JP2011044390A - 燃料電池システムの運転方法 - Google Patents

燃料電池システムの運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011044390A
JP2011044390A JP2009193297A JP2009193297A JP2011044390A JP 2011044390 A JP2011044390 A JP 2011044390A JP 2009193297 A JP2009193297 A JP 2009193297A JP 2009193297 A JP2009193297 A JP 2009193297A JP 2011044390 A JP2011044390 A JP 2011044390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
fuel cell
cell system
hydrogen storage
storage alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009193297A
Other languages
English (en)
Inventor
Akitoshi Fujisawa
彰利 藤澤
Shinichi Miura
真一 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2009193297A priority Critical patent/JP2011044390A/ja
Publication of JP2011044390A publication Critical patent/JP2011044390A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池システムの停止後の再運転開始時の固体高分子型燃料電池による発電を、水素リッチガス生成工程で改質器が起動するのを待つことなく、即座に開始することができる燃料電池システムの運転方法を提供することを課題とする。
【解決手段】燃料電池システムの運転停止時に、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた状態とすると共に、燃料電池システムの運転開始時に、水素吸蔵合金に吸蔵させた水素を水素吸蔵合金から高純度水素Dとして放出させることにより高純度水素Dを固体高分子型燃料電池5に導入して発電を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池を備えて構成された燃料電池システムの運転方法に関するものである。
近年、注目が集められている固体高分子型燃料電池は、以下のような数多くの利点を有している。その利点は、カルノーサイクルの制約を受けないため高い発電効率が期待できる、排熱を利用することができる、騒音が少なく排気ガスがクリーンである、電解質が固体であるため散逸することがなく加圧運転並びに差圧制御を容易に行うことができる、他の燃料電池と比較して低温の80℃〜100℃で動作する部分負荷でも発電効率が低下せずターンダウンが可能であるといった種々の特長点である。固体高分子型燃料電池のこれらの特長点を活かすことで、家庭用燃料電池に代表される分散型電源や自動車電源として、固体高分子型燃料電池を利用した燃料電池システムの開発が近年活発に行われている。
燃料電池システムにおいて、固体高分子型燃料電池の燃料極に供給する燃料としては、水素、メタノール等を挙げることができるが、家庭用燃料電池に代表される分散型電源の燃料としては主に水素が用いられる。この水素を供給する方法としては、天然ガス、ナフサ、灯油、メタノール等の炭化水素含有燃料と、水蒸気を、金属触媒の存在下で改質、変成させて水素リッチガスを得る方法が現在では主流となっている。水素リッチガスは、水素を主成分としたガスで、改質に伴い発生した一酸化炭素(CO)やニ酸化炭素(CO)を含有している。固体高分子型燃料電池の電極触媒はCOに対して被毒性が高いため、COについては、CO選択酸化触媒を用いて水素リッチガス中の含有量が10ppm以下となるように除去する必要があるが、COは固体高分子型燃料電池の電極触媒に特に大きな影響を及ぼさないため、除去されてはいないのが現状である。従って、家庭用燃料電池では、COを20〜30質量%含有した水素リッチガスを、固体高分子型燃料電池の燃料極に供給して発電する方法が一般的であった。
しかしながら、近年開発されたこの燃料電池システムは以下に記載するような課題を抱えている。
炭化水素の改質反応は吸熱反応であり、例えば、天然ガスからの改質反応を例にとると、800℃程度の高い温度にまで昇温することが必要となり、改質器の起動時、すなわち、燃料電池システムの運転開始時には、20〜40分程度の事前の暖気運転が必要になる。
また、改質器で行われる改質反応(変成器としての機能を含む場合は変成反応を含む)は基本的に熱プロセス(吸熱反応)であり、燃料電池側の負荷機器のスイッチのON−OFFや出力変動による電流の変化、並びにこれに伴う燃料電池内での電気化学反応に比較すると、燃料電池システムの熱容量自体がかなり大きいため時間的応答が極めて遅くなる。また、一方で燃料電池での発電出力に必要な水素量が不足すると燃料電池で腐食が発生する等の悪影響を生じる可能性が高いため、燃料利用率を70〜80%として過剰の燃料を供給する運用を行わざるを得ない。従って、発電に使用されなかった余剰水素は改質器に再び戻して熱源燃料の一部とされるが、その系統が複雑になる。
近年開発されたこの燃料電池システムは、以上に示すような課題を抱えているため、その課題を解決するための様々な開発が進められているのが現状である。
