiX4−r (6)
(式中、R9は非置換もしくは置換の一価炭化水素基、Xは加水分解性基、rは0又は1である。)で表されるものが好ましく用いられる。前記R9としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基が特に好ましくあげられる。
(j)成分の縮合反応触媒は任意成分であり、上記(j)成分の加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物が、例えば、アミノキシ基、アミノ基、ケトオキシム基を有する場合には使用しなくてもよい。(k)成分の縮合反応触媒としては、例えばテトラブチルチタネート、テトライソブロピルチタネート、等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等の有機チタンキレート化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウム化合物;ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジ(2−エチルヘキサノエート)等の有機スズ化合物;ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、ブチル酸スズ、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩;へキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物、及びその塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩;酢酸カリウム、硝酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン:グアニジル基含有有機珪素化合物等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
工程(2)において、工程(1)で含浸された硬化性シリコーン組成物の硬化が行われ、シリコーン硬化物が細孔に含浸した状態である含浸層が形成される。このときの硬化条件は使用する硬化性シリコーン組成物の種類により適切に設定する。以下、この点を説明する。
有機過酸化物硬化性シリコーン組成物を含浸した基材を加熱することでラジカル反応が進行し、硬化反応が進行し、有機過酸化物シリコーン組成物は硬化する。有機過酸化物シリコーン組成物を硬化させる温度条件は、この際の加熱温度としては、硬化反応が含浸量、又は塗工量に依存するため、特に限定されないが、好ましくは80℃〜300℃、より好ましくは150℃〜250℃である。また、必要に応じて2次キュアを行ってもよく、その際の温度条件としては好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃〜250℃である。この際のキュア時間は好ましくは10分〜48時間さらに好ましくは30分〜24時間である。
紫外線硬化性シリコーン組成物を含浸した基材に、紫外線を照射することで、光重合開始剤が反応し、硬化反応が進行し、紫外線硬化性シリコーン組成物は硬化する。紫外線照射条件は、硬化反応が含浸量又は塗工量に依存するため、特に限定されないが、365nmに発光波長を持った紫外線発光ダイオードを用い、照度5〜500mW/cm2、好ましくは10〜200mW/cm2、光量0.5〜100J/cm2、好ましくは.10〜50J/cm2の条件で紫外線照射を行うことで硬化させることができる。また、必要に応じて2次キュアを行ってもよく、その際の温度条件としては好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃〜250℃である。この際のキュア時間は好ましくは10分〜48時間さらに好ましくは30分〜24時間である。
付加硬化性シリコーン組成物を含浸した基材を加熱することで、ヒドロシリル化反応が進行し、付加硬化性シリコーン組成物は硬化する。この際の加熱温度としては、硬化反応が含浸量又は塗工量に依存するため、特に限定されないが、好ましくは80〜300℃、より好ましくは100〜200℃である。また、必要に応じて2次キュアを行ってもよく、その際の温度条件としては好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃〜250℃である。この際のキュア時間は好ましくは10分〜48時間さらに好ましくは30分〜24時間である。
縮合硬化性シリコーン組成物を含浸した基材を加熱することで縮合反応が進行し、縮合硬化性シリコーン組成物は硬化する。縮合硬化性シリコーン組成物を硬化させる温度条件は、この際の加熱温度としては、硬化反応が含浸量又は塗工量に依存するため、特に限定されないが、好ましくは80℃〜300℃、より好ましくは100℃〜200℃である。また、必要に応じて2次キュアを行ってもよく、その際の温度条件としては好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃〜250℃である。この際のキュア時間は好ましくは10分〜48時間さらに好ましくは30分〜24時間である。
工程(3)において、前工程で形成された基材細孔に含浸した状態にあるシリコーン硬化物を非酸化性雰囲気下で加熱分解させ、炭化ケイ素に転化させる。
材料:
(A)下式で表される一分子中にアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)ベンゾイルパーオキサイド 0.5質量部、
(C)下式で表されるケイ素原子に結合する水素原子を有するジオルガノポリシロキサン 33質量部、
該成形体の表面に形成された黄緑色被膜を一部削り取り、炭素分析装置(LECO社製、商品名:CS-444LS)を用いて炭素分析を行ったところ、炭素の割合は30.3質量%であった。また、この黄緑色の被覆について、酸素分析装置(LECO社製、商品名:TC436)を用いて酸素分析を行ったところ、酸素の含有量は検出限界である0.1質量%未満であった。元素比はSi1C1.02であった。
上記の硬化性シリコーン組成物を多孔質炭素質基材に含浸せずに、炭素製の容器に5g入れた状態で処理した以外は、上記と同様にして硬化させ、熱処理を行って緑色の固体を得た。これをICP発光分析に供したところ、種々の元素の含有量について表1に示す結果が得られた。「<0.1」は測定限界である0.1ppm未満であったことを意味する。
下記式
実施例1と同様にして元素分析用試料を作製し、ICP発光分析に供したところ、表2に示す結果が得られた。「<0.1」は測定限界である0.1ppm未満であったことを意味する。
Claims (5)
- 多孔質炭素質基材と、該基材の少なくとも表面層に含浸した状態にある炭化ケイ素とを有する炭化ケイ素含浸炭素質材料であって、
炭素質基材の少なくとも表面層に、硬化性シリコーン組成物を含浸させ、
こうして含浸した前記硬化性シリコーン組成物を硬化させ、
こうして得られた含浸状態のシリコーン硬化物を非酸化性雰囲気下で熱分解して炭化ケイ素に転化させる、
ことにより得られる炭化ケイ素含浸炭素質材料。 - 前記硬化性シリコーン組成物が有機過酸化物硬化性シリコーン組成物、放射線硬化性シリコーン組成物、付加硬化性シリコーン組成物、又は縮合硬化性シリコーン組成物である請求項1に係る炭化ケイ素含浸炭素質材料。
- 前記の加熱温度が1500℃を超え、2200℃の範囲内である請求項1又は2に係る炭化ケイ素含浸炭素質材料。
- 炭素質基材の少なくとも表面層に硬化性シリコーン組成物を含浸させ、
こうして含浸した前記硬化性シリコーン組成物を硬化させ、
