JP2011055285A - 方向性結合器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体基板1に形成された第1ストリップ導体10と、第1ストリップ導体10と対向して形成された第2ストリップ導体20と、第1ストリップ導体10と第2ストリップ導体20とを接続する第3ストリップ導体30aと、第1ストリップ導体10、第2ストリップ導体20および第3ストリップ導体30aから隔離して形成された地導体2と、第3ストリップ導体30aを接地電位に短絡するスルーホール31とを備え、第1ストリップ導体10および第2ストリップ導体20は、第1ストリップ導体10と第2ストリップ導体20とが側結合される側結合部において、第1ストリップ導体10から地導体2までの距離および第2ストリップ導体20から地導体2までの距離の何れか短い方の2倍以内の距離とされている。
【選択図】図1
Description
従来の方向性結合器では、偶モード動作時および奇モード動作時ともに、通過帯域である左手系の特性となる帯域と右手系の特性となる帯域との間に、高周波信号が伝搬されない帯域であるバンドギャップが存在する。
フォワード結合する帯域は、偶モード動作時の通過帯域と奇モード動作時の通過帯域とが重なる帯域のみなので、バンドギャップとなる帯域ではフォワード結合しない。すなわち、フォワード結合する帯域が不連続となるので、従来の方向性結合器は、周波数帯域が狭帯域になるという問題がある。
図1は、この発明の実施の形態1に係る方向性結合器を示す平面図である。また、図2は、図1に示した方向性結合器を、A−A'線に沿って切断した断面図である。
この発明の実施の形態1に係る方向性結合器は、マイクロストリップ線路を用いて構成されている。
図3の等価回路で表されるストリップ線路は、第1ストリップ導体10、第1入出力線路41、42、断面B−B'よりも第1ストリップ導体10側の第3ストリップ導体30a、および断面B−B'よりも第1ストリップ導体10側のスルーホール31で構成されている。すなわち、この等価回路は、方向性結合器の偶モード動作時の回路を示している。
図4の等価回路で表されるストリップ線路は、第1ストリップ導体10、第1入出力線路41、42、および断面B−B'よりも第1ストリップ導体10側の第3ストリップ導体30aで構成されている。すなわち、この等価回路は、方向性結合器の奇モード動作時の回路を示している。
まず、図3または図4で示した等価回路において、キャパシタ102aの一端(伝送線路モデル101a側)とキャパシタ102bの他端(伝送線路モデル101b側)との間の伝搬定数γe、およびキャパシタ202aの一端とキャパシタ202bの他端との間の伝搬定数γoは、それぞれ次式(1)で表される。
また、式(1)において、インピーダンスZi(i=e,o)は、次式(2)で表され、アドミッタンスYi(i=e,o)は、次式(3)で表される。
図5において、fe clは位相定数βeの値が0以外となる帯域における低周波側の帯域端部の周波数を示し、次式(4)で表される。また、fe seは位相定数βeの値が0となる周波数の低い方の周波数を示し、次式(5)で表される。また、fe shは位相定数βeの値が0となる周波数の高い方の周波数を示し、次式(6)で表される。また、fe crは位相定数βeの値が0以外となる帯域における高周波側の帯域端部の周波数を示し、次式(7)で表される。なお、次式(4)〜(7)において、ωi 0は次式(8)、ωi Lは次式(9)、κiは次式(10)でそれぞれ表される。
図6より、Le R・Ce LとLe L・Ce Rとが等しい場合、fe seとfe shとが互いに一致するので、バンドギャップが存在しない分散特性となる。そのため、通過帯域がfe clからfe crまでと連続になるので、通過帯域は広帯域となる。すなわち、Le R・Ce LとLe L・Ce Rとを等しくすることにより、広帯域な通過特性を実現することができる。
図7より、バンドギャップが存在しないので、偶モード動作時および奇モード動作時ともに広帯域な通過特性が実現される。また、偶モード動作時および奇モード動作時において、fo clからfe crまでの帯域が各動作時に共通した通過帯域となるので、周波数帯域が広帯域になる。
この発明の実施の形態1に係る方向性結合器では、上述したように、第1導体部11と第1導体部21との間の距離は、第1導体部11から地導体2までの距離および第1導体部21から地導体2までの距離の何れか短い方の2倍以内とされている。また、同様に、第3導体部13と第3導体部23との間の距離は、第3導体部13から地導体2までの距離および第3導体部23から地導体2までの距離の何れか短い方の2倍以内とされている。そのため、側結合部において、電磁結合が生じる。
