JP2015098286A - 直流き電保護継電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】き電線の故障検出に対する感度を改善することができる直流き電保護継電装置を提供するものである。【解決手段】実施形態の直流き電保護継電装置は、直流き電線の電流値を一定時間ごとに取得する電流検出部と、電流正成分を算出する電流正成分算出部と、第1電流正成分と第2電流正成分とに基づいて突進率を算出する突進率算出部と、上限補正突進率を算出する上限補正値算出部と、下限補正突進率を算出する下限補正値算出部と、減衰補正突進率を算出する減衰補正値算出部と、増長率を算出する増長率算出部と、電流正成分の変化量を算出する変化量算出部と、増長変化量を算出し、増長変化量が予め定められる判定値以上か否かを判定する判定部と、増長変化量が判定値以上と判定された場合に、遮断器あるいは開閉器を開放するトリップ指令を出力するトリップ指令出力部とを有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、直流き電保護継電装置に関する。
図13に示す一般的なき電回路において、変電所SSおよび変電所SSは、例えば数十km間隔で設けられる。
各変電所SS,SSからは直流電力がき電線31に供給される。
変電所SSは、交流電源41、整流器42、変流器(CT)43、き電遮断器45、連絡遮断装置46、および直流き電保護継電装置47を備える。
交流電源41から供給される交流電力は、整流器42によって直流電力に変換され、き電遮断器45を通過してき電線31の一端に供給される。
同様に変電所SSは、交流電源51、整流器52、CT53、き電遮断器55、連絡遮断装置56、および直流き電保護継電装置57を備える。
交流電源51から供給される交流電力は、整流器52によって直流電力に変換され、き電遮断器55を通過してき電線31の他端に供給される。
整流器42,52によって変換された直流電力は、レール32にも供給され、き電線31およびレール32は、電気車33に電力を供給する。
直流き電保護継電装置47,57は、CT43,53からき電線31の電流値を取得し、き電線31で故障等が発生した場合にき電遮断器45,55を開放する。
例えば、直流き電保護継電装置47がき電線3の故障を検出した場合、変電所SSのき電遮断器45を開放する。また、連絡遮断装置46,56は互いに連絡線34で接続されるため、直流き電保護継電装置47は変電所SSの連絡遮断装置46を介して変電所SSの連絡遮断装置56に遮断指令信号を出力する。すなわち、き電遮断器55は、直流き電保護継電装置57あるいは連絡遮断装置56によって開放される。
特開2011−53189号公報
き電線31で故障が発生し、故障点抵抗Rが0.45[Ω]の場合の故障点区間長比率dと、所定時間当たりの故障点における電流の変化値ΔI、所定時間当たりの変電所SSに流れる電流の変化値ΔI、所定時間当たりの変電所SSに流れる電流の変化値ΔIとの関係の一例を図14に示す。また、故障点抵抗Rが0.7[Ω]の場合の故障点区間長比率dと、所定時間当たりの故障点における電流の変化値ΔI、所定時間当たりの変電所SSに流れる電流の変化値ΔI,所定時間当たりの変電所SSに流れる電流の変化値ΔIとの関係の一例を図15に示す。
ここで、故障点区間長比率dは、変電所SSから変電所SSまでの距離を1としたときの変電所SSから故障点までの比率である。例えば、d=0.5のときは両変電所SS,SSの中間地点にて故障が発生することを表す。
図14,15において、電流の変化値ΔIが閾値ΔIsetを超えると直流き電保護継電装置47が動作し、電流の変化値ΔIが閾値ΔIsetを超えると直流き電保護継電装置57が動作することを示す。
図14では、d=0〜0.6にて変電所SSの直流き電保護継電装置47が動作し、d=0.4〜1.0にて変電所SSの直流き電保護継電装置57が動作することになる。
一方、図15では、d=0〜0.4にて変電所SSの直流き電保護継電装置47が動作し、d=0.6〜1.0にて変電所SSの直流き電保護継電装置57が動作するが、d=0.4〜0.6にて無保護区間が生じてしまう。すなわち、故障点抵抗Rが増加することで、両変電所SS,SSから無保護になってしまう区間が生じてしまう。
次に、故障点抵抗Rを0.6[Ω]としたときの(a)電流と時間との関係の一例、(b)電流の変化値と時間との関係の一例、(c)き電遮断器の遮断動作と時間との関係の一例を図16乃至図18に示す。なお、図16では、故障点区間長比率d=0、図17では、故障点区間長比率d=0.25、図18では、故障点区間長比率d=0.5である。図16(c)、図17(c)、図18(c)中の「act1」は、変電所SSのき電遮断器45の動作を表し、「act2」は、変電所SSのき電遮断器55の動作を示す。
