JP2011056499A - 水素製造触媒の製造方法および水素製造触媒 - Google Patents

水素製造触媒の製造方法および水素製造触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】アルコールなどの原料から、熱分解炭素の生成を抑制し、かつ、効率よく水素を製造するための水素製造触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】触媒活性成分としての金属酸化物MOx(但し、xは0<x≦3である。)の前駆体(A)、ケイ酸アルカリ金属塩(B)及び水溶性高分子(C)を含む混合溶液をゲル化させてゲル状体を形成し、該ゲル状体を乾燥した後、該乾燥したゲル状体を焼成する、非晶質シリカと金属酸化物との非晶質複合酸化物からなる水素製造触媒の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、非晶質シリカと触媒活性成分としての金属酸化物との非晶質複合酸化物からなる水素製造触媒の製造方法に関する。
水素は、石油化学の原料として大量に使用されてきており、また、次世代型クリーンエネルギーの一つとして注目されている。水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、灯油、メタノール、エタノールなどの炭化水素やアルコール等を主原料ガスとし、水(水蒸気)、二酸化炭素、酸素等を副原料ガスとして用い、それら原料ガスから、水蒸気改質反応、二酸化炭素改質反応、部分酸化反応等を利用して得ることができる。
通常、上記主原料ガスのうち、特にバイオマスから製造することができるエタノールがカーボンニュートラルの観点から注目されている。エタノールの水蒸気改質は以下の式(1)で表される。

25OH+3H2O → 2CO2+6H2 (1)
従来のアルコール改質触媒としては、例えば、特許文献1に記載の酸化物からなる担体の表面に貴金属触媒粒子を担持したPt/Al23やRh/Al23触媒や、あるいは特許文献2に記載の非晶質シリカにPdやCuを分散した触媒などが知られている。
特開昭63−182033号公報 特開2002−263499号公報
ところで、上記式(1)の反応は、熱力学的には400℃程度で進行するが、十分な反応率を得るために、より高温で反応させることも多い。しかしながら、高温で長時間使用すると、触媒粒子の凝集が起こりやすく、有効反応表面積が低減するという問題がある。
また、アルコール等の原料ガスが熱分解した際に副生成物として、熱分解炭素が生成するため、高価な貴金属触媒を使用せざるを得ない。
一方、非晶質シリカは、有望な触媒担体の一つであるがテトラエトキシシランなどのアルコキシシランや水ガラスを原料として、酸や塩基を触媒として添加することで重合反応を進行させてゲルを形成し、そのゲルを数百度程度で焼成することで形成することができる。しかしながら、このような方法で作製した非晶質シリカは焼成の際に凝集して緻密に成りやすく、十分な反応表面積が得られないことが多い。
このように、アルコールを原料にした反応で用いられる水素製造触媒に関しては、いまだ課題が多いのが実情である。
そこで、本発明の目的は、アルコール、特にエタノールを原料として、熱分解炭素の生成を抑制し、かつ、効率よく水素を製造するための水素製造触媒の製造方法、及び該製造方法によって製造した水素製造触媒を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ね、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記の発明を提供するものである。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 触媒活性成分としての金属酸化物MOx(但し、xは0<x≦3である。)の前駆体(A)、ケイ酸アルカリ金属塩(B)及び水溶性高分子(C)を含む混合溶液をゲル化させてゲル状体を形成し、該ゲル状体を乾燥した後、該乾燥したゲル状体を焼成する非晶質シリカと金属酸化物との非晶質複合酸化物からなる水素製造触媒の製造方法。
<2> 金属酸化物MOxにおける金属元素Mが、スズ、コバルト、銅、マンガン、チタン、亜鉛、鉄、バナジウムより選ばれた1種または2種以上である前記<1>記載の水素製造触媒の製造方法。
<3> 金属元素Mが、スズである前記<2>記載の水素製造触媒の製造方法。
<4> ケイ酸アルカリ金属塩(B)が、水ガラスである前記<1>から<3>のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
<5> 水溶性高分子(C)が、ケイ酸アルカリ金属塩(B)と分相する水溶性高分子である前記<1>から<4>のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
