JP5003872B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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本発明は、インクジェット式記録装置等の液体噴射装置に係り、特に、液体貯留部材に貯留された液体を液体導入針を介して液体噴射ヘッド側に導入し、この液体噴射ヘッドのノズル開口から液体を吐出する液体噴射装置に関する。
液体を吐出可能な液体噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を吐出する液体噴射装置の代表的なものとしては、例えば、吐出対象物(記録媒体)としての記録紙等に対してインク滴を吐出・着弾させて記録を行うインクジェット式プリンタ等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、或いはFED(面発光ディスプレー)等のディスプレー製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して吐出するためのものとして、液体噴射装置が用いられている。
この種の液体噴射装置としては、流通に乗せ易く取り扱いが容易なカートリッジタイプの液体貯留部材を用いるものが種々開発されている。例えば、インクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタという)では、液体状のインクを封入したインクカートリッジを使用するものが広く普及している。この構成では、インクカートリッジをカートリッジ装着部に装着してインク導入針(液体導入柱状体)をインクカートリッジ内に挿入することで、このインク導入針の先端(テーパ部)側に穿設されたインク導入孔(液体導入孔)を通じてインクカートリッジ内のインクを液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド側に導入している。また、一般に、このようなインクカートリッジでは、外部へのインクの漏洩とインクの蒸発を防止するため、その底面部に設けられた針挿入口(インクの流出口)の開口部が破断可能な薄手のPP(ポリプロピレン)等からなる樹脂フィルム(封止フィルム)によって封止されており、プリンタへの装着時にはインク導入針がこの封止フィルムを破断して針挿入口内に挿入されるようになっている。
このようなインクカートリッジを用いる構成では、インク導入針から記録ヘッドのノズル開口までに至るインク流路(液体流路)がインクで満たされている状態が理想的であるが、インクカートリッジの交換等でインク流路内に気泡が入り込むことがあり、これを完全に防止することは困難である。これは、未使用のインクカートリッジを装着する場合に、インクカートリッジの針挿入口にインク導入針を押し込むことで、この針挿入口の封止フィルムがインク導入針の先端によって破断されるが、この破断時に封止フィルムが撓んでインク導入針の先端側に一時的に密着し、この密着状態で封止フィルムとインク導入針との間で圧縮された空気がインク導入孔からインク導入針内に進入して気泡となってしまうからである。そして、インク流路内に入り込んだ気泡は、次第に成長して大きくなり、過度に成長した気泡の一部がインクの流れによって圧力室側に移動すると、吐出動作時の圧力変動を気泡が吸収することによる圧力損失や、気泡が流路を塞ぐことによるインクの供給不足等の不具合を招く虞がある。
このような気泡による不具合を防止することを目的として、インク導入針の基端に形成した拡径部内に、該拡径部の内周面から中心に向けて複数のリブを突設すると共に、周方向に隣り合う両リブにより気泡室を区画形成し、インク導入針内を通るインクの流下勢によって、フィルタ上方(上流側)の気泡を気泡室内に移動させて気泡のフィルタに対する接触面積が大きくなるように構成し、これにより、気泡の排出効率を向上させて記録ヘッド外部に気泡を排出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−069168号公報
しかしながら、特許文献1の発明は、インク導入針内に気泡が入り込むことを未然に防止するものではなく、入ってしまった気泡を処理するものである。このため、インク導入針内の気泡を排出するために、記録動作時の数倍の流速のインク流を発生させるクリーニング動作を頻繁に行う必要があり、インクが無駄に消費されてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体貯留部材の交換の際に、液体導入柱状体内に気泡となる空気の進入を抑制することにより、液体流路内の気泡を排出するためのクリーニング動作の実行回数を低減して液体の消費を抑制することが可能な液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を解決する本発明の態様は、内部に液体を貯留すると共に一方向に沿って破断する封止部材により当該液体の流出口が封止されている液体貯留部材が着脱可能に装着される液体貯留部材装着部と、装着された前記液体貯留部材の前記封止部材を破断すると共に、前記液体貯留部材の前記流出口に挿入された状態で前記液体貯留部材内の液体を液体導入孔から内部の液体流路内に導入する液体導入柱状体と、前記液体導入柱状体から導入された液体を、圧力発生手段の作動によってノズル開口から吐出可能な液体噴射ヘッドとを備え、前記液体導入柱状体の前記封止部材に臨む端面には、溝部が延設されており、前記液体導入孔は、前記溝部の底面に開口し、前記溝部は、前記封止部材に臨む前記端面からこの端面に連続する前記液体導入柱状体の側面まで延設されていることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体導入柱状体の封止部材に臨む端面には、封止部材の破断方向に沿って溝部が延設され、この溝部は前記端面の縁部に至っている。これにより、液体貯留部材を液体貯留部材装着部に装着する際に、液体貯留部材の液体の流出口を封止する封止部材が撓んで液体導入柱状体の端面に密着する状態になって、封止部材と端面との間で空気が圧縮されたとしても、この空気を、前記溝部を通して液体導入柱状体の外部に流出させることができる。また、封止部材は一方向に沿って破断することから、封止部材は破断方向に沿って破断し易くなっており、この結果、封止部材が破断することにより生じる開口部は、破断方向により広く破断した状態となる。これに対し、溝部は封止部材の破断方向に沿って延設されている。このため、液体導入柱状体が封止部材に当接してこれを破断するとき、溝部の開口が封止部材の開口部分に臨む領域をより大きく確保できるようになる。したがって、液体貯留部材の液体の流出口とそれを塞ぐ封止部材との間に空気があっても、この空気は溝部に流入するため、液体導入柱状体の内部への空気の進入を抑制することができる。これらのことから、液体導入柱状体内に流入した気泡を外部へ排出するためのクリーニング動作の実行頻度を、従来と比べて低減することができる。この結果、クリーニング動作に伴うインクの消費を少なくすることができる。
