JP2011049300A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアのライフタイム制御機能を実現しながらリーク電流を低減することができる半導体装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、アノード領域6とカソード領域2とドリフト領域4を備えている。ドリフト領域4には、ドリフト領域4の中間深さD2より浅い位置と深い位置の両者に複数の結晶欠陥が形成されている。ドリフト領域4内に形成されている結晶欠陥には、バンドギャップの中心からのエネルギー差が0.2eV未満の領域内に形成されている結晶欠陥を終端処理することにより生じるトラップ準位の結晶欠陥が含まれている。バンドギャップの中心からのエネルギー差が0.2eV未満の領域内に形成されている結晶欠陥を終端処理することにより生じるトラップ準位の結晶欠陥は、リーク電流に対する依存性が弱い。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置とその製造方法に関する。特に、シリコン基板内にキャリアのライフタイムを制御するための結晶欠陥が形成されている半導体装置とその製造方法に関する。
半導体装置の製造過程において、シリコン基板内に結晶欠陥を形成することによって、シリコン基板内におけるキャリアのライフタイムを制御する技術が知られている。この技術では、シリコン基板内に形成された結晶欠陥によって、キャリアの再結合が促進されてキャリアのライフタイムが短縮される。なお、結晶欠陥とは、シリコン基板の結晶構造に乱れを生じさせるものを意味し、格子欠陥、即ち、シリコン原子の一部が欠落した空孔や格子位置から外れたシリコン原子である格子間シリコンだけでなく、不純物原子や不純物原子と格子欠陥との複合体や集合体をも含む意味である。
特許文献1に、キャリアのライフタイム制御機能を実現できるダイオードの製造方法が開示されている。この製造方法では、シリコン基板の表面に臨む範囲にアノード領域を形成する。次に、シリコン基板の裏面に臨む範囲にカソード領域を形成する。アノード領域とカソード領域の間にはドリフト領域が形成される。次に、シリコン基板の表面からヘリウムイオンを照射し、ドリフト領域の中間深さより浅い位置に結晶欠陥を形成する。次に、シリコン基板の裏面からヘリウムイオンを照射し、ドリフト領域の中間深さより深い位置に結晶欠陥を形成する。この製造方法によると、シリコン基板の中間深さより浅い位置と深い位置の両者に結晶欠陥が形成されるため、良好なスイッチング機能を確保することができる。
特開平8−102545号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ドリフト領域内に形成されている結晶欠陥の量が多くなると、半導体装置に逆方向電圧を印加したときに、結晶欠陥に起因するリーク電流が増加する。一方で、リーク電流を低減するためにドリフト領域内に形成されている結晶欠陥の量を低減させると、ドリフト領域内でキャリアの再結合が促進されなくなる。このため、キャリアのライフタイム制御機能を実現することができない。
上記の課題に鑑み、本発明は、キャリアのライフタイム制御機能を実現しながらリーク電流を低減することができる半導体装置を提供することを目的とする。また、そのような半導体装置を製造する方法を提供することをも目的とする。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決するため、ダイオードのドリフト領域内に形成されている結晶欠陥とその結晶欠陥に起因するリーク電流の関係を検討した。その結果、下記のことが判明した。
図12に、ドリフト領域内に形成されている結晶欠陥のバンドギャップの中心からのエネルギー差とリーク電流の関係を表すグラフを示す。ここでいうバンドギャップの中心からのエネルギー差とは、結晶欠陥が形成されているトラップ準位のエネルギーと、バンドギャップの中心位置のエネルギーとの間のエネルギー差をいう。図12において、横軸は、ドリフト領域内に形成されている結晶欠陥のバンドギャップの中心からのエネルギー差Egap(eV)を示す。縦軸は、ドリフト領域内に形成されている結晶欠陥によって生じるリーク電流を規格化した電流値Ileak(A)を示す。バンドギャップの中心からのエネルギー差Egapは、結晶欠陥のトラップ準位の深さが浅くなるにつれて増加する。図12に示すように、バンドギャップの中心からのエネルギー差Egapが減少するにつれて、即ち、結晶欠陥のトラップ準位の深さが深くなるにつれて、リーク電流の電流値Ileakは増加する。特に、バンドギャップの中心からのエネルギー差Egapが0.2eVを境界としてリーク電流Ileakが急激に増加する。以下の説明では、バンドギャップの中心からのエネルギー差が0.2eV未満のトラップ準位を、深いトラップ準位という。また、バンドギャップの中心からのエネルギー差が0.2eV以上のトラップ準位を、浅いトラップ準位という。図12のグラフから、リーク電流の電流値Ileakは深いトラップ準位の結晶欠陥に対する依存性が強いことが分かる。
