第1の発明は内部に農作物用の貯蔵室を有する箱体と、前記貯蔵室内に設けられた収納ケースと、前記収納ケース内にミスト噴霧するミスト噴霧装置とを備え、前記噴霧装置を収納ケース内に近傍に配置したことにより、前記収納ケース内のミスト濃度と前記貯蔵室内のミスト濃度とを異なるミスト濃度で保持することにより、収納空間である収納ケース内のミスト濃度のみを効率的に向上させることができるので、貯蔵目的に合わせたミスト濃度を選択することが可能となり、例えば、濃度の濃い貯蔵室内では農作物に付着した有害物質を落としやすくすることができる。
第2の発明は、冷蔵庫本体は貯蔵室と、前記貯蔵室の前面開口部を閉塞する扉と、前記貯蔵室内を冷却する冷気を生成する冷却器を備えた冷却室と、前記冷却室の冷気を前記貯蔵室内に吐出する冷気吐出口と、前記貯蔵室内を冷却した冷気を前記冷却室に帰還させる冷気吸込口と、前記貯蔵室内に構成する収納ケースとを有し、前記収納ケースを略密閉に構成し、前記ミスト噴霧手段は空気中の水分を結露させて貯蔵室にミストとして噴霧するものである。
これによって、貯蔵室内に流入した冷気が貯蔵室外へと流れる冷気流通経路は、流れている冷気の量が多い為に比較的冷気の流速が早くなり、収納容器内の冷気が引っ張られ高湿度の冷気の湿気を効率良く回収し、拡散性の高い微細ミストとして再度収納容器内に返すことができ、且つ略密閉構造で構成されたケース内にミスト噴霧手段が備えられているので、ケース内のミスト濃度を向上させることが可能となる。前記噴霧手段は高電圧放電であり、前記ミストは高電圧をかけて生成したものであり、オゾン、OHラジカルを含む微細ミストであるので前記貯蔵室内に貯蔵された農作物の表面に付着した有害物質を親水化し、水洗いで落としやすくする冷蔵庫。
第3の発明は、収納ケースを略密閉構成にしたことにより、略密閉構造のケース内に備えたミスト噴霧手段により、ケース内のミスト濃度を向上させることができ、収納容器内を微細ミストが充満することができるので、より広範囲にわたり前記貯蔵室内の農作物に付着した有害物質を落としやすくすることができる。
第4の発明は、ミスト噴霧手段を備えた貯蔵室内において、前記ミスト噴霧手段は前記貯蔵室の上下方向における中心線上もしくは前記貯蔵室の上下方向における中心線よりも上方に配置されたものである。
これによって、冷たい空気は下方側へ流れる特性を生かし、より上方側からミスト噴霧装置で発生させた微細ミストを貯蔵室内の自然対流で微細ミストを十分に拡散することができ、収納容器内を微細ミストが充満することができるので、より広範囲にわたり前記貯蔵室内の農作物に付着した有害物質を落としやすくすることができる。
第5の発明は、ミスト噴霧手段を備えた貯蔵室内において、略密閉ケース構造に、軟質性のシール部材を用いたものである。
これによって、簡単な構成でケース内を略密閉構造とすることができるので、略密閉構造のケース内に備えたミスト噴霧手段により、ケース内のミスト濃度を向上させることができ、収納容器内を微細ミストが充満することができるので、より広範囲にわたり前記貯蔵室内の農作物に付着した有害物質を落としやすくすることができる。
第6の発明は、ミスト噴霧手段を備えた貯蔵室内において、略密閉ケース構造に、ケース上部を被覆する蓋体を用いたものである。
これによって、ケース内を略密閉構造とすることができるので、略密閉構造のケース内に備えたミスト噴霧手段により、ケース内のミスト濃度を向上させることができ、収納容器内を微細ミストが充満することができるので、より広範囲にわたり前記貯蔵室内の農作物に付着した有害物質を落としやすくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態6における冷蔵庫の縦断面図である。図2は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の詳細平面図である。
図1、図2において、冷蔵庫本体101は外箱118と内箱119とで構成され、内部には例えば硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が充填され周囲と断熱され、複数の貯蔵室に区分されている。最上段に第一の貯蔵室としての冷蔵室121、その冷蔵室121の下部に第四の貯蔵室としての上段冷凍室122と第五の貯蔵室としての製氷室123が横並びに設けられ、その上段冷凍室122と製氷室123の下部に第三の貯蔵室としての下段冷凍室125、そして最下部に第二の貯蔵室としての野菜室124が配置される構成となっている。
冷蔵室121は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃としている。また、野菜室124は冷蔵室121と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。上段冷凍室122と下段冷凍室125は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
製氷室123は、冷蔵室121内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵しておくスペースであり、上段冷凍室122に並設された間口の小さい独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
冷蔵庫本体101の天面部は冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室126を形成して圧縮機127、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側の構成部品が収納されている。すなわち、圧縮機127を配設する機械室126は、冷蔵室121内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。手が届きにくくデッドスペースとなっていた冷蔵庫本体101の最
上部の貯蔵室の後方領域に機械室126を設けて圧縮機127を配置することにより、従来の冷蔵庫で、使用者が使い易い冷蔵庫本体101の最下部にあった機械室のスペースを貯蔵室容量として有効に転化することができ、収納性や使い勝手を大きく改善することができる。
なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった冷蔵庫本体101の最下部の貯蔵室の後方領域に機械室を設けて圧縮機127を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
また、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、第四の貯蔵室を冷凍室に限定せず、切替室122として適用しても構わない。温度帯として、1℃〜5℃で設定される冷蔵、2℃〜7℃で設定される野菜、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り替えることができる。例えば、ソフト冷凍(概ね−12℃〜−6℃程度)、パーシャルフリージング(概ね−5℃〜−1℃程度)、チルド(概ね−1℃〜1℃程度)等の冷蔵と冷凍の間の温度帯である。
さらに、切替室122を冷蔵、冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は冷蔵室121、野菜室124、冷凍は下段冷凍室125に委ねて、冷蔵と冷凍の温度帯のみ(ソフト冷凍、パーシャルフリージング、チルド)の切替やその特定温度限定に特化した貯蔵室としてももちろん構わない。
上段冷凍室122と製氷室123、下段冷凍室125の背面には冷却室128が設けられ、冷却室128は断熱性を有する第一の冷却ダクト129により上段冷凍室122、製氷室123及び下段冷凍室125と仕切られている。冷却室128内には、代表的なものとしてフィンアンドチューブ式の冷却器130が配設されており、冷却器130の上部空間には強制対流方式により冷却器130で冷却した冷気を冷蔵室121、上段冷凍室122、製氷室123、野菜室124、下段冷凍室125に送風する冷却ファン131が配置され、冷却器130の下部空間には冷却時に冷却器130や冷却ファン131に付着する霜を除霜する装置としてのガラス管製のラジアントヒータ132が設けられている。
第一の冷却ダクト129の外周には冷気、水漏れがないように、例えば軟質フォーム等のシール材が貼り付けられている。下段冷凍室125と野菜室124を仕切る第一の仕切壁133は硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が発泡充填されている。
冷蔵室121と上段冷凍室122、製氷室123を仕切る第三の仕切壁140は、内部に硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20が発泡充填されており、第三の仕切壁140の奥部には発泡ポリスチレン等の断熱材137で成形され冷蔵室121を冷却するための冷気が送風される連結風路150が形成され、その風路内には冷蔵室121の冷気の流れを調節するダンパー装置としてのシングルダンパー139が設けられている。
冷蔵室121の背面には冷蔵室121の庫内に冷気を送風するための第三の冷却ダクト143が取り付けられており、第三の冷却ダクト143と第三の仕切壁140との接合面には、冷気、水漏れがないようにシール材が貼り付けられている。
第一の冷却ダクト129と第三の冷却ダクト143は取り外しが可能であるが、第一の仕切壁133と第三の仕切壁140は冷蔵庫本体101のウレタン発泡前に取り付けられたものであるため取り外しができず、発泡断熱材120によって冷蔵庫本体101と強固に接合されている。