さらに、液体導入孔を、前記溝部内に開口する状態で穿設したので、液体貯留部材を装着する際に、液体導入孔が封止部材に直接密着することがない。したがって、封止部材と液体導入柱状体の端面又はテーパ部の外表面との間の空気が、液体導入孔に直接押し込まれる可能性を小さくでき、この空気をこの液体導入孔が穿設された溝部を通して液体導入柱状体の外部に流出させることができる。このため、液体貯留部材の装着時に、空気が液体導入孔から液体導入柱状体内に進入することをより一層抑制することができる。
また、溝部を、液体導入柱状体の端面から側面まで連続して延設したので、液体貯留部材を装着する際に、封止部材が液体導入柱状体の端面全体に亘って密着することがあっても、封止部材と液体導入柱状体の端面との間の空気を、側面まで延設された溝部を通して確実に外部に流出させることができる。したがって、液体貯留部材の装着時に、空気が液体導入孔から液体導入柱状体内に進入することをより一層抑制することが可能となる。
ここで、前記液体導入柱状体は、先端から基端側に向けて漸次拡径するテーパ部を有する針状突起部を有し、前記封止部材に臨む端面は、前記針状突起部の表面であり、前記液体導入孔は、前記針状突起部に設けられた前記溝部の底面に開口していることが好ましい。これによれば、液体導入柱状体の先端はテーパ部を有する針状突起部となっている。このため、液体貯留部材を装着する際に、液体導入柱状体は封止部材を破断し易くなっている。
また、前記液体導入柱状体は、前記針状突起部に直線的に連続して形成されたストレート部を備え、前記溝部は、前記テーパ部から前記ストレート部まで延設されていることが好ましい。これによれば、溝部を、前記テーパ部から前記ストレート部まで連続して延設したので、液体貯留部材を装着する際に、封止部材が針状突起部のテーパ部の外表面全体に亘って密着することがあっても、封止部材と針状突起部のテーパ部の外表面との間の空気を、ストレート部まで延設された溝部を通して確実に外部に流出させることができる。したがって、液体貯留部材の装着時に、空気が液体導入孔から液体導入柱状体内に進入することをより一層抑制することが可能となる。
〈実施形態1〉
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、本実施形態では、代表的な液体噴射装置であるインクジェット式記録装置(以下、プリンタ)を例に挙げて説明する。
ここで、図1はインクジェット式記録装置に代表されるプリンタの斜視図、図2は記録ヘッドの分解斜視図、図3は記録ヘッドの平面図、図4は記録ヘッドの断面図、図5は記録ヘッドの要部断面図である。
まず、記録ヘッドを搭載するインクジェット式記録装置(液体噴射装置の一種。以下、プリンタという。)の概略構成について、図1を参照して説明する。例示したプリンタ1は、記録紙等の記録媒体(吐出対象物)2の表面へ液滴状のインクを吐出して画像等の記録を行う装置である。このプリンタ1は、記録ヘッド3と、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4と、このキャリッジ4を主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構5と、記録媒体2を副走査方向(主走査方向に直交する方向)に移送する紙送り機構6等を備えている。ここで、上記のインクは、本発明における液体の一種であり、インクカートリッジ7(液体貯留部材の一種)に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3のキャリッジ4に対して着脱可能に装着される。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモータ等のパルスモータ9により駆動される。従って、パルスモータ9が作動すると、キャリッジ4は、プリンタ1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。
プリンタ1の非記録領域であるホームポジションには、キャッピング機構12が配設されている。キャッピング機構12は、記録ヘッド3のノズル形成面に当接し得るトレイ状のキャップ部材12´を有する。このキャッピング機構12では、キャップ部材12´内の空間が封止空部として機能し、この封止空部内に記録ヘッド3のノズル開口14(図5参照)を臨ませた状態でノズル形成面に密着可能に構成されている。また、このキャッピング機構12には、ポンプユニット13が接続されており、このポンプユニット13の作動によって封止空部内を負圧化することができる。そして、ノズル形成面への密着状態でポンプユニット13を作動し、封止空部(密閉空間)内を負圧化すると、ノズル開口14から記録ヘッド3内のインクや気泡が吸引されてキャップ部材12´の封止空部内に排出されるようになっている。つまり、このキャッピング機構12は、記録ヘッド3内(インク流路内)のインクや気泡を強制的に吸引排出するクリーニング動作を行う構成となっている。このクリーニング動作は、キャップ部材12´をノズル形成面に密着させた状態でポンプユニット13を作動させて通常の記録動作時の数倍の流速のインク流をインク流路(インク導入路38)内に生じさせ、後述する拡径部52内に浮遊する気泡をこのインク流に乗せることで、フィルタ19の上面(上流側)に押し付けて通過させて下流側に移動させ、フィルタ19の下流側の一連のインク流路を通ってノズル開口14から記録ヘッド3の外部に排出するものである。
