JP2011055685A - 超電導直流き電システム、および故障検出方法 - Google Patents

超電導直流き電システム、および故障検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】変電所の直近短絡など大電流の故障電流に対しては電流の立ち上がりの途中で高速に保護を行い、それより小さな故障電流に対しては故障区間を検出して保護を行い、故障区間のみをき電停止することが可能な超電導直流き電システムを提供する。
【解決手段】保護継電器11内の故障選択検出部12はΔI形の故障選択検出部であり、故障検知情報交換部13は、隣接(き電線101を通して対向)する他の変電ポスト(他の直流変電所またはき電区分所)の保護継電器11と、故障検知情報の交換を行う。故障論理判定部14は、自身の故障選択検出部12で検出された故障検知情報と、対向するポストの保護継電器11から受信した故障検知情報とを比較し、一致するかどうかを判定する。そして、一致すると判定した場合に、トリップ信号を生成して、連携する直流遮断器112等をトリップさせる。
【選択図】図2

Description

本発明は、直流き電方式のき電線に超電導線を適用した超電導直流き電システムに関し、特に直流き電回路の保護方式に関するものである。
図4は、従来の直流き電回路の保護方式を示す図である(非特許文献1及び非特許文献2を参照)。図4に示す例は、き電線101Aに直流高速度遮断器(54F)121を介して共通接続される直流変電所(SS)102内にΔI形故障選択継電器131と、直流高速度遮断器121と、連絡遮断装置141と設備した、一般的な保護方式の構成例を示している。この構成により、故障発生時に連絡遮断装置141で変電所(SS)を相互に遮断する。
この場合、直流変電所(SS)の直近での短絡故障などで生じる大電流(かつ大電流突進率の電流)の故障電流に対しては、直流高速度遮断器121の選択特性により高速で自動遮断を行う。この場合の電流遮断動作は電流上昇の過渡状態中において開始される。それよりも小さな、より多頻度で起こる故障電流に対しては、後述するΔI形故障選択継電器(50F)131により故障電流の検出を行い、直流高速度遮断器121をトリップ(開放)する。そして、例えば、A直流変電所の直流高速度遮断器121がトリップした場合は、これをA直流変電所内の連絡遮断装置141からB直流変電所内の連絡遮断装置141に通知し、B直流変電所内の直流高速度遮断器121もトリップさせる。これにより、A直流変電所内の直流高速度遮断器121と、B直流変電所内の直流高速度遮断器121とを相互にトリップさせることにより、き電線(区間)101Aをき電回路から分離して保護を行う。この連絡遮断動作は前述の自動遮断の場合においても同様に働く。
図5は、ΔI形故障選択継電器(50F)131の構成例を示す図である。ΔI形故障選択継電器(50F)131は、電気車の起動電流あるいはノッチ刻みによる電流変化に比べて、故障電流による電流変化が大きいことを利用して、電気車電流と故障電流を判別するものである。図5に示す例は、電流方向判別形のΔI形故障選択継電器の数ある方式の中の一例であり、現在の電流と100ms前の電流との差を求めて、電流変化が一定の大きさ(整定値)を超えると故障と判断するものである。このΔI形故障選択継電器では、回生(横流)成分に応答しないように、ホール素子137を用いて負電流を値“0”と見なすように構成され、また電気車のセクション通過時に応答しないよう、複数のΔI形故障選択継電器間で補償機能が備えられる。
図5に示すΔI形故障選択継電器131は、周知の構成のものであるので、以下においてその構成について簡単に説明する。
き電線101Aに流れる電流は、直流電流の時間微分を検出するサーチコイル式の電流検出器であるDCCT(DC Current Transformer)132により検出され、電流値を計算するため不完全積分器133により積分される。例えば、き電電流A(DCCTが出力する波形は微分波形A´となる)が、電流信号Bに示すき電電流Aと類似した波形となる。また、不完全積分であるため出力信号Bは一定の時定数で減衰する。この電流信号Bは、A/D変換器134Aによりデジタル信号に変換されて加算器135に入力される。一方、電流信号Bは、遅延器136により、所定の遅延時間t(100ms)だけ遅延され、遅延された電流信号Cとして、加算器135に入力される。この加算器135により、電流信号Bと電流信号Cとの差分(B−C)の信号が生成され、現在の電流信号Bと100ms前の電流信号Cとの差分(ΔI)の信号が出力される。この差分の電流信号(ΔI)は、負値判定部138に入力される。
一方、DCCT132に流れる電流は、その電流方向がホール素子137により検出され、このホール素子137により検出された電流方向の信号が、A/D変換器134Bによりデジタル信号に変換されて負値判定部138に入力される。この負値判定部138では、き電線(回線)101Aに流れる電流が保護区間の方向に流れる電流(正方向の力行電流)である場合は、差分電流信号(ΔI)を比較器139に出力する。一方、き電線101Aに流れる電流が保護区間の外側の方向に流れる電流(負方向の回生あるいは横流電流)である場合は、電流信号(ΔI)を値“0”にして、比較器139に出力する。