<6> 水溶性高分子(C)が、ポリアクリル酸である前記<1>から<5>のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
<7> 前記混合溶液における、金属酸化物MOxの前駆体(A)の濃度が0.01〜2.0mol/L(金属元素M原子濃度換算)、ケイ酸アルカリ金属塩(B)の濃度が0.05〜3.0mol/L(Si原子濃度換算)である前記<1>から<6>のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
<8> 前記混合溶液における、水溶性高分子(C)の濃度が0.5〜10重量%である前記<1>から<7>のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
<9> ゲル状体の乾燥を行う前に、ゲル状体の水洗を行う前記<1>から<8>のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
<10> 焼成温度が、400〜800℃である前記<1>から<9>のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の製造方法で製造されてなる水素製造触媒。
<12> BET比表面積が、35m2/g以上である前記<11>記載の水素製造触媒。
<13> 前記非晶質複合酸化物中の金属元素MとSiとの原子比M/Siが、0.01/1〜1.2/1である前記<11>または<12>記載の水素製造触媒。
<14> 炭素数4以下の脂肪族アルコールの改質触媒である前記<11>から<13>のいずれかに記載の水素製造触媒。
<15> 前記脂肪族アルコールが、エタノールである前記<14>記載の水素製造触媒。
本発明の製造方法によると、アルコール、特にエタノールを原料として、熱分解炭素の生成を抑制し、かつ、効率よく水素を製造するための水素製造触媒を得ることができる。
試料S2についてのXRDの結果である。 水素製造触媒活性評価前後の試料S2およびSnO2のXANESスペクトルである。 試料C1についてのXRDの結果である。 水素製造触媒活性評価前後の試料C1と酢酸コバルトのXANESスペクトルである。 試料Z1についてのXRDの結果である。 試料F1についてのXRDの結果である。
本発明は、触媒活性成分としての金属酸化物MOx(但し、xは0<x≦3である。)の前駆体(A)、ケイ酸アルカリ金属塩(B)及び水溶性高分子(C)を含む混合溶液をゲル化させてゲル状体を形成し、該ゲル状体を乾燥した後、該乾燥したゲル状体を焼成する非晶質シリカと金属酸化物との非晶質複合酸化物からなる水素製造触媒の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と称す。)に係るものである。
なお、本発明において、「非晶質」とは、X線回折法(XRD、測定条件;電圧:40kV、電流40mA、線源:CuKα)において、シリカ由来のシグナル以外のシグナルが実質的に観測されないことをいう。
また、「非晶質シリカと金属酸化物との非晶質複合酸化物」とは、その成分として、シリカ(SiO2)と、金属酸化物MOxとの複合酸化物であって、非晶質であるものをいう。
また、本発明の水素製造触媒は、実質的に非晶質シリカと金属酸化物とからなる非晶質複合酸化物であればよい。すなわち、本発明の効果を損なわない範囲で、非晶質シリカと金属酸化物との非晶質複合酸化物以外にも、結晶性の金属酸化物MOxを含んでいてもよい。
本発明の方法で製造した水素製造触媒(以下、「本発明の触媒」と呼ぶ場合がある。)は、実質的にシリカと金属酸化物とからなる非晶質複合酸化物からなり、該複合酸化物中において、金属酸化物は、シリカ中に高度に分散し、非晶質体を形成している。すなわち、本発明の触媒の特徴は、触媒活性成分(金属酸化物)をシリカ中に分散していることにあり、さらに還元された金属ではなく、複合酸化物として、触媒活性を有することにある。そのため、使用前に還元処理する必要がなく、改質反応に係る高温雰囲気においても、金属酸化物の金属への還元及び金属酸化物の凝集が回避される。
また、本発明の触媒は、触媒活性成分が金属酸化物であるため、原料としてアルコールを使用しても副反応である熱分解炭素の生成が起こりづらい。
なお、本発明において、「触媒活性」とは、水蒸気改質反応、二酸化炭素改質反応、部分酸化反応等によって、アルコール原料から水素生成する反応に対する触媒活性のいずれも包含する。
また、本発明の製造方法の特徴の一つは、触媒の前駆体として水溶性高分子を含むことにある。この水溶性高分子は、焼成した際に燃焼して気体として脱離し、製造される非晶質複合酸化物に微細な空間を作るため、本発明の触媒の表面積が増大する。なお、本発明において、水溶性高分子とは、25℃の水100gに対し、高分子化合物1gを加えたときに、その液が濁らず透明である高分子をいう。