次に、記録ヘッド3の構成について説明する。例示した記録ヘッド3は、導入針ユニット15、ヘッドケース16、流路ユニット17、及び、振動子ユニット18等から概略構成されている。
導入針ユニット15は、例えば合成樹脂によって作製されており、図3に示すように、その上面には複数のカートリッジ装着部15´(液体貯留部材装着部の一種)が設けられている。各カートリッジ装着部15´には、インク流路内のインクを濾過するためのフィルタ19を介在させた状態でインク導入針21(本発明における液体導入柱状体に相当)が、先端を上方に突出させた状態でそれぞれ取り付けられている。また、これらのカートリッジ装着部15´には、各種インクを貯留したインクカートリッジ7が装着される。カートリッジ装着部15´にインクカートリッジ7を装着すると、インク導入針21がインクカートリッジ7の内部に挿入される。これにより、インクカートリッジ7の内部のインク貯留空間と記録ヘッド3内部のインク流路とが、インク導入針21の先端に穿設されたインク導入孔24(図9参照)を通じて連通し、インクカートリッジ7の内部に貯留されているインクがインク導入孔24を通じて記録ヘッド3内に導入される。なお、インクカートリッジ7とインク導入針21の詳細については後述する。
上記カートリッジ装着部15´とは反対側となる導入針ユニット15の下面とヘッドケース16の上面との間には、図2に示すように、回路基板25が取り付けられる。この回路基板25は、例えば圧電振動子26(図5参照)へ駆動信号を供給するための回路パターンや、プリンタ1本体側との接続のためのコネクタ等を備えている。そして、この回路基板25は、パッキンとして機能するシート部材27を介して導入針ユニット15に取り付けられる。
ヘッドケース16は、圧電振動子26を有する振動子ユニット18を収容するための中空箱体状の部材である。このヘッドケース16の内部には、振動子ユニット18を収容可能な収容空部28(図5参照)が形成されている。そして、振動子ユニット18は、この収容空部28内に収容され、収容空部28の内周面に接着等によって固定されている。そして、ヘッドケース16の導入針ユニット15の取付面とは反対側の先端面には、流路ユニット17が接着剤等により固定されている。この流路ユニット17は、流路形成基板29を間に挟んでノズルプレート30を流路形成基板29の一方の面側に配置し、振動板31をノズルプレート30とは反対側となる他方の面側に配置して積層した状態で接着剤等で接合して一体化することにより作製されている。
ノズルプレート30は、例えばステンレス製の薄板から作製された部材であり、このノズルプレート30には、プリンタ1のドット形成密度に対応したピッチで微細なノズル開口14が列状に形成されている。ヘッドカバー32は、例えば金属製の薄板部材によって作製されており、ノズルプレート30の外側からその周縁部を包囲するようにヘッドケース16の先端部に取り付けられる。このヘッドカバー32は、流路ユニット17やヘッドケース16の先端部を保護すると共に、ノズルプレート30の帯電を防止する機能を有する。
ノズルプレート30に接合される流路形成基板29は、図5に示すように、共通インク室33となる空部、インク供給口34となる連通部、及び、圧力室35となる空部を隔壁で区画した状態で各ノズル開口14に対応させて複数形成した板状の部材である。この流路形成基板29は、例えば、シリコンウェハをエッチング処理することによって作製される。上記の圧力室35は、ノズル開口14の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室33は、ヘッドケース16の高さ方向を貫通して形成されたヘッド流路37(液体流路の一種)を介してインク導入針21のインク導入路38(液体流路の一種。図9参照)と連通し、インクカートリッジ7に貯留されたインクが導入される室である。そして、この共通インク室33に導入されたインクは、インク供給口34を通じて各圧力室35に供給される。
流路形成基板29におけるノズルプレート30とは反対側となる他方の面側に接合される振動板31は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板31の圧力室35に対応する部分には、圧電振動子26の自由端部の先端を接合するための島部40が形成されており、この部分がダイヤフラム部として機能する。また、振動板31は、共通インク室33となる空部の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部としても機能する。このコンプライアンス部として機能する部分については弾性フィルムだけにしている。
上記の振動子ユニット18は、図5に示すように、圧力発生手段としての圧電振動子群41と、この圧電振動子群41が接合される固定板42と、圧電振動子群41に回路基板25からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル(図示せず)等から構成される。本実施形態の圧電振動子群41は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子26を備える。各圧電振動子26は、固定端部が固定板42上に接合され、自由端部が固定板42の先端面よりも外側に突出している。即ち、各圧電振動子26は、所謂片持ち梁の状態で固定板42上に取り付けられている。また、各圧電振動子26を支持する固定板42は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。なお、圧力発生手段としては、上記圧電振動子以外にも、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子等を用いることができる。
この記録ヘッド3は、圧電振動子26を素子長手方向に伸縮させると、島部40が圧力室35に近接する方向或いは離隔する方向に移動する。これにより、圧力室35の容積が変化し、圧力室35内のインクに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル開口14からインク滴(液滴の一種)が吐出される。
