JP2011052332A - ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布及び不織布積層体 - Google Patents

ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布及び不織布積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】成型用の凹凸金型に追随し易い柔軟性を有し、樹脂の不織布表面への染み出しを防止でき、かつ不織布と樹脂との複合体である成型体と該成型体が接触する部材との摩擦による異音発生を抑制できる長繊維不織布を提供する。
【解決手段】1層又は2層以上の捲縮長繊維不織布層を有するポリオレフィン系捲縮長繊維不織布であって、該捲縮長繊維不織布層が、繊度0.5〜10dtex及び捲縮数2〜40個/25mmであるポリオレフィン系捲縮長繊維を少なくとも用いて構成されており、該捲縮長繊維不織布層が、部分熱圧着率2〜15%で熱圧着されており、該ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布が、目付50〜200g/m2、厚み0.5〜2.0mm、及びJIS−K−7201に従って測定される酸素指数(LOI)20以上を有する、ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
【選択図】なし

Description

本発明は、形状追随性が良好な、産業資材に適したポリオレフィン系捲縮長繊維不織布に関し、更に詳しくは、自動車、トラック、バイク等の車両用シート、クッション成形体の補強材、防音樹脂の被覆材等に用いられ、成型用の凹凸金型に追随し易い柔軟性を有し、樹脂の不織布表面への染み出しを防止でき、かつ、該不織布と樹脂との複合体である成型体と該成型体が接触する部材との摩擦等による異音発生を抑制できる長繊維不織布に関する。
近年、自動車、トラック、バイク等の車両においては、安全性、快適性及びデザイン性の向上が著しく、使用される部材への要求性能が高度化してきている。また、例えば、自動車や家具等のシート用クッション体として、弾性、保湿性、軽量性等に優れたポリウレタンフォームが用いられている。ポリウレタンフォームは、例えば、成型用凹凸金型にポリウレタン樹脂原液を注入し、発泡成型して得られる。得られたクッション体は、バネ、フレーム、パイプ等の取付鋼材に取付けられるが、使用時の振動や着座時に、クッション体と取付鋼材との摩擦等により異音が発生するという問題があった。このような異音の発生を防止するため、成型時にフェルト、不織布等を使用してこれらの取付鋼材をクッション体の表面に一体化させる方法が提案されている。
特許文献1には、粗の構造の不織布と緻密な構造の不織布とからなる積層物を用いる方法が提案され、特許文献2には、目付110〜800g/m2の高目付の不織布を用いる方法が提供されている。
上記方法では、不織布と樹脂との複合体を成型する際の不織布表面への樹脂液の染み出しを防止でき、またクッション体に剛性を付与することはできる。しかし、上記方法では、不織布が凹凸金型に形状追随しにくく、また異音発生防止効果が低い等の問題があった。
特許文献3には、部分熱圧着した捲縮長繊維不織布である、形状追随性良好な長繊維不織布が提供されている。この技術は樹脂の染み出しの抑制には優れているが、燃焼する等の問題がある。
特許文献4には、捲縮性の繊維から構成された不織布が開示されている。しかし、この不織布は安全性の向上につながる難燃性を与えず、また単に捲縮繊維を用いるだけでは柔軟性においても十分とは言えず、近年の更なる形状追随性の性能向上の要求と安全性の向上に向けた難燃性を満足できないという問題があった。
実公昭62−26193号公報 特開平2−258332号公報 特開2000−62061号公報 特公平4−29776号公報
本発明の課題は、上記従来の問題を解決し、難燃性が付与でき、且つ、成型用の凹凸金型に追随し易い柔軟性を有し、樹脂の不織布表面への染み出しを防止でき、かつ、不織布と樹脂との複合体である成型体と該成型体が接触する部材との摩擦による異音発生を抑制できるポリオレフィン系長繊維不織布を提供することである。
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、難燃性であり、嵩高性及び柔軟性に富む特定の捲縮長繊維からなる不織布を用いることにより上記課題を達成できることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)1層又は2層以上の捲縮長繊維不織布層を有するポリオレフィン系捲縮長繊維不織布であって、
該捲縮長繊維不織布層が、繊度0.5〜10dtex及び捲縮数2〜40個/25mmであるポリオレフィン系捲縮長繊維を少なくとも用いて構成されており、
該捲縮長繊維不織布層が、部分熱圧着率2〜15%で熱圧着されており、
該ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布が、目付50〜200g/m2、厚み0.5〜2.0mm、及びJIS−K−7201に従って測定される酸素指数(LOI)20以上を有する、ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
(2)上記捲縮長繊維不織布層が、難燃剤を0.1〜10.0質量%含有する、上記(1)に記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
(3)上記捲縮長繊維不織布層中の上記ポリオレフィン系捲縮長繊維の含有率が、70〜100質量%である、上記(1)又は(2)に記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
(4)上記ポリオレフィン系捲縮長繊維がポリプロピレン系捲縮長繊維である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
(5)破断伸度が70%以上であり、かつ目付換算の5%中間応力値が0.6N/5cm以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
(6)上記捲縮長繊維不織布層を2層以上有し、該捲縮長繊維不織布層の層間が部分熱圧着率2〜15%で熱圧着されている、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布と、該ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の少なくとも一方の表面に積層されたメルトブロウン不織布とを有し、
該メルトブロウン不織布が、繊維径0.1〜5.0μmの繊維で構成され、かつ目付2〜50g/m2を有する、不織布積層体。
(8)メルトブロウン不織布に接して積層された長繊維不織布を更に有し、
該長繊維不織布が、繊維径10〜50μmの繊維で構成され、かつ目付10〜100g/m2を有し、
該ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布と該メルトブロウン不織布との間、及び該メルトブロウン不織布と該長繊維不織布との間が、いずれも部分熱圧着率2〜15%となるように熱圧着されている、上記(7)に記載の不織布積層体。