図13に、各トラップ準位の結晶欠陥の密度とその結晶欠陥に起因するリーク電流の関係を表すグラフを示す。図13において、横軸は、各トラップ準位の結晶欠陥の密度Nt(cm−3)を示しており、図の左側から右側に向かって結晶欠陥の密度Ntが増加している。縦軸は、リーク電流を規格化した電流値Ileak(A)を示す。図13に示すように、深いトラップ準位では、結晶欠陥の密度Ntが増加するにつれてリーク電流の電流値Ileakが増加する。これに対し、浅いトラップ準位の結晶欠陥では、結晶欠陥の密度が増加してもリーク電流の電流値Ileakの増加率は低い。従って、リーク電流の電流値Ileakは、浅いトラップ準位の結晶欠陥の密度に比して深いトラップ準位の結晶欠陥の密度に対する依存性が強いことが分かる。
図14に、各トラップ準位の結晶欠陥の密度と順方向電圧の関係を表すグラフを示す。半導体装置では、キャリアのライフタイムが短縮するにつれて順方向電圧が増加する。このため、順方向電圧を測定することによってキャリアのライフタイム制御機能を確認することができる。図14において、横軸は、各トラップ準位の結晶欠陥の密度Nt(cm−3)であり、図の左側から右側に向かって結晶欠陥の密度Ntが増加することを示す。縦軸は順方向電圧を規格化した電圧Vf(V)を示す。図14に示すように、結晶欠陥の密度Ntが増加するにつれて順方向電圧Vfが増加する。ここで図14のグラフでは、深いトラップ準位の結晶欠陥と浅いトラップ準位の結晶欠陥の両者において、結晶欠陥の密度Ntが増加するにつれて順方向電圧Vfが増加している。従って、順方向電圧Vfは、結晶欠陥の密度Ntに対する依存性が強く、結晶欠陥が形成されているトラップ準位に対する依存性が弱いことがわかる。
図12〜図14のグラフより、結晶欠陥の量を変えることなく浅いトラップ準位の結晶欠陥を多くする一方で深いトラップ準位の結晶欠陥を少なくすることによって、順方向電圧Vfを変化させることなくリーク電流の電流値Ileakを低減できることが分かる。換言すれば、キャリアのライフタイム制御機能を低下させることなくリーク電流の電流値Ileakを低減できることが分かる。なお、このような傾向はダイオードに限定されるものではなく、ライフタイム制御機能を有する全ての半導体装置に対して見られる傾向である。
本発明は、上記の知見から得られた。すなわち、本発明は、キャリアのライフタイム制御機能を実現しながらリーク電流を低減することができる半導体装置とその製造方法を実現した。
本発明は、シリコン基板内にキャリアのライフタイムを制御するための結晶欠陥が形成されている半導体装置に関する。本発明の半導体装置は、第1領域と、第2領域と、第3領域を備えている。第1領域は、第1導電型であり、シリコン基板の表面に臨む範囲に形成されている。第2領域は、第2導電型であり、シリコン基板の裏面に臨む範囲に形成されている。第3領域は、シリコン基板内の第1領域と第2領域の間に形成されている。第3領域には、その中間深さより浅い位置と深い位置の両者に結晶欠陥が形成されている。なお、本明細書でいう第3領域の中間深さとは、第1領域の下端に対応する深さと第2領域の上端に対応する深さの中間の深さをいう。第3領域内に形成されている結晶欠陥には、バンドギャップの中心からのエネルギー差が0.2eV未満の領域内に形成されている結晶欠陥を終端処理することにより生じるトラップ準位の結晶欠陥が含まれている。
深いトラップ準位の結晶欠陥は、終端処理することにより浅いトラップ準位の結晶欠陥にシフトする。即ち、深いトラップ準位の結晶欠陥が終端処理されると、深いトラップ準位の結晶欠陥が減少し、浅いトラップ準位の結晶欠陥が形成される。本発明の半導体装置では、第3領域に、深いトラップ準位の結晶欠陥を終端処理することにより生じる浅いトラップ準位の結晶欠陥が含まれている。リーク電流に対する依存性が強い深いトラップ準位の結晶欠陥が終端処理により減少しているため、リーク電流が低減される。一方で、終端処理の前後で結晶欠陥の量は変化せず、第3領域内にはリーク電流に対する依存性が弱い浅いトラップ準位の結晶欠陥が増加している。また、第3領域の中間深さより浅い位置と深い位置の両者に結晶欠陥が形成されている。このため、キャリアのライフタイム制御機能を実現することができる。なお、終端処理により生じる浅いトラップ準位の結晶欠陥は検出することができる。また、終端処理により生じる浅いトラップ準位の結晶欠陥は、他の浅いトラップ準位の結晶欠陥と区別することができる。
