JP2011057098A - 動力出力装置およびその制御方法並びに車両 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びに車両 Download PDF

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Abstract

【課題】可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関の回転数やトルクが過大になるのを抑制する。
【解決手段】油温Toilが可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値としての所定温度Tref1未満のときには、吸気バルブの開閉タイミングVTを目標開閉タイミングVT*とする開閉タイミング制御を行なうと共に、油温Toilが所定温度Tref1以上のときに用いられるエンジンの基本上限回転数Nemaxbより小さい上限回転数Nemax以下でエンジンの目標運転ポイントを設定する。また、油温Toilが所定温度Tref1未満のときには、運転者により高トルクが要求されたときに、油温Toilが所定温度Tref1以上のときに用いられる高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジンの目標運転ポイントを設定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びに車両に関し、詳しくは、作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、駆動軸に動力を入出力する電動機と、発電機および電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置およびその制御方法並びに動力出力装置を搭載した車両に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、クランクシャフトに連結されたオイルポンプで発生した油圧を用いて吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを変更するVVT機構を有するエンジンと、第1モータジェネレータと、出力軸とエンジンと第1モータジェネレータとが接続された遊星歯車機構と、出力軸に接続された第2モータジェネレータと、第1モータジェネレータおよび第2モータジェネレータに接続された蓄電装置と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この動力出力装置では、推定されたVVT機構の作動油温がしきい値以上で作動油の粘度が低いときには、作動油温がしきい値未満のときよりもエンジン回転数の下限値を高くすることにより、VVT機構の作動に必要な油圧を確保している。
特開2008−128205号公報
上述の動力出力装置では、作動油温が低いためにVVT機構が良好に作動することができないときには、例えば吸気バルブの開閉タイミングを進角させるなどの開閉タイミングの変更を行なうと、エンジンから予期しないトルクが出力されたり、エンジンの回転数が過大に上昇したりする場合が生じる。この場合、VVT機構の作動油温が低いときには開閉タイミングの変更を行なわないようにすることも考えられるが、エンジンから出力可能な最大パワーが小さくなるなどの不都合が生じてしまう。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関の回転数やトルクが過大になるのを抑制することを主目的とする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の動力出力装置は、
作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置であって、
前記作動油の温度を取得する作動油温度取得手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記取得された作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を第1の上限回転数以下とする制限を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を前記第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下とする制限を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の動力出力装置では、作動油の温度が可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには開閉タイミングが内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を行なうと共に内燃機関の回転数を第1の上限回転数以下とする制限を伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。また、作動油の温度が所定温度未満のときには開閉タイミング制御を行なうと共に内燃機関の回転数を第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下とする制限を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。したがって、作動油の温度が所定温度未満のときには、作動油の温度が所定温度以上のときと同様に開閉タイミング制御を行なっても内燃機関の回転数が第1の上限回転数を超えるのを抑制することができる。この結果、可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関の回転数が過大になるのを抑制することができる。ここで、「第1の上限回転数」としては、内燃機関と発電機と遊星歯車機構との少なくともいずれか1つによる制限に基づいて予め定められた内燃機関の上限回転数などを用いることができる。
こうした本発明の第1の動力出力装置において、前記制御手段は、前記取得された作動油の温度が前記所定温度より低いほど前記第1の上限回転数より小さくなる回転数を前記第2の上限回転数として用いて前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の回転数が過大になるのをより適正に抑制することができる。
本発明の第2の動力出力装置は、
作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置であって、
前記作動油の温度を取得する作動油温度取得手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、
前記取得された作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記設定された要求パワーと前記内燃機関のパワーに対する回転数およびトルクの関係を定める第1の動作ラインとに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標回転数および目標トルクからなる目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記設定された要求パワーと前記第1の動作ラインに比して前記内燃機関のトルクが小さくなる傾向の第2の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置では、作動油の温度が可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには駆動軸に要求される要求駆動力に基づく内燃機関に要求される要求パワーと内燃機関のパワーに対する回転数およびトルクの関係を定める第1の動作ラインとに基づいて内燃機関を運転すべき目標回転数および目標トルクからなる目標運転ポイントを設定すると共に開閉タイミングが内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を伴って内燃機関が設定した目標運転ポイントで運転され且つ要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。また、作動油の温度が所定温度未満のときには要求パワーと第1の動作ラインに比して内燃機関のトルクが小さくなる傾向の第2の動作ラインとに基づいて目標運転ポイントを設定すると共に開閉タイミング制御を伴って内燃機関が設定した目標運転ポイントで運転され且つ要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。したがって、作動油の温度が所定温度未満のときには、作動油の温度が所定温度以上のときと同様に開閉タイミング制御を行なっても内燃機関のトルクが第1の動作ラインで定められたトルクを超えるのを抑制することができる。この結果、可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関のトルクが過大になるのを抑制することができる。
