JP2011049338A - 発光装置および光装置 - Google Patents

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靖之 別所
Takenori Goto
壮謙 後藤
Yoshiki Murayama
佳樹 村山
Masayuki Shono
昌幸 庄野
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Abstract

【課題】均一な明るさを有した状態でレーザ光の出射方向に沿って広がりを有する光源を容易に得ることが可能であり、かつ、簡易な構造でレーザ光の高出力化に伴う装置の冷却を行うことが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】この面発光型レーザ装置100(発光装置)は、A1方向に主たるレーザ光を出射するレーザアレイバー20と、レーザアレイバー20からA1方向に出射されたレーザ光をA1方向とは異なるC1方向に反射するための立ち上げミラー21と、レーザアレイバー20と立ち上げミラー21とを配置する放熱基台22とを各々が含む複数のレーザモジュール50を備える。そして、複数のレーザモジュール50の各々が、レーザアレイバー20からA1方向にレーザ光が出射されるように向きが揃えられた状態で、A1方向に沿って並べて配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、発光装置および光装置に関し、特に、半導体レーザ素子と反射部材とを含むレーザモジュールを備えた発光装置および光装置に関する。
従来、半導体レーザ素子と反射部材とを含むレーザモジュールを備えた発光装置などが知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
上記特許文献1には、板状のヒートシンクと、板状のヒートシンクの先端部領域の表面上にアレイ状に実装された複数の半導体レーザ素子(レーザ発光部)とを備えた半導体レーザアレイ(レーザモジュール)が集積化されたレーザ光源装置(発光装置)が開示されている。この特許文献1に記載のレーザ光源装置では、半導体レーザ素子が実装されていない領域(先端部領域に対するヒートシンクの根元部領域)におけるヒートシンクの上下面を接合領域として、個々の半導体レーザアレイがスペーサを介して上下方向(ヒートシンクの厚み方向)に積層されることによりスタック構造が形成されている。これにより、個々の半導体レーザアレイは、レーザ光の出射方向が同じ向きに揃えられた状態で、上下方向に積層されている。なお、レーザ光源装置の高出力化に伴って上下方向に積層されたヒートシンクおよびスペーサの内部には、冷却用の流体(たとえば水など)が流通可能に構成された流路が形成されている。
また、上記特許文献2には、複数の半導体レーザ素子(レーザ発光部)がアレイ状に実装されたレーザダイオードバー(半導体レーザアレイ)と、個々の半導体レーザ素子からのレーザ出射光に対応するようにアレイ状に配置されたミラー列(反射部材)とを備えたレーザモジュールが集積化された光源装置(発光装置)が開示されている。この特許文献2に記載の光源装置では、各々のレーザモジュールが、ミラー列を対称軸として互いに向き合って配置されている。また、対称軸となる直線状のミラー列が、レーザアレイの延びる方向に沿って一列に配置されている。これにより、この光源装置では、各々のレーザモジュールから出射された複数のレーザ光は、中央のミラー列によって全て同じ方向に反射されるように構成されている。また、同じ方向に反射された複数のレーザ光は、ミラー列の延びる方向に沿って直線的に延びた光源となるように構成されている。
また、上記特許文献3には、複数の半導体レーザ素子(レーザ発光部)がアレイ状に実装されたレーザビーム放出体(半導体レーザアレイ)と、レーザビーム放出体の延びる方向に沿って延びる細長形状のレフレクタ(略放物線形状に湾曲した内表面を有する反射部材)とを備えた光源部が複数形成された光源装置(発光装置)が開示されている。また、この特許文献3に記載の光源装置では、1つの光源部におけるレフレクタは、レーザビーム放出体の一対の共振器面の各々に対向して配置されている。これにより、レーザビーム放出体から出射されるレーザ光は、一対の共振器面の双方から各々のレフレクタに向けて反対方向に出射された後、各々のレフレクタにより反射されて全て同じ方向となった状態で外部に出射されるように構成されている。
特開2004−134797号公報 特表2003−516553号公報 特表2002−508536号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたレーザ光源装置では、複数の半導体レーザアレイを積層した方向(レーザ素子の厚み方向)に沿って広がりを有する光源が得られる一方、この方向と略直交するレーザ光の出射方向(レーザ素子の共振器方向)に沿って広がりを有するような光源が得られにくいという問題点がある。また、各々の半導体レーザアレイは、近接する半導体レーザアレイやヒートシンクおよびスペーサを介して放熱させる必要があるため、レーザ光源装置の高出力化に伴って複雑な冷却構造を設ける必要があるという問題点がある。
また、上記特許文献2に開示された光源装置では、ミラー列を対称軸としてレーザモジュール同志を互いに向かい合わせて配置しているため、向き合ったレーザダイオードバーからの複数のレーザ光が、1本の直線状に集中した状態で外部に向けて出射されると考えられる。このため、複数の発光点を有するレーザモジュールが集積化されているにも拘わらず、レーザ光の出射方向に沿って広がりを有する光源が得られにくいという問題点がある。
また、上記特許文献3に開示された光源装置では、レーザ光が、レーザビーム放出体の一対の共振器面の双方から各々のレフレクタに向けて出射された後、各々のレフレクタにより外部に向けて反射されるため、レーザ光の出射方向が二方向に分散される分、個々の光源部の明るさに規則性が得られにくいと考えられる。すなわち、レーザ光の出射方向が二方向に分散された光源部が集積化されたとしても、複数の光源の中に相対的に明るい領域と、相対的に暗い領域とが混在した状態の光源が得られると考えられる。したがって、均一な明るさを有する光源が得られにくいという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、均一な明るさを有した状態でレーザ光の出射方向に沿って広がりを有する光源を容易に得ることが可能であり、かつ、簡易な構造でレーザ光の高出力化に伴う装置の冷却を行うことが可能な発光装置および光装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による発光装置は、第1方向に主たるレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を第2方向に反射する反射部材と、半導体レーザ素子と反射部材とを配置する基台とを含むレーザモジュールを複数備え、複数のレーザモジュールは、各々の半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向が揃えられた状態で、第1方向に沿って並べて配置されている。
