JP2011059443A - 光学素子の接着固定構造、光学素子の接着固定方法、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光学素子の接着固定構造、光学素子の接着固定方法、光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】固定部材の接着座面上に塗布する接着剤の塗布量を変更させずに所望の接着面積が得られ、且つ剥れの発生を抑制し、製造工程の複雑化や高コスト化も防ぐ光学素子の接着固定構造、光学素子の接着固定方法、光走査装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】固定部材14は、光学素子4を接着固定する接着座面20の一部の領域に、光学素子4の接着面33の範囲内に接着剤21を貯える開口部40を備え。開口部40は、接着剤21を貯えた際に接着剤21の層と空気の層とを有し、空気層が固定部材14外の空気と接触するように固定部材14を貫通する領域が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置等に用いられる光学素子を固定部材に接着する光学素子の接着固定構造、光学素子の接着固定方法、該光学素子を備える光走査装置及び画像形成装置に関する。
近年、光走査装置を備えるデジタル複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置が広く普及している。しかし、この光走査装置を画像形成装置に取付ける際に生じる誤差等により、光走査装置の品質が低下してしまうという問題があった。また、光走査装置の品質を確保するために、上記取付け誤差に加え、形状誤差等のメカ的誤差を取り除くことも所望されている。
上記問題を解決するために、光学素子を調整しながら取付けることで組立時に誤差分を吸収し、取付け誤差や形状誤差を取り除く技術が提案されている(例えば、特許文献1)。例えば、特許文献1には、走査線の品質向上を目的とし、走査レンズ(fθレンズ)とシリンドリカルレンズを接着剤塗布した状態で位置調整し、調整後に紫外線を照射して固定する技術が開示されている。
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、光学素子と筐体等の固定部材との距離によって接着面積が変化してしまうという課題があった。図7は、光学素子と筐体の距離と接着面積の関係について説明するための図である。以下に、上記課題について、図7を用いて説明する。
図7の(a)には、第1筐体14の接着座面20に、シリンドリカルレンズ4との距離が短い場合に合わせて接着剤21を塗布した例を示している。図2の(b)に示すように、第1筐体14とシリンドリカルレンズ4との距離が短い場合には、十分な接着面積が得ることができる。しかし、図2の(c)に示すように、第1筐体14とシリンドリカルレンズ4との距離が長い場合は、接着座面20とシリンドリカルレンズ4の間を満たすための接着剤21が不足するため、所望の接着面積が得られなくなる。
他方、図2の(d)には、第1筐体14の接着座面20に、シリンドリカルレンズ4との距離が長い場合に合わせて接着剤21を塗布した例を示している。図2の(f)に示すように、第1筐体14とシリンドリカルレンズ4との距離が長い場合は、所望の接着面積が得られ、且つ接着座面20に接着剤21が収まっている。しかしながら、図2の(e)に示すように、第1筐体14とシリンドリカルレンズ4との距離が短い場合には、接着座面20とシリンドリカルレンズ4の間を満たす接着剤21が余るため、接着座面20から接着剤21がはみ出て、シリンドリカルレンズ4の有効面に接着剤21が回り込み、所望の特性が得られなくなるおそれがある。
上述したように、上記特許文献1に記載の技術では、光学素子の接着位置を光学特性に合わせて調整するため、光学装置毎に光学素子と固定部材の間隔が異なり、塗布する接着剤量を一定にすると、光学素子と固定部材の間隔により接着面積が変化し、光学素子の固定力が変化してしまうという課題があった。
上記課題を解決するために、光学装置毎に、光学素子と固定部材の間隔に合わせた接着剤量を塗布することが考えられる。しかし、光学素子の位置を調整した後に、一度、光学素子を退避してから接着剤を塗布することになるため、作業工数が増加し、作業コストの増化に繋がってしまうという課題があった。
また、上記課題を解決する他の方法として、常に十分な接着面積を維持できるように、光学素子と固定部材の間隔が広い場合に塗布する接着剤量に合わせて接着剤量を設定することが考えられる。しかしながら、図7の(e)に示すように、光学素子と固定部材の間隔が狭くなった場合に、接着剤が余ってしまうことで光学素子の有効面に回り込み、所望の特性が得られなくなるおそれがあるという課題があった。