本発明の半導体装置では、第3領域の中間深さより浅い位置に形成されている結晶欠陥の量は、第3領域の中間深さより深い位置に形成されている結晶欠陥の量よりも多いことが好ましい。また、第3領域に形成されている結晶欠陥の深さ方向の密度分布が、第3領域の中間深さより浅い位置にピークを有していることが好ましい。第1導電型の第1領域と第2導電型の第2領域の境界近傍における第3領域の中間深さより浅い位置に結晶欠陥が多く形成されているため、良好なキャリアのライフタイム制御機能を実現することができる。
本発明の半導体装置では、第3領域に形成されている結晶欠陥が電子線照射によって形成されていることが好ましい。この場合、第3領域の結晶欠陥の深さ方向の密度分布は、第3領域の中間深さより深い位置から第2領域の上端に対応する深さにおいて略一定となる。この結果、良好な破壊耐量特性を確保することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、シリコン基板内にキャリアのライフタイムを制御するための結晶欠陥が配置されている半導体装置を製造する方法に関する。本方法は、第1結晶欠陥形成工程と、第2結晶欠陥形成工程と、終端処理工程を備えている。第1結晶欠陥形成工程では、シリコン基板に対して第1の粒子線照射を行うことによってシリコン基板内に第1の結晶欠陥を形成する。第2結晶欠陥形成工程では、シリコン基板に対して第2の粒子線照射を行うことによって、シリコン基板内に第2の結晶欠陥を形成する。終端処理工程では、第1結晶欠陥形成工程と第2結晶欠陥形成工程によって形成された第1及び第2の結晶欠陥に含まれるバンドギャップの中心からのエネルギー差が0.2eV未満の領域内に形成されている結晶欠陥を終端処理する。
本方法では、第1結晶欠陥形成工程と第2結晶欠陥形成工程という2つの結晶欠陥形成工程を実施することで、シリコン基板内の深さ方向の広い範囲に多数の結晶欠陥を形成することができる。終端処理工程では、深いトラップ準位の結晶欠陥を終端処理することによって深いトラップ準位の結晶欠陥を浅いトラップ準位の結晶欠陥にシフトさせることができる。これによって、本方法で製造された半導体装置は、リーク電流に対する依存性が強い深い準位の結晶欠陥を減少させることができ、リーク電流を低減させることができる。一方で、終端処理工程後もリーク電流に対する依存性が弱い浅いトラップ準位の結晶欠陥がシリコン基板内に多数残存しているために、キャリアのライフタイム制御機能を実現することができる。
本発明によると、キャリアのライフタイム制御機能を実現しながらリーク電流を低減することができる半導体装置とその製造方法を提供することができる。
(a)は、第1実施例である半導体装置100の断面図を示す。(b)は、半導体装置100の結晶欠陥の分布を表すグラフを示す。 半導体装置100を製造する方法の工程(1)を示す。 半導体装置100を製造する方法の工程(2)を示す。 半導体装置100を製造する方法の工程(3)を示す。 (a)は、終端処理前における結晶欠陥14a近傍のシリコン原子の結合状態を表す模式的に示している。(b)は、終端処理後における結晶欠陥14a近傍のシリコン原子の結合状態を表す模式的に示している。 (a)は、終端処理前におけるシリコン基板内のバンドギャップ間を模式的に示している。(b)は、終端処理後におけるシリコン基板内のバンドギャップ間の模式的に示している。 (a)は、第2実施例である半導体装置200の断面図を示す。(b)は、半導体装置200の結晶欠陥の分布を表すグラフを示す。 半導体装置200を製造する方法の工程(1)を示す。 半導体装置200を製造する方法の工程(2)を示す。 半導体装置200を製造する方法の工程(3)を示す。 (a)は、第3実施例である半導体装置300の断面図を示す。(b)は、半導体装置300の結晶欠陥の分布を表すグラフを示す。 トラップ準位のバンドギャップの中心位置からのエネルギー差とリーク電流の関係を表すグラフを示す。 トラップ準位の密度とリーク電流の関係を表すグラフを示す。 トラップ準位の密度と順方向電圧の関係を表すグラフを示す。 従来の半導体装置におけるトラップ準位とトラップ準位における結晶欠陥の密度の関係を表すDLTS法測定結果を示す。 本発明の半導体装置におけるトラップ準位とトラップ準位における結晶欠陥の密度の関係を表すDLTS法測定結果を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(形態1)第3領域内に形成されている結晶欠陥では、深いトラップ準位の結晶欠陥の量が、浅いトラップ準位の結晶欠陥の量よりも少ない。
(形態2)第1及び第2結晶欠陥工程では、シリコン基板に対して水素イオン又は電子線を照射する。終端処理工程では、照射した水素イオンを熱処理する。