この発明の第1の局面による発光装置では、上記のように、第1方向に主たるレーザ光を出射する半導体レーザ素子と反射部材とを含む複数のレーザモジュールを、各々の半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向が揃えられた状態で配置することによって、全ての半導体レーザ素子から同じ第1方向にレーザ光が出射された状態で、これらのレーザ光が反射部材により第2方向に反射されるので、レーザ光の出射方向が揃う分、均一な明るさを有する光源を容易に得ることができる。
なお、本発明において、第1方向に主たるレーザ光を出射する半導体レーザ素子とは、レーザ素子の一対の共振器面(一般的に、光出射面および光反射面と呼ばれる)の各々から出射されるレーザ光のうちの光強度の大きいレーザ光が第1方向に出射される半導体レーザ素子のことを示す。すなわち、本発明における発光装置では、半導体レーザ素子から第1方向に出射されるレーザ光を用いて、発光装置の光源を得るように構成されている。
また、上記第1の局面による発光装置では、複数のレーザモジュールを、各々の半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向が揃えられた状態で第1方向に沿って並べて配置することによって、複数のレーザモジュールがレーザ光の出射方向である第1方向に沿って並べて配置される分、第1方向に沿って広がりを有する光源を容易に作り出すことができる。すなわち、複数のレーザモジュールを第1方向とは異なる方向(たとえばレーザ素子の厚み方向)に積層したり、出射方向を向かい合わせてレーザモジュールを配置したりする場合と異なり、複数のレーザモジュールの各々が第1方向に沿って列をなして配置されるので、レーザ光の出射方向である第1方向に沿って光源を容易に延ばすことができる。これにより、本発明の発光装置では、均一な明るさを有した状態でレーザ光の出射方向に沿って広がりを有する光源を容易に得ることができる。
また、上記第1の局面による発光装置では、複数のレーザモジュールを、第1方向に沿って並べて配置することによって、各々のレーザモジュールが1つのパッケージ部材(台座)などの表面上に平面的に並べられて配置されるので、各々のレーザモジュールからの発熱が基台を介してパッケージ部材に放熱される。これにより、簡易な構造によってレーザ光の高出力化に伴う発光装置の冷却を行うことができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、複数のレーザモジュールは、第1方向に沿って直列接続されている。このように構成すれば、第1方向に沿って配置された複数のレーザモジュールによって単一の電流経路を形成することができるので、発光装置の出力を容易に調整することができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、複数のレーザモジュールは、第1方向と交差する第3方向に沿って並べて配置されている。このように構成すれば、第1方向に沿って広がりを有する光源が得られた状態で、この光源が第1方向と交差する第3方向にも拡張されるので、平面的な広がりを有するとともに、面内方向において均一化された面状の光源を容易に得ることができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、半導体レーザ素子は、第1方向と交差する第3方向に沿って並べられた複数のレーザ発光部を有する。このように構成すれば、個々の半導体レーザ素子が第3方向にアレイ化されるので、第1方向に沿って延びる光源が第3方向に複数形成される分、面状の光源を容易に得ることができる。また、個々の半導体レーザ素子が第3方向にアレイ化されるので、個々のレーザモジュールを高出力化させることができる。この結果、発光装置をより高出力化させることができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、基台は、第1基台と、第1基台の表面上に接合される第2基台とを有し、半導体レーザ素子は、第2基台の第1基台とは反対側の表面上に接合されており、第1基台の表面は、第2基台から露出された領域を有している。このように構成すれば、第1方向に沿って隣り合うレーザモジュールにおいて、一方側のレーザモジュールにおける半導体レーザ素子を、第2基台から露出する第1基台の領域を介して、他方側のレーザモジュールにおける半導体レーザ素子と容易に電気的に接続させることができる。
この場合、好ましくは、第2基台の第1基台とは反対側の表面は、第1表面と、第1表面よりも第1基台側に形成された第2表面とを有し、半導体レーザ素子が、第1表面上に接合されるとともに、反射部材が、第2表面上に接合されている。このように構成すれば、たとえば、半導体レーザ素子をジャンクションダウン方式により第2基台の第1表面上に接合する場合に、ジャンクションアップ方式と比較して発光点が第1基台側により近付けられる場合にも反射部材を第1表面よりも第1基台側に形成された第2表面上に配置することができる。これにより、レーザ出射面から反射部材までの距離が小さくなり過ぎるのを抑制することができるので、レーザ出射光を反射部材により適切に反射させることができる。これにより、良好なビーム形状を有するレーザ光を得ることができる。
この発明の第2の局面による光装置は、第1方向に主たるレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を第2方向に反射する反射部材と、半導体レーザ素子と反射部材とを配置する基台とを有するレーザモジュールを複数含む光源を備え、複数のレーザモジュールは、各々の半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向が揃えられた状態で、第1方向に沿って並べて配置されている。
この発明の第2の局面による光装置では、上記のように、第1方向に主たるレーザ光を出射する半導体レーザ素子と反射部材とを含む複数のレーザモジュールを、各々の半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向が揃えられた状態で配置することによって、全ての半導体レーザ素子から同じ第1方向にレーザ光が出射された状態で、これらのレーザ光が反射部材により第2方向に反射されるので、レーザ光の出射方向が揃う分、均一な明るさを有する光源を得ることができる。