この技術開発の結果、特許文献1として、発電に使用されなかった余剰水素を、無駄なく、短時間で水素吸蔵合金タンクを用いて回収する燃料電池システムに関する技術が提案されている。しかしながら、この燃料電池システムでは、燃料電池の後段に更に水素吸蔵合金タンクを配置する必要があり、燃料電池システム自体の構成が更に複雑になると共に、燃料電池からは余剰水素と共に約同量のCOが排気されるため、排気ガスの水素分圧が低くなり、水素吸蔵合金タンクでの余剰水素の回収効率は必ずしも良くはないものであった。
また、特許文献2として、燃料電池システムの起動時間を短縮させるため、炭化水素含有燃料の改質を従来から広く用いられている水蒸気改質法ではなく、燃料の一部を燃焼させて水蒸気改質反応の反応熱を供給するオートサーマル改質法を用いる方法が提案されている。確かにこの方法では、起動時間の短縮を図ることはできるが、触媒反応を採用するために、起動時間を完全にゼロにすることはできないものである。
特開平11−265723号公報 特開2003−303610号公報
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたもので、燃料電池システムの停止後の再運転開始時の固体高分子型燃料電池による発電を、水素リッチガス生成工程で改質器が起動するのを待つことなく、即座に開始することができる燃料電池システムの運転方法を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、炭化水素含有燃料からCOを含有する水素リッチガスを改質器により生成する水素リッチガス生成工程と、前記COを含有する水素リッチガスとCO吸着剤を接触させてCOを吸着除去し、CO除去ガスを得るCO吸着除去工程と、前記CO除去ガスに含まれる水素を水素吸蔵合金に吸蔵させると共に、吸蔵させた水素を前記水素吸蔵合金から高純度水素として放出させる水素分離回収工程と、前記高純度水素を固体高分子型燃料電池に導入して発電する発電工程を備えた燃料電池システムの運転方法であって、前記燃料電池システムの運転停止時に、前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた状態とすると共に、前記燃料電池システムの運転開始時に、前記水素吸蔵合金に吸蔵させた水素を前記水素吸蔵合金から高純度水素として放出させることにより前記高純度水素を前記固体高分子型燃料電池に導入して発電を開始することを特徴とする燃料電池システムの運転方法である。
請求項2記載の発明は、前記水素分離回収工程を構成する水素分離回収装置は、水素吸蔵合金を内蔵する三塔以上の水素吸蔵合金容器を有して構成されており、前記燃料電池システムの運転中には、各水素吸蔵合金容器のうち、一塔は水素吸蔵・精製ステップの状態、一塔は高純度水素放出ステップの状態、他の塔は冷却ステップ或いは減圧・加熱ステップの状態となっており、前記燃料電池システムの運転停止時には、各水素吸蔵合金容器が水素吸蔵・精製ステップを終え、高純度水素放出ステップに入る前に順次その稼動を停止することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの運転方法である。
請求項3記載の発明は、前記燃料電池システムの停止時に前記水素吸蔵合金に吸蔵させた水素の吸蔵量は、飽和水素吸蔵量の20%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システムの運転方法である。
請求項4記載の発明は、前記水素リッチガス生成工程で得られたCOを含有する水素リッチガスは、炭化水素含有燃料を水蒸気で改質させる方法、炭化水素含有燃料を部分酸化により改質させる方法、炭化水素含有燃料をオートサーマル改質法により改質させる方法のうち、いずれかの方法により得られたガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池システムの運転方法である。
請求項5記載の発明は、前記水素リッチガス生成工程で得られたCOを含有する水素リッチガスは、炭化水素含有燃料を水蒸気で改質させる方法、炭化水素含有燃料を部分酸化により改質させる方法、炭化水素含有燃料をオートサーマル改質法により改質させる方法のうち、いずれかの方法により得られたガスを、更に変成させたガスであるか、更に組成分離膜に流通させて水素濃度を高めたガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池システムの運転方法である。
請求項6記載の発明は、前記CO吸着剤は、シリカ、アルミナ、活性炭、グラファイトおよびポリスチレン系樹脂からなる群より選択される1種以上の単体に、ハロゲン化銅(I)および/またはハロゲン化銅(II)を担持させてなる材料であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池システムの運転方法である。
本発明の請求項1記載の燃料電池システムの運転方法によると、燃料電池システムの停止後の再運転開始時の固体高分子型燃料電池による発電を、水素リッチガス生成工程で改質器が起動するのを待つことなく、即座に開始することができる。また、燃料電池システムの運転停止時に水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた状態とすることにより、その水素吸蔵合金が金属水素化物の形態となり、万一外部からOやCOなどの被毒成分が流入したとしても被毒されにくくなる。更には、水素吸蔵合金から放出されるのはCO、H0、N、O、COなどの不純物を殆ど含有しない高純度水素であり、固体高分子型燃料電池による発電効率が向上する。
本発明の請求項2記載の燃料電池システムの運転方法によると、水素リッチガス生成工程で改質器が起動するまでに固体高分子型燃料電池による発電に必要な水素を、水素吸蔵合金を内蔵する複数の水素吸蔵合金容器内に確実に蓄えておくことができる。また、水素分離回収工程に設けられた水素分離回収装置を、水素吸蔵合金を内蔵する三塔以上の水素吸蔵合金容器を有して構成することにより、水素吸蔵合金からの高純度水素の放出を絶え間なく連続して行うことができる。
