以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである(詳細は後述する)。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部>
図2は、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ・入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ・リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口134の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300には、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157やシャッタ(遮蔽装置)163の制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ(遮蔽装置)163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504には、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を設けている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<主制御部メイン処理>
次に、図3を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。ステップS103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
ステップS105では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS107では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS111では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS113では全リール110乃至112の回転を開始させる。ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS121では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図4を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS207では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS213では、外部信号設定処理を行う。この外部信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図5を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理を実行する。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。このコマンド処理では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS311では、ステップS307で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。ステップS313では、S307で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。ステップS315では、ステップS307で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
このタイマ割込処理のステップS501では、上述の第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS503では、ステップS315で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部500の処理>
次に、図6を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理を実行する。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS605の処理に移行する。ステップS605では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS607では、コマンド処理を行う。このコマンド処理では、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS609では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS611では、ステップS609で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。ステップS613では、ステップS609で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS603へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
このタイマ割込処理のステップS801では、上述の第2副制御部メイン処理におけるステップS603において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。また、ステップS803では、各種変数の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS613の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP536は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS903では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS905に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS905では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS901でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS907では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS909では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS911に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS911では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<告知ランプ>
次に、図7を用いて、上述の告知ランプ123について詳細に説明する。なお、同図(a)は告知ランプ123の告知フィルム606の断面を模式的に示した図である。また、同図(b)は光源602を消灯させたときの告知ランプ123を正面から見た図であり、同図(c)は光源602を点灯させたときの告知ランプ123を正面から見た図である。
告知ランプ123は、LEDなどによって構成される光源602と、この光源602から出射される光を告知フィルム606の方向に導くための光漏れ防止壁604と、遊技に関する情報を報知するための告知フィルム606と、を有して構成されている。
この例では、告知フィルム606は、平面視が正方形形状の無色透明の基材606aの上に、第1〜第4印刷層606b〜606eを、この順番で積層印刷することによって形成されている。
第1印刷層606bは、半透明の光輝性を有する材料によって構成され、同図(b)に示すように、平面視が円形形状で、その一部(この例では、同図(b)において斜線で示される爺様の顔を表す部位)が打ち抜かれている。第1印刷層606bを基材606a側から見ると、第1印刷層606bの上に積層される印刷層(この例では、第2印刷層606cと第3印刷層606d)が打ち抜かれた部位を通して視認可能な構造となっている。第2印刷層606cは、無色透明の材料によって構成され、第3印刷層606dは、半透明の材料によって構成されている。第4印刷層606eにおける第3印刷層606dの積層部分は、透明の材料からなり、その外周部は、光源602から出射される光を遮光するための遮光印刷層(同図(a)において黒で塗り潰した部分)となっている。
主制御部300は、所定の条件が成立した場合(例えば、ビッグボーナスに内部当選した場合)に、駆動回路328を介して告知ランプ123の光源602を点灯させることによって、告知ランプ123を、同図(b)に示す光源非点灯状態(光源602を消灯している状態)から、同図(c)に示す光源点灯状態(光源602を点灯している状態)に変化させる。
同図(b)に示す光源非点灯状態では、光源602を消灯しているため、告知フィルム606の第4印刷層606e側(告知ランプ123の内側)よりも、告知フィルム606の基材606a側(告知ランプ123の外側、すなわち遊技者側)の方が明るくなり、告知ランプ123を遊技者側から見ると、第1印刷層606bの打ち抜き部位を通して、半透明の材料からなる第3印刷層606dが視認される。これにより、遊技者は、同図(b)において斜線で示される爺様の顔を判別することが可能となる。
一方、同図(c)に示す光源点灯状態では、光源602を点灯しているため、告知フィルム606の基材606a側(告知ランプ123の外側、すなわち遊技者側)よりも、告知フィルム606の第4印刷層606e側(告知ランプ123の内側)の方が明るくなり、告知ランプ123を遊技者側から見ると、第1〜第4印刷層606b〜606eおよび基材606aを通して、光源602から出射される光が視認される。これにより、遊技者は、同図(c)に示すように、爺様の顔を判別することが不可能となる。
したがって、告知ランプ123を、同図(b)に示す光源非点灯状態(光源602を消灯している状態)から、同図(c)に示す光源点灯状態(光源602を点灯している状態)に変化させることによって、告知ランプ123を、爺様の顔を判別可能な状態から、爺様の顔を判別不可能な状態に変化させ、所定の条件が成立したことを遊技者に報知することが可能となる。これにより、遊技者は、スロットマシン100の遊技状態に何らかの変化が生じたこと(例えば、ビッグボーナスに内部当選したこと)を視覚的に容易に把握することができる。
なお、この例では、図8(a)に示すように、キャラクタの画像を、第1印刷層606bの一部を打ち抜くことによって形成し、打ち抜き部位から第3印刷層606dを臨ませることによってキャラクタの画像を視認可能としたが、同図(b)に示すように、キャラクタの画像以外の部分を打ち抜くことによって(キャラクタの画像部分を第1印刷層606bで形成することによって)キャラクタ画像を形成し、打ち抜き部位から第3印刷層606dを臨ませることによってキャラクタの画像を視認可能としてもよい。
<変形例1>
次に、図9を用いて、変形例1に係る告知ランプ650について詳細に説明する。同図(a)の左側は、光源602消灯時の告知ランプ650の告知フィルム656の断面を模式的に示した図であり、同図(a)の右側は、光源602を消灯させたときの告知ランプ650を正面から見た図である。また、同図(b)の左側は、光源602点灯時の告知ランプ650の告知フィルム656の断面を模式的に示した図であり、同図(b)の右側は、光源602を点灯させたときの告知ランプ650を正面から見た図である。
変形例に係る告知ランプ650の告知フィルム656は、上述の告知ランプ123の告知フィルム606に第5印刷層606fを加えたものである。なお、告知ランプ123と同じ構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
第5印刷層606fは、半透明の材料によって構成され、第3印刷層606dと第4印刷層606eの間に積層印刷されている。また、第5印刷層606fには、図(b)の右側に示すような、数字の7を表す図柄が施されている。
同図(a)に示す光源非点灯状態では、光源602を消灯しているため、告知フィルム656の第4印刷層606e側(告知ランプ650の内側)よりも、告知フィルム656の基材606a側(告知ランプ650の外側、すなわち遊技者側)の方が明るくなり、告知ランプ650を遊技者側から見ると、第1印刷層606bの打ち抜き部位を通して、半透明の材料からなる第3印刷層606dが視認される。これにより、遊技者は、同図(a)の右側において斜線で示される爺様の顔を判別することが可能となる。
