JP5109649B2 - 化学増幅型レジスト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体の微細加工に用いられる化学増幅型レジスト組成物に関する。
リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられる化学増幅型レジスト組成物は、酸に不安定な基を持つ重合単位を有し、それ自身はアルカリに不溶又は難溶であるが、酸の作用によりアルカリに可溶となる樹脂と露光により酸を発生する化合物からなる酸発生剤を含有してなる。
半導体の微細加工における化学増幅型レジスト組成物としては、より優れた解像度と優れたラインエッジラフネスを示すものが求められている。
最近、酸に不安定な基を持つ重合単位を有し、それ自身はアルカリに不溶又は難溶であるが、酸の作用でアルカリに可溶となる樹脂と、酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム 1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナートのみを用い、さらにクエンチャーと溶剤とからなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物が提案されている(特許文献1)。
Figure 0005109649
特開2006−257078 請求項1及び15
しかしながら、特許文献1記載のレジスト組成物の解像度やラインエッジラフネス等の性能は、露光時の条件や現像時の条件など、種々の条件によっては、必ずしも十分に対応できない場合もあった。
そこで本発明者らは、上記課題を解決するために、化学増幅型レジスト組成物に含有される酸発生剤について鋭意検討した結果、酸発生剤として特定の化合物を2種以上含有してなる酸発生剤を用いることによって、優れた解像度を示し、かつ、優れたラインエッジラフネスを与える化学増幅型レジスト組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、式(I)で表されるオニウム塩と、式(II)で表されるスルホニウム塩とを含有する酸発生剤、並びに、酸に不安定な基を持つ重合単位を有し、それ自身はアルカリに不溶又は難溶であるが、酸の作用でアルカリに可溶となる樹脂を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物を提供する。
Figure 0005109649
[式(I)中、R21は、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20の置換されていてもよい炭化水素基、あるいは炭素数3〜30の置換されていてもよい環状炭化水素基を表す。ただし、該炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子に置換されていてもよい。
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、式(Ia)、式(Ib)及び式(Ic)で表されるカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンを表す。
Figure 0005109649
[式(Ia)中、P〜Pは、互いに独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜30の炭化水素基を表す。P〜Pが直鎖状又は分岐状の炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環状炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、P〜Pが環状炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
式(Ib)中、P及びPは、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
式(Ic)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
Bは、硫黄原子又は酸素原子を表す。
mは、0又は1を表す。]
Figure 0005109649
[式(II)中、Q3は、環状構造を有していてもよいパーフルオロアルキル基を表す。
+は、式(II’)で表されるカチオンを表す。]
Figure 0005109649
[式(II’)中、P6及びP7は、互いに独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基を表すか、又はP6とP7とが結合してS+を含んで形成された炭素数3〜12の環を表す。
8は、水素原子を表し、P9は、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基、もしくは置換されていてもよい芳香環基を表すか、又はP8とP9が結合して形成された炭素数3〜12の環を表す。ここで、前記の環に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。]
本発明の化学増幅型レジスト組成物によれば、優れた解像度と優れたラインエッジラフネスを有するパターンを製造することができるので、本発明は工業的に有用である。
本発明における化学増幅型レジスト組成物は、式(I)で表されるオニウム塩と、式(II)で表されるスルホニウム塩とを酸発生剤として併用する。
Figure 0005109649
[式(I)中、R21は、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20の置換されていてもよい炭化水素基、あるいは炭素数3〜30の置換されていてもよい環状炭化水素基を表す。ただし、該炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子に置換されていてもよい。
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、式(Ia)、式(Ib)及び式(Ic)で表されるカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンを表す。]
Figure 0005109649
[式(Ia)中、P〜Pは、それぞれ独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜30の炭化水素基を表す。P〜Pが直鎖状又は分岐状の炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環式炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、P〜Pが環状炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
式(Ib)中、P及びPは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
式(Ic)中、P10〜P21は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
Bは、硫黄原子又は酸素原子を表す。
mは、0又は1を表す。]
Figure 0005109649
[式(II)中、Q3は、環状構造を有していてもよいパーフルオロアルキル基を表す。
+は、式(II’)で表されるカチオンを表す。]
Figure 0005109649
[式(II’)中、P及びPは、それぞれ独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基を表す。又はPとPとが結合して炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。
は、水素原子を表す。
は、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基もしくは置換されていてもよい芳香環基を表すか、又はPとPが結合して炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。ここで、2価の炭化水素基に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。]
直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデカニル基、テトラデカニル基、ペンタデカニル基、ヘキサデカニル基、ヘプタデカニル基、オクタデカニル基、ノナデカニル基、イコサニル基、ヘニコサニル基、ドコサニル基、ヘニコサニル基、ドサニル基、トリコサニル基、テトラコサニル基、ペンタコサニル基、ヘキサコサニル基、ヘプタコサニル基、オクタコサニル基、ノナコサニル基、トリアコンタニル基及び前記各基の構造異性体;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基などが挙げられる。
直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20の置換されていてもよい炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデカニル基、テトラデカニル基、ペンタデカニル基、ヘキサデカニル基、ヘプタデカニル基、オクタデカニル基、ノナデカニル基、イコサニル基、ヘニコサニル基、ドコサニル基及び前記各基の構造異性体;
ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシトリデカニル基、ヒドロキシテトラデカニル基、ヒドロキシペンタデカニル基、ヒドロキシヘキサデカニル基、ヒドロキシヘプタデカニル基、ヒドロキシオクタデカニル基、ヒドロキシノナデカニル基、ヒドロキシイコサニル基及び前記各基の構造異性体;