本発明のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布は、難燃性を有し、嵩高性及び柔軟性に富む捲縮繊維を用いているため、成形時の凹凸金型に追随し易く、例えば近年の車両の複雑なデザインにも対応可能である。また、本発明のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布は、樹脂と共に成型される場合に該樹脂の該不織布表面への染み出しを防止でき、不織布と樹脂との複合体である成型体を、成型後に例えば車両等へ取り付ける際、該成型体と他部材との摩擦による異音の発生を抑制できる。本発明のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布は、例えば車両用部材、家具等のシート、クッション体等の用途に幅広く活用可能である。
以下本発明について詳述する。本発明は、1層又は2層以上の捲縮長繊維不織布層を有するポリオレフィン系捲縮長繊維不織布であって、該捲縮長繊維不織布層が、繊度0.5〜10dtex及び捲縮数2〜40個/25mmであるポリオレフィン系捲縮長繊維を少なくとも用いて構成されており、該捲縮長繊維不織布層が、部分熱圧着率2〜15%で熱圧着されており、該ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布が、目付50〜200g/m2、厚み0.5〜2.0mm、及びJIS−K−7201に従って測定される酸素指数(LOI)20以上を有する、ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布を提供する。本発明のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布(以下、「捲縮長繊維不織布」ともいう)は、上記構成により、難燃性を有するとともに柔軟性及び嵩高性に優れる。
本発明の捲縮長繊維不織布は、1層又は2層以上の捲縮長繊維不織布層を有する。捲縮長繊維不織布層を構成するために用いるポリオレフィン系捲縮長繊維の繊度は、0.5〜10dtexであり、好ましくは、1〜6dtexである。上記繊度が0.5dtex未満の場合は、樹脂液の染み出しは少なくなるが、捲縮長繊維不織布の強度、伸度等の物性が低下し、またコスト高となる。一方上記繊度が10dtexを超える場合は、樹脂液の染み出しが生じ易く、剛軟度が大きくなり、硬い風合いで発泡成型用の凹凸金型に形状追随し難く、成型加工性が低下し、捲縮長繊維不織布と樹脂との複合体として形成されるクッション体の剛性が大きくなる等の問題が生じる。なお上記繊度は、顕微鏡で500倍の拡大写真を撮影し、繊維20本の数平均繊維径から算出される値である。
ポリオレフィン系捲縮長繊維は、ポリオレフィン構造を50質量%超含むものであればよい。ポリオレフィン系捲縮長繊維の材料は、例えば、ポリエチレン系ポリマー、ポリプロピレン系ポリマー、ポリプロピレン系共重合ポリマー等であることができる。特に、紡糸性の観点から、ポリオレフィン系捲縮長繊維はポリプロピレン系捲縮長繊維(すなわちポリプロピレン構造を50質量%超含む捲縮長繊維)であることが好ましい。ポリオレフィン系捲縮長繊維は、上記のようなポリマーで構成される芯鞘型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維等であってもよい。
捲縮長繊維不織布層はポリオレフィン系捲縮長繊維のみを用いて構成されてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で他の構成成分を含んでもよい。他の構成成分としては、溶融紡糸可能なポリマーからなる繊維として、ポリエステル系繊維(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート)、脂肪酸ポリエステル系繊維(例えばポリ乳酸)、ポリアミド繊維(例えばナイロン6、ナイロン610、ナイロン66)及びこれらポリマーの共重合体からなる繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等を材料とする捲縮長繊維及び非捲縮長繊維が挙げられる。より具体的には、例えばカーボンニュートラル比率向上の目的で、上記他の構成成分としてポリ乳酸繊維を含有させることができる。
捲縮長繊維不織布層中のポリオレフィン系捲縮長繊維の含有率は、70〜100質量%であることが好ましい。上記含有率が70質量%未満である場合、ポリオレフィン系捲縮長繊維を用いることによる柔軟性付与の効果が小さい傾向がある。上記含有率は、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%である。上記含有率は、捲縮長繊維不織布層の製造時に、該層を構成する各成分の質量比を調整することにより実現できる。
また、ポリオレフィン系捲縮長繊維の繊維断面は、丸形断面若しくはY形、V形、U形、I形、C形、十字形、星形等の異形断面又はこれらの組合せであることができる。嵩高性、柔軟性及び立体障害性による樹脂の染み出し防止効果が良好に得られ、且つ、同一紡糸速度域で紡糸した場合に丸型断面形状では実現困難な5%中間応力の低減を実現可能であるという観点から、繊維断面は異形断面であることが好ましい。特に、ポリオレフィン樹脂に難燃剤、安定剤等を添加し、且つ、繊維断面を異型にすることにより、生産性を低下させることなく、同一紡糸速度領域において丸型断面形状では見られない5%中間応力の低減を実現できる。5%中間応力を低減できる理由は明確でないが、難燃剤、安定剤等を添加するとともに異型断面にすることにより、紡糸工程における繊維断面の構造差が発現しやすくなり、その結果、5%中間応力を低減できるものと推察される。繊維断面形状は、特に好ましくはL形及びV形である。
樹脂染み出し防止効果、5%中間応力低減効果、及び形状追随性が良好である点で、異型断面の周長は、異型断面と同一面積の丸断面の周長の1.3倍以上であることが好ましく、1.4倍以上であることがより好ましく、また、異型断面形状に外接する長方形の短辺に対する長辺の比で表される扁平度が好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、更に好ましくは、1.5以上である。
上記の断面の周長及び扁平度は、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡(SEM)による断面写真から、画像解析、又は断面写真上に糸を貼り付けた後に糸長を計測することによる周長計測法等により算出できる。
ポリオレフィン系捲縮長繊維としては、単一の種類又は繊度のものを用いてもよいが、異種又は異なる繊度のものを混合し、又は後述のように積層して用いてもよい。捲縮長繊維は、紡糸性、生産性等のコストの観点から単一ポリマー成分で構成されることが好ましい。
捲縮は、紡糸時に冷却域において繊維断面の構造差を形成することにより発現させることが可能である。また、ポリオレフィン系捲縮長繊維として潜在性捲縮長繊を用いて捲縮を発現させてもよい。