次に、上記インクカートリッジ7について説明する。図6はインクカートリッジの構成を説明する斜視図、図7はインクカートリッジの針挿入口部分の断面図、図8はインクカートリッジの弁体の斜視図である。
インクカートリッジ7は、本発明の液体貯留部材の一種として機能して記録ヘッド3に供給するインクを貯留する部材である。本実施形態のプリンタ1は、8種類のインク、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、マットブラック、フォトブラック、レッド、ブルー、及び、グロスオプティマイザ(クリア)からなる8色のインクを吐出可能に構成されており、記録ヘッド3には、各インクを個別に貯留した合計8つのインクカートリッジ7が装着される。
図6乃至図7に示すように、各インクカートリッジ7の底面部には、インク導入針21が挿入される針挿入口44(インクの流出口)を設けてある。針挿入口44のインク導入針21と対向する側には外部開口64が形成されており、その反対側には内部開口66が形成されている。この内部開口66を介して、針挿入口44は、インクカートリッジ7のインクが貯留されているインク貯留室(図示せず)に連通している。
シール部材45は針挿入口44内に圧入され、その中心部には、インク導入針21を受容可能な通孔68が形成されている。また、シール部材45の外周部には凸部70が形成されており、この凸部70が、針挿入口44の側壁に形成された凹部72と係合してシール部材45が針挿入口44内に固定される。このシール部材45の凸部70と針挿入口44に形成された凹部72とによって、シール部材45と針挿入口44とが液密に結合し、インクがシール部材45の外周部と針挿入口44の側壁との間から漏れ出すことを防いでいる。
シール部材45は、シリコンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム等のゴム材料、またはエラストマー材料等の弾性材料により構成される。またシール部材45の内周面のインク導入針21が接する領域には、インク導入針21の挿入を滑らかにするために、必要に応じてシリコーン樹脂やフッ素樹脂等がコーティングされた滑面層が形成されている。
シール部材45の内周部には、外部開口64から内部開口66の方向に向かってテーパ状に延び、インク導入針21をガイドする第1テーパ部74及び第2テーパ部76と、インク導入針21と嵌合する円筒状の嵌合部78とが形成されている。また、シール部材45の内部開口66側には、インク導入針の外径よりも小さい直径の襞部82が形成され、インク流路を与えている。この襞部82は、インク導入針21の挿入により拡開してインク導入針21の周囲と液密に嵌合する。
針挿入口44に固定されたシール部材45と内部開口66との間にはインク誘導室86が形成され、ここに弁体60が収容されている。インク誘導室86は、弁体60の一部と係合して、弁体60をシール部材45に対してほぼ垂直に移動可能にガイドする筒状の案内部88を有している。案内部88には通孔が形成されている。弁体60は圧縮バネ62によりシール部材45側に常時付勢され、シール部材45のインク流路を選択的に封止している。
図8に、弁体60の一実施例を示す。弁体60は、シール部材45のインク貯留室側の表面に弾接する弁体部90と、弁体がインク誘導室86に収容されたとき弁体部90を針挿入口44のシール部材45に対してほぼ垂直に移動可能にガイドするガイド部材92と、を有している。弁体部90は、弁体部90がシール部材45と弾接するときインク貯留室からのインクを封止する平板状の封止部94と、弁体60をシール部材45と弾接するよう付勢するバネを保持するバネ保持部96と、弁体部90が記録装置のインク導入針21に押圧されてシール部材45と距離を隔てたときインク貯留室からのインクを通過させるインク流路98と、を有す。ここで、インク流路98は、封止部94を切除して形成されている。ガイド部材92は、前記弁体部90に接続された軸100と、その軸100の自由端側に形成された抜止部102とを有す。抜止部102はインク誘導室86の案内部88内を移動可能な大きさで、通孔よりも大きい径を有す。
図7に戻り、弁体60の抜止部102は、インク誘導室86内に設けられた案内部88と係合して弁体部90をシール部材45に対してほぼ垂直に移動可能にガイドする。
ところで、いわゆるピエゾ型と呼ばれる記録ヘッド3は、圧電振動子等により圧力発生室を機械的に拡大させてインクをここに補給し、また圧縮してインク滴を吐出させる。このような記録ヘッド3に用いられるインクカートリッジにあっては、記録ヘッド3の圧力発生室に気泡が発生すると、インクを充分に加圧することができないため、インクの製造時に気泡をインクに溶解させて消滅させる必要がある。
そのため、この場合、インクカートリッジは、その製造工程においてインク貯留室が大気圧に対して最大マイナス1気圧(6033kg/平方メートル)程度に減圧された状態でインクが注入される。よって、バネ62は、インク貯留室が減圧にされた状態であっても、弁体60がシール部材45に弾接した状態を保つことができるようにその弾圧力が設定されている。
針挿入口44のインク貯留室側に形成された内部開口66は、弁体60が収容されているインク誘導室86よりも面積が広くなっている。そのため流路抵抗が減少し、十分な量の液状インクをインク導入針21に供給することが可能である。また、この内部開口66とインク貯留室との間にはフィルタ104が設けられている。よって、例えインク貯留室のインクに埃などが混入していても、フィルタ104によって除去され、記録ヘッド3には供給されない。さらに、フィルタ104は、内部開口66と実質的に同一の大きさなので、流路抵抗が減少すると共に目詰まりが起こりにくいという利点を有す。