一方、同図(b)に示す光源点灯状態では、光源602を点灯しているため、告知フィルム656の基材606a側(告知ランプ650の外側、すなわち遊技者側)の光L1の光量よりも、告知フィルム656の第4印刷層606e側(告知ランプ650の内側)の光L2の光量が強くなり、告知ランプ650を遊技者側から見ると、第1〜第5印刷層606b〜606fおよび基材606aを通して、光源602から出射される光が視認される。これにより、遊技者は、同図(b)の右側に示すように、第5印刷層606fに施された、数字の7を表す図柄が、光源602から出射される光に照らされて視認可能になるとともに、光L2の光量が光L1の光量よりも強くなり、爺様の顔を判別することが不可能となる。
したがって、告知ランプ650を、同図(a)に示す光源非点灯状態(光源602を消灯している状態)から、同図(b)に示す光源点灯状態(光源602を点灯している状態)に変化させることによって、告知ランプ650を、爺様の顔を判別可能な状態から、爺様の顔を判別不可能な状態に変化させるとともに、数字の7を表す図柄を視認可能とし、所定の条件が成立したことを遊技者に報知することが可能となる。これにより、遊技者は、スロットマシン100の遊技状態に何らかの変化が生じたこと(例えば、ビッグボーナスに内部当選したこと)を視覚的に容易に把握することができる。
また、図10(a)は、光源602を消灯させたときの告知ランプ650を正面から見た図であり、同図(b)は、光源602を点灯させたときの告知ランプ650を正面から見た図である。また、同図(c)〜(e)は、同図(a)および(b)においてAで示される矩形部分を拡大して示した拡大図であり、同図(c)は光源非点灯時における拡大図、同図(d)は従来の告知ランプの光源点灯時における拡大図、同図(e)は告知ランプ650の光源点灯時における拡大図である。
同図(c)に示すように、光源非点灯状態では、告知ランプ650を遊技者側から見ると、第1印刷層606bの打ち抜き部位を通して、半透明の材料からなる第3印刷層606dが視認され、これにより、遊技者は、同図(a)において斜線で示される爺様の顔を判別することが可能となる。
一方、同図(e)に示すように、光源点灯状態では、告知ランプ650を遊技者側から見ると、第1〜第5印刷層606b〜606fおよび基材606aを通して、光源602から出射される光が視認される。これにより、遊技者は、第5印刷層606fに施された、数字の7を表す図柄が、光源602から出射される光に照らされて視認可能になるとともに、第1印刷層606bの打ち抜き部位を通して視認可能であった第3印刷層606dが視認不可能となり、爺様の顔を判別することが不可能となる。なお、従来の告知ランプでは、同図(d)に示すように、光源点灯状態で、第1印刷層606bに相当する印刷層の打ち抜き部位に沿って影が生じ、第5印刷層606fに相当する印刷層に施された、数字の7を表す図柄がぼやけて図柄の視認性が著しく低下してしまうといった問題があったが、本発明はこのような従来の問題点を解決したものである。上述の影が発生する原理は必ずしも明らかではないが、従来の告知ランプでは、第1印刷層606bに相当する印刷層と、第3印刷層606dに相当する印刷層が隣接して配置されている点にあると考えられる。
<変形例2>
次に、図11を用いて、変形例2に係る告知ランプ660について詳細に説明する。同図(a)は、告知ランプ660の第1告知フィルム668および第2告知フィルム666の断面を模式的に示した図であり、同図(b)は、第2告知フィルム666を交換可能に構成した例を示した図である。
変形例2に係る告知ランプ660は、LEDなどによって構成される光源662と、この光源662から出射される光を第1告知フィルム668および第2告知フィルム666の方向に反射させるためのリフレクタ664と、遊技に関する情報を報知するための第1告知フィルム668および第2告知フィルム666と、を有して構成されている。
第1告知フィルム668は、平面視が正方形形状の無色透明の基材606aの上に、第1印刷層606bを積層印刷することによって形成されている。第2告知フィルム666は、平面視が正方形形状の無色透明の基材606aの上に、第3印刷層606d、第5印刷層606f、第4印刷層606eを、この順番で積層印刷することによって形成されている。
また、変形例2に係る告知ランプ660では、同図(b)に示すように、第5印刷層606fに、数字の7を表す図柄を施した第2告知フィルム666に代えて、第5印刷層606fに相当する印刷層に「当(当り)」を表す図柄を施した第2告知フィルム667を適用可能に構成されている。この例では、光源662の前面に、第1告知フィルム668と第2告知フィルム666を重ね合わせて配置した場合には、光源非点灯状態では、遊技者は、爺様の顔を判別することが可能となり、光源点灯状態では、遊技者は、数字の7を表す図柄が、光源662から出射される光に照らされて視認可能になるとともに、爺様の顔を判別することが不可能となる。また、光源662の前面に、第1告知フィルム668と第2告知フィルム667を重ね合わせて配置した場合には、光源非点灯状態では、遊技者は、爺様の顔を判別することが可能となり、光源点灯状態では、遊技者は、文字の「当」を表す図柄が、光源662から出射される光に照らされて視認可能になるとともに、爺様の顔を判別することが不可能となる。
なお、上記実施形態では、基材の片面に印刷層を積層印刷する例を示したが、図12に示すように、基材606aの第1の面に第1印刷層606bを積層印刷し、基材606bの第2の面に第3印刷層606d、第5印刷層606f、第4印刷層606eを、この順番で積層印刷してもよい。すなわち、基材の両面に印刷層を積層印刷してもよい。
また、上記実施形態では、告知ランプの例を示したが、例えば、図13、図14に示すように、右シャッタ163a、左シャッタ163bに本発明を適用し、液晶表示装置157を光源としてもよい。この例では、液晶表示装置157に画像を表示させていない状態では、右シャッタ163a、左シャッタ163bを遊技者側から見ると、上記第1印刷層606bに相当する印刷層の打ち抜き部位を通して、上記第3印刷層606dに相当する印刷層が視認され、これにより、遊技者は、図13(a)や同図(b)に示すように、例えば、上記第1印刷層606bに相当する印刷層に打ち抜きで形成された「大盤」や「振舞」といった文字を判別することが可能となる。