上述したことをまとめると、偶モード動作時および奇モード動作時の等価回路における素子の値の関係は、次式(11)〜(14)で表される。
Ce R<Co R (12)
Ce L=Co L (13)
Le L>Lo L (14)
fe se=fe sh (16)
fo se=fo sh (17)
fe cl<fo cl (18)
fe cr<fo cr (19)
これらの場合も、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、これらの変形は、以下の実施の形態においても同様に適用することができる。
これらの場合も、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、これらの変形は、以下の実施の形態においても同様に適用することができる。
図8は、この発明の実施の形態2に係る方向性結合器を示す平面図である。
図8に示す方向性結合器は、図1に示した方向性結合器において、単位セル100aを3つ直列に並ぶように配置して構成されている。
この発明の実施の形態2に係る方向性結合器は、上述した実施の形態1に係る方向性結合器と同様に、偶モード動作時の位相定数βeと奇モード動作時の位相定数βoとを平行移動するように変化させることができ、その平行移動量を大きくすることもできるので、位相定数βiの差が大きくなり、密結合かつフォワード結合となる。また、偶モード動作時および奇モード動作時ともにバンドギャップが存在しないので、広帯域となる。また、右手系線路を用いた一般的な方向性結合器と比較して、同じ結合量であれば、大幅に小型化することができる。
また、この発明の実施の形態2に係る方向性結合器は、上述した実施の形態1に係る方向性結合器よりも、第1ストリップ導体と第2ストリップ導体とが側結合される側結合部(結合線路部分)が長いので、より密結合とすることができる。
図10は、この発明の実施の形態3に係る方向性結合器を示す平面図である。
この発明の実施の形態3に係る方向性結合器は、マイクロストリップ線路を用いて構成されている。
第3ストリップ導体30bは、第1ストリップ導体10と第2ストリップ導体20とを接続するとともに、第1ストリップ導体10および第2ストリップ導体20と交差して外側にまで延びて形成されている。また、第3ストリップ導体30bを地導体2に短絡するスルーホール31は、第3ストリップ導体30bの両端に形成されている。
なお、その他の構成については、実施の形態1と同様なので、説明を省略する。
この発明の実施の形態3に係る方向性結合器では、上述した実施の形態1に係る方向性結合器と同様に、対称面となる断面B−B'に沿って磁気壁または電気壁を仮定することができ、そのときの等価回路は、それぞれ図3、4に示した等価回路となる。
すなわち、実施の形態3によれば、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
図11は、この発明の実施の形態4に係る方向性結合器を示す平面図である。
図11に示す方向性結合器は、図10に示した方向性結合器において、単位セル100bを3つ直列に並ぶように配置して構成されている。
この発明の実施の形態4に係る方向性結合器は、上述した実施の形態3に係る方向性結合器と同様に、偶モード動作時の位相定数βeと奇モード動作時の位相定数βoとを平行移動するように変化させることができ、その平行移動量を大きくすることもできるので、位相定数βiの差が大きくなり、密結合かつフォワード結合となる。また、偶モード動作時および奇モード動作時ともにバンドギャップが存在しないので、広帯域となる。また、右手系線路を用いた一般的な方向性結合器と比較して、同じ結合量であれば、大幅に小型化することができる。
また、この発明の実施の形態4に係る方向性結合器は、上述した実施の形態3に係る方向性結合器よりも、第1ストリップ導体と第2ストリップ導体とが側結合される側結合部(結合線路部分)が長いので、より密結合とすることができる。
図12は、この発明の実施の形態5に係る方向性結合器を示す平面図である。
図12において、この方向性結合器は、図1に示した第3ストリップ導体30aに代えて、第3ストリップ導体30cを備えている。
なお、その他の構成については、実施の形態1と同様なので、説明を省略する。
この発明の実施の形態5に係る方向性結合器では、上述した実施の形態1に係る方向性結合器と同様に、対称面となる断面B−B'に沿って磁気壁または電気壁を仮定することができ、そのときの等価回路は、それぞれ図3、4に示した等価回路となる。
すなわち、実施の形態5によれば、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