また、第一の冷却ダクト129の内部には冷蔵室121と、上段冷凍室122と、製氷室123と、下段冷凍室125を冷却するための冷気を送風する風路141が設けられている。さらに、冷蔵室121からの冷気を野菜室124に送風する冷蔵室用帰還風路142が設けられ、下段冷凍室125と野菜室124を仕切る硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が発泡充填された第一の仕切壁133の奥部には、発泡ポリスチレン等の断熱材137で成形された連結風路151と冷蔵室用帰還風路142が軟質フォーム等のシール材でシールされている。
また、第一の冷却ダクト129には上段冷凍室122内に冷気を吐出する上段冷凍室用吐出口152、製氷室123内に冷気を吐出する製氷室用吐出口154、下段冷凍室125内に冷気を吐出する下段冷凍室用吐出口147が設けられ、上段冷凍室122、製氷室123、下段冷凍室125内で熱交換された冷気を冷却器130に戻す冷凍室用吸込口149が設けられている。
野菜室124の背面には野菜室用吐出風路144と野菜室用吐出口145が設けられ、野菜室124の天面である第一の仕切壁133の下面には野菜室用吸込風路148と野菜室用冷気吸込口146が設けられている。野菜室124の天面には、野菜室の124の奥行き方向における中心線上171もしくは中心線171より奥方向にミスト噴霧手段167が第一の仕切壁133にその一部を埋設して備えられている。このように野菜室124にミスト噴霧手段167が備えられており、野菜室124外から冷気吐出口である野菜室用吐出口145を通って冷気が流入し、冷気吸入口である野菜室用冷気吸込口146を通って野菜室124外へと冷気が流出することで、野菜室124内には、野菜室用吐出口145から流入した後、主に野菜室124に備えられた収納容器の外側を流れて野菜室用冷気吸込口146を通って野菜室124外へと冷気が流出する冷気流通経路が形成されている。
本実施の形態においてミスト噴霧手段167は、静電霧化方式のものとした。このミスト噴霧手段167は主に霧化部190、電圧印加部191で構成されている。霧化部190は、霧化先端部である霧化電極190aが設置され、霧化電極190aはアルミニウムやステンレスなどの良熱伝導部材からなる伝熱冷却部材である冷却プレート190cに、アルミナセラミックのような熱伝導性を有する電気的絶縁体190bを介して固定されて接続し、冷却プレート190cと反対側の霧化電極190aの中心軸上に所定距離だけ隔離して配置された対向電極190dが備えられている。
霧化電極190aはアルミニウムやステンレス、真鍮、チタンなどの良熱伝導部材からなる電極部材であり、電気的にも電圧印加部191から配線されている一端を含め接続している。
また、長期的に霧化電極190aと電気的絶縁体190b、冷却プレート190cとの間の熱伝導性維持も必要であるので、接続部に湿度等の侵入を防止するためにエポキシ部材などを流しこみ、熱抵抗を抑えて固定する。また、熱抵抗を低下させるために霧化電極190aを電気的絶縁体190bに圧入等により固定してもよい。
対向電極190dは、例えば、ステンレスで構成されていて、また、その長期信頼性を確保する必要があり、特に異物付着防止、汚れ防止するため、例えば白金メッキなどの表面処理をすることが望ましい。
また、対向電極190d形状は、霧化電極190aの先端部を中心とした球面の一部を成すドーム状すなわち球面状のリング形状を形成しており、霧化電極190aからは対向電極190dの内側面の一部分においてほぼ同距離の部分を備えている。また、このほぼ
同距離の部分とは霧化電極か190aから対向電極190dの最短距離から100%以上110%以下程度を確保している。
なお、貯蔵室(野菜室124)に設置された静電霧化装置167が高湿環境下にあり、その湿度が冷却プレート190cに影響する可能性があるので、冷却プレート190cは耐腐食性、耐錆性の性能を持った金属材料、もしくはアルマイト処理などの表面処理、コーティングを行った材料を選択した方が好ましい。
また、冷却プレート190cの形状は直方体や正多角形体、円柱でもよく、設置する部位の構造にあわせて選択することも可能である。これらの多角形の場合は、円柱と比較して位置決めがしやすく、正確な位置に静電霧化装置167を備えることができる。
電圧印加部191は、冷蔵庫本体の制御手段と通信、制御され、冷蔵庫本体101もしくは静電霧化装置167からの入力信号で高圧のON/OFFを行う。
本実施の形態では、電圧印加部191を静電霧化装置167内に設置しており、貯蔵室(野菜室124)内の低温高湿雰囲気なるため、電圧印加部191の基板表面上には、防湿のためのボールド材やコーティング材を塗布している。ただし、電圧印加部191を貯蔵室外の高温部に設置した場合には、コーティングを行わなくてもよい。
野菜室124は、その前面開口部を開放可能な扉162にて外気の流入が無いように閉塞されている。この扉162には左右一対で野菜室124内に延伸された板状のスライドレール163が設けられており、この上に下段収納容器164が載置されている。この下段収納容器164が野菜室の中で大きな収納空間となり、扉162はこのスライドレール163の可動方向に沿って水平方向に引き出して開閉され、それに伴い下段収納容器164も可動して引き出される。さらに、下段収納容器164の上方側には収納ケースである上段収納容器165が備えられ、各々の収納容器の勘合部位の隙間(収納容器間の上下方向、前後方向、左右方向の隙間)を最小限に維持する略密閉構造をとるように載置されており、下段収納容器164と同時に可動することになる。この時、収納ケースである上段収納容器165の底面面積は下段収納容器164の底面面積よりも小さく構成されている。また、上段収納容器165にはその一部に複数の空気流通穴168が設けられている。本実施の形態では、下段収納容器164の扉162側に空間を設けるように上段収納容器165を配置し、この空間内に比較的背の高い食品、例えばPETボトルや白菜等の長物野菜を収納可能としている。
また、野菜室124内には、野菜室124の天面に収納ケースである上段収納容器165の前方上面を左右方向全域にわたって第1のシール部材180が、また、野菜室124の背面に下段収納容器164の後方を左右方向全域にわたって第2のシール部材181が配置されており、扉162が閉じている場合には上段収納容器165の上面開放部を閉塞し、さらに、下段収納容器164の後方を閉塞する略密閉構造としている。
そして、発生したミストは上段収納容器165内に充満し、上段収納容器165内に収納された青果物に作用し、保鮮性を向上させる。さらに、上段収納容器165にはその一部に複数の空気流通穴168が設けられているので、上段収納容器165内に充満した噴霧したミストは、空気流通穴168を通過し、一部が下段収納容器164にも流出するので、下段収納容器164に収納された青果物にも作用し、保鮮性を向上させることができる。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機127の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機127への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器130に至る。冷却ファン131の動作により、各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器130内の冷媒は蒸発気化し、低温の冷気をダンパーなどで供給制御することで各室の所望の冷却を行う。冷却器130を出た冷媒は吸入管を経て圧縮機127へと吸い込まれる。
各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器130には、各貯蔵室内空気と熱交換した時に水分が付着し霜となる。制御基板(図示せず)から定期的に信号が出力され、圧縮機127を停止させ、ラジアントヒータ132に通電し、冷却器130の除霜を行う。
次に冷蔵庫本体101内の冷気の流れについて説明する。冷却ファン131から送風された冷気は、風路141を通じ下方と上方に振り分けられて送風される。下方に振り分けられた冷気は、下段冷凍室用吐出口147から冷凍室125内に吐出され、冷凍室125内の空気と熱交換し冷凍室用吸込口149を通って冷却室128に戻る。
冷却ファン31から送風された冷気の内、上方に振り分けられた冷気はさらに上段冷凍室122、製氷室123、冷蔵室121に細分され、上段冷凍室122と製氷室123にはそれぞれ上段冷凍室用吐出口152と製氷室用吐出口154から吐出され熱交換した後冷凍室用吸込口149を通って冷却室128に戻る。また冷蔵室121用に振り分けられた冷気は、連結風路150内に設けられたシングルダンパー139を経由し第三の冷却ダクト143を通り冷蔵室121内に吐出される。ここで制御基板(図示せず)から信号を出力しシングルダンパー139を動作させ、冷気の流れをコントロールし、冷蔵室121の温度制御を行い所定の温度に庫内温度を調整する。
冷蔵室121内で熱交換された冷気は、冷蔵室用帰還風路142を通り第一の仕切壁133の奥部に形成された連結風路151を経由し、野菜室用吐出風路144、野菜室用吐出口145から野菜室に124内に吐出される。野菜室に124内の空気と熱交換した冷気は、野菜室用冷気吸込口146から吸い込まれ野菜室用吸込風路148を通り冷却室128に戻る。この一連の動作でも分かるように野菜室124は冷蔵室121の戻り冷気を利用して冷却していることになる。
野菜室124内には、野菜室124の天面に上段収納容器165の前方上面を左右方向全域にわたって第1のシール部材180が、また、野菜室124の背面に下段収納容器164の後方を左右方向全域にわたって第2のシール部材181が配置されており、扉162が閉じている場合には上段収納容器165の上面開放部を閉塞し、さらに、下段収納容器164の後方を閉塞する略密閉構造としており、収納食品に直接冷気があたり、乾燥することを防いでいる。また、下段収納容器164と上段収納容器165の前後方向での空間には、一般にPETボトル等の飲料が置かれることが多く、この部分には冷気が直接触れることになり、冷却スピードを確保している。