また、上記第2の局面による光装置では、複数のレーザモジュールを、各々の半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向が揃えられた状態で第1方向に沿って並べて配置することによって、複数のレーザモジュールがレーザ光の出射方向である第1方向に沿って並べて配置される分、第1方向に沿って広がりを有する光源を容易に作り出すことができる。すなわち、複数のレーザモジュールを第1方向とは異なる方向(たとえばレーザ素子の厚み方向)に積層したり、出射方向を向かい合わせてレーザモジュールを配置したりする場合と異なり、複数のレーザモジュールの各々が第1方向に沿って列をなして配置されるので、レーザ光の出射方向である第1方向に沿って光源を容易に延ばすことができる。これにより、本発明の光装置では、均一な明るさを有した状態でレーザ光の出射方向に沿って広がりを有する光源を容易に得ることができる。
また、上記第2の局面による光装置では、複数のレーザモジュールを、第1方向に沿って並べて配置することによって、各々のレーザモジュールが1つのパッケージ部材(台座)などの表面上に平面的に並べられて配置されるので、各々のレーザモジュールからの発熱が基台を介してパッケージ部材に放熱される。これにより、簡易な構造によってレーザ光の高出力化に伴う光装置の冷却を行うことができる。
本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置の構造を示した上面図である。 図1の1000−1000線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置を構成するレーザモジュールの構造を示した上面図である。 図3の1100−1100線に沿った断面図である。 図3の1200−1200線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置が搭載された一例によるプロジェクタ装置の構成図である。 本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置が搭載された他の例によるプロジェクタ装置の構成図である。 本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置が搭載された他の例によるプロジェクタ装置における制御部が時系列的に信号を発信する状態を示したタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態による面発光型レーザ装置を構成するレーザモジュールの構造を示した上面図である。 図9に示したレーザモジュールをB方向に沿って見た側面図である。 図9の2200−2200線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態による面発光型レーザ装置を構成するレーザモジュールの構造を示した上面図である。 図12の3100−3100線に沿った断面図である。 本発明の第4実施形態による面発光型レーザ装置を構成するレーザモジュールの構造を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置100の構造について説明する。なお、第1実施形態では、本発明の「発光装置」の一例である面発光型レーザ装置100に本発明を適用した場合について説明する。なお、図2は、図1の1000−1000線に沿った断面図であり、図4は、図3の1100−1100線に沿った断面図である。
本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置100は、図1に示すように、レーザ素子の共振器方向(A方向)およびレーザ素子の共振器方向と直交する幅方向(B方向)にそれぞれ約3cm以上約4cm以下の長さを有して略矩形状に形成されたパッケージ60の内部に、複数(12個)のレーザモジュール50が、マトリクス状(4個(A方向)×3個(B方向))に配置されて構成されている。
また、個々のレーザモジュール50は、図3に示すように、各々が約800μmの共振器長を有する5個の青紫色半導体レーザ素子10が横方向(B方向)に約400μmの間隔(ピッチ)を隔てて並べられたレーザアレイバー20と、レーザアレイバー20の端面20aから遠ざかる方向(A1方向)にほぼ近接した距離を隔てて配置されるとともに横方向(B方向)に延びる立ち上げミラー21とが、AuSn半田などの金属層からなる導電性接着層1(図4参照)を介してAlNなどの絶縁体からなる放熱基台(サブマウント)22上に固定されている。なお、青紫色半導体レーザ素子10および立ち上げミラー21は、それぞれ、本発明の「半導体レーザ素子」および「反射部材」の一例である。また、レーザアレイバー20は、本発明の「半導体レーザ素子」の一例である。また、レーザモジュール50は、A方向およびB方向にそれぞれ約2mmおよび約3mmの長さを有している。また、A方向およびB方向は、共に放熱基台22の上面と平行な方向である。
ここで、第1実施形態では、B方向に並ぶ5個の青紫色半導体レーザ素子10の各々は、レーザアレイバー20の端面20a側に形成された光出射面10aから主たるレーザ光がA1方向に向けて出射されるように構成されている。また、Al金属膜がコーティングされた立ち上げミラー21の平坦な反射面21aは、A1方向(C1方向)に対して約45°の傾斜角度を有するように形成されている。したがって、A1方向に出射された5本のレーザ光は、反射面21aによって、A1方向およびB方向と略直交するC1方向(図4参照)に反射されて外部に出射されるように構成されている。なお、A1方向、C1方向およびB方向は、それぞれ、本発明の「第1方向」、「第2方向」および「第3方向」の一例である。
また、第1実施形態では、図1および図2に示すように、面発光型レーザ装置100をA方向に沿って見た場合、複数(4個)のレーザモジュール50は、各々のレーザモジュール50を構成するレーザアレイバー20がレーザ光の出射方向が全て同じ方向(A1方向)に揃えられた状態で、A1方向に沿って略直線状に並べられて配置されている。したがって、各レーザモジュール50においては、レーザアレイバー20から発せられる5つの光源によりB方向に略直線的に延びた線状の光源が形成される。さらに、各レーザモジュール50がA方向に約3mmの間隔(ピッチ)で4個配置されることにより、線状の光源がA方向に略等間隔で形成されるので、面発光型レーザ装置100としては、A方向およびB方向に面状に広がりを有した光源を形成するように構成されている。