ポリオレフィン系捲縮長繊維の捲縮数は、2〜40個/25cmである。上記捲縮数は、部分熱圧着前、外部からの拘束力の無い状態で、2mg/dtexの加重下で観察される値である。ポリオレフィン系捲縮長繊維における捲縮は典型的には螺旋状である。上記捲縮数は、好ましくは、5〜30個/25mmである。上記捲縮数が2個/25cm以上であることにより、本発明の捲縮長繊維不織布の嵩高性が良好であり、クッション体等の成型体と、取付鋼材との摩擦により発生する異音の抑制効果及び樹脂の染み出し抑制効果を得ることができるとともに、柔軟性が良好で、成型金型に対する形状追随性が良好である。一方、上記捲縮数が40個/25cm以下であることにより、紡糸時の糸切れが減少し安定して生産できるという効果が得られる。
ポリオレフィン系捲縮長繊維がらせん状に捲縮されている場合、らせん捲縮径は、0.5〜1.0mmであることが好ましく、0.6〜1.0mmであることがより好ましい。上記らせん捲縮径が0.5mm未満である場合、捲縮の発現のための繊維断面における構造差が大きく強度が低下する傾向がある。一方、上記らせん捲縮径が1.0mmを超える場合、嵩高性が低下する傾向がある。
なお上記捲縮数及びらせん捲縮径は、不織布を部分熱圧着前に採取し、その中から20cmの単糸10本を変形させない様に採取した後、単糸の片方に繊維2mg/dtexの加重を吊り下げた状態で、25mmの間の捲縮数及び捲縮している部分の外径を拡大鏡を用いて数え、n=10の平均値として求められる値である。上記の捲縮数及びらせん捲縮径は、測定容易性の点から光学顕微鏡又は拡大鏡によって好ましく計測できる。
捲縮長繊維不織布を構成する捲縮長繊維不織布層は、部分熱圧着率が2〜15%となるように熱圧着されている。部分熱圧着率は、好ましくは3〜12%である。本明細書において、部分熱圧着率とは、不織布層の表面の単位面積当たりの熱圧着部分の面積比率である。該部分熱圧着率が2%未満では繊維相互の熱圧着頻度が少なく、取扱い性及び強度が十分得られない。一方、部分熱圧着率が15%を超えると、繊維相互の熱圧着頻度が多く、剛軟度が大きく硬い風合いで凹凸金型に形状追随し難い。上記部分熱圧着率は、不織布表面の光学顕微鏡若しくは走査型電子顕微鏡(SEM)による表面写真から、画像解析により直接的に熱圧着部分と非圧着部分との和に対する熱圧着部分の面積の百分率を求める方法、又は表面写真にて熱圧着されている部分を切り抜き熱圧着部分と非熱圧着部分との質量和に対する熱圧着部分の質量の百分率を求める方法により測定される値である。本発明の捲縮長繊維不織布が2層以上の捲縮長繊維不織布層からなる場合、上記部分熱圧着率は各層の部分熱圧着率を意味し、層ごとに部分熱圧着率が異なってもよい。しかし熱圧着は、典型的には後述するように熱エンボスロール加工等により行い、2層以上の捲縮長繊維不織布層が積層された状態で積層物全体を熱圧着することが好ましい。この場合各層の部分熱圧着率は一致する。
なお、上記熱圧着部分の1箇所当たりの面積は0.1〜5.0mm2であることが好ましく、0.2〜3.0mm2であることがより好ましい。上記面積が0.1mm2未満である場合、繊維同士の結合が少なく、摩擦強度等の物理強度が低い傾向があり、5.0mm2を超える場合、熱圧着部分の面積が多く、風合いが硬い傾向がある。また熱圧着部分の最小間隔は1〜10mmであることが好ましく、2〜8mmであることがより好ましい。上記最小間隔が1mm未満である場合、熱圧着部分が多く風合いが硬い傾向があり、10mmを超える場合、繊維同士の結合が少なく、摩擦強度等の物理強度が低い傾向がある。また熱圧着部分は、不織布表面の全面に均等に分布させることが好ましい。
熱圧着部分の凹部(すなわち熱エンボスロール加工等による熱圧着によって形成される窪み)の深さは0.2〜2.0mmであることが好ましく、0.3〜1.5mmであることがより好ましい。上記深さが0.2mm未満である場合、熱圧着部分の結合が少ない傾向があり、2.0mmを超える場合、エンボスロール等による加工が難しい傾向がある。
上記の熱圧着部分の面積は、不織布表面の光学顕微鏡若しくは走査型電子顕微鏡(SEM)による表面写真から、画像解析により熱圧着部分の面積を求める方法、又は表面写真にて熱圧着されている部分を切り抜き質量測定から換算する方法により測定される値である。一方、最小間隔は、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡(SEM)による不織布の表面写真から、1つの熱圧着部分と、その周りに存在する別の熱圧着部分との距離の内、最も間隔の短いものを求めるという方法で測定される値である。また、上記の凹部深さは、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡(SEM)による、熱圧着部分の最小厚み部分(通常は熱圧着部分の中心部)を含む不織布断面の写真から、熱圧着部分の最小厚みと非熱圧着部分の厚みとの差の絶対値を求めることにより測定される値である。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の目付は、50〜200g/m2である。上記目付が50g/m2未満では、クッション体等、不織布と樹脂との複合体を形成する場合に、樹脂液の染み出しが生じ易く、クッション体の補強材効果が少ない。また目付が200g/m2を超えると、樹脂液の染み出しは生じ難いが、成型用の凹凸金型に形状追随し難く、成型加工性に劣り、クッション体の剛性が大きくなる等の問題が生じる。上記目付は、好ましくは60〜150g/m2であり、より好ましくは、60〜100g/m2である。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の厚みは、0.5〜2.0mmである。上記厚みが0.5mm未満では、樹脂液の染み出しが生じ易く、クッション体の補強材効果が少ない。また2.0mmを超えると、樹脂液は染み出し難いが、成型用の凹凸金型に形状追随し難く、成型加工性に劣り、クッション体の剛性が大きくなる等の問題が生じる。上記厚みは、好ましくは0.7〜1.5mmである。上記目付及び厚みは、JIS−L−1906で規定されている方法で測定される値である。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布は、例えば、公知のスパンボンド法で、紡口直下の冷却条件により発現させた捲縮長繊維ウェブを熱エンボスロールで部分熱圧着させることにより、又は潜在捲縮長繊維ウェブを熱処理により捲縮させて熱エンボスロールで部分熱圧着させることにより製造することができる。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布は、JIS−K−7201に従って測定される酸素指数(LOI)が20以上であり、好ましくは21以上である。酸素指数が20未満では、自動車内装材料の燃焼試験(JIS D1201 FMVSS N0.302)の水平法の燃焼試験で不合格となる等、難燃性が十分でない。上記酸素指数の上限は特に限定されないが、生産性の観点から、上記酸素指数は40以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましい。
