JP2011067813A - 消泡剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】消泡性(初期消泡性及び消泡持続性)に優れる消泡剤を提供することである。
【解決手段】
脂肪酸アミド(A)を25℃で液状である基油(B)中に分散して含有し、脂肪酸アミド(A)及び25℃で液状である基油(B)の重量に基づいて、脂肪酸アミド(A)の含有量が0.1〜10重量%、25℃で液状である基油(B)の含有量が90〜99.9重量%であり、25℃で液体の基油(B)に分散した脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積平均粒子径が0.2〜1μm又は分散粒子の体積基準の粒度分布における最頻値が0.1〜1μmであることを特徴とする消泡剤を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は消泡剤に関する。
アルキレンポリアミンと脂肪酸の反応生成物であるアミドを炭化水素油中に析出させ、油溶性のポリマー及び油脂を加えて高圧で均質化した消泡剤組成物(特許文献1)や、アミドを油に分散させた消泡剤を加熱処理し、アミド結晶をβ型化した消泡剤組成物(特許文献2)が知られている。
特開昭47−7359号公報 特開59−36509号公報
上記の消泡剤組成物では、十分な消泡性(破泡、抑泡効果;初期消泡性)が得られず、特に発泡液中で容易に失活し、長期の消泡性(消泡持続性)に劣るという問題がある。
本発明の目的は、消泡性(初期消泡性及び消泡持続性)に優れる消泡剤を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、脂肪酸アミドを基油中に分散させた消泡剤において、脂肪酸アミドの粒子径を好適な範囲に制御する手法を見出し、本発明に到達した。
一方、特許文献1に記載された手法では、脂肪酸アミドの粒子径を好適な範囲に制御することができない。また、特許文献2に記載されたβ型アミド結晶を得るための熱処理方法によると、脂肪酸アミドの粒子径を必要以上に粗大化させ、かえって消泡性を悪化させてしまう。
すなわち、本発明の消泡剤の特徴は、脂肪酸アミド(A)を25℃で液状である基油(B)中に分散して含有し、
脂肪酸アミド(A)及び25℃で液状である基油(B)の重量に基づいて、脂肪酸アミド(A)の含有量が0.1〜10重量%、25℃で液状である基油(B)の含有量が90〜99.9重量%であり、
25℃で液状である基油(B)に分散した脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積平均粒子径が0.2〜1μm又は分散粒子の体積基準の粒子径分布における最頻値が0.1〜1μmである点を要旨とする。
本発明の消泡剤の製造方法の特徴は、上記の消泡剤を製造する方法であって、
脂肪酸アミド(A)と、25℃で液状である基油(B)の一部とを加熱攪拌しながら、脂肪酸アミド(A)を溶解させて溶解液を得る工程(1)、
25℃で液状である基油(B)の残部を攪拌しながら、この残部に溶解液を投入して混合物を得る工程(2)、並びに
混合物を均質化処理して消泡剤を得る工程(3)を含む点を要旨とする。
本発明のエマルション塗料の特徴は、樹脂エマルション、顔料、水性媒体及び上記の消泡剤を含有する点を要旨とする。
本発明の消泡剤は、著しく優れた消泡性(初期消泡性及び消泡持続性)を発揮する。また、本発明の消泡剤は、紙パルプ製造工業等の各種工程に用いてもハジキやクレータリング等の発生を抑制でき、対象となる発泡液に添加して長期間経過した後でも消泡性の低下は殆ど見られないという効果を奏する。
本発明の消泡剤の製造方法によると、著しく優れた消泡性(初期消泡性及び消泡持続性)を有する消泡剤を容易に製造することができる。
本発明のエマルション塗料は、上記の消泡剤を含むので、優れた消泡性(初期消泡性及び消泡持続性)を発揮する。したがって、本発明のエマルション塗料は、塗装効率に優れる他、平滑性や光沢等に優れた塗装面を容易に得ることができる。
脂肪酸アミド(A)としては、炭素数1〜6のアルキレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(ビスアミド)及び炭素数10〜22の脂肪酸モノアミドが含まれる。
炭素数1〜6のアルキレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物としては、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、プロピレンビスステアリルアミド、プロピレンビスパルミチルアミド、プロピレンビスミリスチルアミド、プロピレンビスラウリルアミド、プロピレンビスオレイルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスパルミチルアミド、ブチレンビスミリスチルアミド、ブチレンビスラウリルアミド、ブチレンビスオレイルアミド、メチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド、ヘキサメチレンビスステアリルアミド、エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド及びヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド等が挙げられる。
炭素数10〜22の脂肪酸モノアミドとしては、ステアリルアミド、N−ステアリルステアリルアミド及びN−メチルステアリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、消泡性等の観点から、炭素数1〜6のアルキレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物が好ましく、さらに好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド、特に好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド及びエチレンビスミリスチルアミドである。これらのアミドは、2種以上の混合物であってもよく、混合物の場合、上記の好ましいものが主成分として含まれていることが好ましい。
なお、主成分とは、脂肪酸アミド(A)の重量に基づいて、少なくとも40重量%を含まれる成分を意味し、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上含まれることである。
