JP4134599B2 - 同期制御装置 - Google Patents

同期制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4134599B2
JP4134599B2 JP2002152346A JP2002152346A JP4134599B2 JP 4134599 B2 JP4134599 B2 JP 4134599B2 JP 2002152346 A JP2002152346 A JP 2002152346A JP 2002152346 A JP2002152346 A JP 2002152346A JP 4134599 B2 JP4134599 B2 JP 4134599B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
motor
information
speed
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002152346A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003345442A (ja
Inventor
健一 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yaskawa Electric Corp filed Critical Yaskawa Electric Corp
Priority to JP2002152346A priority Critical patent/JP4134599B2/ja
Publication of JP2003345442A publication Critical patent/JP2003345442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4134599B2 publication Critical patent/JP4134599B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Control Of Multiple Motors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の位置指令に基づいて複数のサーボモータを同期駆動して1つの可動部の動作を制御するための同期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
重量が大きい可動部を1つのサーボモータにより制御する場合、トルクが足りず、目標とする加速度及び速度が得られない場合がある。このような場合には、複数のサーボモータを同期駆動して、1つの可動部を複数のサーボモータにより制御することが行われる。そして、複数のサーボモータを同期駆動するために同期制御装置が用いられている。このような同期制御装置の従来の構成は、特開平11−305839号公報の「複数のサーボモータの制御方法」等に開示されているように、機器の可動部に複数の推進軸をボールネジなどで螺合させ、この推進軸をそれぞれサーボモータによって駆動制御するものであった。
【0003】
このような従来の同期制御装置の構成を図6に示す。この従来の同期制御装置は、図6に示されるように、サーボコントローラ32、33と、減算器51、加算器52と、位置補正ゲイン乗算器31と、サーボモータ5、8と、エンコーダ4、9と、推進軸であるボールねじ10、11と、可動部であるテーブル12とから構成されている。
【0004】
この従来の同期制御装置では、テーブル12に螺合されたボールねじ10、11をサーボモータ5、8によってそれぞれ所定の方向に同期回転させることにより、テーブル12の動作の制御を行っている。
【0005】
また、サーボコントローラ32は、位置制御器24と、速度制御器28と、電流制御器29と、電圧増幅器30と、差分演算器37と、減算器48〜50とから構成されている。また、サーボコントローラ33は、速度制御器34と、電流制御器35と、電圧増幅器36と、差分演算器38と、減算器53、54とから構成されている。
【0006】
サーボコントローラ32における減算器49、速度制御器28、減算器50、電流制御器29、電圧増幅器30、差分演算器37によりサーボモータ5を駆動する方法は、サーボコントローラ33でサーボモータ8を駆動する方法と同じため、サーボコントローラ32の説明のみ行う。
【0007】
サーボコントローラ32では、エンコーダ4は、サーボモータ5のモータ位置を検出してモータ位置情報として出力する。差分演算器37は、エンコーダ4により検出されたモータ位置情報からモータ速度を検出し、モータ速度情報として出力する。減算器48は位置指令1からエンコーダ4により検出されたモータ位置情報を減算して出力する。位置制御器24は、減算器48の出力に位置ゲインを乗算して速度指令を算出して出力する。減算器49は、位置制御器24により算出された速度指令から差分演算器37により求められたモータ速度情報を減算して速度偏差を求める。速度制御器28は、減算器49により求められた速度偏差に比例、積分制御等の速度ループ処理を行ってトルク指令を算出する。減算器50は、速度制御器28からのトルク指令に、電圧増幅器30からの電流フィードバック値を減算する。電流制御器29は、減算器50からの値を電流指令に変換する処理を行っている。電圧増幅器30は、電流制御器29からの電流指令から各相の電圧値を算出してサーボモータ5の制御を行うとともに、減算器50に電流フィードバック値を出力している。
