JP2011063504A - 窒化物半導体結晶およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シード基板上に半導体層を成長させて窒化物半導体結晶を得る窒化物半導体結晶製造方法において、前記シード基板は同一材料の複数のシード基板を含み、前記複数のシード基板のうち少なくとも1つは他のシード基板とオフ角が異なり、前記複数のシード基板上に単一の半導体層を成長させたときに、前記単一の半導体層のオフ角分布が前記複数のシード基板のオフ角分布よりも少なくなるように、半導体結晶製造装置内に前記複数のシード基板を配置して、前記単一の半導体層を成長させることを特徴とする窒化物半導体結晶製造方法。
【選択図】図5
Description
1.シード基板上に半導体層を成長させて窒化物半導体結晶を得る窒化物半導体結晶製造方法において、前記シード基板は同一材料の複数のシード基板を含み、前記複数のシード基板のうち少なくとも1つは他のシード基板とオフ角が異なり、前記複数のシード基板上に単一の半導体層を成長させたときに、前記単一の半導体層のオフ角分布が前記複数のシード基板のオフ角分布よりも少なくなるように、前記複数のシード基板を配置して、前記
単一の半導体層を成長させることを特徴とする窒化物半導体結晶製造方法。
2.前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略{10−10}面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[0001]軸方向および[11−20]軸方向のいずれかのオフ角のみが異なっていることを特徴とする前項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
3.前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略{11−20}面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[0001]軸方向および[10−10]軸方向のいずれかのオフ角のみが異なっていることを特徴とする前項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
4.前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略(0001)面または略(000−1)面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[10−10]軸方向および[11−20]軸方向のいずれかのオフ角のみが異なっていることを特徴とする前項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
5.前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略(0001)面または略(000−1)面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[10−10]軸方向と[11−20]軸方向の両方のオフ角が異なっていることを特徴とする前項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
6.前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略{10−10}面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[11−20]軸方向と[0001]軸方向の両方のオフ角が異なっていることを特徴とする前項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
7.前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略{11−20}面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[10−10]軸方向と[0001]軸方向の両方のオフ角が異なっていることを特徴とする前項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
8.前記複数のシード基板上に単一の半導体層を成長させたときに、該単一の半導体層のオフ角のばらつきが少なくなるように、徐々にオフ角を変化させて、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする前項1から7のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製
造方法。
9.前記複数のシード基板の中央付近から周辺部に向かうに従って徐々にオフ角が変化するように、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする前項1から8のいずれか1
項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。10.連続している複数のシード基板の結晶学的面形状が凸状となるように、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする前項1から9のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
11.前記複数のシード基板からなるシードの両端のオフ角よりも、該シードの中間部のオフ角の方が小さくなるように、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする前項1から10のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
12.前記複数のシード基板のうち少なくとも一部の隣接するシード基板のオフ角の方向がほぼ同一となるように、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする前項1から11のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