一方、液晶表示装置157に画像を表示させていない状態では、液晶表示装置157が光源となり、右シャッタ163a、左シャッタ163bを遊技者側から見ると、印刷層や基材を通して、液晶表示装置157から出射される光が視認される。このとき、液晶表示装置157では、図14に示すように、「激」や「アツ」といった文字を表示する。これにより、遊技者は、図13(c)に示すように、液晶表示装置157に表示された「激」や「アツ」といった文字が、印刷層606b、606cや基材606aを通して視認可能になるとともに、打ち抜き部位を通して視認可能であった「大盤」や「振舞」といった文字が視認不可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン100は、遊技に関する抽選(例えば、内部抽選)を行い、前記抽選の抽選結果に応じた遊技制御を行う制御部(例えば、主制御部300の基本回路302)と、前記遊技制御に関連して点灯または消灯される光源(例えば、光源602)と、前記光源から出射される光を透過して意匠を表示する装飾表示部(例えば、告知ランプ123の告知フィルム606)と、を備え、前記装飾表示部は、前記光を透過可能で、かつ光輝性を有する材料によって第1の装飾(例えば、爺様の顔)が施された第1の印刷層(例えば、第1印刷層606b)と、前記第1の印刷層の前記光源側に配置され、かつ前記光の透過性を低下させる半透明の材料からなる第2の印刷層(例えば、第3印刷層606d)と、前記光を透過可能で、かつ前記第1の印刷層と前記第2の印刷層を離間させるために前記第1の印刷層と前記第2の印刷層の間に配設される光透過層(例えば、第2印刷層606c)と、を有して構成されていることを特徴とする、遊技台である。
本実施形態に係るスロットマシン100によれば、光源の点灯時に第1の印刷層と第2の印刷層の間に生じる影の映り込み(図10(d)参照)を光透過層を設けることによって低減することができ、第1の印刷層に施した第1の装飾がうっすらと視認できてしまうような問題を回避することができる。このため、装飾表示部の視認性を阻害することなく演出効果を高め、遊技者の遊技意欲を向上できる場合がある。
また、前記装飾表示部は、前記第2印刷層の前記光源側に配置され、前記光を透過可能で、かつ前記第1の装飾とは異なる第2の装飾(例えば、7の図柄)が施された第3の印刷層(例えば、第5印刷層606f)をさらに有してもよい。
このような構成とすれば、光源の点灯時に第1の印刷層と第2の印刷層の間に生じる影の映り込みを光透過層を設けることによって低減することができ、第3の印刷層に施した第2の装飾の視認性を高めることができる上に、光源の点灯と消灯を制御することによって第1の装飾または第2の装飾のいずれかを視認可能にすることができる。このため、装飾表示部の視認性を阻害することなく演出効果を高め、遊技者の遊技意欲を向上できる場合がある。
また、前記装飾表示部は、別体の2つの装飾表示部によって構成され、一方の装飾表示部(例えば、第1告知フィルム668)が、前記第1の装飾が施された前記第1の印刷層を少なくとも有し、他方の装飾表示部(例えば、第2告知フィルム666、第2告知フィルム667)が、前記第2の装飾が施された前記第3の印刷層を少なくとも有してもよい。
このような構成とすれば、第1の装飾および第2の装飾のいずれかのデザインの変更が必要な場合に、デザイン変更が必要な装飾表示部だけを変更すれば良く利便性が高い上に、例えば、他方の装飾表示部を複数種類用意し、一方の装飾表示部との組合せを変更可能に構成すれば、装飾表示部による意匠の表示のバリエーションを増やすことができる場合がある。
また、所定範囲を移動可能な可動物(例えば、シャッタ)をさらに備え、前記一方の装飾表示部および前記他方の装飾表示部の少なくともいずれかが、前記可動物に備えられていてもよい。
このような構成とすれば、演出効果をさらに高めることができ、遊技者の遊技意欲を向上できる場合がある。
また、前記装飾表示部における前記光透過層は、無色透明のクリア印刷層によって構成されていてもよい。
このような構成とすれば、光透過層の光の透過率を高めることで、第1の装飾または第2の装飾の視認性を高めることができる場合がある。
また、前記第1の装飾または前記第2の装飾は、前記遊技制御に関する情報(例えば、入賞役に対応する図柄組合せ(例えば7−7−7)を構成する図柄(7の図柄))を示唆する装飾であってもよい。
このような構成とすれば、遊技者の注目を装飾表示部に集める事ができ、演出効果を高め、遊技者の遊技意欲を向上できる場合がある。
また、前記装飾表示部における前記第1の印刷層は、パール顔料、メタリック顔料等の高輝度性の顔料を含有する透明または半透明の塗料によって構成されていてもよい。
このような構成とすれば、装飾表示部の加工が容易な上に、加工に要するコストを抑えることができる場合がある。
また、前記光源が、液晶表示装置(例えば、液晶表示装置157)であってもよい。このような構成とすれば、多くの遊技台が備える液晶表示装置を光源として用いることができ、装飾表示部を照らすための光源を別に備える必要がない。このため、光源を別に備えた場合に比べて、部品点数を減らし、コストを低減できる場合がある。
なお、上記実施形態では、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉
)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ機などにも適用可能である。
具体的には、本発明に係る遊技台は、図15に示す、「所定の遊技領域1002に遊技
球を発射する発射装置1010と、発射装置1010から発射された遊技球を入球可能に
構成された入賞口1006と、入賞口1006に入球した遊技球を検知する検知手段10
08と、検知手段1008が遊技球を検知した場合に遊技球(賞球)を払出す払出手段1
012と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1004を備え、入賞口1
006に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1004が図柄を変動
させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機1000」にも
好適である。
さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカ
ジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係る遊技台は、上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、本発明の実
施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を
列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたも
のに限定されるものではない。また、実施例に記載した複数の構成のうち、1つの構成に
記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。