本発明はこのような実情を鑑みてなされたものであり、上記課題を解決し、固定部材の接着座面上に塗布する接着剤の塗布量を変更させずに所望の接着面積が得られ、且つ剥れの発生を抑制し、製造工程の複雑化や高コスト化も防ぐ光学素子の接着固定構造、光学素子の接着固定方法、光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の光学素子の接着固定構造は、光学素子を固定部材に接着剤を用いて接着固定する光学素子の接着固定構造であって、固定部材は、光学素子を接着固定する接着座面の一部の領域に、光学素子の接着面の範囲内に接着剤を貯える開口部を備え、開口部は、接着剤を貯えた際に接着剤の層と空気の層とを有し、空気層が固定部材外の空気と接触するように固定部材を貫通する領域が設けられていることを特徴とする。
本発明の光学素子の接着固定方法は、光学素子を固定部材に接着剤を用いて接着固定する光学素子の接着固定方法であって、光学素子を接着固定する接着座面の一部の領域に光学素子の接着面の範囲内に接着剤を貯えるように形成された開口部を有する固定部材の接着座面であって、開口部以外の領域に接着剤を塗布する塗布工程と、光学素子の接着面を接着剤に付着させる付着工程と、光学素子の位置を調整する調整工程と、を備え、開口部は、接着剤を貯えた際には接着剤の層と空気の層とを有し、空気層が固定部材外の空気と接触するように固定部材を貫通する領域が設けられていることを特徴とする。
本発明の光走査装置は、光学素子を固定部材に接着剤を用いて接着固定する光走査装置であって、固定部材は、光学素子を接着固定する接着座面の一部の領域に、光学素子の接着面の範囲内に接着剤を貯える開口部を備え、開口部は、接着剤を貯えた際に接着剤の層と空気の層とを有し、空気層が固定部材外の空気と接触するように固定部材を貫通する領域が設けられていることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、上記光学素子の接着固定構造及び上記光走査装置の何れかを備えることを特徴とする。
本発明によれば、光走査装置の品質を確保し、且つ製造工程の複雑化や高コスト化も防ぐことが可能となる。
本実施形態に係る光走査装置の概略構成例を示す図である。 本実施形態に係る光走査装置の調整について説明するための図である。 本実施形態に係る光学素子の接着固定構造例を示す模式図である。 本実施形態に係る光学素子の接着固定方法を示す模式図である。 本実施形態に係る光学素子の接着固定構造例を示す模式図である。 本実施形態に係る光学素子の接着固定構造例を示す模式図である。 本発明に関連する光走査装置における光学素子と筐体の距離と接着面積との関係について説明するための図である。
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る光走査装置の概略構成例を示す。図1に示すように、本実施形態に係る光走査装置は、第1筐体14と第2筐体15とを備えている。第1筐体14は、光源1、カップリングレンズ2、アパーチャ3、シリンドリカルレンズ4、光偏向器5、走査レンズ6を保持する。他方、第2筐体15は、導光用光学素子である折り曲げミラー7を保持する。上記したように、本実施形態に係る光走査装置は2筐体構造であるので、第2筐体15は様々な光路を選択することができ、光学性能の調整範囲はそのままに多種の形態の光走査装置を構成することができる。
半導体レーザ等の光源1から放射された発散性の光束はカップリングレンズ2により以後の光学系にカップリングされる。本実施形態では、光源が単一の発光点をもつもの場合を例に挙げて説明するが、複数の発光点をもつ光源でもよいことは言うまでもない。カップリングレンズ2を透過した光束は、アパーチャ3の開口部を通過する際、光束周辺部を遮断されてビーム整形され、線像結像光学系であるシリンドリカルレンズ4に入射する。シリンドリカルレンズ4は、パワーのない方向を主走査方向に向け、副走査方向には正のパワーを持ち、入射してくる光束を副走査方向に集束させ、ポリゴンミラー等の光偏向器5の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として集光させる。偏向器前光学系は、カップリングレンズ2、アパーチャ3、シリンドリカルレンズ4により構成されている。