13.前記複数のシード基板は、サファイア、SiC、ZnOおよびIII族窒化物半導体から選ばれる少なくとも1を含むことを特徴とする前項1から12のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
14.前記単一の半導体層は窒化ガリウム、窒化アルミニウムおよび窒化インジウム並びにこれらの混晶から選ばれる少なくとも1であることを特徴とする前項1から13のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
15.HVPE法、MOCVD法、MBE法、昇華法およびPLD法の少なくともいずれか1により前記複数のシード基板上に単一の半導体層を成長させることを特徴とする前項1から14のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
16.前記複数のシード基板は、同一材料の複数のインゴットを用意して、前記各インゴットにおいて最もオフ角の少ない部分を各インゴットから切り出すことで製造されたシード基板であることを特徴とする前項1から15のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶
製造方法。
17.前記複数のシード基板は、結晶軸の傾きの角度が中心付近から周辺部に向かうに従って変化して行くインゴットから切り出すことで製造された、複数のシード基板のうち少なくとも1つは他のシード基板とオフ角が異なる複数のシード基板であることを特徴とする前項1から16のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
18.前記インゴットを、シ−ド上に半導体層を成長させる半導体結晶製造方法によって作ることを特徴とする前項16または17に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
19.前項1〜18のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたIII族窒化物半導体結晶。
20.直径2インチ内で、オフ角分布が1°以下であることを特徴とする(0001)面以外の主面を有するIII族窒化物半導体結晶。
21.六方晶系結晶の{10−10}面に対して0°〜65°のオフ角で傾斜する主面を有し、かつ主面の表面を貫通する転位を有する、厚さが100μm〜8cmのIII族窒化物半導体結晶であって、該III族窒化物半導体結晶の2インチあたりの[10−10]軸の[0001]軸方向へのオフ角分布が±0.93°以内であることを特徴とするIII族窒化物半導体結晶。
22.結晶1mmあたりのオフ角変化量が0.015°を超える領域が存在することを特徴とする前項20または21に記載のIII族窒化物半導体結晶。
23.結晶1mmあたりのオフ角変化量が0.056°を超える領域が存在することを特徴とする前項20から22のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体結晶。
24.結晶1mmあたりのオフ角変化量が0.03°を超える領域が複数箇所存在することを特徴とする前項20から23のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体結晶。
25.前記主面の面積が750mm2より大きいことを特徴とする前項20から24のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体結晶。
26.前記主面の表面を貫通する転位の転位密度が5×105〜2×108cm−2であることを特徴とする前項20から25のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体結晶。
シード基板は、結晶成長面上に所望の窒化物半導体結晶を成長させることができるものであれば、その種類は問わない。また、シード基板を結晶成長用の下地基板として用いてもよい。窒化物半導体結晶が六方晶系半導体であるので、シード基板は六方晶系半導体からなることが好ましい。
であることが好ましい。格子不整合に起因する欠陥発生を抑制できるからである。製造しようとしている窒化物半導体結晶とシード基板の格子定数の差は、窒化物半導体結晶の格子定数を基準に17%以内であることが好ましく、5%以内であることがより好ましい。
本発明の本質から外れない限り、シード基板の形状は特に限定されるものではないが、いわゆるバー状の形状のものを用いてもよい。また、複数のシード基板が同じ形状であれば、多数枚のシード基板を配置しやすくなるため好ましい。シード基板の主面の形状は多角形であってもよく、長方形や正方形も好ましく用いることができる。
結晶幾何学においては、結晶面の面方位を表わすために(hkl)または(hkil)などの表示が用いられる。III族窒化物結晶などの六方晶系の結晶における結晶面の面方位は、(hkil)で表わされる。
複数のシード基板を含むシード基板の主面の面積は大きいほどよく、50mm2以上であることが好ましく、75mm2以上であることがより好ましく、100mm2以上がさらに好ましい。
「接合面」とは、複数のシード基板を配置する際にシード基板同士で隣接する面を指す。接合面と主面のなす角度は特に限定されないが、シード基板準備加工の行い易さを考慮すると、ほぼ直角が望ましい。接合面と主面のなす角度は、88°〜92°が好ましく、89°〜91°がより好ましく、89.5°〜90.5°がさらに好ましい。
図3は、低指数面に対する主面法線方向の傾き(オフ角)を説明するための、シード基板の主面法線方向と、シード基板結晶軸方向との関係を示した模式図である。図3では、主面の低指数面が(10−10)面、接合面が(0001)面および(11−20)面である場合を想定している。なお、シード基板のオフ角はX線解析法により測定することができる。
接合面法線方向は、低指数面から傾いていてもよいし、傾いていなくてもよい。但し、配置し易さと接合後の結晶のツイスト角分布を考えると、向かい合う2つの接合面の各軸方向の低指数面からの傾きの差が小さい方が好ましい。従って、対向する2つの接合面の各軸方向の低指数面からの傾きの差は、1°以内が好ましく、0.7°以内がさらに好ましく、0.5°以下がより好ましい。