比較器139では、差分電流信号(ΔI)を整定値Irと比較し、差分電流信号(ΔI)が整定値Irより大きい場合に、直流高速度遮断器をトリップ(開放)させる信号を出力する。このようにΔI形故障選択継電器では、電流の方向を判別すると共に、電流の変化率(電流突進率)が所定の値以上の場合に直流高速度遮断器をトリップさせるように作動する。
実際の変電所は、図6(a)に示すように、複数の直流回線があり、電気車が力行しながら回線間(エアセクション)を渡る場合には、図6(b)に示したように、電流I1,I2が2つの回線間で短時間に移行することになる。この変化率は大きな場合もあり、ΔI形故障選択継電器は複数の直流回線間で補償が行われる。この方法については、周知であるため詳細は省略する。また、回生負荷に対応した補償を行うことが一般的であり、いくつかの方式が用いられている(非特許文献2を参照)。
ところで、超電導ケーブル等の超電導線を利用した送電についての検討は以前より盛んに行われてきたが、鉄道分野においても、直流き電方式への超電導線の適用が検討されている(例えば、特許文献1を参照)。直流き電方式は、通電電流が直流であり、電圧も例えば1500Vと比較的低圧であることなどから、超電導線を使用する場合に直流き電システムで生じる諸問題が解消される可能性は高い。
また、き電線に超電導線を用いることにより、き電線の抵抗を極めて小さくすることができるため、き電線における電力損失や電圧降下を低減し、変電所の間隔延長や集約の可能性、回生率の向上による省エネルギー、設備投資削減、保守低減等の利点につながると期待されている。
図7は、超電導線を用いた超電導直流き電システムについて説明するための図である。図7(a)に示す超電導直流き電システムは、電車線設備として正き電線(PF)とトロリ線(T)で構成される正側電路と、負き電線(NF)とレール(R)で構成される負側電路(帰線)を有する。構成材料は、正き電線(PF)が超電導、トロリ線(T)は銅、負き電線(NF)は超電導、レール(R)は鉄である。き電分岐部Yでは正き電線(PF)とトロリー線(T)、負き電線(NF)とレール(R)がそれぞれ接続される。直流変電所SSの回線は正き電線(PF)と負き電線(NF)間に、電気車107は、従来のき電線システムと同様に、トロリ線(T)とレール(R)間に接続され閉回路を構成する。すなわち、超電導直流き電システムでは、き電線として、正側のき電線(PF)と負側のき電線(NF)を有する構成となる。
また、図7(B)は、超電導直流き電システムにおけるΔI形故障選択継電器(50F)の配置例を示す図である。ΔI形故障選択継電器(50F)201〜208は、直流変電所(SS)およびき電区分所(SP)に配置され、電流検出器151〜158により、各き電区間のき電線101に流れる電流を検出する。図に示すように、各直流変電所(SS)およびき電区分所(SP)には、ΔI形故障選択継電器(50F)が単線につき2組ずつ配置され、それぞれのΔI形故障選択継電器(50F)により、き電線101に流れる異なる方向の電流を検出するように構成されている。本構成は従来の方式と同一である。
特許第4080073号公報
持永他、「電気鉄道技術入門」、オーム社、2008年、p.128-129 「電気鉄道ハンドブック」、コロナ社、2007年、p.495-524
図8は、超電導直流き電システムにおける保護方式の問題点について説明するための図である。図8に示す超電導直流き電システムにおいて、き電線101の地点Aにおいて短絡故障(トロリ線とレールとの間の短絡故障)が発生した場合、超電導ケーブルのき電線101は抵抗成分およびインダクタンス成分が小さいため、短絡電流(故障電流)は、故障地点Aに隣接する変電所(SS)やき電区分所(SP)だけでなく、遠く離れた変電所(SS)やき電区分所(SP)からも供給され、その突進率も大きくなる。
図8の下側に記載されているグラフは、直流変電所(SS)及びき電区分所(SP)において、き電線101に流れる電流(電流検出器151〜158により検出される電流)の状態を示している。上記各グラフは、横軸が時間を示し、縦軸が電流値を示している。ΔI形故障選択継電器では、電流の方向を判別して作動するので、図8において、正側(図で電流検出器とΔI形故障選択継電器との間に流れる電流がA方向)に故障電流が流れるΔI形故障選択継電器202,203,205,207において故障電流(地絡電流あるいは短絡電流)が検出される。
このように本来は、故障地点Aに隣接するΔI形故障選択継電器202,203だけで検出されるべき故障電流が、遠く離れた直流変電所(SS)等においても検出されることになり、本来はき電停止が不要な多数のき電区間の直流遮断器を動作させてしまう。
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、き電線に超電導線を用いた直流き電システムにおいて、き電線に故障電流が流れる場合に、不要に多数のき電区間がき電停止されること抑止することができる、直流き電システム、および故障検出方法を提供することにある。
また、変電所の直近短絡故障など大電流かつ大電流突進率(電流変化率)の故障電流に対しては、直流き電システムにおける故障電流は50kAなど極めて大きくなることから、電気的過渡現象の途中で高速応答で遮断動作を開始する必要があり、本発明のさらなる目的は、この要求を達成することにある。