偏向反射面により反射された光束は、光偏向器5の等速回転に伴い等角速度的に偏向しつつ、走査レンズ系をなす1枚の走査レンズ6を透過し、光束を被走査面に導光するための導光素子としての折り曲げミラー7により光路を折曲げられ、被走査面の実体をなす光導電性の感光体上に光スポットとして集光し、被走査面を光走査する。本実施形態では、走査レンズ系が1枚の走査レンズで構成されている例を挙げて説明するが、複数枚の構成であってもよい。本実施形態のように、走査レンズ系を1枚の走査レンズで構成した場合、第1筐体14の小型化が可能になるのに加え、走査レンズ系の小型化に寄与することができる。
偏向光束は感光体の光走査に先立って、図示しない同期ミラーにより反射され、同期レンズにより同期検知部に主走査方向に集光される。同期検知部の出力に基づき、光走査の書込開始タイミングが決定される。走査レンズ6には主走査方向にパワーをもたないノンパワー部分が設けられている。光走査を行って被走査面上に画像の書込を行う場合、主走査方向の書き出し位置を揃えるために同期信号の検出が必須となる。このときノンパワー部分において同期信号検出用の光束を通すようにすると、書き出し位置の温度安定性が高まるのに加え、後述する透過光学素子12の挿入や除去に対しても共通な同期信号検出用光学系の構築が可能となる。
光走査装置を調整する際は第1筐体14のみを用い、調整用光束16を測定することによって、カップリングレンズ2、シリンドリカルレンズ4及び走査レンズ6の主走査平面上の位置と姿勢を調整し、接着剤を用いて接着する。接着剤としては、例えば加熱や紫外線照射で硬化する樹脂等を用いることができるが、これに限定されるものではない。以下、本実施形態では、紫外線硬化型接着剤での接着固定を例に挙げて説明するが、紫外線硬化型接着剤以外の光硬化型接着剤も適用するこが可能である。
本実施形態では、「主走査平面上の位置」は光偏向器5の回転軸に直交する平面上の位置(光軸上の位置を含む)を示している。「主走査平面上の姿勢」は、光学素子の主走査平面上のある方向に対する配置角度を示している。また、「導光」は、光束の進行方向を制御し、所望の位置へ光束を導く行為を示している。
図2は、本実施形態に係る光走査装置の調整について説明するための図である。以下、図1及び図2を用いて本実施形態に係る光走査装置の調整について説明する。
本実施形態に係る光走査装置は、上記構成に加え、熱と騒音を遮断するための透過光学素子12を備えることができる。また、第1筐体14の、光偏向器5と走査レンズ6との間に、パワーを持たない透過光学素子12を取付けるための機構を備えていてもよい。ノンパワー化は、透過光学素子12を光束が集光及び発散の作用を受けない平行平板等の形態とすることにより実現できる。また、透過光学素子12を取付けるための機構として、透過光学素子12を着脱自在に保持する保持機構17を適用することができる。例えば、保持機構17は、透過光学素子12の端部を挿入するための溝を対向して設けることにより、透過光学素子12を着脱自在に保持することができる。本実施形態では、透過光学素子12は偏向器前光学系と走査レンズ6の双方に対応する構成となっているが、光束の入射角、反射角の程度によっては走査レンズ6のみに対応する大きさとすることもできる。
ここで、例えば筐体が小さく光偏向器5と筐体の壁面が非常に近い場合等、透過光学素子12の挿入が必ずしも熱遮断の対策とならず、むしろ逆効果となることがある。上記のような場合は、光学性能の温度安定性にとっては透過光学素子12を除去した方がよい。他方、光偏向器5の回転速度が速く、熱よりも騒音の問題が顕著である場合は、透過光学素子12を挿入すればよい。このように、場合に応じて透過光学素子12の挿入や除去が簡便に選択できる。その際、上記調整時に例えばカップリングレンズ2と走査レンズ6の主走査平面上の位置と姿勢を調整することにより、新たな光学素子の追加を要することなく同一の光学素子で透過光学素子12の有無に対応した光走査装置を構成することができる。
調整を行うカップリングレンズ2、シリンドリカルレンズ4及び走査レンズ6、すなわち、光偏向器5を除く調整可能な光学素子は、主走査平面上の位置と姿勢を筐体の位置決め基準によって規定されていない。これらの光学素子は光学的に設計された基準位置に設置する必要があるから、調整、接着時に図示しない取外し可能な位置決め冶具を一時的に用いて位置と姿勢を決定する。接着剤でその位置と姿勢を決定することにより、機械的な保持機構を設ける必要がなくなり、レイアウトに制限されない柔軟な調整が可能となる。また、筐体に主走査平面上の位置及び姿勢決めの基準がなく、冶具を用いて取付けるため、走査レンズ6を成形する際、どちらにゲートがついてもよい。
例えば、透過光学素子12が挿入されていることを前提に設計された光走査装置の場合であって、温度安定性等の理由で透過光学素子12を除去した場合を考える。透過光学素子12はパワーを持たないとは言え屈折作用を持つので、光走査装置の光学性能の一端を担っている。単に除去しただけでは像面湾曲が像面に対して回転し、ビームウエスト位置の像高間偏差が大きくなってしまう等、光学特性の劣化が起こる。