上段収納容器165や下段収納容器164内部に収納された食品からは、投入時からの時間経過に伴い水分が蒸散する。この時蒸散した水分を含んだ空気は、天面に配置されたミスト噴霧手段167へと到達する。ミスト噴霧手段167は野菜室124の上部に位置する下段冷凍室125によりその内部が周囲温度よりも低く冷却されており、ミスト噴霧手段167内部で空気中の水分が結露することになる。この結露した水を収納容器内部にミスト状に噴霧する。結果、収納食品からの蒸散水はミスト噴霧手段167により、再び
収納食品自体に返されることになる。
また、ミスト噴霧手段167を野菜室124の天面である第一の仕切壁133の野菜室124の奥行き方向における中心線上171もしくは中心線171より奥方向に設置していることにより、下段収納容器164内部に収納された食品のみならず上段収納容器165内部に収納された食品から蒸散した水分も天面に配置されたミスト噴霧手段167に結露することになる。
このように野菜室124には、略密閉構造で構成された上段収納容器165および下段収納容器164内にミスト噴霧手段167が備えられており、また、ミスト噴霧手段167は野菜室124の天面である第一の仕切壁133の野菜室124の奥行き方向における中心線上171もしくは中心線171より奥方向に設置している。
これによって、野室用冷気吐出口145から貯蔵室内に流入した冷気が野菜室用冷気吸込口146を通る風路によって収納ケースである上段収納容器165は外側から冷却が行われ、略密閉構造で構成された上段収納容器165内にミスト噴霧手段167が備えられているので、ケース内のミスト濃度を向上させることができる。
これによって、貯蔵室内にミスト濃度の高い収納空間を作りだすことにより、ミストの効果をより高めたい収納空間と一般の貯蔵室空間とを使い分けて食品を収納することができるので、貯蔵目的に合わせたミスト濃度を選択することが可能となり、より効率的にミストの効果を発揮でき、食品の鮮度を維持することができる。
次に、ミスト噴霧手段167の構成について説明する。
ミスト噴霧手段167を野菜室124の天面である第一の仕切壁133の野菜室124の奥行き方向における中心線上171もしくは中心線171より奥方向に設置している。
冷却プレート190cの野菜室124と反対側の収納空間は下段冷凍室125の底面であり、冷却システムの運転により冷却器112で生成し、冷却ファン113により−15〜−25℃程度の冷気が流れ、温調される空間であるため、下段冷凍室125の底面からの熱伝導で伝熱冷却部材である冷却プレート190cが例えば−10℃前後に冷却される。このとき、冷却プレート190cは、良熱伝導部材であるため、冷熱を非常に伝えやすく、冷却プレート190c、絶縁体190bを介して霧化先端部である霧化電極190aも−5℃前後に間接的に冷却される。
ここで、野菜室124の温度は2℃から7℃で、かつ野菜などからの蒸散により比較的高湿状態であるので、霧化先端部である霧化電極190aは露点温度以下となれば、先端を含め、霧化電極190aには水が生成し、水滴が付着する。
水滴が付着した霧化先端部である霧化電極190aに負電圧、対向電極136を正電圧側として、電圧印加部191によりこの電極間に高電圧(例えば−4〜−10kV)を印加させる。このとき電極間でコロナ放電が起こり、霧化先端部である霧化電極190aの先端の水滴が、静電エネルギーにより微細化され、さらに液滴が帯電しているためレイリー分裂により数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストと、それに付随してオゾンやOHラジカルなどが発生する。電極間に印加する電圧は、非常に高電圧であるが、そのときの放電電流値は数μAレベルであり、入力としては0.5〜1.5Wと非常に低入力である。
具体的には、霧化電極190aを高電圧側(−5kV)、対向電極190dを基準電位
側(0V)とすると、霧化電極190a先端に付着した結露水は、霧化電極190aと対向電極190d間の空気絶縁層が破壊され、静電気力で放電が起こる。このとき結露水は帯電し、微細な粒子となる。さらに対向電極190dに微細ミストは引き寄せられ、液滴がさらに微粒化され、ラジカルを含んだ数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストとなり、その慣性力により、貯蔵室(野菜室124)に向けて、微細ミストが噴霧される。
なお、霧化電極190aに水がないときは、放電距離が離れ、空気の絶縁層を破壊することができず、放電現象が起こらない。そのため霧化電極190aと対向電極190d間には電流が流れない。
また、霧化先端部である霧化電極190aを直接冷却することなく、伝熱冷却部材である冷却プレート190cを冷却することで間接的に霧化電極190aを冷却することができ、伝熱冷却部材である冷却プレート190cが霧化電極190aよりも大きな熱容量を有するようにすることで、霧化電極190aを冷却することができ、また、蓄冷の役割を果たすことにより霧化電極190aの急激な温度変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
このように霧化先端部である霧化電極190aを直接冷却することなく、伝熱冷却部材である冷却プレート190cを冷却することで間接的に霧化電極190aを冷却することができ、伝熱冷却部材が霧化電極190aよりも大きな熱容量を有するようにすることで、冷却手段の温度変化が霧化電極190aに直接的に大きな影響を与えることを緩和し、霧化先端部である霧化電極190aを冷却することができ、霧化電極190aの負荷変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
このように、霧化電極190aに対向する位置に対向電極190dを備え、霧化電極190aと対向電極190d間に高圧電位差を発生させる電圧印加部191を有することで、霧化電極190a近傍の電界が安定に構築できることによって微粒化現象、噴霧方向が定まり、収納容器(下段収納容器164、上段収納容器165)内に噴霧する微細ミストの精度をより高めることができ、霧化部190の精度を向上させることができ、信頼性の高い静電霧化装置197を提供することができる。
また、対向電極190dの形状がドーム状すなわち球面状のリング形状を有していることにより、霧化電極190aからは対向電極190dの内側面の一部分においてほぼ同距離を確保している。これにより、放電方向が放射状になり広範囲で放電できるので、同じ入力であっても微細ミスト量を多くすることができ、省エネルギーでミスト噴霧量を多くすることが可能である。また、例えば、対向電極190dに埃などの異物が付着した場合でも、放電範囲が広域であるため、こういった異物の影響を受けにくく安定した放電状態を維持することができる。したがって、野菜室124に設けた略密閉空間内のミスト濃度をより向上することができる。
また、このような結露での水供給を行うミスト噴霧装置の場合には、霧化電極190aの温度が1K下がれば、その先端の水生成スピードは約10%程度上昇する。しかし、霧化電極190aが極度に冷却されると結露スピードが急激になり、それに伴い結露量が多大となり霧化部190の負荷の増大による静電霧化装置167への入力の増大および霧化部190の凍結、霧化不良が懸念されるが、こういった霧化部190の負荷増大による不具合を防ぐことができ、適切な結露量を確保することができ、低入力で安定的なミスト噴霧を実現することができる。
このように簡単な構造で冷却手段を構成することができるので、故障が少なく信頼性が
高い霧化部190を実現することができる。また、冷凍サイクルの冷却源を利用して伝熱冷却部材である冷却プレート190cおよび霧化先端部である霧化電極190aの冷却を行うことができるので、省エネルギーで霧化を行うことができる。
このように冷却手段によって冷却する際に、伝熱冷却部材である冷却プレート190cの霧化先端部である霧化電極190aから最も距離の離れた遠い部分から冷却することで、冷却プレート190cの大きな熱容量を冷却した上で、冷却プレート190cによって霧化電極190aが冷却されることで、冷却手段の温度変化が霧化電極190aに直接的に大きな影響を与えることをさらに緩和し、より変動負荷の小さく安定的なミスト噴霧を実現することができる。
また、冷蔵庫本体101の最下部の貯蔵室である野菜室124の天面側へ霧化部190を設けているので、人の手にも触れにくいので安全性を向上させることができる。
また、電極接続部材である冷却プレート190cは、ある程度の熱容量を確保できており、熱伝導の応答を緩和することができるので、霧化先端部である霧化電極190aの温度変動を抑制することができ、また蓄冷部材としての働きを有することになるので、霧化先端部である霧化電極190aの結露発生の時間を確保し、凍結も防止することができる。
さらに、冷却プレート190cと霧化電極190aの接合部の熱抵抗を抑えているので、霧化電極190aと冷却プレート190cの温度変動が良好に追従する。また、接合に関しても湿度が侵入することができないので、長期的に熱接合性が維持される。
また、貯蔵室(野菜室124)が高湿環境下にあり、その湿度が伝熱冷却部材である冷却プレート190cに影響する可能性があるので、冷却プレート190cは耐腐食性、耐錆性の性能を持った金属材料、もしくはアルマイト処理などの表面処理、コーティングを行っているので、さび等が発生せず、表面熱抵抗の増加が抑制され、安定した熱伝導が確保できる。