また、第1実施形態では、面発光型レーザ装置100をB方向に沿って見た場合、A方向に4個並ぶレーザモジュール50の列が、B方向に約4mmの間隔(ピッチ)で並べられている。すなわち、A方向に直線状に並ぶ4個のレーザモジュール50からなる1つのレーザモジュール列51(図1の破線枠内)が、B方向に沿って3列配置されている。これにより、面発光型レーザ装置100としては、合計12個のレーザモジュール50を用いて、より大きな平面積を用いた面状の光源を形成するように構成されている。
ここで、各レーザモジュール50を構成するレーザアレイバー20の詳細について説明する。すなわち、図5に示すように、レーザアレイバー20を構成する5つの青紫色半導体レーザ素子10の各々は、共通に用いられる約100μmの厚みを有するn型GaN基板11の上面上に、Siドープのn型AlGaNからなるn型クラッド層12、In組成の高いInGaNからなる量子井戸層とIn組成の低いInGaNからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層13、および、Mgドープのp型AlGaNからなるp型クラッド層14が形成されている。
なお、各々のレーザ素子のn型クラッド層12と活性層13との間に、光ガイド層やキャリアブロック層などの他の半導体層が形成されていてもよい。また、活性層13は、単層または単一量子井戸(SQW)構造などにより構成されてもよい。また、各々のレーザ素子の活性層13とp型クラッド層14との間に、光ガイド層やキャリアブロック層などが形成されていてもよい。
また、各々のp型クラッド層14には、図面に対して垂直な方向(図3のA方向)に沿って延びる約6μmの幅を有するリッジ(凸部)15が形成されることにより導波路構造が形成されている。また、各々のp型クラッド層14のリッジ15以外の上面と、p型クラッド層14から活性層13およびn型クラッド層12の両側面と、レーザ素子同志を分離するためにレーザ素子間のn型GaN基板11の部分に設けられた溝部11aの表面とを連続して覆うSiOからなる電流ブロック層16が形成されている。
また、各々のp型クラッド層14のリッジ15および電流ブロック層16の上面上には、Auなどからなるp側パッド電極17が形成されている。なお、各々のレーザ素子のp型クラッド層14とp側パッド電極17との間にコンタクト層を設けてもよい。この場合、コンタクト層は、p型クラッド層14よりもバンドギャップが小さい半導体からなるのが好ましい。
また、図5に示すように、n型GaN基板11の下面上の略全領域には、n型GaN基板11に近い側から順に、Al層、Pt層およびAu層の順に積層されたn側電極18が形成されている。また、図4に示すように、各々の青紫色半導体レーザ素子10の光出射面10aには、低反射率の誘電体多層膜が形成されているとともに、光反射面10bには、高反射率の誘電体多層膜が形成されている。
第1実施形態では、図5に示すように、上記したレーザ素子構造を有するレーザアレイバー20のn側電極18と、放熱基台22の表面上に形成された電極層23とが、導電性接着層1を介して接合されている。すなわち、レーザアレイバー20は、ジャンクションアップ方式により放熱基台22上に接合されている。
また、第1実施形態では、図1に示すように、面発光型レーザ装置100は、パッケージ60と電気的に絶縁されるとともにパッケージ60の側壁部60aを貫通するリード端子61(アノード側端子)と、パッケージ60と導通するリード端子62(カソード側端子)とを備えている。そして、図2に示すように、A方向に直線状に並ぶ4個のレーザモジュール50は、リード端子61およびリード端子62(図1参照)との間で電気的に直列に接続されている。ここで、リード端子61は、レーザアレイバー20中の半導体レーザ素子が並ぶ方向(B方向)と平行な方向であり、かつ、最もA2側に位置するレーザモジュール50のA2側に近接して配置される。また、リード端子62は、リード端子61と平行(B方向)で、かつ、パッケージ60に対して対称な位置のパッケージ60の側壁に設けられている。
具体的には、図3に示すように、まず、リード端子61(図1参照)に接続された5本の金属線71a〜71eが、リード端子61に最も近いA2側のレーザモジュール50の5個の青紫色半導体レーザ素子10の各々のp側パッド電極17にワイヤボンディングされている。そして、レーザアレイバー20(図4参照)のn側電極18(図4参照)と導通する電極層23(図4参照)のうちの、立ち上げミラー21を挟んでレーザアレイバー20と反対方向(A1方向)の露出する領域(A1方向の端部近傍領域)に接続された5本の金属線71f〜71jが、A1方向に隣接する次のレーザモジュール50の5個の青紫色半導体レーザ素子10の各々のp側パッド電極17にワイヤボンディングされている。そして、この金属線71f〜71jの接続がさらにA1方向に2回繰り返された後、最後に、最もA1側に配置されたレーザモジュール50の電極層23(図4参照)に接続された5本の金属線71k〜71oが、パッケージ60にワイヤボンディングされてリード端子61に接続されている。なお、B方向に並ぶ残り2組のレーザモジュール列51(図1の破線枠内)についても、それぞれ、リード端子61およびリード端子62(図1参照)との間で電気的に直列に接続されている。したがって、B方向に並ぶ3つのレーザモジュール列51は、リード端子間において互いに電気的に並列に接続されている。
また、図2に示すように、各レーザモジュール50は、放熱基台22の下面が接着層(図示せす)によりパッケージ60の底面60b上に接合されている。また、パッケージ60のレーザモジュール50と対向するC1側の下面には、各レーザモジュール50からのレーザ光を透過するガラスなどの材料からなる取り出し窓63が取り付けられている。また、パッケージ60と取り出し窓63とによって、パッケージ60の内部はドライエアーなどにより気密封止されている。このようにして、本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置100が構成されている。
次に、図6〜図8を参照して、本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置が搭載されたプロジェクタ装置150および170の構成について説明する。
まず、図6を参照して、本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置が搭載された本発明の「光装置」の一例であるプロジェクタ装置150について説明する。なお、プロジェクタ装置150では、プロジェクタ装置を構成する個々の面発光型レーザ装置が略同時に点灯される例について説明する。