本発明の請求項3記載の燃料電池システムの運転方法によると、燃料電池システムの停止後の再運転開始時に、水素吸蔵合金からの高純度水素の放出を即座に開始することができる。
本発明の請求項4記載の燃料電池システムの運転方法によると、炭化水素含有燃料からCOを含有する水素リッチガスを確実に生成することができる。
本発明の請求項5記載の燃料電池システムの運転方法によると、炭化水素含有燃料からCOを含有する水素リッチガスを更に確実に生成することができる。
本発明の請求項6記載の燃料電池システムの運転方法によると、CO吸着剤をCO選択吸着性に優れたCO吸着剤とすることができるので、COを含有する水素リッチガスから確実にCOを除去することができる。
本発明の一実施形態の燃料電池システムの運転方法の概要を示すフロー図である。 実施例1における、三塔の水素吸蔵合金容器と改質器並びに固体高分子型燃料電池の運転パターンを示す説明図である。 実施例2における、三塔の水素吸蔵合金容器と改質器並びに固体高分子型燃料電池の運転パターンを示す説明図である。 比較例1における、三塔の水素吸蔵合金容器と改質器並びに固体高分子型燃料電池の運転パターンを示す説明図である。 従来からの燃料電池システムの運転方法の概要を示すフロー図である。 比較例2における、改質器と固体高分子型燃料電池の運転パターンを示す説明図である。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの概要を示すフロー図である。1は圧縮機、2は改質器(変成器としての機能を含む場合もある)、3はCO吸着除去器、4は水素分離回収装置、5は固体高分子型燃料電池であって、これらのうち、CO吸着除去器3は二塔のCO吸着除去塔3a,3bを有して構成されており、水素分離回収装置4は水素吸蔵合金を内蔵する三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cを有して構成されている。尚、6は運転制御装置であり、後述する実施例で水素吸蔵合金容器4a,4b,4cの水素吸蔵量を推算するために用いたものであり、必ずしも燃料電池システムには設置されてはいなくても良い。
圧縮機1は、天然ガス、ナフサ、灯油、メタノール等の炭化水素含有燃料Aを事前に加圧する燃料加圧工程に設けられている。
燃料加圧工程で加圧された加圧状態にある炭化水素含有燃料Aaは、次の水素リッチガス生成工程に送られる。水素リッチガス生成工程には改質器2が設けられており、加圧状態にある炭化水素含有燃料Aaは改質器2での改質反応によりCOを含有する水素リッチガスBとなる。この水素リッチガスBの生成時には、改質器2に加熱用燃料Fと共にオフガスEaが供給され熱源燃料の一部として再利用される。水素分離回収装置4から回収された際のオフガスEはCO等を主成分とするが、水素分離回収装置4で回収できなかった水素(H)、並びにCO吸着除去器3を通過した際にCOを含有する水素リッチガスBから除去されたCOも含有することになり、このオフガスEaに含まれるHやCO等が熱源燃料の一部となる。
尚、ここで示す水素リッチガスBとは、水素を主成分とするガスのことであり、改質器2での改質に伴い発生したCOやCO等を含有するガスのことをいう。この水素リッチガスBはCOと共にCO等を含有するが、ここで示す水素リッチガスBはCOを含有することを必須要件とする。
以上の説明では単に、加圧状態にある炭化水素含有燃料Aaは改質器2での改質反応によりCOを含有する水素リッチガスBとなると説明したが、炭化水素含有燃料Aaの改質器2での改質は、炭化水素含有燃料を水蒸気で改質させる水蒸気改質反応、炭化水素含有燃料を部分酸化により改質させる部分酸化反応、炭化水素含有燃料をオートサーマル改質法により改質させるサーマル改質反応のうち、いずれかの方法により実施される。尚、水蒸気改質反応は吸熱反応、部分酸化反応は発熱反応であり、オートサーマル改質反応は水蒸気改質反応と部分酸化反応で吸熱と発熱が釣り合うように組み合わせた手法である。このオートサーマル改質反応は、現状ではまだ効率面で若干の課題が残っているが、起動性に優れ、装置の小型化が可能で、負荷追従性にも優れているといった長所がある。また、これら改質反応により得られたガスを、更に変成器で変成させたガスとしたり、セラミックフィルタ等の組成分離膜に流通させて水素濃度を高めたガスとしたりしても良い。
水素リッチガス生成工程で、改質器2での改質反応により生成されたCOを含有する水素リッチガスBは、次のCO吸着除去工程に送られる。CO吸着除去工程には、二塔のCO吸着除去塔3a,3bを有して構成されたCO吸着除去器3が設けられており、CO吸着除去器3に内蔵されたCO吸着剤にCOを含有する水素リッチガスBを接触させることにより、水素リッチガスBからCOを吸着除去して水素を主成分とするCO除去ガスCとする。
尚、ここで示すCO吸着剤は、シリカ、アルミナ、活性炭、グラファイトおよびポリスチレン系樹脂からなる群より選択される1種以上の単体に、ハロゲン化銅(I)および/またはハロゲン化銅(II)を担持させてなる材料である。
このCO吸着除去工程を、後述する水素吸蔵合金による水素分離回収工程の前段階の工程とすることで、水素吸蔵合金の水素吸蔵能力を低下させるCOを事前に除去することができる。また、燃料電池システムの再起動時に水素リッチガス生成工程で副生成物としてCOが発生して水素リッチガスB中のCO濃度が増加してもCOを完全に除去することができる。尚、水素リッチガスBが含有するもう一つの主成分であるCOは水素吸蔵合金の水素吸蔵能力を大きく低下させることはないため、水素分離回収工程の前工程で積極的に除去する必要はない。