さらに、霧化先端部である霧化電極190aの表面に例えばニッケルメッキや金メッキや白金メッキを用いれば、霧化電極190a先端の放電による磨耗が抑制され、これにより、霧化電極190a先端の形状が維持できるので、長期に噴霧することが可能となり、また、その先端の液滴形状も安定する。
霧化電極190aで発生した微細ミストは、主に上段収納容器165内に噴霧されるが、非常に小さい微粒子のため拡散性が強く、上下収納容器(164、165)の勘合部位の隙間を最小限に維持する構造かつ第1および第2のシール部材(180、181)により略密閉構造となっているおり、さらに上段収納容器165に設けた複数の空気流通穴168が設けられているため、下段収納容器164にも微細ミストは到達する。
噴霧される微細ミストは、高圧放電で生成されたため、マイナスの電荷を帯びている。一方、野菜室124内には青果物である野菜の中でも緑の菜っ葉ものや果物等も保存されており、これらの青果物は蒸散あるいは保存中の蒸散によってより萎れやすいものである。野菜室124内に保存されている野菜や果物の中には、通常、購入帰路時での蒸散あるいは保存中の蒸散によってやや萎れかけた状態のものが含まれており、プラスの電荷をもつ。よって、霧化されたミストは、野菜の表面に集まりやすく、これにより保鮮性が向上する。
また、野菜表面に付着したナノレベルの微細ミストは、OHラジカルと微量ではあるが
オゾンなどを多く含んでおり、殺菌、抗菌、除菌などに効果がある他、酸化分解による農薬除去や抗酸化によるビタミンC量などの栄養素の増加を野菜に促す。
ここで、霧化電極190aに水がないときは、放電距離が離れ、空気の絶縁層を破壊することができず、放電現象が起こらない。これにより霧化電極190aと対向電極190d間に電流が流れない。この現象を冷蔵庫101の制御手段で検知することにより電圧印加部191の高圧をON/OFFすることもできる。
噴霧されるミスト粒子は、例えば0.005μm〜20μm程度であり非常に微細なものである。なお、ミスト噴霧手段167には、例えば超音波により水を微粒子化して噴霧するもの、静電霧化方式によるもの、ポンプ方式で噴霧するもの等を用いればよい。
このようにして食品からの水分の蒸散−結露−ミスト噴霧のサイクルを繰り返す訳であるが、本実施の形態によれば、PETボトルのような冷却スピードが気になる食品は吐出冷気で直接的に冷却し、かつ、葉野菜のように萎れが気になる食品については、野菜室124の冷却空気を直接当てない略密閉構造とすることとミスト噴霧により鮮度を維持することで、食品の特性に応じた冷却を行うことができる。
この時、図示はしないが野菜室124内部の側壁はヒータ等の加熱手段で適度に加熱されており、収納容器外へ拡散したミスト粒子および、野菜からの蒸散水が結露することは無い。
また、上段収納容器165の空気流通穴168は、上段収納容器165内の過剰な結露を防ぐ役割も果たしている。
さらに、霧化電極190aに貯蔵室(野菜室124)内の余剰な水蒸気を結露させ、水滴を付着させ、ミストを噴霧することからミスト噴霧用の水を供給するための除霜ホースや浄化フィルター、もしくは水道直結の水供給経路、貯水タンクなどが不要であり、また、ポンプなどの送水手段等も使用しておらず、複雑な構成を要することなく、簡単な構成で貯蔵室(野菜室124)へ微細ミストを供給することができる。
このように簡単な構成で安定的に貯蔵室(野菜室124)へ微細ミストを供給することができるので、冷蔵庫101の故障の可能性を大幅に低減することができ、信頼性をより高めた上で冷蔵庫101の品質を向上させることができる。
さらに、結露水を用いるため、水道水に含まれるミネラル成分や不純物がないため、保水材を用いたときの劣化や目詰まりによる保水性の劣化を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態では、静電霧化方式のミスト噴霧装置を備えたので、超音波振動による超音波霧化を用いる際に問題となる超音波の周波数発信に伴う共振等の騒音、振動に対する考慮をしなくてもよい。
さらに、電圧印加部191が収納されている部分についても、冷却されているので基板の温度上昇を抑えることができる。これにより、貯蔵室(野菜室124)内の温度影響を少なくすることができる。
なお、本実施の形態における静電霧化装置167は、霧化先端部である霧化電極190aと対向電極190dとの間に高電圧を印加するため、微細ミスト発生時にオゾンも発生するが、静電霧化装置167のON・OFF運転により、貯蔵室(野菜室124)内のオゾン濃度を調整することが出来る。オゾン濃度を適度に調整することにより、オゾン過多
による野菜の黄化などの劣化を防止し、かつ、野菜表面の殺菌、抗菌作用を高めることが出来る。
なお、本実施の形態では、霧化電極190aに高電圧側(−5kV)、対向電極190dに基準電位側(0V)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させたが、霧化電極190aを基準電位側(0V)とし、対向電極190dを正電位(+5kV)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させてもよい。
また、本実施の形態では、霧化電極190aに高電圧側(−5kV)、対向電極190dに基準電位側(0V)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させているので、貯蔵室(野菜室124)に近い対向電極190dが基準電位側になるので、冷蔵庫の使用者の手が対向電極190dに仮に近づいても感電等を起こさない。また、霧化電極190aを負電位にした場合、貯蔵室(野菜室124)側を基準電位側とすれば、特に対向電極190dを設けなくてもよい場合もある。この場合には、対向電極を設けず、霧化電極190aを負電位とし、ミストを噴霧する貯蔵室内をアースして基準電位(0V)に保つことで対向電極がなくてもミスト噴霧することで、貯蔵室全体に拡散させることができる。
この場合は、例えば、断熱された貯蔵室(野菜室124)の中に導電性の収納容器を備え、その導電性の収納容器が収納容器の保持部材(導電性)と電気的に接続され、且つ保持部材と脱着可能な構成とし、保持部材を基準電位部と接続しアース(0V)にするのである。
これにより、霧化部190と収納容器および保持部材が常に電位差を保つため安定的な電界が構成されることにより、安定的に霧化部190から噴霧でき、また、収納容器全体が基準電位になっているので、噴霧されるミストを収納容器全体に拡散することができる。さらに、周辺の物体への帯電も防止することができる。
このように、特に対向電極190dを設けなくても、貯蔵室(野菜室124)側の一部にアースされた保持部材を備えることで、霧化電極190aと電位差を発生させて、ミスト噴霧を行うことができ、より簡単な構成で安定的な電界が構成されることにより安定的に霧化部から噴霧できる。
また、収納容器側に保持部材を取り付けると、収納容器全体が基準電位になっているので噴霧されるミストが収納容器全体に拡散することができる。さらに、周辺の物体への帯電も防止することができる。
なお、本実施の形態では、伝熱冷却部材である冷却プレート190cを冷却するための熱源を下段冷凍室125としたが、製氷室123などを利用しても構わない。これにより、静電霧化装置167の設置可能場所が拡大する。
以上のように、本実施の形態においては、本発明の冷蔵庫は、内部に農作物用の貯蔵室を有する箱体と、前記貯蔵室内に設けられた収納ケースと、前記収納ケース内にミスト噴霧するミスト噴霧装置とを備え、前記噴霧装置を収納ケース内に近傍に配置したことにより、前記収納ケース内のミスト濃度と前記貯蔵室内のミスト濃度とを異なるミスト濃度で保持することにより、収納空間である収納ケース内のミスト濃度のみを効率的に向上させることができるので、貯蔵目的に合わせたミスト濃度を選択することが可能となり、例えば、濃度の濃い貯蔵室内では農作物に付着した有害物質を落としやすくすることができる。
また、略密閉構造で構成されたケース内にミスト噴霧手段が備えられているので、ケー
ス内のミスト濃度を効率よく向上させることができる。
また、霧化電極と対向する部分の対向電極の形状がドーム状のリング形状を有していることにより、霧化電極からは対向電極の内側面のどこにおいても同距離を確保している。これにより、放電方向が放射状になり広範囲で放電できるので微細ミスト量を多くすることができる。また、例えば、対向電極に埃などの異物が付着した場合でも、放電範囲が広域であるため、安定した放電状態を維持することができる。したがって、野菜室124に設けた収納ケースである上段収納容器165内のミスト濃度をより向上することができる。
これによって、貯蔵室内にミスト濃度の高い収納空間を作りだすことにより、ミストの効果をより高めたい収納空間と一般の貯蔵室空間とを使い分けて食品を収納することができるので、貯蔵目的に合わせたミスト濃度を選択することが可能となり、より効率的にミストの効果を発揮でき、食品の鮮度を維持することができる。
また、本実施の形態においては、前記野菜室内に配置され、前記野菜室内の天面に前記ミスト噴霧手段を一部埋設したものであり、前記下段冷凍室により前記ミスト噴霧手段を前記野菜室内よりも低温に冷却することにより、前記冷気吐出口と前記冷気吸込口間を流通する湿気を効率良く結露回収することができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段に静電霧化方式を用いたもので、粒子径数nmから数μmの微細なミストを発生させることができ、また噴霧したミストがマイナスの電荷を帯びることで、より野菜等への付着率を向上させることができ、さらに高濃度のミストで野菜の鮮度を維持することができる。