(1)本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の直流き電システムは、き電線として超電導線を使用し、沿線に配置される複数の直流変電所により前記き電線に直流電圧を給電する超電導直流き電システムであって、前記各直流変電所の送出部に設けられ、当該直流変電所が前記き電線に出力する電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の測定値を基に、前記各直流変電所から前記き電線に対するき電の停止を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、電流の変化値と当該電流値の変化率を示す電流突進率とによって予め設定される第1の範囲の電流変化が前記電流検出器により検出された場合に、隣接する各直流変電所に流れる電流の方向との論理演算に基づいて、当該直流変電所間を故障区間として判定し、当該故障区間における前記き電線へのき電を受け持つ直流変電所からのき電を停止させる、ことを特徴とする。
(2)また、本発明の直流き電システムは、前記制御部は、隣接する直流変電所に流れる前記電流の方向が同一の場合、当該直流変電所に挟まれたき電区間を前記故障区間とすることを特徴とする。
(3)また、本発明の直流き電システムは、前記制御部は、第2の範囲の電流が前記電流検出器により検出された場合に、当該電流が流れるき電回線で故障が発生したと判定し、前記第1の範囲は、電流変化の大きさが第1の電流値以上であり、かつ前記電流突進率が第1の電流突進率以上の領域であり、前記第2の範囲は、前記第1の範囲に含まれる領域であって、電流変化の大きさが第2の電流値以上であり(第2の電流値>第1の電流値)、かつ電流の変化率を示す電流突進率が第2の電流突進率以上の領域である(第2の電流突進率>第1の電流突進率)、ことを特徴とする。
(4)また、本発明の直流き電システムは、前記各直流変電所には、当該直流変電所あるいはき電区分所が受け持つき電区間をき電またはき電停止するとともに、き電回路の区分を行うための直流遮断器と、前記給電を受け持つき電区間のき電線に流れる故障電流を検出して前記直流遮断器へトリップ信号を出力する保護継電器と、を備え、前記保護継電器は、前記第1の範囲の故障電流が流れる場合に、電流の大きさが第1の範囲内に入ることを判定すると共に該故障電流の方向性を判別し、かつエアセクション通過などに対する必要な補償を行った上で、前記第1の範囲の故障電流が所定の方向に流れた場合に故障検知情報を出力する故障選択検出部と、隣接する直流変電所内の保護継電器との間で前記故障検知情報を交換する故障検知情報交換部と、前記故障選択検出部から出力される故障検知情報と、前記故障検知情報交換部から得られる隣接する直流変電所における故障検知情報とを基に、故障が当該保護継電器の保護対象とする区間の内部または外部で発生したかを判定し、保護区間内で発生したと判定した場合に前記直流遮断器にトリップ信号を出力する故障論理判定部と、を備えることを特徴とする。
(5)また、本発明の直流き電システムは、前記各直流変電所には、一方の側に隣接する直流変電所に向かう第1のき電線に接続される第1の直流遮断器と、前記第1のき電線に流れる電流を監視する第1の保護継電器と、他方の側に隣接する直流変電所等に向かう第2のき電線に接続される第2の直流遮断器と、前記第2のき電線に流れる電流を監視する第2の保護継電器と、を備え、前記第1の保護継電器は、前記一方の側に隣接する直流変電所内の第2の保護継電器と故障検知情報の交換を行い、前記第2の保護継電器は、前記他方の側に隣接する直流変電所内の第1の保護継電器と故障検知情報の交換を行う、ことを特徴とする。
(6)また、本発明の直流き電システムは、前記直流変電所に加えて直流遮断器を有するき電区分所に前記保護継電器が設備され、前記保護継電器内の故障検知情報交換部は、隣接する直流変電所またはき電区分所との間で、前記故障検知情報を交換する、ことを特徴とする。
(7)また、本発明の直流き電システムは、前記直流遮断器がトリップ動作した際に、隣接する直流変電所またはき電区分所の直流遮断器を開放させるための連絡遮断装置(回線)を有することを特徴とする。
(8)また、本発明の直流き電システムは、前記保護継電器内の故障選択検出部は、故障電流の方向性を判別すると共に、所定の方向に流れる電流の変化率を検出して故障を判定するΔI形故障選択継電器により構成される、ことを特徴とする。
(9)また、本発明の故障検出方法は、き電線として超電導線を使用し、沿線に配置される複数の直流変電所により前記き電線に直流電圧を給電する超電導直流き電システムにおける故障検出方法であって、前記各直流変電所の間のき電線に流れる電流を電流検出器により検出する電流検出手順と、前記電流検出器の測定値を基に、前記各直流変電所あるいはき電区分所におけるき電の停止を判定する制御手順と、を含み、前記制御手順により、電流の変化値と当該電流の変化率を示す電流突進率によって予め設定される第1の範囲の電流が前記電流検出器により検出された場合に、各直流変電所間に流れる電流の方向の論理に基づいて故障区間を判定し、該故障区間へのき電を受け持つ直流変電所あるいはき電区分所からのき電を停止させる、ことを特徴とする。