上記酸素指数を20以上にする手段としては、例えば、ポリオレフィン系捲縮長繊維中に難燃剤を含有させること、安定剤を含有させること、難燃剤と安定剤とを併用すること、等が挙げられる。捲縮長繊維不織布層中の難燃剤の含有量、より好ましくはポリオレフィン系捲縮長繊維中の難燃剤の含有量は、それぞれ、好ましくは0.1〜10.0質量%、より好ましくは0.2〜5.0質量%、更に好ましくは0.3〜3.0質量%である。難燃剤を含有するポリオレフィン系捲縮長繊維は、例えば予め難燃剤を練り込んだ樹脂を紡糸すること、捲縮長繊維の表面に難燃剤を塗布すること等によって製造でき、これにより難燃性に優れる捲縮長繊維不織布層が得られる。難燃剤の上記含有量がそれぞれ0.1質量%未満である場合、難燃性が低い傾向があり、10.0質量%を超える場合、難燃性は高くなるが、繊維の強度が低下する傾向がある。
難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフエニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等の非ハロゲン系リン酸エステル類、脂肪族ポリホスフェート、芳香族ポリホスフェート等の特殊リン酸エステル類、含ハロゲンリン酸エステル類、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド等のデカブロ系等の臭素系難燃剤、メラミン系難燃剤、燐酸グアニジン誘導体、燐窒素系化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機充填剤等の1種又は2種以上を使用できる。特に、過酸化処理した4―ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルペリジンと、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの反応生成物にシクロヘキサンを反応させて得た反応生成物と、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応生成物、及び、1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオンと1,3,5−トリアジン2,4,6−トリアミンとの化合物、ポリリン酸メラミン等のメラミン系難燃剤が好ましく用いられる。更に、ポリオレフィン樹脂の分解を防止する安定剤として、例えば、NOR(N―アルコキシ)立体障害性アミン等の安定剤等を併用することによっても難燃性を向上させることができる。
ポリオレフィン系捲縮長繊維は、通常ポリオレフィン樹脂に添加される各種の添加剤、例えばフェノール系、チオエーテル系等の酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、有機充填剤等を本発明の目的を損なわない範囲で含有することができる。
本発明のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布は、目的に応じた所望の組成を有するポリオレフィン系樹脂組成物、及び、必要に応じて通常ポリオレフィン系樹脂に添加される前述の各種添加剤のそれぞれ所定量を、通常の混合装置、例えばスーパーミキサー、リボンブレンダー、バンバリミキサー等を用いて混合し、通常用いられる単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダー又はロール等で、溶融混練温度150℃〜250℃、好ましくは180℃〜230℃で溶融混練ペレタイズすることにより得ることができる。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の破断伸度は、70%以上であることが好ましい。上記破断伸度が70%以上である場合、凹凸金型への形状追随性が良好である。上記破断伸度は、より好ましくは75%以上であり、更に好ましくは80%以上である。一方、上記破断伸度は、形態保持の観点から、好ましくは200%以下であり、より好ましくは150%以下であり、更に好ましくは130%以下である。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の目付換算の5%中間応力値は、0.6N/5cm以下であることが好ましく、この場合凹凸金型への形状追随性が良好である。上記目付換算の5%中間応力値とは、引張強力測定における5%伸長時の中間応力を目付で除した値として求められる。上記目付換算の5%中間応力値は、より好ましくは0.55N/5cm以下であり、更に好ましくは0.5N/5cm以下である。目付換算の5%中間応力値は下式で表される。
{目付換算の5%中間応力値(N/5cm)=(5%中間応力(N/5cm))/(目付(g/m2))}
上記破断伸度及び5%中間応力値は、不織布のタテ方向(すなわち巻き取り方向すなわち不織布長さ方向)及びヨコ方向(すなわち該タテ方向に対して垂直の方向)の各々で、定長引張試験機を用いた引張強力測定により測定される値であり、破断伸度及び5%中間応力値の上記範囲は、タテ方向及びヨコ方向で測定される値の両者が上記範囲であることを意味する。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の通気性は、好ましくは0.1〜150cm3/cm2/secであり、より好ましくは0.5〜130cm3/cm2/secである。上記通気性が0.1cm3/cm2/sec未満である場合、樹脂液は染み出し難いが、不織布が緻密化され、硬い風合いとなる場合がある。一方、上記通気性が150cm3/cm2/secを超える場合、樹脂液が染み出し易くなる場合がある。なお上記通気性は、JIS−L−1906の一般長繊維不織布試験方法のフラジュール形法に準じて測定される値である。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の平均見かけ密度は、好ましくは、0.05〜0.18g/cm3であり、より好ましくは0.06〜0.15g/cm3である。上記平均見かけ密度が0.05g/cm3未満である場合、樹脂の染み出しが多くなる傾向があり、0.18g/cm3を超える場合、形状追従性が低下してしまう傾向がある。なお上記平均見かけ密度は、不織布の目付及び厚みから、下記式、
(平均見かけ密度)=(目付)/(厚み)
に従って算出される値である。平均見かけ密度は、繊維の繊度、捲縮数、目付等を変えることにより制御できる。
本発明のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布が2層以上の捲縮長繊維不織布層からなる場合、各層は、互いに、同種又は異種のポリマー成分で構成された同一又は異なる繊度のものであることができる。層間は、部分熱圧着率が2〜15%となるように熱圧着によって接合されていることが好ましい。上記部分熱圧着率が2%未満である場合、繊維相互の熱圧着頻度が少なく、取扱い性及び強度が低くなる傾向がある。一方上記部分熱圧着率が15%を超える場合、繊維相互の熱圧着頻度が多く、剛軟度が大きく硬い風合いで凹凸金型に形状追随し難い傾向がある。上記部分熱圧着率は、より好ましくは3〜13%であり、更に好ましくは5〜12%である。なお上記の層間の部分熱圧着は、典型的には、2層以上の捲縮長繊維不織布層が積層された積層物全体を熱圧着することにより、各層の部分熱圧着と同時に実現できる。