ジヒドロキシメチル基、ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシブチル基、ジヒドロキシペンチル基、ジヒドロキシヘキシル基、ジヒドロキシヘプチル基、ジヒドロキシオクチル基、ジヒドロキシノニル基、ジヒドロキシデシル基、ジヒドロキシウンデシル基、ジヒドロキシドデシル基、ジヒドロキシトリデカニル基、ジヒドロキシテトラデカニル基、ジヒドロキシペンタデカニル基、ジヒドロキシヘキサデカニル基、ジヒドロキシヘプタデカニル基、ジヒドロキシオクタデカニル基、ジヒドロキシノナデカニル基、ジヒドロキシイコサニル基及び前記各基の構造異性体などが挙げられる。
式(I)で表される塩のアニオン部としては、下記式で表されるアニオンなどが挙げられる。
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また、式(I)において、A+は、式(Ia)、式(Ib)又は式(Ic)のいずれかで表されるカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンであることが好ましい。
Figure 0005109649
[式(Ia)中、P〜Pは、それぞれ独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜30の炭化水素基を表す。P〜Pが直鎖状又は分岐状の炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環状炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、P〜Pが環状炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
式(Ib)中、P及びPは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
式(Ic)中、P10〜P21は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
Bは、硫黄原子又は酸素原子を表す。
mは、0又は1を表す。]
前記の直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜30の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ビシクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ビフェニル基などが挙げられる。
前記の炭素数1〜12の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
前記の炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
前記の炭素数3〜12の環状炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ビシクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ビフェニル基などが挙げられる。前記の環状炭化水素基は、直鎖状又は分岐状の炭化水素基、アルコキシ基、水酸基及びアミノ基等により置換されていてもよい。
式(Ia)で表されるカチオンとしては、下記式で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 0005109649
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式(Ib)で表されるカチオンとしては、下記式で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 0005109649
式(Ic)で表されるカチオンとしては、下記式で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 0005109649
Figure 0005109649
Figure 0005109649
さらに、Aで表されるカチオンとしては、式(Id)、式(Ie)又は式(If)のいずれかで示されるカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンである場合が好ましい。
Figure 0005109649
[式(Id)〜式(If)中、P28〜P30は、それぞれ独立に、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20の炭化水素基を表すか又はフェニル基以外の炭素数3〜30の環状炭化水素基を表す。P28〜P30が炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環状炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、P28〜P30が環状炭化水素基の場合には、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。
31〜P36は、それぞれ独立に、水酸基、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
g、h、i、j、k及びlは、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。]
g、h、i、j、k及びlは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましくは0〜1の整数を表す。
さらに、式(Ia)で表されるカチオンとしては、式(Ig)で表されるカチオンが、その製造が容易であることから、より好ましい。
Figure 0005109649
[式(Ig)中、P41〜P43は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12の炭化水素基又は直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。]
直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
さらに、式(Ig)で表されるカチオンとしては、式(Ih)で表されるカチオンが、さらに製造が容易であることから、さらに好ましい。
Figure 0005109649
[式(Ih)中、P22〜P24は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4の炭化水素基を表す。]
そして、本発明の式(I)で表されるオニウム塩としては、中でも式(Ii)、式(Ij)又は式(Ik)で表されるオニウム塩が、好ましい。
Figure 0005109649
[式(Ii)、式(Ij)及び式(Ik)中、Q1及びQ2は、式(I)におけるのと同じ意味を表す。
22〜P24は、式(Ih)におけるのと同じ意味を表す。
環Xは、単環式又は多環式の炭素数3〜30の炭化水素基を表す。ただし、前記の炭化水素基の炭素原子は、カルボニル基で置換されていてもよい。
また、環Xは、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基又はシアノ基を置換基として含んでいてもよい。
は、単結合又は−[CHk−を表す。
kは、1〜4の整数を表す。]
さらに、環Xがアダマンタン骨格を有する、式(Il)、式(Im)又は式(In)で表されるオニウム塩が好ましい。
Figure 0005109649
[式(Il)、式(Im)及び式(In)中、Q1及びQ2は式(I)におけるのと同じ意味を表す。
22〜P24は、式(Ih)におけるのと同じ意味を表す。]
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、さらに酸発生剤として式(II)で表されるスルホニウム塩を含有する。
Figure 0005109649
[式(II)中、Q3は、環状構造を有していてもよいパーフルオロアルキル基を表す。
+は、式(II’)で表されるカチオンを表す。]
Figure 0005109649
[式(II’)中、P6及びP7は、互いに独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基を表すか、又はP6とP7とが結合してS+を含んで形成された炭素数3〜12の環を表す。
8は、水素原子を表し、P9は、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基、もしくは置換されていてもよい芳香環基を表すか、又はP8とP9が結合して形成された炭素数3〜12の環を表す。ここで、前記の環に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。]
式(II)における直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20の置換されていてもよい炭化水素基としては、前記と同じものが挙げられる。
炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基としては、前記と同じものが挙げられる。
及びQとしては、互いに独立に、フッ素原子又はトリフロオロメチル基である場合が好ましい。中でも、Q〜Qのすべてがフッ素原子である場合がより好ましい。
式(II)で表される環状構造を有してもよいパーフルオロアルキルスルホネート陰イオンとしては、トリフルオロメタンスルホネートイオン、パーフルオロブタンスルホネートイオン、パーフルオロオクタンスルホネートイオン、パーフルオロシクロヘキサンスルホネートイオン、パーフルオロ4−エチル−シクロヘキサンスルホネートイオンなどが挙げられる。