【0008】
減算器51は、サーボコントローラ32におけるモータ位置情報と、サーボコントローラ33におけるモータ位置情報との差を求めている。位置補正ゲイン乗算器31は、減算器51の出力に位置補正ゲインを乗算して補正値として出力する。加算器52は、位置制御器24からの速度指令に位置補正ゲイン乗算器31からの補正値を加算した指令信号を、サーボコントローラ33に対する速度指令として出力する。
【0009】
図6に示した従来の同期制御装置では、サーボモータ5側の速度指令を、サーボモータ5とサーボモータ8の位置偏差に基づいて位置補償したものをサーボモータ8に対する速度指令として用いるようにしているので、2つのサーボモータ5、8の同期制御を実現することができる。
【0010】
具体的には、サーボモータ5とサーボモータ8の位置に差が生じた場合には、サーボコントローラ33への速度指令はその差を補償するような値に修正されるためサーボモータ5、8は同期制御されることとなる。
【0011】
このような従来の同期制御装置を構成しようとした場合、サーボモータ5、8を制御するための2つのサーボコントローラ32、33だけでなく、モータ位置の補償を行うために、位置補正ゲイン乗算器31、加算器52、減算器51等の構成が必要となる。上記のような補償演算を行わない場合でも、サーボコントローラ32からサーボコントローラ33へ速度指令を入力する必要はあるが、サーボモータ5側のサーボコントローラ32で上記の補償演算を行う場合、サーボモータ8のモータ位置をサーボコントローラ32に入力するための回路の追加がさらに必要となる。また、逆に、サーボコントローラ33で補償演算を行う場合も同様に、サーボモータ5のモータ位置をサーボコントローラ33に入力するための回路を追加する必要がある。
【0012】
サーボコントローラ内部で演算して補償データを作成する場合には、払い出しのタイミングをソフトデバッグ時に考慮することができ、調整が容易であるが、サーボコントローラ外部において補償データを作成する場合には、調整が困難である。そのため、サーボコントローラ間のネットワークを通して、データの授受を行う場合、補償データを払い出すタイミングがうまく合わずに同期制御の性能が劣化するという問題がある。また、サーボコントローラ32による制御は位置制御であり、サーボコントローラ33による制御は速度制御であるため、両方のサーボモータ5、8をとも位置制御により制御する構成に比べて、定常状態及び過渡状態での位置偏差が発生するという問題もある。さらに、ボールねじ10を第1軸とし、ボールねじ11を第2軸とした場合、この2軸間の干渉が負荷外乱となり発振が起こってしまう場合もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の同期制御装置では、下記のような問題点があった。
(1)サーボモータを制御するためのサーボコントローラ以外にも、位置補償を行うための回路が必要となる。
(2)同期制御性能の劣化、位置偏差の発生、発振等の可能性があり安定した制御を実現することができない。
【0014】
本発明の目的は、サーボコントローラ以外の回路を必要とすることなく安定した制御を実現することができる同期制御装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の同期制御装置は、同一の位置指令に基づいて複数のサーボモータを同期駆動して1つの可動部の動作を制御するための同期制御装置であって、
記複数のサーボモータのそれぞれに対応して設けられ、入力された位置指令に基づいて各サーボモータの制御をそれぞれ行うサーボコントローラと、
前記サーボコントローラに対応して設けられ、前記位置指令に基づいて、モデルトルク情報、モデル速度情報、モデル位置情報を生成し、生成した前記モデルトルク情報と、対応して設けられたサーボコントローラにおけるモータトルク情報との差に一定のゲインを乗算して位相補償をした信号を該サーボコントローラにおけるトルク指令に帰還し、生成した前記モデル速度情報と、対応して設けられた前記サーボコントローラにおけるモータ速度情報との差に一定のゲインを乗算して位相補償をした信号を該サーボコントローラにおける速度指令に帰還し、生成した前記モデル位置情報と、対応して設けられたサーボコントローラにおけるモータ位置情報との差に一定のゲインを乗算した信号を該サーボコントローラに入力された前記位置指令に加算するモータ制御装置モデルと、
を備えている。
【0016】
本発明によれば、サーボコントローラを対応するモータ制御装置モデル通りに動作させていることにより、外乱抑制を行うことができる。そのため、発振状態となることを防ぐことができ、安定した制御を実現することができる。
【0017】