図16より、d=0のとき変電所SSのき電遮断器45は、およそt=50[ms]で開放され、変電所SSのき電遮断器55は開放されない。
図17より、d=0.25のとき変電所SSのき電遮断器45は、およそt=63[ms]で開放され、その後変電所SSのき電遮断器55は、およそt=135[ms]で開放される。
図18より、d=0.5のとき変電所SSのき電遮断器45、変電所SSのき電遮断器55ともに開放されない。
すなわち、両変電所SS,変電所SS間のどの地点にて故障が発生するかにより、直流き電保護継電装置47,57は、近端動作、遠端不動作となり近端開放後の遠端の電流の変化値も閾値に到達しない場合がある。そのため、き電線31の保護は近端側のき電保護継電装置47,57と連絡遮断装置46,56に委ねられる。
そこで、本発明の実施形態はこれらの課題を解決するために、き電線の故障検出に対する感度を改善することができる直流き電保護継電装置を提供するものである。
上記課題を達成するために、実施形態の直流き電保護継電装置は、遮断器あるいは開閉器に接続され、電気車に電力を供給する直流き電線の電流値を一定時間ごとに取得する電流検出部と、前記電流検出部で取得された前記電流値の正成分である電流正成分を算出する電流正成分算出部と、前記電流検出部により取得された第1電流値から前記電流正成分算出部にて算出された第1電流正成分と、前記電流検出部により前記第1電流値の所定回数前に取得された第2電流値から前記電流正成分算出部にて算出された第2電流正成分とに基づいて、前記電流正成分の変化率を示す突進率を算出する突進率算出部と、前記突進率算出部により算出された前記突進率に対して、予め設定される上限閾値を超えた場合に前記上限閾値と一致するように補正した上限補正突進率を算出する上限補正値算出部と、前記上限補正値算出部により算出された前記上限補正突進率に対して、予め設定される下限閾値を下回った場合に前記下限閾値と一致するように補正した下限補正突進率を算出する下限補正値算出部と、前記下限補正値算出部により算出された前記下限補正突進率に対して、減衰を遅らせるように補正した減衰補正突進率を算出する減衰補正値算出部と、前記減衰補正値算出部にて直前に算出された第1減衰補正突進率と、前記第1減衰補正突進率の所定回数前に算出された第2減衰補正突進率とに対して、予め定められる増長係数を乗じて加算した増長率を算出する増長率算出部と、前記第1電流正成分と前記第2電流正成分とから、前記電流正成分の変化量を算出する変化量算出部と、前記増長率と前記変化量とを乗じた増長変化量を算出し、前記増長変化量が予め定められる判定値以上か否かを判定する判定部と、前記判定部により、前記増長変化量が前記判定値以上と判定された場合に、前記遮断器あるいは前記開閉器を開放するトリップ指令を出力するトリップ指令出力部とを有する。
本実施形態に係る直流き電保護継電装置とその周辺装置の構成を示す全体構成図。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置の構成を示すブロック図。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置のリレー演算部の構成を示すブロック図。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置の突進率算出部により算出された突進率の一例。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置の減衰補正値算出部により算出された減衰補正突進率の一例。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置の増長率算出部により算出された増長率の一例。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置の動作を示すフローチャート。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置のリレー演算部の動作を示すフローチャート。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置において算出された突進率αおよび遠端側に流れる電流Iと時間との関係を示す一例。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置において算出された増長率α、増長変化量ΔIαおよび電流正成分の変化量ΔIと時間との関係を示す一例。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置において算出された突進率αおよび電気車力行電流Iと時間との関係を示す一例。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置において算出された増長率α、増長変化量ΔIαおよび電流正成分の変化量ΔIと時間との関係を示す一例。 