JP2011067016A - サーボ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子カム応用機械などに供されるサーボ制御装置での位置決めの際の位相制御における過剰補正分を消去し、追従遅れを改善したサーボ制御装置を提供する。
【解決手段】 従来のサーボ制御装置を形成する進角補正回路11、加算演算器12、位置パターン発生器13、位置調節器14、速度調節器15、電力変換器16の他に、この発明のサーボ制御装置には過剰補正消去手段31,32,33の何れかと加算演算器34とが追加され、この加算演算器34により、位置パターン発生器13の出力である位置指令値x*と、過剰補正消去手段31,32,33の何れかの出力値との加算演算した値を位置指令値x**とすることにより、サーボ制御装置における位相遅れを補正する手段としての進角制御において、この進角制御に含まれる過剰補正項を打ち消し、従来のサーボ制御装置より、位置偏差を低減したサーボ制御装置を構成している。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電子カム応用機械などに供されるサーボ制御装置での位置決めのための位相制御に関し、特に、該サーボ制御装置の追従遅れを補正するサーボ制御装置に関する。
電子カム応用機械などでは、位置決めに用いられるサーボ制御装置に進角制御と称される位相進め回路を付加することにより、制御系の遅れを補正し、位置指令値と位置検出値との差である位置偏差を低減することが知られている。
図9は、下記特許文献の回路構成を含む、この種のサーボ制御装置の従来例を示す回路構成であり、11は後述の進角補正回路、12は加算演算器、13は後述の位置パターン発生器である。また、14は位置パターン発生器13から出力される位置指令値と、サーボモータ21の出力軸に連結されたパルスジェネレータ22が出力するシリアルパルスとを入力し、このシリアルパルスの積算値と前記位置指令値との偏差を零にする調節演算を行い、この調節演算した結果をサーボモータ21への速度指令値として出力する位置調節器である。15は前記速度指令値とシリアルパルスとを入力し、このシリアルパルスに基づくサーボモータ21の速度検出値との偏差を零にする調節演算を行い、さらに、この調節演算した結果に基づくベクトル制御演算を行って、電力変換器16への電圧指令値を出力する速度調節器である。
すなわち、インバータなどで形成される電力変換器16は前記電圧指令値に対応した振幅・周波数の交流電圧を出力し、この交流電圧でサーボモータ21が可変速駆動される。
図10は、図9に示した位置パターン発生器13の動作例を示す特性図である。
この図は、位相指令値の1周期に対し、S字加速〜速度一定〜S字減速のシーケンスによって、位置パターンf(θ)が0度から360度まで1回転するものである。また、図中の速度パターンは、位置パターンを微分したものである。ここで、速度パターンの加減速区間をS字とするのは、サーボモータ21が加減速時に負荷としての機械に加わるショックを低減する目的で使われる周知の技術である。
なお図10では、位相指令値の角速度ωは、ω=120°/sec、つまり3秒で1周期の時間波形としてグラフ化している。
図11は、図9に示した従来のサーボ制御装置を、伝達関数で表現したブロック線図であり、この図においては、図9に示した進角補正回路11が位置パターン発生器13の後に設置されているが、進角補正回路11での位相を進ませる補正処理を、位置パターン発生器13の後で行うか、前で行うかは、補正する単位の取り方に依存した単なる係数倍の比例関係にあることが知られている。
すなわち、図11では、後述の実施例の説明との関連で、位相指令値θを元に、位置パターン発生器13により発生された進角補正のない位置指令値x*を、進角補正回路11により位相を進ませた位置指令値x**にしている。
進角補正回路11の伝達関数 exp(sTd) は、一般にムダ時間要素として知られる伝達関数exp(−sL)の、遅れ時間Lの極性をマイナスとしたもので、時間波形を全体的に時間Tdだけ進める効果があることを示す。
位置制御系は、位置指令値x**から位置フィードバックxに至るまでの位置調節器14、速度調節器15、電力変換器16、サーボモータ21、サーボモータ21で駆動される機械の慣性などをまとめて、一次遅れの伝達関数で表現している。
下記特許文献では、前記位置制御系の遅れ時間Tdを、サーボモータ21の速度一定状態において、ペンレコーダ波形から読取る、或いは、サーボ制御装置内でのサンプルデータから自動的に計算する、などの方法で測定し、それを位相進め量に反映して、制御系の追従遅れを補正することが行われている。