外部開口64には封止部材の一種である封止フィルム46が接着されて封止されている。この封止フィルム46は、インクカートリッジ7の未使用時において、内部に貯留されたインクの漏れや蒸発を防止するためのシールであり、例えば、破断可能な薄手(例えば、厚み約39μm)のPP(ポリプロピレン)などの樹脂フィルムが好適に用いられ、後述するように、インクカートリッジ7の装着時においてインク導入針21により破断される。この封止フィルム46は圧延方向Y(図9(a)参照)に圧延されて形成されているため、かかる装着時には圧延方向Yに直交する方向(以下、「破断方向X」と称する(図9(a)参照))に沿って破断し易くなっている。すなわち、封止フィルム46が破断したときの破断部の形状は、円形状ではなく圧延方向Yよりも破断方向Xにより長く裂けた形状になる。なお、この封止フィルム46は、圧延されて形成されたものに限定されず、裂け易い方向が規定されていればよい。例えば、一方向にハーフカットされた封止フィルムを用いてもよい。
次に、インク導入針21について説明する。図9はインク導入針の構成を説明する図であり、(a)はインクカートリッジの針挿入口の平面図、(b)はインク導入針の平面図、(c)はインク導入針長手方向の断面図である。上記インクカートリッジ7に挿入される液体導入柱状体の一例であるインク導入針21は、図9(b)及び(c)に示すように、内部にインク導入路38(液体流路の一種)が形成された中空針であり、先端から基端側に向けて漸次拡径するテーパ部48を有する針状突起部23と、この針状突起部23に直線的に連続して形成された円筒状のストレート部51と、このストレート部51の下端からその下流側に向けて次第に拡径した状態で形成されたスカート状の拡径部52とにより構成され、上記先端側のテーパ部48には、外部空間とインク導入路38とを連通するインク導入孔24(本発明における液体導入孔の一種)が穿設されている。そして、インク導入針21は、拡径部52の下端開口をフィルタ19に対向させる状態で、例えば超音波溶着によって導入針ユニット15に取り付けられる(図3,4参照)。これにより、インク導入針21のインク導入路38とヘッドケース16側のヘッド流路37とが液密状態で連通し、拡径部52の下端開口の面積がその直下に配置されるフィルタ19の有効濾過面の面積となる。なお、このインク導入路38とヘッド流路37は、本発明における液体流路として機能する。
ストレート部51は、上記インクカートリッジ7内に挿入される中空円筒状の部材であり、その先端部分に形成された円錐形状の針状突起部23がインクカートリッジ7の装着時に、封止フィルム46を破いて針挿入口44に挿入し易いように構成されている。そして、この針状突起部23から外れた位置、具体的には針状突起部23の先端から傾斜に沿って少し下がった位置からテーパ部48の縁部に至る2本の溝部54が延設されている。そして、これらの溝部54は、図9(b)に示すように、各溝部54の長手方向がインクカートリッジ7の封止フィルム46の破断方向Xに沿っている。そして、これらの各溝部54内には、インク導入孔24が溝部54の全幅に渡って開口する状態で穿設されている。
次に、上記インクカートリッジ7のカートリッジ装着部15´への装着について説明する。図10及び図11はインクカートリッジのインク導入針(カートリッジ装着部)への装着について説明する断面図と矢視図である。
本実施形態におけるカートリッジ装着部15´には、図3、4に示したように、インク導入針21が上に向いて立設している。したがって、インクカートリッジ7をカートリッジ装着部15´に装着するにあたっては、図10(a)に示すように、針挿入口44を下側に向けた状態でインクカートリッジ7をカートリッジ装着部15´の上方から下方に向けて押し込む。この押し込みにより、針挿入口44の封止フィルム46が撓んでインク導入針21の先端側の外表面、即ち針状突起部23のテーパ部48の外表面に密着する状態になる。図10(b)は同図(a)のAA矢視図である。図示するように、インク導入針21の各溝部54はその長手方向が封止フィルム46の破断方向Xと一致している。この状態からインクカートリッジ7をインク導入針21側にある程度押し下げると、同図(c)に示すように、インク導入針21は、針状突起部23で封止フィルム46を破裂する。このとき、図10(d)に示すように、封止フィルム46は針状突起部23により破断方向Xに沿って破裂する。そしてこの封止フィルム46の破裂した部分(以下、「破断部46a」と称する。)の開口(以下、「開口部46b」と称する。)からは各溝部54の一部が開口部46bを臨んでいる。そして、図11(a)及び(b)に示すように、インクカートリッジ7がカートリッジ装着部15´に更に押し込まれて、破断部46aは圧延方向Yよりも破断方向Xがより広く開口し、各溝部54のより多くの部分が開口部46bを臨んでいる。
ここで、本実施形態のインク導入針21の先端においては、上記したように、各溝部54が針状突起部23の先端近傍からテーパ部48の縁部に至るまで延設されているので、インクカートリッジ7を装着する際に、針挿入口44の封止フィルム46が撓んでインク導入針21の針状突起部23のテーパ部48の外表面に密着する状態になっても、図10(a)の矢印で示すように、封止フィルム46とテーパ部48の外表面との間で圧縮された空気を、インク導入孔24を介してインク導入針21内に進入させることなく、各溝部54を通して封止フィルム46が密着していない外部、具体的にはテーパ部48とストレート部51との境界側から外部に流出させることができる。また、図10(c)、図11(a)の矢印で示すように、インクカートリッジ7の針挿入口44内の空気が封止フィルム46の湾曲により圧力が上昇しても、この昇圧した空気も前記溝部54を通って外部に排出される。詳言すると、図10(d)及び図11(b)に示したように針状突起部23による封止フィルム46の破断時においては、封止フィルム46の破断部46aは破断方向Xの長さが圧延方向Yの長さよりも広く破断している状態となる。これに対し、各溝部54はその長手方向が破断方向Xと一致しているため、各溝部54が破断部46aの開口部46bを介して針挿入口44内と連通する部分を大きく確保できるようになっている。これにより、インクカートリッジ7の針挿入口44内の空気が各溝部54に流入しやすくなり、インク導入針21の内部への空気の進入をより確実に抑制することができる。
以上に説明したように、インク導入針21の内部への空気の進入が抑制されるため、インク導入針21内(インク流路)に流入した気泡を外部へ排出するためのクリーニング動作の実行頻度を従来と比べて低減することができる。この結果、クリーニング動作に伴うインクの消費を少なくすることができる。