また、本発明によれば、2軸間の干渉をそれぞれの軸の外乱とみなし、この外乱を抑制するような構成にしているため、両軸間の位置補正を行わずにそれぞれ独立して制御しても同期制御を実現することができる。そのため、位置補償を行うための回路をサーボコントローラ以外に必要とすることなく、1軸用のサーボコントローラを複数組み合わせるのみで同期制御装置を容易に実現することができる。
【0018】
また、前記モータ制御装置モデルを、
入力された前記位置指令からモデル位置情報を減算して出力する第1の減算器と、
前記第1の減算器からの出力に位置ゲインを乗算してモデル速度指令として出力するモデル乗算器と、
前記モデル乗算器からのモデル速度指令から前記モデル速度情報を減算して出力する第2の減算器と、
前記第2の減算器からの出力を積分することにより得られたモデルトルク情報を出力する第1のモデル積分器と、
前記第1のモデル積分器からのモデルトルク情報に、サーボモータ、負荷および速度ゲインを表した伝達関数を乗算することにより得られたモデル速度情報を出力るモデル速度制御部と、
前記モデル速度制御部からのモデル速度情報に対して積分演算を行うことにより得られたモデル位置情報を出力する第2のモデル積分器と、
前記第2のモデル積分器からのモデル位置情報から、対応するサーボコントローラにより制御されるサーボモータのモータ位置情報を減算して出力する第3の減算器と、
前記第3の減算器の出力に一定のゲインを乗算した信号を、対応するサーボコントローラに入力された前記位置指令に加算するための信号として出力する第1の乗算器と、
前記モデル速度制御部からのモデル速度情報から、対応するサーボコントローラからのモータ速度情報を減算して出力する第4の減算器と、
前記4の減算器の出力に一定のゲインを乗算した信号を、対応するサーボコントローラにおける速度指令に帰還するための信号として出力する第2の乗算器と、
前記第1のモデル積分器からのモデルトルク情報から、対応するサーボコントローラからのモータトルク情報を減算して出力する第5の減算器と、
前記第5の減算器の出力に一定のゲインを乗算した信号を、対応するサーボコントローラにおけるトルク指令に帰還するための信号として出力する第3の乗算器と
から構成するようにしてもよい。
【0019】
さらに、前記サーボコントローラを、
制御を行っているサーボモータのモータ位置情報からモータ速度を検出しモータ速度情報として出力する差分演算器と、
入力された前記位置指令から、制御を行っているサーボモータのモータ位置情報を減算するとともに、対応するモータ制御装置モデルにおける第1の乗算器からの出力を加算して出力する第1の演算器と、
前記第1の演算器からの出力に位置ゲインを乗算して速度指令として出力する第4の乗算器と、
前記第4の乗算器から出力された速度指令から、前記差分演算器から出力されたモータ速度情報を減算するとともに、対応するモータ制御装置モデルにおける第2の乗算器からの出力を加算して出力する第2の演算器と、
前記第2の演算器からの出力を積分することにより得られたトルク指令を出力する積分器と、
前記積分器から出力されたトルク指令から、前記差分演算器から出力されたモータ速度情報を減算するとともに、対応するモータ制御装置モデルにおける第3の乗算器からの出力を加算してモータトルク情報として出力する第3の演算器と、
前記第3の演算器から出力されたモータトルク情報に速度ゲインを乗算することにより、サーボモータを制御するための電圧を生成る第5の乗算器と
から構成するようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態の同期制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、図6中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略するものとする。
【0022】
本実施形態の同期制御装置は、サーボモータ5、8のそれぞれに対応して設けられているサーボコントローラ3、7と、サーボコントローラ3、7に対応してそれぞれ設けられているモータ制御装置モデル2、6と、エンコーダ4、9と、ボールねじ10、11と、テーブル12とから構成されている。
【0023】
本実施形態による同期制御装置では、図6に示した従来の同期制御装置と同様に、テーブル12に螺合されたボールねじ10、11をサーボモータ5、8によってそれぞれ所定の方向に同期回転させることにより、可動部であるテーブル12の動作の制御を行っている。
【0024】
本実施形態の同期制御装置では、モータ制御装置モデル2、サーボコントローラ3、サーボモータ5、エンコーダ4、ボールねじ10からなる制御系と、モータ制御装置モデル6、サーボコントローラ7、サーボモータ8、エンコーダ9、ボールねじ11からなる制御系とは全く同様な構成となっているため、1軸分の制御系の構成および動作のみを説明する。図2に、1軸分の制御系であるモータ制御装置モデル2、サーボコントローラ3の構成を示す。
【0025】
エンコーダ4は、モータ5の位置を検出し、検出されたモータ位置情報をモータ制御装置モデル2およびサーボコントローラ3に出力している。
【0026】