(1)本発明の超電導直流き電システムおよび故障検出方法においては、各直流変電所あるいはき電区分所の間のき電線に流れる電流を電流検出器により検出し、予め設定される第1の範囲の電流が検出された場合に、き電線に流れる電流の方向に基づいて故障区間を判定し、該故障区間へのき電を受け持つ直流変電所からのき電を停止させる。
これにより、き電線に超電導線を用いた直流き電システムにおいて、き電線に故障電流が流れる場合に、不要に多数のき電区間がき電停止されること抑止できる。
(2)また、本発明の直流き電システムおよび故障検出方法においては、前記制御部が、隣接する直流変電所間に流れる電流の方向が同一の場合、当該直流変電所に挟まれた区間を前記故障区間と判定する。
これにより、前項で述べた不要動作を防止する機能を実現するとともに、故障点の位置を標定するロケータとしての機能を兼ねることができる。位置標定の精度は、保護継電器の内部時計を同期させることで向上させることができる。
(3)また、本発明の直流き電システムおよび故障検出方法においては、第1の範囲の故障電流(例えば、中電流かつ中電流突進率以上の領域の故障電流)と、第2の範囲の故障電流(例えば、大電流かつ大電流突進率以上の領域の故障電流)に分類する。第2の範囲の故障電流については、電流の立ち上がりの過渡状態で遮断開始が求められるため、故障区間の判定を行うことなく、故障電流を検出した回線の直流遮断器を直ちに開放することで、高速に保護を行うことができる。この場合、連絡遮断装置等により隣接する直流変電所の直流遮断器も開放させる。一方、第1の領域の故障電流については、故障区間を判定して、故障と判定された区間を受け持つ直流変電所からの給電を停止する。
これにより、変電所の直近短絡故障など大電流かつ大電流突進率の故障に求められる高速保護を実現するとともに、通常の故障電流に対しては、故障区間を判定して必要な区間のみの保護を行うことができる。
(4)また、本発明の超電導直流き電システムにおいては、保護継電器内の故障選択検出部により、第1の範囲の範囲内の故障電流が所定の方向に流れた場合に故障検知情報を出力し、故障検知情報交換部により、隣接する直流変電所内の保護継電器との間で故障検知情報を交換する。そして、故障論理判定部により、故障選択検出部から出力される故障検知情報と、故障検知情報交換部から得られる隣接する直流変電所における故障検知情報とを基に、故障が当該保護継電器の保護対象とするき電区間の内部または外部で発生したかを判定し、故障が保護継区間内で発生したと判定した場合に直流遮断器にトリップ信号を出力する。
これにより、超電導線を用いたき電線に直流電圧をき電する場合に、変電所の直近短絡故障など大電流かつ大突進率の故障電流に対しては、直流遮断器によりき電線を高速に分離して保護を行うとともに、通常の故障電流に対しては、隣接する保護継電器間で故障検知情報を交換することにより故障区間を判定して保護を行うことができる。このため、このため、不要に多数のき電区間がき電停止されること抑止できる。
(5)また、本発明の超電導直流き電システムにおいては、直流変電所のそれぞれには、直流遮断器と保護継電器とを組み合わせた保護装置が単線ごとに2組設備され、1組は一方の側に隣接する直流変電所に向かうき電線(電車線)の保護用に使用され、他の1組は、他方の側に隣接する直流変電所に向かうき電線(電車線)の保護用に使用される。そして、保護継電器は、直流変電所間を結ぶき電線(き電区間)を挟んで対向する保護継電器同士で、故障検知情報の交換を行う。
これにより、保護継電器により、故障が保護対象区間の内部または外部で発生したかを判定することができる。このため、保護継電器により不要な保護動作(不要動作)が行われることを抑止できる。
(6)また、本発明の超電導直流き電システムにおいては、直流変電所に加えて直流遮断器を有するき電区分所に保護継電器が設備され、保護継電器内の故障検知情報交換部は、隣接する直流変電所またはき電区分所との間で、故障検知情報を交換する。
これにより、直流変電所およびき電区分所において、故障区間のみき電停止されるため、停電範囲を必要最小限にすることができる。
(7)また、本発明の超電導直流き電システムにおいては、保護継電器内の故障選択検出部は、故障電流の流れる方向を判別すると共に、電流の変化率を検出して故障を判定し、エアセクション通過など必要な補償機能を有するΔI形故障選択継電器により構成される。
これにより、本発明の超電導直流き電システムおいて使用される保護継電器を、従来から使用され実績のあるΔI形故障選択継電器の技術を利用して構成することができる。
(8)また、本発明の超電導直流き電システムにおいては、隣接する直流変電所またはき電区分所の保護継電器どうしを通信線により接続する。故障検知情報を伝送する通信線は、従来の連絡遮断装置(回線)あるいは超電導ケーブル等の超電導線に内蔵される光ファイバなどを用いて構築することができる。
これにより、本通信線は実績のある技術を利用して構築することができる。
(9)また、発明の超電導直流き電システムにおいては、保護継電器の故障検出情報を一定時間遅らせて、さらに隣接する直流変電所あるいはき電区分所に伝達する構成をとることで、容易に後備保護系を構成することができる。