従来のき電回路図。 従来のき電回路において故障点区間長比率dと、所定時間当たりの故障点における電流の変化値ΔI、所定時間当たりの変電所SSに流れる電流の変化値ΔI、所定時間当たりの変電所SSに流れる電流の変化値ΔIとの関係を示す一例(R=0.45[Ω])。 従来のき電回路において故障点区間長比率dと、所定時間当たりの故障点における電流の変化値ΔI、所定時間当たりの変電所SSに流れる電流の変化値ΔI、所定時間当たりの変電所SSに流れる電流の変化値ΔIとの関係を示す一例(R=0.7[Ω])。 従来のき電回路における(a)電流と時間との関係の一例、(b)電流の変化値と時間との関係の一例、(c)き電遮断器の遮断動作と時間との関係の一例(d=0)。 従来のき電回路における(a)電流と時間との関係の一例、(b)電流の変化値と時間との関係の一例、(c)き電遮断器の遮断動作と時間との関係の一例(d=0.25)。 従来のき電回路における(a)電流と時間との関係の一例、(b)電流の変化値と時間との関係の一例、(c)き電遮断器の遮断動作と時間との関係の一例(d=0.5)。
以下、実施形態を図面に基づき説明する。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置とその周辺装置の構成を示す全体構成図である。
直流電気鉄道のき電系統においては、1区間のき電線3の両端にそれぞれ変電所1,2が接続され、各変電所1,2からは所要とする直流電力がき電線3に供給される。
変電所1は、交流電源11、整流器12、断路器13、変流器(CT)14、き電遮断器15、連絡遮断装置16、交流遮断器17および直流き電保護継電装置100を備える。
交流電源11から供給される交流電力は、整流器12によって直流電力に変換され、き電遮断器15を通過してき電線3の一端に供給される。
同様に変電所2は、交流電源21、整流器22、断路器23、CT24、き電遮断器25、連絡遮断装置26、交流遮断器27および直流き電保護継電装置200を備える。
交流電源21から供給される交流電力は、整流器22によって直流電力に変換され、き電遮断器25を通過してき電線3の他端に供給される。
整流器12,22によって変換された直流電力は、レール4にも供給され、き電線3およびレール4は、図示しない電気車に電力を供給する。
直流き電保護継電装置100,200は、CT14,24からき電線3の電流値を取得し、き電線3で故障等が発生した場合にき電遮断器15,25を開放する。
例えば、直流き電保護継電装置100がき電線3の故障を検出した場合、変電所1のき電遮断器15を開放する。また、連絡遮断装置16,26は互いに連絡線5で接続されるため、直流き電保護継電装置100は変電所1の連絡遮断装置16を介して変電所2の連絡遮断装置26に遮断指令信号を出力する。すなわち、き電遮断器25は、直流き電保護継電装置200あるいは連絡遮断装置26によって開放される。
次に、直流き電保護継電装置100の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置の構成を示すブロック図である。直流き電保護継電装置200は、直流き電保護継電装置100と同様の構成であるため説明を省略する。
直流き電保護継電装置100は、入力変換器101、アナログフィルタ102、AD変換器103、リレー演算部104を備える。
入力変換器101は、CT14およびアナログフィルタ102に接続され、CT14により測定されたき電線3の電流値を取得し、アナログフィルタ102に出力する処理部である。
アナログフィルタ102は、入力変換器101およびAD変換器103に接続され、入力変換器101から取得した電流値のノイズや高調波成分を除去し、AD変換器103に出力する処理部である。
AD変換器103は、アナログフィルタ102、リレー演算部104に接続され、アナログフィルタ102から取得したアナログデータの電流値をディジタル化し、リレー演算部104に出力する処理部である。
次に、リレー演算部104の構成について図3を用いて説明する。図3は本実施形態に係る直流き電保護継電装置のリレー演算部の構成を示すブロック図である。
リレー演算部104は、主にCPUによって動作されるプログラムによって実現され、HDD、SSD、RAM等の図示しない記憶媒体に保存される。
リレー演算部104は、電流検出部201、電流正成分算出部202、突進率算出部203、上限補正値算出部204、下限補正値算出部205、減衰補正値算出部206、増長率算出部207、変化量算出部208、判定部209、トリップ指令出力部210を有する。
電流検出部201は、AD変換器103によりディジタル化された電流値Ispを一定時間ごとに取得する処理部である。