脂肪酸アミド(A)中の副成分(主成分以外に含まれる成分)としては、上記の好ましい範囲以外のアミドの他に、未反応アミン、モノアミド及び未反応カルボン酸等が含まれる。副成分の含有量(重量%)は、脂肪酸アミド(A)の重量に基づいて、60未満が好ましく、さらに好ましくは50未満、特に好ましくは40未満、次に好ましくは30未満、最も好ましくは20未満である。
脂肪酸アミド(A)の含有量(重量%)は、脂肪酸アミド(A)及び25℃で液状である基油(B)の重量に基づいて、0.1〜10であり、2〜5が好ましく、さらに好ましくは2.5〜4.8、特に好ましくは3〜4.6、最も好ましくは3〜4.4である。
25℃で液状である基油(B)としては、鉱油、イソパラフィン油、油脂類、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、高級カルボン酸及び高級アルコールが含まれる。
鉱油としては、40℃における動粘度が5〜40mm/sの鉱油が含まれ、商品名として、コスモピュアスピンG、コスモピュアスピンE、コスモSP−10、コスモSP−32及びコスモSC22(以上、コスモ石油株式会社、「コスモ」及び「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、並びにスタノール40(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
イソパラフィン油としては、25℃における動粘度が1〜20mm/sのイソパラフィン油が含まれ、商品名として、NAS−5H(日油株式会社)等が挙げられる。
油脂類としては、炭素数6〜22の脂肪酸又はこの混合物とグリセリンとのエステルが含まれ、植物油(商品名として、たとえば、ファインオイルN、ファインオイルLR−1、ファインオイルISB−12;ミヨシ油脂株式会社)、中鎖脂肪酸グリセライド(商品名として、たとえば、パナセート875;日油株式会社、「パナセート」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
ポリオキシプロピレングリコールとしては、数平均分子量が200〜6000のポリオキシプロピレングリコールが含まれる。
ポリオキシブチレングリコールとしては、数平均分子量が200〜8000のポリオキシブチレングリコールが含まれる。
高級カルボン酸としては、炭素数6〜22の高級カルボン酸及びその混合物が含まれ、カプリル酸(商品名として、たとえば、NAA−82;日油株式会社)及びオレイン酸(商品名として、たとえば、NAA−34;日油株式会社)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、炭素数6〜22の高級アルコールが含まれ、商品名として、オキソコールC13(協和発酵株式会社、「オキソコール」は協和発酵ケミカル株式会社の登録商標である。)及びリカコール110BJ(新日本理化株式会社、「リカコール」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
これらの基油(B)のうち、鉱油及び植物油が好ましく、さらに好ましくは鉱油、特に好ましくは25℃における動粘度が5〜40mm/sの鉱油である。
基油(B)の40℃における動粘度(mm/s)としては、5〜40が好ましく、さらに好ましくは6〜35、特に好ましくは7〜30である。
基油(B)の含有量(重量%)は、脂肪酸アミド(A)及び25℃で液状である基油(B)の重量に基づいて、90〜99.9であり、95〜98が好ましく、さらに好ましくは95.2〜97.5、特に好ましくは95.4〜97、最も好ましくは95.6〜97である。
25℃で液状である基油(B)に分散した脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積平均粒子径(μm)は、0.2〜1であり、好ましくは0.2〜0.9、さらに好ましくは0.3〜0.9、特に好ましくは0.3〜0.8である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
25℃で液状である基油(B)に分散した脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積基準の粒子径分布における最頻値(μm)は、0.1〜1であり、好ましくは0.15〜0.95、さらに好ましくは0.2〜0.9、特に好ましくは0.25〜0.85である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
25℃で液状である基油(B)に分散した脂肪酸アミド(A)の分散粒子は、上記の体積平均粒子径(μm)又は上記の最頻値(μm)を有することが好ましいが、上記の体積平均粒子径(μm)及び上記の最頻値(μm)の両方を有してもよい。
体積平均粒子径(μm)及び体積基準の粒子径分布における最頻値(μm)は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置{たとえば、Partica LA−950V2(バッチセル式、分散質の屈折率=1.50、分散媒の屈折率=1.45、反復回数15)、堀場製作所株式会社}を使用して次のように測定される。
<測定法>
25℃における動粘度が5〜15mm/sである無色透明鉱油(X)(例えばコスモSP−10、コスモ石油株式会社製)をバッチセルに入れてブランク測定を行い、引き続き、この鉱油(X)に消泡剤を適量加えて均一になるまで混合し、真空デシケーターを用いて1〜10kPaで減圧脱泡した後、泡が入らないようにバッチセルに移し、測定を行う。
なお、測定値はブランク測定の値が差し引かれて算出される。
基油(B)中に分散した脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積平均粒子径(μm)及び最頻値(μm)は、脂肪酸アミド(A)を基油(B)に溶解させた後、脂肪酸アミドを再度析出させる際の析出方法及びその後の熱処理によって調整できる。
すなわち、脂肪酸アミド(A)の基油(B)溶解液を、冷却した基油(B)に投入する製造工程において、溶解液の投入中及び投入後の基油(B)の温度が低温であるほど、得られる脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積平均粒子径(μm)及び最頻値(μm)は小さくなる傾向があり、逆に高温であるほど、脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積平均粒子径(μm)及び最頻値(μm)は大きくなる傾向がある。