こうして得られた含浸状態のシリコーン硬化物を非酸化性雰囲気下で熱分解して炭化ケイ素に転化させる、
工程を有する炭化ケイ素含浸炭素質材料の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に係る炭化ケイ素含浸炭素質材料を用いた半導体製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009235745A JP2011079725A (ja) | 2009-10-09 | 2009-10-09 | 炭化ケイ素含浸炭素質材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009235745A JP2011079725A (ja) | 2009-10-09 | 2009-10-09 | 炭化ケイ素含浸炭素質材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011079725A true JP2011079725A (ja) | 2011-04-21 |
Family
ID=44074183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009235745A Pending JP2011079725A (ja) | 2009-10-09 | 2009-10-09 | 炭化ケイ素含浸炭素質材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011079725A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015107896A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 信越半導体株式会社 | 炭化珪素被覆黒鉛部材の製造方法、炭化珪素被覆黒鉛部材、及びシリコン結晶の製造方法。 |
JP2020523267A (ja) * | 2017-06-09 | 2020-08-06 | ペーエスツェー テクノロジーズ ゲーエムベーハー | 炭化ケイ素の層の製造方法 |
CN114045110A (zh) * | 2021-12-08 | 2022-02-15 | 刁嘉乐 | 一种有机硅无溶剂浸渍树脂及其制备方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS526714A (en) * | 1975-07-05 | 1977-01-19 | Tohoku Daigaku Kinzoku Zairyo | Manufacture of carbon products coated with silicon carbide |
JPH03275579A (ja) * | 1990-03-23 | 1991-12-06 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 炭化けい素被覆膜の製造方法 |
JP2000344587A (ja) * | 1999-06-04 | 2000-12-12 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 高耐熱樹脂複合セラミックスの製造法 |
-
2009
- 2009-10-09 JP JP2009235745A patent/JP2011079725A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS526714A (en) * | 1975-07-05 | 1977-01-19 | Tohoku Daigaku Kinzoku Zairyo | Manufacture of carbon products coated with silicon carbide |
JPH03275579A (ja) * | 1990-03-23 | 1991-12-06 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 炭化けい素被覆膜の製造方法 |
JP2000344587A (ja) * | 1999-06-04 | 2000-12-12 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 高耐熱樹脂複合セラミックスの製造法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015107896A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 信越半導体株式会社 | 炭化珪素被覆黒鉛部材の製造方法、炭化珪素被覆黒鉛部材、及びシリコン結晶の製造方法。 |
JP2020523267A (ja) * | 2017-06-09 | 2020-08-06 | ペーエスツェー テクノロジーズ ゲーエムベーハー | 炭化ケイ素の層の製造方法 |
CN114045110A (zh) * | 2021-12-08 | 2022-02-15 | 刁嘉乐 | 一种有机硅无溶剂浸渍树脂及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5630333B2 (ja) | 易焼結性炭化ケイ素粉末及び炭化ケイ素セラミックス焼結体 | |
JP5177793B2 (ja) | 炭化ケイ素の製造方法 | |
JP5488607B2 (ja) | 炭化ケイ素被覆炭素材料の製造方法 | |
WO2011052695A1 (ja) | 球状炭化ケイ素粉末、その製造方法、及びそれを使用する炭化ケイ素セラミックス成形体の製造方法 | |
JPWO2011043425A1 (ja) | 炭化ケイ素成形体の製造方法 | |
JP2011079725A (ja) | 炭化ケイ素含浸炭素質材料 | |
WO2011043426A1 (ja) | 炭化ケイ素接合体及び炭化ケイ素部材の接合方法 | |
JPWO2011059041A1 (ja) | 炭化ケイ素粉末組成物及びそれを用いる炭化ケイ素成形体の製造方法 | |
US20080053051A1 (en) | Method of producing heat-resistant inorganic textile and heat-resistant inorganic textile produced using the method | |
WO2011043427A1 (ja) | 多孔質炭化ケイ素基材の緻密化方法 | |
JP2008081397A (ja) | 無機成形体の製造方法、及び該方法により得られる無機成形体 | |
JP2008081921A (ja) | 耐熱性無機繊維製品の製造方法及び該方法により製造された耐熱性無機繊維製品 | |
JP2013047182A (ja) | 炭化ケイ素の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111027 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120820 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20120824 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130107 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130423 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130903 |