及びPにおける炭素数1〜12の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基などが挙げられる。
また、P6とP7とが結合して、アルキレン基などの炭素数3〜12の2価の炭化水素基であってもよい。
8は水素原子を表す。P9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基などの置換されていてもよい芳香環基を表すか、P8とP9とが結合して、環を形成するが、そのP8とP9とが結合して形成されるアルキレン基などの炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。P9がアルキル基の場合、該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。P9がシクロアルキル基の場合、該シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基などが挙げられる。ここで、式(II’)における前記2価の炭化水素基に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。
式(II’)で表されるカチオンA+としては、下記式で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 0005109649
Figure 0005109649
Figure 0005109649
そして、式(II)で表されるスルホニウム塩としては、中でも(IIa)、(IIb)又は(IIc)で表されるスルホニウム塩が、好ましい。
Figure 0005109649
[式(IIa)、(IIb)及び(IIc)中、P〜P、Q3及びQ4は、それぞれ独立に、式(II)におけるのと同じ意味を表す。]
さらにそれらの中でも、式(IId)、式(IIf)又は式(IIg)で表されるスルホニウム塩は、合成が容易であることから好ましい。
Figure 0005109649
[式(IId)、式(IIe)及び式(IIf)中、Pは、式(II)におけるのと同じ意味を表す。]
本発明の化学増幅型レジスト組成物において、式(I)で表されるオニウム塩と、式(II)で表されるスルホニウム塩との使用割合は、質量比で、好ましくは9:1〜1:9、より好ましくは3:7〜6:4、さらに好ましくは4:6〜6:4、さらにより好ましくは4:6〜5:5である。
この場合、式(I)で表されるオニウム塩及び式(II)で表されるスルホニウム塩は、それぞれ単独で用いても複数種を使用してもよい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、前記酸発生剤とともに樹脂を含有してなり、該樹脂は酸に不安定な基を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸の作用により該樹脂はアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂である。ここで、酸に不安定な基とは、酸の作用により、アルカリ水溶液に溶解し得る効果を示す基を表す。
本発明の化学増幅型レジスト組成物において、式(I)で表されるオニウム塩と式(II)で表されるスルホニウム塩とは、酸発生剤として用いられ、露光により生じた酸は、樹脂中の基であって酸に不安定な基に対して触媒的に作用して開裂し、樹脂はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。
酸に不安定な基としては、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるアルキルエステルを有する基、脂環式エステルなどのカルボン酸エステルを有する基、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるラクトン環を有する基などが挙げられる。
ここで、4級炭素原子とは、水素原子以外の置換基と結合していて水素とは結合していない炭素原子を意味し、酸に不安定な基としては、エーテル結合のα位の炭素原子が3つの炭素原子と結合した4級炭素原子であることが好ましい。
酸に不安定な基の1種であるカルボン酸エステルを有する基を−COORのRエステル基として例示すると、(−COO−C(CH を、tert−ブチルエステル基という形式で称する。)、tert−ブチルエステル基に代表されるエーテル結合のα位が4級炭素原子であるアルキルエステル基;メトキシメチルエステル基、エトキシメチルエステル基、1−エトキシエチルエステル基、1−イソブトキシエチルエステル基、1−イソプロポキシエチルエステル基、1−エトキシプロピルエステル基、1−(2−メトキシエトキシ)エチルエステル基、1−(2−アセトキシエトキシ)エチルエステル基、1−〔2−(1−アダマンチルオキシ)エトキシ〕エチルエステル基、1−〔2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)エトキシ〕エチルエステル基、テトラヒドロ−2−フリルエステル基及びテトラヒドロ−2−ピラニルエステル基などのアセタール型エステル基;イソボルニルエステル基及び1−アルキルシクロアルキルエステル基、2−アルキル−2−アダマンチルエステル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルエステル基などのエーテル結合のα位が4級炭素原子である脂環式エステル基などが挙げられる。
このようなカルボン酸エステルを有する基としては、(メタ)アクリル酸エステル、ノルボルネンカルボン酸エステル、トリシクロデセンカルボン酸エステル、テトラシクロデセンカルボン酸エステルを有する基が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の樹脂は、酸に不安定な基とオレフィン性二重結合とを有するモノマーを付加重合して製造することができる。
かかるモノマーとしては、酸に不安定な基として、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル基などのような脂環式構造などの嵩高い基を含むモノマーが、得られるレジストの解像度が優れる傾向があることから好ましい。
嵩高い基を含むモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−アルキル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル、α−クロロアクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、α−クロロアクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルなどが挙げられる。
中でも、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルやα−クロロアクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルをモノマーとして用いた場合は、得られる化学増幅型レジスト組成物の解像度が優れる傾向があることから好ましい。
(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルとしては、例えば、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−n−ブチル−2−アダマンチルなどが挙げられ、α−クロロアクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルとしては、例えば、α−クロロアクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、α−クロロアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルなどが挙げられる。
これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル又は(メタ)アクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチルを用いた場合、得られる化学増幅型レジスト組成物の感度が優れ耐熱性にも優れる傾向があることから好ましい。
(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルは、通常、2−アルキル−2−アダマンタノール又はその金属塩とアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとの反応により製造できる。
本発明に用いられる樹脂は、酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位に加えて、酸の作用に対して安定なモノマーに由来する構造単位を含んでいてもよい。ここで、酸の作用に対して安定なモノマーに由来する構造とは、本発明のオニウム塩(I)によって開裂しない構造を意味する。
具体的には、アクリル酸やメタクリル酸のような遊離のカルボン酸基を有するモノマーに由来する構造単位、無水マレイン酸や無水イタコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構造単位、2−ノルボルネンに由来する構造単位、(メタ)アクリロニトリルに由来する構造単位、エーテル結合のα位が2級炭素原子又は3級炭素原子のアルキルエステルや1−アダマンチルエステルである(メタ)アクリル酸エステル類に由来する構造単位、p−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーに由来する構造単位、ラクトン環がアルキル基で置換されていてもよい(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンに由来する構造単位などを挙げることができる。なお、1−アダマンチルエステルは、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるが、酸に不安定な基であり、1−アダマンチルエステルには水酸基などが結合していてもよい。