特開平8−50503号公報
しかし、上記特許文献に記載されている従来技術の進角制御を用いた補正では、制御系の遅れの補正が、後述の如く、過剰となる要素があるために、所望の位置パターン通りの位置指令値とならず、位置が正しく制御されない恐れがあった。このことにより、例えばプレス機などでは加工精度の悪化を招くことがあった。
すなわち、従来の進角補正による遅れ補正では、過剰な補正項が含まれることを、図11に示したブロック線図に基づいて説明する。
進角補正回路11の伝達関数exp(sTd)をマクローリン展開により、sの多項式に展開すると、
[数1]
exp(sTd)
=1+sTd+(1/2)s2(Td)2+(1/6)s3(Td)3+・・・
と表せることを利用すると、図11に示したブロック線図は、図12に示すブロック線図となり、さらに図13に示すブロック線図となる。すなわち、図13のブロック線図の意味するところは、位置指令値x*に対し、位置フィードバックxとしての位置検出値の誤差Δxは、
[数2]
Δx
={(1/2)s2(Td)2+(1/6)s3(Td)3+・・・}
×{1/(1+sTd)}
と表わされる。すなわち、この分だけの位置ずれが生じるということである。
上記数2式の右辺のうち、1/(1+sTd)は前記位置制御系の遅れモデルであるので、残りの{(1/2)s2(Td)2+(1/6)s3(Td)3+・・・}を、過剰補正項と称している。
この過剰補正項は、sの2次以上の多項式であるので、特殊な場合として、位置指令値x*が速度一定のパターンである場合に限っては、この位置指令値では2階以上の微分値が0となることから、このときの過剰補正項の出力も零となり、位置指令値x*と位置フィードバックxとは一致する。上記特許文献による従来例で、サーボモータ21の速度一定状態にて計測した遅れ時間Tdにより、位置偏差がキャンセルされるのはこの理由による。しかし一般的に、位置指令値x*にはサーボモータ21の加減速状態を含むので、前記過剰補正項により、位置指令値x*と位置フィードバックxとの間にずれが発生し、従って、追従遅れが生ずる。
この発明の目的は、上記問題点を解消しつつ、電子カム応用機械などに供されるサーボ制御装置の追従遅れを補正する際に、従来よりも高精度に補正できるサーボ制御装置を提供することにある。
この第1の発明は、指令される位相指令値の関数として予め定義された位置パターンに対して、前記位相指令値の位相を進める補正を行って得られた位置指令値に従って位置制御をするサーボ制御装置において、
前記位置パターンの2階微分値に係数を乗じた第1補正量と、該位置パターンの3階微分値に係数を乗じた第2補正量とを導出し、前記第1補正量と第2補正量と前記位置指令値とを加算演算した値を新たな位置指令値とする過剰補正消去手段を備えたことを特徴とする。
また第2の発明は、前記サーボ制御装置において、
前記位置パターンの2階微分値に係数を乗じた第1補正量と、該位置パターンの3階微分値に係数を乗じた第2補正量とを導出し、前記第1補正量,第2補正量それぞれ絶対値と、予め定めた上限値とを比較演算し、この上限値以下の前記第1補正量,第2補正量の何れか又は双方を前記位置指令値に加算演算した値を新たな位置指令値とする過剰補正消去手段を備えたことを特徴とする。
さらに第3の発明は、前記サーボ制御装置において、
前記位置パターンの2階微分値に係数を乗じた第1補正量と、該位置パターンの3階微分値に係数を乗じた第2補正量とを導出し、前記第1補正量,第2補正量それぞれ絶対値と、予め定めた下限値とを比較演算し、この下限値以上の前記第1補正量,第2補正量の何れか又は双方を前記位置指令値に加算演算した値を新たな位置指令値とする過剰補正消去手段を備えたことを特徴とする。
この本発明によれば、サーボ制御装置における位相遅れを補正する手段としての進角制御において、この進角制御に含まれる過剰補正項を打ち消すための過剰補正消去手段を備えることで、従来のサーボ制御装置より、位置偏差を低減したサーボ制御装置を構成することができる。
また、位置パターンの形状を判定することにより、位置制御系内の操作量(例えば、サーボモータへのトルク指令値)が、過剰補正消去手段の動作により、過大になることを防止できるサーボ制御装置を構成することができる。さらに、デジタル制御を行うサーボ制御装置に生じるデジタルノイズの位置指令値への重畳を防止することができる。
