以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。
1. 基本構成
実施形態は、NAND型フラッシュメモリの大容量化に適したフロアプラン、具体的には、1チップ内のメモリプレーン数が増えたときのロウデコーダのレイアウトに関する。
図1は、第1基本構成を示している。
第1メモリプレーンは、第1及び第2NANDブロックを有し、第2メモリプレーンは、第3及び第4NANDブロックを有する。
第1転送トランジスタは、第1及び第2メモリプレーン間に配置され、第1NANDブロック内の第1ワード線及び第3NANDブロック内の第2ワード線に共通接続される。
第2転送トランジスタは、第1メモリプレーンの第2メモリプレーン側とは反対側の第1端に配置され、第2NANDブロック内の第3ワード線に接続される。第3転送トランジスタは、第2メモリプレーンの第1メモリプレーン側とは反対側の第2端に配置され、第4NANDブロック内の第4ワード線に接続される。
この第1基本構成によれば、第1転送トランジスタは、第1NANDブロック内の第1ワード線及び第3NANDブロック内の第2ワード線に共有されるため、1チップ内のメモリプレーン数が増えたときのロウデコーダ数の増加を抑えることができる。
但し、この場合、第1転送トランジスタに接続される負荷は、ワード線2本分となるのに対して、第2及び第3転送トランジスタに接続される負荷は、それぞれワード線1本分となる。
この負荷の相違は、ワード線に電位を転送するときの時定数の相違となり、電位の転送速度がワード線ごとに異なることになる。
そこで、例えば、第1及び第2ワード線に電位を転送するときの時定数を制御する第1ドライバを第1転送トランジスタに接続し、第3ワード線に電位を転送するときの時定数を制御する第2ドライバを第2転送トランジスタに接続し、第4ワード線に電位を転送するときの時定数を制御する第3ドライバを第3転送トランジスタに接続する。
これにより、電位の転送速度をワード線ごとに制御し、全てのワード線において電位の転送速度の均一化を図ることができる。
ところで、第2転送トランジスタを制御する制御信号を生成する第2デコードブロックは、第2転送トランジスタの近傍である第1メモリプレーンの第1端に配置され、第3転送トランジスタを制御する制御信号を生成する第3デコードブロックは、第3転送トランジスタの近傍である第2メモリプレーンの第2端に配置される。
これに対し、第1転送トランジスタを制御する制御信号を生成する第1デコードブロックは、第1転送トランジスタの近傍である第1及び第2メモリプレーン間ではなく、第1及び第2端のうちの1つに配置される。これは、メモリの大容量化が進むと、第1及び第2メモリプレーン間に第1デコードブロックを配置するスペースが確保できなくなるためである。
この場合、第1転送トランジスタと第1デコードブロックとを接続する制御信号線は、第1、第2、第3及び第4NANDブロックのうちの1つの上に配置される。また、制御信号線は、その制御信号線とは関係ない第2及び第4NANDブロック上に配置するのが好ましい。
図2は、第2基本構成を示している。
第1メモリプレーンは、第1及び第2NANDブロックを有する。第2メモリプレーンは、第3及び第4NANDブロックを有し、第1メモリプレーンの横に並んで配置される。第3メモリプレーンは、第5及び第6NANDブロックを有し、第2メモリプレーンの横に並んで配置される。第4メモリプレーンは、第7及び第8NANDブロックを有し、第3メモリプレーンの横に並んで配置される。
第1転送トランジスタは、第1及び第2メモリプレーン間に配置され、第1NANDブロック内の第1ワード線及び第3NANDブロック内の第2ワード線に共通接続される。
第2転送トランジスタは、第2及び第3メモリプレーン間に配置され、第4NANDブロック内の第3ワード線及び第6NANDブロック内の第4ワード線に共通接続される。
第3転送トランジスタは、第3及び第4メモリプレーン間に配置され、第5NANDブロック内の第5ワード線及び第7NANDブロック内の第6ワード線に共通接続される。
第4転送トランジスタは、第1メモリプレーンの第2メモリプレーン側とは反対側の第1端に配置され、第2NANDブロック内の第7ワード線に接続される。
第5転送トランジスタは、第4メモリプレーンの第3メモリプレーン側とは反対側の第2端に配置され、第8NANDブロック内の第8ワード線に接続される。
この第2基本構成によれば、第1転送トランジスタは、第1NANDブロック内の第1ワード線及び第3NANDブロック内の第2ワード線に共有され、第2転送トランジスタは、第4NANDブロック内の第3ワード線及び第6NANDブロック内の第4ワード線に共有され、第3転送トランジスタは、第5NANDブロック内の第5ワード線及び第7NANDブロック内の第6ワード線に共有される。
従って、メモリ容量の増大により1チップ内のメモリプレーン数が増えたときのロウデコーダ数の増加を抑えることができる。
2. 実施形態
NAND型フラッシュメモリの実施形態を説明する。
(1) 全体図
図3は、NAND型フラッシュメモリを示している。