具体的な酸の作用に対して安定なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル、α−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、式(a)、(b)、ヒドロキシスチレン、ノルボルネン(c)などの分子内にオレフィン性二重結合を有する脂環式化合物、無水マレイン酸(d)などの脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物、無水イタコン酸(e)などが例示される。
これらの中でも、p−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチルに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルに由来する構造単位、式(a)で表される構造単位、及び式(b)で表される構造単位を含む樹脂から得られるレジストは、基板への接着性及びレジストの解像性が向上する傾向にあることから好ましい。
Figure 0005109649
[式(a)及び式(b)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
p及びqは、それぞれ独立に、1〜3の整数を表す。pが2又は3のときには、Rは互いに異なる基であってもよく、qが2又は3のときには、Rは互いに異なる基であってもよい。]
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルなどのモノマーは、市販されているが、例えば、対応するヒドロキシアダマンタンを(メタ)アクリル酸又はそのハライドと反応させることにより、製造することもできる。
また、(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンなどのモノマーは、ラクトン環がアルキル基で置換されていてもよいα−もしくはβ−ブロモ−γ−ブチロラクトンにアクリル酸もしくはメタクリル酸を反応させるか、又はラクトン環がアルキル基で置換されていてもよいα−もしくはβ−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンにアクリル酸ハライドもしくはメタクリル酸ハライドを反応させることにより製造できる。
式(a)及び式(b)で表される構造単位を与えるモノマーとしては、例えば、次のような水酸基を有する脂環式ラクトンの(メタ)アクリル酸エステル、それらの混合物等が挙げられる。これらのエステルは、例えば、対応する水酸基を有する脂環式ラクトンと(メタ)アクリル酸類との反応により製造し得る(例えば特開2000−26446号公報)。
Figure 0005109649
ここで、(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンとしては、例えば、α−アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
KrFエキシマレーザー露光の場合は、樹脂の構造単位として、p−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーに由来する構造単位を用いても充分な透過率を得ることができる。このような共重合樹脂を得る場合は、該当する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアセトキシスチレン、及びスチレンをラジカル重合した後、酸の作用によって脱アセチルすることによって得ることができる。
また、2−ノルボルネンに由来する構造単位を含む樹脂は、その主鎖にノルボルナン骨格を有するために頑丈な構造となり、ドライエッチング耐性に優れるという特性を示す。2−ノルボルネンに由来する構造単位は、例えば、対応する2−ノルボルネンの他に無水マレイン酸や無水イタコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物を併用したラジカル重合により主鎖へ導入し得る。したがって、ノルボルネン構造の二重結合が開いて形成されるものは、例えば、式(c)で表すことができ、無水マレイン酸無水物及び無水イタコン酸無水物の二重結合が開いて形成されるものは、それぞれ式(d)及び式(e)で表すことができる。
Figure 0005109649
[式(c)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基、シアノ基もしくは基−COOU(Uはアルコール残基である)を表すか、あるいは、R及びRが結合して、−C(=O)OC(=O)−で表されるカルボン酸無水物残基を表す。
及びRが基−COOUである場合は、カルボキシル基がエステル結合したものであり、Uに相当するアルコール残基としては、例えば、置換されていてもよい炭素数1〜8程度の炭化水素基、2−オキソオキソラン−3−イル基又は2−オキソオキソラン−4−イル基などを挙げることができる。ここで、該炭化水素基は、水酸基や脂環式炭化水素残基などが置換基として結合していてもよい。]
及びRが炭化水素基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、水酸基が結合したアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
このように、酸に不安定な構造単位を与えるモノマーである、式(c)で表されるノルボネン構造の具体例としては、次のような化合物を挙げることができる。
2−ノルボルネン、
2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、
5−ノルボルネン−2−メタノール、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物。
なお、式(c)中のR及びRの−COOUのUが、エーテル結合のα位が4級炭素原子である脂環式エステルなどの酸に不安定な基であれば、ノルボルネン構造を有するといえども、酸に不安定な基を有する構造単位である。ノルボルネン構造と酸に不安定な基を含むモノマーとしては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが例示される。
本発明の化学増幅型レジスト組成物で用いられる樹脂は、パターニング露光用の放射線の種類や酸に不安定な基の種類などによっても変動するが、通常、樹脂における酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位の含有量を10〜80モル%の範囲に調整する。
そして、中でも、酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位として、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルに由来する構造単位を含む樹脂は、該構造単位が樹脂を構成する全構造単位のうち15モル%以上となると、樹脂が脂環基を有するために頑丈な構造となり、該樹脂を含有するレジストのドライエッチング耐性の面で有利である。
なお、分子内にオレフィン性二重結合を有する脂環式化合物及び脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物をモノマーとして用いる場合には、これらのモノマーは付加重合しにくい傾向があるので、この点を考慮し、これらは過剰に使用することが好ましい。
さらに、用いられるモノマーとしてはオレフィン性二重結合が同じでも酸に不安定な基が異なるモノマーを併用してもよいし、酸に不安定な基が同じでもオレフィン性二重結合が異なるモノマーを併用してもよいし、酸に不安定な基とオレフィン性二重結合との組合せが異なるモノマーを併用してもよい。
また、前記の樹脂を化学増幅型レジスト組成物として用いる場合、塩基性化合物、好ましくは、塩基性含窒素有機化合物、とりわけ好ましくはアミン又はアンモニウム塩を含有させる。塩基性化合物をクエンチャーとして添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良することができる。クエンチャーに用いられる塩基性化合物の具体的な例としては、以下の各式で表されるようなものが挙げられる。
Figure 0005109649
[式中、R11、R12及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10程度の炭化水素基又は炭素数6〜10程度のアリール基を表す。更に、前記の炭化水素基上又はアリール基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、又は1〜6個の炭素数を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、1〜4個の炭素数を有するアルキル基で置換されていてもよい。
13〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10程度の炭化水素基、炭素数6〜10程度のアリール基又は炭素数1〜6程度のアルコキシ基を表す。
更に、前記の炭化水素基上、アリール基上、又はアルコキシ基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、又は1〜6個程度の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい。