また、脂肪酸アミド(A)の体積平均粒子径(μm)及び最頻値(μm)は、熱処理で調整することができ、基油(B)に分散した脂肪酸アミド(A)を含む消泡剤を、50〜100℃で熱処理することにより体積平均粒子径(μm)及び最頻値(μm)を大きくできる。そして、温度がより高く、攪拌時間がより長いほど、体積平均粒子径(μm)及び最頻値(μm)は大きくなる。
基油(B)に分散した脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積平均粒子径(μm)及び最頻値(μm)を上記の範囲にするには、脂肪酸アミド(A)の分散粒子を40℃以下に保ちながら、製造することが好ましい。また、製造後の熱履歴によっても、分散粒子が大きくなることがあるため、40℃以下に保ちながら保存することが好ましい。すなわち、脂肪酸アミド(A)の分散粒子を40℃以下(0〜40℃が好ましく、さらに好ましくは0〜35℃、特に好ましくは0〜30℃、最も好ましくは0〜25℃)に保ちながら、製造及び保存されることが好ましい。
脂肪酸アミド(A)の分散粒子を40℃以下に保ちながら、製造する方法としては、後述の製造方法が好適である。
脂肪酸アミド(A)は、α型脂肪酸アミドを少なくとも80重量%含むことが好ましく、さらに好ましくは少なくとも90重量%、特に好ましくは少なくとも95重量%含むことである。
α型脂肪酸アミドの含有量を上記の範囲とするには、脂肪酸アミド(A)の分散粒子を40℃以下に保ちながら、製造することが好ましい。また、製造後の熱履歴によっても、α型脂肪酸アミドが減少するため(特許文献2に記載されているようにβ型脂肪酸アミドの含有量が増大する)、40℃以下に保ちながら保存することが好ましい。すなわち、脂肪酸アミド(A)の分散粒子を40℃以下(0〜40℃が好ましく、さらに好ましくは0〜35℃、特に好ましくは0〜30℃、最も好ましくは0〜25℃)に保ちながら、製造及び保存されることが好ましい。
α型脂肪酸アミドの含有量は、特許文献2に記載された方法に準拠して定量できる。たとえば、エチレンビス脂肪酸アミドの場合、α型脂肪酸アミドに特有な940cm−1の吸収と、β型脂肪酸アミドに特有な955cm−1の吸収の吸収強度から、α型脂肪酸アミド、β型脂肪酸アミドの含有量を求めることができる。
脂肪酸アミド(A)の分散粒子を40℃以下に保ちながら、製造する方法としては、後述の製造方法が好適である。
温度を0℃以下の低温に保つことは製造・保存コストの面で不利であるため、分散粒子の温度(℃)は、0〜40が好ましく、さらに好ましくは0〜35、特に好ましくは0〜30、最も好ましくは0〜25である。
本発明の消泡剤には、脂肪酸アミド(A)、25℃で液状である基油(B)以外に、疎水性シリカ(C)、シリコーン油(D)、ポリエーテル(E)、金属石鹸(F)及び/又はワックス(G)等を含有できる。
疎水性シリカ(C)としては、シリカ粉末を疎水化剤で疎水化処理した疎水性シリカが含まれる。
市場から入手できる疎水性シリカとしては、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、TS−530、TS−610、TS−720(キャボットカーボン社)、AEROSIL R202,R805及びR812(デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S (株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、並びにSYLOPHOBIC100、702、505及び603(富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
疎水性シリカ(C)を含有する場合、疎水性シリカ(C)の含有量(重量%)は、脂肪酸アミド(A)及び基油(B)の重量に基づいて、0.1〜6が好ましく、さらに好ましくは0.2〜5.5、特に好ましくは0.3〜5、最も好ましくは0.4〜4.5である。
シリコーン油(D)としてはシリコーンオイル及び変性シリコーンオイルが含まれる。
シリコーンオイルとしては、動粘度10〜10000(mm2/s、25℃)のポリジメチルシロキサン等が挙げられ、シクロオクタメチルテトラシロキサン等も含まれる。
変性シリコーンとしては、上記のジメチルシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子、アルコキシポリオキシアルキレンオキシプロピル基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)及び/又は炭素数2〜6のアミノアルキル基等に置き換えたもの等が含まれる。
シリコーン油(D)を含有する場合、 シリコーン油(D)の含有量(重量%)は、脂肪酸アミド(A)及び基油(B)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.2〜8、特に好ましくは0.3〜7、最も好ましくは0.4〜6である。
ポリエーテル(E)としては、消泡剤として用いられ、かつ基油(B){ポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシブチレングリコール}以外のポリエーテルが含まれ、炭素数6〜22のモノアルコール、炭素数6〜22のモノカルボン酸又は炭素数6〜22のモノアミンの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜100モルとの反応物や、炭素数2〜6のポリオールの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜300モルとの反応物等が挙げられる。
ポリエーテル(E)を含有する場合、ポリエーテル(E)の含有量(重量%)は、脂肪酸アミド(A)及び基油(B)の重量に基づいて、0.1〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜45、特に好ましくは3〜40、最も好ましくは5〜35である。
金属石鹸(F)としては、炭素数12〜22の脂肪酸と金属(アルカリ土類金属、アルミニウム、マンガン、コバルト、鉛、クロム、銅、鉄及びニッケル等)との塩を含み、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛及びベヘニン酸マグネシウム等が挙げられる。
