JP2011046713A - 化学増幅型ポジ型レジスト組成物及び(メタ)アクリル酸誘導体とその製法 - Google Patents

化学増幅型ポジ型レジスト組成物及び(メタ)アクリル酸誘導体とその製法 Download PDF

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一樹 武元
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勲 吉田
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Abstract

【課題】ラインエッジラフネスが良好であるレジスト組成物、リフロー工程においてパターンをより微細化できる化学増幅型ポジ型レジスト組成物の提供。
【解決手段】式(I)で示される繰り返し単位
Figure 2011046713

と式(II)〜(V)で示される繰り返し単位からなる群から選ばれた少なくとも一つの繰り返し単位とを有する樹脂及び酸発生剤を含む感放射線組成物。
Figure 2011046713

【選択図】なし

Description

本発明は、半導体の微細加工に用いられる化学増幅型レジスト組成物及び該組成物の成分樹脂及び該組成物の成分樹脂の原料となる(メタ)アクリル酸誘導体とその製法に関する。
半導体の微細加工には、通常、レジスト組成物を用いたリソグラフィプロセスが採用されており、リソグラフィにおいては、レイリー(Rayleigh)の回折限界の式で表されるように、原理的には露光波長が短いほど解像度を上げることが可能である。半導体の製造に用いられるリソグラフィ用露光光源は、波長436nmのg線、波長365nmのi線、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザーと、年々短波長になってきており、次世代の露光光源として、波長157nmのF2エキシマレーザー、さらにその後は波長13nm以下の軟X線(EUV)が光源として提案されている。
エキシマレーザー等の短い波長を用いたリソグラフィプロセスでは、線幅が狭くなるにつれて、レジストの性能面においては、解像度、感度、パターン形状等諸性能に対する改良が課題であり、特に、ラインエッジラフネス(パターン表面の荒さ、パターンのうねり、LER)が重要な課題となっている。(例えば、非特許文献1参照)
一方、プロセス面においては、レジストの塗布、露光、現像によりパターンを形成した後、高温ベークにより、レジストを膨潤させることによって、谷の幅やホールの径を狭めて、パターンの微細化を行う工程(以降、「リフロー工程」と称する。)を追加する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−213603号公報(第1〜3頁)
Proc. of SPIE Vol.5038(2003) p.689〜698
微細加工技術のさらなる進歩に伴い、従来の化学増幅型レジスト組成物をさらに上回る性能、例えば、解像度、感度、パターン形状、ラインエッジラフネスがより良好であることが要望されている。さらに、前述のリフロー工程に適したレジスト組成物が要望される場合がある。
本発明の目的は、ArFエキシマレーザーリソグラフィに適した、解像度、感度、パターン形状などの性能に加えて、特に、ラインエッジラフネスが良好であるレジスト組成物、さらには、リフロー工程においてパターンをより微細化できる化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記のレジスト組成物の成分である樹脂の新規なモノマーとその製法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を加えた結果、特定の繰り返し単位を導入した樹脂を用いることによって上記課題の解決を図った。すなわち、繰り返し単位に連結基を導入し、酸解離性基が主鎖から離れたところに存在する(メタ)アクリル酸エステル誘導体を導入した樹脂と酸発生剤とを含有する化学増幅型ポジ型レジスト組成物が、解像度などの各種のレジスト性能が良好であるとともに、ラインエッジラフネスが良好であり、また、リフロー工程での適用も可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、〔1〕 式(I)で示される繰り返し単位
Figure 2011046713

(式中、Xは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のペルフルオロアルキルを示す。Yは、記載の炭素原子(Rと結合している炭素原子)とともに脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複数の原子を示す。
Zは、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を示す。
Rは、炭素数1〜6のアルキル又は炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を示す。)
と式(II)〜(V)で示される繰り返し単位からなる群から選ばれた少なくとも一つの繰り返し単位(ただし、式(I)で示される繰り返し単位とは異なる。)とを有する樹脂及び酸発生剤を含む感放射線組成物に係るものである。
Figure 2011046713
(式中、X1〜X4は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のペルフルオロアルキルを示す。
Yは、前記の定義と同じであり、Yは、記載の炭素原子(R1と結合している炭素原子)とともに脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複数の原子を示す。
1〜Z4は、互いに独立に、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を示す。
1〜n4は、互いに独立に、0〜3の整数を示す。
1は、炭素数1〜6のアルキル又は炭素数3〜12のシクロアルキルを示す。
Aは、炭素数1〜12の炭化水素基を示す。
2、R3は、互いに独立に、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
Gは、−(CO)O−又は−O−を示す。
4は、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを示す。
p、qは、互いに独立に、0〜2の整数を示す。)
また、本発明は、〔2〕 式(XII)で示される(メタ)アクリル酸誘導体に係るものである。
Figure 2011046713

(式中、X11は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。
11がメチルであり、Y2が記載の炭素原子(R11と結合している炭素原子)とともにアダマンタン骨格を完成し、かつZ7がメチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンであるか;又はR11がエチル、イソプロピルもしくはブチルであり、Y2が記載の炭素原子とともにアダマンタン骨格を完成し、かつZ7がメチレン、エチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンであるか;又はR11がメチル、エチル、イソプロピルもしくはブチルであり、Y2がテトラメチレン、ペンタメチレンか、もしくは記載の炭素原子とともにノルボルネン骨格を完成し、かつZ7がメチレン、エチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンである。)
更に、本発明は、〔3〕 式(XIII)で示される(メタ)アクリル酸誘導体に係るものである。
Figure 2011046713

(式中、X12は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。
8は、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル又はブチルカルボニルを示す。)
更に、本発明は、〔4〕 式(XIV)で示される(メタ)アクリル酸誘導体に係るものである。
Figure 2011046713