本発明の触媒のBET表面積は、通常、5m2/g以上であり、好ましくは、35m2/g以上であり、より好ましくは、60m2/g以上であり、特に好ましくは、200m2/g以上である。
本発明の触媒は、合成時に水溶性高分子を混合しているため、緻密体ではなく、多孔質体になっており、大きな反応面積を確保することができる。
本発明の水素製造触媒は、水蒸気改質反応、二酸化炭素改質反応、部分酸化反応のいずれの触媒としても利用できるが、水蒸気改質反応として特に有効である。
また、本発明において水素原料となるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等の脂肪族アルコールが挙げられ、この中でもメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの炭素数4以下の脂肪族アルコールが好適であり、特に入手性、安全性の観点からエタノールが好適である。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
金属酸化物MOxの前駆体(A)としては、金属元素Mの水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、金属カルボニルなどが挙げられる。これらは、混合溶液中や後工程の焼成によって金属酸化物へと変化する。
金属元素Mとしては、スズ(Sn)、コバルト(Co)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、バナジウム(V)が挙げられる。これらは酸化物単体として水素改質触媒活性を有する必要はなく、シリカと複合酸化物を形成した際に触媒活性が生じればよい。
この中でも、金属元素Mが、Sn、Co、Zn、Feであることが好適であり、Sn、Coであることが特に好適であり、Snであることが最も好適である。
Snは、その酸化物SnO2の形態では、水素改質触媒活性をほとんど有さないが、非晶質シリカと複合化して、非晶質複合酸化物となると、高い水素改質触媒活性を示す。
本発明の触媒において、非晶質複合酸化物中の金属元素MとSiとの原子比M/Siが0.01/1〜1.2/1であることが、触媒活性と安定性を高める観点から望ましい。
また、特に金属元素MがSnの場合には、Sn原子とSi原子の比、Sn/Siが、0.01/1〜1.0/1(特に0.03/1〜0.2/1)が好適である。
なお、非晶質複合酸化物中の金属元素MとSiとの原子比は、蛍光X線分析によって求めた値である。
ケイ酸アルカリ金属塩(B)は、一般式[nSiO2・A2O](「A」はアルカリ金属、「n」は正の整数)で表され、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ルビジウム、ケイ酸セシウムを挙げることができ、これらを水などの溶媒に溶解して本発明の製造方法に使用される。
特に、入手性、操作性の観点からは、水ガラスが好ましく使用される。
水ガラスとは、SiO2と炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩とを融解して得られるケイ酸ナトリウム(SiO2・Na2O)の高濃度水溶液のことであり、粘り気の強い無色透明の液体である。水ガラスの中でも、SiとNaの比、SiO2/Na2Oが1.5〜2.5が好適である。
水溶性高分子(C)は、水に可溶であり、ゲル化後の焼成工程で燃焼脱離する高分子であればよく、天然由来のデンプン、ゼラチン、半合成のメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリル系ポリマー、ポリアクリルアミドなどを挙げることができる。
水溶性高分子(C)の分子量は、特に制限はないが、作業に好適な溶液粘度を容易に得ることができるという観点からは、数平均分子量Mnとして、好ましくは、5000〜50000である。
この中でも、水溶性高分子(C)が、ケイ酸アルカリ金属塩(B)と分相を起こす水溶性高分子であることが好ましい。水溶性高分子(C)が、ケイ酸アルカリ金属塩(B)と分相を起こす水溶性高分子であると、酸やアルカリなどシリカの重合触媒を含まずとも、ケイ酸アルカリを結合させ、好適にゲル化させることができる。
ケイ酸アルカリ金属塩(B)と分相を起こす水溶性高分子として、具体的には、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特に安全で取扱いが容易であるという観点から、ポリアクリル酸が好適である。
次に本発明の製造方法に従って、触媒を製造する手順を説明する。
上記の金属酸化物の前駆体(A)、ケイ酸アルカリ金属塩(B)及び水溶性高分子(C)を所定量の溶媒と混合し、混合溶液を形成する。混合する際の各成分の配合順序は任意である。