(形態3)第1結晶欠陥形成工程では、シリコン基板の表面から水素イオンを照射する。第2結晶欠陥形成工程では、シリコン基板の表面又は裏面から電子線を照射する。
(形態4)第1結晶欠陥形成工程では、シリコン基板の表面から水素イオンを照射する。第2結晶欠陥形成工程では、シリコン基板の裏面から水素イオンを照射する。
(形態5)第1及び第2結晶欠陥形成工程において水素イオン又は電子線を加速照射するときに、結晶欠陥を形成する位置に応じて加速エネルギーを調整する。
(形態6)第1及び第2結晶欠陥形成工程において水素イオンを加速照射するときに、結晶欠陥を形成する位置に応じてアブソーバーの厚みを調整する。
(第1実施例)
図1(a)に、第1実施例の半導体装置100の断面図を示す。
図1(a)に示すように、半導体装置100はPINダイオードである。半導体装置100は、シリコン基板8の表面に形成されているアノード電極10と、シリコン基板8の裏面に形成されているカソード電極12を備えている。シリコン基板8内には、アノード領域6と、カソード領域2と、ドリフト領域4が形成されている。アノード領域6は、p型であり、シリコン基板8の表面8aに臨む範囲の一部に形成されている。カソード領域2は、n型であり、シリコン基板8の裏面に臨む範囲に形成されている。ドリフト領域4は、i型であり、シリコン基板8内のアノード領域6とカソード領域2の間に形成されている。ドリフト領域4内には、ドリフト領域4の中間深さD2より浅い位置と深い位置の両者に、図示しない結晶欠陥が形成されている。なお、ドリフト領域6の中間深さD2は、アノード領域6の下端に対応する深さD1とカソード領域2の上端に対応する深さD3の中間の深さをいう。結晶欠陥は、バンドギャップ内の各トラップ準位に形成されている。ドリフト領域6の中間深さD2より浅い位置に形成されている結晶欠陥の量は、ドリフト領域4の中間深さD2より深い位置に形成されている結晶欠陥の量よりも多い。ドリフト領域4内に形成されている結晶欠陥には、深いトラップ準位に形成されている結晶欠陥を水素終端処理することによる生じるトラップ準位の結晶欠陥が含まれている。
次に、図1(a)の半導体装置100のドリフト領域4内に形成されている結晶欠陥の深さ方向の密度分布を表すグラフを、図1(b)を参照して説明する。図1(b)のグラフは、シリコン基板8の深さ方向に沿った結晶欠陥の密度分布を示している。グラフの横軸は、結晶欠陥の密度を示している。グラフの縦軸は、シリコン基板8の深さを示しており、図1(a)の半導体装置100の断面図と対応している。参照符号16は、後述する製造過程において、シリコン基板8の表面からヘリウムイオンを照射したときに形成される結晶欠陥の分布を示している。参照符号14は、後述する製造過程において、シリコン基板8の裏面から電子線を照射したときに形成される結晶欠陥の分布を示している。ドリフト領域4内に形成されている結晶欠陥は、ドリフト領域4の中間深さD2より浅い位置に1つのピークP1を有している。一方で、ドリフト領域4内に形成されている結晶欠陥は、ドリフト領域4の中間深さD2より深い位置からカソード領域2の上端に対応する深さD3において略一定となっている。
ドリフト領域4内に形成されている結晶欠陥の量及び結晶欠陥の種類は、例えばDLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)法によって、シリコン基板8の深さ方向に沿って分析することができる。なお、深いトラップ準位の結晶欠陥が終端処理されると、浅いトラップ準位の結晶欠陥が形成される。終端処理により生じる浅いトラップ準位の結晶欠陥は、特定のトラップ準位を有する結晶欠陥を含んでおり、その特定のトラップ準位を有する結晶欠陥は、終端処理前には形成されていない。このため、DLTS法を利用することによって、終端処理により生じる浅いトラップ準位の結晶欠陥が検出されると、半導体装置に終端処理が行われたのか否かを判断することができる。図15、16に、DLTS法による測定結果を示す。図15は、ライフタイム制御機能を有する半導体装置の水素終端処理前における、トラップ準位Etと各トラップ準位における結晶欠陥の密度Ntの関係の一例を示す。図16は、ライフタイム制御機能を有する半導体装置の水素終端処理後における、トラップ準位Etと各トラップ準位における結晶欠陥の密度Ntの関係の一例を示す。図15、16において、横軸はバンドギャップ間に形成されているトラップ準位Etを示しており、図の左側から右側に向かうにつれてバンドギャップの中心に近くなっている。縦軸は各トラップ準位における結晶欠陥の密度Ntを示しており、図の下側から上側に向かうにつれて結晶欠陥の密度Ntが増加している。図示Nt_dは、深いトラップ準位Et_dの結晶欠陥の密度を示している。図示Nt_sは、浅いトラップ準位Et_sの結晶欠陥の密度を示している。図16のNtHは、浅いトラップ準位Et_sの結晶欠陥のうち水素終端処理により生じる特定のトラップ準位EtHの結晶欠陥の密度を示している。結晶欠陥の密度Ntは結晶欠陥の量に比例する。なお、図15、16に示すように、DLTS法では測定結果が連続する値となるが、図に示すピークの位置にのみトラップ準位Etおよび結晶欠陥が存在しており、他の部分にはトラップ準位Et及び結晶欠陥は存在しない。