(式中、X13は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。Z9は、メチレン、エチレン、トリメチレン又はテトラメチレンを示す。p2は、0又は1である。)
また、本発明は、〔5〕 式(XV)で示されるアルコール誘導体と
Figure 2011046713

(式中、Y3は、記載の炭素原子(R13と結合している炭素原子)とともに、シクロペンタン骨格、シクロヘキサン骨格、ノルボルネン骨格又はアダマンタン骨格を完成する。)式(XVI)で示される酸ハロゲン化物誘導体とを
Figure 2011046713

(式中、W1、W2は、互いに独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
上記式(XV)でR13がメチルであり、かつY3が記載の炭素原子とともに、アダマンタン骨格を完成するときは、Z10はメチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンであるか;又はR13がエチル、イソプロピルもしくはブチルであり、かつY3が記載の炭素原子とともに、アダマンタン骨格を完成するときは、Z10はメチレン、エチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンであるか;又はR13がメチル、エチル、イソプロピルもしくはブチルであり、かつY3が記載の炭素原子とともに、シクロペンタン骨格、シクロヘキサン骨格、もしくはノルボルネン骨格を完成するときは、Z10は、メチレン、エチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンである。)
縮合させた後、得られた縮合物と式(XVII)で示されるカルボン酸と
Figure 2011046713

(式中、X14は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。)
を脱酸剤の存在下に反応させる〔2〕に記載の(メタ)アクリル酸誘導体の製造法に係るものである。
更に、本発明は、〔6〕 式(XVIII)で示されるγ−ブチロラクトン誘導体と
Figure 2011046713

(式中、W3は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
式(XIX)で示される誘導体とを
Figure 2011046713

(式中、X15は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。
11は、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル又はブチルカルボニルを示す。)
脱酸剤の存在下に反応させる〔3〕に記載の(メタ)アクリル酸誘導体の製造法に係るものである。
更に、本発明は、〔7〕 式(XX)で示されるヒドロキシアダマンタン誘導体と
Figure 2011046713

(式中、R15は、水酸基を示す。p3は、0又は1を示す。)
式(XXI)で示される誘導体とを
Figure 2011046713

(式中、X16は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。Z15は、メチレン、エチレン、トリメチレン又はテトラメチレンを示す。)
酸触媒の存在下にエステル化反応させる〔4〕に記載の(メタ)アクリル酸誘導体の製造法に係るものである。
更に、本発明は、〔8〕 式(XII‘)で示される繰り返し単位
Figure 2011046713

(式中、X11は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。R11がメチルであり、Y2が記載の炭素原子(R11と結合している炭素原子)とともにアダマンタン骨格を完成し、かつZ7がメチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンであるか;又はR11がエチル、イソプロピルもしくはブチルであり、Y2が記載の炭素原子とともにアダマンタン骨格を完成し、かつZ7がメチレン、エチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンであるか;又はR11がメチル、エチル、イソプロピルもしくはブチルであり、Y2がテトラメチレン、ペンタメチレンか、もしくは記載の炭素原子とともにノルボルネン骨格を完成し、かつZ7がメチレン、エチレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンである。)と式(II)〜(V)で示される繰り返し単位からなる群から選ばれた少なくとも一つの繰り返し単位(ただし、式(XII’)で示される繰り返し単位とは異なる。)とを含むことを特徴とする〔1〕に記載の(メタ)アクリル系重合体に係わるものである。
Figure 2011046713

(式中、X1〜X4は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のペルフルオロアルキルを示す。
Yは、前記の定義と同じである。
1〜Z4は、互いに独立に、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を示す。
1〜n4は、互いに独立に、0〜3の整数を示す。
1は、炭素数1〜6のアルキル又は炭素数3〜12のシクロアルキルを示す。
Aは、炭素数1〜12の炭化水素基を示す。
2、R3は、互いに独立に、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
Gは、−(CO)O−又は−O−を示す。
4は、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを示す。
p、qは、互いに独立に、0〜2の整数を示す。)
本発明の化学増幅型ポジ型レジスト組成物は、ArFエキシマレーザーリソグラフィに適しており、解像度、感度、パターン形状などが良好であることに加えて、特に、ラインエッジラフネスが良好であり、さらには、リフロー工程においてパターンをより微細化することが可能である。
本発明の感放射線組成物は、前記の式(I)で示される繰り返し単位と式(II)〜(V)で示される繰り返し単位からなる群から選ばれた少なくとも一つの繰り返し単位(ただし、式(I)で示される繰り返し単位とは異なる。)とを有する樹脂及び酸発生剤を含むことを特徴とする。
なお、式(I)においてYは、式(I)にYと点線で結合を表記したRと結合している炭素原子とともに脂環式炭化水素基を完成させるのに必要な複数の原子であり、すなわち、Yは、炭素原子と水素原子がそれぞれ複数結合してなる2価の基であって、Rと結合している炭素原子のみに結合し、該炭素原子とともに2価の脂環式炭化水素基を形成する炭化水素基である。
式(I)で示される繰り返し単位としては、下記のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
式(I)で示される繰り返し単位に導くモノマーである式(XXII)で示される(メタ)アクリル酸誘導体は、下記に示した反応式により、式(XXIII)と式(XXIV)を縮合させた後、更に脱酸剤の存在下、式(XXIV’)と反応させることによって得ることができる。
Figure 2011046713

(式中の記号は、これまでに定義した内容と同じである。)
式(XXIII)で示されるアルコール誘導体としては、下記の化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
式(XXIV)で示される酸ハロゲン化物としては、下記の化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。