金属石鹸(F)を含有する場合、金属石鹸(F)の含有量(重量%)は、脂肪酸アミド(A)及び基油(B)の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.3〜4、特に好ましくは0.5〜3、最も好ましくは0.5〜2である。
ワックス(G)としては、植物ワックス(カルナウバワックス、ライスワックス等)、動物ワックス(蜜蝋等)、鉱物ワックス(モンタンワックス等)、合成ワックス(ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン等、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−無水マレイン酸共重合体等)が挙げられる。
ワックス(G)を含有する場合、金属石鹸(G)の含有量(重量%)は、脂肪酸アミド(A)及び基油(B)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.3〜9、特に好ましくは0.5〜8、最も好ましくは0.5〜7である。
本発明の消泡剤は、次の製造方法によって製造することが好ましい。
脂肪酸アミド(A)と、25℃で液状である基油(B)の一部とを加熱攪拌しながら、脂肪酸アミド(A)を溶解させて溶解液を得る工程(1)、
25℃で液状である基油(B)の残部を攪拌しながら、この残部に溶解液を投入して混合物を得る工程(2)、並びに
混合物を均質化処理して消泡剤を得る工程(3)を含む方法。
加熱攪拌温度(℃)としては、脂肪酸アミド(A)が溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは110〜160、特に好ましくは120〜150、最も好ましくは125〜145である。
加熱攪拌時間としては、脂肪酸アミド(A)が溶解できれば制限がないが、基油(B)の酸化や蒸発等を防ぐため、できるだけ短時間とすることが好ましい。
加熱攪拌は、密閉下で行ってもよいし(加圧下でもよい)、開放下で行ってもよい。
工程(2)において、溶解液を投入している間も溶解液を加熱攪拌し、脂肪酸アミド(A)を溶解させた状態を保つことが好ましい。
工程(2)において、基油(B)の残部の温度は、消泡性(分散粒子の体積平均粒子径)及び製造コストの観点等から、0〜40℃に保つことが好ましく、さらに好ましくは0〜35℃、特に好ましくは0〜30℃、最も好ましくは0〜25℃に保つことである。すなわち、工程(2)では、0〜40℃に冷却した25℃で液状である基油(B)の残部を攪拌しながら、この残部に0〜40℃を保ちながら溶解液を少量ずつ投入して混合物を得ることが好ましい。
均質化処理は、脂肪酸アミド(A)を均質化できれば制限はないが、乳化分散機(ビーズミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー等)を用いて均質化処理することが好ましい。
均質化処理における混合物の温度は、0〜40℃に保つことが好ましく、さらに好ましくは0〜35℃、特に好ましくは0〜30℃、最も好ましくは0〜25℃に保つことである。すなわち、工程(3)では、0〜40℃を保ちながら混合物を均質化処理して消泡剤を得ることが好ましい。
疎水性シリカ(C)、シリコーン油(D)及び/又はポリエーテル(E)を使用する場合、上記のいずれの工程で投入してもよく、工程(3)の後で、均一混合してもよい。
金属石鹸(F)及び/又はワックス(G)を使用する場合、脂肪酸アミド(A)を溶解する工程で投入し、脂肪酸アミド(A)と同様に溶解、析出させてもよいし、脂肪酸アミド(A)とは別に基油(B)に分散させてから、上記のいずれかの工程又は工程(3)の後で、均一混合してもよい。
本発明の消泡剤は、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、塗料(水性塗料等)用消泡剤及び各種製造工程(抄紙工程、発酵工程、排水処理工程、モノマーストリッピング工程及びポリマー重合工程等)用消泡剤等として使用することができる。
これらのうち、塗料用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。
なお、エマルション塗料に含まれるバインダーとしては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂又はフッ素原子含有シリコーン樹脂等が挙げられ、いずれに対しても効果的である。
本発明の消泡剤の添加方法は、塗料に適用する場合、(1)顔料分散時及び/又は(2)塗料作成後に添加する方法等が挙げられる。また、各種製造工程に適用する場合、(1)原料の供給と共に、(2)加熱及び/若しくは減圧処理前に、並びに/又は(3)最終仕上げ工程等に添加する方法のいずれでもよい。
各種製造工程に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、水性発泡液の重量に基づいて、0.0001〜3が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2.7、特に好ましくは0.005〜2.3、最も好ましくは0.01〜2である。また、塗料に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料の重量に基づいて、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.7、特に好ましくは0.2〜2.3、最も好ましくは0.3〜2.0である。
なお、最適なエマルション塗料に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料の重量に基づいて、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.7、特に好ましくは0.2〜2.3、最も好ましくは0.3〜2である。
本発明のエマルション塗料は、樹脂エマルション、顔料、水性媒体及び上記の消泡剤を含有する。
樹脂エマルションとしては、上記のエマルション塗料に含まれるバインダーが含まれる。
顔料としては、公知の顔料(たとえば、「塗料原料便覧第8版」(日本塗料工業会編、日本塗料工業会発行)の333〜447頁に記載のもの)が含まれる。
水性媒体としては、水(水道水、脱イオン水等)が含まれる。
本発明の水性塗料は、公知の製造方法と同様にして得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