2層以上の捲縮長繊維不織布層からなる積層構造は例えば粗密構造であることができる。例えば、平均見かけ密度が0.03〜0.12g/cm3の粗な構造の層と、平均見かけ密度が0.08〜0.35g/cm3で上記粗な構造よりも密な構造の層とが積層された2層構造を形成することができる。
本発明は、上述した本発明のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布と、該ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の少なくとも一方の表面に積層されたメルトブロウン不織布とを有する不織布積層体も提供する。メルトブロウン不織布は、例えば樹脂液の染み出し防止効果の改善に寄与する。メルトブロウン不織布は、繊維径が0.1〜5.0μmの繊維で構成されていることが好ましく、そして、メルトブロウン不織布の目付は2〜50g/m2であることが好ましい。
メルトブロウン不織布の繊維径は、好ましくは0.1〜5.0μmであり、より好ましくは0.5〜3.0μmであり、更に好ましくは0.5〜2.0μmである。上記繊維径が0.1μm未満である場合、紡糸時のポリマーの溶融粘性を低くする必要性からポリマー温度を極端に高温化するため、紡口の汚れ等が極めて短時間で発生し、紡糸性が悪化して生産が困難である傾向があり、5.0μmを超える場合繊維径が太くなり過ぎ染み出し防止効果が低減する傾向がある。
メルトブロウン不織布の目付は、好ましくは2〜50g/m2であり、より好ましくは2〜25g/m2であり、更に好ましくは2〜15g/m2である。上記目付が2g/m2未満である場合、樹脂の染み出し防止効果が小さい傾向があり、50g/m2を超える場合、成型用の凹凸金型への形状追随性が低い傾向がある。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布とメルトブロウン不織布との間は、部分熱圧着率2〜15%となるように熱圧着によって接合されていることが好ましい。該部分熱圧着率が2%未満である場合、繊維相互の熱圧着頻度が少なく、取扱い性及び強度が低い傾向があり、15%を超える場合、繊維相互の熱圧着頻度が多く、剛軟度が大きく硬い風合いで凹凸金型への形状追随性が低い傾向がある。上記部分熱圧着率は、より好ましくは3〜13%であり、更に好ましくは5〜12%である。またこの場合、上記の理由から、不織布積層体全体を熱圧着することにより、不織布間のみでなく各不織布自体の部分熱圧着率も2〜15%とすることが好ましい。
メルトブロウン不織布を構成するポリマーとしては、上述した本発明の捲縮長繊維不織布と同様のポリオレフィン系ポリマーが挙げられ、紡糸性の観点から、例えば、ポリエチレン系ポリマー、ポリプロピレン系ポリマー、及びポリプロピレン系共重合ポリマーが好ましい。また、メルトブロウン不織布には、本発明の捲縮長繊維不織布に使用できる難燃剤、安定剤等を同様に添加することが好ましい。
メルトブロウン不織布は、例えば、上記ポリオレフィン系ポリマー等の材料を、押出機にて一旦熱溶融した後、ギアポンプにて計量し定量的にポリマーを紡口口金より吐出させ、紡口の周りから加熱流体を噴出させることによりポリマーを細化させ、ネット等で捕集させるメルトブロウン方法により製造できる。
本発明の不織布積層体は、上述のメルトブロウン不織布に接して積層された長繊維不織布を更に有してもよい。長繊維不織布は、例えばメルトブロウン不織布の保護に寄与する。長繊維不織布は、繊維径10〜50μmの繊維で構成されていることが好ましく、長繊維不織布の目付は10〜100g/m2であることが好ましく、そして、ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布とメルトブロウン不織布との間、及びメルトブロウン不織布と長繊維不織布との間が、いずれも部分熱圧着率2〜15%となるように熱圧着によって接合されていることが好ましい。
長繊維不織布の繊維径は、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜40μm、更に好ましくは10〜30μmである。上記繊維径が10μm未満である場合及び50μmを超える場合、紡糸性が低下する傾向がある。
長繊維不織布の目付は、好ましくは10〜100g/m2、より好ましくは15〜80g/m2、更に好ましくは20〜60g/m2である。上記目付が10g/m2未満である場合、不織布の斑が大きくなる傾向があり、100g/m2を超える場合、積層体が厚くなり過ぎて部分熱圧着不良が発生しやすい傾向がある。
長繊維不織布を構成するポリマーとしては、本発明の捲縮長繊維不織布と同様のポリオレフィン系ポリマーが挙げられ、紡糸性の観点から、例えば、ポリエチレン系ポリマー、ポリプロピレン系ポリマー、及びポリプロピレン系共重合ポリマーが好ましい。長繊維不織布は、例えば、上記のようなポリマーを含む、芯鞘型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維等であってもよい。また、長繊維不織布を構成する長繊維の繊維断面は、丸形断面若しくはY形、V形、U形、I形、C形、十字形、星形等の異形断面又はこれらの組合せであることができる。更に、長繊維不織布には、本発明の捲縮長繊維不織布に使用できる難燃剤、安定剤等を同様に添加することが好ましい。
長繊維不織布は、例えば、上記の材料を押出機にて一旦熱溶融した後、ギアポンプにて計量し定量的にポリマーを紡口口金より吐出させ、糸条を冷風にて冷却した後、エアーサッカーにて糸条を牽引することによりポリマーを細化及び延伸させ、ネット等で捕集させるスパンボンド方法により製造できる。
本発明の不織布積層体においては、ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布とメルトブロウン不織布との間、及びメルトブロウン不織布と長繊維不織布との間が、いずれも部分熱圧着率2〜15%となるように接合されていることが好ましい。該部分熱圧着率が2%未満である場合、繊維相互の熱圧着頻度が少なく、取扱い性及び強度が低い傾向があり、15%を超える場合、繊維相互の熱圧着頻度が多く、剛軟度が大きく硬い風合いで凹凸金型への形状追随性が低い傾向がある。上記部分熱圧着率は、より好ましくは3〜13%であり、更に好ましくは5〜12%である。またこの場合、上記の理由から、不織布積層体全体を熱圧着することにより、不織布間のみでなく各不織布自体の部分熱圧着率も2〜15%とすることが好ましい。
ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布とメルトブロウン不織布及び任意に長繊維不織布との積層方法としては、各不織布を別個に製造し、不織布製造ライン上で連続的にオンラインで積層した後に、不織布積層体全体を2〜15%の部分熱圧着率となるように熱圧着して繊維同士を接合する方法、各不織布を別個に製造し、更に不織布製造ラインとは別のラインで不織布積層体の形成を行った後、該不織布積層体全体を2〜15%の部分熱圧着率で熱圧着することにより繊維同士を接合する方法等を採用できる。コスト面から、連続的にオンラインで不織布を製造及び積層し、その後不織布積層体全体を2〜15%の部分熱圧着率で接合する方法が好ましい。不織布積層体全体を2〜15%の部分熱圧着率で熱圧着することにより、ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布を構成する捲縮長繊維不織布層自体も部分熱圧着率2〜15%で熱圧着された状態となる。