Figure 2011046713
式(XXIV’)のカルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、α-トリフルオロメチルメタクリル酸などが挙げられる。
式(XXIII)と式(XXIV)の反応は、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中で行われ、反応温度は、−30℃〜200℃、好ましくは、0℃〜100℃である。この反応は、脱酸剤を添加して行うことが好ましく、脱酸剤として例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基あるいは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基あるいは、これらの混合物が用いられる。
式(XXIII)のアルコール誘導体1モルに対して、式(XXIV)の酸ハライド誘導体は、当量から2倍量、好ましくは、当量から1.5倍量であり、脱酸剤は、当量から5倍量、好ましくは、当量から3倍量である。この反応は、テトラブチルアンモニウムブロミドのような相間移動触媒を添加して行うことも可能である。
得られた縮合物は、通常の後処理によって取り出すことができる。この縮合物は、クロマトグラフィー、再結晶あるいは、蒸留によって精製することも可能である。
縮合物は、さらに、式(XXIV’)で示される(メタ)アクリル酸誘導体と脱酸剤存在下に反応させて、目的物式(XXII)の化合物に導くことができる。
この反応は、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中で行われ、反応温度は、−30℃〜200℃、好ましくは、0℃〜100℃である。
この反応は脱酸剤を添加することが好ましく、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基あるいは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基あるいは、これらの混合物が用いられる。
この反応において、中間体の縮合化合物1モルに対して、式(XXIV’)の酸誘導体は、通常は当量から2倍量、好ましくは、当量から1.5倍量であり、脱酸剤は、通常は当量から5倍量、好ましくは、当量から3倍量である。
この反応は、テトラブチルアンモニウムブロミドのような相間移動触媒を添加して行うことも可能である。
得られた式(XXII)の化合物は、通常の後処理によって取り出すことができる。この式(XXII)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶あるいは、蒸留によって精製することも可能である。
式(II)で示される繰り返し単位としては、これらに限定されるものではないが、以下に例示することができる。
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
式(II)で示される繰り返し単位に導く(メタ)アクリル酸誘導体は、式(I)で示される繰り返し単位に導く(メタ)アクリル酸誘導体の合成反応と同様な反応によって得ることができる。
式(III)で示される繰り返し単位としては、これらに限定されるものではないが、以下に例示することができる。

Figure 2011046713
式(III)で示される繰り返し単位に導く(メタ)アクリル酸誘導体は、式(I)で示される繰り返し単位に導く(メタ)アクリル酸誘導体の合成反応と同様な反応によって得ることができる。
式(IV)で示される繰り返し単位としては、これらに限定されるものではないが、以下に例示することができる。
Figure 2011046713
Figure 2011046713
式(IV)で示される繰り返し単位に導くモノマーである式(XXV)で示される(メタ)アクリル酸誘導体は、下記に示した反応式により、式(XXVI)と式(XXVII)を酸触媒下にエステル化反応させることによって得ることができる。
Figure 2011046713

(式中の記号は、これまでに定義した内容と同じである。)
式(XXVI)で示される化合物としては、これらに限定されるものではないが、以下に例示することができる。

Figure 2011046713
Figure 2011046713
式(XXVII)で示される化合物としては、これらに限定されるものではないが、以下に例示することができる。
Figure 2011046713
式(XXVI)と式(XXVII)の脱水によるエステル化反応は、例えば、トルエン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中で行われ、反応温度は、−30℃〜200℃、好ましくは、0℃〜150℃である。
共沸脱水反応を行う場合は、酸触媒を添加することが好ましく、例えば、硫酸のような無機酸あるいは、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸あるいは、ナフィオンのような酸触媒樹脂、これらの混合物が用いられる。あるいは、式(XXVI)の(メタ)アクリル酸誘導体を酸触媒かつ反応試剤かつ溶媒として用いても良い。
式(XXVII)のアルコール誘導体1モルに対して、式(XXVI)の(メタ)アクリル酸誘導体は、当量から大過剰、好ましくは、当量から1.5倍量であり、酸触媒は、触媒量から等量、好ましくは、触媒量から0.5倍量である。脱水エステル化反応に、酸触媒を使用せずに、ジシクロヘキシルカルボジイミドのような脱水剤を用いることも可能である。
一級水酸基と二級水酸基が共存する時は、一級水酸基を、例えば、シリル基のような保護基で不活性化する方が好ましい。
得られた式(XXV)で示されるエステル化合物は、通常の後処理によって取り出すことができ、クロマトグラフィーあるいは、再結晶あるいは、蒸留によって精製することも可能である。
式(V)で示される化合物としては、これらに限定されるものではないが、以下に例示することができる。
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
式(V)で示される繰り返し単位の式(XXVIII)で示される(メタ)アクリル酸誘導体は、下記に示した反応式により、式(XXIX)と式(XXX)を塩基存在下にエステル化反応させることによって得ることができる。
Figure 2011046713

