JP2006308754A - 走査光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体レーザの自己発熱やレーザ駆動IC等の発熱等による半導体レーザの位置ずれ及び走査線の照射位置変動を抑制する。
【解決手段】 半導体レーザの保持構造において、半導体レーザと保持部材との嵌合部を突出するように構成し、上述した嵌合部に風を流し込む為のリブを形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、電子写真プロセスを有するレーザビームプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に搭載される走査光学装置に好適であり、特に、半導体レーザを強固に保持し、かつ発熱する光源部近傍の放熱性を向上して、走査線の照射位置ずれを抑制するように構成した走査光学装置に関するものである。
従来、走査光学装置における半導体レーザの固定方法としては、光源装置を用いた構成であり、特許文献1に提案が為されている。従来例の光源装置の構成を図8を用いて次に説明する。光源である半導体レーザSを圧入保持するホルダ部材10と、レーザ光を略平行光化するコリメータレンズCを保持し、半導体レーザSと所定距離に配せられるレンズホルダ40で構成される光源装置Eにおいて、半導体レーザをS圧入保持するホルダ部材10が樹脂製の支持体からなり、該支持体に保持される半導体レーザSのステム外周面S30に、少なくとも1ヶ所以上ホルダ部材10に接触しない露出面を形成するようにして、半導体レーザSをホルダ部材10に保持する構成である。
なお、上記構成において、半導体レーザSはホルダ部材10に保持され、後に半導体レーザSの発光点に対して、コリメータレンズCを光軸方向に摺動させ焦点距離を合わせ込み、光軸と垂直な平面上に摺動させて照射位置を調整して接着等で固定してユニット化される。組立においては、各部品精度や組立精度を十分必要とされ、その後の環境特性においても、半導体レーザSとコリメータレンズCの相対位置関係を変化させることなく固定維持することが重要とされる。
また、光源装置Eは、ホルダ部材10が有する円筒形状の嵌合部12によって、走査光学装置の筐体に嵌合されて取り付けられるように構成されている。
特開平11-186671号公報
しかしながら、上記従来例において、以下のような課題があった。半導体レーザは、駆動と同時に電流が流れるので、自己発熱によって温度上昇をする。また、半導体レーザを駆動する為のレーザ駆動回路基板には駆動ICが搭載されており、駆動に際して同様に昇温する。なお、レーザ駆動ICは、電気的な応答性の観点から、半導体レーザの直ぐ近くに配置されている。ここで、半導体レーザと支持部材が嵌合する保持部近傍は、支持部材がその周部を覆われて封止されている為に昇温しても放熱されることなく熱篭もりする。保持部は昇温と同時に熱膨張し、特に、半導体レーザ保持部の一部に切り欠き部が形成されている為、より顕著に嵌合部が外側へ広がるように変形し、半導体レーザを保持している残留応力が解放され、保持力が低減する。
図4は、環境温度による昇温と半導体レーザの保持力との関係を示した図である。温度の上昇と共に、半導体レーザの保持部が熱膨張して、保持力が低下していくことが分かる。
従って、半導体レーザの保持部が温度変化によって熱収縮し半導体レーザの位置がずれる。つまり、図5の矢印に示すように、発光点とコリメータレンズとの相対位置が変化し、走査光学系における結像特性を損なう恐れがあった。
また、半導体レーザの支持部材を光学箱に組み込んで一体化する走査光学装置においては、例えば、レーザ光の照射位置方向(XY)については、支持部材が有する円周形状の嵌合部で光軸を決定するように構成し、光軸方向(Z)については、支持部材が有する光軸と垂直な平面で為るフランジ部をねじ等によって拘束されて光学箱に固定される。この時の組付け状態を図6-aを用いて説明すると、光学箱と支持部材とは、円周形状の嵌合部において数箇所の点接触で光軸の位置決めが為される。上述したように、半導体レーザ及びその駆動ICとが昇温した状態において、支持部材が有する嵌合部近傍が熱膨張する。光学箱における前記複数の接触部は、取り付け方法等によってばらつきを持ち、任意の方向に突き当てられる。よって、前記接触点を支点にして、その反対側に生じた隙間部の方向に熱膨張し、図6-bに示すように支持部材によって光軸が倒れるように熱変形を生じる。つまり、レーザ光の照射位置が変動し、画像品質を悪化させる要因の一つであった。
なお、レーザ光が偏向走査装置に偏向走査される方向(以下、主走査と記す)の位置ずれに関しては、例えば、回転するポリゴンミラーと水平同期信号によって印字タイミングを調整可能なので主走査方向のずれに関しては補正することが可能であるが、被走査面である感光体等の回転方向(以下、副走査と記す)については、調整や補正手段がなく、組立精度でその後の環境特性をも保証して維持することが必要になる。
また、上述したような懸念点において、特に、カラー画像形成装置では、複数の半導体レーザを用いて構成する場合、複数の走査線を重ね合わせる為、照射位置の変動方向及び変動量が各走査線の相対差が色ずれとして現れるので、これによる画像劣化が懸念されていた。