混合溶液の溶媒としては、通常、水が使用されるが、上記成分(A),(B)及び(C)を溶解できるものであればよく、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類なども使用することもできる。また、これらの溶媒(水を含む)は1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。また、混合温度は、特に制限はないが、通常、0〜80℃(特に10〜50℃)が好適である。
混合溶液における好適なそれぞれの成分の濃度は、金属酸化物MOxの前駆体(A)の濃度が、金属元素M原子濃度換算で、0.01〜2.0mol/L、好適には0.01〜0.5mol/Lであり、ケイ酸アルカリ金属塩(B)の濃度が、Si原子濃度換算で、0.05〜3.0mol/L、好適には0.5〜1.5mol/Lである。このような濃度範囲であると、水素製造触媒としてより好適な非晶質複合酸化物を得ることができる。
また、水溶性高分子(C)の濃度は、得られる非晶質複合酸化物の比表面積を十分大きくし、かつ、適度な溶液粘度とするためには、通常0.5〜15重量%であり、好適には、1〜10重量であり、より好適には1〜7重量%である。
上記成分を混合した混合溶液を、適当な大きさの容器にいれ、ゲル化させ、ゲル状体を形成する。なお、ゲル化は短時間で完結するものではなく、温度や溶液濃度などによって、ゲル化の開始と終了にはある程度時間の幅がある。均一性が高いゲル状体を得るための好適なゲル化時間は特に制限はないが、通常、半日〜2日程度である。ゲル化温度は、特に制限はないが、0〜80℃(特に10〜50℃)が好適である。ゲル化の際の雰囲気は、特に限定されるものではなく、空気、酸素、窒素、アルゴンまたはそれらの混合ガスを用いることができるが、通常、空気中である。
ゲル化終了後、得られたゲル状体には、通常、ゲル化されなかった未反応原料や副生物が残存するが、残存した未反応原料や副生物の含有量が多いと、該ゲル状体の乾燥を行う際に未反応原料や副生物が偏析したり、乾燥後のゲル状体を焼成して得られる非晶質複合酸化物の品質が劣化したりするおそれがある。特にケイ酸アルカリ金属塩(B)に由来するアルカリ金属は非晶質複合酸化物の品質に影響する。
そのため、残存した未反応原料や副生物を除去する目的で、ゲル状体の乾燥を行う前に、ゲル状体の水洗を行うことが好ましい。水洗に用いられる水は、純水、イオン交換水が好ましい。
水洗の方法は特に限定はなく、例えば、水中で1日以上(好適には3日以上)静置する方法が挙げられる。なお、不純物濃度が高い場合などより不純物濃度を低減させるために水洗を2回以上繰り返し行ってもよい。
次いで、ゲル状体から水分などの溶媒を蒸発させ、乾燥させる。乾燥方法としては、特に制限はなく自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥のいずれでもよく、ゲル状体から十分に溶媒が除去出来ればよい。乾燥が不十分であると、焼成工程において、残存した溶媒が急激に蒸発するため、最終品である品質が低下するため好ましくない。
乾燥時の雰囲気は特に限定されるものではなく、空気、酸素、窒素、アルゴンまたはそれらの混合ガスを用いることができるが、通常、空気中である。
次いで、得られた乾燥ゲル状体を焼成し焼成体を形成する。乾燥ゲル状体は、焼成前にボールミル、振動ミル、ジェットミル等を用いて粉砕、分級等を行い、粒度を調節することができる。
焼成時の雰囲気は特に限定されるものではなく、空気、酸素、窒素、アルゴンまたはそれらの混合ガスを用いることができるが、酸素を含む雰囲気が好ましく、通常、空気中である。
焼成温度としては、400〜800℃(特に550〜700℃)が好適である。
400℃より低温である場合には、有機高分子を完全に除去することが困難であり、また焼成体の機械的強度が小さく、粉々になりやすく、触媒として必要とする大きさにすることが困難となるなどの問題があり、800℃より高温である場合には、焼成体が緻密に成りすぎて、触媒としての取扱いが困難になる場合がある。
得られた焼成体を、無処理のまま、またはボールミル、振動ミル、ジェットミル等を用いて粉砕、分級等を行い、粒度を調節して、本発明の触媒として使用することができる。また、粉砕等と焼成を2回以上繰り返し行ってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
使用した試薬は次の通りである。
「試薬」
・水ガラス(SiO2/Na2Oモル比:2.06〜2.31)(和光純薬工業株式会社)
・ポリアクリル酸(PAA、平均分子量25000)(和光純薬工業株式会社)
・塩化スズ(IV)5水和物(和光純薬株式会社)
・酢酸コバルト4水和物(和光純薬株式会社)
・塩化鉄(II)6水和物(和光純薬株式会社)
・塩化亜鉛(和光純薬株式会社)
実施例1
(1)水素製造触媒の合成
(試料S1)