図14は、この発明の実施の形態6に係る方向性結合器を示す平面図である。
図14に示す方向性結合器は、図12に示した方向性結合器において、単位セル100cを3つ直列に並ぶように配置して構成されている。
この発明の実施の形態6に係る方向性結合器は、上述した実施の形態5に係る方向性結合器と同様に、偶モード動作時の位相定数βeと奇モード動作時の位相定数βoとを平行移動するように変化させることができ、その平行移動量を大きくすることもできるので、位相定数βiの差が大きくなり、密結合かつフォワード結合となる。また、偶モード動作時および奇モード動作時ともにバンドギャップが存在しないので、広帯域となる。また、右手系線路を用いた一般的な方向性結合器と比較して、同じ結合量であれば、大幅に小型化することができる。
また、この発明の実施の形態6に係る方向性結合器は、上述した実施の形態5に係る方向性結合器よりも、第1ストリップ導体と第2ストリップ導体とが側結合される側結合部(結合線路部分)が長いので、より密結合とすることができる。
また、図13に示した第1ストリップ導体10、第2ストリップ導体20、第3ストリップ導体30dおよびスルーホール31からなる単位セル100dを複数個縦続接続して方向性結合器を構成してもよい。
図15は、この発明の実施の形態7に係る方向性結合器を示す平面図である。また、図16は、図15に示した方向性結合器を、C−C'線に沿って切断した断面図である。なお、図15において、入出力部容量形成導体111および単位セル間容量形成導体112が誘電体基板1の表面に見えるように図示されているが、これは理解しやすくするためのものであって、実際は図16に示すように誘電体基板1の内部に形成されている。
入出力部容量形成導体111は、入出力ギャップ61、62、71、72の下方の誘電体基板1の内部に配置されている。また、単位セル間容量形成導体112は、単位セル間ギャップ80の下方の誘電体基板1の内部に配置されている。
また、入出力ギャップ62、72の下方に配置された入出力部容量形成導体111は、それぞれ第1入出力線路42および第2入出力線路52に形成されたスルーホール113を介して、第1入出力線路42および第2入出力線路52と接続されている。
この発明の実施の形態7に係る方向性結合器では、上述した実施の形態2に係る方向性結合器と同様に、対称面となる断面B−B'に沿って磁気壁または電気壁を仮定することができ、そのときの等価回路は、それぞれ図3、4に示した等価回路となる。
また、この発明の実施の形態7に係る方向性結合器では、入出力部容量形成導体111および単位セル間容量形成導体112を設けたことにより、入出力ギャップ61、62、71、72および単位セル間ギャップ80に対応するキャパシタンスが増加し、より低周波で密結合な方向性結合器を構成することができる。
図17は、この発明の実施の形態8に係る方向性結合器を示す平面図である。また、図18は、図17に示した方向性結合器を、C−C'線に沿って切断した断面図である。なお、図17において、第1浮遊導体114が誘電体基板1の表面に見えるように図示されているが、これは理解しやすくするためのものであって、実際は図18に示すように誘電体基板1の内部に形成されている。
第1浮遊導体114は、入出力ギャップ61、62、71、72の下方の誘電体基板1の内部に配置されている。
この発明の実施の形態8に係る方向性結合器では、上述した実施の形態1に係る方向性結合器と同様に、対称面となる断面B−B'に沿って磁気壁または電気壁を仮定することができ、そのときの等価回路は、それぞれ図3、4に示した等価回路となる。
また、この発明の実施の形態8に係る方向性結合器では、第1浮遊導体114を設けたことにより、入出力ギャップ61、62、71、72に対応するキャパシタンスが増加し、より低周波で密結合な方向性結合器を構成することができる。
また、この発明の実施の形態8に係る方向性結合器は、第1浮遊導体114と第1ストリップ導体10または第2ストリップ導体20(第1入出力線路42または第2入出力線路52)とを接続するスルーホールを形成する必要がないので、スルーホール113を用いる実施の形態7に係る方向性結合器と比較して、容易に製造することができる。
図19は、この発明の実施の形態9に係る方向性結合器を示す平面図である。また、図20は、図19に示した方向性結合器を、C−C'線に沿って切断した断面図である。なお、図19において、第1浮遊導体114および第2浮遊導体115が誘電体基板1の表面に見えるように図示されているが、これは理解しやすくするためのものであって、実際は図20に示すように誘電体基板1の内部に形成されている。
第1浮遊導体114は、入出力ギャップ61、62、71、72の下方の誘電体基板1の内部に配置されている。また、第2浮遊導体115は、単位セル間ギャップ80の下方の誘電体基板1の内部に配置されている。
