JP2011051686A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクティブレジストレーション方式による斜行補正を行うものでありながら、取り巻く状況が変化してもその状況に適したレジストレーション精度を実現し得るように構成した画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、シートの先端辺及び側端辺のうちの一方を斜行補正の基準辺として選択する選択部34と、選択部34により選択された基準辺の傾きを検知するエリアセンサ24と、を備えている。さらに、画像形成装置は、エリアセンサ24により検知された基準辺の傾きに基づいて演算された斜行補正ローラ5a、5b間の回転数差に応じて斜行補正ローラ5a、5bを駆動制御する速度差演算部35を備えている。これにより、アクティブレジストレーション方式による斜行補正を行いながらも、取り巻く状況の変化に対応したレジストレーション精度を的確に実現することができる。
【選択図】図3
【解決手段】画像形成装置は、シートの先端辺及び側端辺のうちの一方を斜行補正の基準辺として選択する選択部34と、選択部34により選択された基準辺の傾きを検知するエリアセンサ24と、を備えている。さらに、画像形成装置は、エリアセンサ24により検知された基準辺の傾きに基づいて演算された斜行補正ローラ5a、5b間の回転数差に応じて斜行補正ローラ5a、5bを駆動制御する速度差演算部35を備えている。これにより、アクティブレジストレーション方式による斜行補正を行いながらも、取り巻く状況の変化に対応したレジストレーション精度を的確に実現することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、複写機、プリンタ、印刷機等の画像形成装置に関し、特に、シートの斜行量に応じて一対の斜行補正ローラにシート搬送速度差を与えて斜行補正を行う、いわゆるアクティブレジストレーション方式を採用した画像形成装置に関する。
一般に、画像形成装置では、シートを搬送する場合、搬送中に発生するシートの斜行や位置ズレは、搬送ジャムやシート処理装置との受け渡し不良、またシート表面に印字等を行う際には印字精度の低下等の問題を招く。そのため、従来の画像形成装置は、斜行補正装置を備えている。一般的には、シート表面に画像が転写される直前に斜行補正装置を設けることで、シートと画像との位置合わせをより精度良く行っている。
斜行補正装置には幾つかの方式があり、例えば、斜行補正に際して搬送されるシートを停止させることなく、また基準部材などに突き当てるのではなく、高生産性と薄紙への対応力に優れた方式のものがある(特許文献1参照)。このような方式は、一般的にアクティブレジストレーション方式と呼ばれ、シート搬送方向と直交する幅方向の同一線上に配置され、シートをそれぞれ独立した搬送速度で搬送駆動して斜行補正を行う斜行補正ローラ対を備えている。また、搬送ガイド上でシート搬送方向と直交する方向の同一線上に2つのセンサが配置されている。そして、斜行補正ローラ対は、センサによって検知されるシート先端の通過タイミング差に基づいて検出された斜行を解消するため、搬送速度がそれぞれ調整される。この説明では、シートの先端辺を画像形成部での主走査方向と平行にしようとするものなので、斜行補正時の基準辺はシートの先端辺となる。原理的には、シート搬送方向と直交する方向と平行な2本のラインセンサをシート搬送方向に所定間隔だけ離して配置すれば、検知されるシートの側端辺位置の差からも同様に斜行を検知することができ、その場合には斜行補正時の基準辺はシートの側端辺となる。
以上のように、アクティブレジストレーション方式は、原理的には先端辺と側端辺のいずれもが基準辺とすることができるが、実際には、先端辺を斜行補正の基準辺とするものがほとんどである。その主な理由は、斜行を検知するためのセンサの配置に起因する。つまり、どの辺を基準辺とする場合であっても2つの検知部を並べる必要があり、しかも多岐にわたるシートサイズに対応するためには、並べる間隔を最小サイズに合わせる必要が生じる。一般にA3サイズやそれ以上のようなラージサイズになると、基本的にシートの長手方向がシート搬送方向と平行となるように搬送される(いわゆるR送り形態)。即ち、側端辺から斜行を検知する構成では、センサ間隔に比して側端辺が長くなる傾向があるため、検知される斜行の精度(S/N比)が先端辺から斜行を検知する構成に比べて不利になる。アクティブレジストレーション方式において、先端辺を斜行補正の基準辺として使用する構成が多いのはそのためである。
しかし、先端辺だけを基準辺に定めて斜行補正を行っていると、画像形成装置を取り巻く状況によってはかえって印刷成果物の品質を低下させてしまう場合がある。ここで、画像形成装置を取り巻く状況として、具体的には、使用するシートの裁断精度(直角度)が良好でないことがある状況や、画像形成装置に接続されるシート処理装置に様々な種類がある状況などを挙げることができる。シートの裁断が直角になされていれば特に大きな問題は生じないが、実際には裁断機の精度やシート内の繊維配向バラツキ、温湿度変化などの影響によって直角度の精度が良くないシートも多く存在する。例えば、図9に示すように、搬送方向Fに搬送されるシートSにおいて、先端辺30が側端辺31に対してα°(>90°)の角度を成す(傾き)ような精度で裁断されていたとする。この場合、先端辺を斜行補正の基準辺として用いると、画像が転写された際のサイド余白が矢印Iの結果に示すように不均一なものとなる。特に、図9に示すようにR送り形態が選択されている場合には、長辺側に余白の傾きが現れるため、同じ傾きであっても両端部での余白量差としては、矢印IIの結果においての短辺側の場合よりも大きくなってしまう。このように辺の両端部における余白量差が大きいと視覚的に目立つため、印刷成果物の品質問題につながる。
また、近年の画像形成装置は、要求される印刷成果物の仕上げ形態に応じた処理工程をオンラインで施すことが利点として注目されており、様々な種類のシート処理装置が接続される。しかし、処理工程においても斜行補正と同様に、その工程を行うための基準辺が定められているが、処理工程の方式や製造メーカの違いなどによって、必ずしもそれが斜行補正の基準辺と一致しているとは限らない。そのため、せっかく画像形成装置側で精度良く斜行補正を行っても、処理工程が異なる基準辺で行われたために、最終的な印刷成果物としての精度が不十分となってしまう場合がある。
そこで本発明は、アクティブレジストレーション方式による斜行補正を行うものでありながら、取り巻く状況が変化してもその状況に適したレジストレーション精度を実現し得るように構成した画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、シート搬送方向と直交する幅方向に配列されてそれぞれ独立に回転駆動される一対の斜行補正ローラを備え、前記一対の斜行補正ローラのそれぞれ独立した回転によりシートを搬送しつつ前記斜行補正ローラ間のシート搬送速度差により旋回させて斜行補正する斜行補正部を備えた画像形成装置において、シートの先端辺及び側端辺のうちの一方を斜行補正の基準辺として選択する選択部と、前記選択部により選択された基準辺の傾きを検知する検知部と、前記検知部により検知された前記基準辺の傾きに基づいて演算された前記斜行補正ローラ間のシート搬送速度差に応じて前記一対の斜行補正ローラを駆動制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
本発明によると、レジストレーション精度が良好となる最適な斜行補正時の基準辺を所定の条件に応じて選択することでき、選択した基準辺の傾きに応じて一対の斜行補正ローラを駆動制御することができる。このため、アクティブレジストレーション方式による斜行補正を行うものでありながら、取り巻く状況の変化に対応したレジストレーション精度を適切に実現することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る実施の形態の画像形成装置60を図面に沿って説明する。図5に示すように、画像形成装置60は、画像形成装置本体(以下、装置本体という)60Aを有している。画像形成装置には、電子写真方式、オフセット印刷方式、インクジェット方式など複数の方式のものが挙げられるが、図5に示す画像形成装置60は、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置である。画像形成装置60は、4色の画像形成部を中間転写ベルト606上に並べて配置した、所謂中間転写タンデム方式を採用したものであり、この方式は、厚いシート(厚紙)への対応力や生産性に優れる点から近年主流になっている。
以下、本発明に係る実施の形態の画像形成装置60を図面に沿って説明する。図5に示すように、画像形成装置60は、画像形成装置本体(以下、装置本体という)60Aを有している。画像形成装置には、電子写真方式、オフセット印刷方式、インクジェット方式など複数の方式のものが挙げられるが、図5に示す画像形成装置60は、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置である。画像形成装置60は、4色の画像形成部を中間転写ベルト606上に並べて配置した、所謂中間転写タンデム方式を採用したものであり、この方式は、厚いシート(厚紙)への対応力や生産性に優れる点から近年主流になっている。
画像形成装置60は、シート搬送方向と直交する幅方向に配列されてそれぞれ独立に回転駆動される一対の斜行補正ローラ5a、5bを備えている(図1参照)。さらに画像形成装置60は、斜行補正ローラ5a、5bのそれぞれ独立した回転によりシートSを搬送しつつこれら斜行補正ローラ間の回転数差(シート搬送速度差)により旋回させて斜行補正する斜行補正装置(斜行補正部)65を備えている(図5参照)。
装置本体60Aには、画像形成部613と、シートSを搬送するシート給送部76と、画像形成部613で形成されたトナー画像をシート給送部76により給送されたシートSに転写する転写部78とが設けられている。装置本体60Aには、シートを搬送するシート搬送装置77が設けられている。画像形成部613は、それぞれ感光体ドラム608、露光装置611、現像装置610、一次転写装置607、及び感光体クリーナ609等を備えたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の画像形成ユニットにより構成される。なお、各画像形成ユニットで形成する色は、これら4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
シート給送部76は、シートSをリフタ62の上に積載される形で収納するシート収納部61と、シート収納部61に収納されたシートSを送り出す給紙部63とを備えている。なお、この給紙部63としては給紙ローラ等による摩擦分離を利用する方式や、エアによる分離吸着を利用する方式等が挙げられるが、本実施の形態では、エアによる給紙方式を例に挙げている。
転写部78は、駆動ローラ604、テンションローラ605及び二次転写内ローラ603等のローラ類によって張架されて、図中矢印nの方向へと回転駆動される中間転写ベルト606を備えている。中間転写ベルト606は、一次転写装置607により与えられる所定の加圧力及び静電的負荷バイアスにより、感光体ドラム608上に形成されたトナー像が転写されるものである。中間転写ベルト606は、略対向する二次転写内ローラ603及び二次転写外ローラ66により形成される二次転写部において所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることでシートSへ未定着画像を吸着させるものである。シート搬送装置77は、搬送ユニット64、斜行補正装置65、レジストローラ対7、定着前搬送部67、分岐搬送装置69、反転搬送装置601、両面搬送装置602等から構成されている。
<シートの搬送プロセス>
以上の構成を備えた画像形成装置60において、シートSは、シート収納部61内のリフタ62上に積載される形で収納されており、給紙部63により画像形成タイミングに合わせて給紙される。ここで、給紙部63は、給紙ローラ等による摩擦分離を利用する方式と、エアによる分離吸着を利用する方式が挙げられるが、図5ではこのうち後者を用いている。
以上の構成を備えた画像形成装置60において、シートSは、シート収納部61内のリフタ62上に積載される形で収納されており、給紙部63により画像形成タイミングに合わせて給紙される。ここで、給紙部63は、給紙ローラ等による摩擦分離を利用する方式と、エアによる分離吸着を利用する方式が挙げられるが、図5ではこのうち後者を用いている。
給紙部63により送り出されたシートSは、搬送ユニット64が有する搬送パス64aを通過し、斜行補正装置である斜行補正装置65へと搬送される。この斜行補正装置65において斜行補正やタイミング補正を行った後、シートSは二次転写部へと送られる。二次転写部は、対向する二次転写内ローラ603及び二次転写外ローラ66により形成される、シートSへのトナー像転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることでシートS上にトナー像を吸着させる。
<画像の作像プロセス>
次に、以上説明した二次転写部までのシートSの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部まで送られてくる画像の形成プロセスについて説明する。即ち、予め帯電手段により表面を一様に帯電され、図中矢印mの方向に回転する感光体ドラム608に対し、送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置611が駆動され、回折部612等を経由して潜像が形成される。感光体ドラム608上に形成された静電潜像は、現像装置610によるトナー現像を経て、感光体ドラム608上にトナー像として顕在化される。その後、一次転写装置607により所定の加圧力及び静電的負荷バイアスが与えられ、中間転写ベルト606上にトナー像が転写される。その後、感光体ドラム608上に僅かに残った転写残トナーは感光体クリーナ609により回収され、再び次の画像形成に備える。なお、画像形成部613では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)に対応する4セット分だけ存在するが、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順も図5の記載に限定されるものではない。
次に、以上説明した二次転写部までのシートSの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部まで送られてくる画像の形成プロセスについて説明する。即ち、予め帯電手段により表面を一様に帯電され、図中矢印mの方向に回転する感光体ドラム608に対し、送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置611が駆動され、回折部612等を経由して潜像が形成される。感光体ドラム608上に形成された静電潜像は、現像装置610によるトナー現像を経て、感光体ドラム608上にトナー像として顕在化される。その後、一次転写装置607により所定の加圧力及び静電的負荷バイアスが与えられ、中間転写ベルト606上にトナー像が転写される。その後、感光体ドラム608上に僅かに残った転写残トナーは感光体クリーナ609により回収され、再び次の画像形成に備える。なお、画像形成部613では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)に対応する4セット分だけ存在するが、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順も図5の記載に限定されるものではない。
上述したY、M、C及びBkに対応する画像形成装置613によりそれぞれ並列処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト606上に一次転写された上流色のトナー像上に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト606上に形成され、二次転写部へと搬送される。
<二次転写以降のプロセス>
以上、それぞれ説明したシートSの搬送プロセス及び画像形成プロセスを以って、二次転写部においてシートS上にフルカラーのトナー像が二次転写される。その後、このシートSは、定着前搬送部67により定着装置68へと搬送される。定着装置68は、対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果とを加えて、シートS上にトナー像を溶融固着させる。このようにして得られた定着画像を有するシートSは、分岐搬送装置69により、そのまま排紙トレイ600上に排出されるか、もしくは両面画像形成を要する場合には反転搬送装置601へと搬送されるかの経路選択が行われる。
以上、それぞれ説明したシートSの搬送プロセス及び画像形成プロセスを以って、二次転写部においてシートS上にフルカラーのトナー像が二次転写される。その後、このシートSは、定着前搬送部67により定着装置68へと搬送される。定着装置68は、対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果とを加えて、シートS上にトナー像を溶融固着させる。このようにして得られた定着画像を有するシートSは、分岐搬送装置69により、そのまま排紙トレイ600上に排出されるか、もしくは両面画像形成を要する場合には反転搬送装置601へと搬送されるかの経路選択が行われる。
両面画像形成を要する場合、反転搬送装置601に送られたシートSは、スイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送装置602へと搬送される。その後、給紙装置61より搬送されてくる後続ジョブのシートとのタイミングを合わせて、搬送ユニット64が有する再給紙パス64bから合流し、同様に二次転写部へと送られる。裏面(2面目)の画像形成プロセスに関しては、上述した表面(1面目)の場合と同様であるため説明は省略する。
<アクティブレジストレーション方式の説明>
次に、斜行補正装置65の詳細な構成について、図1及び図2に沿って説明する。本発明は、斜行補正時の基準辺として先端辺及び側端辺を選択的に使い分ける形式に係るものであるため、本実施の形態の斜行補正装置65にはアクティブレジストレーション方式が採用されている。アクティブレジストレーション方式は、基準辺を突き当て基準部材等に接触させる必要がないため、薄いシート(薄紙)の斜行補正能力にも優れる方式である。
次に、斜行補正装置65の詳細な構成について、図1及び図2に沿って説明する。本発明は、斜行補正時の基準辺として先端辺及び側端辺を選択的に使い分ける形式に係るものであるため、本実施の形態の斜行補正装置65にはアクティブレジストレーション方式が採用されている。アクティブレジストレーション方式は、基準辺を突き当て基準部材等に接触させる必要がないため、薄いシート(薄紙)の斜行補正能力にも優れる方式である。
図1は、斜行補正装置65を含む搬送部を示す平面図である。斜行補正装置65では、図中矢印Fで示す方向がシートの搬送方向であり、上流からレジスト前搬送部25、斜行補正部26、スライド部27に分けられる。レジスト前搬送部25は主に、搬送ガイド1、レジスト前搬送センサ14、及びレジスト前搬送ローラ3から構成されている。例えばこのレジスト前搬送センサ14によりシートSの先端が検知された後、一旦シートSをこのレジスト前搬送部25で停止させると、それまでの搬送中に累積した搬送タイミングの誤差を斜行補正前の状態にリセットすることができる。斜行補正部26は主に、搬送ガイド6、斜行補正モータ4a、4b、斜行補正モータ4a、4bにより独立に回転駆動される一対の斜行補正ローラ5a、5b、検知領域A1を有するエリアセンサ24(図2参照)、結像レンズ21(図2参照)等から構成される。斜行補正部26は、一対の斜行補正ローラ5a、5bのそれぞれ独立した回転によりシートSを搬送しつつ斜行補正ローラ5a、5b間の回転数差(シート搬送速度差)により旋回させて斜行補正するように構成される。
図1における搬送部の断面図を図2に示す。図2に示すように、エリアセンサ24は、斜行補正部26を搬送されるシートSを上方から撮像するように設けられている。斜行補正部26の上流側の斜め上方には光源23が配設されており、エリアセンサ24は、光源23から照射されて照射した反射光を、結像レンズ21を介して素子上に結像させる。なお、斜行補正部26では、上方からの撮像を可能とするために、上側の搬送ガイドを除去するか、或いはシートSのバタツキを抑えつつ撮像を可能にする透明ガイド20を配置することが好ましい。
スライド部27は主に、搬送ガイド8、レジストローラ対7、レジスト駆動モータ13、レジスト前センサ9、及びレジスト後センサ10などから構成されている。レジストローラ対7は、シート搬送方向Fと直交する幅方向にスライド移動可能となるように支持され、レジストローラ駆動ギヤ11に噛み合うピニオンギヤ12を介してレジスト駆動モータ13からの回転を受けて駆動される。ピニオンギヤ12は、レジストローラ駆動ギヤ11のスライド移動に対応するために、歯幅(軸方向長さ)を広く(長く)形成されている。
<直角度の検知と基準辺の選択>
エリアセンサ24には、CCDセンサやCMOSセンサなどを用いることができる。CMOSセンサを用いる場合、検知エリアA1に進入したシートSの隣り合う2辺(先端辺、側端辺)を同時に検知できることから、2辺のなす角度α°(即ち、直角度)を正確にかつ容易に割り出すことが可能となる。さらに、角度α°の検知は、たとえシートSが斜行した状態で搬送されていても問題なく検知できるというメリットがある。
エリアセンサ24には、CCDセンサやCMOSセンサなどを用いることができる。CMOSセンサを用いる場合、検知エリアA1に進入したシートSの隣り合う2辺(先端辺、側端辺)を同時に検知できることから、2辺のなす角度α°(即ち、直角度)を正確にかつ容易に割り出すことが可能となる。さらに、角度α°の検知は、たとえシートSが斜行した状態で搬送されていても問題なく検知できるというメリットがある。
ここで、図9を参照して、先端辺が側端辺に対して角度α°で裁断されたようなシートの事例について説明する。このようなシートSの斜行補正を、先端辺30を基準辺として行った場合を矢印I、側端辺31を基準辺として行った場合を矢印IIにそれぞれ示す。矢印Iにおいては、画像32が転写されたときの先端余白は、位置Baと位置Bbが比較的高い精度で等しくなるように制御できるが、側端(サイド)に関しては、余白量差Bd−Bcが大きく発生してしまう。
一方、矢印IIにおいては、サイド余白は位置Bcと位置Bdが比較的高い精度で等しくなるように制御できるが、先端に関しては余白量差Ba−Bbが大きく発生してしまう。即ち、斜行補正精度を高めれば高めるほど基準辺の精度は高くなるが、一方でシートSの裁断精度に起因する誤差は全て非基準辺側に集中することが分かる。このような場合、矢印I及びIIを比較すると容易に理解できるが、相対的に長い辺の方が両端部での余白量差が大きく現れてしまう。つまり、シートSの直角度が良好でない場合においては、相対的に長さが長い方の辺を斜行補正時の基準辺とする方が有利であり、図9に示した例の場合では、矢印IIのように側端辺31を基準辺とするのが望ましい。
以上のように、シートSの直角度(角度α°)を検知することができれば、余白量差が小さくなるような斜行補正を行うことができる。このような観点から、常に長い方の辺を基準辺として選択するような制御動作も可能であるが、基準辺については両面時の反転方式とも深い関わりがあるため、本実施の形態では、直角度が或る規定値よりも良くないと判断された場合に限り、このような選択を行う。
具体的には、図5に示したように、画像形成装置60はスイッチバック方式の反転搬送装置601を有するため、表裏の画像転写時でシートの先後端が入れ替わってしまう。即ち、直角度が特に問題にならないレベルであるならば、基本的には側端辺を斜行補正時の基準辺とする方式が望ましく、シート搬送方向と直交する方向でのレジストレーション精度が高くなる。ここで、直角度が特に問題にならないレベルとは、例えばA3サイズ(297mm×420mm)の場合で余白差1.5[mm]を閾値とすると、およそ±0.2°以内(89.8°≦α≦90.2°)の裁断精度になる。
<エリアセンサを用いた斜行補正動作>
ここで、図4を参照して、エリアセンサ24による斜行補正の特徴について説明する。図4(a)、(b)、(c)、(d)は、いずれもエリアセンサ24の撮像面を示しており、図中矢印F方向がシートの搬送方向に相当する。即ち、図4(a)は、先端辺が斜行補正の基準辺として選択された場合の検知論理を示し、搬送中心CTに対して対称で間隔D1を有する2本のシート搬送方向に配置される素子列50a、50bが斜行検知用素子として選択される。ここで、間隔D1は、CPU(演算制御部)15(図3参照)において、選択されたシートのサイズに応じて適宜最適な値が選択される。さらに、CPU15において、素子列50a、50bにより検知されたシートの先端位置の差に基づいて斜行量が検知される。この斜行量を相殺するために必要な斜行補正ローラ5a、5bの搬送量差から、最終的に斜行補正モータ4a、4bの回転数差が演算され、斜行補正ローラ5a、5bが各々独立に制御される。例えば、素子列50aの方が先行していると検知された場合、これと同一側に配置されている斜行補正ローラ5aの搬送量を低下させるように斜行補正モータ4aの回転数を制御することで、先行している側を遅延している側に合わせるような制御を行う。勿論、遅延する側を先行する側に追いつかせるような制御や、先行及び遅延の両方を中間的な位置に歩み寄らせるような制御を行うことも可能である。
ここで、図4を参照して、エリアセンサ24による斜行補正の特徴について説明する。図4(a)、(b)、(c)、(d)は、いずれもエリアセンサ24の撮像面を示しており、図中矢印F方向がシートの搬送方向に相当する。即ち、図4(a)は、先端辺が斜行補正の基準辺として選択された場合の検知論理を示し、搬送中心CTに対して対称で間隔D1を有する2本のシート搬送方向に配置される素子列50a、50bが斜行検知用素子として選択される。ここで、間隔D1は、CPU(演算制御部)15(図3参照)において、選択されたシートのサイズに応じて適宜最適な値が選択される。さらに、CPU15において、素子列50a、50bにより検知されたシートの先端位置の差に基づいて斜行量が検知される。この斜行量を相殺するために必要な斜行補正ローラ5a、5bの搬送量差から、最終的に斜行補正モータ4a、4bの回転数差が演算され、斜行補正ローラ5a、5bが各々独立に制御される。例えば、素子列50aの方が先行していると検知された場合、これと同一側に配置されている斜行補正ローラ5aの搬送量を低下させるように斜行補正モータ4aの回転数を制御することで、先行している側を遅延している側に合わせるような制御を行う。勿論、遅延する側を先行する側に追いつかせるような制御や、先行及び遅延の両方を中間的な位置に歩み寄らせるような制御を行うことも可能である。
以上の要領で斜行補正が完了すると、次はシートSのシート搬送方向と直交する方向の位置を中間転写ベルト606(図5参照)上の画像位置に合わせる必要がある。このとき、エリアセンサ24は、図4(b)に示すように、シート搬送方向と直交する方向の素子列51をシート搬送方向と直交する方向位置の検知用素子としてシートSの側端辺の位置を検知するように、CPU15によって制御される。エリアセンサ24には、搬送中心CTに対する称呼のシート端部位置PEの情報が予め与えられており、側端辺の検知位置がこの称呼のシート端部位置PEから何画素分ずれているかが判断される。こうして検知された画素数の情報は、シートSを称呼位置に移動させるために必要なスライド量に変換される。そして、最終的には、図1に示したレジストローラ対7をシート搬送方向と直交する方向にスライド移動させるスライドモータ17(図3参照)に与えるパルス数などが演算される。その結果、斜行が補正されたシートSは、さらにシート搬送方向と直交する方向の位置も補正され、中間転写ベルト606上の画像位置に対するレジストレーションが合わされる。なお、素子列51の位置はレジストローラ対7になるべく近い位置とする方が、様々なサイズに対応できるため望ましい。
次に、シートSの側端辺が斜行補正の基準辺として選択された場合について説明する。即ち、図4(c)に示すように、シート搬送方向に間隔D2を有する2本のシート搬送方向と直交する方向の素子列52a、52bが斜行検知用素子として選択される。そして、素子列52a、52bによって検知されたシートSのサイド位置の差に基づき、CPU15で斜行量が検知される。さらに、この斜行量を相殺するために必要な斜行補正ローラ5a、5bの搬送量差から、最終的に、斜行補正モータ4a、4bの回転数差がCPU15で演算され、各々独立に制御される。なお、間隔D2は、選択されたシートサイズに応じて適宜最適な値が選択され、またシートSの移動に伴って図4(c)の状態から図4(d)の状態のように、間隔D2を維持したまま2本の素子列も順次下流に移動させる。
図4(c)に示す素子列52a、52bの位置に、例えば一次元素子配列の構成を有するラインセンサを2本配置したような構成と比較すると、ラインセンサの場合には斜行は2本同時に横切って始めて検知可能となる。このため、シートの搬送長さLのうち、(L−D2)が搬送される間しか斜行検知を行えない。これに対し、本実施の形態のように、二次元素子配列の構成を有するエリアセンサ24を用いる場合は、上述のように2本の素子列を容易に変更することが可能であるため、斜行検知を行う時間を長く確保することができる。即ち、斜行補正モータ4a、4bによる回転数制御を行うための余裕が多く確保されるという利点がある。なお、順次下流に移動させていった時の最後の位置が、図4(d)に示す素子列53a、53bであった場合、素子列53aをそのまま図4(b)で説明したようなシート搬送方向と直交する方向位置の検知用素子51として兼用させることも可能である。
<本発明における制御動作>
以上に説明してきたアルゴリズムに基づく制御動作に必要なシステム構成を図3のブロック図に、CPUが実際に行う制御の流れを図8のフローチャートにそれぞれまとめた。図3に示すように、画像形成装置60のCPU(演算制御部)15には、エリアセンサ24からの信号が入力され、操作部18からの信号が入力され、シート処理装置70からの信号が通信ケーブル19を介して入力される。CPU15は、角度演算部33、選択部34、速度差演算部35、駆動制御部(制御部)36、及び認識部37を有している。なお、図3では、操作部18、シート処理装置70、通信ケーブル19及び認識部37を仮想線(一点鎖線)で記載したが、これは、これら操作部18、シート処理装置70、通信ケーブル19及び認識部37は、後述の第2の実施の形態で詳述されるからである。
以上に説明してきたアルゴリズムに基づく制御動作に必要なシステム構成を図3のブロック図に、CPUが実際に行う制御の流れを図8のフローチャートにそれぞれまとめた。図3に示すように、画像形成装置60のCPU(演算制御部)15には、エリアセンサ24からの信号が入力され、操作部18からの信号が入力され、シート処理装置70からの信号が通信ケーブル19を介して入力される。CPU15は、角度演算部33、選択部34、速度差演算部35、駆動制御部(制御部)36、及び認識部37を有している。なお、図3では、操作部18、シート処理装置70、通信ケーブル19及び認識部37を仮想線(一点鎖線)で記載したが、これは、これら操作部18、シート処理装置70、通信ケーブル19及び認識部37は、後述の第2の実施の形態で詳述されるからである。
エリアセンサ24は、選択部34により選択された基準辺の傾きを検知する検知部を構成しており、シートSの先端辺30及び側端辺31の傾きを同時に検知することができる。本実施の形態では、検知部として、シート搬送方向に延びる辺とシート搬送方向と直交する方向に延びる辺とで囲まれるエリア内に配列された多数(複数)の画素を有するエリアセンサ24を備えている。このため、シートサイズ毎に最適な検出ラインを容易に変更することができ、使用されるシートのサイズが多岐にわたる場合においても安定した精度で斜行補正を行うことができる。また、同時或いは連続的にシート搬送方向とシート搬送方向と直交する方向でのシートの隣り合う2辺の姿勢と位置とを確実に検出することができる。
角度演算部33は、搬送されるシートの傾きがエリアセンサ24により検知されたとき、シートSの隣り合う先端辺30と側端辺31とが成す角度α°(図9参照)を演算する。また、選択部34は、シートSの先端辺30及び側端辺31のうちの一方を斜行補正の基準辺として選択する。本実施の形態において、選択部34は、角度演算部33により演算された角度α°が予め設定された規定値以内であると判定した際には先端辺30を基準辺として選択し、規定値を超えると判定した際には側端辺31を基準辺として選択する。これにより、エリアセンサ24は、選択部34により選択された基準辺が先端辺30である際には先端辺30の傾きを検知し、選択部34により選択された基準辺が側端辺31である際には側端辺31の傾きを検知する。
速度差演算部35は、選択部34により選択された基準辺の傾きをエリアセンサ24により検知して、基準辺の傾きを相殺するのに必要な斜行補正ローラ5a、5b間の回転数差(シート搬送速度差)を演算する。即ち、速度差演算部35は、シートの斜行量を相殺するのに必要な斜行補正ローラ5a、5bの搬送量差を演算し、最終的に、斜行補正モータ4a、4bの回転数差を演算する。
駆動制御部(制御部)36は、エリアセンサ24により検知された基準辺の傾きに基づいて速度差演算部35で演算された斜行補正ローラ5a、5b間の上記回転数差(シート搬送速度差)に応じて斜行補正ローラ5a、5bを駆動制御する。つまり、駆動制御部36は、速度差演算部35により演算された回転数差に基づいて、一対の斜行補正モータ4a、4bにそれぞれ信号を出力して、一対の斜行補正ローラ5a、5bをそれぞれ駆動制御してシートの斜行補正を行う。さらに、駆動制御部36は、斜行補正されるシートのシート搬送方向と直交する方向での位置が称呼位置からずれている場合は、称呼位置へ戻すために必要なレジストローラ対7のスライド量を演算する。そして、駆動制御部36は、この演算値に基づく駆動パルス信号をスライドモータ17に出力し、レジストローラ対7がシートを挟持搬送したまま称呼位置に戻すように制御する。
本実施の形態は、図3に示したブロック図のうち、検知部であるエリアセンサ24とCPU15との間での信号の授受のみによってレジストレーション制御を行う事例に相当する。操作部18や通信ケーブル19を介した信号の授受を含む事例は、後述する第2の実施の形態において説明する。
次に、本実施の形態の作用を図8のフローチャートに沿って説明する。即ち、本実施の形態では、実際にシートの直角度を演算することにより斜行補正の基準辺の選択を行う事例であるため、外部からの基準辺の選択情報の入力はない(ステップS901)。従って、ステップS901:Noに進み、ステップS902で、エリアセンサ24によりシートの先端辺(短辺)及び側端辺(長辺)の傾きを検知すると、角度演算部33が、先端辺(短辺)及び側端辺(長辺)が成す角度α°の直角度を演算する(S903)。すると、選択部34が、この演算した直角度に基づき、短辺及び長辺のいずれを斜行補正の基準辺とするかを選択するために、角度α°は規定値以内か否かを判断する(S904)。
その結果、角度α°が規定値以内(例えば前述した89.8°≦α≦90.2°)である場合は、エリアセンサ24が有する二次元方向に配列された素子列のうち、短辺(先端辺)の傾きを検知する方向の素子列50a、50bを選択することで斜行検知を行う。即ち、角度α°が規定値以内である場合は(S904:Yes)、エリアセンサ24における短辺の傾きを検知する素子列50a、50bを選択し(S905)、短辺の傾きを検知する(S906)。この際、S906で斜行が検知されると、速度差演算部35が、その斜行量を相殺するための斜行補正ローラ5a、5bの回転数差を演算し、駆動制御部36が、この演算に基づいて斜行補正モータ4a、4bをそれぞれ独立に回転数制御する。即ち、S907で、短辺の傾きがあるか否かを判断し、傾きがある場合は(S907:Yes)、速度差演算部35が短辺の傾きを相殺するのに必要な回転数差を演算し(S908)、駆動制御部36が斜行補正モータ4a、4bの回転数制御を行う(S909)。この制御動作は所定のサンプリング間隔で実行され、斜行が除去されたと判断されるまで繰り返し行われる(S907〜S909)。そして、斜行が除去されたと判断されるとエリアセンサ24の素子列をシートのシート搬送方向と直交する方向位置が検知できる方向に切り換える(S910)。
こうして検知されたシート搬送方向と直交する位置が称呼位置からずれている場合、駆動制御部36は、称呼位置へ戻すために必要なレジストローラ対7のスライド量を演算する(S911〜S913)。つまり、スライドモータ17(図3参照)に与える駆動パルス数を演算する。そして、駆動制御部36は、この駆動パルス信号に基づいてスライドモータ17を駆動することにより、レジストローラ対7でシートを挟持搬送したまま称呼位置へと戻す(S914)。即ち、S910においてエリアセンサ24の素子列をシートのシート搬送方向と直交する方向位置が検知できる方向に切り換えた後、シート搬送方向と直交する方向位置を検知し(S911)、シート搬送方向と直交する方向での位置ズレがあるか否かを判断する。その結果、位置ズレがある場合には(S912:Yes)、位置ズレを相殺するパルス数を演算し(S913)、これに基づいてスライドモータ17を駆動する(S914)。一方、制御ステップS912において、シート搬送方向と直交する位置にズレがないと判断した場合には(S912:No)、スライドモータ17を駆動せずに、処理を終了する(S916、S917)。
以上、制御ステップS904において角度α°が規定値以内であった場合について説明したが、角度α°が規定値以内でなかった場合にも、一部異なるだけで、ほぼ同様に制御が進められる。即ち、エリアセンサ24の素子列のうち長辺の傾きを検知する方向の素子列52a、52bを選択する(S918)点が異なるだけで、それ以降の制御フロー(S919〜S922、S920〜S928、S925、S929、S930)は基本的に同じである。
以上のように、検知部としてエリアセンサ24を備えた本実施の形態では、直角度検知、斜行検知、シート搬送方向と直交する位置検知の3つの役割を果たし、画像形成装置60を取り巻く状況に応じた最適な斜行補正動作の制御が可能となっている。
以上の本実施の形態によると、レジストレーション精度が良好となる最適な斜行補正時の基準辺を所定の条件に応じて選択し、選択した基準辺の傾きを相殺するように一対の斜行補正ローラ5a、5bを駆動制御することができる。このため、アクティブレジストレーション方式による斜行補正を行うものでありながら、取り巻く状況が変化してもその状況に適したレジストレーション精度を的確に実現することができる。また、本実施の形態では、選択部34が、角度演算部33により演算された角度α°が予め設定された規定値以内であると判定した際には先端辺を基準辺として選択し、規定値を超えると判定した際には側端辺を基準辺として選択する。このため、シートの先端辺又は側端辺のいずれを斜行補正の基準辺とするかを自動的に選択できるので、後述の操作部18からの設定入力を行わない場合や、後述のシート処理装置70が接続されない場合などに便利に用いることができる。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明に係る第2の実施の形態における画像形成装置60のシステム構成を示している。この画像形成装置60の下流側には、シートを処理するシート処理装置70、及びトリミング装置71が接続されており、これにより、最終的に中綴じ形態の製本を行うシステムが実現されている。このように画像形成装置60にシート処理装置70が接続されている場合には、選択部34は、認識部37からの情報に基づいて斜行補正を実行する。なお、図6は、あくまでもシステム構成の一例であり、その他にも様々なシート処理装置が接続されるパターンが想定される。また、図6は、システム全体でのシートの流れを説明するためのものであり、搬送ローラなどの詳細は図示を省略している。
図6は、本発明に係る第2の実施の形態における画像形成装置60のシステム構成を示している。この画像形成装置60の下流側には、シートを処理するシート処理装置70、及びトリミング装置71が接続されており、これにより、最終的に中綴じ形態の製本を行うシステムが実現されている。このように画像形成装置60にシート処理装置70が接続されている場合には、選択部34は、認識部37からの情報に基づいて斜行補正を実行する。なお、図6は、あくまでもシステム構成の一例であり、その他にも様々なシート処理装置が接続されるパターンが想定される。また、図6は、システム全体でのシートの流れを説明するためのものであり、搬送ローラなどの詳細は図示を省略している。
ここで、画像形成装置60の内部断面構成については基本的に図5と同様であり、作像プロセス及びシートの搬送プロセスについての説明は省略する。また、本実施の形態では、斜行補正装置65についても、図1及び図2に示したアクティブレジストレーション方式と同様であるため、その構成に関する説明も省略する。
画像形成装置60から排紙されたシートは、図6に示すシート処理装置70の搬送パス74を通って排紙トレイ72に排出されるか、搬送パス75を通って下流のトリミング装置71に送られるかを選択されるが、ここでは後者が選択された場合を説明する。即ち、シート処理装置70は、内部にステイプル機構及びサドル機構を備えており、予め指定された部数ごとにシートSを溜めて、搬送方向の中央部をステイプル針82(図7(a)参照)で綴じた後、搬送方向の中央部にて半分に折る動作を行う。このようにして中綴じ製本された印刷物は、下流のトリミング装置71に送られ、不要な部分をカットすることによって仕上げられる。
図7は、上述した一連の中綴じ製本動作のうち、ステイプル及びサドルの工程部(図6の符号73で示す破線で囲った部分)のみを抜粋して詳細に示した図である。サドルガイド83、84及び搬送ガイド85によって形成された搬送パス75は、シートSを、図7(a)の矢印Vで示す鉛直方向に落下させるようにガイドする。このシートSは、ステイプル及びサドル工程の突き当て基準部材80に先端辺を倣わせて一旦停止される。この動作を、印刷成果物Wの構成枚数分だけ行った後、この印刷成果物Wの中央部をステイプル針82によって綴じる。さらに、搬送ガイド85、85間の隙間から突き出し部材81を、ステイプル針82の位置を目標に、図7(b)に示す矢印P方向に押し出すことで、印刷成果物Wは、サドルガイド83、84にガイドされながら、中綴じ製本形態として下流に搬送される。なお、このとき、搬送ガイド85も一緒に矢印P’方向に退避させれば、印刷成果物Wの押し出し時における抵抗を緩和させることができる。
以上から、図6及び図7に示すシステム構成により得られる中綴じ製本形態の印刷成果物Wは、最終的には先端辺を基準として製作されることが分かる。仮に、画像形成装置60の斜行補正における基準が側端辺であったとすると、一連の流れの中で画像形成装置60とシート処理装置70との間に基準辺の不一致が生じる。つまり、いくら画像形成装置60側で基準の統一を図っても、最終成果物Wとしての総合精度が劣ってしまう虞がある。
本実施の形態では、画像形成装置60に接続されるシート処理装置70が先端辺と側端辺のどちらを基準辺とするものであるか、の処理情報に基づき、斜行補正における基準辺の選択が選択部34において行われるようになっている。即ち、本実施の形態では、シート処理装置70の処理情報を認識する認識部37(図3参照)を備え、選択部34は、認識部37により認識された上記処理情報に基づき、シートの隣り合う先端辺及び側端辺のうちの一方を基準辺として選択するように構成される。操作部18は、画像形成装置60の状態、例えば、複写倍率や濃度設定値などの情報、画像形成枚数や画像形成中か否かの情報、ジャムの発生やその箇所等をユーザーに示すためのデータを出力し、また、斜行補正の基準辺を任意に設定入力可能に構成されている。本実施の形態における選択部34は、操作部18により斜行補正の基準辺に関する情報が設定入力された場合にはこれを優先し、その情報に基づき、シートの隣り合う先端辺及び側端辺のうちの一方を基準辺として選択する。このような本実施の形態では、CPU15は、図3に示したように、通信ケーブル19を介して連結されたシート処理装置70との間で信号の授受を行い、また、操作部18との間で信号の授受を行うことにより、レジストレーション制御を行う。
即ち、選択部34は、操作部18からユーザーが斜行補正の基準辺を任意に設定入力してその情報を取得した場合には、この情報に基づいて、シートの隣り合う先端辺及び側端辺のいずれを基準辺とするかを選択する。また、選択部34は、操作部18からの入力情報が無く、認識部37がシート処理装置70の処理情報を認識した場合には、認識部60により認識された処理情報に基づき、シートの隣り合う先端辺及び側端辺のうちの一方を基準辺として選択する。
ここで、図8に示したフローチャートを再度参照して説明する。本実施の形態は、S901:Yesに分岐する、外部からの基準選択情報の入力がある系統を示すものであり、S931において基準辺が長辺(側端辺)であるか短辺(先端辺)であるかが予め決定される。具体的には、画像形成装置60にシート処理装置70が接続されると、通信ケーブル19を介して処理工程の基準情報(処理情報)がCPU15内の認識部37に読み込まれる。これにより、選択部34により、先端辺と側端辺のうち、処理工程の基準辺と同じ辺を斜行補正時の基準辺とするように選択される。或いは、基準辺の選択を、画像形成装置60に備えた操作部18の画面からユーザーが任意に設定入力すると、この設定が、シート処理装置70の接続が無い際にはそのまま使用され、シート処理装置70が接続されている際には、上記設定が優先して使用される。このようにすることで、ユーザーが所望する印刷成果物の品質や形態に応じて基準辺を適宜使い分けることができる。
以上のように、ステップS931にて基準辺として長辺が選択された際、CPU15は、エリアセンサ24に備えた二次元方向に配列された素子列のうち、長辺の傾きを検知する方向の素子列を選択することで斜行検知を行う(S918〜S919)。即ち、ステップS918において長辺の傾きを検知する素子列を選択し、ステップS919において長辺の傾きを検知する。そして、長辺の傾きの有無を判断し(S920)、長辺の傾きがある場合、つまり斜行が検知された場合には(S920:Yes)、速度差演算部35がその斜行量の相殺に必要な回転数差を演算する(S921)。さらに、駆動制御部36が、斜行補正ローラ5a、5bをそれぞれ独立に回転数制御して駆動する(S922)。
この制御動作は、所定のサンプリング間隔で実行され、斜行が除去されたと判断されるまで繰り返し行われる。そして、長辺の傾きが無い(斜行が除去された)と判断されると(S920:No)、エリアセンサ24の素子列をシートのシート搬送方向と直交する方向位置が検知できる方向に切り換える(S923)。このようにして検知されたシート搬送方向と直交する位置が称呼位置からずれている場合には、称呼位置へ戻すために必要なレジストローラ対7のスライド量、具体的にはスライドモータ17の駆動パルス数が演算される(S924、S925:Yes、S926)。そして、この駆動パルス信号に基づいて駆動されるスライドモータ17により、レジストローラ対7がシートを挟持搬送したままの状態で称呼位置へと戻して終了する(S927、S928)。なお、制御ステップS925の時点でシート搬送方向と直交する位置にズレがないと判断された際には(S925:No)、スライドモータ17は駆動されずに、処理は終了する(S929、S930)。
このように、本実施の形態では、制御ステップS931で長辺が基準辺として選択された場合について説明したが、短辺が基準辺として選択された場合(S904:Yes)についても、同様である。即ち、エリアセンサ24の素子列のうち短辺の傾きを検知する方向の素子列を選択する(S905)点が異なるだけで、それ以降の制御フロー(S906〜S909、S907〜S915、S912〜S917)は、前述の第1の実施の形態と基本的に同じである。
以上のように、本実施の形態における斜行補正装置65を備えた画像形成装置60は、いずれの辺も斜行補正時の基準辺とすることができる対応力を活かし、シート処理装置70まで含めた画像形成システム全体としての最適な制御を可能とする。また、本実施の形態によると、選択部34が、操作部18により設定入力された情報に基づき、シートの隣り合う先端辺及び側端辺のうちの一方を基準辺として選択するので、ユーザーが操作部18の画面から簡単に設定入力することができる。また、選択部34が、認識部37で認識された処理情報に基づき、シートの先端辺及び側端辺のうちの一方を基準辺として選択するので、画像形成装置60とシート処理装置70間での基準辺の不一致を防止し、最終成果物Wとしての総合精度を保証できる。
5a、5b…一対の斜行補正ローラ、18…操作部、24…検知部(エリアセンサ)、26…斜行補正部、30…先端辺、31…側端辺、33…角度演算部、34…選択部、36…制御部(駆動制御部)、37…認識部、60…画像形成装置、70…シート処理装置、F…シート搬送方向、S…シート
Claims (5)
- シート搬送方向と直交する幅方向に配列されてそれぞれ独立に回転駆動される一対の斜行補正ローラを備え、前記一対の斜行補正ローラのそれぞれ独立した回転によりシートを搬送しつつ前記斜行補正ローラ間のシート搬送速度差により旋回させて斜行補正する斜行補正部を備えた画像形成装置において、
シートの先端辺及び側端辺のうちの一方を斜行補正の基準辺として選択する選択部と、
前記選択部により選択された基準辺の傾きを検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記基準辺の傾きに基づいて演算された前記斜行補正ローラ間のシート搬送速度差に応じて前記一対の斜行補正ローラを駆動制御する制御部と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記斜行補正の基準辺を設定入力可能な操作部を備え、
前記選択部は、前記操作部により設定入力された情報に基づき、シートの隣り合う前記先端辺及び前記側端辺のうちの一方を基準辺として選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - シートの隣り合う前記先端辺と前記側端辺とが成す角度を演算する角度演算部を備え、
前記選択部は、前記角度演算部により演算された前記角度が予め設定された規定値以内であると判定した際には前記先端辺を基準辺として選択し、前記規定値を超えると判定した際には前記側端辺を基準辺として選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - シートを処理するシート処理装置と、
前記シート処理装置の処理情報を認識する認識部と、を有し、
前記選択部は、前記認識部により認識された前記処理情報に基づき、シートの隣り合う前記先端辺及び前記側端辺のうちの一方を基準辺として選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記検知部は、前記シート搬送方向に延びる辺と前記幅方向に延びる辺とで囲まれるエリア内に配列された複数の画素を有するエリアセンサから構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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