プロジェクタ装置150は、図6に示すように、互いに別々のパッケージに設けられた面発光型レーザ装置151、152および153と、光学系160とを備えている。また、面発光型レーザ装置151は、赤色半導体レーザ素子からなるレーザアレイバーが実装されるとともに、面発光型レーザ装置152には、緑色半導体レーザ素子からなるレーザアレイバーが実装されている。また、面発光型レーザ装置153には、青色半導体レーザ素子からなるレーザアレイバーが実装されている。これにより、3つの面発光型レーザ装置からのRGB3色のレーザ光が、光学系160により変調された後、外部に設けられたスクリーン167などに投影されるように構成されている。なお、面発光型レーザ装置151、152および153は、本発明の「光源」の一例である。
また、光学系160において、面発光型レーザ装置151から出射された赤色レーザ光は、コリメータレンズ161aにより所定のビーム径を有する平行光に変換された後、入射側偏光板162aを介して液晶パネル163aに入射される。この液晶パネル163aは、赤色用の駆動信号(R画像信号)に応じて駆動されることにより赤色光を変調する。
同様に、面発光型レーザ装置152から出射された緑色レーザ光は、コリメータレンズ161bにより所定のビーム径を有する平行光に変換された後、入射側偏光板162bを介して液晶パネル163bに入射される。この液晶パネル163bは、緑色用の駆動信号(G画像信号)に応じて駆動されることにより緑色光を変調する。また、面発光型レーザ装置153から出射された青色レーザ光は、コリメータレンズ161cにより所定のビーム径を有する平行光に変換された後、入射側偏光板162cを介して液晶パネル163cに入射される。この液晶パネル163cは、青色用の駆動信号(B画像信号)に応じて駆動されることにより青色光を変調する。
その後、液晶パネル163a、163bおよび163cによって変調された赤色光、緑色光および青色光は、ダイクロイックプリズム164により合成された後、出射側偏光板165を介して投写レンズ166へと入射される。また、投写レンズ166は、投写光を被投写面(スクリーン167)上に結像させるためのレンズ群と、レンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写画像のズームおよびフォーカスを調整するためのアクチュエータを内蔵している。
また、プロジェクタ装置150では、制御部145によって面発光型レーザ装置151の駆動に関するR信号、面発光型レーザ装置152の駆動に関するG信号および面発光型レーザ装置153の駆動に関するB信号としての定常的な電圧が、各レーザ装置に供給されるように制御される。これによって、面発光型レーザ装置151〜153は、それぞれ、実質的に同時に発振されるように構成されている。また、制御部145によって面発光型レーザ装置151〜153の各々の光の強度を制御することによって、スクリーン167に投写される画素の色相や輝度などが制御されるように構成されている。これにより、制御部145によって所望の画像がスクリーン167に投写される。このようにして、本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置が搭載されたプロジェクタ装置150が構成されている。
次に、図7および図8を参照して、本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置が搭載された本発明の「光装置」の他の例であるプロジェクタ装置170について説明する。なお、プロジェクタ装置170では、プロジェクタ装置を構成する個々の面発光型レーザ装置が時系列的に点灯される例について説明する。
プロジェクタ装置170は、図7に示すように、互いに別々のパッケージに設けられた面発光型レーザ装置151、152および153と、光学系180と、面発光型レーザ装置151〜153および光学系180を制御する制御部195とを備えている。これにより、3つの面発光型レーザ装置からのRGB3色のレーザ光が、光学系180により変調された後、外部に設けられたスクリーン196などに投影されるように構成されている。
また、光学系180において、面発光型レーザ装置151から出射された赤色レーザ光は、コリメータレンズ181aにより所定のビーム径を有する平行光に変換された後、ダイクロイックミラー182aに入射される。同様に、面発光型レーザ装置152から出射された緑色レーザ光は、コリメータレンズ181bにより所定のビーム径を有する平行光に変換された後、ダイクロイックミラー182bに入射される。また、面発光型レーザ装置153から出射された青色レーザ光は、コリメータレンズ181cにより所定のビーム径を有する平行光に変換された後、ダイクロイックミラー182cに入射される。
そして、ダイクロイックミラー182a〜182cによって反射されたRGB3色のレーザ光が、1つの集光レンズ183によって集められた後、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)素子184に入射される。
DMD素子184は、マトリクス状に配置された微小なミラー群からなる。また、DMD素子184は、各画素位置の光の反射方向を、投写レンズ185に向かう第1の方向と投写レンズ185から逸れる第2の方向とに切り替えることにより各画素の階調を表現(変調)する機能を有している。各画素位置に入射されるレーザ光のうち第1の方向に反射された光(ON光)は、投写レンズ185に入射されて被投写面(スクリーン196)に投写される。また、DMD素子184によって第2の方向に反射された光(OFF光)は、投写レンズ185には入射されずに光吸収体(図示せず)によって吸収される。
また、プロジェクタ装置170では、制御部195によりパルス電源が面発光型レーザ装置151〜153の各々のに供給されるように制御されることによって、3つの面発光型レーザ装置は、それぞれ、時系列的に分割されて1素子ずつ周期的に駆動されるように構成されている。また、制御部195によって、光学系180のDMD素子184は、3つの面発光型レーザ装置の各々の駆動状態と同期しながら、各画素(R、GおよびB)の階調に合わせて光を変調するように構成されている。
具体的には、図8に示すように、面発光型レーザ装置151(図7参照)の駆動に関するR信号、面発光型レーザ装置152(図7参照)の駆動に関するG信号、および面発光型レーザ装置153(図7参照)の駆動に関するB信号が、それぞれ互いに重ならないように時系列的に分割された状態で、制御部195(図7参照)によって、面発光型レーザ装置151〜153の各々に供給される。また、このB信号、G信号およびR信号に同期して、制御部195からB画像信号、G画像信号、R画像信号がそれぞれDMD素子184に出力される。