この発明の実施の形態9に係る方向性結合器では、上述した実施の形態2に係る方向性結合器と同様に、対称面となる断面B−B'に沿って磁気壁または電気壁を仮定することができ、そのときの等価回路は、それぞれ図3、4に示した等価回路となる。
また、この発明の実施の形態9に係る方向性結合器は、上述した実施の形態8に係る方向性結合器よりも、第1ストリップ導体と第2ストリップ導体とが側結合される側結合部(結合線路部分)が長いので、より密結合とすることができる。
図21は、この発明の実施の形態10に係る方向性結合器を示す平面図である。
図21に示す方向性結合器は、図8に示した方向性結合器において、単位セル間ギャップ80の間隔を変化させたものである。具体的には、単位セル間ギャップ80の間隔は、入出力ギャップ61、62、71、72の間隔に対して、約2倍に設定されている。
図22は、図21に示した方向性結合器のB−B'線に沿って磁気壁または電気壁を仮定した場合の等価回路を示す回路図である。
図22の等価回路で表されるストリップ線路は、断面B−B'よりも第1ストリップ導体10側の単位セル100aおよび第1入出力線路41、42で構成されている。
一方、単位セル間ギャップ80の間隔が、入出力ギャップ61、62の間隔に対して、約2倍に設定されているので、単位セル間ギャップ80に対応するキャパシタンスは、入出力ギャップ61、62に対応するキャパシタンスに対して、約1/2倍となっている。
すなわち、実施の形態10によれば、上記実施の形態2と同様の効果を得ることができるとともに、良好な反射特性を有する方向性結合器を得ることができる。
図24は、この発明の実施の形態11に係る方向性結合器を示す平面図である。
図24に示す方向性結合器は、図8に示した方向性結合器において、入出力ギャップ61、62、71、72および単位セル間ギャップ80の形状を変化させたものである。具体的には、入出力ギャップ61、62、71、72および単位セル間ギャップ80は、インターデジタルキャパシタである。
この発明の実施の形態11に係る方向性結合器は、入出力ギャップ61、62、71、72に対応するキャパシタンスを、単位セル間ギャップ80に対応するキャパシタンスの約2倍とすることができるので、上述した実施の形態10と同様の効果を得ることができる。
すなわち、実施の形態11によれば、上記実施の形態2と同様の効果を得ることができるとともに、インピーダンス整合のとれた良好な反射特性を実現することができる。
図25は、この発明の実施の形態12に係る方向性結合器を示す平面図である。なお、図25において、第1浮遊導体114および第2浮遊導体115が誘電体基板1の表面に見えるように図示されているが、これは理解しやすくするためのものであって、実際は誘電体基板1の内部に形成されている。
この発明の実施の形態12に係る方向性結合器は、入出力ギャップ61、62、71、72に対応するキャパシタンスを、単位セル間ギャップ80に対応するキャパシタンスの約2倍とすることができるので、上述した実施の形態10と同様の効果を得ることができる。
すなわち、実施の形態12によれば、上記実施の形態9と同様の効果を得ることができるとともに、インピーダンス整合のとれた良好な反射特性を実現することができる。
図26は、この発明の実施の形態13に係る方向性結合器を示す平面図である。
この発明の実施の形態13に係る方向性結合器は、マイクロストリップ線路を用いて構成されている。
第3ストリップ導体30eは、第1ストリップ導体10と第2ストリップ導体20とを接続するとともに、第1ストリップ導体10および第2ストリップ導体20と交差して外側にまで延びて形成されている。
なお、その他の構成については、実施の形態1と同様なので、説明を省略する。
この発明の実施の形態13に係る方向性結合器では、上述した実施の形態1に係る方向性結合器と同様に、対称面となる断面B−B'に沿って磁気壁または電気壁を仮定することができる。
このことから、この発明の実施の形態13に係る方向性結合器では、上述した実施の形態3に係る方向性結合器と同様に、偶モード動作時の位相定数βeと奇モード動作時の位相定数βoとを平行移動するように変化させることができ、その平行移動量を大きくすることもできるので、位相定数βiの差が大きくなり、密結合かつフォワード結合となる。また、偶モード動作時および奇モード動作時ともにバンドギャップが存在しないので、広帯域となる。
また、この発明の実施の形態13に係る方向性結合器は、第3ストリップ導体30eを地導体2に短絡するスルーホールを形成する必要がないので、スルーホール31を用いる実施の形態3に係る方向性結合器と比較して、容易に製造することができる。
図27は、この発明の実施の形態14に係る方向性結合器を示す平面図である。