16は、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10程度の炭化水素基を表す。更に該炭化水素基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、炭素数1〜4の炭化水素基で置換されていてもよい。
17〜R20は、それぞれ独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10程度の炭化水素基又は炭素数6〜10程度のアリール基を表す。更に、該炭化水素基上又はアリール基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜6のを有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、炭素数1〜4の炭化水素基で置換されていてもよい。
Wは、炭素数1〜10のアルキレン基、カルボニル基、イミノ基、スルフィド基又はジスルフィド基を表す。該アルキレン基は、好ましくは2〜6程度の炭素原子を有する。]
このような化合物として、具体的には、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−又は2−ナフチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−イソプロピルアニリン、イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール、ビピリジン、2,2’−ジピリジルアミン、ジ−2−ピリジルケトン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジルオキシ)エタン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、2,2’−ジピコリルアミン、3,3’−ジピコリルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−オクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称:コリン)などを挙げることができる。
さらには、特開平11−52575号公報に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとすることもできる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、その全固形分量を基準に、樹脂を80〜99.9重量%程度、そして酸発生剤を0.1〜20重量%程度の範囲で含有することが好ましい。
ここで、固形分とは、化学増幅型レジスト組成物から溶剤を除いた成分の合計量をいう。
また、化学増幅型レジスト組成物に、クエンチャーである塩基性化合物を用いる場合は、レジスト組成物の全固形分量を基準に、0.01〜1重量%程度の範囲で含有するのが好ましい。
化学増幅型レジスト組成物としては、さらに、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態でレジスト液組成物とされ、シリコンウェハーなどの基体上に、スピンコーティングなどの、通常、工業的に用いられている方法に従って塗布される。
ここで用いられる溶剤は、各レジスト成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で通常工業的に用いられている溶剤が使用しうる。
前記の溶剤としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理を行った後、アルカリ現像液で現像される。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、一般には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液が用いられることが多い。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。また重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムはTSKgel Multipore HXL−M3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
また、化合物の構造はNMR(日本電子製GX−270型又はEX−270型)、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)で確認した。
合成例1
酸発生剤;トリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(酸発生剤B1)の合成
(1)ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部、イオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。100℃で3時間還流し、冷却後、濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩を164.8部得た(無機塩含有、純度62.6%)。
(2)ジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩5.0部(純度62.8%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部、エチルベンゼン100部を仕込み、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。冷却後、濾過、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステル ナトリウム塩を5.5部得た。1H−NMRによる純度分析の結果、純度35.6%であった。
Figure 0005109649
1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.84(d,2H,J=13.0Hz);2.00(d,2H,J=11.9Hz);2.29−2.32(m,7H);2.54(s,2H)
(3)ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステル ナトリウム塩5.4部(純度35.6%)を仕込み、アセトニトリル16部、イオン交換水16部の混合溶媒を加えた。これに、トリフェニルスルホニウム クロライド1.7部、アセトニトリル5部、イオン交換水5部の溶液を添加した。15時間撹拌後、濃縮し、クロロホルム142部で抽出した。有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液をtert−ブチルメチルエーテル24部でリパルプすることにより白色固体としてトリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(B1)を1.7部得た。
Figure 0005109649
B1の1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.83(d,2H,J=12.7Hz);2.00(d,2H,J=12.0Hz);2.29−2.32(m,7H);2.53(s,2H);7.75−7.91(m,15H)
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 263.2(C1815+=263.09)
MS(ESI(−)Spectrum):M− 323.0(C121326-=323.04)
合成例2
酸発生剤;トリフェニルスルホニウム 1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(酸発生剤B2)の合成
(1)ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部、イオン交換水150部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。100℃で3時間還流し、冷却後、濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩を164.4部得た(無機塩含有、純度62.7%)。
(2)ジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩1.9部(純度62.7%)、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部に、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.0部を添加し2時間撹拌した。この溶液を、3−ヒドロキシアダマンチルメタノール1.1部、N,N−ジメチルホルムアミド5.5部に、水素化ナトリウム0.2部を添加し、2時間撹拌した溶液に添加した。15時間撹拌後、生成したジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステル ナトリウム塩をそのまま次の反応に用いた。
Figure 0005109649
(3)上記(2)で得られたジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステル ナトリウム塩の溶液に、クロロホルム17.2部、14.8%トリフェニルスルホニウム クロライド水溶液2.9部添加した。15時間撹拌後、分液し、水層をクロロホルム6.5部で抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル5.0部を添加し、撹拌後濾過することにより白色固体としてトリフェニルスルホニウム 1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(B2)を0.2部得た。