本発明の超電導直流き電システムにおける保護方式について説明するための図である。 本発明の超電導直流き電システムのシステム構成と保護継電器の構成例を示す図である。 故障電流の領域区分の例を示す図である。 従来の直流き電システムの保護方式を示す図である。 ΔI形故障選択継電器の構成例を示す図である。 ΔI形故障選択継電器のエアセクション補償について説明するための図である。 超電導直流き電システムについて説明するための図である。 超電導直流き電システムにおける保護方式の問題点について説明するための図である。 本発明の超電導直流き電システムにおいて必要に応じて実施する後備保護方式を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の超電導直流き電システムにおける保護方式について説明するための図である。図に示すように、本実施形態の超電導直流き電システムでは、各直流変電所(SS)およびき電区分所(SP)のそれぞれに、直流遮断器111〜118と保護継電器201A〜208Aとが単線ごとに2組ずつ配置される。例えば、直流変電所102Aには、直流遮断器111と保護継電器201Aの組と、直流遮断器112と保護継電器202Aの組とが配置される。そして、それぞれの保護継電器201Aと202Aにより、き電線101に流れる異なる方向(回線)の電流を検出するように構成されている。複線や複々線であって、上下一括き電方式を採用していない場合には、同様の直流遮断器と保護継電器の構成がそれぞれの線路ごとに構成される。
この保護継電器201A〜208Aは、電流変化率を検知するΔI形故障選択継電器(50F)(図4,図5を参照)の機能を備えると共に、後述するパイロット継電方式により保護を行う機能を備えている。
上記システム構成において、直流変電所(SS)の直近での短絡故障などで生じる大電流(かつ大電流突進率の電流)の故障電流(自動遮断領域Bの範囲)に対しては、高速に直流遮断器111〜118を稼動して、従来の直流高速度遮断器と同様に高速で遮断(故障区間のき電回路からの分離)を行う。それよりも小さな故障電流(後述するパイロット継電領域Aの範囲)に対しては、ΔI形故障選択継電器(50F)の機能を備える保護継電器201A〜208Aによりパイロット継電方式により、故障区間を判定して保護を行う。本実施形態において故障選択検出部12として用いられるΔI型故障選択継電器(50F)は、電流値の変化と電流突進率を検出し、予め設定された電流値の変化及び電流突進率であると判定した場合にトリップ信号を出力する。
このパイロット継電方式では、保護継電器201A〜208Aにおいて故障電流が検出された場合に、保護継電器201A〜208Aは、隣接する変電ポスト(直流変電所またはき電区分所)の保護継電器と通信線21を通して故障検知情報(トリップ信号を出力しているか否か)の交換を行う。そして、互いに故障電流を検出していることを確認した場合に、当該保護継電器が保護対象としているき電区間を停電(当該保護継電器に接続された直流遮断器を開放)する。
図1に示す超電導直流き電システムにおいて、き電線101の地点Aにおいて短絡故障(トロリ線とレールの短絡故障)が発生した場合、超電導ケーブルのき電線101においては、抵抗成分およびインダクタンス成分が小さいため、短絡電流は、故障地点Aに隣接する変電所(SS)やき電区分所(SP)だけでなく、遠く離れた変電所(SS)やき電区分所(SP)からも供給され、その突進率も大きくなる。
すなわち、図8で説明したように、ΔI形故障選択継電器(50F)の機能を備える保護継電器201A〜208Aでは、電流の方向を判別して作動するので、図1において、正側(図1で電流検出器151〜158と保護継電器201A〜208Aとの間に流れる電流がA方向)に故障電流が流れる保護継電器202A,203A,205A,207Aにおいて、故障電流が検出されることになる。
この保護継電器202A,203A,205A,207Aでは、隣接する変電ポスト(変電所(SS)およびき電分区分所(SP))に設備された保護継電器201A〜208Aにおける故障電流の検知状態を検出して比較する。図に示す例では、保護継電器202Aと203Aとの間、保護継電器204Aと205Aとの間、保護継電器206Aと207Aとの間で、それぞれ故障の検知状態(後述する図3のパイロット継電領域Aに含まれるか否かの状態)を検出して、故障検出状態の論理を比較する。
そして、隣接ポストの保護継電器における故障検出論理の論理積(AND)を求め、この結果が真(True)となった場合にのみ故障と判定する。すなわち、対向する保護継電器の各々が検出する故障電流の流れる方向が同一(流れる極性が同一)である一対の保護継電器の間に接続されたき電区間のみが直流遮断器によりトリップ(開放)される。図8における各保護継電器の下部に記載されている故障電流のグラフの電流値の極性が故障検出論理となる。すなわち、故障点を挟む2つの対向する保護継電器では、故障電流の方向が同じになるが、それ以外の対向する2つの保護継電器については電流方向は逆となる。ここで故障検出状態としては、例えば、電流値の変化と突進率が整定値以上であり、電流の流れる方向が変電所からき電線への方向の場合に、論理「1」、一方、電流値の変化と突進率が整定値未満である、または電流の流れる方向がき電線から変電所への方向である場合に論理「0」とすれば、論理積を取った場合に、双方が「1」の際、故障論理判定部14はトリップ信号を対応する直流遮断器に対して出力する。