モータ装置モデル2は、サーボコントローラをモデル化したものであり、位置指令1に基づいて、モデルトルク情報、モデル速度情報、モデル位置情報を生成し、生成したモデルトルク情報と、対応して設けられたサーボコントローラ3におけるモータトルク情報との差に一定のゲインを乗算して位相補償をした信号をサーボコントローラ3におけるトルク指令に帰還し、生成したモデル速度情報と、対応して設けられたサーボコントローラ3におけるモータ速度情報との差に一定のゲインを乗算して位相補償をした信号をサーボコントローラ3における速度指令に帰還し、生成したモデル位置情報と、対応して設けられたサーボコントローラ3におけるモータ位置情報との差に一定のゲインを乗算した信号をサーボコントローラ3に入力された位置指令1に加算する処理を行っている。
【0027】
このような動作を行うモータ制御装置モデル2の具体的な構成を図2を参照して説明する。モータ制御装置モデル2は、図2に示されるように、スイッチ13と、モデル乗算器14と、モデル積分器15と、モデル速度制御部16と、モデル積分器17と、位相進み遅れフィルタ18、20、22と、乗算器19、21、23と、減算器40〜44とから構成されている。
【0028】
スイッチ13は位置指令1を減算器40に出力するか否かを決定する機能を備えていて、このスイッチ13のオン/オフにより本実施形態による機能の有効/無効が決定される。
【0029】
減算器40は、スイッチ13を介して入力された位置指令1からモデル積分器17からのモデル位置情報を減算してモデル乗算器14に出力する。モデル乗算器14は、減算器40からの出力に位置ゲインKpを乗算してモデル速度指令として出力する。減算器41は、モデル乗算器14からのモデル速度指令から、モデル速度制御部16からのモデル速度情報を減算してモデル積分器15に出力する。モデル積分器15は、減算器41からの出力を積分することにより得られたモデルトルク情報を出力している。
【0030】
モデル速度制御部16は、モデル積分器15からのモデルトルク情報に、サーボモータ、負荷および速度ゲインを表した伝達関数Kv/(s+Kv)を乗算することにより得られたモデル速度情報を出力している。モデル積分器17は、モデル速度制御部16からのモデル速度情報に対して積分演算を行うことにより得られたモデル位置情報を減算器42に出力している。
【0031】
減算器42は、モデル積分器17からのモデル位置情報から、対応するサーボコントローラ3により制御されるサーボモータ5のモータ位置情報である、エンコーダ4により検出されたモータ位置情報を減算して位相進み遅れフィルタ18に出力している。乗算器19は、位相進み遅れフィルタ18を介して入力された、モデル位置情報とモータ位置情報との差にゲインαを乗算している。乗算器19の出力は、サーボコントローラ3に入力される位置指令1に加算される。
【0032】
減算器43は、モデル速度制御部16からのモデル速度情報から、サーボコントローラ3からのモータ速度情報を減算して位相進み遅れフィルタ20に出力している。乗算器21は、位相進み遅れフィルタ20を介して入力された、モデル速度情報とモータ速度情報との差にゲインβを乗算している。乗算器21の出力は、乗算器24からの出力である速度指令に加算される。
【0033】
減算器44は、モデル積分器15からのモデルトルク情報から、サーボコントローラ3からのモータトルク情報を減算して位相進み遅れフィルタ22に出力している。乗算器23は、位相進み遅れフィルタ22を介して入力された、モデルトルク情報とモータトルク情報との差にゲインγを乗算している。乗算器23の出力は、積分器25からの出力であるトルク指令に加算される。
【0034】
また、サーボコントローラ3は、乗算器24〜26と、差分演算器27と、演算器45〜47とから構成されている。
【0035】
差分演算器27は、エンコーダ4により検出されたモータ位置情報からモータ速度を検出し、モータ速度情報として出力する。演算器45は、位置指令1からエンコーダ4により検出されたモータ位置情報を減算するとともに、モータ制御装置モデル2における乗算器19からの出力を加算して乗算器24に入力する。
【0036】
乗算器24は、演算器45からの出力に位置ゲインKpを乗算して速度指令として出力する。演算器46は、乗算器24から出力された速度指令から、差分演算器27から出力されたモータ速度情報を減算するとともに、乗算器21からの出力を加算して積分器25に入力する。
【0037】
積分器25は、演算器46からの出力を積分することにより得られたトルク指令を演算器47に出力している。演算器47は、積分器25から出力されたトルク指令から、差分演算器27から出力されたモータ速度情報を減算するとともに、乗算器23からの出力を加算してモータトルク情報として乗算器26に入力している。乗算器26は、演算器47から出力されたモータトルク情報に速度ゲインKvを乗算することにより、サーボモータ5を制御するためのトルク指令を生成している。
【0038】
次に、本実施形態の同期制御装置と従来の同期制御装置とを用いたシミュレーションの結果を図3、図4、図5に示す。
【0039】