ビーカーに水10mLを入れ、これに塩化スズ(IV)5水和物0.5gを溶解して溶液(A)を得た。別のビーカーに水30mLを入れ、これに水ガラス15gを溶解して溶液(B)を得た。さらに、別のビーカーに水30mLを入れ、これにPAA3gを溶解して溶液(C)を得た。溶液(A),(B)及び(C)を約25℃で撹拌しながら混合することで、混合溶液L1を得た。
表1に混合溶液L1における各成分濃度(Sn濃度、Si濃度、PAA濃度)を示す。
なお、Si濃度は、水ガラスを、55重量%ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)の水溶液として計算した。
次いで、混合溶液をポリエチレン製チューブ(内径12mm、長さ120mm)に小分けし、室温付近(約25℃)で一晩放置して完全にゲル化させゲル状体を得た。得られたゲル状体を取り出し、水中で3日間放置して洗浄後(約25℃)、50℃で乾燥させて白色固体を得た。得られた白色固体を650℃、30分間焼成して、水素製造触媒である試料S1を得た。
(試料S2)
溶液(A)における塩化スズ(IV)5水和物1.0gを水20mLに溶解した溶液を用いた以外は、混合溶液L1の作製手順と同様にして、混合溶液L2を作製した。表1に混合溶液L2の成分濃度を併せて示す。
次いで、混合溶液L2を使用した以外は、試料S1の作製手順と同様にして、試料S2を得た。
(試料S3)
溶液(A)における塩化スズ(IV)5水和物3.0gを水20mLに溶解した溶液を用いた以外は、混合溶液L1の作製手順と同様にして、混合溶液L3を作製した。表1に混合溶液L3の成分濃度を併せて示す。
次いで、混合溶液L3を使用した以外は、試料S1の作製手順と同様にして、試料S3を得た。
(試料S4)
溶液(A)における塩化スズ(IV)5水和物10gを水40mLに溶解した溶液を用いた以外は、混合溶液L1の作製手順と同様にして、混合溶液L4を作製した。表1に混合溶液L4の成分濃度を併せて示す。
次いで、混合溶液L4を使用した以外は、試料S1の作製手順と同様にして、試料S4を得た。
(試料S5)
溶液(A)における塩化スズ(IV)5水和物15gを水50mLに溶解した溶液を用いた以外は、混合溶液L1の作製手順と同様にして、混合溶液L5を作製した。表1に混合溶液L5の成分濃度を併せて示す。
次いで、混合溶液L5を使用した以外は、試料S1の作製手順と同様にして、試料S5を得た。
(試料S6)
溶液(A)における塩化スズ(IV)5水和物15gを水40mLに溶解した溶液、及び溶液(C)におけるPAA6gを水20mLに溶解した溶液を用いた以外は、混合溶液L1の作製手順と同様にして、混合溶液L6を作製した。表1に混合溶液L6の成分濃度を併せて示す。
次いで、混合溶液L6を使用した以外は、試料S1の作製手順と同様にして、試料S6を得た。
(試料S7)
溶液(A)における塩化スズ(IV)5水和物15gを水40mLに溶解した溶液、及び溶液(C)におけるPAA10gを水35mLに溶解した溶液を用いた以外は、混合溶液L1の作製手順と同様にして、混合溶液L7を作製した。表1に混合溶液L7の成分濃度を併せて示す。
次いで、混合溶液L7を使用した以外は、試料S1の作製手順と同様にして、試料S7を得た。
比較例1
(試料R1)
ビーカーに水20mLを入れ、これに水ガラス15gを溶解して溶液(B)を得た。別のビーカーに水15mLを入れ、これにPAA3gを溶解して溶液(C)を得た。さらに、別のビーカーに水20mLを入れ、これに硝酸12gを溶解して溶液(D)を得た。溶液(B),(C)及び(D)を約25℃で撹拌しながら混合することで、Snを含まない混合溶液LR1を得た。
次いで、混合溶液LR1をポリエチレン製チューブ(内径12mm、長さ120mm)に小分けし、室温付近(約25℃)で一晩放置して完全にゲル化させゲル状体を得た。ゲル状体を取り出し、水中で3日の間放置して洗浄後(約25℃)、40℃で乾燥させて白色固体を得た。得られた白色固体を420℃で1時間、650℃で30分間焼成して、試料R1を得た。
比較例2
(試料R2)
ビーカーに水10mLを入れ、これに塩化スズ(IV)5水和物2.7gを溶解して溶液(A)を得た。ビーカーに水20mLを入れ、これに水ガラス15gを溶解して溶液(B)を得た。さらに、別のビーカーに水20mLを入れ、これに硝酸12gを溶解して溶液(D)を得た。溶液(A),(B)及び(D)を約25℃で撹拌しながら混合することで、PAAを含まない混合溶液LR2を得た。
次いで、混合溶液LR2をポリエチレン製チューブ(内径12mm、長さ120mm)に小分けし、室温付近(約25℃)で一晩放置して完全にゲル化させゲル状体を得た。ゲル状体を取り出し、水中で3日の間放置して洗浄後(約25℃)、40℃で乾燥させて白色固体を得た。得られた白色固体を420℃で1時間、650℃で30分間焼成して、試料R2を得た。
(2)評価
「混合溶液のゲル化の進行」