この発明の第1の実施の形態を示すサーボ制御装置の回路構成図 この発明の第2の実施の形態を示すサーボ制御装置の回路構成図 この発明の第1の実施例を示すブロック線図 図3の動作を説明するブロック線図 図3に示した補正項出力の例を示す特性図 図3に示した位置偏差の数値計算結果の特性図 この発明の第2の実施例を示すブロック線図 この発明の第3の実施例を示すブロック線図 従来例を示すサーボ制御装置の回路構成図 図9に示した位置パターン発生器の動作例を示す特性図 図9の動作を説明するブロック線図 図9の動作を説明するブロック線図 図9の動作を説明するブロック線図
図1は、この発明の第1の実施の形態を示すサーボ制御装置の回路構成図であり、この図において、図9に示した従来例構成と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその説明を省略する。
すなわち、図1に示したこの発明のサーボ制御装置が、図9に示した従来のサーボ制御装置と異なる点は、進角補正回路11と加算演算器12とを省略し、省略した進角補正回路11と等価な機能を有する進角補正回路11aを位置パターン発生器13の出力側に設置し、さらに、このサーボ制御装置では、過剰補正消去手段としての過剰補正量演算器31,32,33の何れかと加算演算器34とが追加装備され、この加算演算器34により、進角補正回路11aの出力値と過剰補正量演算器31,32,33の何れかの出力値との加算演算した値を新たな位置指令値x***としていることである。
このような構成において、上位コントローラ等から指令される位相指令値θが位置パターン発生器13に入力されると、位相指令値の関数として予め定義された進角補正のない位置指令値x*(位置パターン)を出力し、進角補正回路11aにより位相を進ませた位置指令値x**を出力する。一方、進角補正のない位置指令値x*は、過剰補正量演算器31(または32,33)に入力され、進角補正のない位置指令値x*の2階微分値に係数を乗じた第1補正量と、位置指令値x*の3階微分値に係数を乗じた第2補正量とを導出する。この第1補正量と第2補正量は、加算演算器34により位相を進ませた位置指令値x**と加算演算されて新たな位置指令値x***となり、この新たな位置指令値x***が位置調節器14に入力される。
そして、位置調節器14では、位置パターン発生器13から出力される位置指令値x***と、サーボモータ21の出力軸に連結されたパルスジェネレータ22が出力するシリアルパルスとを入力し、このシリアルパルスの積算値と前記位置指令値との偏差を零にする調節演算を行い、この調節演算した結果をサーボモータ21への速度指令値v*として出力する。速度調節器15では、速度指令値v*とパルスジェネレータ22が出力するシリアルパルスとを入力し、このシリアルパルスに基づくサーボモータ21の速度検出値との偏差を零にする調節演算を行い、さらに、この調節演算した結果に基づくベクトル制御演算を行って、電力変換器16への電圧指令値を出力する。電力変換器16は、前記電圧指令値に対応した振幅・周波数の交流電圧を出力し、この交流電圧でサーボモータ21が可変速駆動する。なお、上記では、位置および速度の検出用としてパルスジェネレータ22を使用した場合を例に挙げて説明しているが、パルスジェネレータ22に代えてアブソリュート型エンコーダ等を用いてもよい。
図2は、この発明の第2の実施の形態を示すサーボ制御装置の回路構成図であり、この図において、図9に示した従来例構成と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその説明を省略する。
すなわち、図2に示したこの発明のサーボ制御装置が、図9に示した従来のサーボ制御装置と異なる点は、図2に示したこの発明のサーボ制御装置には、過剰補正消去手段としての過剰補正量演算器31,32a,33aの何れかと加算演算器34とが追加され、この加算演算器34により、位置パターン発生器13の出力である位相を進ませた位置指令値x**と、過剰補正量演算器31a,32a,33aの何れかの出力値との加算演算した値を新たな位置指令値x***としていることである。
このような構成において、上位コントローラ等から指令される位相指令値θに対して進角補正回路11および加算演算器12により位相を進ませる補正処理を行い、この位相を進ませた位相指令値が位置パターン発生器13に入力される。位置パターン発生器13では、位相指令値の関数として予め定義された位相を進ませた位置指令値x**を出力する。一方、進角補正のない位相指令値θは、過剰補正量演算器31a(または32a,33a)に入力され、位相指令値の関数として予め定義された進角補正のない位置指令値x*(位置パターン)を演算するとともに、この進角補正のない位置指令値x*の2階微分値に係数を乗じた第1補正量と、位置指令値x*の3階微分値に係数を乗じた第2補正量とを導出する。この第1補正量と第2補正量は、加算演算器34により位相を進ませた位置指令値x**と加算演算されて新たな位置指令値x***となり、この新たな位置指令値x***が位置調節器14に入力される。以降は、図1と同様に電力変換器16が前記電圧指令値に対応した振幅・周波数の交流電圧を出力し、この交流電圧でサーボモータ21が可変速駆動する。