なお、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段に超音波方式を用いてもよく、この場合、粒子径数μmの微細なミストを発生させることができ、また多量の噴霧量にも対応することができるので、より収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図であり、図5は同実施の形態の冷蔵庫の正面図である。
また、実施の形態1と共通する技術思想および構成や作用効果については逐一述べないが、本実施の形態に適用して不合理が生じる事項でない限り、同様の内容が含まれているとするものである。とくにミスト噴霧装置167の構成は同様の内容が含まれているものである。
図4、図5において、冷蔵庫本体101は外箱118と内箱119とで構成され、内部には例えば硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が充填され周囲と断熱され、複数の貯蔵室に区分されている。最上段に第一の貯蔵室としての冷蔵室121、その冷蔵室121の下部に第四の貯蔵室としての上段冷凍室122と第五の貯蔵室としての製氷室123が横並びに設けられ、その上段冷凍室122と製氷室123の下部に第三の貯蔵室としての下段冷凍室125、そして最下部に第二の貯蔵室としての野菜室124が配置される構成となっている。
冷蔵室121は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃としている。また、野菜室124は冷蔵室121と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。上段冷凍室
122と下段冷凍室125は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
冷蔵室121内の天面部にはミスト噴霧手段167が備えられている。また、このミスト噴霧装置の上方側にはミスト用タンク167aが備えられており、その内部に貯水された水分を用いてミストが噴霧される。
このミスト用タンクはミスト噴霧装置167の前方側に配置されているが、外部からの着脱が容易となるように前方側もしくは下方側から着脱自在に取り外すことができるようになっている。
製氷室123は、冷蔵室121内の貯水タンク123aから送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵しておくスペースであり、上段冷凍室122に並設された間口の小さい独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
冷蔵庫本体101の天面部は冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室126を形成して圧縮機127、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側の構成部品が収納されている。すなわち、圧縮機127を配設する機械室126は、冷蔵室121内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。手が届きにくくデッドスペースとなっていた冷蔵庫本体101の最上部の貯蔵室の後方領域に機械室126を設けて圧縮機127を配置することにより、従来の冷蔵庫で、使用者が使い易い冷蔵庫本体101の最下部にあった機械室のスペースを貯蔵室容量として有効に転化することができ、収納性や使い勝手を大きく改善することができる。
なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった冷蔵庫本体101の最下部の貯蔵室の後方領域に機械室を設けて圧縮機127を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
また、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、第四の貯蔵室を冷凍室に限定せず、切替室122として適用しても構わない。温度帯として、1℃〜5℃で設定される冷蔵温度帯、2℃〜7℃で設定される野菜温度帯、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り替えることができる。例えば、ソフト冷凍温度帯(概ね−12℃〜−6℃程度)、パーシャルフリージング温度帯(概ね−5℃〜−1℃程度)、チルド温度帯(概ね−1℃〜1℃程度)等の冷蔵と冷凍の間の温度帯である。
さらに、切替室122を冷蔵、冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は冷蔵室121、野菜室124、冷凍は下段冷凍室125に委ねて、冷蔵と冷凍の温度帯のみ(ソフト冷凍温度帯、パーシャルフリージング温度帯、チルド温度帯)の切替やその特定温度限定に特化した貯蔵室としてももちろん構わない。
上段冷凍室122と製氷室123、下段冷凍室125の背面には冷却室128が設けられ、冷却室128は断熱性を有する第一の冷却ダクト129により上段冷凍室122、製氷室123及び下段冷凍室125と仕切られている。冷却室128内には、代表的なものとしてフィンアンドチューブ式の冷却器130が配設されており、冷却器130の上部空間には強制対流方式により冷却器130で冷却した冷気を冷蔵室121、上段冷凍室122、製氷室123、野菜室124、下段冷凍室125に送風する冷却ファン131が配置
され、冷却器130の下部空間には冷却時に冷却器130や冷却ファン131に付着する霜を除霜する装置としてのガラス管製のラジアントヒータ132が設けられている。
第一の冷却ダクト129の外周には冷気、水漏れがないように、例えば軟質フォーム等のシール材が貼り付けられている。下段冷凍室125と野菜室124を仕切る第一の仕切壁133は硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が発泡充填されている。
冷蔵室121と上段冷凍室122、製氷室123を仕切る第三の仕切壁140は、内部に硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20が発泡充填されており、第三の仕切壁140の奥部には発泡ポリスチレン等の断熱材137で成形され冷蔵室121を冷却するための冷気が送風される連結風路150が形成され、その風路内には冷蔵室121の冷気の流れを調節するダンパー装置としてのシングルダンパー139が設けられている。
冷蔵室121の背面には冷蔵室121の庫内に冷気を送風するための第三の冷却ダクト143が取り付けられており、第三の冷却ダクト143と第三の仕切壁140との接合面には、冷気、水漏れがないようにシール材が貼り付けられている。
第一の冷却ダクト129と第三の冷却ダクト143は取り外しが可能であるが、第一の仕切壁133と第三の仕切壁140は冷蔵庫本体101のウレタン発泡前に取り付けられたものであるため取り外しができず、発泡断熱材120によって冷蔵庫本体101と強固に接合されている。
また、第一の冷却ダクト129の内部には冷蔵室121と、上段冷凍室122と、製氷室123と、下段冷凍室125を冷却するための冷気を送風する風路141が設けられている。さらに、冷蔵室121からの冷気を野菜室124に送風する冷蔵室用帰還風路142が設けられ、下段冷凍室125と野菜室124を仕切る硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が発泡充填された第一の仕切壁133の奥部には、発泡ポリスチレン等の断熱材137で成形された連結風路151と冷蔵室用帰還風路142が軟質フォーム等のシール材でシールされている。また、第一の冷却ダクト129には上段冷凍室122内に冷気を吐出する上段冷凍室用吐出口152、製氷室123内に冷気を吐出する製氷室用吐出口154、下段冷凍室125内に冷気を吐出する下段冷凍室用吐出口147が設けられ、上段冷凍室122、製氷室123、下段冷凍室125内で熱交換された冷気を冷却器130に戻す冷凍室用吸込口149が設けられている。
野菜室124の背面には野菜室用吐出風路144と野菜室用吐出口145が設けられ、野菜室124の天面である第一の仕切壁133の下面には野菜室用吸込風路148と野菜室用冷気吸込口146が設けられている。野菜室124の天面には、野菜室の124の奥行き方向における中心線上171もしくは中心線171より奥方向にミスト噴霧手段167が第一の仕切壁133にその一部を埋設して備えられている。このように野菜室124にミスト噴霧手段167が備えられており、野菜室124外から冷気吐出口である野菜室用吐出口145を通って冷気が流入し、冷気吸入口である野菜室用冷気吸込口146を通って野菜室124外へと冷気が流出することで、野菜室124内には、野菜室用吐出口145から流入した後、主に野菜室124に備えられた収納容器の外側を流れて野菜室用冷気吸込口146を通って野菜室124外へと冷気が流出する冷気流通経路が形成されている。
本実施の形態においてミスト噴霧手段167は、静電霧化方式のものである。主に霧化部190、電圧印加部191で構成されている。霧化部190は、霧化先端部である霧化電極190aが設置され、霧化電極190aはアルミニウムやステンレスなどの良熱伝導部材からなる伝熱冷却部材である冷却プレート190cに、アルミナセラミックのような
熱伝導性を有する電気的絶縁体190bを介して固定されて接続し、冷却プレート190cと反対側の霧化電極190aの中心軸上に所定距離だけ隔離して配置された対向電極190dが備えられている。
霧化電極190aはアルミニウムやステンレス、真鍮、チタンなどの良熱伝導部材からなる電極部材であり、電気的にも電圧印加部191から配線されている一端を含め接続している。