また、一度は使用したインクカートリッジ7を再度装着する場合も、その針挿入口44の破れた封止フィルム46が、テーパ部48に当接または摺動することで、封止フィルム46とテーパ部48との間で空気が圧縮されることも考えられるが、この場合も、上述したように、封止フィルム46とテーパ部48の外表面との間で圧縮された空気を各溝部54を通して外部に排出することができ、インク導入孔24を介してインク導入針21の内部に進入することを防止できる。この様に、インク導入針21の針状突起部23のテーパ部48の外表面に溝部54を設けると、インクカートリッジ7の使用・未使用を問わず、インクカートリッジ7の装着時に、インク導入針21内に気泡が進入することを抑制することができる。
さらに、上述したように、インクカートリッジ7の装着時に、インク導入針21内に気泡が進入することを抑制することができると、インク流路内に気泡が流入することによる吐出動作時の圧力欠損やインクの供給不足等の不具合の発生を低減できるだけでなく、多少の空気は予め脱気されているインクに溶けてしまうので、気泡を排出するためだけのクリーニング動作の実行を殆ど行わなくても支障がなくなる。
また、本実施形態のインク導入孔24は、各溝部54内に穿設されているので、インクカートリッジ7を装着する際に、封止フィルム46に直接密着することがない。したがって、インクカートリッジ7を装着する際に、封止フィルム46とテーパ部48の外表面との間の空気が、インク導入孔24に直接押し込まれる可能性を小さくでき、この空気をこのインク導入孔24が穿設された溝部54を通して外部に流出させることができる。このため、この空気がインク導入孔24からインク導入針21内に進入することをより一層抑制することができる。
最後に、図11(c)及び(d)に示すように、インクカートリッジ7をインク導入針21の根本まで押し込むと、インク導入針21は、封止フィルム46を破断すると共に、その針状突起部23のテーパ部48とストレート部51の一部とがインクカートリッジ7の内部に挿入される状態(インクカートリッジ7の装着状態)となり、ストレート部51がシール部材45の嵌合部78に嵌合すると共に、針状突起部23がシール部材45の襞部82を貫通した後、弁体60を押し開く。これにより、インク導入孔24を通じてインクカートリッジ7のインク貯留室とインク導入路38(インク流路)が連通し、記録ヘッド3の圧力室35側にインクが導入される。
ところで、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々変形が可能である。
上記の実施形態では、インク導入針21の各溝部54を、針状突起部23の先端近傍からテーパ部48の縁部に至るように延設した構成を例示したが、これに限らず、図12に示すように、各溝部54Aを、ストレート部51の外周面の途中まで連続して延設した構成としてもよい。
このように構成すると、インクカートリッジ7を装着する際に、図13に示すように、針挿入口44の封止フィルム46が、インク導入針21Aのテーパ部48の外表面全体とストレート部51の外周面の上部とに亘って密着することがあっても、封止フィルム46とテーパ部48の外表面との間の空気を、ストレート部51の外周面まで延設された各溝部54Aを通して確実に外部に流出させることができる。したがって、インクカートリッジ7の装着時に、封止フィルム46とテーパ部48の外表面との間の空気がインク導入孔24からインク導入針21A内に進入することをより一層確実に抑制することができる。
なお、本実施形態のストレート部51の外周面における各溝部54Aは、インクカートリッジ7の装着時に、シール部材45がストレート部51に当接する領域よりも先端(テーパ部48)側に形成する。これは、これらの溝部54が当該領域まで延在されると、インクカートリッジ7の装着時に、針挿入口44内を液密状態することができずインク漏れが発生してしまうからである。
また、本実施形態においては、封止フィルム46の破断方向Xに沿って計2つの溝部54が設けられていたが、これに限定されない。例えば図14(a)乃至(c)に示すように、計4本の溝部54がテーパ部48の外表面の周方向に90度等間隔、且つ、針状突起部23の先端を中心として放射状に配置されていてもよい。溝部54は、その長手方向が破断方向Xに沿うように、インク導入針21、21Aの先端に少なくとも一つ設けられていればよいからである。このように各溝部54を設けることにより、封止フィルム46とテーパ部48の外表面との間の空気がインク導入孔24からインク導入針21、21A内に侵入することを更に確実に抑制することができる。
また、インク導入孔24を溝部54内に穿設した構成を例示したが、これに限らず、溝部54内から外れたテーパ部48の外表面にインク導入孔24を穿設する構成を採用することもできる。例えば、図14(a)に示すように、インク導入孔24を各溝部54同士の間に穿設してもよい。また、針状突起部23と溝部54に関しても、上記各実施形態で例示した構成に限らず、同図(b)に示すように、各溝部54がインク導入針21の先端で連通するように形成してもよい。さらに、これらを組み合わせることで、同図(c)に示すように、各溝部54をインク導入針21の先端で連通するように形成し、インク導入孔24をこれらの各溝部54同士の間に穿設してもよい。要するに、本発明は、インクカートリッジ7の装着時に、封止フィルム46とテーパ部48との間の圧縮空気を、インク導入孔24に進入させることなく、溝部54を通してインク導入針21の外部に流出させることができ、且つ溝部54がインクカートリッジ7の封止フィルム46の破断方向Xに沿って延設されるものであれば、各溝部54やインク導入孔24の配置を適宜設定することができる。また、溝部54やインク導入孔24の数も同様に適宜設定することが可能である。
〈実施形態2〉
実施形態1では、液体導入柱状体として先端がテーパ状のインク導入針21、21Aについて説明したが、このような形状に限定されない。液体導入柱状体は、インクカートリッジ7の封止フィルム46を破断すると共に針挿入口44に挿通して、インクカートリッジ7内のインクをインク導入路38に導入可能な形状であればよい。従って、例えば、インクカートリッジ7の針挿入口44に向けて突出する突起部が設けられていてもよい。図15(a)はインクカートリッジの針挿入口の平面図、同図(b)はインク導入針の平面図、同図(c)は同図(b)のXX線断面図、同図(d)は同図(b)のYY線断面図である。以下、実施形態1に係るインクジェット式記録装置と同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