<実施例1>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1){エチレンビスステアリルアミド、アルフロー H−50S、日油(株)、「アルフロー」は同社の登録商標である。}35部、基油(b1){鉱物油、コスモピュアスピン G、コスモ石油ルブリカンツ(株)}300部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(1)を得た。
次いで、3℃に調節した基油(b1)665部を冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(1)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(1)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(1)の温度は3〜40℃であった。
8℃に冷却した混合物(1)をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて15分間攪拌して均質化し、本発明の消泡剤(1)を得た。均質化の処理中及び処理後の消泡剤の温度は8〜14℃であった。
本発明の消泡剤(1)中の分散粒子の体積平均粒子径は、0.5μmであり、体積基準の粒子径分布における最頻値は0.4μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは100%であった。
なお、体積平均粒子径及び体積基準の粒子径分布における最頻値は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA−950V2(バッチセル式、分散質の屈折率=1.50、分散媒の屈折率=1.45、反復回数15、堀場製作所(株))を使用して測定した(以降も同様)。なお、消泡剤を加える量は、青色LED光の透過率が89〜91%になるように調整し、消泡剤の量が多いほど透過率が低くなるので、この範囲から外れている場合、消泡剤又は鉱油(X)を添加して濃度を調整した。
また、α型脂肪酸アミドの含有量は、消泡剤(1)をヘキサンで10倍希釈した後、遠心分離(1619G、5分)で不溶分を沈殿させて、上澄みを除き、沈殿物の赤外吸収スペクトル(株式会社堀場製作所製FT−720、ATR法)を測定することにより定量した。エチレンビス脂肪酸アミドのうち、α型脂肪酸アミド結晶は955cm−1に吸収を持ち、一方のβ型脂肪酸アミド結晶は940cm−1に吸収を持つ為、955cm−1と940cm−1の2つのピーク比より、α/β比を求めた(以下、同様)。
<実施例2>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a2){エチレンビスステアリルアミド、カオーワックスEB−P、花王(株)}30部、基油(b2){鉱物油、コスモSP−10、コスモ石油ルブリカンツ(株)}300部及び疎水性シリカ(c1){ニップシール SS−100、東ソー・シリカ(株)}4部を加熱攪拌しながら130℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(2)を得た。
次いで、3℃に調節した基油(b2)666部を冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(2)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(2)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(2)の温度は3〜25℃であった。
6℃に冷却した混合物(2)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(2)を得た。
均質化の処理中及び処理後の温度は6〜25℃であった。
本発明の消泡剤(2)中の分散粒子の体積平均粒子径は、0.3μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は0.2μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは100%であった。
<実施例3>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)30部、基油(b2)290部及びジメチルシリコーンオイル(d1){SH200−50CS、東レ・ダウコーニング株式会社}10部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(3)を得た。
次いで、0℃に調節した基油(b2)660部に冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(3)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(3)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(3)の温度は0〜15℃であった。
10℃に冷却した混合物(3)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(3)を得た。
均質化の処理中及び処理後の温度は10〜28℃であった。
本発明の消泡剤(3)中の分散粒子の体積平均粒子径は、0.2μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は0.2μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは100%であった。
<実施例4>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)39部、基油(b1)200部及びポリエーテル(e1){ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ニューポール LB−1715、三洋化成工業(株)}100部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(4)を得た。
次いで、5℃に調節した基油(b1)656部に冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(4)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(4)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(4)の温度は5〜40℃であった。