こうした本発明の第2の動力出力装置において、前記制御手段は、前記取得された作動油の温度が前記所定温度より低いほど前記第1の動作ラインに比して前記内燃機関のトルクが小さくなる傾向の動作ラインを前記第2の動作ラインとして用いて前記内燃機関の目標運転ポイントを設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、内燃機関のトルクが過大になるのをより適正に抑制することができる。
また、本発明の第2の動力出力装置において、前記制御手段は、前記取得された作動油の温度が前記所定温度以上のときには前記目標回転数が第1の上限回転数以下となる範囲で前記目標運転ポイントを設定し、前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記目標回転数が前記第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下となる範囲で前記目標運転ポイントを設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の回転数が過大になるのを抑制することができる。
さらに、本発明の第2の動力出力装置において、前記制御手段は、操作者により前記駆動軸に高トルクが要求されたときに前記取得された作動油の温度が前記所定温度以上のときには前記設定された要求パワーと前記第1の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定し、操作者により前記駆動軸に高トルクが要求されたときに前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記設定された要求パワーと前記第2の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、操作者により高トルクが要求されたときに、可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関のトルクが過大になるのを抑制することができる。
本発明の車両は、上述した各態様のいずれかの本発明の第1または第2の動力出力装置、即ち、基本的には、作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置であって、前記作動油の温度を取得する作動油温度取得手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記取得された作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を第1の上限回転数以下とする制限を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を前記第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下とする制限を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える第1の動力出力装置、または、作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置であって、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記作動油の温度を取得する作動油温度取得手段と、前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、前記取得された作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記設定された要求パワーと前記内燃機関のパワーに対する回転数およびトルクの関係を定める第1の動作ラインとに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標回転数および目標トルクからなる目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記設定された要求パワーと前記第1の動作ラインに比して前記内燃機関のトルクが小さくなる傾向の第2の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える第2の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる、ことを要旨とする。
この本発明の車両では、上述した各態様のいずれかの本発明の第1または第2の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様の効果、例えば、可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関の回転数が過大になるのを抑制することができる効果や、可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関のトルクが過大になるのを抑制することができる効果などを奏することができる。
本発明の第1の動力出力装置の制御方法は、
作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を第1の上限回転数以下とする制限を伴って前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を前記第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下とする制限を伴って前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の第1の動力出力装置の制御方法では、作動油の温度が可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには開閉タイミングが内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を行なうと共に内燃機関の回転数を第1の上限回転数以下とする制限を伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。また、作動油の温度が所定温度未満のときには開閉タイミング制御を行なうと共に内燃機関の回転数を第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下とする制限を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。したがって、作動油の温度が所定温度未満のときには、作動油の温度が所定温度以上のときと同様に開閉タイミング制御を行なっても内燃機関の回転数が第1の上限回転数を超えるのを抑制することができる。この結果、可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関の回転数が過大になるのを抑制することができる。ここで、「第1の上限回転数」としては、内燃機関と発電機と遊星歯車機構との少なくともいずれか1つによる制限に基づいて予め定められた内燃機関の上限回転数などを用いることができる。
本発明の第2の動力出力装置の制御方法は、