(式中の記号は、これまでに定義した内容と同じである。W3は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
式(XXIX)で示される化合物としては、これらに限定されるものではないが、以下に例示することができる。
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
式(XXX)で示される化合物としては、これらに限定されるものではないが、以下に例示することができる。
Figure 2011046713
式(XXIX)と式(XXX)の反応は、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中で行われ、反応温度は、−30℃〜200℃、好ましくは、0℃〜150℃である。反応は脱酸剤を添加することが好ましく、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基あるいは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基あるいは、これらの混合物が用いられる。
式(XXX)のラクトン誘導体1モルに対して、式(XXIX)のヒドロキシ化合物は、当量から2倍量、好ましくは、当量から1.5倍量であり、脱酸剤は、当量から5倍量、好ましくは、当量から3倍量である。
反応には、テトラブチルアンモニウムブロミドのような相間移動触媒を添加することも可能である。得られた縮合物は、通常の後処理によって取り出すことができる。この縮合物は、クロマトグラフィーあるいは、再結晶あるいは、蒸留によって精製することも可能である。
本発明の樹脂の製造方法における重合としては、ラジカル重合、アニオン重合、配位重合などが挙げられるが、その中でもラジカル重合が好ましい。
重合によって得られる樹脂の重量平均分子量としては1000〜500000が挙げられるが、好ましくは、4000〜50000である。
ここで用いられる重合開始剤は、公知のものであって、特に限定されるものではないが、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。このような重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート等の有機過酸化物、などが挙げられ、それぞれ単独でも良いし、2種類以上の開始剤を併用しても良い。
さらに、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、1−テトラデカンチオール、シクロヘキサンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール等の連鎖移動剤を併用することもできる。
重合に用いられる有機溶剤は、モノマーと開始剤、及び得られる共重合体のいずれも溶解できる溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、トルエン等の炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等が挙げられ、それぞれ単独でも良いし、2種類以上の溶剤を混合して用いても良い。
本発明における樹脂の製造方法における反応温度は、0〜150℃の範囲であって、好ましくは40〜100℃の範囲である。
本発明の感放射線組成物として、好ましくは、樹脂が式(VI)で示される繰り返し単位
Figure 2011046713

(X5は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のペルフルオロアルキルを示す。Y1は、記載の炭素原子(R5と結合している炭素原子)とともに炭素数2〜12の脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複数の原子を示す。Z5は、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を示す。R5は、炭素数1〜6のアルキル又は炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を示す。)と式(III)、(VII)、(VIII)で示される繰り返し単位からなる群から選ばれた少なくとも一つの繰り返し単位(ただし、式(VI)で示される繰り返し単位とは異なる。)とを有する〔1〕に記載の感放射線組成物が挙げられる。
Figure 2011046713

(式中、X2、X6、X7は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のペルフルオロアルキルを示す。
Aは、炭素数1〜12の炭化水素基を示す。
2は、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を示す。
2は、0〜3の整数を示す。
6、R7は、互いに独立に、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
8は、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを示す。
r、sは、互いに独立に、0〜2の整数を示す。)
更に、本発明の感放射線組成物として、より好ましくは、樹脂が式(IX)で示される繰り返し単位
Figure 2011046713

(X8は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のペルフルオロアルキルを示す。
6は、メチレン、エチレン、トリメチレン又はテトラメチレンを示す。
9は、炭素数1〜4のアルキルを示す。)
と式(VII)および(VIII)で示される繰り返し単位からなる群から選ばれた少なくとも一つの繰り返し単位とを有する〔1〕に記載の感放射線組成物が挙げられる。
Figure 2011046713

(式中、X6、X7は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のペルフルオロアルキルを示す。R6、R7は、互いに独立に、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。R8は、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを示す。r、sは、互いに独立に、0〜2の整数を示す。)
更に、本発明の感放射線組成物として、さらに好ましくは、樹脂が式(X)で示される繰り返し単位
Figure 2011046713
(式中、X8は、水素原子又はメチルを示す。
9は、メチル、エチル、イソプロピル又はブチルを示す。)
と式(XI)、(VIII’)で示される繰り返し単位からなる群から選ばれた少なくとも一つの繰り返し単位とを有する〔1〕に記載の感放射線組成物に係るものである。
Figure 2011046713