電流正成分算出部202は、電流検出部201で取得された電流値Isp(m)の正成分(電流正成分)I (m)を算出する処理部である。具体的には、下記の数式(1)により算出される。ここで、m=1,2,・・・,pであり、pはサンプリング数を表す。
Figure 2015098286

数式(1)において、Isp(m)が負の場合、分子はゼロになる。
突進率算出部203は、電流検出部201により直前(m回目のサンプリング)に取得された電流値(第1電流値)から電流正成分算出部202にて算出された電流正成分(第1電流正成分)I (m)と、電流検出部201により第1電流値の所定回数n前(m−n回目のサンプリング)に取得された電流値(第2電流値)から電流正成分算出部202にて算出された電流正成分(第2電流正成分)I (m−n)とに基づいて突進率α (m)を算出する処理部である。具体的には、下記の数式(2)により算出される。
Figure 2015098286

すなわち、突進率は電流正成分の変化率を示している。ここで、係数kαは予め定められ、算出する単位時間当たりの電流増加量を調整するための係数である。なお、所定回数nは任意に設定可能であり、以下同様である。
数式(2)において、I (m)−I (m−n)が負の場合、分子はゼロになる。
突進率算出部203により算出された突進率α (m)の一例を図4に示す。
上限補正値算出部204は、突進率算出部203により算出された突進率α (m)に対して、予め設定される上限閾値kαHを超えた場合に上限閾値kαHと一致するように補正した上限補正突進率αH(m)を算出する処理部である。具体的には、下記の数式(3)により算出される。
Figure 2015098286

数式(3)において、kαH−α (m)が負の場合、分子はゼロになる。
下限補正値算出部205は、上限補正値算出部204により算出された上限補正突進率αH(m)に対して、予め設定される下限閾値kαLを下回った場合に下限閾値kαLと一致するように補正した下限補正突進率αL(m)を算出する処理部である。具体的には、下記の数式(4)により算出される。
Figure 2015098286

数式(4)において、αH(m)−kαLが負の場合、分子はゼロになる。
減衰補正値算出部206は、下限補正値算出部205により算出された下限補正突進率αL(m)に対して、減衰を遅らせるように補正した減衰補正突進率ατ(m)を算出する処理部である。具体的には、下記の数式(5)により算出される。
Figure 2015098286

ここで、kατは予め定められる遅れ係数であり、上下限値が制限された下限補正突進率αL(m)は、数式(5)により所定回数n前の減衰補正突進率ατ(m―n)に対して増加分は遅れなしで、減少分は遅れ係数kατの減少率で追従する。
すなわち、故障電流の変化量の応答に比べて故障電流の突進率は急峻に立つが、減衰が早いため、遅れ係数kατにより減衰が遅らされる。
減衰補正値算出部206により算出された減衰補正突進率ατ(m)の一例を図5に示す。
増長率算出部207は、減衰補正値算出部206にて直前(m回目のサンプリング)に算出された減衰補正突進率(第1減衰補正突進率)ατ(m)と、第1減衰補正突進率の所定回数n前(m−n回目のサンプリング)に算出された減衰補正突進率(第2減衰補正突進率)ατ(m−n)とに対して、予め定められる増長係数kα%を乗じて加算した増長率α(m)を算出する処理部である。具体的には、下記の数式(6)により算出される。
α(m)=kα%・(ατ(m)+ατ(m−n)) (6)
ここで、所定回数nは、故障点の近端側の直流き電保護継電装置100,200が故障を検出して、き電遮断器45,55を開放する時間(概ね50msec)をサンプリング間隔で除した値を目安にすれば二段階後続する電流の増加タイミングに合致する。
第1減衰補正突進率ατ(m)と第2減衰補正突進率ατ(m−n)に対して、数式(6)に示すように同一の増長係数kα%を乗じてもよいし、数式(7)に示すように異なる増長係数kα1%,kα2%を乗じてもよい。
α(m)=kα1%・ατ(m)+kα2%・ατ(m−n) (7)
増長率算出部207により算出された増長率α(m)の一例を図6に示す。
変化量算出部208は、第1電流正成分I (m)と第2電流正成分I (m−n)とから、電流正成分の変化量ΔI (m)を算出する処理部である。具体的には、下記の数式(8)により算出される。
Figure 2015098286

判定部209は、増長率算出部207により算出された増長率α(m)と変化量算出部208により算出された変化量ΔI (m)とを乗じた増長変化量ΔIα(m)を算出し、算出した増長変化量ΔIα(m)が予め定められる判定値kΔI以上か否かを判定する処理部である。増長変化量ΔIα(m)は、下記の数式(9)により算出され、数式(10)に基づいて判定される。
ΔIα(m)=α(m)・ΔI (m) (9)
ΔI≦ΔIα(m) (10)