従って、このように図2に示したこの発明の第2の実施の形態のサーボ制御装置においては、過剰補正量演算器31a,32a,33aそれぞれは、位相指令値θが直接入力されたときの位置パターンf(θ)に基づいた演算を行う必要がある。
なお、位相指令値θの位相を進ませる補正処理を、位置パターン発生器13の後で行うか(図1の回路構成参照)、前で行うか(図2の回路構成参照)の間には、先述の如く、補正する単位の取り方に依存した単なる係数倍の比例関係にあることから、位相指令値θの位相を進ませる補正処理を、位置パターン発生器13の前後のいずれで行っても本発明は適応可能である。
図3は、この発明の第1の実施例として、図1に示したサーボ制御装置における過剰補正消去手段としての過剰補正量演算器31と加算演算器34とが追加されたときのサーボ制御装置を、伝達関数で表現したブロック線図である。
すなわち、図3に示したブロック線図が、図11に示した従来のサーボ制御装置に基づくブロック線図と異なる点は、過剰補正量演算器31としての加速度項41と加加速度項42とこれらを加算する加算演算器43と、加算演算器34とが追加装備されていることである。
この加速度項41は進角補正のない位置指令値x*(位置パターン)の2階微分に基づく値(図3参照)であり、加加速度項42は進角補正のない位置指令値x*(位置パターン)の3階微分に基づく値(図3参照)であり、図3に示した係数K2 およびK3 は、このサーボ制御装置を、ディジタルコントローラで構成した際に、演算誤差などによる補正のずれを調整するために設けた係数であり、理論上は1となる。また、図3に示した係数Tdは、進角補正項(図3参照)での時定数Tdであるので、従来の進角補正の調整で得られた値を流用すればよい。
図4は、図3に示したブロック線図を、マクローリン展開によりsの多項式に展開して表したブロック線図であり、この図においては、係数K2 およびK3 は1としている。
この図4に示したブロック線図から明らかなように、過剰補正項の加速度項(2階微分値)と加加速度項(3階微分値)とは、過剰補正量演算器31での二つの補正項により相殺される。その結果、従来のサーボ制御装置より、位置偏差を低減したサーボ制御装置になっている。なお、過剰補正項のうち、4次以上の項の影響は、一般に無視してよい。
図5は、過剰補正量演算器31から出力される補正値の大きさを示す特性図である。
この図では、数値計算の仮定として、位置パターン発生器13が出力する位置パターンf(θ)は、図10に示したように、位相指令値θの角速度ω=120°/sec(つまり3秒1周期)、位置指令の分解能37bit、制御演算周期250μsec、位置制御系の遅れTd=0.1sec、として計算を行ったものである。この設定条件下では、加速度項として最大1°、加加速度項として最大約0.2°の補正値が出力されている。
図6は、上記第1の実施例の回路構成による、位置偏差低減効果を示した図であり、このときの補正量は、図4に示した過剰補正量演算器31から出力される補正値であり、図5に示した値と同じにしている。
この特性図から明らかなように、従来のサーボ制御装置では位置偏差が最大1°であったものが、この発明の第1の実施例のサーボ制御装置では、最大約0.1°に位置偏差が低減することができる。
なお図6に示した特性図では、遅れ時間Td=0.1secと仮定して、補償効果の大きいことを説明したが、市販されている汎用のサーボ制御装置の中には、遅れ時間とほぼ等価の整定時間が数ミリsecといった高速応答性能を有するものもあり、このような高速応答性能のサーボ制御装置では、この発明を用いる効果は少ない。
しかしながら、前記高速応答性能のサーボ制御装置は相対的に高価であり、従って、この発明によるサーボ制御装置は、安価で、且つ、応答性能も高くないサーボ制御装置に適用することにより、位置偏差を低減する効果を実現することができる。例えば、高速応答性能が必要とする多軸制御用のサーボ制御装置に、この発明のサーボ制御装置を用いることが可能となり、その結果、安価な多軸制御用のサーボ制御装置を提供することができる。
図7は、この発明の第2の実施例として、図1に示したサーボ制御装置における過剰補正消去手段としての過剰補正量演算器32と加算演算器34とが追加されたときのサーボ制御装置を、伝達関数で表現したブロック線図である。