図示するように、インク導入針21Bの先端にはインクカートリッジ7の針挿入口44側に向けて突出する針状突起部23Bが形成されている。詳言すると、針状突起部23Bは、インクカートリッジ7の封止フィルム46の破断方向X(図15(b)及び(c)では左右方向)において、図15(c)に示すように、インク導入針21の針状突起部23Bの基端側に連続する肩部21aから中心に向かって盛り上がるように傾斜する傾斜面を有する一方、前記破断方向Xとは直交する圧延方向Y(図15(b)では上下方向、同図(d)では左右方向)において、図15(d)に示すように、インク導入針21の端部から中心に向かって盛り上がるように傾斜する傾斜面を有している。すなわち、針状突起部23Bは、破断方向Xの幅が圧延方向Yの幅よりも幅狭の形状となっており、その長手方向は破断方向Xと直交している。
次に、上記インクカートリッジ7のカートリッジ装着部15´への装着について説明する。図16(a)、(c)、図17(a)及び(c)はインクカートリッジのインク導入針(カートリッジ装着部)への装着について説明する断面図であり、図16(b)、(d)、図17(b)及び(d)はこれらの各断面図に対応するAA線矢視図である。
インクカートリッジ7をカートリッジ装着部15´に装着するにあたっては、図16(a)及び(b)に示すように、針挿入口44を下側に向けた状態でインクカートリッジ7をカートリッジ装着部15´の上方から下方に向けて押し込む。このとき、インク導入針21Bの針状突起部23Bはその長手方向が封止フィルム46の破断方向Xと直交している。この押し込みにより、針挿入口44の封止フィルム46が撓んで針状突起部23Bの先端部表面に密着する状態になる。一方、この封止フィルム46はインク導入針21Bの肩部21a及びストレート部51に対しては密着しておらず、このためインク導入針21Bの肩部21aと封止フィルム46との間には開空間110が形成されている。
この状態からインクカートリッジ7をインク導入針21側にある程度押し下げると、図16(c)乃至(d)に示すように、インク導入針21Bは、針状突起部23Bで封止フィルム46を破裂する。このとき、封止フィルム46は針状突起部23Bにより破断方向Xに沿って破裂し、その開口は破断方向Xに広く、圧延方向Yに狭くなっている。そして、図17(a)及び(b)に示すように、インクカートリッジ7がカートリッジ装着部15´に更に押し込まれると、破断部46aは破断方向Xにより広く開口している。
最後に、図17(c)及び(d)に示すように、インクカートリッジ7をインク導入針21Bの根本まで押し込むと、インク導入針21Bは、封止フィルム46を破断すると共に、その針状突起部23Bとストレート部51の一部とがインクカートリッジ7の内部に挿入される状態(インクカートリッジ7の装着状態)となり、ストレート部51がシール部材45の嵌合部78に嵌合すると共に、針状突起部23Bがシール部材45の襞部82を貫通した後、弁体60を押し開く。これにより、インク導入孔24を通じてインクカートリッジ7の内部とインク導入路38(インク流路)が連通し、記録ヘッド3の圧力室35側にインクが導入される。
ここで、インクカートリッジ7を装着する際に、針挿入口44の封止フィルム46が撓んでインク導入針21Bの針状突起部23Bの先端部表面に密着する状態になっても、封止フィルム46とインク導入針21Bの肩部21aとの間には開空間110が形成されているため、図16(a)の矢印で示すように、封止フィルム46と肩部21aの外表面との間で圧縮された空気を、インク導入孔24を介してインク導入針21内に進入させることなく、封止フィルム46が密着していない外部、具体的には肩部21aの周縁部とストレート部51との境界側から外部に流出させることができる。
また、図16(d)及び図17(b)に示したように、針状突起部23Bによる封止フィルム46の破断中においては、封止フィルム46の破断部46aは破断方向Xの長さが圧延方向Yの長さよりも広く破断している状態となる。これに対し、針状突起部23Bはその長手方向が破断方向Xと直交しているため、破断部46aの破断方向Xの端部近傍では開口部46bが確保され、インクカートリッジ7の針挿入口44内部はこの開口部46bを介してインク導入針21Bの肩部21aと封止フィルム46との間の開空間110に連通している。この結果、図16(c)及び図17(a)の矢印で示すように、開口部46bと開空間110とが針挿入口44内部の空気を外部へと排出する流路となる。特に本実施形態においては、針状突起部23Bの長手方向が破断方向Xと直交しているため、封止フィルム46の破断時において、開口部46bの開口面積を最も広く確保することができ、針挿入口44内部の空気を最も効率的に排出することが可能となっている。
このため、インクカートリッジ7の針挿入口44内の空気が封止フィルム46の湾曲により圧力が上昇しても、この昇圧した空気も開口部46bと開空間110とを通って外部に排出される。したがって、インクカートリッジ7を装着時に、インク導入針21Bの内部に気泡となる空気の進入を抑制することができる。そして、インク導入針21B内(インク流路)に流入した気泡を外部へ排出するためのクリーニング動作の実行頻度を従来と比べて低減することができる。この結果、クリーニング動作に伴うインクの消費を少なくすることができる。
〈他の実施形態〉
また、本発明に係る液体導入柱状体は、上記各実施形態のように、インク導入針21、21A、21Bの先端は針状突起部23であったり、針状突起部23Bであったり、何れもインクカートリッジ7側に向けて尖っていたが、このような形状に限定されない。例えばインク導入針は先端が封止フィルムに面接触する平面状に形成されたものであってもよい。このインク導入針の先端の平面部には、封止フィルムの破断方向に沿って延びる溝部が設けられ、この溝部は平面部の縁部に至っている。かかる構成のインク導入針がインクカートリッジに装着される際に、封止フィルムが平面部に密着しても、封止フィルムと平面部との間で圧縮された空気を、インク導入孔を介してインク導入針内に進入させることなく、溝部を通して外部へ流出させることができる。また、この溝部は、平面部からストレート部まで連続して延設されていてもよい。これにより、封止フィルムがインク導入針の平面部全体とストレート部の外周面の上部とに亘って密着することがあっても、封止フィルムと平面部との間の空気をストレート部の外周面まで延設された溝部を通して確実に外部へ流出させることができる。