そこで、図2中の矢印(2a、2b、4a、6a、6b)に示したような光学素子の位置と姿勢の調整を行うことで、上述したような光学特性の劣化を補償し、透過光学素子12の除去前と遜色ない光学性能を得ることができる。つまり、本実施形態では、カップリングレンズ2の光軸上位置(2a)と主走査方向位置(2b)、シリンドリカルレンズ4の光軸上位置(4a)及び走査レンズ6の主走査方向位置(6a)と主走査平面上の姿勢(6b)を調整している。例えば、透過光学素子12の挿入の有無で変化する光線の反射点を上記のように調整して反射点を調整し、それに応じた被走査面上の光学特性を走査レンズ6の調整で補填する。
上記のような調整を、第1筐体14のみで行うことにより、光源1〜走査レンズ6までのばらつき及び誤差も補償する調整が可能になる。また、第2筐体15の選択の幅が広がり、被走査面への導光形態の自由度が大きくなるので、画像形成装置を構成する場合の設計自由度を向上させることができる。
次に、本実施形態における光学素子の接着固定構造について説明する。尚、本実施形態では、シリンドリカルレンズ4の接着固定について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、シリンドリカルレンズ4だけでなく、カップリングレンズ2等の他の光学素子にも適用することができる。
図3は、本実施形態に係る光学素子の接着固定構造例を示す。図3には、本実施形態に係る光学装置の第1筐体14に設けられた接着座面の断面図を例として示している。図3に示すように、固定部材である第1筐体14に設けられた接着座面20には、接着剤21を貯えるための開口部40が形成されている。尚、本実施形態では、開口部として穴を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
図4は、本実施形態に係る光学素子の接着固定方法を示す。以下に、本実施形態に係る光学素子の接着固定方法の流れについて、図4を用いて説明する。
まず、図4の(a)に示すように、第1筐体14の接着座面20に、接着剤21を塗布する。尚、接着座面20に形成された開口部40には接着剤21を塗布しないようにする。このように接着剤21が塗布された接着座面20に、シリンドリカルレンズ4を接近させ、図4の(b)に示すように、シリンドリカルレンズ4の接着面33に接着剤20を付着させる。
次に、図4の(c)に示すように、シリンドリカルレンズ4の位置を調整して下げると、第1筐体14とシリンドリカルレンズ4との距離が短くなり過剰な接着剤21が発生してしまう。しかし、第1筐体14とシリンドリカルレンズ4との距離が短くなることにより発生した過剰な接着剤21は、矢印Aの方向に流れ、開口部40に吸収される。また、図4の(d)に示すように、シリンドリカルレンズ4の位置を調整して、接着座面20とシリンドリカルレンズ4との距離が長くなっても、開口部40に貯えた接着剤21を矢印Bの方向に吸い上げることで、接着座面20とシリンドリカルレンズ4の間にある接着剤21だけでは不足する分を補うことができる。
次に、固定部材である第1筐体14に設けられた開口部40について説明する。
図5は、本実施形態に係る本実施形態に係る光学素子の接着固定構造例を示す。図5の(a)〜(c)には、本実施形態に係る光学装置の第1筐体14に設けられた接着座面20の断面図を例として示している。尚、本実施形態では、接着剤21として紫外線照射で硬化する樹脂を適用する場合を例に挙げて説明する。
図5の(a)に示すように、シリンドリカルレンズ4の接着面33と接着座面20に設けた開口部40の側面41が成す角度が、直角(θ1)である場合は、シリンドリカルレンズ4を透過して照射される紫外線25によって開口部40の中に貯えられた接着剤21も硬化させることができる。同様に、図5の(b)に示すように、シリンドリカルレンズ4の接着面33と接着座面20に設けた開口部40の側面41が成す角度が、鋭角(θ2)である場合は、シリンドリカルレンズ4を透過して照射される紫外線25によって開口部40の中に貯えられた接着剤21も硬化させることができる。
他方、図5(c)に示すように、シリンドリカルレンズ4の接着面33と接着座面20に設けた開口部40の側面41が成す角度が、鈍角(θ3)である場合には、シリンドリカルレンズ4を透過して照射される紫外線25によって開口部40の中に貯えられた接着剤21を全て硬化できないことがある。つまり、開口部40の中の接着剤21には、接着座面20によって影となり、紫外線25が届かない領域が存在してしまい、接着剤未硬化部21aが発生するおそれがある。以上のことから、接着剤21として、紫外線硬化型接着剤を適用した場合には、シリンドリカルレンズ4の接着面33と接着座面20に設けた開口部40の側面41が成す角度は、鋭角又は直角であることが好ましい。特に、シリンドリカルレンズ4の接着面33と接着座面20に設けた開口部40の側面41が成す角度は、30〜90℃であることが好ましい。