図27に示す方向性結合器は、図26に示した方向性結合器において、単位セル100eを3つ直列に並ぶように配置して構成されている。
この発明の実施の形態14に係る方向性結合器は、上述した実施の形態13に係る方向性結合器と同様に、偶モード動作時の位相定数βeと奇モード動作時の位相定数βoとを平行移動するように変化させることができ、その平行移動量を大きくすることもできるので、位相定数βiの差が大きくなり、密結合かつフォワード結合となる。また、偶モード動作時および奇モード動作時ともにバンドギャップが存在しないので、広帯域となる。また、右手系線路を用いた一般的な方向性結合器と比較して、同じ結合量であれば、大幅に小型化することができる。
また、この発明の実施の形態14に係る方向性結合器は、上述した実施の形態13に係る方向性結合器よりも、第1ストリップ導体と第2ストリップ導体とが側結合される側結合部(結合線路部分)が長いので、より密結合とすることができる。
図28は、この発明の実施の形態15に係る方向性結合器を示す平面図である。
図28において、この方向性結合器は、図26に示した第3ストリップ導体30eに代えて、第3ストリップ導体30fを備えている。
なお、その他の構成については、実施の形態13と同様なので、説明を省略する。
この発明の実施の形態15に係る方向性結合器では、上述した実施の形態1に係る方向性結合器と同様に、対称面となる断面B−B'に沿って磁気壁または電気壁を仮定することができる。
したがって、この発明の実施の形態15に係る方向性結合器の等価回路は、それぞれ図3、4に示した等価回路となる。
また、この発明の実施の形態15に係る方向性結合器は、第3ストリップ導体30fを地導体2に短絡するスルーホールを形成する必要がないので、スルーホール31を用いる実施の形態5に係る方向性結合器と比較して、容易に製造することができる。
図29は、この発明の実施の形態16に係る方向性結合器を示す平面図である。
図29に示す方向性結合器は、図28に示した方向性結合器において、単位セル100fを3つ直列に並ぶように配置して構成されている。
この発明の実施の形態16に係る方向性結合器は、上述した実施の形態15に係る方向性結合器と同様に、偶モード動作時の位相定数βeと奇モード動作時の位相定数βoとを平行移動するように変化させることができ、その平行移動量を大きくすることもできるので、位相定数βiの差が大きくなり、密結合かつフォワード結合となる。また、偶モード動作時および奇モード動作時ともにバンドギャップが存在しないので、広帯域となる。また、右手系線路を用いた一般的な方向性結合器と比較して、同じ結合量であれば、大幅に小型化することができる。
また、この発明の実施の形態16に係る方向性結合器は、上述した実施の形態15に係る方向性結合器よりも、第1ストリップ導体と第2ストリップ導体とが側結合される側結合部(結合線路部分)が長いので、より密結合とすることができる。
図31は、この発明の実施の形態17に係る方向性結合器を示す平面図である。なお、図31において、第1浮遊導体114および第3浮遊導体116が誘電体基板1の表面に見えるように図示されているが、これは理解しやすくするためのものであって、実際は誘電体基板1の内部に形成されている。
第3浮遊導体116は、入出力ギャップ61、62、71、72の下方の誘電体基板1の内部に配置されている。
この発明の実施の形態17に係る方向性結合器では、上述した実施の形態1に係る方向性結合器と同様に、対称面となる断面B−B'に沿って磁気壁または電気壁を仮定することができ、そのときの等価回路は、それぞれ図3、4に示した等価回路となる。
また、上述した実施の形態1に係る方向性結合器と同様に、偶モード動作時の位相定数βeと奇モード動作時の位相定数βoとを平行移動するように変化させることができ、その平行移動量を大きくすることもできるので、位相定数βiの差が大きくなり、密結合かつフォワード結合となる。また、偶モード動作時および奇モード動作時ともにバンドギャップが存在しないので、広帯域となる。また、右手系線路を用いた一般的な方向性結合器と比較して、同じ結合量であれば、大幅に小型化することができる。
図32は、この発明の実施の形態18に係る方向性結合器を示す平面図である。なお、図32において、第1浮遊導体114、第2浮遊導体115、第3浮遊導体116および第4浮遊導体117が誘電体基板1の表面に見えるように図示されているが、これは理解しやすくするためのものであって、実際は誘電体基板1の内部に形成されている。
第3浮遊導体116は、入出力ギャップ61、62、71、72の下方の誘電体基板1の内部に配置されている。また、第4浮遊導体117は、単位セル間ギャップ80の下方の誘電体基板1の内部に配置されている。