しく、0.7°以内がさらに好ましく、0.5°以内がより好ましい。シード基板間の各軸方向の低指数面からの傾きの絶対値分布を1°以内とすることにより、接合面をほぼ平行に向い合わせることができ、接合後の結晶のツイスト角分布を小さくできるからである。
所望の面を有するシード基板は、必要に応じてインゴットを切り出すことにより得ることができる。例えば、(0001)面を有するIII族窒化物半導体インゴットを形成し、その後に{10−10}面又は{11−20}面が現れるように切り出すことによって{10−10}面又は{11−20}面を主面とするシード基板を得ることができる。
本発明の製造方法においては、複数のシード基板を配置して、該複数のシード基板上に単一の半導体層を成長させる。ここで、「単一の半導体層」とは、一体的な1つの半導体層であることを指す。
でX線回折測定を行うことにより求めることができる。前記単一の半導体層のオフ角分布と前記複数のシード基板のオフ角分布との差は、前記単一の半導体層のオフ角分布を基準に、10%以上の差であることが好ましく、20%〜2000%の差であることがより好ましい。
3°以上がさらに好ましい。シード基板のオフ角の絶対値を0.1°以上とすることにより、片方のシード基板の低指数面の成長部が隙間を跨ぐ前に、隣り合うシード基板の双方からの横方向成長部が、隙間上で会合してしまうのを抑制することができる。
「シード基板間のオフ角変化量」とは、中央付近から周辺部に向かうに従って徐々に各シード基板のオフ角が変化するように複数のシード基板を配置して作製したシード基板に
含まれる各シード基板間のオフ角の変化量を指す。
°以上であることがより好ましく、±0.5°以上であることがさらに好ましい。
本発明では、シード基板に対して、原料ガスを供給することによって、シード基板の結晶成長面に対して垂直な方向へ板状結晶を成長させる。成長方法としては、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)、ハイドライド気相成長法(HVPE法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、昇華法およびパルスレーザー堆積法(PLD法)等が挙げられるが、成長速度の高いHVPE法が好ましい。
リアクター400の材質としては、例えば、石英、焼結体窒化ホウ素およびステンレス等が挙げられる。好ましい材質は石英である。
リアクター400内には、反応開始前にあらかじめ雰囲気ガスを充填しておく。雰囲気ガス(キャリアガス)としては、例えば、水素、窒素、He、NeおよびArのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
サセプター407の材質としてはカーボンが好ましく、SiCで表面をコーティングしているものがより好ましい。
リザーバー405には、成長させる窒化物半導体の原料を入れる。例えば、III−V族の窒化物半導体を成長させる場合は、III族源となる原料を入れる。そのようなIII族源となる原料として、例えば、Ga、AlおよびInなどを挙げることができる。
導入管404からは、窒素源となる原料ガスを供給する。通常はNH3を供給する。また、導入管401からは、キャリアガスを供給する。キャリアガスとしては、導入管404から供給するキャリアガスと同じものを例示することができる。このキャリアガスは原料ガスノズルを分離し、ノズル先端にポリ結晶が付着することを防ぐ効果もある。
導入管401〜404から供給する上記ガスは、それぞれ互いに入れ替えて別の導入管から供給しても構わない。また、窒素源となる原料ガスとキャリアガスは、同じ導入管から混合して供給してもよい。さらに他の導入管からキャリアガスを混合してもよい。これらの供給態様は、リアクター400の大きさや形状、原料の反応性、目的とする結晶成長速度などに応じて、適宜決定することができる。
ガス排気管408は、リアクター内壁の上面、底面および側面に設置することができる。ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図4のようにリアクター底面にガス排気管408が設置されていることがより好ましい。
本発明における結晶成長は、通常は950℃〜1120℃で行い、970℃〜1100℃で行うことが好ましく、980℃〜1090℃で行うことがより好ましく、990℃〜1080℃で行うことがさらに好ましい。この範囲とすることにより、鏡面を有する窒化
物半導体結晶が得られやすいからである。
本発明における結晶成長の成長速度は、成長方法、成長温度、原料ガス供給量および結晶成長面方位等により異なるが、一般的には5μm/h〜500μm/hの範囲であり、10μm/h以上が好ましく、50μm/h以上がより好ましく、70μm以上であることがさらに好ましい。この範囲とすることにより生産性を上げることができるからである。
本発明の製造方法によれば、主面の面積が大きな窒化物半導体結晶を容易に得ることができる。窒化物半導体結晶の主面の面積は、シード基板の結晶成長面のサイズや結晶成長時間により適宜調整することが可能である。
本発明により提供される窒化物半導体結晶の種類は特に制限されない。具体的には、III族窒化物半導体結晶を挙げることができ、より具体的には、例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウムおよび窒化インジウム、並びにこれらの混晶を挙げることができる。
13)面および(10−1−3)面;{10−10}面に対して65°のオフ角を有する(10−14)面および(10−1−4)面;{10−10}面に対して15°のオフ角を有する(20−21)面および(20−2−1)面などが挙げられる。
本発明の製造方法により得られた窒化物半導体結晶は、さまざまな用途に用いることができる。特に、紫外、青色又は緑色等の発光ダイオード、半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子や、電子デバイス等の半導体デバイスの基板として有用である。また、本発明の製造方法により製造した窒化物半導体結晶をシード基板として用いて、さらに大きな窒化物半導体結晶を得ることも可能である。