図3は、2つのサーボモータ5、8により、ボールねじ10、11を駆動して1つのテーブル12の動作を制御することを模擬したシミュレーションモデルを示す図である。図3中の番号は、図1の番号に対応し、図1中のサーボモータ5、8、ボールねじ10、11、テーブル12のモデルをそれぞれ伝達関数により表している。ボールねじ10、11のモデルを表した伝達関数は、ボールねじのバネ特性を含んだものととなっている。また、サーボモータ5、ボールねじ10、テーブル12およびモータ8、ボールねじ11、テーブル12はそれぞれ2慣性モデルである。それぞれの共振周波数が異なる場合において、従来の同期制御装置では振動が発生する。送り速度を60m/minとする速度指令を積算したものを位置指令データとするシミュレーションを実行した。
【0040】
従来の同期制御装置を用いたシミュレーション結果を図4に示し、本実施形態の同期制御装置を用いたシミュレーション結果を図5に示す。
【0041】
図4(a)、図5(a)は速度の応答波形を表し、図4(b)、図5(b)は2軸間のトルク応答の差を表している。また、図4(c)、図5(c)は2軸間の速度応答の差を表し、図4(d)、図5(d)は2軸間の位置の差を表している。
【0042】
図4に示されるように従来の同期制御装置は発振しているが、本実施形態の同期制御装置では、図5を参照すると、トルク差(図5(b))、速度差(図5(c))、パルス偏差(図5(d))のピーク値が図4と比較して1/10〜1/100程度となり振動が抑制されていることがわかる。
【0043】
ここで、トルク差、速度差、パルス偏差とは、サーボコントローラ3とサーボコントローラ7における、それぞれのトルク、モータ速度、パルスの差を取ったものである。
【0044】
次に、本実施形態の同期制御装置によれば、発振が抑制される理由について以下に説明する。
【0045】
従来の同期制御装置では、2軸間の干渉があるため、高速送りを行うと同期誤差が多くなるという問題と、2軸それぞれの動特性が一致しない場合には図4に示すように発振状態となるという問題があった。これに対して、本実施形態の同期制御装置では、サーボコントローラ3、7をモータ制御装置モデル2、6通りに動作させている。そして、モータ制御装置モデル2、6は、発振するような要素を含んでいないため、指令系での発振はあり得ない。また、モータ制御装置モデル2、6には負荷外乱は発生しないため、サーボコントローラ3、7をそれぞれモータ制御装置モデル2、6通りに動作させることにより、外乱抑制ができる。そのため、発振状態となることを防ぐことができる。
【0046】
また、本実施形態の同期制御装置では、2軸間の干渉をそれぞれの軸の外乱とみなし、この外乱を抑制するような構成にしているため、両軸間の位置補正を行わずにそれぞれ独立して制御しても同期制御を実現することができる。そのため、本実施形態の同期制御装置によれば、ボールねじ10、11の各軸毎にそれぞれ独立してモータ制御装置モデルおよびサーボコントローラからなる制御装置を構成することができるので、1軸で使っていたサーボコントローラを新たに同期制御装置用のコントローラに置き換えることが容易に行える。また、一方の制御装置から他方の制御装置に対して信号を引き出す必要がないため、信号線が少なくてすみ、同期制御のための部品点数が少なくてすむ。また、モータ制御装置モデルのパラメータは、2軸とも同じであるため、調整は1軸分ですむという利点もある。
【0047】
本実施形態の同期制御装置では、可動部であるテーブル12を2つのサーボモータ5、8により駆動制御する場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上のサーボモータにより可動部を同期駆動するような場合にも同様に本発明を適用することができるものである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、下記のような効果を得ることができる。
(1)位置補償を行うための回路をサーボコントローラ以外に必要とすることなく複数のサーボモータの同期制御を行うことができる。
(2)同期制御性能の劣化、位置偏差の発生、発振状態の発生等を不正で安定した同期制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の同期制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した同期制御装置における1軸分の制御系であるモータ制御装置モデル2、サーボコントローラ3の構成を示した図である。
【図3】2つのサーボモータ5、8により、ボールねじ10、11を駆動して1つのテーブル12の動作を制御することを模擬したシミュレーションモデルを示す図である。
【図4】従来の同期制御装置を用いたシミュレーション結果を示す図である。
【図5】本実施形態の同期制御装置を用いたシミュレーション結果を示す図である。
【図6】従来の同期制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 位置指令
2 モータ制御装置モデル
3 サーボコントローラ
4 エンコーダ(E)
5 モータ(M)
6 モータ制御装置モデル
7 サーボコントローラ
8 モータ(M)
9 エンコーダ(E)
10、11 ボールねじ
12 テーブル
13 スイッチ
14 モデル乗算器
15 モデル積分器