尚、接着剤21として、紫外線等の光により硬化するような材料を用いていなような場合には、開口部40の側面41が成す角度について特に限定されない。また、本実施形態では、開口部40の側面41が平坦である場合を例として示したが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態では、開口部40の形状として、第1筐体14を貫通するように形成された穴を例に挙げて説明した。開口部40として、上記したような穴を適用することで、開口部40に貯えられた接着剤21は外気と接触することができる。つまり、上記穴のような構成では、過剰な接着剤21が接着座面20に塗布された場合であっても、穴の中に存在している空気を排出することができ、過剰な接着剤21を穴の中に吸収し、貯えることができる。
尚、開口部40の形状は、上記したような第1筐体14を貫通するように形成された穴に限定されるものではなく、例えば、図6に示すような凹部等も適用することができる。図6では、開口部40として、第1筐体14を貫通しないように形成された溝形状の凹部を適用した例を示している。図6に示す例では、空気を排出する領域は、第1筐体14であって接着座面20と対向する面ではなく、第1筐体14であって接着座面20と略垂直な面に設けられている。図6では、光学素子であるシリンドリカルレンズ4を矢印Cの方向に調整する場合の例を示している。図6に示すように、開口部40の中の空気を矢印D方向に排出入させることができるので、シリンドリカルレンズ4を矢印方向Cに調整した場合にも、接着剤21を矢印E方向に貯えること等ができる。
上述したように、開口部40の形状は、接着剤21を貯える際に該接着剤21が外気と接することができるような形状であれば何れの形状でも適用できる。しかし、上記したように接着剤21に紫外線等の光により硬化するような材料を用いている等の場合には、開口部40に貯えられた接着剤21を、接着面33の範囲内にあるようにすることが好ましい。接着面33として規定している範囲を超えて流れ込んだ接着剤21は、紫外線を照射し接着剤21を硬化させる際に照射範囲から外れてしまうため、紫外線が当らず、未硬化のまま調整接着工程を終えることとなり、光学素子が位置偏変動を起こすおそれがあるためである。つまり、本実施形態では、接着面33の範囲内に接着剤21を貯えることができ、接着剤21を貯えた際には、接着剤層とは異なる空気層を貯えることができ、この空気層が筐体外の空気と接することができるような開口部40が好適である。
本実施形態により、塗布する接着剤が一定量であっても、所望の接着面積を得ることができ、且つ剥れの発生を抑制し、製造工程の複雑化や高コスト化も防ぐことが可能となる。つまり、光学素子の位置に合わせて接着剤の塗布量を変更することなく、どのような位置に光学素子を調整しても、常に所望する接着面積を確保できることが可能となる。そのため、接着剤硬化後に強靭な接着強度が得ることができる。その結果、温度変動や衝撃及び振動等の外乱影響に耐える接着強度を得ることが可能となる。また、過剰な接着剤を接着面内の開口部に納めることで、接着剤が光学素子の機能面に回り込むことを防止することが可能となり、安定した品質の光学素子の接着固定構造や光走査装置を実現することが可能となる。
また、光学素子を固定する接着剤に、紫外線硬化型接着剤や光硬化型接着剤等を適用した場合には、接着剤を貯える開口部の側面と光学素子の接着面とが成す角度を鋭角又は直角とすることで、開口部の側面まで紫外線や可視光を照射することができるため、開口部の中まで接着剤を硬化させることができる。そのため、未硬化の接着剤による光学素子の位置変動を起こさないような、安定した品質の光学素子の接着固定構造や光走査装置を実現することができる。尚、接着剤として熱硬化型接着剤を適用した場合であっても、接着剤を接着面の範囲内に納めることで、接着剤未硬化による光学素子の位置偏変動発生を抑制することが可能となる。
さらに、接着剤の未硬化部がなく、所望の接着面積を持ち、光学素子の機能面に接着剤が回り込むおそれのない光走査装置又は接着固定構造を搭載した画像形成装置により、安定して高画質な画像を得ることが可能となる。
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した光学素子の接着固定構造、光学素子の接着固定方法、光走査装置及び画像形成装置に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。