これにより、図8に示したタイミングチャートにおけるB信号に基づいて、面発光型レーザ装置153の青色光が発光されるとともに、このタイミングで、B画像信号に基づいて、DMD素子184により青色光が変調される。また、B信号の次に出力されるG信号に基づいて、面発光型レーザ装置152の緑色光が発光されるとともに、このタイミングで、G画像信号に基づいて、DMD素子184により緑色光が変調される。さらに、G信号の次に出力されるR信号に基づいて、面発光型レーザ装置151の赤色光が発光されるとともに、このタイミングで、R画像信号に基づいて、DMD素子184により赤色光が変調される。その後、R信号の次に出力されるB信号に基づいて、面発光型レーザ装置153の青色光が発光されるとともに、このタイミングで、再度、B画像信号に基づいて、DMD素子184により青色光が変調される。上記の動作が繰り返されることによって、B画像信号、G画像信号およびR画像信号に基づいたレーザ光照射による画像が、被投写面(スクリーン196)に投写される。このようにして、本発明の第1実施形態による面発光型レーザ装置が搭載されたプロジェクタ装置170が構成されている。
第1実施形態では、上記のように、パッケージ60の内部に、A1方向に主たるレーザ光を出射するレーザアレイバー20と立ち上げミラー21とを各々が含む4個のレーザモジュール50を、レーザアレイバー20からA1方向にレーザ光が出射されるように向きが揃えられた状態で配置することによって、全てのレーザアレイバー20から同じA1方向にレーザ光が出射された状態で、これらのレーザ光が立ち上げミラー21によりC1方向に反射されるので、レーザ光の出射方向が揃う分、均一な明るさを有する光源を得ることができる。また、パッケージ60の内部に、A1方向にレーザ光が出射されるように向きが揃えられた状態のレーザモジュール50を、A1方向に沿って4個並べて配置することによって、4個のレーザモジュール50がレーザ光の出射方向であるA1方向に沿って並べて配置される分、A1方向に沿って広がりを有する光源を容易に作り出すことができる。すなわち、複数のレーザモジュール50をA1方向とは異なる方向(たとえばレーザ素子の厚み方向)に積層したり、出射方向を向かい合わせてレーザモジュール50を配置したりする場合と異なり、複数(4個)のレーザモジュール50の各々がA1方向に沿って列をなして配置されるので、レーザ光の出射方向であるA1方向に沿って光源を容易に延ばすことができる。これにより、面発光型レーザ装置100では、均一な明るさを有した状態でレーザ光の出射方向に沿って広がりを有する光源を容易に得ることができる。
また、第1実施形態では、複数のレーザモジュール50を、A1方向に沿って並べて配置することによって、各々のレーザモジュール50が1つのパッケージ60の底面60b上に平面的に並べられて配置されるので、各々のレーザモジュール50(レーザアレイバー20)からの発熱が放熱基台22を介してパッケージ60に放熱される。これにより、簡易な構造によってレーザ光の高出力化に伴う発熱に対して容易に面発光型レーザ装置100の冷却を行うことができる。
また、第1実施形態では、1つのレーザモジュール列51(A1方向に並ぶ4個のレーザモジュール50)の各々を、リード端子61および62間において直列接続することによって、1つのレーザモジュール列51によって単一の電流経路を形成することができるので、面発光型レーザ装置100の出力を容易に調整することができる。
また、第1実施形態では、A方向に沿って直線状に並ぶ4個のレーザモジュール50からなる1つのレーザモジュール列51を、A1方向と直交するB方向に沿って3列配置することによって、A1方向に沿って面状の光源が得られた状態で、この光源がB方向にも拡張されるので、A方向およびB方向に平面的な広がりを有するとともに、面内方向において均一化された面状の光源を容易に得ることができる。
また、第1実施形態では、リード端子61および62間において、レーザモジュール列51(A1方向に並ぶ4個のレーザモジュール50)の各々を並列接続することによって、個々のレーザモジュール列51に接続されるレーザモジュール50の数を増やす場合においても、レーザモジュール列51の数(並列接続の本数)を適宜調整することにより、個々のレーザモジュール列51に加わる駆動電圧の増加を抑制することができる。
また、第1実施形態では、各々のレーザアレイバー20が、5個の青紫色半導体レーザ素子10をB方向に沿って並べることにより複数のレーザ発光部を有することによって、各々のレーザアレイバー20がB方向にアレイ化されるので、面発光型レーザ装置100として面状の光源を容易に得ることができる。また、各々のレーザアレイバー20が、B方向にアレイ化されるので、個々のレーザモジュール50を高出力化させることができる。この結果、面発光型レーザ装置100をより高出力化させることができる。
また、第1実施形態では、複数のレーザモジュール50がパッケージ60の内部に平面的に配置されるとともに、各々のレーザモジュール50を構成する放熱基台22の下面が放熱基台22の下面と略平行なパッケージ60の底面60b上に接合されていることによって、レーザアレイバー20の発熱を、放熱基台22を介してパッケージ60に容易に放熱させることができる。すなわち、簡易な構造によって面発光型レーザ装置100を効率よく冷却することができる。
また、第1実施形態では、パッケージ60のレーザモジュール50と対向するC1側の下面に取り出し窓63を設けるとともに、パッケージ60と取り出し窓63とによりパッケージ60の内部を気密封止することによって、各々のレーザモジュール50からC1方向に出射されたレーザ光を取り出し窓63を介して効率よく外部に取り出すことができるとともに、気密封止によって面発光型レーザ装置100の長寿命化を図ることができる。
(第2実施形態)
図1および図9〜図11を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態による面発光型レーザ装置200では、上記第1実施形態と異なり、段差部26aが設けられた放熱基台26を用いてレーザアレイバー20および立ち上げミラー21を固定する場合について説明する。なお、図10は、図9のレーザモジュール50の側面図であり、図11は、図9の2200−2200線に沿った断面図である。
本発明の第2実施形態における面発光型レーザ装置200(図1参照)は、図9に示したレーザモジュール250が、パッケージ60内にマトリクス状(4個(A方向)×3個(B方向)=12個)に配置されている。また、個々のレーザモジュール250は、図10に示すように、レーザアレイバー20と立ち上げミラー21とが、AlNなどからなる放熱基台(サブマウント)26に導電性接着層1を介して固定された状態で、放熱基台26が電極層27を介してAlNなどからなる放熱基台(サブマウント)25上に固定されている。なお、放熱基台25および26は、それぞれ、本発明の「第1基台」および「第2基台」の一例である。