作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく前記内燃機関に要求される要求パワーと前記内燃機関のパワーに対する回転数およびトルクの関係を定める第1の動作ラインとに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標回転数および目標トルクからなる目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記要求パワーと前記第1の動作ラインに比して前記内燃機関のトルクが小さくなる傾向の第2の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の第2の動力出力装置の制御方法では、作動油の温度が可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには駆動軸に要求される要求駆動力に基づく内燃機関に要求される要求パワーと内燃機関のパワーに対する回転数およびトルクの関係を定める第1の動作ラインとに基づいて内燃機関を運転すべき目標回転数および目標トルクからなる目標運転ポイントを設定すると共に開閉タイミングが内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を伴って内燃機関が設定した目標運転ポイントで運転され且つ要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。また、作動油の温度が所定温度未満のときには要求パワーと第1の動作ラインに比して内燃機関のトルクが小さくなる傾向の第2の動作ラインとに基づいて目標運転ポイントを設定すると共に開閉タイミング制御を伴って内燃機関が設定した目標運転ポイントで運転され且つ要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。したがって、作動油の温度が所定温度未満のときには、作動油の温度が所定温度以上のときと同様に開閉タイミング制御を行なっても内燃機関のトルクが第1の動作ラインで定められたトルクを超えるのを抑制することができる。この結果、可変バルブタイミング機構による開閉タイミングの変更を行なうと共に内燃機関のトルクが過大になるのを抑制することができる。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 可変バルブタイミング機構150の外観構成を示す外観構成図である。 可変バルブタイミング機構150の構成の概略を示す構成図である。 インテークカムシャフト129の角度を進角させたときの吸気バルブ128の開閉タイミングおよびインテークカムシャフト129の角度を遅角させたときの吸気バルブ128の開閉タイミングの一例を示す説明図である。 ロックピン154の構成の概略を示す構成図である 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 基本上限回転数設定用マップの一例を示す説明図である。 油温Toilが所定温度Tref1以上のときのエンジン22の実行用動作ラインの例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子とを示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 実施例のエンジンECU24により実行される開閉タイミング制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 上限回転数マージン設定用マップの一例を示す説明図である。 出力トルクマージン設定用マップの一例を示す説明図である。 油温Toilが所定温度Tref1未満のときのエンジン22の実行用動作ラインの例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子とを示す説明図である。 変形例のエンジン22の燃費優先動作ラインおよび高トルク用動作ラインの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
また、エンジン22は、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを連続的に変更可能な可変バルブタイミング機構150を備える。図3および図4に、可変バルブタイミング機構150の構成の概略を示す構成図を示す。可変バルブタイミング機構150は、図示するように、クランクシャフト26にタイミングチェーン162を介して接続されたタイミングギヤ164に固定されたハウジング部152aと吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフト129に固定されたベーン部152bとからなるベーン式のVVTコントローラ152と、VVTコントローラ152の進角室および遅角室に油圧を作用させるオイルコントロールバルブ156とを備え、オイルコントロールバルブ156を介してVVTコントローラ152の進角室および遅角室に作用させる油圧を調節することによりハウジング部152aに対してベーン部152bを相対的に回転させて吸気バルブ128の開閉タイミングVTにおけるインテークカムシャフト129の角度を連続的に変更する。インテークカムシャフト129の角度を進角させたときの吸気バルブ128の開閉タイミングVTおよびインテークカムシャフト129の角度を遅角させたときの吸気バルブ128の開閉タイミングVTの一例を図5に示す。実施例では、エンジン22から効率よく動力が出力される吸気バルブ128の開閉タイミングVTにおけるインテークカムシャフト129の角度を基準角とし、インテークカムシャフト129の角度をその基準角よりも進角させることによりエンジン22から高トルクが出力可能な運転状態とすることができ、インテークカムシャフト129の角度を最遅角させることによりエンジン22の気筒内の圧力変動を小さくしてエンジン22の運転の停止や始動に適した運転状態とすることができるよう構成されている。なお、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを早くすること、即ち、インテークカムシャフト129の角度を進角させることを「進角する」といい、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを遅くすること、即ち、インテークカムシャフト129の角度を遅角させることを「遅角する」という。
また、VVTコントローラ152のベーン部152bには、ハウジング部152aとベーン部152bとの相対回転を固定するロックピン154が取り付けられている。図6にロックピン154の構成の概略を示す構成図を示す。ロックピン154は、図示するようにロックピン本体154aと、ロックピン本体154aがハウジング部152aの方向に付勢されるよう取り付けられたスプリング154bとを備え、インテークカムシャフト129の角度が最遅角に位置されたときにスプリング154bのスプリング力によりハウジング部152aに形成された溝158に嵌合しベーン部152bをハウジング部152aに固定する。また、ロックピン154は、油路159を介してスプリング154bのスプリング力に打ち勝つ油圧を作用させることにより溝158に嵌合されたロックピン本体154aを引き抜くことができるよう図示しない油圧式のアクチュエータが設けられている。なお、実施例では、この油圧式のアクチュエータを作動させるための油圧やVVTコントローラ152の進角室および遅角室に作用させる油圧は、エンジン22を潤滑する図示しない潤滑系のオイルによるものであり、エンジン22のクランクシャフト26の回転により駆動される図示しない機械式ポンプによりオイルコントロールバルブ156を介して供給される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号,温度センサ151からの可変バルブタイミング機構150の作動用のオイル(機械式オイルポンプからオイルコントロールバルブ156を介して供給されるオイル)の温度である油温Toilなどが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図7はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの油温Toil,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの油温Toilは、温度センサ151により検出されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図8に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、入力した車速Vに基づいてエンジン22の上限回転数の基本値としての基本上限回転数Nemaxbを設定すると共に(ステップS120)、入力した油温Toilを所定温度Tref1と比較する(ステップS130)。