22℃に冷却した混合物(4)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(4)を得た。
均質化の処理中及び処理後の温度は22〜40℃であった。
本発明の消泡剤(4)中の分散粒子の体積平均粒子径は、0.8μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は0.6μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは100%であった。
<実施例5>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)30部、基油(b1)300部及び金属石鹸(f1){ステアリン酸アルミニウム、SA−1500、堺化学工業株式会社}5部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(5)を得た。
次いで、5℃に調節した基油(b1)665部に冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(5)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(5A)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(5A)の温度は5〜25℃であった。
8℃に冷却した混合物(5A)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して混合物(5B)を得た。
均質化の処理中及び処理後の温度は8〜28℃であった。
混合物(5B)を40℃にて2時間攪拌して本発明の消泡剤(5)を得た。
本発明の消泡剤(5)中の分散粒子の体積平均粒子径は、0.5μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は0.4μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは90%であった。
<実施例6>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)30部、基油(b1)300部及びワックス(g1){酸化ポリエチレンワックス、エポレンE−10、イーストマンケミカル社}5部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(6)を得た。
次いで、5℃に調節した基油(b1)665部に冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(6)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(6)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(6)の温度は5〜30℃であった。
8℃に冷却した混合物(6)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して本発明の消泡剤(6)を得た。
均質化の処理中及び処理後の温度は8〜28℃であった。
本発明の消泡剤(6)中の分散粒子の体積平均粒子径は、0.4μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は0.3μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは100%であった。
<実施例7>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)20部、基油(b2)70部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(7)を得た。
次いで、30℃に調節した基油(b2)160部に冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(7)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(7A)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(7A)の温度は30〜80℃であった。
8℃に冷却した混合物(7A)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して混合物(7B)を得た。
均質化の処理中及び処理後の温度は8〜28℃であった。
混合物(7B)を75℃で2時間攪拌した後、実施例1で得た消泡剤(1)750部を投入し、15分間攪拌して本発明の消泡剤(7)を得た。
本発明の消泡剤(7)中の分散粒子の体積平均粒子径は、1.2μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は0.4μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは80%であった。
<実施例8>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)1部、基油(b1)300部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(8)を得た。
次いで、5℃に調節した基油(b1)699部に冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(8)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(8)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(8)の温度は5〜25℃であった。
8℃に冷却した混合物(8)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して本発明の消泡剤(8)を得た。
均質化の処理中及び処理後の温度は8〜28℃であった。
本発明の消泡剤(8)中の分散粒子の体積平均粒子径は、0.2μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は0.2μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは100%であった。