従って、図1に示す例では、き電線101に設けられている保護継電器202Aとこの保護継電器202Aに隣接して対向する保護継電器203Aにおいてのみ故障検出論理(故障検出電流が流れる方向)が一致する。したがって、この故障検出論理が一致することにより、保護継電器202Aからトリップ信号bを出力して、直流遮断器112をトリップ(開放)させる。また同様に、保護継電器203Aからトリップ信号aを出力して、直流遮断器113をトリップさせる。これにより、き電線101における直流遮断器112と113で区分されるき電区間が故障区間として分離される。
一方、故障電流を検出した他の保護継電器201A,204A,205A,207A,208Aの各々は、隣接する保護継電器との間にて電流の方向が一致せず、すなわち故障検出論理が一致しない。このため、他の保護継電器201A,204A,205A,207A,208Aからは、トリップ信号が出力されない。したがって、他の直流遮断器111,114〜118はトリップせず、これらの直流遮断器111,114〜118に繋がるき電区間には直流給電が継続され、健全区間が不要にき電停止(停電)されることを防止することができる。
また、この論理積が“真”となった場合、両端の保護継電器の検出時間の差から故障点の位置を標定することができる。すなわち、故障点標定装置(ロケータ)の機能を兼ねることができる。この場合、全ての保護継電器の内部時計を高精度に同期させておく。
また、図2は、本発明の超電導直流き電システムのシステム構成及び保護継電器の構成例を示す図である。図に示す保護継電器11において、故障選択検出部12は、図5に一例を示すΔI形故障選択継電器と同様な構成を有する故障選択検出部である。故障検知情報交換部13は、隣接(き電線101を通して対向)する他のポストの保護継電器11と通信線21を介して故障検知情報の交換を行う。また、故障論理判定部14は、故障選択検出部12で検出された故障検知情報と、対向する他のポストの保護継電器11から受信した故障検知情報とを比較し、一致するかどうかを判定する。この判定では、故障選択検出部12で検出された故障検知情報の論理(故障電流の流れる方向を示す極性)と、対向する他のポストの保護継電器11から受信した故障検知情報の論理(故障検出電流の流れる方向を示す極性)との論理積(AND)を取り、真:Trueとなった場合にトリップ信号を生成して、直流遮断器112等をトリップ(開放)させる。
また、図3は、故障領域区分の例を示す図であり、縦軸が電流の変化値を示し、横軸が電流の変化が始まってからの経過時間を示している。図3において、パイロット継電領域(第1の領域)Aは、電流変化が第1の電流(I1)以上であり、電流突進率(電流変化率「di/dt」)が電流突進率Ta(第1の電流突進率)以上、かつ電流突進率Tb以下の部分と、電流突進率が電流突進率Tbの線分と電流軸とに挟まれた領域において、第1の電流以上かつ第2の電流(I2)以下の部分とである。
このパイロット継電領域Aにおいては、保護継電器11は、通信により隣接(対向)する保護継電器11が動作したか否かの故障検知情報を受信し、自身が保護対象とするき電区間の故障であるかどうかを判定する。すなわち、故障選択検出部12が、検出している電流変化がパイロット継電領域Aに入ることを検知すると、すでに述べたように、故障検知情報交換部13が隣接ポストの保護継電器から故障検出情報を取得し、故障論理判定部14が自身の故障検出論理と隣接する保護継電器における故障検出論理との論理積(AND)を求め、隣接するポストの保護継電器11が故障を検知している場合は故障と判定してトリップ信号を出力し、隣接するポストの保護継電器11が故障を検出していない場合は、自身の保護対象とするき電区間における故障でないと判定する。
自動遮断領域B(第2の領域)は、パイロット継電領域Aに比較して大電流変化かつ大電流突進率の電流が流れる領域である。この自動遮断領域Bは、パイロット継電領域Aに含まれる領域であって、上述したように、電流変化が第2の電流I2(I2>I1)以上であり、電流突進率(電流変化率「di/dt」)が第2の電流突進率Tb(Tb>Ta)以上の領域である。この自動遮断領域Bにおいて、隣接する保護継電器11間で故障検知情報の交換のための通信を行うことなく、保護継電器201A,202A,203A,204A,205A,207A,208Aは、自身の担当する直流遮断器にトリップ信号を発生すると共に、連絡遮断装置により隣接する直流遮断器もトリップすることにより、高速に故障区間へのき電を停止させる。
自動遮断領域Bは、従来のき電システムにおいては、直流高速度遮断器の選択特性により保護を行う故障領域であり、変電所の直近短絡故障など低インピーダンス、低抵抗の故障であり、過渡現象の途中で遮断動作を開始する必要がある。パイロット継電領域Aは、従来システムにおいては、故障選択継電器により保護を行う領域であり、領域Bに比べてインピーダンスあるいは抵抗の大きな故障領域である。これら領域Aおよび領域Bの境界は使用する直流遮断器の遮断性能と通信速度によって決まり、これらの仕様と連動試験などにより整定値I1,I2,Tbを故障論理判定部14に設定する。
また、この自動遮断領域Bにおけるき電線の開放を行う際、通信を用いた故障論理判定を行う必要がないため、従来の直流き電システムと同様に、直流高速度遮断器の選択特性(多くの場合、インダクタンスと抵抗の直列回路を2つ並列に接続することで選択性を実現している)を用いる構成としてもよい。この場合、き電線の保護は直流高速度遮断器とパイロット継電方式の故障選択継電器及び連絡遮断装置によって行う構成となり、機器構成として従来システムと同様になる。