ここで、第2実施形態では、図11に示すように、レーザアレイバー20がジャンクションダウン方式により放熱基台26の上段面26b(図10参照)に接合されている。また、立ち上げミラー21は、図10に示すように、段差部26aにより放熱基台25側に一段下げられた下段面26cに接合されている。したがって、個々の青紫色半導体レーザ素子10の発光点(活性層13の位置)が放熱基台26の上段面26bに近付けられる分、立ち上げミラー21の固定位置を下方向に下げているので、レーザ出射光を適切に反射させて上方向に出射させることが可能に構成されている。なお、上段面26bおよび下段面26cは、それぞれ、本発明の「第1表面」および「第2表面」の一例である。
また、第2実施形態では、図9および図10に示すように、放熱基台25と放熱基台26とは、放熱基台25の上面上の略全面に形成された電極層27を介して接合されている。したがって、レーザアレイバー20のp側パッド電極17(図10参照)と導通する電極層23にワイヤボンディングされた金属線72が、この電極層27に接続されている。なお、レーザアレイバー20が複数(5個)の青紫色半導体レーザ素子10を有するので、金属線72は、レーザアレイバー20への供給電流の大きさを考慮して6本(図9参照)設けられている。
また、第2実施形態では、放熱基台25の表面は、放熱基台26から露出された領域25aを有している。したがって、個々のレーザモジュール250において、放熱基台25の上面上に形成された電極層27のうちの放熱基台26から露出する領域27a(領域25aに対応する電極層27の部分)において、5本の金属線71f〜71jがワイヤボンディングされている。そして、この金属線71f〜71jが、A1方向に隣接する次のレーザモジュール250に接続されるように構成されている。したがって、第2実施形態では、リード端子61(図1参照)がカソード側端子であり、リード端子62(図1参照)がアノード側端子となるように構成されている。なお、領域25aは、本発明の「第2基台から露出された領域」の一例である。
なお、第2実施形態における面発光型レーザ装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、放熱基台26が、段差部26aと、段差部26aの放熱基台25とは反対側に形成された上段面26bと、段差部26aの上段面26bよりも放熱基台25側に形成された下段面26cとを有し、各々のレーザモジュール250を、レーザアレイバー20が、放熱基台26の上段面26b上に接合されるとともに、立ち上げミラー21が、下段面26c上に接合することによって、レーザアレイバー20をジャンクションダウン方式により放熱基台26の上段面26b上に接合する場合であっても、上記第1実施形態のようにジャンクションアップ方式と比較して発光点(活性層13)が放熱基台25側により近付けられるのに対応して、立ち上げミラー21を上段面26bよりも放熱基台25側(C2側)に形成された下段面26c上に配置することができる。すなわち、レーザ出射面(光出射面10a)から立ち上げミラー21(反射面21a)までのA方向の距離を適宜確保することができるので、レーザ出射光をC1方向に適切に反射させることができる。これにより、良好なビーム形状を有するレーザ光を得ることができる。
また、第2実施形態では、放熱基台25の表面が、放熱基台26から露出された領域25aを有することによって、A1方向に沿って隣り合うレーザモジュール250において、A2側のレーザモジュール250におけるレーザアレイバー20(p側パッド電極17)を、放熱基台26から露出する放熱基台25の領域25aに設けられた電極層27(領域27a)を介して、A1側に隣接するレーザアレイバー20(n側電極18)と容易に電気的に接続させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図1、図12および図13を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態による面発光型レーザ装置300では、上記第2実施形態と異なり、放熱基台(サブマウント)30の内部に、上面30aおよび下面30bを貫通する導通領域31が設けられている場合について説明する。なお、放熱基台30は、本発明の「第2基台」の一例である。なお、図13は、図12の3100−3100線に沿った断面図である。
本発明の第3実施形態における面発光型レーザ装置300は、図12に示したレーザモジュール350が、パッケージ60(図1参照)内にマトリクス状に配置されている。また、個々のレーザモジュール350は、図13に示すように、レーザアレイバー20と立ち上げミラー21とが、セラミックスなどの絶縁体からなる放熱基台30に導電性接着層1を介して固定された状態で、放熱基台30が電極層27を介して放熱基台25上に固定されている。
ここで、第3実施形態では、図13に示すように、放熱基台30の内部に、上面30aおよび下面30bを貫通するW(タングステン)からなる導通領域31が形成されている。これにより、レーザアレイバー20のp側パッド電極17と導通する導通領域31が、放熱基台25の上面上に形成された電極層27と電気的に接続されている。なお、第3実施形態における面発光型レーザ装置300のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
第3実施形態では、上記のように、放熱基台30の内部に上面30aおよび下面30bを貫通する導通領域31を形成することによって、上記第2実施形態のように6本の金属線72などを用いることなくレーザアレイバー20のp側パッド電極17と放熱基台25の上面上に形成された電極層27とを接続することができるので、その分、面発光型レーザ装置300の製造プロセスを簡素化させることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図1および図14を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態による面発光型レーザ装置400では、上記第1実施形態と異なり、立ち上げミラーの役割を担う立ち上げミラー部40aが一体的に形成された放熱基台(サブマウント)40を用いる場合について説明する。なお、立ち上げミラー部40aは、本発明の「反射部材」の一例である。
本発明の第4実施形態における面発光型レーザ装置400は、図14に示したレーザモジュール450が、パッケージ60(図1参照)内にマトリクス状に配置されて構成されている。