混合溶液L1〜L7のゲル化の進行を評価した。混合溶液L1〜L7のいずれもがゲル化したが、PAA量が多い混合溶液L6,L7はゲル化時間が、2時間程度であり、他の混合溶液(10分程度)より長かった。
一方、試料R1,R2における、混合溶液LR1,LR2についてもゲル化の進行を評価したところ、2時間程度でゲル化した。
「試料の形態観察、硬度の評価」
試料S1,S2は、白色の固形物であった。試料S3〜S7は、灰色の固形物であった。試料S1〜S7の硬度はそれほど高くなく、力を加えると破砕した。
一方、試料R1は無色透明のガラス状、R2は白色固体であった。試料S1〜S7と比較して硬度が非常に高く、明らかに試料S1〜S7と形態が異なっていた。
「XRD」
試料S2について、XRD(Bruker axs社製、型番:D8ADVANCE、測定条件:電圧40kV、電流40mA、線源CuKα)にて、結晶性を評価した結果を図1に示す。
図1において、非晶質シリカを示すシグナルのみであり、酸化スズSnO2のシグナルは確認されなかった。
次いで、実施例および比較例である試料S1、S2及びR1、R2について詳細な評価を行った。
「表面積の評価」
表面積は比表面積細孔分布測定装置(ベックマン・コールター社製、型番:SA3100Plus)を用いて測定した。
S1、S2及びR1、R2と共に、比較のため、SnO2(和光純薬株式会社)粉末の表面積測定も行った。結果を表2に示す。
「複合酸化物中の元素含有量の評価」
複合酸化物試料中のSn原子、Si原子、Na原子の原子比(元素含有量)を蛍光X線測定装置(日本電子社製、型番:JSX-3201)を用いて測定した。試料S1、S2及びR1、R2についての評価結果を表3に示す。
「水素製造触媒活性の評価」
固定床流通式触媒評価装置(ラウンドサイエンス社製)にて、水素生成能力を評価した。
20wt%エタノール水溶液を用い、蒸発器にエタノール水溶液とN2をそれぞれ0.5mL/min、200mL/minで供給することで作製した原料ガスを、内径15mmの石英製反応管に充填させた水素製造触媒(試料S2)1gに対して供給し、出口ガスとしての水素を始めとするガス濃度を評価装置に内蔵された熱伝導度検出器(TCD)にて測定した。反応温度は400℃、500℃及び600℃である。結果を表4に示す。なお、触媒は、粒径1〜3mmに分級して使用した。また、比較のため、SnO2粉末試料を同様の評価を行った。結果を表5に示す。
「水素製造触媒活性評価後の炭素析出の評価」
水素製造触媒活性評価後の試料S1,S2について、目視にて炭素析出の有無の確認を行ったが、試料S1,S2共炭素の析出は確認されなかった。
「水素製造触媒活性評価前後での試料中のSnの評価」
600℃の触媒反応前後の試料S2について、九州シンクロトロン光研究センターにおいて、BL11を使用して、エックス線吸収端構造(Sn L(III)-edgeXANES、透過法)を評価した。
その結果、触媒反応前後ともSn(IV)であり、600℃の触媒反応前後でSn周辺の構造が変化していないことが示唆された。図2に水素製造触媒活性評価前後のS2及びSnO2のXANESスペクトルを示す。
実施例2
(1)水素製造触媒の合成
(試料C1)
ビーカーに水10mLを入れ、これに酢酸コバルト4水和物0.5gを溶解して溶液(A)を得た。別のビーカーに水30mLを入れ、これに水ガラス15gを溶解して溶液(B)を得た。さらに、別のビーカーに水30mLを入れ、これにPAA3.5gを溶解して溶液(C)を得た。溶液(A),(B)及び(C)を約25℃で撹拌しながら混合することで、混合溶液LC1を得た。表6に混合溶液LC1の成分濃度を示す。
次いで、混合溶液をポリエチレン製チューブ(内径12mm、長さ120mm)に小分けし、室温付近(約25℃)で一晩放置して完全にゲル化させゲル状体を得た。得られたゲル状体を取り出し、水中で3日間放置して洗浄後(約25℃)、50℃で乾燥させて紫色固体を得た。得られた紫色固体を420℃で1時間、650℃で30分間焼成して、水素製造触媒である試料C1を得た。
(試料C2)
溶液(A)における酢酸コバルト4水和物1.0gを20mLに溶解した溶液、及びPAA3.5gを水20mLに溶解した溶液を用いた以外は、混合溶液LC1の作製手順と同様にして、混合溶液LC2を作製した。表6に混合溶液LC2の成分濃度を示す。
次いで、混合溶液LC2を使用した以外は、試料C1の作製手順と同様にして、試料C2を得た。
(2)評価
「混合溶液のゲル化の進行」
試料C1、C2における、混合溶液LC1、LC2のゲル化の進行を評価した。どちらも、数十分程度でゲル化した。
「試料の形態観察、硬度の評価」
混合溶液LC1,LC2は紫色懸濁溶液であるが、ゲル化が進行するにつれて濁りが濃くなった。試料C1、C2の硬度はそれほど高くなく、力を加えると破砕した。
「XRD」