CO吸着除去工程で、CO吸着除去器3によりCOが除去されたCO除去ガスCは、次の水素分離回収工程に送られる。水素分離回収工程には、水素吸蔵合金を内蔵する三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cを有して構成された水素分離回収装置4が設けられており、CO除去ガスCはこの水素分離回収装置4に供給される。CO除去ガスCのうち主成分の水素は、水素分離回収装置4の水素吸蔵合金に吸蔵され、CO並びにこの水素分離回収装置4で回収しきれなかった水素は、オフガスEとして再生段階にあるCO吸着除去塔3bに、CO分圧を下げ、再生効率を上げるためのスイープガスとして用いた後、水素リッチガス生成工程に戻され改質器2の熱源燃料の一部として再利用される。水素分離回収装置4の水素吸蔵合金に吸蔵された水素は精製され、減圧パージ、加熱を経て、高純度水素Dとして次の発電工程へ送られる。
三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cに内蔵された夫々の水素吸蔵合金は、水素吸蔵・精製ステップ→減圧・加熱ステップ→高純度水素放出ステップ→冷却ステップという順に機能して、再び水素吸蔵・精製ステップに戻るというサイクルで水素分離回収装置4は稼動する。この三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cに内蔵された夫々の水素吸蔵合金が機能する状態(ステップ)を時間的に等間隔でずらせることにより、CO除去ガスCから高純度水素Dを連続して精製放出することができる。尚、以上の説明では、水素分離回収装置4が三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cを有して構成される実施形態について説明したが、水素吸蔵合金容器は三塔以上であれば、四塔或いはそれ以上であっても良く、その塔数が多い方がより確実に高純度水素Dを連続して精製放出することができる。
先に説明したように、水素分離回収工程でCOやHO、N、Oといった不純物が除去された高純度水素Dは次の発電工程に送られる。発電工程には固体高分子型燃料電池5が設けられており、高純度水素Dがこの固体高分子型燃料電池5に導入されることで発電が実施される。
このように水素吸蔵合金から放出された高純度水素Dを直接、固体高分子型燃料電池5に導入することで、固体高分子型燃料電池5の負荷追随性が向上する。その理由は、固体高分子型燃料電池5の負荷増大に伴い高純度水素Dの消費量も増加するが、その高純度水素Dの消費量に応じて直ぐ前段の水素分離回収工程にある水素吸蔵合金から高純度水素Dが放出されるからである。
尚、以上の説明で、水素吸蔵合金から高純度水素Dが放出されると説明したが、その高純度水素Dの水素純度は95質量%以上である必要がある。純水素型の固体高分子型燃料電池5は、COをはじめとする不純物が混入し、水素分圧が徐々に低下すると、その結果として電圧低下が発生する。電圧低下が発生するとその低下の程度を判断して固体高分子型燃料電池5スタック内の燃料側をパージする。その意味では水素純度は必ずしも高純度である必要はないが、水素純度が95質量%未満になるとこのパージの頻度が高くなり、結果として水素利用率が低下してしまう。よって、高純度水素Dの水素純度を95質量%以上とした。より好ましくは高純度水素Dの水素純度は99質量%以上とする必要がある。
次に、燃料電池システムの運転を停止した後、再運転時までの燃料電池システムの状態について、水素吸蔵合金を内蔵する三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cを有して構成された水素分離回収装置4を備えた燃料電池システムの一例をもとに説明する。
燃料電池システムの運転停止時には、水素吸蔵合金を内蔵する三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cのうち、一塔は水素吸蔵・精製ステップの状態、一塔は高純度水素放出ステップの状態、一塔は冷却ステップ或いは減圧・加熱ステップの状態である。この運転停止時に、水素吸蔵・精製ステップ或いは減圧・加熱ステップの状態にあるものは、そのステップが完了した段階でその稼動を停止する。一方、高純度水素放出ステップ或いは冷却ステップの状態にあるものは、そのまま稼動させ、水素吸蔵・精製ステップが完了した状態でその稼動を停止する。
すなわち、燃料電池システムの運転停止時には、水素吸蔵合金を内蔵する三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cが、夫々水素吸蔵・精製ステップを終え、高純度水素放出ステップに入る前に、順次その稼動を停止させる。
この状態で、水素吸蔵合金を内蔵する三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cには、夫々水素が吸蔵され精製された状態となる。このように、三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cに高純度水素Dを蓄えた状態とすることで、燃料電池システムの停止後の再運転開始時には、即座に高純度水素Dを放出することができ、固体高分子型燃料電池5による発電を、水素リッチガス生成工程で改質器2が起動するのを待つことなく、即座に開始することができる。
尚、燃料電池システムの停止時に、各水素吸蔵合金容器4a,4b,4cの水素吸蔵合金に吸蔵させた水素の吸蔵量は、夫々その飽和水素吸蔵量の20%以上であることが望ましい。水素吸蔵合金に吸蔵させた水素の吸蔵量を飽和水素吸蔵量の20%以上とすることで、燃料電池システムの運転開始時に水素吸蔵合金から確実に高純度水素Dを放出することができる。燃料電池システムの停止時に、水素吸蔵合金に吸蔵させた水素の吸蔵量が飽和水素吸蔵量の20%未満であれば、燃料電池システムの運転開始時に水素吸蔵合金から即座に高純度水素Dを放出することができない可能性があるばかりか、各水素吸蔵合金容器4a,4b,4cの容量にもよるが、運転開始後の高純度水素Dの放出が短時間しか行われない可能性もある。より好ましい燃料電池システムの停止時の水素吸蔵合金に吸蔵させる水素の吸蔵量は、飽和水素吸蔵量の25%以上である。