ここで、第4実施形態では、レーザアレイバー20は、立ち上げミラー部40aが一体的に形成された放熱基台40の上面上に固定されている。また、立ち上げミラー部40aには、Al金属膜がコーティングされた反射面41aが形成されている。なお、第4実施形態における面発光型レーザ装置400のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第4実施形態では、上記のように、放熱基台40に立ち上げミラー部40aを一体的に形成することによって、上記第1〜第3実施形態のように、別部材である立ち上げミラー21などを放熱基台上に接合する必要がないので、その分、面発光型レーザ装置400の製造プロセスを簡素化させることができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、パッケージ60の内部に、レーザモジュール50(250、350、450)を4列×3列のマトリクス状に配置した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、レーザモジュールを千鳥配列をなすように配置してもよい。このように構成すれば、面内方向における光源(点)の密度をマトリクス配置の場合よりもより均一化することができるので、より一層均一な明るさを有する光源を得ることができる。
また、上記第1〜第4実施形態では、レーザモジュール50(250、350、450)を4列(A方向)×3列(B方向)のマトリクス状に配置した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、レーザモジュールを4列×3列以外のマトリクス状に配置してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、個々のレーザアレイバー20を、5個の青紫色半導体レーザ素子10をアレイ化して構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、個々のレーザアレイバー20を、5個以外の個数の半導体レーザ素子をアレイ化して構成してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、個々のレーザアレイバー20を、5個の青紫色半導体レーザ素子10をアレイ化して構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明の「レーザモジュール」が、1つのレーザ発光部からなる半導体レーザ素子により構成されていてもよい。このように構成しても、均一な明るさを有した状態でレーザ光の出射方向に沿って広がりを有する光源を容易に得ることができる。
また、上記第1〜第4実施形態では、立ち上げミラー21の反射面21aを、A1方向(C1方向)に対して約45°の傾斜角度を有するように形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、反射面21aを、45°以外の傾斜角度を有するように形成してもよい。また、反射面21aは、平坦ではなく、所定の曲面形状を有していてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、導電性接着層1がAuSn半田からなる例について示したが、本発明はこれに限られず、導電性接着層は、Au、Sn、In、Pb、Ge、Ag、CuまたはSiなどの半田材料またはその合金材料からなるように構成してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、レーザアレイバー20の基板としてn型GaN基板を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、n型GaN基板以外の、たとえば、n型GaAs基板やGaP基板やSi基板などの他の基板を用いてもよい。
10 青紫色半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
20 レーザアレイバー(半導体レーザ素子)
21 立ち上げミラー(反射部材)
22、40 放熱基台
25 放熱基台(第1基台)
25a 領域(第2基台から露出された領域)
26、30 放熱基台(第2基台)
26a 段差部
26b 上段面(第1表面)
26c 下段面(第2表面)
40a 立ち上げミラー部(反射部材)
50 レーザモジュール
100、151、152、153 面発光型レーザ装置(光源)

Claims (7)

  1. 第1方向に主たるレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を第2方向に反射する反射部材と、前記半導体レーザ素子と前記反射部材とを配置する基台とを含むレーザモジュールを複数備え、
    複数の前記レーザモジュールは、各々の前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向が揃えられた状態で、前記第1方向に沿って並べて配置されている、発光装置。
  2. 複数の前記レーザモジュールは、前記第1方向に沿って直列接続されている、請求項1に記載の発光装置。
  3. 複数の前記レーザモジュールは、前記第1方向と交差する第3方向に沿って並べて配置されている、請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記半導体レーザ素子は、前記第1方向と交差する第3方向に沿って並べられた複数のレーザ発光部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記基台は、第1基台と、前記第1基台の表面上に接合される第2基台とを有し、
    前記半導体レーザ素子は、前記第2基台の前記第1基台とは反対側の表面上に接合されており、
    前記第1基台の表面は、前記第2基台から露出された領域を有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記第2基台の前記第1基台とは反対側の表面は、第1表面と、前記第1表面よりも前記第1基台側に形成された第2表面とを有し、
    前記半導体レーザ素子が、前記第1表面上に接合されるとともに、前記反射部材が、前記第2表面上に接合されている、請求項5に記載の発光装置。
  7. 第1方向に主たるレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を第2方向に反射する反射部材と、前記半導体レーザ素子と前記反射部材とを配置する基台とを有するレーザモジュールを複数含む光源を備え、
    複数の前記レーザモジュールは、各々の前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向が揃えられた状態で、前記第1方向に沿って並べて配置されている、光装置。
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