そこで本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、半導体レーザを保持する支持部材において、半導体レーザが保持される嵌合部を突出するように構成し、半導体レーザの保持部を強固に保持すると同時に放熱性を高め、半導体レーザの位置ずれと発熱部の昇温を抑制することで、走査線の照射位置変動を低減する高精度な走査光学装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための本発明は、少なくとも1つ以上の光源である半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光束を平行光化するコリメータレンズとを備える光源部と、該光源部から出射された光束を偏向走査する偏向走査装置と、偏向された光束を所定面上に結像させる少なくとも1つ以上の走査レンズと、これらの光学部品を収納する光学箱と、該光学箱を閉塞する蓋とから構成される走査光学装置において、前記半導体レーザを支持する部材は、前記半導体レーザが保持される嵌合部を突出するように構成したことを特徴とする。
更に本発明は、少なくとも2つ以上の光源である半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光束を平行光化するコリメータレンズとを備える光源部と、該光源部から出射された光束を偏向走査する偏向走査装置と、該偏向走査装置に対して略対称に配置され偏向走査された光束を所定面上に集光させる2系統の前記走査レンズとから為る走査光学系を少なくとも一つ以上収納する光学箱とから構成される走査光学装置において、前記半導体レーザを支持する部材は、半導体レーザが保持される嵌合部を突出するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、半導体レーザを支持する部材は、半導体レーザが保持される嵌合部を突出するように構成することにより、半導体レーザの保持部を強固に保持し、かつ放熱性を高めることが出来る。従って、走査線の照射位置変動を抑制し、高品質な画像を得る効果を得る。
(実施例1)
図1は本発明の特徴を最も良く表す走査光学装置部分図である。図2は本発明の特徴を最も良く表す走査光学装置の概要図である。1は光源である半導体レーザ、2は半導体レーザを駆動する為のレーザ駆動回路基板であり、レーザ駆動回路基板2は駆動IC201を搭載する。3は半導体レーザ1から出射されたレーザ光αを所定形状にするコリメータレンズ、4は副走査方向のみ屈折率をもつシリンドリカルレンズ、5は集光された光束の線像近傍に反射面を有する回転多面鏡、6は回転多面鏡4の回転手段である偏向走査装置である。7、8は走査レンズであり、それぞれトーリックレンズ、fθレンズ又は回折光学素子である。走査レンズ8は、回転多面鏡5の偏向反射面で反射される光束が後述する感光体12上においてスポットを形成するように集光され、また、前記スポットの走査速度が等速に保たれるように設計されている。9は走査されるレーザ光を感光体へと導く反射ミラー、10は走査開始信号検出機構である。偏向走査されたレーザ光αの一部は走査開始信号検出器10へ入射され、そこからの出力信号により光源である半導体レーザ1から出射されるレーザ光αが書き込みの変調を開始する。
11は各要素を筐体枠内に収納する光学箱であり、筐体枠には、半導体レーザ1を固定する為の嵌合部110を有し、嵌合部110は筐体枠から突出している。
また、嵌合部110の両側には、走査光学装置を搭載する画像形成装置内からの風路を導く為のリブ111が形成されている。光学箱11は、不図示の蓋によって密閉されて、走査光学装置となる。12は走査光によって静電潜像される感光体である。
上記構成において、半導体レーザ1は光学箱11の嵌合孔110に圧入にされて保持される。半導体レーザ1のリードピン101はレーザ駆動回路基板2と半田付けで締結される。レーザ駆動回路基板2は、ねじによって光学箱11に締結される。コリメータレンズ3は、半導体レーザ1から発光されるレーザ光に対して、焦点距離及び照射位置を3軸(X、Y、Z)方向の所定位置に調整され、後に紫外線硬化型接着剤によって光学箱11に固定される。以上により、光源部が構成される。
後に、その他の光学素子が光学箱内に各々組付けられて一体化して走査光学装置となる。
半導体レーザ1とコリメータレンズ3とから構成される光源部から出射するレーザ光αは、シリンドリカルレンズ4、回転多面鏡5によりレーザ光αを周期的に偏向させ、結像光学系の光学素子7、8によって感光体面上12に画像記録を行っている。なお、感光体に結像するレーザ光αが、回転多面鏡5の回転方向に走査(主走査)することで、走査線を形成し、図示しない感光体12が回転する(副走査)ことにより、静電潜像が形成される。
また、偏向走査装置6は光学箱11と走査レンズ7、8と蓋(不図示)で囲まれて、密閉されている。これは、光学部品の中でも特に、回転多面鏡5の防塵の必要性からなる構成であり、具体的には、回転多面鏡5が高速回転することによるレーザ光αの反射面への塵埃付着を防止することを目的としている。
ここで、レーザ駆動と同時に半導体レーザ1を保持する嵌合孔110近傍は昇温し、熱膨張を生じるが、嵌合孔110が筐体枠から突出していることにより円周形状の嵌合孔110の外周面が外気に触れ、冷却効果をもたらす。さらに、画像形成装置内における風の流れ(矢印に示す)を、嵌合部両側のリブ111によって、突出した嵌合孔110近傍に風を導くことができるので、放熱効果を得る。