また、長期的に霧化電極190aと電気的絶縁体190b、冷却プレート190cとの間の熱伝導性維持も必要であるので、接続部に湿度等の侵入を防止するためにエポキシ部材などを流しこみ、熱抵抗を抑えて固定する。また、熱抵抗を低下させるために霧化電極190aを電気的絶縁体190bに圧入等により固定してもよい。
対向電極190dは、例えば、ステンレスで構成されていて、また、その長期信頼性を確保する必要があり、特に異物付着防止、汚れ防止するため、例えば白金メッキなどの表面処理をすることが望ましい。
また、対向電極190d形状は、霧化電極190aの先端部を中心とした球面の一部を成すドーム状のリング形状を形成しており、霧化電極190aからは対向電極190dの内側面のどこにおいても同距離を確保している。
なお、貯蔵室(野菜室124)に設置された静電霧化装置167が高湿環境下にあり、その湿度が冷却プレート190cに影響する可能性があるので、冷却プレート190cは耐腐食性、耐錆性の性能を持った金属材料、もしくはアルマイト処理などの表面処理、コーティングを行った材料を選択した方が好ましい。 また、冷却プレート190cの形状は直方体や正多角形体、円柱でもよく、設置する部位の構造にあわせて選択することも可能である。これらの多角形の場合は、円柱と比較して位置決めがしやすく、正確な位置に静電霧化装置167を備えることができる。
電圧印加部191は、冷蔵庫本体の制御手段と通信、制御され、冷蔵庫本体101もしくは静電霧化装置167からの入力信号で高圧のON/OFFを行う。
本実施の形態では、電圧印加部191を静電霧化装置167内に設置しており、貯蔵室(野菜室124)内の低温高湿雰囲気なるため、電圧印加部191の基板表面上には、防湿のためのボールド材やコーティング材を塗布している。 ただし、電圧印加部191を貯蔵室外の高温部に設置した場合には、コーティングを行わなくてもよい。
野菜室124は、その前面開口部を開放可能な扉162にて外気の流入が無いように閉塞されている。この扉162には左右一対で野菜室124内に延伸された板状のスライドレール163が設けられており、この上に下段収納容器164が載置されている。扉162はこのスライドレール163の可動方向に沿って水平方向に引き出して開閉され、それに伴い下段収納容器164も可動して引き出される。さらに、下段収納容器164には上段収納容器165が各々のケースの勘合部位の隙間(ケース間の上下方向、前後方向、左右方向の隙間)を最小限に維持する略密閉構造をとるように載置されており、下段収納容器164と同時に可動することになる。この時、上段収納容器165の底面面積は下段収納容器164の底面面積よりも小さく構成されている。また、上段収納容器165にはその一部に複数の空気流通穴168が設けられている。本実施の形態では、下段収納容器164の扉162側に空間を設けるように上段収納容器165を配置し、この空間内に比較的背の高い食品、例えばPETボトルや白菜等の長物野菜を収納可能としている。
また、野菜室124内には蓋166が配置されており、扉162が閉じている場合には
上段収納容器165の上面開放部を閉塞し、上段収納容器165を略密閉構造としている。また、上段収納容器165とさらに、扉162の開放時には蓋166は野菜室124内に残り、引き出されることはない。また、蓋166には、第一の仕切壁133に取り付けられたミスト噴霧手段167の真下に相当する部分にミスト噴霧手段167から噴霧されたミストが上段収納容器165に流入するようにミスト噴霧口169が開口している。
そして、発生したミストは上段収納容器165内に充満し、上段収納容器165内に収納された青果物に作用し、保鮮性を向上させる。さらに、上段収納容器165にはその一部に複数の空気流通穴168が設けられているので、上段収納容器165内に噴霧したミストは、空気流通穴168を通過し、下段収納容器164にも充満するので、下段収納容器164に収納された青果物にも作用し、保鮮性を向上させることができる。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機127の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機127への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器130に至る。冷却ファン131の動作により、各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器130内の冷媒は蒸発気化し、低温の冷気をダンパーなどで供給制御することで各室の所望の冷却を行う。冷却器130を出た冷媒は吸入管を経て圧縮機127へと吸い込まれる。
各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器130には、各貯蔵室内空気と熱交換した時に水分が付着し霜となる。制御基板(図示せず)から定期的に信号が出力され、圧縮機127を停止させ、ラジアントヒータ132に通電し、冷却器130の除霜を行う。
次に冷蔵庫本体101内の冷気の流れについて説明する。冷却ファン131から送風された冷気は、風路141を通じ下方と上方に振り分けられて送風される。下方に振り分けられた冷気は、下段冷凍室用吐出口147から冷凍室125内に吐出され、冷凍室125内の空気と熱交換し冷凍室用吸込口149を通って冷却室128に戻る。
冷却ファン31から送風された冷気の内、上方に振り分けられた冷気はさらに上段冷凍室122、製氷室123、冷蔵室121に細分され、上段冷凍室122と製氷室123にはそれぞれ上段冷凍室用吐出口152と製氷室用吐出口154から吐出され熱交換した後冷凍室用吸込口149を通って冷却室128に戻る。
また冷蔵室121用に振り分けられた冷気は、連結風路150内に設けられたシングルダンパー139を経由し第三の冷却ダクト143を通り冷気吐出口143aを介して冷蔵室121内に吐出される。
本実施の形態においては、冷気吐出口143aは冷蔵室121内の貯蔵空間の中でも最も天面側すなわち上方側の貯蔵空間内に備えられている。そして、この最も上方側の貯蔵空間の前方側にミスト噴霧装置167が備えられている。
ここで制御基板(図示せず)から信号を出力しシングルダンパー139を動作させ、冷気の流れをコントロールし、冷蔵室121の温度制御を行い所定の温度に庫内温度を調整する。
冷蔵室121内で熱交換された冷気は、冷気吸込口142aを介して冷蔵室用帰還風路142を通り第一の仕切壁133の奥部に形成された連結風路151を経由し、野菜室用吐出風路144、野菜室用吐出口145から野菜室に124内に吐出される。野菜室に124内の空気と熱交換した冷気は、野菜室用冷気吸込口146から吸い込まれ野菜室用吸込風路148を通り冷却室128に戻る。この一連の動作でも分かるように野菜室124は冷蔵室121の戻り冷気を利用して冷却していることになる。
冷蔵室121内における冷気の風路については、冷気吐出口143aから吐出された冷気が下方へと流れ、冷気吸込み口142aへと流れる冷気の流れる風路上ミスト噴霧装置167を備え、さらに実施の形態1でも説明したドーム状すなわち球状の対向電極を有した噴霧量の多いミスト噴霧装置を備えることで、高いミスト濃度の冷気を冷蔵室121内全体へと拡散させることができ、冷蔵室121の隅々にまで行き渡って効率的にミストの効果を発揮でき、食品の鮮度を維持することができる。
また、本実施の形態ではミストはミスト用タンク167a内に貯留された水を用いてミスト噴霧を行うので、必要な量のミストを適切に噴霧することができる。
さらにミスト用タンク167aはミスト噴霧装置167の前方側に配置されているが、外部からの着脱が容易となるように前方側もしくは下方側から着脱自在に取り外すことができるようになっているので、ミスト用タンク167aへの水補給を容易にしている。
また、このようにミスト用タンク167aをミスト噴霧装置167の前方側に備えることで、使用者がミスト噴霧装置167に直接触れることを抑制することができ、より安全性の高い構成を実現することができる。
この場合、ミスト用タンク167aが取り外された状態ではミスト噴霧装置167が稼動しないすなわち停止するように制御手段によって制御されているので、ミスト用タンクが取り外された状態で仮にミスト噴霧装置167に使用者が触れても高電圧が流れていない停止状態であるので、十分な安全性を確保することができる。
また、本実施の形態のように、高電圧をかけて霧化電極190aからナノサイズの微細ミストを噴霧する静電霧化方式においては、この高電圧によりミスト用タンク167aが帯電してしまい、ミスト用タンクを着脱する場合に使用者に帯電した電流が流れてしまうことで使用者がビリビリといった電流を感じてしまう可能性があるが、この不具合を防止するために、ミスト用タンク167aには帯電をしないような帯電防止手段を備えている。
この帯電防止手段の具体例として、帯電防止材料を用いてミスト用タンク167aを形成することで、使用者が触れる箇所の帯電を防止することができる。また、このミスト用タンク167aをアースさせてミスト用タンクが帯電しないようにすることも可能である。
このような帯電防止手段を用いる場合には収納ケースにも帯電防止手段を備えるとより使用者が触れる箇所の帯電を防止することができ、高品質の冷蔵庫を提供することができる。
また、野菜室124に備えられた収納ケースである上段収納容器165には蓋166がその上方開口部を略密閉の構成で閉塞しており、この蓋166の上方側を冷気が流れることにより、収納食品に直接冷気があたらないので、食品が乾燥することを防いでいる。
このように、野菜室においても野室用冷気吐出口145から野菜室用冷気吸込口146へと流れる冷気の流れる風路以外の領域に収納ケースである上段収納容器165を備え、この収納ケースである上段収納容器165内部にミストを噴霧している。
また、下段収納容器164と上段収納容器165の前後方向での空間には、一般にPETボトル等の飲料が置かれることが多く、この部分には冷気が直接触れることになり、冷却スピードを確保している。