[11−20]方向に25mm、[0001]方向に5mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、
[0001]方向に−0.30°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−0.01°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に+0.30°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚の、
オフ角の異なる計3枚のシード基板を用意した。
mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[10−10]方向には3.5mm成長した。[11−20]方向に29mm、[0001]方向に19mm、厚さ330umの長方形の(10−10)面を主面とする自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。当該主面の面積は、551mm2であった。
以下の通り、実施例1とはオフ角の異なるシード基板を用いて順次シード基板を配置した以外は、実施例1と同様に実施した。
[0001]方向に−5.03°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−4.71°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚の、
オフ角の異なる計3枚のシード基板を用意した。
に2mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[10−10]方向には3.5mm成長した。[11−20]方向に29mm、[0001]方向に19mm、厚さ330umの長方形の(10−10)面を主面とする自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。当該主面の面積は、551mm2であった。
以下の通り、実施例1とはオフ角の異なるシード基板を用いて順次シード基板を配置した以外は、実施例1と同様に実施した。
[0001]方向に−5.01°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−4.50°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚の、
オフ角の異なる計3枚のシード基板を用意した。
た。[11−20]方向に29mm、[0001]方向に19mm、厚さ330umの長方形の(10−10)面を主面とする自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。当該主面の面積は、551mm2であった。
[11−20]方向に25mm、[0001]方向に5mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、
[0001]方向に−5.6°〜−4.4°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板を20枚用意した。
基板とシード基板の間の境界領域上方の領域が結合し、さらに配置シード基板の外周部が[11−20]方向、[−1−120]方向にはそれぞれ2mmずつ、[0001]方向に2mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[10−10]方向には3.5mm成長した。直径2インチ、厚さ440umの(10−10)面を主面とする自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。当該主面の面積は、1963mm2であった。
[11−20]軸を(10−1−1)面に投影した方向に25mm、[0001]軸を(10−1−1)面に投影した方向に15mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、[0001]方向に−0.6°、−0.2°、+0.2°、+0.6°のオフ角を有している(10−1−1)面窒化ガリウムシード基板を合計8枚用意した。
シード基板(10−1−1)面の表裏面の平行度は0.5°以内である。
8枚のシード基板を[0001]軸を(10−1−1)面に投影した方向に4列、[11−20]方向に2列並べ、(0001)面から[10−10]方向に28°のオフ角を有する面と(000−1)面から[10−10]方向に−28°のオフ角を有する面が対向、または(11−20)面と(−1−120)面が対向するように、さらに断面どうしが0.5°以内の平行度になるようにサセプター上に並べた。中央側のシード基板の[10−1−1]軸に対し、外側のシード基板の[10−1−1]軸が、常にシード基板に対し裏面側から表面側に向かうに従って外側へ向くようにシード基板を並べた。つまり、シード基板の[0001]方向のオフ角は、[0001]から[000−1]にいくにつれ、オフ角の値が大きくなるように(オフ角の絶対値は小さくなるように)、並べた。
単結晶成長工程が終了後、室温まで降温し、成長した結晶を取り出したところ、シード基板とシード基板の間の境界領域上方の領域が結合し、さらに配置シード基板の外周部の拡大成長は2mm以下であった。[10−1−1]方向には10.3mm成長した。[0001]方向に20mm、[11−20]方向に50mm、厚さ440umの長方形の(10−10)面を主面とする自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。
をX線回折法により測定したところ、0.352°であった。得られた自立基板面内におけるC軸([0001]軸)方向のチルト角分布を2インチ換算になおすと、±0.44°であった。C軸([0001]軸)方向の結晶軸の曲率半径は1.6mであった。