また、このような平面部を有するインク導入針であっても、図14に示したインク導入針の先端と同様に、封止フィルムの破断方向Xに交差する方向に延びる溝部が更に設けられていてもよいし(図14(a)に相当)、複数の溝部が平面部の中心近傍で連通していてもよい(図14(b)、(c)に相当)。また、インク導入孔は、図14に示したインク導入針と同様に、溝部ではなく平面部に穿設してもよいし(図14(a)、(c)に相当)、ストレート部の外周面やストレート部に設けられた溝部内に設けられてもよい。
さらに、本発明は、上記各実施形態のようにインクカートリッジ7をキャリッジ4に装着するオンキャリッジタイプには限らず、インクカートリッジ7をプリンタ1の筐体側のカートリッジホルダ(液体貯留部材装着部の一種)に装着させてインク供給チューブを通じて記録ヘッド3側にインクを供給するオフキャリッジタイプに採用することも可能である。即ち、オフキャリッジタイプにおけるカートリッジホルダに取り付けられたインク導入針にも上述した各実施形態における構成を適用することが可能である。
以上は、液体噴射装置の一種であるプリンタ1を例に挙げて説明したが、本発明は液体導入針を有する他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタを製造するディスプレー製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーやFED(電界放出ディスプレー)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,極く少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
プリンタの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する平面図である。 記録ヘッドの内部構造を説明する断面図である。 記録ヘッドの内部構造を説明する部分断面図である。 インクカートリッジの構成を説明する斜視図である。 インクカートリッジの針挿入口部分の断面図である。 インクカートリッジの弁体の斜視図である。 針挿入口及びインク導入針の平面図並びにインク導入針の断面図である。 インクカートリッジのインク導入針への装着時の断面図と矢視図である。 インクカートリッジのインク導入針への装着時の断面図と矢視図である。 針挿入口及びインク導入針の平面図並びにインク導入針の断面図である。 空気が外部へ流出することを示すインク導入針の断面図である。 インク導入針の平面図である。 針挿入口及びインク導入針の平面図並びにインク導入針の断面図である。 インクカートリッジのインク導入針への装着時の断面図と矢視図である。 インクカートリッジのインク導入針への装着時の断面図と矢視図である。
符号の説明
1…プリンタ,2…記録媒体,3…記録ヘッド,4…キャリッジ,5…キャリッジ移動機構,6…紙送り機構,7…インクカートリッジ,8…タイミングベルト,9…パルスモータ,10…ガイドロッド,12…キャッピング機構,12´…キャップ部材,13…ポンプユニット,14…ノズル開口,15…導入針ユニット,15´…カートリッジ装着部,16…ヘッドケース,17…流路ユニット,18…振動子ユニット,19…フィルタ,21,21A,21B…インク導入針,23,23B…針状突起部,24…インク導入孔,25…回路基板,26…圧電振動子,27…シート部材,28…収容空部,29…流路形成基板,30…ノズルプレート,31…振動板,32…ヘッドカバー,33…共通インク室,34…インク供給口,35…圧力室,37…ヘッド流路,38…インク導入路,40…島部,41…圧電振動子群,42…固定板,44…針挿入口,45…シール部材,46…封止フィルム,48…テーパ部,51…ストレート部,52…拡径部,54,54A…溝部,60…弁体,110…開空間,X…破断方向

Claims (3)

  1. 内部に液体を貯留すると共に一方向に沿って破断する封止部材により当該液体の流出口が封止されている液体貯留部材が着脱可能に装着される液体貯留部材装着部と、
    装着された前記液体貯留部材の前記封止部材を破断すると共に、前記液体貯留部材の前記流出口に挿入された状態で前記液体貯留部材内の液体を液体導入孔から内部の液体流路内に導入する液体導入柱状体と、
    前記液体導入柱状体から導入された液体を、圧力発生手段の作動によってノズル開口から吐出可能な液体噴射ヘッドとを備え、
    前記液体導入柱状体の前記封止部材に臨む端面には、溝部が延設されており、
    前記液体導入孔は、前記溝部の底面に開口し
    前記溝部は、前記封止部材に臨む前記端面からこの端面に連続する前記液体導入柱状体の側面まで延設されていることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載する液体噴射装置において、
    前記液体導入柱状体は、先端から基端側に向けて漸次拡径するテーパ部を有する針状突起部を有し、
    前記封止部材に臨む端面は、前記針状突起部の表面であり、
    前記液体導入孔は、前記針状突起部に設けられた前記溝部の底面に開口していることを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項2に記載する液体噴射装置において、
    前記液体導入柱状体は、前記針状突起部に直線的に連続して形成されたストレート部を備え、
    前記溝部は、前記テーパ部から前記ストレート部まで延設されていることを特徴とする液体噴射装置。
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