(式中、X9、X10は、互いに独立に、水素原子又はメチルを示す。R9は、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。R10は、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。p1は、0又は1である。)
次に、本発明の感放射線組成物における酸発生剤について説明する。
本発明のレジスト組成物における酸発生剤は、その物質自体に、あるいはその物質を含むレジスト組成物に、光や電子線などの放射線を作用させることにより、その物質が分解して酸を発生するものである。酸発生剤から発生する酸が前記樹脂に作用して、その樹脂中に存在する酸の作用で解裂する基を解裂させることになる。このような酸発生剤には、例えば、オニウム塩化合物、有機ハロゲン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物などが包含される。具体的には、次のような化合物を挙げることができる。
ジフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウム アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメチルスルホネート
トリフェニルスルホニウム 1−(3―ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメチルスルホネート
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム パーフルオロオクタンスルホネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、 1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
1−ベンゾイル−1−フェニルメチル p−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、
2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、
1,2,3−ベンゼントリイル トリスメタンスルホネート、
2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
4−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
ジフェニル ジスルホン、
ジ−p−トリル ジスルホン、
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミドなど。
また、本発明の化学増幅型のレジスト組成物においては、塩基性化合物、特に塩基性含窒素有機化合物、例えばアミン類を、クエンチャーとして添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良できる。クエンチャーに用いられる塩基性化合物の具体的な例としては、以下の各式で示されるようなものが挙げられる。
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
Figure 2011046713
式中、R61、R62及びR67は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル、シクロアルキル又はアリールを表す。該アルキルは、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキルは好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有し、該アリールは、好ましくは6〜10個程度の炭素原子を有する。更に、該アルキル、シクロアルキル又はアリール上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル、アミノ、又は1〜6個の炭素数を有するアルコキシで置換されていてもよい。該アミノ上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に1〜4個の炭素数を有するアルキル基で置換されていてもよい。
63、R64及びR65は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルコキシを表す。該アルキルは、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキルは、好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有し、該アリールは、好ましくは6〜10個程度の炭素原子を有し、該アルコキシは、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。
更に、該アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアルコキシ上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル、アミノ、又は1〜6個程度の炭素原子を有するアルコキシで置換されていてもよい。該アミノ上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキルで置換されていてもよい。
66は、アルキル又はシクロアルキルを表す。該アルキルは、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキルは、好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有する。更に該アルキル又はシクロアルキル上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル、アミノ、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、で置換されていてもよい。該アミノ上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキルで置換されていてもよい。
67、R68、R69及びR70は、それぞれ独立にアルキル、シクロアルキル又はアリールを表す。該アルキルは、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキルは、好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有し、該アリールは、好ましくは6〜10個程度の炭素原子を有する。更に、該アルキル、シクロアルキル又はアリール上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル、アミノ、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキルで置換されていてもよい。
Aは、アルキレン、カルボニル、イミノ、スルフィド又はジスルフィドを表す。該アルキレンは、好ましくは2〜6程度の炭素原子を有する。
また、R21〜R30において、直鎖構造と分岐構造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。
このような化合物として、具体的には、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−又は2−ナフチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4′−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−イソプロピルアニリン、イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール、ビピリジン、2,2′−ジピリジルアミン、ジ−2−ピリジルケトン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジルオキシ)エタン、4,4′−ジピリジルスルフィド、4,4′−ジピリジルジスルフィド、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、2,2′−ジピコリルアミン、3,3′−ジピコリルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−オクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称:コリン)などを挙げることができる。
さらには、特開平11−52575号公報に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとすることもできる。
(組成物の組成割合)
本発明のレジスト組成物は、樹脂と酸発生剤の合計重量に対して、樹脂を80〜99.9重量%、そして酸発生剤を0.1〜20重量%の範囲で含有するのが好ましい。また、クェンチャーとしての塩基性化合物を用いる場合は、該樹脂100重量部に対して、0.001〜1重量部、さらには0.01〜0.3重量部の範囲で含有するのが好ましい。この組成物はまた、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
本発明のレジスト組成物は通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態でレジスト液となり、シリコンウェハーなどの基体上に塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で一般に用いられている溶剤が使用しうる。例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理を行った後、アルカリ現像液で現像される。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、一般には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液が用いられることが多い。
次に、本発明の新規な(メタ)アクリル酸誘導体について、説明する。
繰り返し単位(I)、(II)のいずれかを導くモノマーとしては、式(XII)で示される化合物を好ましく用いることができる。
前述の式(XII)で示される(メタ)アクリル酸誘導体として、レジスト原料としては、X11として水素原子、メチル、トリフルオロメチルが好ましく、Z7としてメチレン、エチレン、トリメチレンが好ましく、R11としてメチル、エチル、イソプロピルが好ましく、Y2としてペンタメチレンか、もしくは記載の炭素原子とともにアダマンタン骨格あるいはノルボルナン骨格を完成することが好ましい。
繰り返し単位(V)を導くモノマーとしては、式(XIII)で示される化合物を好ましく用いることができる。
前述の式(XIII)で示される(メタ)アクリル酸誘導体として、レジスト原料としては、X12として水素原子、メチル、トリフルオロメチルが好ましく、Z8としてエチレン、トリメチレン、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニルが好ましい。
繰り返し単位(IV)を導くモノマーとしては、式(XIV)で示される化合物を好ましく用いることができる。
前述の式(XIV)で示される(メタ)アクリル酸誘導体として、レジスト原料としては、X13として水素原子、メチル、トリフルオロメチルが好ましく、Z9としてメチレン、エチレン、トリメチレンが好ましく、p2として0又は1が好ましい。
これらの(メタ)アクリル酸誘導体は、前記の合成方法により得られる。すなわち、(メタ)アクリル酸誘導体(XII)は(メタ)アクリル酸誘導体(XXII)と同様に前記の合成方法により得られる。また、(メタ)アクリル酸誘導体(XIII)は(メタ)アクリル酸誘導体(XXVIII)と同様に前記の合成方法により得られる。また、(メタ)アクリル酸誘導体(XIV)は(メタ)アクリル酸誘導体(XXV)と同様に前記の合成方法により得られる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記ないかぎり重量基準である。また重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた値である。
樹脂合成で使用した樹脂のモノマー(A〜O)を下記に示す。
Figure 2011046713
Figure 2011046713

次にモノマーの合成例を述べるが、これらに限定されるものではない。
モノマー合成例1
メタクリル酸 1-(2-メチル−2-アダマンチルオキシカルボニル)メチル(モノマーD)の合成
Figure 2011046713

2-メチルアダマンタノール(27.5Kg)をテトラヒドロフラン(220Kg)に溶解し、ピリジン(15.7Kg)を添加した。クロロアセチルクロリド(28.02Kg)をテトラヒドロフラン(56.04Kg)に溶解して、40
℃で滴下した。一晩同温度で熟成した後、氷水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、濃縮してクロロエステル中間体を18.9Kg得た(収率47.1%)。得られたクロロエステル中間体(18.9Kg)をジメチルホルムアミド(DMF 37.8Kg)に溶解した溶液を、メタクリル酸(10.1Kg)と炭酸カリウム(16.1Kg)とヨウ化カリウム(4.8Kg)のDMF(100.1Kg)スラリー溶液中に室温で滴下した。4時間室温で熟成した後、通常の後処理を行って、油状物質のモノマーDを(19.3Kg)得た(収率:85.0%)。
NMR 1.55〜2.04(12H、アダマンチル)、1.64(s、3H、Me)、1.98(s、3H、Me)、2.29(2H、アダマンチル)、4.63(2H、メチレン)、5.64(1H、オレフィン)、6.22(1H、オレフィン)
LC−MS 331(M+K)+ (C17244=292.37)
モノマー合成例2
メタクリル酸 1−(2-エチル−2-アダマンチルオキシカルボニル)メチル(モノマーO)の合成
Figure 2011046713