得られた自立基板のX線ロッキングカーブ半値幅は、[0001]方向に垂直にX線ビームを入射した場合の(10−10)面対称反射で44秒であった。得られた自立基板について、CL測定を行い、シード基板上方の領域、シード基板とシード基板の間の境界領域の上方の領域ともに1×106cm−2以上の密度を有する暗点が観測された。
以下の通り、実施例1とはオフ角の異なるシード基板を用いて順次シード基板を配置した以外は、実施例1と同様に実施した。
[0001]方向に+0.01°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−0.02°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に+0.02°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚の、
計3枚のシード基板を用意した。
0−10)面自立基板を示す。
以下の通り、実施例1とはオフ角の異なるシード基板を用いて順次シード基板を配置した以外は、実施例1と同様に実施した。
[0001]方向に−4.99°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−5.01°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−5.00°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚の、
計3枚のシード基板を用意した。
以下の通り、実施例1とはオフ角の異なるシード基板を用いて順次シード基板を配置した以外は、実施例1と同様に実施した。
[0001]方向に−5.01°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−5.00°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−4.98°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚の、
計3枚のシード基板を用意した。
以下の通り、実施例1とはオフ角の異なるシード基板を用いて順次シード基板を配置した以外は、実施例1と同様に実施した。
示す。
[0001]方向に−5.03°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚と、
[0001]方向に−5.28°のオフ角を有している(10−10)面窒化ガリウムシード基板1枚の、
オフ角の異なる計3枚のシード基板を用意した。
以下の通り、実施例1とは異なり複数のシード基板を並べずに、1枚のシード上に成長した以外は、実施例1と同様に実施した。
102 101上に成長させた窒化物半導体結晶
103 102の破線でスライスして製造した基板
201 オフ角の異なる複数のシード基板
202 201上に成長させた窒化物半導体結晶
203 202の破線でスライスして製造した基板
400 リアクター
401 キャリアガス用配管
402 ドーパントガス用配管
403 III族原料用配管
404 V族原料用配管
405 HClガス用配管
405 III族原料用リザーバー
406 ヒーター
407 サセプター
408 排気管
501 実施例1におけるシード基板、およびその配置
502 501上で成長させた窒化ガリウム単結晶
503 502の破線でスライスして製造した基板
701 実施例2におけるシード基板、およびその配置
702 701上で成長させた窒化ガリウム単結晶
703 702の破線でスライスして製造した基板
801 実施例3におけるシード基板、およびその配置
802 801上で成長させた窒化ガリウム単結晶
803 802の破線でスライスして製造した基板
901 実施例4におけるシード基板、およびその配置
902 901上で成長させた窒化ガリウム単結晶
903 902の破線でスライスして製造した基板
1001 比較例1におけるシード基板、およびその配置
1002 1001上で成長させた窒化ガリウム単結晶
1003 1002の破線でスライスして製造した基板
1101 比較例2におけるシード基板、およびその配置
1102 1101上で成長させた窒化ガリウム単結晶
1103 1102の破線でスライスして製造した基板
1201 比較例3におけるシード基板、およびその配置
1202 1201上で成長させた窒化ガリウム単結晶
1203 1202の破線でスライスして製造した基板
1301 比較例4におけるシード基板、およびその配置
1302 1301上で成長させた窒化ガリウム単結晶
1303 1302の破線でスライスして製造した基板
G1 キャリアガス
G2 ドーパントガス
G3 III族原料ガス
G4 V族原料ガス
Claims (26)
- シード基板上に半導体層を成長させて窒化物半導体結晶を得る窒化物半導体結晶製造方法において、前記シード基板は同一材料の複数のシード基板を含み、前記複数のシード基板のうち少なくとも1つは他のシード基板とオフ角が異なり、前記複数のシード基板上に単一の半導体層を成長させたときに、前記単一の半導体層のオフ角分布が前記複数のシード基板のオフ角分布よりも少なくなるように、前記複数のシード基板を配置して、前記単一の半導体層を成長させることを特徴とする窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略{10−10}面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[0001]軸方向および[11−20]軸方向のいずれかのオフ角のみが異なっていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略{11−20}面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[0001]軸方向および[10−10]軸方向のいずれかのオフ角のみが異なっていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略(0001)面または略(000−1)面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[10−10]軸方向