この発明の実施の形態18に係る方向性結合器は、上述した実施の形態17に係る方向性結合器と同様に、偶モード動作時の位相定数βeと奇モード動作時の位相定数βoとを平行移動するように変化させることができ、その平行移動量を大きくすることもできるので、位相定数βiの差が大きくなり、密結合かつフォワード結合となる。また、偶モード動作時および奇モード動作時ともにバンドギャップが存在しないので、広帯域となる。また、右手系線路を用いた一般的な方向性結合器と比較して、同じ結合量であれば、大幅に小型化することができる。
また、この発明の実施の形態18に係る方向性結合器は、上述した実施の形態17に係る方向性結合器よりも、第1ストリップ導体と第2ストリップ導体とが側結合される側結合部(結合線路部分)が長いので、より密結合とすることができる。
Claims (13)
- 誘電体基板に形成された第1ストリップ導体と、
前記誘電体基板に、前記第1ストリップ導体と対向して形成された第2ストリップ導体と、
前記第1ストリップ導体と前記第2ストリップ導体とを接続する第3ストリップ導体と、
前記誘電体基板に、前記第1ストリップ導体、前記第2ストリップ導体および前記第3ストリップ導体から隔離して形成された地導体と、
前記第3ストリップ導体を接地電位に短絡する短絡手段と、
前記第1ストリップ導体の両端に近接して形成された一対の第1入出力線路と、
前記第2ストリップ導体の両端に近接して形成された一対の第2入出力線路と、を備え、
前記第1ストリップ導体と前記第2ストリップ導体とが側結合される側結合部において、前記第1ストリップ導体と前記第2ストリップ導体との間の距離は、前記第1ストリップ導体から前記地導体までの距離および前記第2ストリップ導体から前記地導体までの距離の何れか短い方の2倍以内とされている
ことを特徴とする方向性結合器。 - 前記短絡手段は、前記第3ストリップ導体と前記地導体とを接続する接続導体であることを特徴とする請求項1に記載の方向性結合器。
- 前記接続導体は、前記第3ストリップ導体の中央部に形成されることを特徴とする請求項2に記載の方向性結合器。
- 前記接続導体は、前記第3ストリップ導体の両端に形成されることを特徴とする請求項2に記載の方向性結合器。
- 前記短絡手段は、前記第3ストリップ導体の中央部から分岐した分岐部と、前記分岐部と前記地導体とを接続する接続導体とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の方向性結合器。
- 前記短絡手段は、前記第3ストリップ導体の両端から延びて形成されたオープンスタブであることを特徴とする請求項1に記載の方向性結合器。
- 前記短絡手段は、前記第3ストリップ導体の中央部から分岐した分岐部であることを特徴とする請求項1に記載の方向性結合器。
- 前記第1ストリップ導体と前記第1入出力線路とが対向する部分の近傍、および前記第2ストリップ導体と前記第2入出力線路とが対向する部分の近傍に、何れの導体にも接続されない第1浮遊導体を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか1項に記載の方向性結合器。
- 前記第1ストリップ導体および前記第2ストリップ導体と前記第1入出力線路および前記第2入出力線路とが対向する部分の近傍に、何れの導体にも接続されない第3浮遊導体を設けたことを特徴とする請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の方向性結合器。
- 前記第1ストリップ導体、前記第2ストリップ導体および前記第3ストリップ導体から構成される単位セルが、前記第1ストリップ導体の端部同士が対向し、かつ前記第2ストリップ導体の端部同士が対向するように、複数個並べて配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項9までの何れか1項に記載の方向性結合器。 - 前記単位セルが、前記短絡手段を含むことを特徴とする請求項10に記載の方向性結合器。
- 前記第1ストリップ導体の端部同士が対向する部分の近傍、および前記第2ストリップ導体の端部同士が対向する部分の近傍に、何れの導体にも接続されない第2浮遊導体を設けたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の方向性結合器。
- 前記第1ストリップ導体の段部同士および前記第2ストリップ導体の端部同士が対向する部分の近傍に、何れの導体にも接続されない第4浮遊導体を設けたことを特徴とする請求項10から請求項12までの何れか1項に記載の方向性結合器。
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