基本上限回転数Nemaxbは、実施例では、車速Vと基本上限回転数Nemaxbとの関係を予め定めて基本上限回転数設定用マップとしてROM74に記憶しておき、車速Vが与えられると記憶したマップから対応する基本上限回転数Nemaxbを導出して設定するものとした。図9に基本上限回転数設定用マップの一例を示す。図中、基本上限回転数Nemaxbは、中高速領域ではエンジン22に許容される最大回転数(例えば、5000rpmや6000rpmなど)に基づいて定められ、低速領域では動力分配統合機構30のピニオンギヤ33やモータMG1に許容される最大回転数に基づいて定められている。また、所定温度Tref1は、可変バルブタイミング機構150が良好に作動可能な温度範囲の下限値、即ち、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを精度よく変更可能な温度範囲の下限値であり、可変バルブタイミング機構150の特性などに基づいて実験などにより予め定められたもの(例えば、40℃や50℃など)を用いるものとした。
油温Toilが所定温度Tref1以上のときには、可変バルブタイミング機構150は良好に作動可能と判断し、設定した基本上限回転数Nemaxbをエンジン22の上限回転数Nemaxに設定すると共に(ステップS140)、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを進角させるときにエンジン22から出力されるトルクを抑制するための出力トルクマージンTemに値0を設定する(ステップS150)。
こうしてエンジン22の上限回転数Nemaxや出力トルクマージンTemを設定すると、入力したアクセル開度Accと運転者により高トルクの出力が要求されている状態を示すアクセル開度Accの下限値としての所定開度Aref(例えば、40%や50%,60%など)とを比較する(ステップS190)。アクセル開度Accが所定開度Aref未満のときには、高トルクの出力は要求されていないと判断し、吸気バルブ128の開閉タイミングVTをより進角側にするときに値1が設定される進角指示フラグFに値0を設定すると共に(ステップS200)、エンジン22を効率よく運転する制約である燃費優先動作ラインを実行用動作ラインに設定する(ステップS210)。アクセル開度Accが所定開度Aref以上のときには、高トルクの出力が要求されていると判断し、進角指示フラグFに値1を設定すると共に(ステップS220)、燃費優先動作ラインに比して同一回転数で高トルクを出力する制約であるエンジン22の高トルク用動作ラインにおけるトルクを全回転数領域で出力トルクマージンTem(ここでは値0)だけ小さくした動作ライン(ここでは高トルク用動作ライン)を実行用動作ラインに設定する(ステップS230)。そして、設定した実行用動作ラインを用いてエンジン22の上限回転数Nemax以下の範囲で要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき目標運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS240)。図10に油温Toilが所定温度Tref1以上のときのエンジン22の実行用動作ラインの例(燃費優先動作ラインの一例および高トルク用動作ラインの一例)と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子とを示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、実行用動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。また、実行用動作ラインと要求パワーPe*が一定の曲線との交点により求められる回転数が上限回転数Nemaxより大きいときには、実施例では、設定された実行用動作ラインにかかわらず、上限回転数Nemaxを目標回転数Ne*に設定すると共に実行用動作ライン上で上限回転数Nemaxに対応するトルクを目標トルクTe*として設定するものとした。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS250)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図11に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS260)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS270)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮トルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS280)。ここで、式(5)は、前述した図11の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,吸気バルブ128の開閉タイミングVTの進角指示フラグF,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*と進角指示フラグFとについてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS290)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*と進角指示フラグFとを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される目標運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御,吸気バルブ128の開閉タイミング制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、油温Toilが可変バルブタイミング機構150が良好に作動可能な所定温度Tref1以上のときには、基本上限回転数Nemaxbとしての上限回転数Nemax以下でエンジン22を効率よく運転したりエンジン22から高トルクを出力してバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。ここで、エンジンECU24による吸気バルブ128の開閉タイミング制御は、進角指示フラグFの値に基づいて行なわれる。以下、駆動制御の説明を一旦中断し、吸気バルブ128の開閉タイミング制御について説明する。なお、吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御については、本発明の中核をなさないため、これ以上の説明は省略する。図12は、エンジンECU24により実行される開閉タイミング制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ハイブリッド用電子制御ユニット70から目標回転数Ne*と目標トルクTe*と進角指示フラグFとを受信したときに実行される。