なお、半導体レーザは走査光学系とを保持する光学箱に他部品を介すことなく直接固定されているので、精度よく組付けが可能になり、環境特性においても剛性など観点から非常に有利である。
以上によって、半導体レーザ1を強固に保持し、かつ半導体レーザ嵌合孔近傍の昇温による熱膨張を抑制することができるので、スポット径のピント及び走査線の照射位置を高精度に保つことができる。
さらに、半導体レーザ1の自己発熱による光量低下(ドループ)による画像むらや、波長変動によるビームスポット径の変化なども抑えることができる。
これらは、例えば、短波長レーザのように発振しきい値電流が高い半導体レーザを用いる場合や、複数の発光点を持つマルチビームの半導体レーザを用いる場合など、半導体レーザの駆動による発熱量が多く、より放熱性を高める必要がある場合にはより効果的である。
また、以下のような構成であっても同様な効果を得る。
本実施例では半導体レーザの嵌合部の突出形状を円周にしているが、これに限られるものではなく、放熱性を高める為に外気への接触面積を増やすような例えば図3に示すフィン形状111'であっても良い。本体風路を導く為のリブ形状は、風を流し込める形状であれば任意とする。但し、リブ形状とはいうまでもなく風路を確保できる構成であれば、風通しが良い形状であっても良い。
さらに、図7のように半導体レーザは複数用いてもよく、例えば、マルチビーム等のビーム合成や複数のレーザ光を走査するインラインカラー機などの光学系においては、複数の走査線における照射位置変動量の絶対値を抑制できる。つまり、走査線ピッチや照射位置ずれをより低減できる。
図7の説明をすると、図7のように半導体レーザが隣接するようにして主走査方向に配列された場合、半導体レーザの中央部Lは互いに熱膨張を妨げる為、その中央部Lを支点にして矢印で示されるように主走査方向に互いが相反する方向に熱膨張する。よって走査線の副走査方向への照射位置変動を抑制することが出来る。
本発明の走査光学装置の光源部分の拡大図。 本発明の走査光学装置の斜視図。 半導体レーザの嵌合部の突出形状をフィン形状にした実施例の斜視図。 環境温度による昇温と半導体レーザの保持力との関係を示したグラフ。 昇温による半導体レーザとコリメータレンズの相対位置変化を表した断面図。 光軸倒れを説明するための図。 半導体レーザを複数設けた場合の突出部形状を示した他の実施例の斜視図。 従来の走査光学装置の概略図。
符号の説明
1 半導体レーザ
2 レーザ駆動回路基板
3 コリメータレンズ
4 シリンドリカルレンズ
5 回転多面鏡
6 偏向走査装置
7 第一の走査レンズ
8 第二の走査レンズ
9 反射ミラー
10 走査開始信号検出器
11 光学箱
12 感光体
110 嵌合孔
111 リブ
201 レーザ駆動IC
α レーザ光(走査線)

Claims (6)

  1. 少なくとも1つ以上の光源である半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光束を平行光化するコリメータレンズとを備える光源部と、該光源部から出射された光束を偏向走査する偏向走査装置と、偏向された光束を所定面上に結像させる少なくとも1つ以上の走査レンズと、これらの光学部品を収納する光学箱と、該光学箱を閉塞する蓋とから構成される走査光学装置において、前記半導体レーザを支持する部材は、前記半導体レーザが保持される嵌合部を突出するように構成したことを特徴とする走査光学装置。
  2. 少なくとも2つ以上の光源である半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光束を平行光化するコリメータレンズとを備える光源部と、該光源部から出射された光束を偏向走査する偏向走査装置と、該偏向走査装置に対して略対称に配置され偏向走査された光束を所定面上に集光させる2系統の前記走査レンズとから為る走査光学系を少なくとも一つ以上収納する光学箱とから構成される走査光学装置において、前記半導体レーザを支持する部材は、半導体レーザが保持される嵌合部を突出するように構成したことを特徴とする走査光学装置。
  3. 前記半導体レーザを支持する部材は、前記光学箱であることを特徴とする請求項1または2に記載の走査光学装置。
  4. 前記半導体レーザを支持する部材は、前記半導体レーザを円筒部の一端に保持し、一方の他端側には、前記コリメータレンズを保持するホルダ部材であり、前記ホルダ部材を走査光学装置に搭載していることを特徴とする請求項1または2に記載の走査光学装置。
  5. 前記支持部材は、前記半導体レーザを複数有し、前記半導体レーザは、レーザ光が被走査面上での走査方向に対応するように配列したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の走査光学装置。
  6. 前記支持部材は、前記半導体レーザが保持される前記嵌合部近傍に風路を形成する為のリブを設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の走査光学装置。
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