図15に示すように、従来の半導体装置では、深いトラップ準位Et_dの結晶欠陥の密度Nt_dが、浅いトラップ準位Et_sの結晶欠陥の密度Nt_sよりも充分に大きいことが分かる。これに対し、図16に示すように、本実施例の半導体装置100では、深いトラップ準位Et_dの結晶欠陥の密度Nt_dが、浅いトラップ準位Et_sの結晶欠陥のうち水素終端処理により生じるトラップ準位EtHの結晶欠陥の密度NtHよりも小さいことが分かる。図15において、図16のトラップ準位EtHの位置に対応する位置にはトラップ準位が形成されていない。図15における深いトラップ準位Et_dの結晶欠陥が終端されることにより、浅いトラップ準位Et_sにトラップ準位EtHの結晶欠陥が生じる。
ここで、図1に示す半導体装置100では以下の式(1)〜式(3)が成立する。
式(1) ΣNt1>ΣNt2
式(2) ΣNt1_s>ΣNt1_d
式(3) ΣNt2_s>ΣNt2_d
上記のΣNt1は、ドリフト領域6の中間深さD2より浅い位置に形成されている結晶欠陥の量を示している。ΣNt2は、ドリフト領域6の中間深さD2より深い位置に形成されている結晶欠陥の量を示している。ΣNt1_sは、ドリフト領域6の中間深さD2より浅い位置に形成されている結晶欠陥のうち浅いトラップ準位の結晶欠陥の量を示している。ΣNt1_dは、ドリフト領域6の中間深さD2より浅い位置に形成されている結晶欠陥のうち深いトラップ準位の結晶欠陥の量を示している。ΣNt2_sは、ドリフト領域6の中間深さD2より深い位置に形成されている結晶欠陥のうち浅いトラップ準位の結晶欠陥の量を示している。ΣNt2_dは、ドリフト領域6の中間深さD2より深い位置に形成されている結晶欠陥のうち深いトラップ準位の結晶欠陥の量を示している。
式(1)は、ドリフト領域6の中間深さD2より浅い位置に形成されている結晶欠陥の量が、ドリフト領域6の中間深さD2より深い位置に形成されている結晶欠陥の量よりも多いことを示している。式(2)は、ドリフト領域6の中間深さD2より浅い位置に形成されている結晶欠陥のうち、深いトラップ準位の結晶欠陥の量が、浅いトラップ準位の結晶欠陥の量よりも少ないことを示している。式(3)は、ドリフト領域6の中間深さD2より深い位置に形成されている結晶欠陥のうち、深いトラップ準位の結晶欠陥の量が、浅いトラップ準位の結晶欠陥の量よりも少ないことを示している。
本実施例の半導体装置100では、ドリフト領域4内の、深いトラップ準位Et_dの結晶欠陥が水素終端処理することにより浅いトラップ準位の結晶欠陥にシフトされている。リーク電流に対する依存性が強い深いトラップ準位の結晶欠陥が水素終端処理によって減少しているため、リーク電流が低減される。一方で、ドリフト領域4内のリーク電流に対する依存性が弱い浅いトラップ準位Et_sの結晶欠陥は終端処理により増加しており、ドリフト領域4の中間深さD2より深い位置にも結晶欠陥が形成されているために、キャリアのライフタイム制御機能を実現することができる。
さらに、半導体装置100では、ドリフト領域4内に形成されている結晶欠陥は、ドリフト領域4の中間深さD2より深い位置からカソード領域2の上端に対応する深さD3において略一定となっている。このため、良好な破壊耐量特性を確保することができる。このような結晶欠陥の略一定の密度分布は、後述するように、例えばシリコン基板8に対して電子線を照射することによって実現することができる。
また、シリコン基板8内に結晶欠陥が配置されている半導体装置では、一般的に高温環境になるにつれてリーク電流が増加する傾向が見られるが、半導体装置100では、深いトラップ準位Et_dの結晶欠陥の量が少ないために、高温環境であってもリーク電流が低減される。
次に、図2〜図4を参照にして、半導体装置100を製造する方法を説明する。まず、n型のシリコン基板8を準備する。次に、図2に示すように、シリコン基板8の裏面8bからリンなどのn型不純物を注入して熱拡散させることによって、シリコン基板8の裏面8bに臨む範囲にn型のカソード領域2を形成する。次に、シリコン基板8の表面8aからボロンなどのp型不純物を注入して熱拡散させることによって、シリコン基板8の表面に臨む範囲の一部にp型のアノード領域6を形成する。シリコン基板8内のカソード領域2とアノード領域6が形成されていない領域は、i型のドリフト領域4となる。