開閉タイミング制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、エンジン22の回転数Neや進角指示フラグFなど制御に必要なデータを入力し(ステップS300)、入力したエンジン22の回転数Neと進角指示フラグFとに基づいて吸気バルブ128の目標開閉タイミングVT*を設定し(ステップS310)、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが設定した目標開閉タイミングVT*になるよう可変バルブタイミング機構150を制御して(ステップS320)、開閉タイミング制御ルーチンを終了する。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいて演算されたものを入力し、進角指示フラグFは駆動制御ルーチンにより設定されたものをハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力するものとした。また、目標開閉タイミングVT*は、実施例では、エンジン22の回転数Neと進角指示フラグFと目標開閉タイミングVT*との関係を予め定めて目標開閉タイミング設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、エンジン22の回転数Neと進角指示フラグFとが与えられると記憶したマップから対応する目標開閉タイミングVT*を導出して設定するものとした。目標開閉タイミング設定用マップでは、目標開閉タイミングVT*は、例えばエンジン22の回転数Neが大きいほど燃費を考慮してより進角側になると共に進角指示フラグFが値1のときには高トルクの出力を考慮して値0のときに比してより進角側になるよう定めることができる。以上、開閉タイミング制御について説明した。
駆動制御の説明に戻る。ステップS130で可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの油温Toilが所定温度Tref1未満のときには、可変バルブタイミング機構150は良好に作動可能ではないと判断し、油温Toilに基づいてエンジン22の上限回転数Nemaxを計算するための上限回転数マージンNemを設定し(ステップS160)、基本上限回転数Nemaxbから設定した上限回転数マージンNemを減じてエンジン22の上限回転数Nemaxを計算すると共に(ステップS170)、油温Toilに基づいてエンジン22の出力トルクマージンTemを設定する(ステップS180)。ここで、上限回転数マージンNemは、実施例では、可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの油温Toilとエンジン22の上限回転数マージンNemとの関係を予め定めて上限回転数マージン設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、油温Toilが与えられると記憶したマップから対応する上限回転数マージンNemを導出して設定するものとした。図13に上限回転数マージン設定用マップの一例を示す。図示するように、上限回転数マージンNemは、油温Toilが所定温度Tref1より低いほど大きくなるように定められている。図中、所定温度Toref2(例えば、−25℃や−30℃など)に対してはマージンNemref(例えば、500rpmや700rpmなど)が定められている。また、出力トルクマージンTemは、実施例では、可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの油温Toilとエンジン22の出力トルクマージンTemとの関係を予め定めて出力トルクマージン設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、油温Toilが与えられると記憶したマップから対応する出力トルクマージンTemを導出して設定するものとした。図14に出力トルクマージン設定用マップの一例を示す。図示するように、出力トルクマージンTemは、油温Toilが所定温度Tref1より低いほど大きくなるように定められている。図中、前述の所定温度Toref2に対してはマージンTemrefが定められている。なお、上限回転数マージンNemや出力トルクマージンTemを油温Toilが低いほど大きくなるように定める理由については、後述する。
こうして油温Toilが所定温度Tref未満のときにエンジン22の上限回転数マージンNemや出力トルクマージンTemを設定すると、アクセル開度Accを所定開度Arefと比較し(ステップS190)、アクセル開度Accが所定開度Aref未満のときには、吸気バルブ128の開閉タイミングVTの進角指示フラグFに値0を設定すると共に燃費優先動作ラインを実行用動作ラインに設定し(ステップS200,S210)、アクセル開度Accが所定開度Aref以上のときには、進角指示フラグFに値1を設定すると共に高トルク用動作ラインにおけるトルクを出力トルクマージンTemだけ小さくした動作ラインを実行用動作ラインに設定し(ステップS220,S230)、設定した実行用動作ラインを用いてエンジン22の上限回転数Nemax以下の範囲で要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき目標運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS240)。そして、設定した目標回転数Ne*に基づいてモータMG1の目標回転数Nm1*およびトルク指令Tm1*を計算すると共に(ステップS250)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutに基づくトルク制限Tmin,Tmaxの範囲内でリングギヤ軸32aに要求トルクTr*が出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS260〜S280)、設定したエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*と進角指示フラグFとについてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS290)、駆動制御ルーチンを終了する。
図15に、油温Toilが可変バルブタイミング機構150が良好に作動可能な温度範囲の下限値としての所定温度Tref1未満のときのエンジン22の実行用動作ラインの例(燃費優先動作ラインの一例および高トルク用動作ラインにおけるトルクを出力トルクマージンTemだけ小さくした動作ラインの一例)と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子とを示す。前述したように、実行用動作ラインと要求パワーPe*が一定の曲線との交点により求められる回転数が上限回転数Nemaxより大きいときには、実施例では、設定された実行用動作ラインにかかわらず、上限回転数Nemaxを目標回転数Ne*に設定すると共に実行用動作ライン上で上限回転数Nemaxに対応するトルクを目標トルクTe*として設定するものとした。図中、一点鎖線は、高トルク用動作ラインにおけるトルクを出力トルクマージンTemだけ小さくした動作ラインを示す。図15の例では、高トルク用動作ラインにおけるトルクを出力トルクマージンTemだけ小さくした動作ラインが実行用動作ラインに設定されたときに、実行用動作ラインと要求パワーPe*が一定の曲線との交点における回転数が上限回転数Nemax未満となる場合として、値Pe1の要求パワーPe*に対して回転数Ne1が目標回転数Ne*に設定されると共に実行用動作ライン上で回転数Ne1に対応するトルクTe1が目標トルクTe*に設定される様子を示している。また、同様に実行用動作ラインが設定されたときに、実行用動作ラインと要求パワーPe*が一定の曲線との交点における回転数が上限回転数Nemax以上となる場合として、値Pe2の要求パワーPe*に対して上限回転数Nemax(=Ne2)が目標回転数Ne*に設定されると共に実行用動作ライン上で上限回転数Nemax(=Ne2)に対応するトルクTe2が目標トルクTe*として設定される様子も示している。ここで、油温Toilが所定温度Tref1未満のときに上限回転数マージンNemや出力トルクマージンTemを油温Toilに応じて定める理由について説明する。例えばイグニッションオンにより車両の走行を開始してから最初にエンジン22を始動した直後のときなど、油温Toilが所定温度Tref1未満のときには、油温Toilが低いほどオイルの粘度が高くなり可変バルブタイミング機構150が良好に作動しにくくなる(開閉タイミングVTの制御性が悪化する)傾向にあるため、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが目標開閉タイミングVT*からズレやすくなる。このとき、運転者によるアクセルペダル83の踏み込みに応じて吸気バルブ128の開閉タイミングVTを進角させる際に開閉タイミングVTが目標開閉タイミングVT*よりも進角側になるなどにより、エンジン22から目標トルクTe*を超えて予期しないトルクが出力される場合が生じる。