<実施例9>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)25部、基油(b2)300部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(9)を得た。
次いで、25℃に調節した基油(b2)675部に冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(9)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して混合物(9)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(9)の温度は25〜40℃であった。
22℃に冷却した混合物(9)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して本発明の消泡剤(9)を得た。均質化の処理中及び処理後の温度は22〜40℃であった。
本発明の消泡剤(9)中の分散粒子の体積平均粒子径は、1.2μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は0.9μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは85%であった。
<比較例1>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a2)15部、基油(b1)300部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(H1)を得た。
次いで、25℃の基油(b1)665部を攪拌しながら、これにアミド溶解液(H1)を投入し、15分間攪拌して混合物(H1A)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物の温度は25〜70℃であった。
60℃の混合物(H1A)をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて15分間攪拌して均質化し、混合物(H1B)を得た。均質化の処理中及び処理後の温度は60〜61℃であった。
混合物(H1B)を75℃にて2時間攪拌して比較用の消泡剤(H1)を得た。消泡剤(H1)中の分散粒子の粒子径は、2.3μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は1.9μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは0%(β型脂肪酸アミドは100%)であった。
<比較例2>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)35部及び基油(b1)300部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(H2)を得た。
次いで、25℃の基油(b1)665部に冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(H2)を投入し、15分間攪拌して混合物(H2)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の温度は25〜70℃であった。
65℃の混合物(H2)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、比較用の消泡剤(H2)を得た。
均質化の処理中及び処理後の温度は65〜78℃であった。消泡剤(H2)中の分散粒子の粒子径は、1.3μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は1.2μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは10%(β型脂肪酸アミドは90%)であった。
<比較例3>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)30部及び基油(b1)970部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(H3)を得た。
次いで、アミド溶解液(H3)を25℃まで90分かけて冷却し、混合物(H3)を得た。
25℃の混合物(H3)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して比較用の消泡剤(H3)を得た。均質化の処理中及び処理後の温度は25〜41℃であった。
消泡剤(H3)中の分散粒子の粒子径は、18.5μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は12.5μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは80%であった。
<比較例4>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(a1)1部、基油(b1)300部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(H4)を得た。
次いで、30℃に調節した基油(b1)699部に攪拌しながら、これにアミド溶解液(H4)を投入し、15分間攪拌して混合物(H4)を得た。アミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(H4)の温度は30〜78℃であった。
70℃の混合物(H4)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して本発明の消泡剤(H4)を得た。均質化の処理中及び処理後の温度は64〜82℃であった。
本発明の消泡剤(H4)中の分散粒子の体積平均粒子径は、1.3μmであり、体積基準の粒度分布における最頻値は1.2μm、エチレンビスステアリルアミドのうち、α型脂肪酸アミドは10%であった。
<消泡性の評価(1)>
実施例1〜7、9及び比較例1〜3で得た消泡剤(1)〜(7)、(9)及び(H1)〜(H3)を用いて、以下のようにして調製したエマルション塗料に対する消泡性を評価し、評価結果を表2に示した。
(1)エマルションベース塗料の調製
以下の原料組成にて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED)を用いて、グラインディング及びレットダウンして塗料化とした。得られた塗料を、ストマー粘度計(JIS K5600−2−2)で80KU(25℃)になるように水で希釈してエマルションベース塗料を得た。