すなわち、図7に示したブロック線図が、図3に示した第1の実施例のサーボ制御装置に基づくブロック線図と異なる点は、加速度項41と加加速度項42と加算演算器43の他に、形状判定回路44とその接点44a,44bとを備えていることである。
この形状判定回路44では、位置パターン発生器13の出力値から加速度項41,加加速度項42それぞれに相当する値を求め、さらにこれらの値の絶対値をそれぞれ求め、これらの絶対値を予め定めた上限値と比較演算し、この上限値以下の側の接点44a,44bを閉路する動作を行い、この閉路する動作により、加速度項41,加加速度項42の何れか、または双方が過剰補正量演算器32から出力されるようにしている。
すなわち、前記上限値を超えたことに起因して、位置制御系内の操作量(例えば、サーボモータのトルク指令値)が過大になることを防止するようにしている。
なお、形状判定回路44の動作は、位置パターンf(θ)が変更される毎に行い、次の変更までは、接点44a,44bの状態を保持すればよい。
図8は、この発明の第3の実施例として、図1に示したサーボ制御装置における過剰補正量演算器33と加算演算器34とが追加されたときのサーボ制御装置を、伝達関数で表現したブロック線図である。
すなわち、図8に示したブロック線図が、図3に示した第1の実施例のサーボ制御装置に基づくブロック線図と異なる点は、加速度項41と加加速度項42と加算演算器43の他に、形状判定回路45とその接点45a,45bとを備えていることである。
この形状判定回路45では、位置パターン発生器13の出力値から加速度項41,加加速度項42それぞれに相当する値を求め、さらにこれらの値の絶対値をそれぞれ求め、これらの絶対値を予め定めた下限値と比較演算し、この上限値以上の側の接点45a,45bを閉路する動作を行い、この閉路する動作により、加速度項41,加加速度項42の何れか、または双方が過剰補正量演算器33から出力されるようにしている。
すなわち、前記下限値未満のときには、補正の効果が小さいものと判断している。その結果、デジタル制御を行うサーボ制御装置に生じるデジタルノイズの位置指令値への重畳を防止することができる。このデジタルノイズにより、例えば図5に示したように、加加速度項の線幅が太くなる如く、加加速度項に高周波の振動成分が生ずる。
なお、形状判定回路45の動作は、位置パターンf(θ)が変更される毎に行い、次の変更までは、接点45a,45bの状態を保持すればよい。
11…進角補正回路、12…加算演算器、13…位置パターン発生器、14…位置調節器、15…速度調節器、16…電力変換器、21…サーボモータ、22…パルスジェネレータ、31,32,33…過剰補正量演算器、34…加算演算器、44,45…形状判定回路。

Claims (3)

  1. 指令される位相指令値の関数として予め定義された位置パターンに対して、前記位相指令値の位相を進める補正を行って得られた位置指令値に従って位置制御をするサーボ制御装置において、
    前記位置パターンの2階微分値に係数を乗じた第1補正量と、該位置パターンの3階微分値に係数を乗じた第2補正量とを導出し、
    前記第1補正量と第2補正量と前記位置指令値とを加算演算した値を新たな位置指令値とする過剰補正消去手段を備えたことを特徴とするサーボ制御装置。
  2. 指令される位相指令値の関数として予め定義された位置パターンに対して、前記位相指令値の位相を進める補正を行って得られた位置指令値に従って位置制御をするサーボ制御装置において、
    前記位置パターンの2階微分値に係数を乗じた第1補正量と、該位置パターンの3階微分値に係数を乗じた第2補正量とを導出し、
    前記第1補正量,第2補正量それぞれ絶対値と、予め定めた上限値とを比較演算し、この上限値以下の前記第1補正量,第2補正量の何れか又は双方を前記位置指令値に加算演算した値を新たな位置指令値とする過剰補正消去手段を備えたことを特徴とするサーボ制御装置。
  3. 指令される位相指令値の関数として予め定義された位置パターンに対して、前記位相指令値の位相を進める補正を行って得られた位置指令値に従って位置制御をするサーボ制御装置において、
    前記位置パターンの2階微分値に係数を乗じた第1補正量と、該位置パターンの3階微分値に係数を乗じた第2補正量とを導出し、
    前記第1補正量,第2補正量それぞれ絶対値と、予め定めた下限値とを比較演算し、この下限値以上の前記第1補正量,第2補正量の何れか又は双方を前記位置指令値に加算演算した値を新たな位置指令値とする過剰補正消去手段を備えたことを特徴とするサーボ制御装置。
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