トリップ指令出力部210は、判定部209により増長変化量ΔIα(m)が判定値kΔI以上と判定された場合に、き電遮断器15を開放するトリップ指令を出力する処理部である。
トリップ指令出力部210は、き電遮断器15に代わる開閉器を開放するトリップ指令を出力するように構成されてもよい。
次に、直流き電保護継電装置100の動作について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置の動作を示すフローチャートである。
入力変換器101は、CT14により測定されたき電線3の電流値を取得し、アナログフィルタ102に出力する(S301)。
アナログフィルタ102は、入力変換器101から取得した電流値のノイズや高調波成分を除去し、AD変換器103に出力する(S302)。
AD変換器103は、アナログフィルタ102から取得したアナログデータの電流値をディジタル化し、リレー演算部104に出力する(S303)。
リレー演算部104は、AD変換器103からディジタル化された電流値を取得し、リレー演算を行い、条件を満たした場合にき電遮断器15を開放するトリップ指令を出力する(S304)。
次に、リレー演算部104の動作について図8を用いて詳しく説明する。図8は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置のリレー演算部の動作を示すフローチャートである。
電流検出部201は、AD変換器103によりディジタル化された電流値を一定時間ごとに取得する(S401)。
電流正成分算出部202は、電流検出部201で取得された電流値の正成分である電流正成分を算出する(S402)。
突進率算出部203は、電流検出部201により直前に取得された第1電流値から電流正成分算出部202にて算出された第1電流正成分と、電流検出部201により第1電流値の所定回数前に取得された第2電流値から電流正成分算出部202にて算出された第2電流正成分とに基づいて突進率を算出する(S403)。
上限補正値算出部204は、突進率算出部203により算出された突進率に対して、予め設定される上限閾値を超えた場合に上限閾値と一致するように補正した上限補正突進率を算出する(S404)。
下限補正値算出部205は、上限補正値算出部204により算出された上限補正突進率に対して、予め設定される下限閾値を下回った場合に下限閾値と一致するように補正した下限補正突進率を算出する(S405)。
減衰補正値算出部206は、下限補正値算出部205により算出された下限補正突進率に対して、減衰を遅らせるように補正した減衰補正突進率を算出する(S406)。
増長率算出部207は、減衰補正値算出部206にて直前に算出された第1減衰補正突進率と、第1減衰補正突進率の所定回数前に算出された第2減衰補正突進率とに対して、予め定められる増長係数を乗じて加算した増長率を算出する(S407)。
変化量算出部208は、第1電流正成と第2電流正成分とから、電流正成分の変化量を算出する(S408)。
判定部209は、増長率算出部207により算出された増長率と変化量算出部208により算出された変化量とを乗じた増長変化量を算出する(S409)。
また判定部209は、算出した増長変化量が予め定められる判定値以上か否かを判定する(S410)。
トリップ指令出力部210は、判定部209により増長変化量が判定値以上と判定された場合(S410 YES)に、き電遮断器15を開放するトリップ指令を出力する(S411)。
次にシミュレーション結果を示す。
図9は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置において算出された突進率αおよび遠端側に流れる電流Iと時間との関係を示す一例である。また図10は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置において算出された増長率α、増長変化量ΔIαおよび電流正成分の変化量ΔIと時間との関係を示す一例である。
ただし、図8、図9において遠端側の電流模擬は、故障初期電流di/dtは30A/20msec、近端側開放直後の次期電流di/dtは900A/20msecとしている。
また、図8、図9におけるΔIsetは判定値kΔIを意味し、1000Aとしている。
故障発生の初期電流Iは近端側(対向端)に多く遠端側は小さい。近端側の直流き電保護継電装置(例えば図1中、直流き電保護継電装置100)が故障を検知してき電遮断器15を開放した直後に、遠端側の電流Iは増加する。
しかし、図10に示すように電流正成分の変化量ΔIが判定値ΔIsetに届かない場合がある。この場合、遠端側の直流き電保護継電装置200がき電遮断器25を開放する動作判定に電流正成分の変化量ΔIが用いられていると、遠端側の直流き電保護継電装置200は動作しないことを意味する。