本発明の捲縮長繊維不織布又は不織布積層体を、成型用(例えば発泡成型用)金型の内側凹凸部に取付け、その後、樹脂原液(例えば発泡樹脂原液)を注入して一体成型することにより、例えば自動車や家具等のシート用クッション体等の成型体を形成できる。
樹脂原液(例えば発泡樹脂原液)としては、公知のウレタン樹脂液等が用いられる。成型体を形成するために用いる不織布は、本発明の捲縮長繊維不織布又は不織布積層体のみでもよいし、用途に応じて他の不織布が組み合わされたものでもよい。
本発明を実施例に基づいて更に説明する。測定方法は以下のとおりである。
(1)繊度(dtex):
顕微鏡で500倍の拡大写真を撮影し、繊維20本の数平均繊維径から繊度を算出した。
(2)目付(g/m2):
縦20cm×横25cmの試料を3箇所切り取って質量を測定し、3箇所の平均値を単位当たりの質量に換算して求めた。(JIS−L−1906に準拠)
(3)捲縮数及びらせん捲縮径:
不織布を部分熱圧着前に採取し、その中から20cmの単糸10本を変形させない様に採取した後、単糸の片方に繊維2mg/dtexの加重を吊り下げた状態で、25mmの間の捲縮数及び捲縮している部分の外径を拡大鏡を用いて数え、n=10の平均値を捲縮数及びらせん捲縮径として求めた。
(4)周長比及び扁平度:
まず、キーエンス社製(VE−8800)走査型電子顕微鏡を用い、不織布を構成している繊維(単糸)のヨコ断面の拡大写真を撮影した。次に、周長比については、繊維断面写真における繊維の周辺部に糸を貼り付けた後に糸長を計測することによって繊維断面の周長を測定し、繊維断面の周長の、該繊維断面と同一断面積である丸断面の周長に対する比を、任意の10箇所で求め、n=10の平均値を周長比とした。すなわち繊維断面が丸断面の場合、周長比は1となる。一方、扁平度は、繊維断面写真において、繊維断面と最も多くの接点を有する外接する長方形(繊維断面が例えば丸断面の場合は正方形となる)を描き、その長辺の短辺に対する比を任意の10箇所で求め、n=10の平均値を扁平度とした。すなわち繊維断面が丸断面の場合、扁平度は1となる。
周長比=繊維断面の周長/該繊維断面と同一面積の丸断面糸の周長
扁平度=外接長方形の長辺/外接長方形の短辺
(5)部分熱圧着部1個当たりの面積、部分熱圧着部の間隔及び部分熱圧着率:
<部分熱圧着部1個当たりの面積及び部分熱圧着部の間隔>
キーエンス社製(VE−8800)走査型電子顕微鏡を用いた不織布表面の拡大写真から部分熱圧着部を1ずつn=10で切り出し、質量を測定した後に面積換算し平均値を部分熱圧着部1個の当たりの面積として計測した。一方、1つの部分熱圧着部と、その周りに存在する最も近い他の部分熱圧着部との最小距離を求め、これを、異なる部分熱圧着部に対してn=10で求め、その平均値を部分熱圧着部の間隔として計測した。
<部分熱圧着率>
キーエンス社製(VE−8800)走査型電子顕微鏡を用いた不織布表面の拡大写真から、30倍の視野で、不織布の全面積に対する部分熱圧着部分の面積の割合を算出した。
部分熱圧着率=(部分圧着部分の全面積)/(不織布の全面積)
(6)厚み(mm):
JIS−L−1906に準じて、直径10mmの加圧子で荷重10kPaにて10箇所測定して、その平均値を厚みとした。
(7)平均見かけ密度(g/cm3):
平均見かけ密度=(目付け)/(厚み)
の式に従って求めた。
(8)目付換算の5%中間応力値(N/5cm):
定長引張試験機を用い、試料幅5cm長さ30cmを切り取り、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/minで、引張強力をタテ、ヨコ各々3箇所測定し、5%伸長時の応力のタテ、ヨコ各々3箇所の平均値を5%中間応力とし、これを目付けで除した値を目付換算の5%中間応力値とした。
(9)破断伸度(%):
定長引張試験機を用い、試料幅5cm長さ30cmを切り取り、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/minで、引張伸度をタテ、ヨコ各々3箇所測定し、破断時の伸度のタテ、ヨコ各々3箇所の平均値を破断伸度とした。
(10)通気性:
JIS−L−1906の一般長繊維不織布試験方法のフラジュール形法に準じて測定した。
(11)酸素指数:
JIS−K−7201の酸素指数測定方法に準じて測定した。
(12)燃焼性能:
JIS D1201 FMVSS N0.302の自動車内装材料の燃焼試験に準じて測定した。
(13)成形加工性:
発泡成形金型に入れ発泡ウレタンにて成型した際の成型品の金型への馴染み性(形状追随性)によって、下記の基準で判定した。
○ :柔軟で嵩高であるため金型への馴染み性が極めて良好である。
△ :一部で型との浮きが生じ金型への馴染み性が一部十分でない。
× :柔軟性が低いため金型への馴染み性が悪い。
(14)総合評価
酸素指数が20以上であることによって燃焼性が合格していること、成形加工性の評価が○であること、成形体において樹脂染み出し及び異音発生の欠点がいずれも無いこと、の全てを満たすものを○、そうでないものを×とした。
[実施例1]
スパンボンド用溶融紡糸機を用いて、りん酸エステル系難燃剤{1、3−フェニレンビス(2,6ジメチルフェニルホスフェート):旭電化工業製}を1.5質量%含有させたポリプロピレン樹脂(PP、融点165℃)をハの字型の異形ノズル紡口から吐出し、紡口下130mmの位置から冷却装置で糸条を側面から冷却することにより、冷却差による糸の構造差を発現させて捲縮を発現させ、牽引装置にて、V形の繊維断面を有する目付100g/m2のポリプロピレン捲縮長繊維ウェブ(捲縮数:23個/25mm、らせん捲縮径:0.7mm、繊度3dtex)を得た。
上記の捲縮長繊維ウェブに、表面全体に1個当たりの面積が1.2mm2の凸部を4.6mmの最小間隔で千鳥配置したエンボスロールと表面平滑ロールとを組合せた部分熱圧着ロール(温度135℃、線圧300N/cm、部分熱圧着率8%)の間を通過させて、部分熱圧着されたポリプロピレン捲縮長繊維不織布を得た。
得られたポリプロピレン捲縮長繊維不織布の特性は以下の通りである。熱圧着部1箇所当たりの面積:1.2mm2、熱圧着部の最小間隔:4.6mm、熱圧着率:8%、厚み:0.82mm、平均見かけ密度:0.12g/cm3、5%中間応力:タテ方向35N/5cm ヨコ方向7N/5cm(目付換算の5%中間応力値:タテ0.35N/5cm ヨコ0.07N/5cm)、酸素指数:25、破断伸度:タテ85% ヨコ110%、通気性:35cm3/cm2/sec。
得られた不織布を用いて、自動車用の座席シートの成型を行った。該不織布を発泡成型金型の内側に装着させた結果、柔らかい風合いがあり、金型への形状追随性が良く、金型への装着が良好に行えた。次いで、2液タイプのウレタン樹脂を金型に注入し、発泡成型を行った。得られた成型体を成型金型から離形して、不織布表面への樹脂の染み出しを観察したが、樹脂の染み出しがなかった。また、座席シートに座って移動する方法で摩擦による異音の発生有無を調べたところ、異音の発生はなく良好な成型品が得られたことが分かった。