尚、ここで説明した飽和水素吸蔵量は、JIS H7201の「水素吸蔵合金の圧力−組成等高線(PCT線)の測定方法」に示す方法で測定されたPCT線から算出することが可能である。また、水素吸蔵合金に吸蔵させた水素吸蔵量を求めるために必要な標準エンンタルピー変化ΔHと標準エントルピー変化ΔSもJIS H7201の「水素吸蔵合金の圧力−組成等高線(PCT線)の測定方法」に示す方法で測定されたPCT線から、Van’t Hoffの式を用いて求めることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
(実施例1)
図1に示すフローの燃料電池システムを用い、炭化水素含有燃料Aであるメタノールから高純度水素Dを精製し、その高純度水素Dを用いて固体高分子型燃料電池5により発電を行う実験を実施した。
実験に用いた炭化水素含有燃料Aであるメタノール水溶液のS/C(水のモル数/メタノールのモル数)を2.0とした。メタノール水溶液は送液ポンプを用いて流量を1.533g/minに設定し、圧力が0.9MPa−Gになるまで圧縮機1で加圧した上で、メタノール水蒸気改質器2に供給し、改質温度235℃、圧力0.9MPa−Gの条件で改質反応を行った。得られた改質ガスであるCOを含有する水素リッチガスBをドレンにより除湿した後、CO吸着除去器3に供給した。
CO吸着除去器3はニ塔式とし、各CO吸着除去塔3a,3b内には、水分除去用にアルミナ吸着剤を100cc、CO除去用にCO吸着剤を250cc夫々充填した。CO吸着除去塔3a,3bは加圧吸着と減圧再生を5分毎に交互に切り替え、吸着圧力を0.85MPa−Gとした。また、減圧再生時にはスイープガスとして次工程の水素分離回収装置4から送られたCOを主成分とするオフガスEを供給しながら真空ポンプにより76mmHgまで減圧する操作を実施した。
続いて、CO吸着除去器3により水分、COを完全に除去したCO除去ガスCを水素分離回収装置4にダウンフローにて供給した。水素分離回収装置4は水素吸蔵合金を内蔵する三塔の水素吸蔵合金容器4a,4b,4cを有して構成されており、水素吸蔵合金容器4a,4b,4c毎に、水素吸蔵・精製ステップ「30分」→減圧・加熱ステップ(減圧パージステップ「1分」→加熱ステップ「6分」)→高純度水素放出ステップ「30分」→冷却ステップ「23分」というサイクルを、時間をずらせて繰り返すことにより、連続して絶え間なく高純度水素Dを精製、放出した。
水素吸蔵合金は、20℃での平衡圧が0.1MPa−Gとなるように合金種、混合比を調整したMmNi系水素吸蔵合金1.5kgを用いた。水素吸蔵合金容器4a,4b,4cとしてはジャケット式のものを採用し、水素吸蔵時には水素吸蔵に伴う発熱を制御するために20℃の冷水を、高純度水素放出時には水素放出に伴う吸熱反応熱を与えるために80℃の温水を夫々循環させた。水素分離回収装置4における水素吸蔵圧力は0.8MPa−Gとした。尚、この水素分離回収装置4で回収しきれなかった水素、並びにCO等でなるオフガスEは、CO吸着除去器3のCO吸着剤再生用ガス、並びに改質器2の熱源燃料として再利用される。
この水素分離回収装置4から放出された高純度水素Dを、200W固体高分子型燃料電池5に供給した。固体高分子型燃料電池5には電源負荷装置(菊水電気工業株式会社製PLS−1004W)を接続し、時間平均100Wになるようにして50〜150Wの間を一定パターンで負荷変動させながら固体高分子型燃料電池5による発電を実施した。
燃料電池システムの運転停止時には、固体高分子型燃料電池5による発電終了後も53分間にわたって水素を水素吸蔵合金に吸蔵させる水素吸蔵・精製ステップを実施し、このステップを終え、水素を水素吸蔵合金に十分に吸蔵させた水素吸蔵合金容器4a,4b,4cから順に水素の吸蔵を停止させた。また、再運転開始時には、水素吸蔵合金に吸蔵された高純度水素Dを放出させることにより、固体高分子型燃料電池5による発電を実施し、その間に改質器2の立ち上げを行った。
また、水素吸蔵・精製ステップ終了後の温度・圧力より各水素吸蔵合金容器4a,4b,4cの水素吸蔵量を運転制御装置6により推算し、各水素吸蔵合金容器4a,4b,4cの水素吸蔵量が飽和水素量(本実施例の水素吸蔵合金では155NL/kg)の20%以上であることを確認した。各水素吸蔵合金容器4a,4b,4cの水素吸蔵量が飽和水素量の20%に満たない場合は、水素吸蔵量が不足状態にある水素吸蔵合金容器4a,4b,4cに5分間追加の水素の吸蔵を実施した。その状態でもまだ水素吸蔵量が不足している場合は、飽和水素量の20%以上という条件を満足するまで、5分間毎の追加の水素の吸蔵を実施した。
尚、水素吸蔵合金の水素吸蔵量Mは以下の計算により算出している。
水素の吸蔵を終了した際の水素吸蔵合金の温度をT、水素吸蔵合金に固有の水素吸蔵・放出に伴う標準エンタルピー変化をΔH、標準エントロピー変化をΔSとする。本実施例で用いた水素吸蔵合金のΔHおよびΔSは、ΔH=30.3kJ/mol−H2、ΔS=−89.2J/mol・Kである。これらを用いて、まず、次式から平衡水素圧力Pcを求める。尚、次式のRは気体定数である。
Pc=exp(ΔH/RT−ΔS/R)
次に、前式で求められたPcと実際に測定した水素圧力Pとの差ΔP、すなわち、平衡状態からの差を求める。(ΔP=P−Pc)
次いで、対象とする水素吸蔵合金容器の温度TにおけるPCT曲線と、前式で求められた平衡水素圧力Pcから、平衡水素吸蔵量Mcを算出する。その時点での水素吸蔵合金の水素吸蔵量Mは、平衡水素吸蔵量Mcと、ΔPから算出される平衡状態と実際の状態の差を補正する補正関数Kを用いて次式より算出することができる。