モノマー合成例1と同様な方法で、2-エチルアダマンタノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステル(モノマーO)を得た。
NMR 0.83(t、3H、Me)1.57〜2.13(12H、アダマンチル)、1.98(s、3H、Me)、2.20(q、2H、メチレン)、2.37(2H、アダマンチル)、4.66(2H、メチレン)、5.64(1H、オレフィン)、6.22(1H、オレフィン)
モノマー合成例3
メタクリル酸 1−(1−メチル−1−シクロヘキシルオキシカルボニル)メチル(モノマーA)の合成
Figure 2011046713

モノマー合成例1と同様な方法で、1-メチルシクロヘキサノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステル(モノマーA)を得た。
NMR 1.50(s、3H、Me)1.45〜1.58(8H、シクロヘキシル)、1.99(s、3H、Me)、2.17(2H、シクロヘキシル)、4.62(2H、メチレン)、5.65(1H、オレフィン)、6.22(1H、オレフィン)
モノマー合成例4 メタクリル酸 (3−ヒドロキシアダマンチルオキシカルボニル)メチル(モノマーMの合成)

Figure 2011046713

メタクリル酸ヒドロキシカルボニルメチル(30g)とジヒドロキシアダマンタン(16.8g)をジクロロエタン(500ml)に加えて、p-トルエンスルホン酸(1g)を添加して、15時間還流脱水反応を行った。常法に従って後処理を行い、油状物質のメタクリレートモノマー(モノマーM)(21.2g)を得た。
NMR 1.48〜2.10(12H、アダマンチル)、1.98(3H、Me)、
2.32(2H、アダマンチル)、4.583(2H、メチレン)、5.64(1H、オレフィン)、6.21(1H、オレフィン)
LC−MS 333(M+K)+ (C16225=294.34)
モノマー合成例5
メタクリル酸 3−(1-メチル−1−シクロヘキシルオキシカルボニル)プロピル(モノマーB)の合成
Figure 2011046713

モノマー合成例1と同様な方法で、1−メチルシクロヘキサノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステルを得た。
NMR 1.45〜1.58(8H、シクロヘキシル)、1.45(s、3H、Me)、1.94(s、3H、Me)、1.99(q、2H、メチレン)、2.15(2H、シクロヘキシル)、2.38(t、2H、メチレン)、4.18(t、2H、メチレン)、5.57(1H、オレフィン)、6.11(1H、オレフィン)
FAB−MS M+=268 (C15244=268.35)
一般式(XXII)で表わされる化合物の合成例としては、次のような合成例が挙げられる。
モノマー合成例6
Figure 2011046713

モノマー合成例1と同様な方法で、1−エチルシクロペンタノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステルを得た。
NMR 0.89(t、3H、Me)、1.61〜1.68(6H、シクロペンチル)、1.98(q、2H、メチレン)、1.99(t、3H、Me)、2.12(2H、シクロペンチル)、4.60(2H、メチレン)、5.64(1H、オレフィン)、6.22(1H、オレフィン)
モノマー合成例7
メタクリル酸 3−(1−エチル−1−シクロペンチルオキシカルボニル)プロピルの合成
Figure 2011046713

モノマー合成例1と同様な方法で、1−エチルシクロペンタノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステルを得た。
NMR 0.88(t、3H、Me)、1.55〜1.77(6H、シクロペンチル)、1.95(t、3H、Me)、1.96(q、2H、メチレン)、1.97(q、2H、メチレン)、2.11(2H、シクロペンチル)、2.35(t、2H、メチレン)、4.15(t、2H、メチレン)、5.57(1H、オレフィン)、6.11(1H、オレフィン)
モノマー合成例8
メタクリル酸 3−(1−エチル−1−シクロヘキシルオキシカルボニル)プロピルの合成
Figure 2011046713

モノマー合成例1と同様な方法で、1−エチルシクロヘキサノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステルを得た。
NMR 0.83(t、3H、Me)、1.20〜1.70(8H、シクロヘキシル)、1.95(s、3H、Me)、1.96(q、2H、メチレン)、2.00(m、2H、メチレン)、2.15&2.20(2H、シクロヘキシル)、2.41(t、2H、メチレン)、4.19(t、2H、メチレン)、5.57(1H、オレフィン)、6.11(1H、オレフィン)
モノマー合成例9
Figure 2011046713

モノマー合成例1と同様な方法で、1−メチルシクロヘキサノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステルを得た。
NMR 1.35〜1.58(8H、シクロヘキシル)、1.44(t、3H、Me)、1.80(m、4H、エチレン)、2.92(t、3H、Me)、2.15(2H、シクロヘキシル)、2.32(t、2H、メチレン)、4.16(t、2H、メチレン)、5.57(1H、オレフィン)、6.12(1H、オレフィン)
モノマー合成例10
Figure 2011046713