これにより、超電導線を用いたき電線に直流電圧を給電する場合に、変電所の直近短絡故障など大電流かつ大電流突進率の故障電流に対する高速の保護を実現しつつ、より多頻度で起こる故障に対しては、故障区間の判定を行うことで不要な保護動作を抑制することができる。
図3に示した故障領域の区分は、領域区分の考え方を示すものであり、厳密にこの形で区分する方式に限定されるものではない。例えば、従来使われている故障選択継電器では領域区分線は曲線となる場合があるが(非特許文献2を参照)、このような方式も本発明に含まれる。
また、図9は、本発明の超電導直流き電システムにおいて必要に応じて実施する後備保護方式を示す図である。故障検知情報を一定時間を置いて隣接する変電ポストに伝達することにより、ΔI形故障選択継電器の不動作による保護抜け(フェールアウト)を防止する後備保護系を構成することができる。例えば、図9(a)に示すA点で故障が発生し、保護継電器203Aが不動作になった場合、保護継電器202Aの故障検知情報が保護継電器204Aへ、保護継電器205Aの故障検知情報が保護継電器203Aに伝達されることで、図9(b)に示すように保護継電器202A〜205Aからトリップ信号a〜dを発生させ、直流遮断器112〜115をトリップさせることができる。なお、この場合に、直流遮断器114と115に繋がるき電回線が分離され不要動作が生じるが、保護継電器203Aの不動作により真の故障点が不明なため、やむを得ない動作である。
また、必要に応じて、例えば地絡保護継電器などの後備保護装置が追加して用いられる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、図2に示す本実施形態の超電導直流き電システムにおいて、前述の電流検出器は電流検出器(CT)151〜154が相当し、前述の制御部は、各直流変電所(SS)内の保護継電器11と直流遮断器111〜114とで構成される部分が相当する。
そして、図2に示す超電導直流き電システムは、き電線101として超電導線を使用し、鉄道の沿線(線路に沿う法面等の沿線)に配置された複数の直流変電所(SS)により、き電線101に直流電圧を給電する超電導直流き電システムであって、各直流変電所(SS)の間のき電線に流れる電流を検出する電流検出器(CT)151〜154と、電流検出器(CT)151〜154の測定値を基に、各直流変電所(SS)におけるき電の停止を判定する制御部(例えば、各直流変電所(SS)の保護継電器11)と、を備え、制御部は、予め設定される第1の範囲の電流が電流検出器(CT)151〜154により検出された場合に、各直流変電所(SS)間に流れる電流の方向の論理に基づいて故障区間を判定し、該故障区間への給電を受け持つ直流変電所(SS)からのき電を停止させる、ように構成される。
これにより、き電線に超電導線を用いた直流き電システムにおいて、き電線に故障電流が流れる場合に、故障区間を判定して保護を行うことができ、不要に多数のき電区間で給電が停止されること抑止することができる。
また、制御部(例えば、直流遮断器111〜114)は、予め設定される第2の範囲の電流が電流検出器(CT)151〜154により検出された場合に、無条件で当該き電区間への給電を停止させるように構成される。
これにより、変電所の直近短絡故障など大電流かつ大電流突進率の故障電流が流れる場合は、故障区間の判定を行うことなく、故障区間を高速で分離し保護を行おこなうことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の超電導直流き電システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
11・・・保護継電器、12・・・故障選択検出部、13・・・故障検知情報交換部、14・・・故障論理判定部、21・・・通信線、101・・・き電線(超電導線)、101A・・・き電線(銅線またはアルミ線)、111〜114・・・直流遮断器(あるいは直流高速度遮断器)、131・・・ΔI形故障選択継電器、132・・・DCCT、133・・・積分器、134A,134B・・・A/D変換器、135・・・加算器、136・・・遅延器、137・・・ホール素子、138・・・負値判定部、139・・・比較器、141・・・連絡遮断装置、151〜158・・・電流検出器、201〜208・・・ΔI形故障選択継電器、201A〜208A・・・ΔI形故障選択継電器の機能を備える保護継電器

Claims (9)

  1. き電線として超電導線を使用し、沿線に配置される複数の直流変電所により前記き電線に直流電圧を給電する超電導直流き電システムであって、
    前記各直流変電所の送出部に設けられ、当該直流変電所が前記き電線に出力する電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器の測定値を基に、前記各直流変電所から前記き電線に対するき電の停止を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    電流の変化値と当該電流値の変化率を示す電流突進率とによって予め設定される第1の範囲の電流変化が前記電流検出器により検出された場合に、隣接する各直流変電所に流れる電流の方向との論理演算に基づいて、当該直流変電所間を故障区間として判定し、当該故障区間における前記き電線へのき電を受け持つ直流変電所からのき電を停止させる、