16 モデル速度制御部
17 モデル積分器
18 位相進み遅れフィルタ
19 乗算器(α)
20 位相進み遅れフィルタ
21 乗算器(β)
22 位相進み遅れフィルタ
23 乗算器(γ)
24 乗算器(Kp)
25 積分器
26 乗算器(Kv)
27 差分演算器
28 速度制御器
29 電流制御器
30 電圧増幅器
31 位置補正ゲイン乗算器
32、33 サーボコントローラ
34 速度制御器
35 電流制御器
36 電圧増幅器
37、38 差分演算器
40〜44 減算器
45〜47 演算器
48〜51 減算器
52 加算器
53、54 減算器

Claims (3)

  1. 同一の位置指令に基づいて複数のサーボモータを同期駆動して1つの可動部の動作を制御するための同期制御装置であって、
    記複数のサーボモータのそれぞれに対応して設けられ、入力された位置指令に基づいて各サーボモータの制御をそれぞれ行うサーボコントローラと、
    前記サーボコントローラに対応して設けられ、前記位置指令に基づいて、モデルトルク情報、モデル速度情報、モデル位置情報を生成し、生成した前記モデルトルク情報と、対応して設けられたサーボコントローラにおけるモータトルク情報との差に一定のゲインを乗算して位相補償をした信号を該サーボコントローラにおけるトルク指令に帰還し、生成した前記モデル速度情報と、対応して設けられた前記サーボコントローラにおけるモータ速度情報との差に一定のゲインを乗算して位相補償をした信号を該サーボコントローラにおける速度指令に帰還し、生成した前記モデル位置情報と、対応して設けられたサーボコントローラにおけるモータ位置情報との差に一定のゲインを乗算した信号を該サーボコントローラに入力された前記位置指令に加算するモータ制御装置モデルと、
    を備えた同期制御装置。
  2. 前記モータ制御装置モデルが、
    入力された前記位置指令からモデル位置情報を減算して出力する第1の減算器と、
    前記第1の減算器からの出力に位置ゲインを乗算してモデル速度指令として出力するモデル乗算器と、
    前記モデル乗算器からのモデル速度指令から前記モデル速度情報を減算して出力する第2の減算器と、
    前記第2の減算器からの出力を積分することにより得られたモデルトルク情報を出力する第1のモデル積分器と、
    前記第1のモデル積分器からのモデルトルク情報に、サーボモータ、負荷および速度ゲインを表した伝達関数を乗算することにより得られたモデル速度情報を出力るモデル速度制御部と、
    前記モデル速度制御部からのモデル速度情報に対して積分演算を行うことにより得られたモデル位置情報を出力する第2のモデル積分器と、
    前記第2のモデル積分器からのモデル位置情報から、対応するサーボコントローラにより制御されるサーボモータのモータ位置情報を減算して出力する第3の減算器と、
    前記第3の減算器の出力に一定のゲインを乗算した信号を、対応するサーボコントローラに入力された前記位置指令に加算するための信号として出力する第1の乗算器と、
    前記モデル速度制御部からのモデル速度情報から、対応するサーボコントローラからのモータ速度情報を減算して出力する第4の減算器と、
    前記4の減算器の出力に一定のゲインを乗算した信号を、対応するサーボコントローラにおける速度指令に帰還するための信号として出力する第2の乗算器と、
    前記第1のモデル積分器からのモデルトルク情報から、対応するサーボコントローラからのモータトルク情報を減算して出力する第5の減算器と、
    前記第5の減算器の出力に一定のゲインを乗算した信号を、対応するサーボコントローラにおけるトルク指令に帰還するための信号として出力する第3の乗算器と、
    から構成されている請求項1記載の同期制御装置。
  3. 前記サーボコントローラが、
    制御を行っているサーボモータのモータ位置情報からモータ速度を検出しモータ速度情報として出力する差分演算器と、
    入力された前記位置指令から、制御を行っているサーボモータのモータ位置情報を減算するとともに、対応するモータ制御装置モデルにおける第1の乗算器からの出力を加算して出力する第1の演算器と、
    前記第1の演算器からの出力に位置ゲインを乗算して速度指令として出力する第4の乗算器と、
    前記第4の乗算器から出力された速度指令から、前記差分演算器から出力されたモータ速度情報を減算するとともに、対応するモータ制御装置モデルにおける第2の乗算器からの出力を加算して出力する第2の演算器と、
    前記第2の演算器からの出力を積分することにより得られたトルク指令を出力する積分器と、
    前記積分器から出力されたトルク指令から、前記差分演算器から出力されたモータ速度情報を減算するとともに、対応するモータ制御装置モデルにおける第3の乗算器からの出力を加算してモータトルク情報として出力する第3の演算器と、
    前記第3の演算器から出力されたモータトルク情報に速度ゲインを乗算することにより、サーボモータを制御するための電圧を生成る第5の乗算器と、
    から構成されている請求項2記載の同期制御装置。