上記実施形態では、書込系レンズを接着固定する例を挙げて説明した。しかし、本発明は、例えば読み取り系のレンズ固定や、通信系に用いられるファイバー用コリメートレンズの固定等にも適用することが可能である。
1 光源
2 カップリングレンズ
3 アパーチャ
4 シリンドリカルレンズ
5 光偏光器
6 走査レンズ
7 折り曲げミラー
12 透過光学素子
14 第1筐体
15 第2筐体
16 調整用光束
17 保持機構
20 接着座面
21 接着剤
25 紫外線
26 紫外線照射装置
33 接着面
40 開口部
41 開口部側面
特開2007−249002号公報

Claims (12)

  1. 光学素子を固定部材に接着剤を用いて接着固定する光学素子の接着固定構造であって、
    前記固定部材は、前記光学素子を接着固定する接着座面の一部の領域に、前記光学素子の接着面の範囲内に前記接着剤を貯える開口部を備え、
    前記開口部は、前記接着剤を貯えた際に前記接着剤の層と空気の層とを有し、前記空気層が前記固定部材外の空気と接触するように前記固定部材を貫通する領域が設けられていることを特徴とする光学素子の接着固定構造。
  2. 前記開口部は、前記固定部材の接着座面と対向する面を貫通して形成されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子の接着固定構造。
  3. 前記開口部は、前記光学素子の接着面と鋭角及び直角の何れかの角度を成す面と前記接着面と略平行な面とで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の接着固定構造。
  4. 前記開口部は、前記光学素子の接着面と30〜90度の角度を成す面と前記接着面と略平行な面とで形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光学素子の接着固定構造。
  5. 前記接着剤は、光硬化樹脂及び熱硬化樹脂の何れかを含有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光学素子の接着固定構造。
  6. 光学素子を固定部材に接着剤を用いて接着固定する光学素子の接着固定方法であって、
    前記光学素子を接着固定する接着座面の一部の領域に前記光学素子の接着面の範囲内に前記接着剤を貯えるように形成された開口部を有する固定部材の接着座面であって、前記開口部以外の領域に接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記光学素子の接着面を前記接着剤に付着させる付着工程と、
    前記光学素子の位置を調整する調整工程と、を備え、
    前記開口部は、前記接着剤を貯えた際には前記接着剤の層と空気の層とを有し、前記空気層が前記固定部材外の空気と接触するように前記固定部材を貫通する領域が設けられていることを特徴とする光学素子の接着固定方法。
  7. 光学素子を固定部材に接着剤を用いて接着固定する光走査装置であって、
    前記固定部材は、前記光学素子を接着固定する接着座面の一部の領域に、前記光学素子の接着面の範囲内に前記接着剤を貯える開口部を備え、
    前記開口部は、前記接着剤を貯えた際に前記接着剤の層と空気の層とを有し、前記空気層が前記固定部材外の空気と接触するように前記固定部材を貫通する領域が設けられていることを特徴とする光走査装置。
  8. 前記開口部は、前記固定部材の接着座面と対向する面を貫通して形成されていることを特徴とする請求項7記載の光走査装置。
  9. 前記開口部は、前記光学素子の接着面と鋭角及び直角の何れかの角度を成す面と前記接着面と略平行な面とで形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の光走査装置。
  10. 前記開口部は、前記光学素子の接着面と30〜90度の角度を成す面と前記接着面と略平行な面とで形成されていることを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の光走査装置。
  11. 前記接着剤は、光硬化樹脂及び熱硬化樹脂の何れかを含有することを特徴とする請求項7から10の何れか1項に記載の光走査装置。
  12. 請求項1から5の何れか1項に記載の光学素子の接着固定構造及び請求項7から11の何れか1項に記載の光走査装置の何れかを備えることを特徴とする画像形成装置。
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