M=Mc×K(ΔP)
尚、補正関数Kは、水素吸蔵合金容器の形状、高純度水素放出ステップの時間、水素吸蔵合金の加熱を行う方法等により変化する値であり、実験等から求める必要がある。本実施例では、水素吸蔵合金容器をジャケット式としており、実験を繰り返した結果、K(ΔP)=(1/(2−ΔP))×2として計算できることを確認した。
以上の操作を、DSS(Daily Start&Stop)運転により1日270分行い、延べ14日間の実験を実施した。この際の水素分離回収装置4の各水素吸蔵合金容器4a,4b,4cと、改質器2、並びに固体高分子型燃料電池5の運転パターンを図2に示す。
この実施例1では、2日目以降は燃料電池システムの再運転開始と共に固体高分子型燃料電池5による発電を開始することができた。
(実施例2)
図1に示すフローの燃料電池システムを用い、炭化水素含有燃料Aであるメタノールから高純度水素Dを生成し、固体高分子型燃料電池5により発電を行う実験を実施した。
実験に用いた炭化水素含有燃料Aであるメタノール水溶液のS/C(水のモル数/メタノールのモル数)を2.0とした。メタノール水溶液は送液ポンプを用いて流量を1.533g/minに設定し、圧力が0.9MPa−Gになるまで圧縮機1で加圧した上で、メタノールオートサーマル改質器2に供給し、改質温度275℃、圧力0.9MPa−Gの条件でオートサーマル改質反応を行った。オートサーマル改質反応のための酸素は吸熱熱量と発熱熱量が釣り合うように制御して投入した。得られた改質ガスであるCOを含有する水素リッチガスBをドレンにより除湿した後、CO吸着除去器3に供給した。
以後のCO吸着除去器3によるCO吸着除去工程から固体高分子型燃料電池5による発電工程までは、先に説明した実施例1と同一とした。
以上の操作を、DSS(Daily Start&Stop)運転により1日270分行い、延べ14日間の実験を実施した。この際の水素分離回収装置4の各水素吸蔵合金容器4a,4b,4cと、改質器2、並びに固体高分子型燃料電池5の運転パターンを図3に示す。
この実施例2でも、2日目以降は燃料電池システムの再運転開始と共に固体高分子型燃料電池5による発電を開始することができた。
(比較例1)
図1に示すフローの燃料電池システムを用い、炭化水素含有燃料Aであるメタノールから高純度水素Dを生成し、固体高分子型燃料電池5により発電を行う実験を実施した。
定常運転時の条件は実施例1と全て同一とし、燃料電池システムの運転停止後に、各水素吸蔵合金容器4a,4b,4c毎に水素吸蔵合金が吸蔵する水素を全て放出した後、その稼動を順次終了させた。
以上の操作を、DSS(Daily Start&Stop)運転により1日270分行い、延べ14日間の実験を実施した。この際の水素分離回収装置4の各水素吸蔵合金容器4a,4b,4cと、改質器2、並びに固体高分子型燃料電池5の運転パターンを図4に示す。
燃料電池システムの運転開始時には、まず、改質器2の事前の暖気運転を行い、その暖気運転が完了し後に改質器2よるCOを含有する水素リッチガスBの生成を開始し、続く工程を順次開始した。この比較例1では、改質器2の暖気運転の開始から固体高分子型燃料電池5による発電開始までには66分を要した。
(比較例2)
図5に示すフローの燃料電池システムを用い、炭化水素含有燃料Aであるメタノールから水素を生成し、固体高分子型燃料電池5により発電を行う実験を実施した。
実験に用いた炭化水素含有燃料Aであるメタノール水溶液のS/C(水のモル数/メタノールのモル数)を2.0とした。メタノール水溶液は送液ポンプを用いて流量を2.19g/minに設定し、圧力が0.9MPa−Gになるまで圧縮機1で加圧した上で、メタノール水蒸気改質器2に供給し、改質温度250℃、圧力0.9MPa−Gの条件で改質反応を行った。得られた改質ガスであるCOを含有する水素リッチガスBをドレンにより除湿した後、CO吸着除去器3に供給した。
CO吸着除去器3はニ塔式とし、各CO吸着除去塔3a,3b内には、水分除去用にアルミナ吸着剤を100cc、CO除去用にCO吸着剤を250cc夫々充填した。CO吸着除去塔3a,3bは加圧吸着と減圧再生を5分毎に交互に切り替え、吸着圧力を0.85MPa−Gとした。また、減圧再生時にはスイープガスとして次工程の水素分離回収装置4から送られたCOを主成分とするオフガスEを供給しながら真空ポンプにより76mmHgまで減圧する操作を実施した。
続いて、CO吸着除去器3により水分、COを完全に除去したCO除去ガスCを固体高分子型燃料電池5スタックに投入した。このCO除去ガスCは、COを約25%含有するため、固体高分子型燃料電池5スタックはスルー方式とし、水素利用率は70%とした。尚、固体高分子型燃料電池5スタックで消費することができなかった水素並びにCOでなるオフガスEは、CO吸着除去器3のCO吸着剤再生用ガス(熱源燃料)として再利用される。
得られた水素含有ガスは、200W固体高分子型燃料電池5に供給した。この固体高分子型燃料電池5には電源負荷装置(菊水電気工業株式会社製PLS−1004W)を接続し、時間平均100Wになるようにして50〜150Wの間を一定パターンで負荷変動させながら固体高分子型燃料電池5による発電を実施した。
以上の操作を、DSS(Daily Start&Stop)運転により1日270分行い、延べ10日間の実験を実施した。この際の改質器2、並びに固体高分子型燃料電池5の運転パターンを図6に示す。
燃料電池システムの運転開始時には、まず、改質器2の事前の暖気運転を行い、その暖気運転が完了し後に改質器2よるCOを含有する水素リッチガスBの生成を開始し、続く工程を順次開始した。この比較例2では、改質器2の暖気運転の開始から固体高分子型燃料電池5による発電開始までには30分を要した。
(まとめ)