メモリセルアレイ11は、複数のNANDブロックBK0,BK1,・・・BLjから構成される。複数のNANDブロックBK0,BK1,・・・BLjの各々は、複数のセルユニットを有し、複数のセルユニットの各々は、直列接続された複数のメモリセルからなるNANDストリングと、その両端に1つずつ接続される2つのセレクトゲートトランジスタとから構成される。
ロウデコーダ12は、メモリセルアレイ11の第1方向の一端に配置され、ビット線制御回路13は、メモリセルアレイ11の第2方向の一端に配置される。
アドレス信号は、アドレスバッファ14を経由して、ロウデコーダ12及びビット線制御回路13に入力される。アドレス信号には、ブロックアドレス信号、ロウアドレス信号及びカラムアドレス信号が含まれる。データの入出力は、データ入出力バッファ15を用いて行われる。
ロウデコーダ12は、ブロックアドレス信号に基づいて、複数のNANDブロックBK0,BK1,・・・BLjのうちの1つを選択し、ロウアドレス信号に基づいて、選択されたブロックBKi内の複数のワード線のうちの1つを選択する。
ビット線制御回路13は、カラムアドレス信号に基づいて、複数のビット線のうちの1つを選択する。また、ビット線制御回路13は、センスアンプ及びデータラッチ回路を含む。データラッチ回路は、読み出し/書き込み時にデータを一時的にラッチする機能を有し、例えば、フリップフロップ回路から構成される。
昇圧回路16は、読み出し/書き込み/消去に必要な電位を生成し、これを、ロウデコーダ12、ビット線制御回路13及び基板電位制御回路17に転送する。
基板電位制御回路17は、半導体基板の電位を制御する。
例えば、p型半導体基板内に、n型ウェル領域とp型ウェル領域からなるダブルウェル領域が形成され、メモリセルがp型ウェル領域内に形成される場合、p型ウェル領域の電位を動作モードに応じて制御する。
(2) NANDブロック
図4は、NANDブロックを示している。
メモリセルアレイ11内のNANDブロックBKiは、第1方向に並んで配置される複数のセルユニットから構成される。複数のセルユニットの各々は、直列接続された複数のメモリセルMC0,MC1,…MCn−1,MCnからなるNANDストリングと、その両端に1つずつ接続される2つのセレクトゲートトランジスタSTS,STDとから構成される。
セレクトゲートトランジスタSTSは、ソース線CELSRCに接続され、セレクトゲートトランジスタSTDは、ビット線BL0,BL1,…BLmに接続される。
メモリセルMC0,MC1,…MCn−1,MCnのコントロールゲートは、ワード線WL0,WL1,…WLn−1,WLnに接続され、セレクトゲートトランジスタSTS,STDのゲートは、セレクトゲート線SGS,SGDに接続される。
ワード線WL0,WL1,…WLn−1,WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDは、第1方向に延び、その一端は、ロウデコーダ12内の転送トランジスタブロック18を経由して、電位転送線CG0,CG1,…CGn−1,CGn及び電位転送線CGS,CGDに接続される。
転送トランジスタブロック18は、例えば、NチャネルMOSトランジスタとしての転送トランジスタから構成される。転送トランジスタのゲートは、レベルシフタ19からの転送制御信号TGにより制御される。
(3) ロウデコーダのレイアウト
A. 第1例(比較例)
図5は、ロウデコーダのレイアウトの第1例を示している。
このレイアウトの特徴は、メモリセルアレイ11の第1方向の両端にそれぞれロウデコーダ12を配置した点にある。
メモリセルアレイ11は、第2方向に並んで配置される2つのNANDブロックBKi,BK(i+1)を有する。
NANDブロックBKi内のワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDは、メモリセルアレイ11の左側に配置されるロウデコーダ12に接続される。また、NANDブロックBK(i+1)内のワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDは、メモリセルアレイ11の右側に配置されるロウデコーダ12に接続される。
ロウデコーダ12は、ワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDに接続される転送トランジスタブロック18、セレクトゲート線SGSに接続される転送トランジスタ22及びセレクトゲート線SGDに接続される転送トランジスタ23を有する。
また、ロウデコーダ12は、低電圧デコーダ19a及び高電圧デコーダ19bを有する。低電圧デコーダ19aは、NANDゲート20とインバータ21とから構成され、ロウアドレス信号Addに基づいて制御信号RDECAD,RDECADnを出力する。
制御信号RDECAD,RDECADnの値は、相補関係にある。
高電圧デコーダ19bは、レベルシフタとしての機能を有し、制御信号RDECADの電位レベルを高くして、転送制御信号TGを出力する。
NANDブロックBKiが選択されるとき、NANDブロックBKiに接続されるロウデコーダ12内のNANDゲート20に入力されるロウアドレス信号Addの全てが“H”になり、転送制御信号TGが“H”になるため、転送トランジスタブロック18は、オンになる。また、制御信号RDECADnは、“L”になるため、転送トランジスタ22,23は、オフになる。