試料C1について、XRD(Bruker axs社製、型番:D8ADVANCE、測定条件:電圧40kV、電流40mA、線源 CuKα)にて、結晶性を評価した。評価結果を図3に示す。
C1は非晶質シリカを示すシグナルのみであり、酸化コバルト(CoO,Co34)のシグナルは確認されなかった。
「表面積の評価」
表面積は比表面積細孔分布測定装置(ベックマン・コールター社製、型番:SA3100Plus)を用いて測定した。結果を表7に示す。
「複合酸化物中の元素含有量の評価」
複合酸化物試料中のCo原子、Si原子、Na原子の原子比(元素含有量)を蛍光X線測定装置(日本電子社製、型番:JSX-3201)を用いて測定した。試料C1、C2についての評価結果を表8に示す。
「水素製造触媒活性の評価」
固定床流通式触媒評価装置(ラウンドサイエンス社製)にて、水素生成能力を評価した。20wt%エタノール水溶液を用い、蒸発器にエタノール水溶液とN2をそれぞれ0.5mL/min、200mL/minで供給することで作製した原料ガスを、内径15mmの石英製反応管に充填させた水素製造触媒(試料C1)0.5gに対して供給し、出口ガスとしての水素を始めとするガス濃度を評価装置に内蔵された熱伝導度検出器(TCD)にて測定した。反応温度は400℃、500℃及び600℃である。結果を表9に示す。尚、触媒は分級せずに、評価試験に用いた。
「水素製造触媒活性評価後の炭素析出の評価」
水素製造触媒活性評価後の試料C1,C2について、目視にて炭素析出の有無の確認を行ったが、試料C1,C2共に炭素の析出は確認されなかった。
「水素製造触媒活性評価前後での試料中のCoの評価」
600℃の触媒反応前後の試料C1について、九州シンクロトロン光研究センターにて、BL15を使用して、エックス線吸収端構造(CoK-edgeXANES、透過法)を評価した。
その結果、触媒反応前後ともCo(II)であり、600℃の触媒反応前後でCo周辺の構造が変化していないことが示唆された。図4に、水素製造触媒活性評価前後のC1と参照物質として酢酸コバルトと共にXANESスペクトルを示す。
実施例3
(1)水素製造触媒(試料Z1)の合成
ビーカーに水40mLを入れ、これに塩化亜鉛2gを溶解して溶液(A)を得た。別の
ビーカーに水60mLを入れ、これに水ガラス30gを溶解して溶液(B)を得た。さらに、別のビーカーに水60mLを入れ、これにPAA6gを溶解して溶液(C)を得た。
溶液(A)、(B)及び(C)を約25℃で撹拌しながら混合することで、混合溶液LZ1を得た。表10にLZ1の成分濃度を示す。
次いで、混合溶液をポリエチレン製トレイ(縦50mm、横44mm、高さ13.3mm)に小分けし、40℃乾燥機中で一晩放置して完全にゲル化させゲル状体を得た。得られたゲル状体を取り出し、水中で3日間放置して洗浄後(約25℃)、40℃で乾燥させて白色固体を得た。得られた白色固体を650℃、1時間焼成して、水素製造触媒である試料Z1を得た。
(2)評価
「XRD」
試料Z1について、XRD(Bruker axs社製、型番:D8ADVANCE、測定条件:電圧40kV、電流40mA、線源 CuKα)にて、結晶性を評価した。評価結果を図5に示す。
Z1は、非晶質シリカを示すシグナルに加えて、酸化亜鉛(ZnO)に由来するシグナルが若干ながら確認された。このことから、Z1において、Znは大部分が非晶質シリカと複合化して非晶質複合酸化物を形成しているが、一部がZnOとして存在していると示唆される。
「表面積の評価」
試料Z1について、表面積は比表面積細孔分布測定装置(ベックマン・コールター社製、型番:SA3100Plus)を用いて測定した。結果を表11に示す。
「複合酸化物中の元素含有量の評価」
複合酸化物試料(Z1)中のZn原子、Si原子の原子比(元素含有量)を蛍光X線測定装置(島津製作所製、型番:EDX-900HS)を用いて測定した。結果を表12に示す。
「水素製造触媒活性の評価」
固定床流通式触媒評価装置(ラウンドサイエンス社製)にて、水素生成能力を評価した。
20wt%エタノール水溶液を用い、蒸発器にエタノール水溶液とN2をそれぞれ0.18mL/min、203mL/minで供給することで作製した原料ガスを、内径15mmの石英製反応管に充填させた水素製造触媒(試料Z1)1gに対して供給し、出口ガスとしての水素を始めとするガス濃度を評価装置に内蔵された熱伝導度検出器(TCD)にて測定した。反応温度は400℃、500℃及び600℃である。なお、触媒は、粒径1〜3mmに分級して使用した。結果を表13に示す。
「水素製造触媒活性評価後の炭素析出の評価」
水素製造触媒活性評価後の試料Z1について、目視にて炭素析出の有無の確認を行ったが、炭素の析出は確認されなかった。
実施例4
(1)水素製造触媒(試料F1)の合成
ビーカーに水40mLを入れ、これに塩化鉄(II)六水和物2gを溶解して溶液(A)を得た。別のビーカーに水60mLを入れ、これに水ガラス30gを溶解して溶液(B)を得た。さらに、別のビーカーに水60mLを入れ、これにPAA6gを溶解して溶液(C)を得た。