次に、図3に示すように、シリコン基板8の表面8aに、アノード領域6と接するアノード電極10を形成する。次に、シリコン基板8の表面8aから水素イオン12を加速照射する。これによって、ドリフト領域4内に水素イオン12の照射に起因する結晶欠陥20aが形成される。結晶欠陥20aは、ドリフト領域4の中間深さD2より浅い位置にピークP1を有する分布で形成される。次に、シリコン基板8の表面8a又は裏面8bから電子線24を照射する。これによって、ドリフト領域4内の深さ方向に略一定の密度分布で電子線24の照射に起因する結晶欠陥22が形成される。電子線24の照射に起因する結晶欠陥22はドリフト領域4内に略一定の密度分布で形成されるため、電子線24の照射は、シリコン基板8の表面8aから行ってもよいし、シリコン基板8の裏面8bから行ってもよい。
次に、図4に示すように、シリコン基板8内に照射した水素イオン12を熱処理する。熱処理の条件として、例えば、水素雰囲気又は窒素雰囲気で処理温度を350℃〜450℃とすることができる。他の熱処理条件として、窒素雰囲気で波長0.2μm〜1.5μmの赤外線ランプで加熱してもよい。熱処理されることによって水素イオン12がシリコン基板8内に拡散する。拡散した水素イオン12が結晶欠陥20aに移動すると、結晶欠陥20aが終端処理される。なお、電子線24の照射に起因する結晶欠陥22は、浅いトラップ準位の結晶欠陥が多く含まれているため終端処理され難い。このため以下では、結晶欠陥20a、22のうち、水素イオン12の照射に起因する結晶欠陥20aのみが水素イオン12で終端処理されるものとして説明する。参照符号20bは、結晶欠陥20aが水素イオン12で終端処理されることにより生じる結晶欠陥を示す。次に、シリコン基板8の裏面8bに、カソード領域2に接するカソード電極16を形成する。以上の工程によって、図1に示す半導体装置100が完成する。
図5の(a)に、終端処理前における、結晶欠陥20a近傍の珪素原子26の結合状態を模式的に示す。破線25は珪素原子26の未結合手を示している。図5の(b)に、終端処理後における、結晶欠陥20a近傍の珪素原子26の結合状態を模式的に示す。図5の(b)に示すように、水素イオン12が結晶欠陥20aに移動することによって、未結合手25に水素イオン12が結合して結晶欠陥20aが終端処理される。参照符号28は、珪素原子26と結合した水素イオンを示している。これによって、結晶欠陥20aは水素終端処理により生じる結晶欠陥20bに変化する。
図6の(a)に、終端処理前における、バンドギャップ間を模式的に示す。図6の(a)において、Ecは伝導帯を示している。Evは荷電子帯を示している。Eiはバンドギャップの中心を示す。参照符号Etは各々のトラップ準位を示している。図6の(b)に、終端処理後における、バンドギャップ間を模式的に示す。図6(a)、(b)において、各トラップ準位Et内の破線は、各トラップ準位に形成されている結晶欠陥を示している。図6(a)に示すように、終端処理前では、浅いトラップ準位Et_sと深いトラップ準位Et_dの両者に結晶欠陥が含まれている。図6の(b)に示すように、終端処理後では、深いトラップ準位Et_dの結晶欠陥20aが水素で終端処理されることによって、浅いトラップ準位Et_sに水素終端処理により生じるトラップ準位EtHの結晶欠陥が形成され、深いトラップ準位Et_dの結晶欠陥が消滅する。
第1実施例の製造方法では、シリコン基板8に対して表面8aから水素イオン12を照射し、次いで、シリコン基板8の表面8a又は裏面8bから電子線を照射する。これによって、ドリフト領域4の中間深さD2より浅い位置に1つのピークを有する分布で結晶欠陥を形成することができる。また、ドリフト領域4の中間深さD2より深い位置に、略一定の密度分布で、結晶欠陥を形成することができる。
(第2実施例)
図7に、第2実施例の半導体装置200の断面図と、半導体装置200内に形成されている結晶欠陥の分布を表すグラフを示す。
半導体装置200はPINダイオードである。なお、半導体装置200と半導体装置100は同一構造であり、ドリフト領域34内に形成されている結晶欠陥の分布のみが異なる。このため、図7において、図1の参照符号に数字20を加えた部材は、図1で説明した部材と同一である。図7(b)において、参照符号44は、シリコン基板38の表面から水素イオン12を照射したときに形成された結晶欠陥の分布を示している。参照符号46は、シリコン基板38の裏面から水素イオン12を照射したときに形成された結晶欠陥の分布を示している。ドリフト領域34内に形成されている結晶欠陥の分布は、ドリフト領域34の中間深さD2より浅い位置に1つのピークP1を有し、ドリフト領域34の中間深さD2より深い位置に1つのピークP2を有している。ピークP1の位置に形成されている結晶欠陥の密度はピークP2の位置に形成されている結晶欠陥の密度より大きい。