    ことを特徴とする超電導直流き電システム。
  2. 前記制御部は、
    隣接する直流変電所に流れる前記電流の方向が同一の場合、当該直流変電所に挟まれたき電区間を前記故障区間とすることを特徴とする請求項1に記載の超電導直流き電システム。
  3. 前記制御部は、
    第2の範囲の電流が前記電流検出器により検出された場合に、当該電流が流れるき電区間を故障区間と判定し、
    前記第1の範囲は、電流変化の大きさが第1の電流値以上であり、かつ前記電流突進率が第1の電流突進率以上の領域であり、
    前記第2の範囲は、前記第1の範囲に含まれる領域であって、
    電流変化の大きさが第2の電流値以上であり(第2の電流値>第1の電流値)、かつ電流の変化率を示す電流突進率が第2の電流突進率以上の領域である(第2の電流突進率>第1の電流突進率)、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超電導直流き電システム。
  4. 前記各直流変電所には、
    き電区間を接続または分離すると共に、当該直流変電所が給電を受け持つき電区間のき電線に給電または給電停止を行うための直流遮断器と、
    前記給電を受け持つき電区間のき電線に流れる故障電流を検出して前記直流遮断器へトリップ信号を出力する保護継電器と、
    を備え、
    前記保護継電器は、
    前記第1の範囲の故障電流が流れる場合に、該第1の範囲の故障電流が流れたことを検知すると共に該故障電流の方向性を判別し、前記第1の範囲の故障電流が所定の方向に流れた場合に故障検知情報を出力する故障選択検出部と、
    隣接する直流変電所内の保護継電器との間で前記故障検知情報を交換する故障検知情報交換部と、
    前記故障選択検出部から出力される故障検知情報と、前記故障検知情報交換部から得られる隣接する直流変電所における故障検知情報とを基に、故障が当該故障継電器の保護対象とする区間の内部または外部で発生したかを判定し、内部で発生したと判定した場合に前記直流遮断器にトリップ信号を出力する故障論理判定部と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の超電導直流き電システム。
  5. 前記各直流変電所には、単線ごとにあるいは上下線を一括して、
    一方の側に隣接する直流変電所に向かう第1のき電線に接続される第1の直流遮断器と、
    前記第1のき電線に流れる故障電流を検出する第1の保護継電器と、
    他方の側に隣接する直流変電所に向かう第2のき電線に接続される第2の直流遮断器と、
    前記第2のき電線に流れる故障電流を検出する第2の保護継電器と、
    を備え、
    前記第1の保護継電器は、前記一方の側に隣接する直流変電所内の第2の保護継電器と故障検知情報の交換を行い、
    前記第2の保護継電器は、前記他方の側に隣接する直流変電所内の第1の保護継電器と故障検知情報の交換を行う、
    ことを特徴とする請求項4に記載の超電導直流き電システム。
  6. 前記直流変電所に加えて直流遮断器を有するき電区分所に前記保護継電器が設備され、
    前記保護継電器内の故障検知情報交換部は、
    隣接する直流変電所またはき電区分所との間で、前記故障検知情報を交換する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の超電導直流き電システム。
  7. 前記直流遮断器がトリップ動作した際に、隣接する直流変電所またはき電区分所の直流遮断器を開放させるための連絡遮断装置を有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の超電導直流き電システム。
  8. 前記保護継電器内の故障選択検出部は、
    故障電流の方向性を判別すると共に、所定の方向に流れる電流の変化率を検出して故障を判定するΔI形故障選択継電器により構成される、
    ことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の超電導直流き電システム。
  9. き電線として超電導線を使用し、沿線に配置される複数の直流変電所により前記き電線に直流電圧を給電する超電導直流き電システムにおける故障検出方法であって、
    前記各直流変電所の間のき電線に流れる電流を電流検出器により検出する電流検出手順と、
    前記電流検出器の測定値を基に、前記各直流変電所におけるき電の停止を判定する制御手順と、
    を含み、
    前記制御手順により、
    電流の変化値と当該電流の変化率を示す電流突進率とによって予め設定される第1の範囲の電流が前記電流検出器により検出された場合に、隣接する各直流変電所間に流れる電流の方向の論理に基づいて、当該直流変電所間を故障区間として判定し、当該故障区間における前記き電線へのき電を受け持つ直流変電所からのき電を停止させる、
    ことを特徴とする故障検出方法。
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