溶液(A)、(B)及び(C)を約25℃で撹拌しながら混合することで、混合溶液LF1を得た。表14にLF1の成分濃度を示す
次いで、混合溶液をポリエチレン製トレイ(縦50mm、横44mm、高さ13.3mm)に小分けし、40℃乾燥機中で一晩放置して完全にゲル状体を得た。得られたゲル状体を取り出し、水中で3日間放置して洗浄後(約25℃)、40℃で乾燥させて薄黄緑固体を得た。
得られた薄黄緑固体を650℃、2時間焼成して、水素製造触媒である試料F1を得た。
「XRD」
試料F1について、XRD(Bruker axs社製、型番:D8ADVANCE、測定条件:電圧40kV、電流40mA、線源 CuKα)にて、結晶性を評価した。評価結果を図6に示す。
F1は非晶質シリカを示すシグナルのみであり、酸化鉄(FeO,Fe23)のシグナルは確認されなかった。
「表面積の評価」
試料F1について、表面積は比表面積細孔分布測定装置(ベックマン・コールター社製、型番:SA3100Plus)を用いて測定した。結果を表15に示す。
「複合酸化物中の元素含有量の評価」
複合酸化物試料(F1)中のFe原子、Si原子の原子比(元素含有量)を蛍光X線測定装置島津製作所製、型番:EDX-900HS)を用いて測定した。結果を表16に示す。
「水素製造触媒活性の評価」
試料Z1の代わりに試料F1を使用したこと以外は、実施例3における水素製造触媒活性の評価の同一の装置、同一の方法にて、試料F1の水素生成能力を評価した。
結果を表17に示す。
「水素製造触媒活性評価後の炭素析出の評価」
水素製造触媒活性評価後の試料F1について、目視にて炭素析出の有無の確認を行ったが、炭素の析出は確認されなかった。
本発明によると、アルコールなどを原料として、効率よく水素を製造するための水素製造触媒を製造することができるため、工業的に有望である。

Claims (15)

  1. 触媒活性成分としての金属酸化物MOx(但し、xは0<x≦3である。)の前駆体(A)、ケイ酸アルカリ金属塩(B)及び水溶性高分子(C)を含む混合溶液をゲル化させてゲル状体を形成し、該ゲル状体を乾燥した後、該乾燥したゲル状体を焼成することを特徴とする、非晶質シリカと金属酸化物との非晶質複合酸化物からなる水素製造触媒の製造方法。
  2. 金属酸化物MOxにおける金属元素Mが、スズ、コバルト、銅、マンガン、チタン、亜鉛、鉄、バナジウムより選ばれた1種または2種以上である請求項1記載の水素製造触媒の製造方法。
  3. 金属元素Mが、スズである請求項2記載の水素製造触媒の製造方法。
  4. ケイ酸アルカリ金属塩(B)が、水ガラスである請求項1から3のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
  5. 水溶性高分子(C)が、ケイ酸アルカリ金属塩(B)と分相する水溶性高分子である請求項1から4のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
  6. 水溶性高分子(C)が、ポリアクリル酸である請求項5記載の水素製造触媒の製造方法。
  7. 前記混合溶液における、金属酸化物MOxの前駆体(A)の濃度が0.01〜2.0mol/L(金属元素M原子濃度換算)、ケイ酸アルカリ金属塩(B)の濃度が0.05〜3.0mol/L(Si原子濃度換算)である請求項1から6のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
  8. 前記混合溶液における、水溶性高分子(C)の濃度が0.5〜10重量%である請求項1から7のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
  9. ゲル状体の乾燥を行う前に、ゲル状体の水洗を行う請求項1から8のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
  10. 焼成温度が、400〜800℃である請求項1から9のいずれかに記載の水素製造触媒の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の製造方法で製造されてなることを特徴とする水素製造触媒。
  12. BET比表面積が、35m2/g以上である請求項11記載の水素製造触媒。
  13. 前記非晶質複合酸化物中の金属元素MとSiとの原子比M/Siが、0.01/1〜1.2/1である請求項11または12記載の水素製造触媒。
  14. 炭素数4以下の脂肪族アルコールの改質触媒である請求項11から13のいずれかに記載の水素製造触媒。
  15. 前記脂肪族アルコールが、エタノールである請求項14記載の水素製造触媒。
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