本実施例の半導体装置200では、ドリフト領域34内に形成されている結晶欠陥がドリフト領域34の中間深さD2より深い位置にピークを有しているため、ドリフト領域34の中間深さD2より深い位置においてもキャリアの再結合が促進される。これによって、ドリフト領域34の広い範囲でキャリアのライフタイム制御機能を実現することができる。
次に、図8〜図10を参照にして、半導体装置200を製造する方法を説明する。まず、図8に示すように、シリコン基板38内にカソード領域32とアノード領域36を形成する。この工程は、第1実施例の半導体装置100の製造方法と同様であるため、詳細を省略する。
次に、図9に示すように、シリコン基板38の表面38aに、アノード領域36と接するアノード電極40を形成する。次に、シリコン基板38の表面38aから水素イオン12を加速照射する。これによって、ドリフト領域4内に、その密度分布がドリフト領域34の中間深さD2より浅い位置にピークP1を有する結晶欠陥20aが形成される。次に、シリコン基板38の裏面38aから水素イオン12を加速照射する。これによって、ドリフト領域4内に、その密度分布がドリフト領域34の中間深さD2より深い位置にピークP2を有する結晶欠陥20aが形成される。なお、シリコン基板38の表面38aから水素イオン12を照射する工程とシリコン基板38の裏面38aから水素イオン12を照射する工程では、ドリフト領域34の中間深さD2より浅い位置に形成される結晶欠陥の量が、ドリフト領域34の中間深さD2より深い位置に形成される結晶欠陥の量よりも多くなるように、水素イオン12の照射深さ及び照射エネルギーを調整する。
次に、図10に示すように、シリコン基板38内に照射された水素イオン12を熱処理する。熱処理の条件は、第1実施例の製造方法で用いた熱処理条件と同様にすることができる。これによって、結晶欠陥20aが終端処理される。次に、シリコン基板38の裏面38bに、カソード領域32に接するカソード電極46を形成する。以上の工程によって、図7に示す半導体装置200が完成する。
第2実施例の製造方法では、シリコン基板38の表面38aから水素イオン12を照射し、次いで、シリコン基板38の裏面38bから水素イオン12を照射する。これによって、その密度分布がドリフト領域4の中間深さD2より浅い位置に1つのピークを有する結晶欠陥20aを形成することができる。また、その密度分布がドリフト領域4の中間深さD2より深い位置に1つのピークを有する結晶欠陥20aを形成することができる。
(第3実施例)
図11に、第3実施例の半導体装置300の断面図と、半導体装置300内に形成されている結晶欠陥の分布を表すグラフを示す。
半導体装置300はPINダイオードである。なお、半導体装置300と半導体装置100は同一構造であり、ドリフト領域54内に形成されている結晶欠陥の分布のみが異なる。このため、図11において、図1の参照符号に数字50を加えた部材は、図1で説明した部材と同一である。図11(b)において、参照符号64は、シリコン基板58の表面から水素イオンを照射したときに形成された結晶欠陥の分布を示している。参照符号66、68、70は、シリコン基板58の裏面から水素イオン12を複数回照射したときに形成された結晶欠陥の分布を示している。ドリフト領域54内に形成される結晶欠陥の密度分布は、ドリフト領域54の中間深さD2より浅い位置に1つのピークP1を有し、ドリフト領域54の中間深さD2より深い位置にそれぞれピークP2、P3、P4を有している。各ピークP1〜P4の位置にそれぞれ形成されている結晶欠陥の密度は、ピークP1からピークP2、ピークP3、ピークP4の順に小さくなっている。
本実施例の半導体装置300では、シリコン基板58の裏面から複数回に亘って水素イオン12が照射されている。これによって、その密度分布がドリフト領域54の中間深さD2より深い位置に複数のピークP2、P3、P4を有する結晶欠陥を形成することができる。この場合であっても、ドリフト領域54の広い範囲に結晶欠陥を形成できるため、良好なキャリアのライフタイム制御機能を実現することができる。また、結晶欠陥を形成後に終端処理をすることで、ライフタイム制御機能を実現しながらリーク電流を低減することができる。
第1〜第3の実施例では、ドリフト領域内に形成されている結晶欠陥において、リーク電流に対する依存性が強い深いトラップ準位の結晶欠陥の量が、リーク電流に対する依存性が弱い浅いトラップ準位の結晶欠陥の量よりも少ない。このため、リーク電流が効果的に低減される。
第1〜第3実施例の製造方法では、水素イオン又は電子線を照射し、照射した水素イオンを熱処理する。結晶欠陥を形成するために、照射した水素イオンを熱処理することによって終端処理に用いるため、終端処理をする前にシリコン基板内に水素イオンを別途導入しなくてもよい。