上段収納容器165や下段収納容器164内部に収納された食品からは、投入時からの時間経過に伴い水分が蒸散する。この時蒸散した水分を含んだ空気は、天面に配置されたミスト噴霧手段167へと到達する。ミスト噴霧手段167は野菜室124の上部に位置する下段冷凍室125によりその内部が周囲温度よりも低く冷却されており、ミスト噴霧手段167内部で空気中の水分が結露することになる。この結露した水を蓋166に開口されたミスト噴霧口169から収納容器内部にミスト状に噴霧する。結果、収納食品からの蒸散水はミスト噴霧手段167により、再び収納食品自体に返されることになる。
また、ミスト噴霧手段167を野菜室124の天面である第一の仕切壁133の野菜室124の奥行き方向における中心線上171もしくは中心線171より奥方向に設置し、さらに蓋166にはミスト噴霧手段167の直下に相当する部位にミスト噴霧口169を開口させていることにより、下段収納容器164内部に収納された食品のみならず上段収納容器165内部に収納された食品から蒸散した水分も天面に配置されたミスト噴霧手段167に結露することになる。
このように野菜室124には、略密閉構造で構成された上段収納容器165および下段収納容器164内にミスト噴霧手段167が備えられており、また、ミスト噴霧手段167は野菜室124の天面である第一の仕切壁133の野菜室124の奥行き方向における中心線上171もしくは中心線171より奥方向に設置し、さらに蓋166にはミスト噴霧手段167の直下に相当する部位にミスト噴霧口169を開口させている。
これによって、野室用冷気吐出口145から貯蔵室内に流入した冷気が野菜室用冷気吸込口146を通って野菜室146外へと流れる風路によって上段収納容器165内は主に上段収納容器165の外側から冷却が行われ、略密閉構造で構成された収納ケースである上段収納容器内にミスト噴霧手段167が備えられているので、ケース内のミスト濃度を向上させることができる。
次に、ミスト噴霧手段167の構成について説明する。
野菜室146内においては、ミスト噴霧手段167を野菜室124の天面である第一の仕切壁133の野菜室124の奥行き方向における中心線上171もしくは中心線171より奥方向に設置している。
冷却プレート190cの野菜室124と反対側の収納空間は下段冷凍室125の底面であり、冷却システムの運転により冷却器112で生成し、冷却ファン113により−15〜−25℃程度の冷気が流れ、温調される空間であるため、下段冷凍室125の底面からの熱伝導で伝熱冷却部材である冷却プレート190cが例えば−10℃前後に冷却される。このとき、冷却プレート190cは、良熱伝導部材であるため、冷熱を非常に伝えやすく、冷却プレート190c、絶縁体190bを介して霧化先端部である霧化電極190aも−5℃前後に間接的に冷却される。
ここで、野菜室124の温度は2℃から7℃で、かつ野菜などからの蒸散により比較的
高湿状態であるので、霧化先端部である霧化電極190aは露点温度以下となれば、先端を含め、霧化電極190aには水が生成し、水滴が付着する。
水滴が付着した霧化先端部である霧化電極190aに負電圧、対向電極136を正電圧側として、電圧印加部191によりこの電極間に高電圧(例えば−4〜−10kV)を印加させる。このとき電極間でコロナ放電が起こり、霧化先端部である霧化電極190aの先端の水滴が、静電エネルギーにより微細化され、さらに液滴が帯電しているためレイリー分裂により数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストと、それに付随してオゾンやOHラジカルなどが発生する。電極間に印加する電圧は、非常に高電圧であるが、そのときの放電電流値は数μAレベルであり、入力としては0.5〜1.5Wと非常に低入力である。
具体的には、霧化電極190aを高電圧側(−5kV)、対向電極190dを基準電位側(0V)とすると、霧化電極190a先端に付着した結露水は、霧化電極190aと対向電極190d間の空気絶縁層が破壊され、静電気力で放電が起こる。このとき結露水は帯電し、微細な粒子となる。さらに対向電極190dに微細ミストは引き寄せられ、液滴がさらに微粒化され、ラジカルを含んだ数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストとなり、その慣性力により、貯蔵室(野菜室124)に向けて、微細ミストが噴霧される。
なお、霧化電極190aに水がないときは、放電距離が離れ、空気の絶縁層を破壊することができず、放電現象が起こらない。そのため霧化電極190aと対向電極190d間には電流が流れない。
また、霧化先端部である霧化電極190aを直接冷却することなく、伝熱冷却部材である冷却プレート190cを冷却することで間接的に霧化電極190aを冷却することができ、伝熱冷却部材である冷却プレート190cが霧化電極190aよりも大きな熱容量を有するようにすることで、霧化電極190aを冷却することができ、また、蓄冷の役割を果たすことにより霧化電極190aの急激な温度変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
このように霧化先端部である霧化電極190aを直接冷却することなく、伝熱冷却部材である冷却プレート190cを冷却することで間接的に霧化電極190aを冷却することができ、伝熱冷却部材が霧化電極190aよりも大きな熱容量を有するようにすることで、冷却手段の温度変化が霧化電極190aに直接的に大きな影響を与えることを緩和し、霧化先端部である霧化電極190aを冷却することができ、霧化電極190aの負荷変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
また、冷蔵室121内においては、上記の野菜室内のように結露水をミスト噴霧装置167に供給するのではなく、ミスト用タンク167aの貯留水を吸水材を介してミスト噴霧装置に供給するものであるので、上記冷却プレート190cは備えていない。
このように、霧化電極190aに対向する位置に対向電極190dを備え、霧化電極190aと対向電極190d間に高圧電位差を発生させる電圧印加部191を有することで、霧化電極190a近傍の電界が安定に構築できることによって微粒化現象、噴霧方向が定まり、収納容器(下段収納容器164、上段収納容器165)内に噴霧する微細ミストの精度をより高めることができ、霧化部190の精度を向上させることができ、信頼性の高い静電霧化装置197を提供することができる。
また、対向電極190dの形状がドーム状のリング形状を有していることにより、霧化
電極190aからは対向電極190dの内側面のどこにおいても同距離を確保している。これにより、放電方向が放射状になり広範囲で放電できるので微細ミスト量を多くすることができる。また、例えば、対向電極190dに埃などの異物が付着した場合でも、放電範囲が広域であるため、安定した放電状態を維持することができる。したがって、野菜室124に設けた略密閉空間の下段収納容器164、上段収納容器165内のミスト濃度をより向上することができる。
霧化電極190aの温度が1K下がれば、その先端の水生成スピードは約10%程度上昇する。しかし、霧化電極190aが極度に冷却されると結露スピードが急激になり、それに伴い結露量が多大となり霧化部190の負荷の増大による静電霧化装置167への入力の増大および霧化部190の凍結、霧化不良が懸念されるが、こういった霧化部190の負荷増大による不具合を防ぐことができ、適切な結露量を確保することができ、低入力で安定的なミスト噴霧を実現することができる。
このように簡単な構造で冷却手段を構成することができるので、故障が少なく信頼性が高い霧化部190を実現することができる。また、冷凍サイクルの冷却源を利用して伝熱冷却部材である冷却プレート190cおよび霧化先端部である霧化電極190aの冷却を行うことができるので、省エネルギーで霧化を行うことができる。
このように冷却手段によって冷却する際に、伝熱冷却部材である冷却プレート190cの霧化先端部である霧化電極190aから最も距離の離れた遠い部分から冷却することで、冷却プレート190cの大きな熱容量を冷却した上で、冷却プレート190cによって霧化電極190aが冷却されることで、冷却手段の温度変化が霧化電極190aに直接的に大きな影響を与えることをさらに緩和し、より変動負荷の小さく安定的なミスト噴霧を実現することができる。 また、冷蔵庫本体101の最下部の貯蔵室である野菜室124の天面側へ霧化部190を設けているので、人の手にも触れにくいので安全性を向上させることができる。
また、電極接続部材である冷却プレート190cは、ある程度の熱容量を確保できており、熱伝導の応答を緩和することができるので、霧化先端部である霧化電極190aの温度変動を抑制することができ、また蓄冷部材としての働きを有することになるので、霧化先端部である霧化電極190aの結露発生の時間を確保し、凍結も防止することができる。
さらに、冷却プレート190cと霧化電極190aの接合部の熱抵抗を抑えているので、霧化電極190aと冷却プレート190cの温度変動が良好に追従する。また、接合に関しても湿度が侵入することができないので、長期的に熱接合性が維持される。
また、貯蔵室(野菜室124)が高湿環境下にあり、その湿度が伝熱冷却部材である冷却プレート190cに影響する可能性があるので、冷却プレート190cは耐腐食性、耐錆性の性能を持った金属材料、もしくはアルマイト処理などの表面処理、コーティングを行っているので、さび等が発生せず、表面熱抵抗の増加が抑制され、安定した熱伝導が確保できる。
さらに、霧化先端部である霧化電極190aの表面に例えばニッケルメッキや金メッキや白金メッキを用いれば、霧化電極190a先端の放電による磨耗が抑制され、これにより、霧化電極190a先端の形状が維持できるので、長期に噴霧することが可能となり、また、その先端の液滴形状も安定する。