この場合、エンジン22の回転数Neが基本上限回転数Nemaxbを超えたり、モータMG1の発電に伴ってバッテリ50への充電電力が過大になるなどの場合が生じることがある。これに対し、油温Toilが所定温度Tref1未満のときには、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを進角させないことも考えられるが、エンジン22から出力可能な最大パワーが小さくなるなどの不都合が生じる。したがって、実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toilが所定温度Tref1未満のときでも、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを進角させるのを許容すると共に、エンジン22を基本上限回転数Nemaxbに対して上限回転数Nemだけ小さい回転数以下の範囲で運転したり、アクセル開度Accが所定開度Arefを超えて吸気バルブ128の開閉タイミングVTをより進角側にする高トルク用動作ラインを用いる際にエンジン22の目標トルクTe*を出力トルクマージンTemだけ小さいトルクに設定してエンジン22を運転するのである。これにより、エンジン22の回転数Neが基本上限回転数Nemaxbを超えて過大になるのを抑制することができる。また、エンジン22から出力されるトルクが高トルク用動作ラインにおけるトルクを超えて過大になるのを抑制することができ、この結果、エンジン22の回転数Neが基本上限回転数Nemaxbを超えにくくすることができる。さらに、上限回転数マージンNemや出力トルクマージンTemを、油温Toilが所定温度Tref1より低いほど大きくなるように定めることにより、吸気バルブ128の開閉タイミングVTの制御性が悪化する程度に応じてエンジン22の目標運転ポイントを設定することができるから、エンジン22の回転数Neやエンジン22から出力されるトルクが過大になるのをより適正に抑制することができる。したがって、上限回転数マージンNemや出力トルクマージンTemは、実施例では、油温Toilに応じて開閉タイミングVTの制御性が悪化しても開閉タイミング制御に伴ってエンジン22の回転数Neが基本上限回転数Nemaxbを超えないようエンジン22や可変バルブタイミング機構150の特性に基づいて予め実験などにより定められたものを用いるものとした。もとより、上限回転数Nemax以下でエンジン22を効率よく運転したりエンジン22から高トルクを出力してバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの油温Toilが可変バルブタイミング機構150が良好に作動可能な温度範囲の下限値としての所定温度Tref1未満のときには、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを目標開閉タイミングVT*とする開閉タイミング制御を行なうと共に、油温Toilが所定温度Tref1以上のときに用いられるエンジン22の基本上限回転数Nemaxbより小さい上限回転数Nemax以下となる範囲でエンジン22の目標運転ポイントを設定してエンジン22やモータMG1,MG2を制御するから、吸気バルブ128の開閉タイミングVTの変更を行なってもエンジン22の回転数Neが過大になるのを抑制することができる。また、油温Toilが所定温度Tref1未満のときには、運転者により高トルクが要求されたときに、油温Toilが所定温度Tref1以上のときに用いられる高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定してエンジン22やモータMG1,MG2を制御するから、吸気バルブ128の開閉タイミングVTの変更を行なってもエンジン22から出力されるトルクが過大になるのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toilが所定温度Tref1未満のときにエンジン22の目標運転ポイントを設定する際には、基本上限回転数Nemaxbより小さい上限回転数Nemax以下の範囲で且つ運転者に高トルクが要求されたときに高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定するものとしたが、基本上限回転数Nemaxbより小さい上限回転数Nemax以下の範囲で且つ運転者に高トルクが要求されたときに高トルク用動作ラインをそのまま用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toilが所定温度Tref1未満のときにエンジン22の目標運転ポイントを設定する際には、基本上限回転数Nemaxbより小さい上限回転数Nemax以下の範囲でエンジン22の目標運転ポイントを設定すると共に運転者に高トルクが要求されたときに高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定するものとしたが、基本上限回転数Nemaxb以下で且つ運転者に高トルクが要求されたときに高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toilが所定温度Tref1未満のときにエンジン22の目標運転ポイントを設定する際には、運転者に高トルクが要求されたときには高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定すると共に運転者に高トルクが要求されていないときには燃費優先動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定するものとしたが、運転者に高トルクが要求されたときには高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定すると共に運転者に高トルクが要求されていないときにも燃費優先動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定するものとしてもよい。例えば、図16に示すように高回転数領域では高トルク用動作ラインと燃費優先動作ラインが共通の動作ラインとなる場合、油温Toilが所定温度Tref1未満のときに運転者に高トルクが要求されていないときには、高トルク用動作ラインにおけるトルクよりも同一回転数に対して出力トルクマージンTemだけ小さいトルクをその同一回転数に対する上限トルク(図中、一点鎖線で示す)に設定すると共に設定した上限トルクで燃費優先動作ラインにおけるトルクを制限して得られる動作ラインを実行用動作ラインとして用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定するなどとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toilが所定温度Tref1未満のときに運転者に高トルクが要求されたときには、高トルク用動作ラインにおけるトルクよりも油温Toilが所定温度Tref1より低いほど大きくなる出力トルクマージンTemだけトルクが小さい動作ラインを実行用動作ラインとして設定するものとしたが、高トルク用動作ラインにおけるトルクよりも一律に所定トルクだけ小さい動作ラインを実行用動作ラインとして設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toilが所定温度Tref1未満のときには、エンジン22の基本上限回転数Nemaxbよりも油温Toilが所定温度Tref1より低いほど大きくなる上限回転数マージンNemだけ小さい回転数を上限回転数Nemaxとして計算するものとしたが、エンジン22の基本上限回転数Nemaxbよりも一律に所定回転数だけ小さい回転数を上限回転数Nemaxとして計算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の回転数Neと進角指示フラグFとに基づいて吸気バルブ128の目標開閉タイミングVT*を設定するものとしたが、エンジン22の回転数Neに代えて目標回転数Ne*を用いたり、これに加えて吸入空気量や冷却水温などに基づいて目標開閉タイミングVT*を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの温度を温度センサ151からの油温Toilとして検出するものとしたが、これに代えて、エンジン22の吸入空気量の積算量や冷却水温などに基づいて可変バルブタイミング機構150のオイルの温度を推定して油温を取得するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22は吸気バルブ128の開閉タイミングVTを変更可能な可変バルブタイミング機構150を備えるものとしたが、排気バルブだけの開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構を備えるものとしてもよいし、吸気バルブおよび排気バルブの開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルはクランクシャフト26の回転により駆動される機械式ポンプにより供給されるものとしたが、これに代えてまたは加えて、電動モータにより供給されるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図17の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図17における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、可変バルブタイミング機構150が「可変バルブタイミング機構」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの油温Toilを検出する温度センサ151が「作動油温度取得手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図7の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、要求トルクTr*に基づいてエンジン22の要求パワーPe*を設定する図7の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求パワー設定手段」に相当し、作動油温Toilが所定温度Tref1以上のときにはエンジン22の基本上限回転数Nemaxb以下となる範囲で且つ運転者に高トルクが要求された際に高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定する一方で作動油温Toilが所定温度Tref1未満のときにはエンジン22の基本上限回転数Nemaxbより小さい上限回転数Nemax以下となる範囲で且つ運転者に高トルクが要求された際に高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定すると共に運転者に高トルクが要求された際には吸気バルブ128の開閉タイミングVTの進角指示フラグFを設定し、エンジン22が目標運転ポイントにおける目標回転数Ne*で回転するようモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*が出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図7の駆動制御ルーチンのステップS120〜S290の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*と進角指示フラグFとに基づいて開閉タイミング制御を含むエンジン22の運転制御を行なうエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、可変バルブタイミング機構が取り付けられたものであれば水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「可変バルブタイミング機構」としては、作動用のオイルの油圧を用いて吸気バルブ128の開閉タイミングVTだけを変更する可変バルブタイミング機構150に限定されるものではなく、排気バルブの開閉タイミングだけを変更するものや吸気バルブおよび排気バルブの開閉タイミングを変更するものなど、作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更するものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力するものであれば如何なるタイプの発電機であっても構わない。「遊星歯車機構」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構の組み合わせによるものなど、駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続されたものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力するものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機および電動機と電力のやり取りを行なうものであれば如何なるものとしても構わない。「作動油温度取得手段」としては、可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの油温Toilを検出する温度センサ151に限定されるものではなく、エンジン22の冷却水温などの運転状態に基づいて油温を推定するものなど、作動油の温度を取得するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、駆動軸に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求パワー設定手段」としては、要求トルクTr*に基づいてエンジン22の要求パワーPe*を設定するものに限定されるものではなく、設定された要求駆動力に基づいて内燃機関に要求される要求パワーものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、作動油温Toilが所定温度Tref1以上のときにはエンジン22の基本上限回転数Nemaxb以下となる範囲で且つ運転者に高トルクが要求された際に高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定する一方で作動油温Toilが所定温度Tref1未満のときにはエンジン22の基本上限回転数Nemaxbより小さい上限回転数Nemax以下となる範囲で且つ運転者に高トルクが要求された際に高トルク用動作ラインに比してトルクを小さくした動作ラインを用いてエンジン22の目標運転ポイントを設定すると共に運転者に高トルクが要求された際には吸気バルブ128の開閉タイミングVTの進角指示フラグFを設定し、目標運転ポイントにおける目標回転数Ne*および目標トルクTe*と進角指示フラグFとに基づいて開閉タイミング制御を含むエンジン22の運転制御を行ないエンジン22が目標回転数Ne*で回転するよう設定されたモータMG1のトルク指令Tm1*とバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*が出力されるよう設定されたモータMG2のトルク指令Tm2*とに基づいてモータMG1,MG2を制御するものに限定されるものではなく、取得された作動油の温度が可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには開閉タイミングが内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を行なうと共に内燃機関の回転数を第1の上限回転数以下とする制限を伴って設定された要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御し、取得された作動油の温度が所定温度未満のときには開閉タイミング制御を行なうと共に内燃機関の回転数を第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下とする制限を伴って設定された要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わないし、また、取得された作動油の温度が可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには設定された要求パワーと前記内燃機関のパワーに対する回転数およびトルクの関係を定める第1の動作ラインとに基づいて内燃機関を運転すべき目標回転数および目標トルクからなる目標運転ポイントを設定すると共に開閉タイミングが内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を伴って内燃機関が設定した目標運転ポイントで運転され且つ設定された要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御し、取得された作動油の温度が所定温度未満のときには設定された要求パワーと第1の動作ラインに比して内燃機関のトルクが小さくなる傾向の第2の動作ラインとに基づいて目標運転ポイントを設定すると共に開閉タイミング制御を伴って内燃機関が設定した目標運転ポイントで運転され且つ設定された要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や車両の製造産業に利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、129 