[実施例2]
実施例1の捲縮長繊維不織布の製造において、難燃剤として、過酸化処理したN−ブチル−2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジンアミンと、2,4,6,−トリクロロ−1,3,5,−トリアジンとの反応生成物にシクロヘキサンを反応させて得られる生成物と、N,N’−ビス(3−アミノピロピル)エチレンジアミンとの反応生成物である難燃剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製)を1.0質量%含有させたこと、及び、長繊維ウェブが、目付70g/m2、捲縮数:17個/25mm、らせん捲縮径:0.7mm、繊度2dtexのものとなるように、紡糸条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして捲縮長繊維不織布を得た。
得られた不織布の特性は以下の通りである。熱圧着部1箇所当たりの面積:1.2mm2、熱圧着部の最小間隔:4.6mm、熱圧着率:8%、厚み:0.60mm、平均見かけ密度:0.12g/cm3、5%中間応力:タテ25N/5cm ヨコ3N/5cm(目付換算の5%の中間応力値:タテ0.25N/5cm ヨコ0.03N/5cm)、酸素指数:24、破断伸度:タテ85% ヨコ110%、通気性:55cc/cm2/sec。
得られた不織布を用いて、自動車用の座席シートの成型を行った。該不織布を発泡成型金型の内側に装着させた結果、柔らかい風合いがあり、金型への形状追随性が良く、金型への装着が良好に行えた。次いで、2液タイプのウレタン樹脂を金型に注入し、発泡成型を行った。得られた成型体を成型金型から離形して、不織布表面への樹脂の染み出しを観察したが、樹脂の染み出しがなかった。また、座席シートに座って移動する方法で摩擦による異音の発生有無を調べたところ、異音の発生はなく良好な成型品が得られたことが分かった。
[実施例3及び4]
実施例2における難燃剤の含有量を表1に示す通りに変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で捲縮長繊維ウェブ及び捲縮長繊維不織布を得た。得られた不織布の特性は表1に示す通りである。
[比較例1]
スパンボンド用溶融紡糸機を用いて、ポリプロピレン樹脂(PP、融点165℃)を紡口から吐出し、紡口下で冷却装置より糸条を側面から冷却し、牽引装置により丸形の繊維断面を有する目付100g/m2のポリプロピレン捲縮長繊維ウェブ(繊度3dtex)を得た。
前記の捲縮長繊維ウェブを、表面全体に1個当たりの面積が1.2mm2の凸部を4.6mmの最小間隔で千鳥配置したエンボスロールと表面平滑ロールとを組合せた部分熱圧着ロール(温度135℃、線圧300N/cm、部分熱圧着率8%)の間に通過させて、部分熱圧着されたポリプロピレン捲縮長繊維不織布を得た。
得られた不織布の特性は以下の通りである。厚み:0.42mm、平均見かけ密度:0.24g/cm3、5%中間応力:タテ85N/5cm ヨコ35N/5cm(目付換算の5%中間応力値:タテ0.85N/5cm ヨコ0.35N/5cm)、酸素指数:17、破断伸度:タテ50% ヨコ65%、通気性:25cc/cm2/sec。
得られた不織布を用いて、自動車用の座席シートの成型を行った。該不織布を発泡成型金型の内側に装着させた結果、風合いが硬く、金型への形状追随性が悪く、不織布の金型への装着性が悪いことから、成型加工性が悪かった。次いで、2液タイプのウレタン樹脂を金型に注入し、発泡成型を行った。得られた成型体を成型金型から離形して、不織布表面への樹脂の染み出し有無を観察したところ、樹脂の染み出しまではなかったが、特に形状のよくない成型品が得られたことが分かった。また不織布は難燃性がなく燃える状態であった。
[比較例2]
比較例1の不織布の製造において、ポリプロピレン樹脂に、難燃剤として、過酸化処理したN−ブチル−2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジンアミンと、2,4,6,−トリクロロ−1,3,5,−トリアジンとの反応生成物にシクロヘキサンを反応させて得られる生成物と、N,N’−ビス(3−アミノピロピル)エチレンジアミンとの反応生成物である難燃剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製)を1.0質量%含有させたこと以外は、比較例1と同様の方法にて、長繊維ウェブ及び長繊維不織布を得た。
[比較例3]
実施例1の難燃剤の含有量を0質量%にすること以外は、実施例1と同様の方法で、長繊維ウェブ及び長繊維不織布を得た。
[比較例4]
実施例1の難燃剤の含有量を0質量%とし、且つ、目付を70g/m2にすること以外は、実施例1と同様の方法で、長繊維ウェブ及び長繊維不織布を得た。
[比較例5]
実施例1に使用したハの字型の異形ノズル紡口の吐出孔形状を、面積は同じでタテヨコ比を小さくすることによって長繊維の断面形状の周長比及び扁平度を小さくし、難燃剤の含有量を0質量%とし、且つ、目付を70g/m2とすること以外は、実施例1と同様の方法で、長繊維ウェブ及び長繊維不織布を得た。
表1に、実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例5の実施条件及び結果を示す。
[実施例5]
スパンボンド用溶融紡糸機を用いて、難燃剤として、過酸化処理したN−ブチル−2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジンアミンと、2,4,6,−トリクロロ−1,3,5,−トリアジンとの反応生成物にシクロヘキサンを反応させて得られる生成物と、N,N’−ビス(3−アミノピロピル)エチレンジアミンとの反応生成物である難燃剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製)を1.0質量%含有させたポリプロピレン樹脂(融点162℃)をハの字型の異形ノズル紡口から吐出し、紡口下130mmの位置から冷却装置で糸条を側面から冷却することにより、冷却差による糸の構造差を発現させて捲縮を発現させ、牽引装置にて、V形の繊維断面を有する目付70g/m2のポリプロピレン捲縮長繊維ウェブ(捲縮数:17個/25mm、らせん捲縮径:0.7mm、繊度2dtex)を得た。
更に、メルトブロー用溶融紡糸機を用いて、難燃剤として、過酸化処理したN−ブチル−2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジンアミンと、2,4,6,−トリクロロ−1,3,5,−トリアジンとの反応生成物にシクロヘキサンを反応させて得られる生成物と、N,N’−ビス(3−アミノピロピル)エチレンジアミンとの反応生成物である難燃剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製)を1.0質量%含有させたポリプロピレン樹脂(融点162℃)をノズル紡口から吐出し、紡口の周りから加熱空気を噴出させてポリマーを細化し、スパンボンド用溶融紡糸機で作ったポリプロピレン捲縮長繊維ウェブにオンラインにて直接メルトブロー繊維ウェブを積層させた。積層したメルトブロー繊維ウェブは、目付け10g/m2、繊維径1.7μmであった。
上記の捲縮長繊維とメルトブロー繊維との積層ウェブに、表面全体に1個当たりの面積が1.2mm2の凸部を4.6mmの最小間隔で千鳥配置したエンボスロールと表面平滑ロールとを組合せた部分熱圧着ロール(メルトブロー繊維ウェブ面の表面平滑ロールの温度を30℃とし、他方エンボスロールを温度135℃、線圧300N/cm、部分熱圧着率8%とした)の間を通過させて、部分熱圧着された不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体におけるポリプロピレン捲縮長繊維不織布の特性は以下の通りである。熱圧着部1箇所当たりの面積:1.2mm2、熱圧着部の最小間隔:4.6mm、熱圧着率:8%、厚み:0.65mm、平均見かけ密度:0.12g/cm3、5%中間応力:タテ方向35N/5cm ヨコ方向10N/5cm(目付換算の5%中間応力値:タテ0.44N/5cm ヨコ0.13N/5cm)、酸素指数:23、破断伸度:タテ84% ヨコ112%、通気性:28cm3/cm2/sec。
得られた不織布積層体を用いて、自動車用の座席シートの成型を行った。該不織布積層体を発泡成型金型の内側に装着させた結果、柔らかい風合いがあり、金型への形状追随性が良く、金型への装着が良好に行えた。次いで、2液タイプのウレタン樹脂を金型に注入し、発泡成型を行った。得られた成型体を成型金型から離形して、不織布積層体表面への樹脂の染み出しを観察したが、樹脂の染み出しがなかった。また、座席シートに座って移動する方法で摩擦による異音の発生有無を調べたところ、異音の発生はなく良好な成型品が得られたことが分かった。
[実施例6]
実施例5と同様にして作製した、捲縮長繊維とメルトブロー繊維とのエンボス加工前の積層ウェブの上に、更に、実施例2と同様の難燃剤を含有させ、ハの字型の異形ノズル紡口から吐出し、紡口下130mmの位置から冷却装置で糸条を側面から冷却し、牽引装置にて得た、V形の繊維断面を有する目付30g/m2のポリプロピレン捲縮長繊維ウェブ(捲縮数:18個/25mm、らせん捲縮径:0.7mm、繊度2dtex)を積層して、ウェブを得た。このウェブに、表面全体に1個当たりの面積が1.2mm2の凸部を4.6mmの最小間隔で千鳥配置したエンボスロールと表面平滑ロールとを組合せた部分熱圧着ロール(温度135℃、線圧300N/cm、部分熱圧着率8%)の間を通過させて、部分熱圧着された不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体におけるポリプロピレン捲縮長繊維不織布の特性は以下の通りである。熱圧着部1箇所当たりの面積:1.2mm2、熱圧着部の最小間隔:4.6mm、熱圧着率:8%、厚み:0.8mm、平均見かけ密度:0.13g/cm3、5%中間応力:タテ方向45N/5cm ヨコ方向15N/5cm(目付換算の5%中間応力値:タテ0.45N/5cm ヨコ0.15N/5cm)、酸素指数:24、破断伸度:タテ87% ヨコ115%、通気性:25cm3/cm2/sec。
得られた不織布積層体を用いて、自動車用の座席シートの成型を行った。該不織布積層体を発泡成型金型の内側に装着させた結果、柔らかい風合いがあり、金型への形状追随性が良く、金型への装着が良好に行えた。次いで、2液タイプのウレタン樹脂を金型に注入し、発泡成型を行った。得られた成型体を成型金型から離形して、不織布積層体表面への樹脂の染み出しを観察したが、樹脂の染み出しがなかった。また、座席シートに座って移動する方法で摩擦による異音の発生有無を調べたところ、異音の発生はなく良好な成型品が得られたことが分かった。
Figure 2011052332
本発明の形状追随性良好な長繊維不織布は、難燃性を有し、初期モジュラス(5%中間応力)が小さく、柔軟性に富む捲縮繊維を用いて部分圧着した長繊維不織布を用であるため、自動車、トラック、バイク等の車両用シートやクッション成形体の補強材や防音樹脂の被覆材に用いられ、成型用の凹凸金型に追随し易く、樹脂の染み出しがなく、かつ成型体と接触する部材との摩擦等による異音発生を防止でき、幅広く発泡体等の構成部材として幅広く利用できる。

Claims (8)

  1. 1層又は2層以上の捲縮長繊維不織布層を有するポリオレフィン系捲縮長繊維不織布であって、
    前記捲縮長繊維不織布層が、繊度0.5〜10dtex及び捲縮数2〜40個/25mmであるポリオレフィン系捲縮長繊維を少なくとも用いて構成されており、
    前記捲縮長繊維不織布層が、部分熱圧着率2〜15%で熱圧着されており、
    前記ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布が、目付50〜200g/m2、厚み0.5〜2.0mm、及びJIS−K−7201に従って測定される酸素指数(LOI)20以上を有する、ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
  2. 前記捲縮長繊維不織布層が、難燃剤を0.1〜10.0質量%含有する、請求項1に記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
  3. 前記捲縮長繊維不織布層中の前記ポリオレフィン系捲縮長繊維の含有率が、70〜100質量%である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
  4. 前記ポリオレフィン系捲縮長繊維がポリプロピレン系捲縮長繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
  5. 破断伸度が70%以上であり、かつ目付換算の5%中間応力値が0.6N/5cm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
  6. 前記捲縮長繊維不織布層を2層以上有し、前記捲縮長繊維不織布層の層間が部分熱圧着率2〜15%で熱圧着されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリオレフィン系捲縮長繊維不織布と、前記ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布の少なくとも一方の表面に積層されたメルトブロウン不織布とを有し、
    前記メルトブロウン不織布が、繊維径0.1〜5.0μmの繊維で構成され、かつ目付2〜50g/m2を有する、不織布積層体。
  8. 前記メルトブロウン不織布に接して積層された長繊維不織布を更に有し、
    前記長繊維不織布が、繊維径10〜50μmの繊維で構成され、かつ目付10〜100g/m2を有し、
    前記ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布と前記メルトブロウン不織布との間、及び前記メルトブロウン不織布と前記長繊維不織布との間が、いずれも部分熱圧着率2〜15%となるように熱圧着されている、請求項7に記載の不織布積層体。
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