Figure 0005109649
B2の1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.38−1.51(m,12H);2.07(S,2H);3.85(s,2H);4.41(s,1H);7.75−7.89(m,15H)
B2のMS(ESI(+)Spectrum):M+ 263.07(C1815+=263.09)
MS(ESI(−)Spectrum):M− 339.10(C131726-=339.07)
合成例3
酸発生剤;ジメチルフェニルスルホニウム 1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(酸発生剤B7)の合成
(1)ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル200部、イオン交換水300部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液460部を滴下した。100℃で2.5時間還流し、冷却後、濃塩酸175部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩を328.19部得た(無機塩を除去していないため、含有量62.8%)。
(2)ジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩123.3部(含有量62.8%)、1−アダマンタンメタノール65.7部、ジクロロエタン600部を仕込み、p−トルエンスルホン酸75.1部を加え、12時間加熱還流した。その後、濃縮してジクロロエタンを留去し、tert−ブチルメチルエーテル400部添加し、リパルプ後、濾過した。残渣にアセトニトリル400部添加撹拌後ろ過を2回繰り返し、濾液を濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステル ナトリウム塩を99.5部得た。
Figure 0005109649
1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.51(d,6H);1.62(dd,6H);1.92(s,3H);3.80(s,2H)
(3)チオアニソール5.0部をアセトニトリル15.0部に溶解し、過塩素酸銀(I)8.35部を添加し、ヨウ化メチル5.71部のアセトニトリル11.4部溶液を添加し、24時間撹拌した。析出した固体を濾過で除去した後、濾液を濃縮してアセトニトリルを留去した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル36.8部を添加撹拌し、濾過することにより白色結晶としてジメチルフェニルスルホニウム パークロレートを8.22部得た。
Figure 0005109649
1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)3.25(s,6H);7.67−7.80(m,3H);8.03−8.08(m,2H)
(4)上記(2)で得られたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステル ナトリウム塩5.98部を仕込み、クロロホルム35.9部を添加した。この懸濁溶液に、上記(3)で得られたジメチルフェニルスルホニウム パークロレート4.23部、イオン交換水12.7部溶液を添加した。4時間撹拌後、分液し、水層をクロロホルム23.9部で抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で中性になるまで洗浄を繰り返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル31.8部添加、撹拌後、濾過することにより、白色固体としてジメチルフェニルスルホニウム 1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(B7)を5.38部得た。
Figure 0005109649
1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.51(d,6H);1.62(dd,6H);1.92(s,3H);3.26(s,6H);3.80(s,2H);7.68−7.80(m,3H);8.03−8.06(m,2H)
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 139.0(C811+=139.06)
MS(ESI(−)Spectrum):M− 323.0(C131725-=323.08)
合成例4
酸発生剤;トリフェニルスルホニウム 1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(酸発生剤B8)の合成
酸発生剤合成例3(2)と同様の方法で得られたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステル ナトリウム塩32.8部を仕込み、イオン交換水100部に溶解させた。この溶液に、トリフェニルスルホニウム クロライド28.3部、メタノール140部溶液を添加した。15時間撹拌後、濃縮し、クロロホルム200部で2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で中性になるまで洗浄を繰り返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液をtert−ブチルメチルエーテル300部添加撹拌後得られた白色析出物をろ過し、減圧乾燥することにより白色結晶としてトリフェニルスルホニウム 1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(B8)を39.7部得た。
Figure 0005109649
1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.52(d,6H);1.63(dd,6H);1.93(s,3H);3.81(s,2H);7.76−7.90(m,15H)
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 263.2(C1815+=263.09)
MS(ESI(−)Spectrum):M− 323.0(C131725-=323.08)
合成例5
酸発生剤;1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロブタンスルホナート(酸発生剤C1)の合成
四つ口フラスコに1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウムブロミド5.0部とアセトニトリル50部、水2.5部を仕込み、ここにパーフルオロブタンスルホン酸銀7.1部をアセトニトリル21.3部に溶解させた溶液を滴下し、室温で4時間攪拌した。析出した臭化銀を濾別し、濾液を濃縮した。濃縮残を酢酸エチルとtert−ブチルメチルエーテルの混合溶媒より再結晶することにより、目的物の1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロブタンスルホナートを6.8部得た。
合成例6
酸発生剤;1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロオクタンスルホナート(酸発生剤C2)の合成
四つ口フラスコに1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウムブロミド3.0部とアセトニトリル120部を仕込み、ここにパーフルオロオクタンスルホン酸カリウム5.6部を仕込み、室温で24時間攪拌した。析出した臭化カリウムを濾別し、濾液を濃縮した。ここに、クロロホルム50部を加え、室温で16時間攪拌し、不溶物を濾別した。この濾液をさらにクロロホルム200部に溶解し、このクロロホルム溶液を水洗した。水洗後、クロロホルム層を濃縮し、tert−ブチルメチルエーテルに滴下して、生成した結晶を濾過、乾燥し、目的物1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウムを4.7部得た。
合成例7
酸発生剤;1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロエタンスルホナート(酸発生剤C3)の合成
化合物(P2)23.7部をクロロホルム236.9部に溶解した。化合物(P1)15.0部を滴下して室温で一晩攪拌した。反応後、イオン交換水79.0部を加えて攪拌、静置後、水層を分離した。有機層から白色固体が析出し、ろ別した。得られた残渣をアセトニトリル13.8部に溶解し、tert−ブチルメチルエーテル207.1部の中に滴下した。白色固体が析出し、ろ別、乾燥して化合物(C3)を21.9部得た。
Figure 0005109649
1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)2.17−2.33(m,4H);3.47−3.63(m,4H);5.30(s,2H);7.62(t,2H,J=7.8);7.73−7.80(m,1H);8.00(dd,2H,J=1.2,8.2)
19F−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、標準物質ヘキサフルオロベンゼン):δ(ppm)−118.96(s,2F);−79.89(s,3F)
合成例8
酸発生剤:1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム トリフルオロメタンスルホナート(酸発生剤C4)の合成