インテークカムシャフト、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、151 温度センサ、152 VVTコントローラ、152a ハウジング部、152b ベーン部、154 ロックピン、154a ロックピン本体、154b スプリング、オイルコントロールバルブ156,158 溝、159 油路、162 タイミングチェーン、164 タイミングギヤ、MG1,MG2 モータ。

Claims (9)

  1. 作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置であって、
    前記作動油の温度を取得する作動油温度取得手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記取得された作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を第1の上限回転数以下とする制限を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を前記第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下とする制限を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記取得された作動油の温度が前記所定温度より低いほど前記第1の上限回転数より小さくなる回転数を前記第2の上限回転数として用いて前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する手段である、
    動力出力装置。
  3. 作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置であって、
    前記作動油の温度を取得する作動油温度取得手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、
    前記取得された作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記設定された要求パワーと前記内燃機関のパワーに対する回転数およびトルクの関係を定める第1の動作ラインとに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標回転数および目標トルクからなる目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記設定された要求パワーと前記第1の動作ラインに比して前記内燃機関のトルクが小さくなる傾向の第2の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  4. 請求項3記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記取得された作動油の温度が前記所定温度より低いほど前記第1の動作ラインに比して前記内燃機関のトルクが小さくなる傾向の動作ラインを前記第2の動作ラインとして用いて前記内燃機関の目標運転ポイントを設定する手段である、
    動力出力装置。
  5. 請求項3または4記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記取得された作動油の温度が前記所定温度以上のときには前記目標回転数が第1の上限回転数以下となる範囲で前記目標運転ポイントを設定し、前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記目標回転数が前記第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下となる範囲で前記目標運転ポイントを設定する手段である、
    動力出力装置。
  6. 請求項3ないし5のいずれか1つの請求項に記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、操作者により前記駆動軸に高トルクが要求されたときに前記取得された作動油の温度が前記所定温度以上のときには前記設定された要求パワーと前記第1の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定し、操作者により前記駆動軸に高トルクが要求されたときに前記取得された作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記設定された要求パワーと前記第2の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定する手段である、
    動力出力装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  8. 作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を第1の上限回転数以下とする制限を伴って前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記開閉タイミング制御を行なうと共に前記内燃機関の回転数を前記第1の上限回転数より小さい第2の上限回転数以下とする制限を伴って前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
    動力出力装置の制御方法。
  9. 作動油の油圧を用いて吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられた内燃機関と、動力を入出力する発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記作動油の温度が前記可変バルブタイミング機構が良好に作動可能な温度範囲の下限値として予め定められた所定温度以上のときには前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく前記内燃機関に要求される要求パワーと前記内燃機関のパワーに対する回転数およびトルクの関係を定める第1の動作ラインとに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標回転数および目標トルクからなる目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミングが前記内燃機関の運転状態に基づく目標開閉タイミングになるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記作動油の温度が前記所定温度未満のときには前記要求パワーと前記第1の動作ラインに比して前記内燃機関のトルクが小さくなる傾向の第2の動作ラインとに基づいて前記目標運転ポイントを設定すると共に前記開閉タイミング制御を伴って前記内燃機関が前記設定した目標運転ポイントで運転され且つ前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
    動力出力装置の制御方法。
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