増長率αは、初期故障電流の突進率に応じて推移し、対向端開放直後の連続した増加故障電流の突進率により更に増加・維持する。その結果、電流正成分の変化量ΔIが判定値ΔIsetに届かない場合でも増長変化量ΔIαは判定値ΔIsetを超過する。
すなわち、近端側の直流き電保護継電装置100が故障を検知してき電遮断器15を開放し、遠端側の電流正成分の変化量ΔIが判定値ΔIsetを下回る場合でも、増長変化量ΔIαは判定値ΔIsetを超過するため、遠端側の直流き電保護継電装置200もき電遮断器25を開放することが可能となる。このことにより、近端側の直流き電保護継電装置100と端側の直流き電保護継電装置200の動作が一致する。
図11は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置において算出された突進率αおよび電気車力行電流Iと時間との関係を示す一例である。また図12は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置において算出された増長率α、増長変化量ΔIαおよび電流正成分の変化量ΔIと時間との関係を示す一例である。
ただし、電気車力行電流di/dtは5kA/1secとしている。
電気車力行電流は、最大でもその突進率が10kA/1sec以下であり、き電回路の時定数に比べて遥かに小さい。
本実施形態では、上限補正値算出部204により上限閾値kαHを設け、下限補正値算出部205により下限閾値kαLを設けたため、増長率αの下限値は限りなく1puに近くなる。
また、電気車の回生電流は区間の電気車走行位置から変電所に向かう負方向電流であるため除去され、回生失効から生じる負の突進率は算出されない。その結果、増長変化量ΔIαおよび電流正成分の変化量ΔIはほぼ同等の値となり、判定値ΔIsetを超えない。そのため、直流き電保護継電装置100,200が電気車力行電流によりき電遮断器15,25を開放することを防止できる。
本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,2,SS,SS…変電所
3,31…き電線
4,32…レール
5,34…連絡線
11,21,41,51…交流電源
12,22,42,52…整流器
13,23…断路器
14,24,43,53…変流器(CT)
15,25,45,55…き電遮断器
16,26,46,56…連絡遮断装置
17,27…交流遮断器
33…電気車
47,57,100,200…直流き電保護継電装置
101…入力変換器
102…アナログフィルタ
103…AD変換器
104…リレー演算部
201…電流検出部
202…電流正成分算出部
203…突進率算出部
204…上限補正値算出部
205…下限補正値算出部
206…減衰補正値算出部
207…増長率算出部
208…変化量算出部
209…判定部
210…トリップ指令出力部

Claims (1)

  1. 遮断器あるいは開閉器に接続され、電気車に電力を供給する直流き電線の電流値を一定時間ごとに取得する電流検出部と、
    前記電流検出部で取得された前記電流値の正成分である電流正成分を算出する電流正成分算出部と、
    前記電流検出部により取得された第1電流値から前記電流正成分算出部にて算出された第1電流正成分と、前記電流検出部により前記第1電流値の所定回数前に取得された第2電流値から前記電流正成分算出部にて算出された第2電流正成分とに基づいて、前記電流正成分の変化率を示す突進率を算出する突進率算出部と、
    前記突進率算出部により算出された前記突進率に対して、予め設定される上限閾値を超えた場合に前記上限閾値と一致するように補正した上限補正突進率を算出する上限補正値算出部と、
    前記上限補正値算出部により算出された前記上限補正突進率に対して、予め設定される下限閾値を下回った場合に前記下限閾値と一致するように補正した下限補正突進率を算出する下限補正値算出部と、
    前記下限補正値算出部により算出された前記下限補正突進率に対して、減衰を遅らせるように補正した減衰補正突進率を算出する減衰補正値算出部と、
    前記減衰補正値算出部にて直前に算出された第1減衰補正突進率と、前記第1減衰補正突進率の所定回数前に算出された第2減衰補正突進率とに対して、予め定められる増長係数を乗じて加算した増長率を算出する増長率算出部と、
    前記第1電流正成分と前記第2電流正成分とから、前記電流正成分の変化量を算出する変化量算出部と、
    前記増長率と前記変化量とを乗じた増長変化量を算出し、前記増長変化量が予め定められる判定値以上か否かを判定する判定部と、
    前記判定部により、前記増長変化量が前記判定値以上と判定された場合に、前記遮断器あるいは前記開閉器を開放するトリップ指令を出力するトリップ指令出力部と
    を有する直流き電保護継電装置。
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