JP2002152346A 2002-05-27 2002-05-27 同期制御装置 Expired - Fee Related JP4134599B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002152346A JP4134599B2 (ja) 2002-05-27 2002-05-27 同期制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002152346A JP4134599B2 (ja) 2002-05-27 2002-05-27 同期制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003345442A JP2003345442A (ja) 2003-12-05
JP4134599B2 true JP4134599B2 (ja) 2008-08-20

Family

ID=29769693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002152346A Expired - Fee Related JP4134599B2 (ja) 2002-05-27 2002-05-27 同期制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4134599B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5342159B2 (ja) * 2008-03-25 2013-11-13 株式会社日立ハイテクインスツルメンツ 電子部品装着装置
JP2010049599A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 工作機械
TWI657025B (zh) * 2010-12-15 2019-04-21 辛波提克有限責任公司 自動運輸機器
JP6391489B2 (ja) * 2015-02-10 2018-09-19 山洋電気株式会社 モータ制御装置
JP7049754B2 (ja) * 2015-02-13 2022-04-07 山洋電気株式会社 モータ制御装置
JP5996148B1 (ja) * 2015-04-23 2016-09-21 三菱電機株式会社 多軸制御システム設定調整支援装置
CN115514258A (zh) * 2022-09-15 2022-12-23 上海新纪元机器人有限公司 多电机同步力控方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003345442A (ja) 2003-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4289299B2 (ja) サーボ制御器
JP4575508B1 (ja) デュアル位置フィードバック制御を行うサーボ制御装置
JP4760912B2 (ja) サーボ制御装置
JP5192571B2 (ja) 一つの被駆動体を二つの電動機で駆動させる制御装置
JP5582425B2 (ja) モータ制御装置
US10126734B2 (en) Servo control apparatus for driving plurality of motors
JPH0830313A (ja) サーボシステムの制御装置
JP4134599B2 (ja) 同期制御装置
JP4226420B2 (ja) 位置制御装置
JP7049754B2 (ja) モータ制御装置
JP2007336687A (ja) モータ制御装置
JPH10295092A (ja) 電動機の速度制御装置
JP5662836B2 (ja) 同期制御装置と同期制御方法
JP2011067016A (ja) サーボ制御装置
JP6391489B2 (ja) モータ制御装置
JP2004310261A (ja) モータ制御装置
JP2005182427A (ja) 制御演算装置
JP3438195B2 (ja) モータの制御装置
JP2005269758A (ja) モータ制御装置
JP2002163006A (ja) 電動機制御装置および制御方法
JP3234308B2 (ja) 複合制御系の制御装置および複合制御系の制御方法
JP4020660B2 (ja) サーボ制御システム
KR940003946B1 (ko) 로보트 제어장치
JPH07123762A (ja) モータドライブ装置
JP3589251B2 (ja) 速度フィードバック遅れ補正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070829

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071029

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20071029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140613

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees