JP2011051271A - 液体噴射装置およびそのバルブユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】弁座と弁体とが接離する部分に堆積物が付着しにくく、かつ液体の流路に気泡が生じにくい液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 液体を噴射するノズル26を有する液体噴射ヘッド8と、液体噴射ヘッド8に接続される液体の流路を開閉させるバルブユニット12と、を備え、バルブユニット12は、流路に設けられる弁座31および弁座31に接離する弁体30を有すると共に弁座31と弁体30との接離によって流路15を開閉するように形成されており、弁座31は、弁体30と接離する部分に、液体に対する撥液性を有する撥液部32を有し、弁体30の弁座31と接離する部分33a,33bは、弾性体を用いて形成されていると共に、弁座31の弁体30と対向する面は、弁座31と弁体30とが接離する部分よりも下流側で弁座31と弁体30とが接離する方向に最も突出する傾斜面を有する液体噴射装置1としている。
【選択図】図4
【解決手段】 液体を噴射するノズル26を有する液体噴射ヘッド8と、液体噴射ヘッド8に接続される液体の流路を開閉させるバルブユニット12と、を備え、バルブユニット12は、流路に設けられる弁座31および弁座31に接離する弁体30を有すると共に弁座31と弁体30との接離によって流路15を開閉するように形成されており、弁座31は、弁体30と接離する部分に、液体に対する撥液性を有する撥液部32を有し、弁体30の弁座31と接離する部分33a,33bは、弾性体を用いて形成されていると共に、弁座31の弁体30と対向する面は、弁座31と弁体30とが接離する部分よりも下流側で弁座31と弁体30とが接離する方向に最も突出する傾斜面を有する液体噴射装置1としている。
【選択図】図4
Description
本発明は、液体噴射装置およびそのバルブユニットに関する。
液体を噴射する液体噴射装置として、インクジェット式のプリンタ装置等が知られている。このプリンタ装置は、印刷ヘッドに設けられたノズルから記録媒体にインクが噴射される構成になっている。印刷ヘッドは、たとえば、キャリッジ等の移動機構に搭載され、記録媒体上を移動しながらインクを噴射する構成になっている。
また、インクカートリッジから供給チューブを介して印刷ヘッドにインクを供給するために、プリンタ装置は、自己封止機能を有するインク供給バルブユニットを有する場合がある。インク供給バルブユニットは、フィルム部材が圧力変化に対して変位し、その変位を可動バルブに対して直接伝達することによって可動バルブを動作させる。可動バルブの開閉により、インク供給室と圧力室とが連通あるいは非連通となる(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のバルブユニットでは、可動バルブの開閉動作により、バルブの弁座と弁体との接離部分にインクが堆積して成長する場合がある。可動バルブの接離部分にインクが堆積すると、可動バルブが開いた状態が保持され、ノズルからインクが垂れてしまうことがある。
そこで、可動バルブの接離部分の表面を処理することで、インクが堆積しにくい部位とするという案がある。しかし、インクが堆積しにくい表面は、気泡が生じやすい表面となる。すなわち、バルブの接離部分以外の領域、特に、可動バルブにより連通される流路の表面を処理してしまうと、気泡の発生により、印刷品質が劣るものとなる。
そこで、本発明は、弁座と弁体とが接離する部分に堆積物が付着しにくく、かつ気泡が生じにくい液体噴射装置およびバルブユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る液体噴射装置の一側面は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドに接続される液体の流路を開閉させるバルブユニットと、を備え、バルブユニットは、流路に設けられる弁座および弁座に接離する弁体を有すると共に弁座と弁体との接離によって流路を開閉するように形成されており、弁座は、弁体と接離する部分に、液体に対する撥液性を有する撥液部を有し、弁体の弁座と接離する部分は、弾性体を用いて形成されると共に、弁座の弁体と対向する面は、弁座と弁体とが接離する部分よりも下流側で弁座と弁体とが接離する方向に最も突出する傾斜面を有するものとしている。このような液体噴射装置とすることで、弁座と弁体とが接離する部分に堆積物が付着しにくく、かつ、液体の流路に気泡が生じにくいものとなる。
また、本発明に係る液体噴射装置の他の側面は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドに接続される液体の流路を開閉させるバルブユニットと、を備え、バルブユニットは、流路に設けられる弁座および弁座に接離する弁体を有すると共に弁座と弁体との接離によって流路を開閉するように形成されており、弁座は、弁体と接離する部分に、液体に対する撥液性を有する撥液部を有し、弁体の弁座と接離する部分は、弾性体を用いて形成されていると共に、弁座の弁体と対向する面は、流路の一部あるいは全部を囲うように設けられる凹部を、弁座と弁体とが接離する部分よりも下流側に有するものとしている。このような液体噴射装置とすることで、弁座と弁体とが接離する部分に堆積物が付着しにくく、かつ、液体の流路に気泡が生じにくいものとなる。
また、本発明に係るバルブユニットの側面は、流路に設けられ、弁座および弁座に接離する弁体を有するバルブユニットであって、このバルブユニットは、弁座と弁体との接離によって流路を開閉するように形成されており、弁座は、弁体と接離する部分に、液体に対する撥液性を有する撥液部を有し、弁体は、弁座と接離する部分が、弾性体を用いて形成されると共に、弁座の弁体と対向する面は、弁座と弁体とが接離する部分よりも下流側の流路の一部あるいは全部を囲うように設けられる凹部を有する、または、弁座と弁体とが接離する部分よりも下流側で弁座と弁体とが接離する方向に最も突出する傾斜面を有するものとしている。このようなバルブユニットとすることで、弁座と弁体とが接離する部分に堆積物が付着しにくく、かつ、液体の流路に気泡が生じにくいものとなる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る液体噴射装置としてのプリンタ装置について、図面を参照しながら説明する。また、プリンタ装置が備えるバルブユニットについてもプリンタ装置についての説明の中で詳述する。
本発明の第1の実施の形態に係る液体噴射装置としてのプリンタ装置について、図面を参照しながら説明する。また、プリンタ装置が備えるバルブユニットについてもプリンタ装置についての説明の中で詳述する。
(インクジェット式のプリンタ装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット式のプリンタ装置1の要部を示す斜視図である。図1において、X方向を左右方向(主走査方向)、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向として説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット式のプリンタ装置1の要部を示す斜視図である。図1において、X方向を左右方向(主走査方向)、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向として説明する。
図1に示すように、プリンタ装置1は、左右方向に長い直方体形状の筐体2を有している。そして、この筐体2内に、印刷機構3およびインク供給機構4が配設されている。
筐体2内には、キャリッジ駆動用のモータ(不図示)が備えられ、このモータとキャリッジ7とがタイミングベルト(不図示)を介して接続されている。したがって、キャリッジ7は、モータ(不図示)の駆動力を、タイミングベルト(不図示)を介して受け、ガイド軸に沿って往復移動することができるようになっている。
印刷機構3は、プラテン5、ガイド軸6、キャリッジ7等から構成されている。プラテン5は、直方体形の薄板状を呈し、筐体2の下部に配設され、筐体2の長手方向、すなわち左右方向(X方向)に、プラテン5の長手方向を沿わせる向きで、筐体2に対して架設されている。このプラテン5は、図示を省略する給紙トレイと排紙トレイの間に配設されている。そして、図示を省略する紙送り機構によって、印刷媒体となる印刷用紙が、給紙トレイ(図示省略)からプラテン5を通って排紙トレイ(図示省略)に給送される。プラテン5上において、インク(液体)の塗布対象である印刷用紙にインクが塗布され、紙面上に画像が形成される。プラテン5の上方には、プラテン5と平行にガイド軸6が架設されている。そして、このガイド軸6には、ガイド軸6にガイドされて移動するキャリッジ7が支持されている。
キャリッジ7の下面には、インク供給機構4から供給されるインクを噴射するための、液体噴射ヘッドとしての印刷ヘッド8が設けられている。この印刷ヘッド8の下面側には、図示を省略する複数の噴射ノズルが設けられている。印刷ヘッド8の内部には、圧電素子(図示省略)が各噴射ノズル(図示省略)に対応して備えられている。そして、各圧電素子が駆動制御されることにより、インク供給機構4から供給されるインクが、噴射ノズルから下方に向けて噴射されるように構成されている。また、キャリッジ7には、複数のサブタンク9が搭載されている。つまり、インクは、インク供給機構4から、サブタンク9内に一旦供給され、そして、サブタンク9に供給されたインクが、噴射ノズルから噴射させられる。
図2は、サブタンク9から印刷ヘッド8までのインクの流路を示す断面図である。また、図3は、図2のAで囲まれた領域を拡大して示す断面図である。図2に示すように、サブタンク9は、インク供給室10、圧力室11、バルブユニット12および可撓性を有するフィルム部材からなる弾性シート13を有している。インク供給室10は、不図示のインクカートリッジから流れてきたインクが供給される部分である。インク供給室10と圧力室11との間には、インク供給室10と圧力室11とを連通させる連通路15が形成されており、連通路15の一端は、インク供給室10に開口している。一方、連通路15のインク供給室11に連通していない方の端部は、圧力室11に開口している。すなわち、圧力室11は、連通路15を介してインク供給室10に連通されている。圧力室11の一面は、弾性シート13により外部から隔たれている。
弾性シート13は、圧力室11の圧力に応じ、圧力室11が膨張および収縮するように変形する。圧力室11の圧力が外部の圧力よりも高くなると、図2の一点鎖線13aで示すように、弾性シート13は、圧力室11の外側方向へ突出するように変形する。弾性シート13が圧力室11の外側方向へ突出するように変形した際には、バルブユニット12が閉じた状態になり、インク供給室11から圧力室11にインクが供給されない。一方、圧力室11の圧力が外部の圧力よりも低くなると、図2の二点鎖線13bで示すように、弾性シート13は、圧力室11の内側方向へ突出するように変形する。弾性シート13が圧力室11の内側方向へ突出するように変形した際には、バルブユニット12が開いた状態になり、インク供給室10から圧力室11へインクが供給される。圧力室11のインクは、接続流路16からフィルタ17を通って、ケース流路18に供給され、さらに、ケース流路18に供給されたインクは、流路ユニット19に供給される。
流路ユニット19は、振動板20、流路基板21およびノズル基板22が積層されて一体化されている。振動板20、流路基板21およびノズル基板22は、共通インク室23からインク供給口24および圧力室25を通りノズル26に至るまでの一連のインク流路を形成している。圧力室25は、ノズル26の列方向に対して直交する方向に細長い室として形成されている。共通インク室23は、ケース流路18と連通されている。共通インク室23に導入されたインクは、インク供給口24を通じて各圧力室25に分配供給されるようになっている。
振動板20のインク流路側とは逆の面には、島部27が設けられている。島部27には、Z方向に弾性変形する圧電素子28のZ軸方向端部が接合されている。したがって、駆動信号が圧電素子28に供給されて圧電素子28がZ軸方向に伸縮すると、島部27がZ軸方向に移動、すなわち、振動板20を変位させる。これにより、圧力室25の内部容積が変化し、圧力室25の内部のインクが、インク滴としてノズル26から噴射される。
(バルブユニットの構造)
次に、本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット式プリンタ装置が備えるバルブユニット12の詳細な構造について、図面を参照しながら説明する。図4は、バルブユニット12の構造を説明するため、バルブユニット12が閉じた状態で、XZ平面で切断した際の断面図である。図5は、図4のバルブユニット12が開いた状態で、XZ平面で切断した際の断面図である。図6は、弁座31のYZ平面を平面視した場合の、各部材の位置関係を示す平面図である。
次に、本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット式プリンタ装置が備えるバルブユニット12の詳細な構造について、図面を参照しながら説明する。図4は、バルブユニット12の構造を説明するため、バルブユニット12が閉じた状態で、XZ平面で切断した際の断面図である。図5は、図4のバルブユニット12が開いた状態で、XZ平面で切断した際の断面図である。図6は、弁座31のYZ平面を平面視した場合の、各部材の位置関係を示す平面図である。
バルブユニット12は、弁体30および弁座31を有し、連通路15を開閉する弁として作用する。弁体30は、一体的な閉塞部33および軸部34を有している。図6に示すように、閉塞部33の外周は、断面形状における連通路15の半径よりも、大きな半径を有する。閉塞部33のうち、少なくとも弁座31と対向する面は、弾性部材33aにより覆われている。弾性部材33aとしては、たとえば、ゴム等のエラストマー材を用いることができる。また、弾性部材33aには、弁座31に向かって突出する突出部33bが連通路15の外周よりも外側を囲うような環形状で設けられている。したがって、閉塞部33の突出部33bが、弁座31と接触した状態では、インク供給室10と圧力室11とが連通されない。なお、閉塞部33は、バネ機構35aによってサブタンク9の内部に固定されている。
軸部34は、弁体30のうち、連通路15に挿入される部分である。軸部34の弾性シート13側の端部は、板状部材36を介して弾性シート13の径方向の中央付近に接続されている。また、板状部材36は、バネ機構35bによりサブタンク9本体に固定されている。軸部34、板状部材36および弾性シート13は、一体的に形成されている。このため、弾性シート13が圧力室11の外側方向(図4の状態)あるいは内側方向(図5の状態)へ変形することに伴い、弁体30が移動するものとなる。
弁座31は、連通路15の側壁の一部として構成されている。XZ断面で見ると、弁座31は、連通路15に近づくにつれて、バネ機構35aに向かっての突出量が増加するような傾斜面を有している。すなわち、弁座31の閉塞部33と対向する面は、連通路15と接する部分(図4および図5のCで示される位置)にて、バネ機構35aとの距離が最も近くなるような頂点を有し、連通路15から離れるにつれて(図4では、Z方向外側に向かうにつれて)、バネ機構35aとの間の距離が大きくなる。また、弁座31のうち弁体30に対向する面には、連通路15の外周を囲むような環状の撥液部32が形成されている。
撥液部32は、弁座31うち少なくとも突出部33bが接離する部分に、疎水性の膜として形成されている。撥液部32は、たとえば、疎水性官能基を有するシランカップリング剤を用いて形成されたシリカ疎水膜から主に形成される。具体的には、シランカップリング剤として、炭化水素、フッ素および水素の中から選ばれる少なくとも1種以上の疎水性官能基を有するケイ酸を含む水系溶液を用いる。そのシランカップリング剤を、弁座31のうち、撥液部32を形成することを所望する位置に接触させる。すると、弁座31のうち、シランカップリング剤と接触した位置に、疎水性官能基を含むシリカを膜として析出させることができる。たとえば、シリンジによる塗布、あるいは、ディスペンサーによる塗布等により、シランカップリング剤を弁座31の所望する位置に塗布できる。
上述のような構成のバルブユニット12とすることで、弁体30と弁座31とが接離する部分に堆積物が付着しにくいものとなる。なぜなら、弁座31のうち、弁体30と接離する部分は、疎水性であるため、たとえば、水系のインクの液滴を弾くことが可能となり、インクに含まれる顔料等が堆積物として付着しにくくなるからである。
また、上述のバルブユニット12において、弁座31のうち弁体30と対向する面を上にして、撥液部32を形成するための溶液を塗布すると、余剰の溶剤が連通路15の内面に付着しにくい。なぜなら、溶液を塗布する際に弁座31の弁体30と対向する面を上にすると、余剰の液体は、弁座31の傾斜に沿って、連通路15の半径方向外側へ流れるため、連通路15内部側に溶剤が侵入しないからである。連通路15の内部に撥液部32が形成されにくいものとすることで、インクの流路に気泡が生じにくい。なぜなら、連通路15の内面が、疎水性ではなく親水性のままの状態を保つことができるため、連通路15に微小な気泡が付着し気泡が大きく成長することが少ないからである。
(プリンタ装置の動作)
以上のような構成を有するプリンタ装置1において、インク滴(液体)を噴射する際の動作を以下に説明する。
以上のような構成を有するプリンタ装置1において、インク滴(液体)を噴射する際の動作を以下に説明する。
外部から印刷データがインクジェット式プリンタ装置1に送信されると、インクジェット式プリンタ装置1が有する制御装置(不図示)は、ドットパターンに対応した噴射データに展開して印刷ヘッド8に送信する。印刷ヘッド8では、受信した噴射データに基づき、記録紙に対してインク滴を噴射、すなわち、印刷処理を行う。
制御装置は、圧電素子28を作動させ、ノズル26からインク滴を噴射させる。この動作により、圧力室11の内部のインクが接続流路16から印刷ヘッド8側へ移動し、インクの印刷ヘッド8への供給が為される。
圧力室11内のインクが流出すると、圧力室11内の圧力が低くなるのを防ぐべく、図5に示すように、弾性シート13がバネ機構35a,35bの弾性力に抗しながら圧力室11内に引っ張られるように変形する。弾性シート13が変形して圧力室11内部側へ移動すると、弾性シート13と接続された板状部材36および軸部34がインク供給室10の内側へ移動する。このため、閉塞部33が弁座31に設けられた撥液部32から離れた状態となり、インク供給室10と圧力室11との間が連通路15を介して連通される。
圧力室11内の圧力が低下しているのに対して、インク供給室10の圧力は、一定を保つように加圧されているため、インク供給室10と圧力室11との間が連通されると、インク供給室10側に貯留されていたインクは、圧力差によって圧力室11側へ移動する。
圧力室11にインクが充填されると、弾性シート13が元の状態に戻され、さらには、バネ機構35a,35bのバネ弾性力を受けて、インク供給室10から離れる方向に移動する。この弾性シート13の移動により、板状部材36および軸部34がインク供給室10から離れる方向に移動する。その結果、図4に示すように、閉塞部33が弁座31の撥液部32が設けられた部分に当接する。このため、インク供給室10と圧力室11との間が閉塞部33によって閉塞された状態になる。
このように、サブタンク9では、圧力室11内の圧力に応じてバルブユニット12を開閉させることで、インク供給室10から圧力室11へインクを供給するようになっている。当該サブタンク9では、弁座31のうち弁体30と接離する部分には、疎水性の撥液部32が設けられているので、その当接部分には、インクに含有される成分が堆積しにくいものとなる。したがって、弁座31と弁体30との接離において、堆積物が障害とならず、バルブユニット12を正常に機能し続けさせることが可能となる。
また、連通路15内に撥液部が形成されるのを防ぐ手法にて、撥液部32を形成しているため、バルブユニット12がより正常に機能できるものとなる。なぜなら、連通路15の内面は、親水性の部分なので連通路15の内面に微小化された気泡が付着しにくいからである。連通路15にて気泡が生じると、微小な気泡が大きく成長し、圧力室11内に加わる圧力が、成長した気泡により変化してしまい、インクの噴射量が変動してしまうことがある。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係るインクジェット式のプリンタ装置1Aについて説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を用いて示し、また当該共通する部分についての説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るインクジェット式のプリンタ装置1Aについて説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を用いて示し、また当該共通する部分についての説明を省略する。
第2の実施の形態のプリンタ装置1Aは、第1の実施の形態のプリンタ装置1と、バルブユニット12Aの構造において異なる。図7は、プリンタ装置1Aが有するバルブユニット12Aを図4と同様の断面で示す断面図である。
第2の実施の形態に係るバルブユニット12Aでは、バルブユニット12と比較して、弁座31の形状が異なる。弁座31Aは、弁体30と接離する部分(図7のBで示す位置)よりも内側から、連通路15の内壁までの領域に、凹部40を有する。また、凹部40は、弁座31AのYZ平面を平面視した場合に、連通路15の入り口外周に環状に設けられている。
このようなバルブユニット12Aでは、撥液部32が連通路15の内部に形成されにくい。なぜなら、撥液部32を形成するための溶剤を塗布した際に、余剰の溶剤が凹部40に入り、溶剤の表面張力により凹部40に留まる。したがって、過剰な溶剤が、凹部40よりも連通路15側に流れ込みにくいものとなる。
以上、本発明の各実施の形態に係る液体噴射装置としてのインクジェット式のプリンタ装置1,1Aおよびバルブユニット12,12Aの好適な例について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に何ら限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能であり、インクジェット式のプリンタ装置を、他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化するようにしてもよい。例えば、他の液体を噴射する液体噴射装置として、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
例えば、各実施の形態では、好適な材料につき言及しているが、これらの材料に限らず、他の材料を採用しても良い。例えば、撥液部32は、シランカップリング剤による他、フッ化化合物膜等から構成されてもよい。また、各実施の形態では、水系インクを用いているため、撥液部32は、疎水性の膜としているが、インクが非水系の場合には、インクの溶剤に対して撥液性の膜とするのが好ましい。
また、第1の実施の形態において、弁座31は、連通路15への入口部分(図4および図5のCで示す位置)で、バネ機構35aに向かって最も突出量が大きい頂点を有する傾斜面を有しているが、このような形態に限られない。連通路15の内壁と、弁座31と弁体30とが接離する部分(図4および図5のBで示す位置)との間に、頂点を有するような形態としてもよい。すなわち、弁座31のインク供給室10側の面には、突出部33bの位置よりも下流側でバネ機構35aに向かってに最も突出し、連通路15からの半径方向の距離が遠くなるにつれて突出量が減少するような傾斜面が設けられていてもよい。
また、第2の実施の形態において、凹部40は、弁座31をXY平面視した場合に、連通路15の周囲を囲う環状としたが、このような形態に限られない。たとえば、連通路15の周囲すべてを囲わない、環あるいは多角形の一部を成すように設けてもよい。また、環ではなく、直線あるいは曲線であってもよい。しかし、凹部40を連通路15の周囲を囲うように形成した場合には、連通路15の内側に撥液部32が一層形成されにくいものとなる。
また、第2の実施の形態において、弁座31が弁体30とが接離する部分(図7のBで示す位置)から連通路15の内壁までの領域に、凹部40を有するものとしている。しかし、このような形態に限らない。たとえば、弁座31が弁体30と接離する部分から連通路15の内壁までの領域に、凹部40ではなく凸部を設けてもよい。その場合には、弁座31が閉塞部33と当接している状態で、凸部の頂点が弁体30に接しない程度の高さとすることが好ましい。また、弁座31が弁体30と接離する部分から連通路15の内壁までの領域に、凹部40と凸部との両方を有するものとしてもよい。
また、第2の実施の形態において、凹部40あるいは凸部を、弁座31が閉塞部33と接離する部分よりも外周側にも設けても良い。外周側に設けることで、弁座31と閉塞部33とが接離する部分よりも外周側に、撥液部32が設けられないようにすることができる。すなわち、撥液部32を必要な部分にのみ、できるだけ小さい面積で設けることが可能となる。
1,1A…プリンタ装置(液体噴射装置)、12,12A…バルブユニット、15…連通路(流路)、30…弁体、31…弁座、32…撥液部
Claims (3)
- 液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
上記液体噴射ヘッドに接続される上記液体の流路を開閉させるバルブユニットと、を備え、
上記バルブユニットは、上記流路に設けられる弁座および上記弁座に接離する弁体を有すると共に上記弁座と上記弁体との接離によって上記流路を開閉するように形成されており、
上記弁座は、上記弁体と接離する部分に、上記液体に対する撥液性を有する撥液部を有し、
上記弁体の上記弁座と接離する部分は、弾性体を用いて形成されると共に、
上記弁座の上記弁体と対向する面は、上記弁座と上記弁体とが接離する部分よりも下流側で上記弁座と上記弁体とが接離する方向に最も突出する傾斜面を有する特徴とする液体噴射装置。 - 液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
上記液体噴射ヘッドに接続される上記液体の流路を開閉させるバルブユニットと、を備え、
上記バルブユニットは、上記流路に設けられる弁座および上記弁座に接離する弁体を有すると共に上記弁座と上記弁体との接離によって上記流路を開閉するように形成されており、
上記弁座は、上記弁体と接離する部分に、上記液体に対する撥液性を有する撥液部を有し、
上記弁体の上記弁座と接離する部分は、弾性体を用いて形成されていると共に、
上記弁座の上記弁体と対向する面は、上記流路の一部あるいは全部を囲うように設けられる凹部を上記弁座と上記弁体とが接離する部分よりも下流側に有することを特徴とする液体噴射装置。 - 流路に設けられる弁座および上記弁座に接離する弁体を有するバルブユニットであって、
上記バルブユニットは、上記弁座と上記弁体との接離によって上記流路を開閉するように形成されており、
上記弁座は、上記弁体と接離する部分に、上記液体に対する撥液性を有する撥液部を有し、
上記弁体は、上記弁座と接離する部分が、弾性体を用いて形成されると共に、
上記弁座の上記弁体と対向する面は、
上記弁座と上記弁体とが接離する部分よりも下流側の上記流路の一部あるいは全部を囲うように設けられる凹部、または、
上記弁座と上記弁体とが接離する部分よりも下流側で上記弁座と上記弁体とが接離する方向に最も突出する傾斜面を有することを特徴とするバルブユニット。
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2009
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