(1)四つ口フラスコにフェナシルブロマイド14.9部とアセトン75部を仕込み、ここにテトラヒドロチオフェン6.6部を滴下し、室温で18時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、tert−ブチルメチルエーテルとアセトンの1対1(重量基準)混合溶媒80部で洗浄し、さらにtert−ブチルメチルエーテル50部で洗浄し、乾燥することにより、テトラヒドロ−1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)−チオフェニウム ブロミド16.9部を得た。
(2)四つ口フラスコに(1)で得られた1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム ブロミド4.00部とアセトニトリル160部を仕込み、ここにトリフルオロメタンスルホン酸カリウム2.62部を仕込み、室温で18時間攪拌した。析出した臭化カリウムを濾別し、濾液を濃縮した。ここに、クロロホルム150部を加え、室温で16時間攪拌し、不溶物を濾別した。この濾液をさらに濃縮し、アセトン22部を加え、不溶物を濾別し、この濾液をさらに濃縮した。濃縮残をアセトンと酢酸エチルの混合溶媒より再結晶することにより、目的物(C4)3.41部を得た。この化合物が次式で表される1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム トリフルオロメタンスルホナートであることを、H−NMR(GX−270;日本電子(株)製)で確認した。
1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)
2.16−2.32(m,4H);3.46−3.64(m,4H);5.31(s,2H);7.63(m,2H);7.77(m,1H);8.00(m,2H)
合成例9:樹脂A1の合成
メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、及びα−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンを、5:2.5:2.5のモル比で仕込み、全モノマーに対して2重量倍のメチルイソブチルケトンを加えて、溶液とした。そこに、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して2モル%添加し、80℃で約8時間加熱した。その後、反応液を大量のヘプタンに注いで沈殿させる操作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約 9,200の共重合体を得た。この共重合体は、次式で表される各単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
Figure 0005109649
合成例10:樹脂A2の合成
メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルネンラクトンをモル比50:25:25(13.41g:6.38g:6.00g)で仕込み、そこに1,4−ジオキサンを全モノマーの1.28重量倍(32.86g)加え、溶液とした。更に開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの3モル%(0.532g)加え、溶液とした。別途、1,4−ジオキサンを全モノマーの0.72重量倍(18.72g)を仕込み、その後、88℃に昇温し、そこに、上記モノマー溶液を88℃、2時間で仕込み、同温度で5時間攪拌した。反応マスを冷却後、これを大量のメタノールと水の混合溶媒へ注ぎ、得られた沈殿物を大量のメタノールで洗浄する作業を3回行い精製し、乾燥したところ、平均分子量約8500の下記の共重合体16.3g(収率63.0%)を得た。これを樹脂A2とする。
Figure 0005109649
実施例1〜8、比較例1〜4
以下の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
<酸発生剤>
B1:トリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート
Figure 0005109649
B2:トリフェニルスルホニウム 1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート
Figure 0005109649
B7:ジメチルフェニルスルホニウム 1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート
Figure 0005109649
B8:トリフェニルスルホニウム 1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート
Figure 0005109649
C1:1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロブタンスルホナート
Figure 0005109649
C2:1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロオクタンスルホナート
Figure 0005109649
C3:1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロエタンスルホナート
Figure 0005109649
C4:1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム トリフルオロメタンスルホナート
Figure 0005109649
<樹脂>
種類は、表1に記載:計10部
<クエンチャー>
Q1:2,6−ジイソプロピルアニリン
<溶剤>
Y1:
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 145部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
シリコンウェハーに有機反射防止膜用組成物(ARC−29A;日産化学工業(株)製)を塗布して205℃、60秒の条件でベークすることによって厚さ780Åの有機反射防止膜を形成させ、次いでこの上に、上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が0.15μmとなるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」の欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハーに、ArFエキシマステッパー(FPA5000−AS3;(株)キャノン製;NA=0.75 2/3Annular)を用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後は、ホットプレート上にて表1の「PEB」の欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行った。
有機反射防止膜基板上のもので現像後のダークフィールドパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表2に示した。なお、ここでいうダークフィールドパターンとは、外側にクロム層(遮光層)をベースとしてライン状にガラス面(透光部)が形成されたレチクルを介した露光及び現像によって得られ、したがって露光現像後は、ラインアンドスペースパターンの周囲のレジスト層が残されるパターンである。
実効感度:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で表示した。
ラインエッジラフネス評価:リソグラフィプロセス後のレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、比較例1を基準(△で表記)とし、これよりも滑らかになっているものを○、変化の無いものを△、悪化しているものを×として判断した。
〔表1〕
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例 No. 樹脂 酸発生剤 クエンチャー PB/PEB
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実施例1 A1/10部 B2/0.41部 C1/0.285部 Q1/0.065部 115℃/115℃
実施例2 A1/10部 B1/0.40部 C1/0.285部 Q1/0.065部 115℃/115℃
実施例3 A1/10部 B1/0.40部 C2/0.378部 Q1/0.065部 115℃/115℃
実施例4 A2/10部 B1/0.40部 C1/0.285部 Q1/0.065部 120℃/120℃
実施例5 A1/10部 B1/0.40部 C3/0.230部 Q1/0.065部 115℃/115℃
実施例6 A1/10部 B1/0.40部 C4/0.144部 Q1/0.065部 115℃/115℃
実施例7 A1/10部 B8/0.40部 C1/0.285部 Q1/0.065部 115℃/115℃
実施例8 A1/10部 B7/0.40部 C1/0.285部 Q1/0.065部 115℃/115℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
比較例1 A1/10部 B1/0.50部 Q1/0.065部 115℃/115℃
比較例2 A1/10部 C1/1.425部 Q1/0.065部 115℃/115℃
比較例3 A2/10部 B1/0.50部 Q1/0.065部 120℃/120℃
比較例4 A2/10部 C1/1.20部 Q1/0.065部 120℃/120℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔表2〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 実効感度 解像度 パターン壁面の