および[11−20]軸方向のいずれかのオフ角のみが異なっていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略(0001)面または略(000−1)面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[10−10]軸方向と[11−20]軸方向の両方のオフ角が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略{10−10}面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[11−20]軸方向と[0001]軸方向の両方のオフ角が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板は六方晶系半導体からなり、成長面は略{11−20}面であり、複数のシード基板のうちの少なくとも1つのシード基板は前記他のシード基板に対し、[10−10]軸方向と[0001]軸方向の両方のオフ角が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板上に単一の半導体層を成長させたときに、該単一の半導体層のオフ角のばらつきが少なくなるように、徐々にオフ角を変化させて、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製
造方法。 - 前記複数のシード基板の中央付近から周辺部に向かうに従って徐々にオフ角が変化するように、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする請求項1から8のいずれか1
項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。 - 連続している複数のシード基板の結晶学的面形状が凸状となるように、前記複数のシー
ド基板を配置することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の窒化物半導体
結晶製造方法。 - 前記複数のシード基板からなるシードの両端のオフ角よりも、該シードの中間部のオフ角の方が小さくなるように、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板のうち少なくとも一部の隣接するシード基板のオフ角の方向がほぼ同一となるように、前記複数のシード基板を配置することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板は、サファイア、SiC、ZnOおよびIII族窒化物半導体から選ばれる少なくとも1を含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記単一の半導体層は窒化ガリウム、窒化アルミニウムおよび窒化インジウム並びにこれらの混晶から選ばれる少なくとも1であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- HVPE法、MOCVD法、MBE法、昇華法およびPLD法の少なくともいずれか1により前記複数のシード基板上に単一の半導体層を成長させることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記複数のシード基板は、同一材料の複数のインゴットを用意して、前記各インゴットにおいて最もオフ角の少ない部分を各インゴットから切り出すことで製造されたシード基板であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製
造方法。 - 前記複数のシード基板は、結晶軸の傾きの角度が中心付近から周辺部に向かうに従って変化して行くインゴットから切り出すことで製造された、複数のシード基板のうち少なくとも1つは他のシード基板とオフ角が異なる複数のシード基板であることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 前記インゴットを、シ−ド上に半導体層を成長させる半導体結晶製造方法によって作ることを特徴とする請求項16または17に記載の窒化物半導体結晶製造方法。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたIII族窒化物半導体結晶。
- 直径2インチ内で、オフ角分布が1°以下であることを特徴とする(0001)面以外の主面を有するIII族窒化物半導体結晶。
- 六方晶系結晶の{10−10}面に対して0°〜65°のオフ角で傾斜する主面を有し、かつ主面の表面を貫通する転位を有する、厚さが100μm〜8cmのIII族窒化物半導体結晶であって、該III族窒化物半導体結晶の2インチあたりの[10−10]軸の[0001]軸方向へのオフ角分布が±0.93°以内であることを特徴とするIII族窒化物半導体結晶。
- 結晶1mmあたりのオフ角変化量が0.015°を超える領域が存在することを特徴とする請求項20または21に記載のIII族窒化物半導体結晶。
- 結晶1mmあたりのオフ角変化量が0.056°を超える領域が存在することを特徴とする請求項20から22のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体結晶。
- 結晶1mmあたりのオフ角変化量が0.03°を超える領域が複数箇所存在することを特徴とする請求項20から23のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体結晶。
- 前記主面の面積が750mm2より大きいことを特徴とする請求項20から24のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体結晶。
- 主面の表面を貫通する転位の転位密度が5×105〜2×108cm−2であることを特徴とする請求項20から25のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体結晶。
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