燃料電池システムの運転停止時に、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた状態とし、再運転開始時に、水素吸蔵合金に吸蔵させた水素を水素吸蔵合金から高純度水素Dとして放出させることにより高純度水素Dを固体高分子型燃料電池5に導入して発電を開始した実施例1および実施例2では、燃料電池システムの再運転開始と同時に固体高分子型燃料電池5による発電を開始することができた。
一方、燃料電池システムの運転停止時に、水素吸蔵合金が吸蔵する水素を全て放出した比較例1では、改質器2の事前の暖気運転が完了した後に、改質器2によるCOを含有する水素リッチガスBの生成を開始し、続く工程を順次開始する必要があり、改質器2の暖気運転の開始から固体高分子型燃料電池5による発電開始までには66分を要してしまった。
また、水素分離回収工程を有しない比較例2では、燃料電池システムの運転停止時に水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた状態とすることはできないため、改質器2の暖気運転の開始から固体高分子型燃料電池5による発電開始までには30分を要してしまった。
(参考)
水素分離回収工程を有する実施例1と水素分離回収工程を有しない比較例2の各実験日における改質プロセス効率(高位発電量)を比較した。改質プロセス効率は、生成した水素ガスの熱量/(燃料メタノールの熱量+加熱用天然ガスの熱量)×100という計算式から算出した。各実験日における改質プロセス効率を表1に示す。尚、参考ではあるが、水素分離回収工程を有する実施例2と比較例1の改質プロセス効率も示す。
Figure 2011044390
高純度水素Dを生成する水素分離回収工程を有する実施例1(実施例2、比較例1も同様)と比較して、水素分離回収工程を有しない比較例2は、固体高分子型燃料電池5スタックにおける水素利用率が低く、同じ電力量を確保するために必要なメタノール水溶液の量は、実施例1が413g/270分であるのに対し、比較例2では591g/270分であった。その結果、実施例1は比較例2と比較して、大幅に改質プロセス効率が向上していることが分かる。
1…圧縮機
2…改質器
3…CO吸着除去器
3a,3b…CO吸着除去塔
4…水素分離回収装置
4a,4b,4c…水素吸蔵合金容器
5…固体高分子型燃料電池
6…運転制御装置
A…炭化水素含有燃料
Aa…加圧状態にある炭化水素含有燃料
B…水素リッチガス
C…CO除去ガス
D…高純度水素
E…オフガス
Ea…オフガス
F…加熱用燃料

Claims (6)

  1. 炭化水素含有燃料からCOを含有する水素リッチガスを改質器により生成する水素リッチガス生成工程と、
    前記COを含有する水素リッチガスとCO吸着剤を接触させてCOを吸着除去し、CO除去ガスを得るCO吸着除去工程と、
    前記CO除去ガスに含まれる水素を水素吸蔵合金に吸蔵させると共に、吸蔵させた水素を前記水素吸蔵合金から高純度水素として放出させる水素分離回収工程と、
    前記高純度水素を固体高分子型燃料電池に導入して発電する発電工程を備えた燃料電池システムの運転方法であって、
    前記燃料電池システムの運転停止時に、前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた状態とすると共に、
    前記燃料電池システムの運転開始時に、前記水素吸蔵合金に吸蔵させた水素を前記水素吸蔵合金から高純度水素として放出させることにより前記高純度水素を前記固体高分子型燃料電池に導入して発電を開始することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  2. 前記水素分離回収工程に設けられた水素分離回収装置は、水素吸蔵合金を内蔵する三塔以上の水素吸蔵合金容器を有して構成されており、
    前記燃料電池システムの運転中には、各水素吸蔵合金容器のうち、一塔は水素吸蔵・精製ステップの状態、一塔は高純度水素放出ステップの状態、他の塔は冷却ステップ或いは減圧・加熱ステップの状態となっており、
    前記燃料電池システムの運転停止時には、各水素吸蔵合金容器が水素吸蔵・精製ステップを終え、高純度水素放出ステップに入る前に順次その稼動を停止することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの運転方法。
  3. 前記燃料電池システムの停止時に前記水素吸蔵合金に吸蔵させた水素の吸蔵量は、飽和水素吸蔵量の20%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システムの運転方法。
  4. 前記水素リッチガス生成工程で得られたCOを含有する水素リッチガスは、炭化水素含有燃料を水蒸気で改質させる方法、炭化水素含有燃料を部分酸化により改質させる方法、炭化水素含有燃料をオートサーマル改質法により改質させる方法のうち、いずれかの方法により得られたガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池システムの運転方法。
  5. 前記水素リッチガス生成工程で得られたCOを含有する水素リッチガスは、炭化水素含有燃料を水蒸気で改質させる方法、炭化水素含有燃料を部分酸化により改質させる方法、炭化水素含有燃料をオートサーマル改質法により改質させる方法のうち、いずれかの方法により得られたガスを、更に変成させたガスであるか、更に組成分離膜に流通させて水素濃度を高めたガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池システムの運転方法。
  6. 前記CO吸着剤は、シリカ、アルミナ、活性炭、グラファイトおよびポリスチレン系樹脂からなる群より選択される1種以上の単体に、ハロゲン化銅(I)および/またはハロゲン化銅(II)を担持させてなる材料であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池システムの運転方法。