霧化電極190aで発生した微細ミストは、主に上段収納容器165内に噴霧されるが
、非常に小さい微粒子のため拡散性が強く、上下収納容器(164、165)の勘合部位の隙間を最小限に維持する構造かつ蓋166が配置されており、扉162が閉じている場合には上段収納容器165の上面開放部を閉塞し、上段収納容器165を略密閉構造となっているおり、さらに上段収納容器165に設けた複数の空気流通穴168が設けられているため、下段収納容器164にも微細ミストは到達する。
噴霧される微細ミストは、高圧放電で生成されOHラジカルをミスト内部に内包していることでマイナスの電荷を帯びている。一方、野菜室124内には青果物である野菜の中でも緑の菜っ葉ものや果物等も保存されており、これらの青果物は蒸散あるいは保存中の蒸散によってより萎れやすいものである。野菜室124内に保存されている野菜や果物の中には、通常、購入帰路時での蒸散あるいは保存中の蒸散によってやや萎れかけた状態のものが含まれており、プラスの電荷をもつ。よって、霧化されたミストは、野菜の表面に集まりやすく、これにより保鮮性が向上する。
このように、野菜表面に付着したナノレベルの微細ミストは、OHラジカルと微量ではあるがオゾンなどを多く含んでおり、殺菌、抗菌、除菌などに効果がある他、酸化分解による農薬除去や抗酸化によるビタミンC量などの栄養素の増加を野菜に促す。
よって、本実施の形態のように、ミスト濃度を高めた収納ケース内ではより上記のような殺菌、抗菌、除菌などに効果がある他、野菜に対する酸化分解による農薬除去や抗酸化によるビタミンC量などの栄養素の増加等の有用な効果を効率良く実現することが可能である。
ここで、霧化電極190aに水がないときは、放電距離が離れ、空気の絶縁層を破壊することができず、放電現象が起こらない。これにより霧化電極190aと対向電極190d間に電流が流れない。この現象を冷蔵庫101の制御手段で検知することにより電圧印加部191の高圧をON/OFFすることもできる。
この時噴霧されるミスト粒子は、例えば0.005μm〜20μm程度であり非常に微細なものである。なお、ミスト噴霧手段167には、静電霧化方式によるものを用いたが、場合によっては超音波により水を微粒子化して噴霧するもの、ポンプ方式で噴霧するもの等を用いてもよい。
このようにして食品からの水分の蒸散−結露−ミスト噴霧のサイクルを繰り返す訳であるが、本実施の形態によれば、PETボトルのような冷却スピードが気になる食品は吐出冷気で直接的に冷却し、かつ、葉野菜のように萎れが気になる食品については、野菜室124の冷却空気を直接当てない略密閉構造とすることとミスト噴霧により鮮度を維持することで、食品の特性に応じた冷却を行うことができる。
この時、図示はしないが野菜室124内部の側壁はヒータ等の加熱手段で適度に加熱されており、収納容器外へ拡散したミスト粒子および、野菜からの蒸散水が結露することは無い。
また、上段収納容器165の空気流通穴168は、上段収納容器165内の過剰な結露を防ぐ役割も果たしている。
さらに、霧化電極190aに貯蔵室(野菜室124)内の余剰な水蒸気を結露させ、水滴を付着させ、ミストを噴霧することからミスト噴霧用の水を供給するための除霜ホースや浄化フィルター、もしくは水道直結の水供給経路、貯水タンクなどが不要であり、また、ポンプなどの送水手段等も使用しておらず、複雑な構成を要することなく、簡単な構成
で貯蔵室(野菜室124)へ微細ミストを供給することができる。
このように簡単な構成で安定的に貯蔵室(野菜室124)へ微細ミストを供給することができるので、冷蔵庫101の故障の可能性を大幅に低減することができ、信頼性をより高めた上で冷蔵庫101の品質を向上させることができる。
さらに、電圧印加部191が収納されている部分についても、冷却されているので基板の温度上昇を抑えることができる。これにより、貯蔵室(野菜室124)内の温度影響を少なくすることができる。
なお、本実施の形態における静電霧化装置167は、霧化先端部である霧化電極190aと対向電極190dとの間に高電圧を印加するため、微細ミスト発生時にオゾンも発生するが、静電霧化装置167のON・OFF運転により、貯蔵室(野菜室124)内のオゾン濃度を調整することが出来る。オゾン濃度を適度に調整することにより、オゾン過多による野菜の黄化などの劣化を防止し、かつ、野菜表面の殺菌、抗菌作用を高めることが出来る。
なお、本実施の形態では、霧化電極190aに高電圧側(−5kV)、対向電極190dに基準電位側(0V)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させたが、霧化電極190aを基準電位側(0V)とし、対向電極190dを正電位(+5kV)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させてもよい。 また、本実施の形態では、霧化電極190aに高電圧側(−5kV)、対向電極190dに基準電位側(0V)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させているので、貯蔵室(野菜室124)に近い対向電極190dが基準電位側になるので、冷蔵庫の使用者の手が対向電極190dに近づいても感電等を起こさない。また、霧化電極190aを負電位にした場合、貯蔵室(野菜室124)側を基準電位側とすれば、特に対向電極190dを設けなくてもよい場合もある。
この場合は、例えば、断熱された貯蔵室(野菜室124)の中に導電性の収納容器を備え、その導電性の収納容器が収納容器の保持部材(導電性)と電気的に接続され、且つ保持部材と脱着可能な構成とし、保持部材を基準電位部と接続しアース(0V)にするのである。
これにより、霧化部190と収納容器および保持部材が常に電位差を保つため安定的な電界が構成されることにより、安定的に霧化部190から噴霧でき、また、収納容器全体が基準電位になっているので、噴霧されるミストを収納容器全体に拡散することができる。さらに、周辺の物体への帯電も防止することができる。
このように、特に対向電極190dを設けなくても、貯蔵室(野菜室124)側の一部にアースされた保持部材を備えることで、霧化電極190aと電位差を発生させて、ミスト噴霧を行うことができ、より簡単な構成で安定的な電界が構成されることにより安定的に霧化部から噴霧できる。
また、収納容器側に保持部材を取り付けると、収納容器全体が基準電位になっているので噴霧されるミストが収納容器全体に拡散することができる。さらに、周辺の物体への帯電も防止することができる。
なお、本実施の形態の野菜室では、伝熱冷却部材である冷却プレート190cを冷却するための熱源を下段冷凍室125としたが、製氷室123などを利用しても構わない。これにより、静電霧化装置167の設置可能場所が拡大する。
以上のように、本実施の形態においては、内部に農作物用の貯蔵室を有する箱体と、前記貯蔵室内に設けられた収納ケースと、前記収納ケース内にミスト噴霧するミスト噴霧装置とを備え、前記噴霧装置を収納ケース内に近傍に配置したことにより、前記収納ケース内のミスト濃度と前記貯蔵室内のミスト濃度とを異なるミスト濃度で保持することにより、収納空間である収納ケース内のミスト濃度のみを効率的に向上させることができるので、貯蔵目的に合わせたミスト濃度を選択することが可能となり、例えば、濃度の濃い貯蔵室内では農作物に付着した有害物質を落としやすくすることができる。
また、略密閉構造で構成されたケース内にミスト噴霧手段が備えられているので、ケース内のミスト濃度を効率よく向上させることができる。
また、本実施の形態においては、前記野菜室内に配置され、前記野菜室内の天面に前記ミスト噴霧手段を一部埋設したものであり、前記下段冷凍室により前記ミスト噴霧手段を前記野菜室内よりも低温に冷却することにより、前記冷気吐出口と前記冷気吸込口間を流通する湿気を効率良く結露回収することができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段に静電霧化方式を用いたもので、粒子径数nmから数μmの微細なミストを発生させることができ、また噴霧したミストがマイナスの電荷を帯びることで、より野菜等への付着率を向上させることができ、さらに高濃度のミストで野菜の鮮度を維持することができる。
また、対向電極の形状がドーム状のリング形状を有していることにより、霧化電極からは対向電極の内側面のどこにおいても同距離を確保している。これにより、放電方向が放射状になり広範囲で放電できるので微細ミスト量を多くすることができる。また、例えば、対向電極に埃などの異物が付着した場合でも、放電範囲が広域であるため、安定した放電状態を維持することができる。したがって、野菜室124に設けた略密閉空間の下段収納容器164、上段収納容器165内のミスト濃度をより向上することができる。
なお、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段に超音波方式を用いてもよく、この場合、粒子径数μmの微細なミストを発生させることができ、また多量の噴霧量にも対応することができるので、より収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
本実施の形態では、野菜室にミスト発生手段を設置した形態で説明したが、図4に示すように、冷蔵室下部に設けた略密閉構造で構成したチルド室にミスト発生手段を設置した場合も、同様な構成で効果を発揮できる。この場合、本実施の形態のミスト発生手段の結露水生成手段を冷蔵庫の冷気を利用した冷却プレート方式の他に、ペルチェ方式を採用して、より低湿環境であるチルド室で積極的に結露水を生成させ、ミスト発生効率を向上させることも可能である。