モノマー合成例1と同様な方法で、1−エチルシクロヘキサノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステルを得た。
NMR 0.85(t、3H、Me)、1.27〜1.71(8H、シクロヘキシル)、1.92(q、2H、メチレン)、1.99(t、3H、Me)、2.18&2.23(2H、シクロヘキシル)、4.63(2H、メチレン)、5.64(1H、オレフィン)、6.22(1H、オレフィン)
モノマー合成例11
Figure 2011046713
モノマー合成例1と同様な方法で、1−エチルシクロヘキサノールから上記構造式で示したメタクリル酸エステルを得た。
NMR 0.82(t、3H、Me)、1.20〜1.64(8H、シクロヘキシル)、1.74(m、4H、エチレン)、1.89(q、2H、メチレン)、1.94(s、3H、Me)、2.18&2.24(2H、シクロヘキシル)、2.33(t、2H、メチレン)、4.19(t、2H、メチレン)、5.57(1H、オレフィン)、6.12(1H、オレフィン)
モノマー合成例12
メタクリル酸 1-(2-メチル−2-ノルボルニルオキシカルボニル)メチルの合成
Figure 2011046713
NMR 1.19〜1.69(8H、ノルボルニル)、1.51(3H、Me)、
1.98(3H、Me)、2.20(1H、ノルボルニル)、2.60(1H、ノルボルニル)、4.63(2H、メチレン)、5.64(1H、オレフィン)、6.22(1H、オレフィン)
LC−MS 291(M+K)+ (C14204=252.31)
一般式(XXVIII)で表わされる化合物の合成例としては、次のような実施例が挙げられる。
モノマー合成例13 メタクリル酸 2−(2―オキシ−4−ヒドロキシブタン酸 γ―ラクトン)エチルの合成(モノマーNの合成)
Figure 2011046713