Figure 2011067813
注1:サンノプコ(株)製分散剤
注2:サンノプコ(株)製増粘剤
注3:竹原化学工業(株)製炭酸カルシウム
注4:石原産業(株)製二酸化チタン
注5:BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ アクチエンゲゼルシヤフトの登録商標である。
注6:サンノプコ(株)製防腐剤
注7:イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村化学株式会社の登録商標である。
注8:サンノプコ(株)製増粘剤
(2)エマルション塗料の調製
エマルションベース塗料に、評価試料(消泡剤)を0.5重量%(対エマルションベース塗料となるように加えて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて25℃、5000rpm、5分間攪拌混合してエマルション塗料(1)〜(11)を得た。また、ブランク用として消泡剤を加えないこと以外、上記と同様にして、エマルション塗料(12)を得た。
(3)消泡性の評価
エマルション塗料(1)〜(12)を攪拌混合して作成した15秒後に、泡を巻き込んだエマルション塗料(1)〜(12)の比重を50mlの比重カップにて測定した。比重が大きいほど巻き込んだ泡が破壊されており消泡性に優れているといえる。
(4)ハジキの評価
ブリキ板{厚さ0.5mm、20×30cmにカット}をアセトン/布にて脱脂した後、ウェット膜厚250μmとなるようにエマルション塗料(1)〜(12)をローラー塗装した後、25℃、60%相対湿度に調整したコントロールルームにて1日間乾燥させて、塗膜表面を観察し、ハジキ(初期)の個数を評価した。
(5)エイジング後の評価
エマルション塗料(1)〜(12)をそれぞれ密閉サンプル容器にて、40℃にて1ケ月静置保管した後、改めてインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて、25℃、5000rpm、5分間攪拌混合してエイジング評価用のエマルション塗料を得、同様に消泡性(消泡持続性)及びハジキ(エイジング後)を評価した。
Figure 2011067813
本発明の消泡剤を用いたエマルション塗料は、比較用の消泡剤を用いたものに比べて、消泡性(初期消泡性及び消泡持続性)が極めて良好であった。
<消泡性の評価(2)>
実施例8及び比較例2、4で得た消泡剤(8)及び(H2)、(H4)を用いて、以下のようにして消泡性を評価し、評価結果を表3に示した。
<評価液の作成>
ACRONAL 295DN(BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ アクチエンゲゼルシヤフトの登録商標である)25gを100mlの共栓付きメスシリンダーに加え、水道水で2倍に希釈して均一に混合した後、消泡剤を0.075g添加してエマルションを作成した。
なお、消泡剤を添加しないこと以外、上記と同様にして、ブランク用のエマルションを調製した。
メスシリンダーの栓を閉じて、エマルションを1分間で200回振とうし、振とうして1分間静置した後の液面高さ(mm)を読み取り、初期消泡性の値とした。液面高さが低いほど泡が破壊されており消泡性に優れているといえる(泡無しの状態で液面高さは50mm、泡でメスシリンダー内が充満した時の液面高さは100mm)。
続いて同様に1分間で200回振とうして1分間静置のサイクルを4回繰り返し、5回目(合計で1000回振とう後)の静置後の液面高さを読み取って持続消泡性の値とした。
消泡試験後のメスシリンダーを15分静置した後、スカム(エマルションの構成成分や消泡剤の構成成分と、エマルション中に含まれる泡とによって、エマルションの液面付近にできるスポンジ質の厚い膜状になったもの)の有無を目視で観察した。スカムが発生すると問題が発生する用途がある。
Figure 2011067813
本発明の消泡剤はあらゆる用途に用いることができるが、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、紙パルプ製造工業(パルプ化工程、抄紙工程及び塗工工程等)、建築工業(抄造工程等)、染料工業、染色工業、発酵工業、合成樹脂製造工業、合成ゴム製造工業、インキ、塗料工業及び繊維加工工業等の各種工程で発生する気泡に対して適用することができる。これらのうち、塗料用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。

Claims (6)

  1. 脂肪酸アミド(A)を25℃で液状である基油(B)中に分散して含有し、
    脂肪酸アミド(A)及び25℃で液状である基油(B)の重量に基づいて、脂肪酸アミド(A)の含有量が0.1〜10重量%、25℃で液状である基油(B)の含有量が90〜99.9重量%であり、
    25℃で液体の基油(B)に分散した脂肪酸アミド(A)の分散粒子の体積平均粒子径が0.2〜1μm又は分散粒子の体積基準の粒子径分布における最頻値が0.1〜1μmであることを特徴とする消泡剤。
  2. 脂肪酸アミド(A)が、炭素数1〜6のアルキレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物である請求項1に記載の消泡剤。
  3. 25℃で液状である基油(B)の40℃における動粘度が5〜40mm/sである請求項1又は2に記載の消泡剤。
  4. 脂肪酸アミド(A)が、α型脂肪酸アミドを少なくとも80重量%含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の消泡剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された消泡剤を製造する方法であって、
    脂肪酸アミド(A)と、25℃で液状である基油(B)の一部とを加熱攪拌しながら、脂肪酸アミド(A)を溶解させて溶解液を得る工程(1)、
    25℃で液状である基油(B)の残部を攪拌しながら、この残部に溶解液を投入して混合物を得る工程(2)、並びに
    混合物を均質化処理して消泡剤を得る工程(3)を含むことを特徴とする消泡剤の製造方法。
  6. 樹脂エマルション、顔料、水性媒体及び請求項1〜4のいずれかに記載された消泡剤を含有することを特徴とするエマルション塗料。
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