JP2009193297A 2009-08-24 2009-08-24 燃料電池システムの運転方法 Pending JP2011044390A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009193297A JP2011044390A (ja) 2009-08-24 2009-08-24 燃料電池システムの運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009193297A JP2011044390A (ja) 2009-08-24 2009-08-24 燃料電池システムの運転方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011044390A true JP2011044390A (ja) 2011-03-03

Family

ID=43831649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009193297A Pending JP2011044390A (ja) 2009-08-24 2009-08-24 燃料電池システムの運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011044390A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327306A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Tokyo Gas Co Ltd 高純度水素製造装置及び燃料電池システム
JP2001085040A (ja) * 1999-09-16 2001-03-30 Toshiba Corp 燃料電池電源システム及びその運転方法
JP2001338661A (ja) * 2000-03-24 2001-12-07 Tokyo Gas Co Ltd 高純度水素駆動燃料電池システム
JP2006342014A (ja) * 2005-06-08 2006-12-21 Kobe Steel Ltd 高純度水素製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327306A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Tokyo Gas Co Ltd 高純度水素製造装置及び燃料電池システム
JP2001085040A (ja) * 1999-09-16 2001-03-30 Toshiba Corp 燃料電池電源システム及びその運転方法
JP2001338661A (ja) * 2000-03-24 2001-12-07 Tokyo Gas Co Ltd 高純度水素駆動燃料電池システム
JP2006342014A (ja) * 2005-06-08 2006-12-21 Kobe Steel Ltd 高純度水素製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7354566B2 (en) Fuel gas production method and apparatus
JP4922565B2 (ja) 燃料電池発電システムの起動準備方法
JP2005532660A (ja) 燃料電池の運転方法
JP2006342014A (ja) 高純度水素製造方法
JP2002093447A (ja) 固体高分子型燃料電池用改質器の起動及び停止方法
JP2004338975A (ja) 水素製造装置の起動方法
JP2009032596A (ja) 固体酸化物形燃料電池システムの運転温度制御法
JP5457854B2 (ja) 高純度水素の製造方法
JP4357756B2 (ja) メンブレンリフォーマによる高純度水素製造システム
JP2005336003A (ja) 高純度水素製造装置
JP5731202B2 (ja) 合成ガス製造方法および装置
JP5539754B2 (ja) 燃料電池用脱硫器の加熱方法及び燃料電池システム
JP5357465B2 (ja) 高純度水素製造方法
JP2014107220A (ja) 固体酸化物形燃料電池システム
JP2011044390A (ja) 燃料電池システムの運転方法
JP2003249254A (ja) 電力、水素及び芳香族炭化水素の併産システム
JP2002255506A (ja) 重質炭化水素燃料から高純度水素を製造する方法及び装置
JP2009143744A (ja) エネルギーステーション
JP2009263199A (ja) 一酸化炭素ガス発生装置および方法
JP5156296B2 (ja) 水素製造装置の起動方法
JP2004175966A (ja) 灯油脱硫方法および装置並びに燃料電池システムとその運転方法
KR101362209B1 (ko) 연료전지 시스템 연료변환기의 황 피독 개질촉매 재생방법 및 장치
JP2001202982A (ja) 固体高分子型燃料電池システム
JP2005174783A (ja) 固体高分子型燃料電池発電システム
JP2011204484A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110414

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110414

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130423

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130702