第1〜第3実施例の製造方法では、水素イオン又は電子線を加速照射するときに、ドリフト領域内の結晶欠陥を形成する位置に応じて照射時の加速エネルギーを調整する。また、ドリフト領域内の結晶欠陥を形成する位置に応じてアブソーバーの厚みを調整する。水素イオンを加速照射するときに加速エネルギー及びアブソーバーの厚みを調整することによって、ドリフト領域内に形成される結晶欠陥の量および結晶欠陥の密度分布を調整することができる。
第1〜第3実施例の製造方法では、結晶欠陥を終端処理するために水素を用いたが、例えば、水素の替わりに、重水素イオン、三重水素イオン、酸素イオン、炭素イオン、珪素イオン等を用いて終端処理を行ってもよい。この場合、シリコン基板に対してヘリウムイオンを照射することによってドリフト領域内に結晶欠陥を形成してもよい。さらに、終端処理をする前に上記のイオンをシリコン基板に導入し、導入した上記のイオンを用いて深いトラップ準位の結晶欠陥を終端処理してもよい。この場合であっても、終端処理することによって深いトラップ準位の結晶欠陥を浅いトラップ準位の結晶欠陥にシフトさせることができる。これによって、キャリアのライフタイム制御機能を実現しながらリーク電流を低減することができる半導体装置を製造することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、実施例ではダイオードとその製造方法を記載したが、MOSやIGBTなど他の半導体装置とその製造方法であってもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2,32,52:カソード領域
4,34,54:ドリフト領域
6,36,56:アノード領域
8,38,58:シリコン基板
8a、38a、58a:シリコン基板の表面
8b、38b、58b:シリコン基板の裏面
10,40,50:アノード電極
12,42,52:カソード電極
14:電子線照射によって形成された結晶欠陥の分布
16、44、46、64、66、68、70:水素イオンの照射によって形成された結晶欠陥の分布
18:水素イオン
20a:水素イオンの照射によって形成された結晶欠陥
20b:水素終端処理により生じる結晶欠陥
22:電子線の照射によって形成された結晶欠陥
24:電子線
25:未結合手
26:珪素原子
28:珪素原子と結合した水素イオン
100,200,300:半導体装置

Claims (4)

  1. シリコン基板内にキャリアのライフタイムを制御するための結晶欠陥が形成されている半導体装置であり、
    前記シリコン基板の表面に臨む範囲に形成されている第1導電型の第1領域と、
    前記シリコン基板の裏面に臨む範囲に形成されている第2導電型の第2領域と、
    前記シリコン基板内の前記第1領域と前記第2領域の間に形成されている第3領域、
    を備えており、
    前記第3領域には、その中間深さより浅い位置と深い位置の両者に結晶欠陥が形成されており、
    前記第3領域に形成されている結晶欠陥には、バンドギャップの中心からのエネルギー差が0.2eV未満の領域内に形成されている結晶欠陥量を終端処理することにより生じるトラップ準位の結晶欠陥が含まれていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第3領域の中間深さより浅い位置に形成されている結晶欠陥の量が、前記第3領域の中間深さより深い位置に形成されている結晶欠陥の量よりも多く、前記第3領域に形成されている結晶欠陥の深さ方向の密度分布は、第3領域の中間深さより浅い位置にピークを有していることを特徴とする請求項1の半導体装置。
  3. 前記第3領域に形成されている結晶欠陥は電子線照射によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2の半導体装置。
  4. シリコン基板内にキャリアのライフタイムを制御するための結晶欠陥が形成されている半導体装置を製造する方法であり、
    前記シリコン基板に対して第1の粒子線照射を行うことによって前記シリコン基板内に第1の結晶欠陥を形成する第1結晶欠陥形成工程と、
    前記シリコン基板に対して第2の粒子線照射を行うことによって、前記シリコン基板内に第2の結晶欠陥を形成する第2結晶欠陥形成工程と、
    前記第1結晶欠陥形成工程と第2結晶欠陥形成工程によって形成された前記第1及び第2の結晶欠陥に含まれるバンドギャップの中心からのエネルギー差が0.2eV未満の領域内に形成されている結晶欠陥を終端処理する終端処理工程、
    を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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