ヒドロキシエチルメタクリレート(6.5g)のTHF(70ml)溶液を、水素化ナトリウム(60%;0.72g)のTHF(30ml)サスペンジョン中に滴下した。しばらく攪拌した後、ブロモ-γ-ブチロラクトン(8.25g)のTHF(30ml)溶液を滴下した。室温で5時間熟成した後、常法通りの後処理を行って、油状物質のメタクリル酸モノマー(9.5g)を得た。
NMR 1.98(3H、Me)、2.30〜2.38(1H、ラクトン)、2.72〜2.78(1H、ラクトン)、4.30〜4.35(1H、ラクトン)、4.46〜4.50(1H、ラクトン)、4.78(2H、メチレン)、5.49(t、1H、ラクトン)、5.69(1H、オレフィン)、6.23(1H、オレフィン)
LC−MS 267(M+K)+ (C10126=228.2)
樹脂合成例1 樹脂R7の合成
温度計、還流管を装着した4つ口フラスコに1,4-ジオキサン 66.11部を仕込み、窒素ガスで30分間バブリングを行った。窒素シール下で87℃まで昇温した後、下記の図で示されるモノマーDを30.0部、Hを12.12部、Eを17.67部、アゾビスイソブチロニトリルを1.01部、1,4-ジオキサンを57.17部混合した溶液を、87℃を保ったまま1時間かけて滴下した。
滴下終了後87℃で5時間保温した。その後反応液をメタノール595部、イオン交換水66部の混合液中へ攪拌しながら注ぎ、析出した樹脂を濾取した。濾物をメタノール 330部に投入し攪拌後濾過を行った。得られた濾過物をメタノールに投入、攪拌、濾過の操作を、更に2回行った。その後減圧乾燥を行い 52.3部の樹脂を得た。この樹脂をR7とする。Mw:14565、Mw/Mn:1.97であった。
仕込みモノマーのみを変えて、樹脂合成例1と同様の操作を行い、表1に示す樹脂を合成した。表1に、評価で使用した樹脂を示す。
〔表1〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
樹脂 仕込みモノマーモル比 Mw Mw/Mn
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
R1 A/F/H/I/E=20/25/5/20/30 9569 1.59
R2 A/F/H/I/E=30/15/5/20/30 10328 1.69
R3 B/F/H/I/E=20/25/5/20/30 12806 1.90
R4 B/F/H/I/E=10/35/5/20/30 8693 1.69
R5 B/F/H/I/E=5/40/5/20/30 8282 1.75
R6 D/F/H/I/E=20/25/5/20/30 9503 1.91
R7 D/H/E=50/25/25 14565 1.97
R8 C/F/H/I/E=20/25/5/20/30 8200 1.53
R9 C/F/H/I/E=30/15/5/20/30 9240 1.54
R10 G/H/E=50/25/25 9721 1.53
R11 J/H/E=50/25/25 11673 1.84
R12 K/H/E=50/25/25 14393 2.02
R13 L/H/E=50/25/25 13391 1.86
R16 O/H/E=50/25/25 11306 1.97
R17 O/I/E=50/25/25 13333 2.15
R18 F/O/H/I/E=25/20/5/20/30 8583 2.20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次に、表1に示す各樹脂のほか、以下に示す酸発生剤及びクェンチャーを用いてレジスト組成物を調製し、評価した例を掲げる。
<酸発生剤>
S1:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウム パーフルオロブタンスルホナート
S2:1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロブタンスルホナ−ト
S3:トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム パーフルオロオクタンスルホナート
<クェンチャー>
Q1:2,6−ジイソプロピルアニリン
Q2:テトラブチルアンモニウム ヒドロキシド
<溶剤>
Y1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
51.5部
2−ヘプタノン 35部
γ−ブチロラクトン 3.5部
Y2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
84部
γ−ブチロラクトン 4部
実施例1〜9及び比較例1〜5
以下の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
樹脂(種類及び量は表2記載)
酸発生剤(種類及び量は表2記載)
クェンチャー(種類及び量は表2記載)
溶剤(種類は表2記載)
以下の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
シリコンウェハーにBrewer社製の有機反射防止膜用組成物である“ARC−29A−8”を塗布して215℃、60秒の条件でベークすることによって厚さ780Åの有機反射防止膜を形成させ、次いでこの上に、上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が0.25μmとなるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」の欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハーに、ArFエキシマステッパー〔(株)ニコン製の“NSR ArF”、NA=0.55、2/3Annular〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後は、ホットプレート上にて表2の「PEB」の欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
リフロー工程を追加する場合(実施例8〜9、比較例4〜5)は、現像の後、ホットプレート上にて165℃の温度で60秒間のベークを行った。
有機反射防止膜基板上のもので現像後およびリフロー工程前後のダークフィールドパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表3、表4に示した。なお、ここでいうダークフィールドパターンとは、外側にガラス面(透光部)をベースとしてライン状にクロム層(遮光層)が形成されたレチクルを介した露光及び現像によって得られ、したがって露光現像後は、ラインアンドスペースパターンの周囲のレジスト層が除去されるパターンである。
実効感度: 0.13μmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で表示した。
解像度: 実効感度の露光量で分離するラインアンドスペースパターンの最小寸法で表示した。
ラインエッジラフネス: ラインエッジラフネス非常に良好なものを◎、良好なものを〇、良くないものを×で表記する。
リフロー:リフロー工程の前後で、形状が大きく変化するものを○、TOP形状しか変化せず、全体的な変化が見られないものを△、全く変化が見られないものを×で表記する。
〔表2〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 樹脂 酸発生剤 クェンチャー 溶剤 PB PEB
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 R1/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 120℃ 115℃
S2/0.2部
実施例2 R2/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 120℃ 115℃
S2/0.2部
実施例3 R3/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 110℃ 100℃
S2/0.2部
実施例4 R4/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 110℃ 105℃
S2/0.2部
実施例5 R5/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 110℃ 105℃
S2/0.2部
実施例6 R6/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 125℃ 105℃
S2/0.2部
実施例7 R7/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 120℃ 120℃
S2/0.2部
実施例8 R4/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 120℃ 110℃
S2/0.2部
実施例9 R7/10部 S1/0.23部 Q2/0.025部 Y2 130℃ 115℃
S2/0.27部
実施例10 R11/10部 S1/0.30部 Q1/0.025部 Y1 100℃ 100℃
実施例11 R12/10部 S1/0.30部 Q1/0.025部 Y1 85℃ 85℃
実施例12 R13/10部 S1/0.30部 Q1/0.025部 Y1 85℃ 85℃
実施例13 R16/10部 S1/0.30部 Q1/0.025部 Y1 90℃ 85℃
実施例14 R17/10部 S1/0.30部 Q1/0.025部 Y1 85℃ 85℃
実施例15 R18/10部 S1/0.30部 Q1/0.025部 Y1 100℃ 100℃
────────────────────────────────────
比較例1 R8/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 120℃ 115℃
S2/0.2部
比較例2 R9/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 120℃ 115℃
S2/0.2部
比較例3 R10/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 120℃ 120℃
S2/0.2部
比較例4 R10/10部 S1/0.23部 Q2/0.021部 Y2 130℃ 130℃
S2/0.27部
比較例5 R8/10部 S1/0.25部 Q1/0.025部 Y1 120℃ 110℃
S2/0.2部
比較例10 R10/10部 S1/0.30部 Q1/0.025部 Y1 130℃ 125℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔表3〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 実効感度 解像度 ラインエッジラフネス
(mJ/cm2) (μm)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 61 0.12 ◎
実施例2 67 0.13 ◎
実施例3 63 0.13 ◎
実施例4 80 0.13 ○
実施例5 74 0.13 ○
実施例6 95 0.13 ◎
実施例7 60 0.14 ◎
実施例10 60 0.12 ◎
実施例11 65 0.13 ◎
実施例12 57.5 0.12 ◎
実施例13 40 0.13 ◎
実施例14 52.5 0.13 ◎
実施例15 60 0.12 ◎
──────────────────────────────────
比較例1 57 0.13 △
比較例2 55 0.12 ○
比較例3 102.5 0.15 △
比較例6 60 0.13 △
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表から明らかなように、連結基を導入し、酸解離性基が主鎖から離れたところに存在する(メタ)アクリル酸エステル誘導体を導入した樹脂と酸発生剤とを含有する化学増幅型ポジ型レジスト組成物であるところの実施例1〜7、10〜17のレジストは、比較例1〜3、6のレジストに比べて、感度、解像度が同等以上の性能を示しつつ、ラインエッジラフネスが優れた結果を示した。
〔表4〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 実効感度 現像後の解像度 リフロー
(mJ/cm2) (μm)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例8 51 0.13 ○
実施例9 44 0.15 ○
実施例10 60 0.12 ○
実施例11 65 0.13 ○
実施例12 57.5 0.12 ○
実施例13 40 0.13 ○
実施例14 52.5 0.13 ○
実施例15 60 0.12 ○
──────────────────────────────────
比較例4 41 0.14 ×
比較例5 61 0.14 △
比較例6 60 0.13 ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表から明らかなように、連結基を導入し、酸解離性基が主鎖から離れたところに存在する(メタ)アクリル酸エステル誘導体を導入した樹脂と酸発生剤とを含有する化学増幅型ポジ型レジスト組成物であるところの実施例8〜17のレジストは、比較例4〜6のレジストに比べて、感度、解像度が同等以上の性能を示しつつ、さらに、リフロー工程に適用可能である結果を示した。
本発明の化学増幅型ポジ型レジスト組成物は、ArFやKrFなどのエキシマレーザーリソグラフィに適しており、それによって高い性能のレジストパターンを与える。

Claims (2)

  1. 式(XIII)で示される(メタ)アクリル酸誘導体。
    Figure 2011046713
    (式中、X12は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。
    8は、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル又はブチルカルボニルを示す。)
  2. 式(XVIII)で示されるγ−ブチロラクトン誘導体と
    Figure 2011046713

    (式中、W3は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
    式(XIX)で示される誘導体とを
    Figure 2011046713

    (式中、X15は、水素原子、メチル又はトリフルオロメチルを示す。
    11は、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル又はブチルカルボニルを示す。)
    脱酸剤の存在下に反応させることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸誘導体の製造法。
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