(mJ/cm2) (nm) 平滑性
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実施例1 31 90 ○
実施例2 30 90 ○
実施例3 35 90 ○
実施例4 29 90 ○
実施例5 32 90 ○
実施例6 33 90 ○
実施例7 43 90 ○
実施例8 72 90 ○
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比較例1 35 90 △
比較例2 26 95 ○
比較例3 36 90 ×
比較例4 24 95 ○
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本発明の化学増幅型レジスト組成物は、優れた解像度を示し、良好なラインエッジラフネスを与えるため、ArFやKrFなどのエキシマレーザーリソグラフィならびにArF液浸露光リソグラフィに好適な化学増幅型レジスト組成として用いることができ、特にポジ型の化学増幅型レジスト組成物として好適である。

Claims (11)

  1. 式(I)で表されるオニウム塩と、式(II)で表されるスルホニウム塩とを含有する酸発生剤、並びに、酸に不安定な基を持つ重合単位を有し、それ自身はアルカリに不溶又は難溶であるが、酸の作用でアルカリに可溶となる樹脂を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0005109649
    [式(I)中、R21は、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20の置換されていてもよい炭化水素基、あるいは炭素数3〜30の置換されていてもよい環状炭化水素基を表す。ただし、該炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子に置換されていてもよい。
    及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    は、式(Ia)、式(Ib)及び式(Ic)で表されるカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンを表す。
    Figure 0005109649
    [式(Ia)中、P〜Pは、互いに独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜30の炭化水素基を表す。P〜Pが直鎖状又は分岐状の炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環状炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、P〜Pが環状炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
    式(Ib)中、P及びPは、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
    式(Ic)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。
    Bは、硫黄原子又は酸素原子を表す。
    mは、0又は1を表す。]
    Figure 0005109649
    [式(II)中、Q3は、環状構造を有していてもよいパーフルオロアルキル基を表す。
    +は、式(II’)で表されるカチオンを表す。]
    Figure 0005109649
    [式(II’)中、P6及びP7は、互いに独立に、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基を表すか、又はP6とP7とが結合してS+を含んで形成された炭素数3〜12の環を表す。
    8は、水素原子を表し、P9は、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12の炭化水素基、もしくは置換されていてもよい芳香環基を表すか、又はP8とP9が結合して形成された炭素数3〜12の環を表す。ここで、前記の環に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。]
  2. 式(I)におけるA+が、式(Id)、式(Ie)又は式(If)のいずれかで示されるカチオンである請求項1記載の化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0005109649
    [式(Id)〜(If)中、P28〜P30は、互いに独立に、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基を表すか又はフェニル基以外の炭素数3〜30の環式炭化水素基を表す。
    28〜P30が炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環状炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、P28〜P30が環状炭化水素基の場合には、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。
    31〜P36は、互いに独立に、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環状炭化水素基を表す。
    l、k、j、i、h及びgは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。]
  3. 式(I)におけるA+が、式(Ig)で表されるカチオンである請求項1又は2記載の化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0005109649
    [式(Ig)中、P41〜P43は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該炭化水素基及び該アルコキシ基は、直鎖でも分岐していてもよい。]
  4. 式(I)におけるAが、式(Ih)で表されるカチオンである請求項1〜3のいずれか記載の化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0005109649
    [式(Ih)中、P22〜P24は、互いに独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4の炭化水素基を表す。]
  5. 式(I)で表されるオニウム塩が、式(Ii)、式(Ij)又は式(Ik)で表されるオニウム塩である請求項1〜4のいずれか記載の化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0005109649
    [式(Ii)、式(Ij)及び式(Ik)中、Q及びQは、互いに独立に、式(I)におけるものと同じ意味を表す。
    22〜P24は、互いに独立に、式(Ih)におけるものと同じ意味を表す。
    環Xは、単環式又は多環式の炭素数3〜30の炭化水素基を表す。ただし、前記の炭化水素基の炭素原子は、カルボニル基で置換されていてもよい。
    また、環Xは、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基又はシアノ基を置換基として含んでいてもよい。
    は、単結合又は[CHk−を表す。
    kは、1〜4の整数を表す。]
  6. 式(I)で表されるオニウム塩が、式(Il)、式(Im)又は式(In)で表されるオニウム塩である請求項1〜5のいずれか記載の化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0005109649
    [式(Il)、式(Im)及び式(In)中、Q及びQは、互いに独立に、式(I)におけるものと同じ意味を表す。
    22〜P24は、互いに独立に、式(Ih)におけるものと同じ意味を表す。]
  7. 式(II)で表されるスルホニウム塩が、式(IIa)、(IIb)又は(IIc)で表されるスルホニウム塩である請求項1〜6のいずれか記載の化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0005109649
    [式(IIa)、(IIb)及び(IIc)中、P6〜P9は、互いに独立に、式(II)におけるものと同じ意味を表す。]
  8. 式(II)で表されるスルホニウム塩が、式(IId)、式(IIe)又は式(IIf)で表されるスルホニウム塩である請求項1〜のいずれか記載の化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0005109649
    [式(IId)、(IIe)及び(IIf)中、P9は、互いに独立に、式(II)におけるものと同じ意味を表す。]
  9. 式(I)で表されるオニウム塩と、式(II)で表されるスルホニウム塩との含有比率が、9:1〜1:9である請求項1〜8のいずれか記載の化学増幅型レジスト組成物。
  10. 樹脂が嵩高い基及び酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位を含む樹脂である請求項1〜9のいずれか記載の化学増幅型レジスト組成物。
  11. さらに塩基性化合物とを含有する請求項1〜10のいずれか記載の化学増幅型レジス
    ト組成物。
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