この時、非選択のNANDブロックBK(i+1)に接続されるロウデコーダ12では、NANDゲート20に入力されるロウアドレス信号Addの全てが“H”になることはないため、転送制御信号TGが“L”になり、転送トランジスタブロック18は、オフになる。また、制御信号RDECADnは、“H”になるため、転送トランジスタ22,23は、オンになる。
転送トランジスタ22,23がオンになることにより、セレクトゲート線SGS,SGDは、信号線USGS,USGDにそれぞれ電気的に接続される。
このレイアウトでは、メモリセルアレイ11の両側にそれぞれロウデコーダ12を配置するため、メモリセルアレイ11の片側にロウデコーダ12を配置する場合に比べて、配線の複雑化を防止できる。
しかし、メモリセルアレイの大容量化が進み、メモリセルが微細化されると、ワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDが細く、かつ、その長さLも長くなるため、チップパフォーマンスが劣化する。
一方、このレイアウトにおいて、チップパフォーマンスの劣化を防ぐとなると、メモリセルアレイ11を複数のメモリプレーンに分割し、ワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDを短くするしかない。
しかし、メモリプレーンの数が増えると、これに付随してロウデコーダ12の数も増えることになるため、チップ面積が増大する、という問題が新たに発生する。
B. 第2例(比較例)
図6は、ロウデコーダのレイアウトの第2例を示している。
第2例は、第1例の変形例である。
このレイアウトの特徴は、第1例と同様に、メモリセルアレイ11の第1方向の両端にそれぞれロウデコーダ12を配置した点にある。
メモリセルアレイ11は、第2方向に並んで配置される2つのNANDブロックBKi,BK(i+1)を有する。
NANDブロックBKi内の偶数番目のワード線WL0,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDは、メモリセルアレイ11の左側に配置されるロウデコーダ12に接続される。また、NANDブロックBKi内の奇数番目のワード線WL1,…は、メモリセルアレイ11の右側に配置されるロウデコーダ12に接続される。
NANDブロックBK(i+1)内の奇数番目のワード線WL1,…及びセレクトゲート線SGS,SGDは、メモリセルアレイ11の右側に配置されるロウデコーダ12に接続される。また、NANDブロックBK(i+1)内の偶数番目のワード線WL0,…WLnは、メモリセルアレイ11の左側に配置されるロウデコーダ12に接続される。
ロウデコーダ12は、ワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDに接続される転送トランジスタブロック18、セレクトゲート線SGSに接続される転送トランジスタ22及びセレクトゲート線SGDに接続される転送トランジスタ23を有する。
また、ロウデコーダ12は、低電圧デコーダ19a及び高電圧デコーダ19bを有する。低電圧デコーダ19aは、NANDゲート20とインバータ21とから構成され、ロウアドレス信号Addに基づいて制御信号RDECAD,RDECADnを出力する。
制御信号RDECAD,RDECADnの値は、相補関係にある。
高電圧デコーダ19bは、レベルシフタとしての機能を有し、制御信号RDECADの電位レベルを高くして、転送制御信号TGを出力する。
NANDブロックBKiが選択されるとき、NANDブロックBKiに接続されるロウデコーダ12内のNANDゲート20に入力されるロウアドレス信号Addの全てが“H”になり、転送制御信号TGが“H”になるため、転送トランジスタブロック18は、オンになる。また、制御信号RDECADnは、“L”になるため、転送トランジスタ22,23は、オフになる。
この時、非選択のNANDブロックBK(i+1)に接続されるロウデコーダ12では、NANDゲート20に入力されるロウアドレス信号Addの全てが“H”になることはないため、転送制御信号TGが“L”になり、転送トランジスタブロック18は、オフになる。また、制御信号RDECADnは、“H”になるため、転送トランジスタ22,23は、オンになる。
転送トランジスタ22,23がオンになることにより、セレクトゲート線SGS,SGDは、信号線USGS,USGDにそれぞれ電気的に接続される。
このレイアウトでは、1つのNANDブロックBKi内のワード線WL0,WL1,…WLnの一部は、その左側に存在するロウデコーダ12により駆動され、他の一部は、その右側に存在するロウデコーダ12により駆動される。
この場合、例えば、1本のビット線BLkに接続されるメモリセルMC0,MC1に関して、ロウデコーダ12からの距離L1,L2が異なることになるため、1つのNANDNANDブロックBKi内でメモリセルのアクセス特性に差異が生じる。この差異は、チップパフォーマンスの劣化の一因になる。
また、このレイアウトは、第1例と同じ問題も有する。
C. 第3例(実施例)
図7は、ロウデコーダのレイアウトの第3例を示している。
このレイアウトの特徴は、2つのメモリプレーン11A,11Bの間にロウデコーダ12−1を配置した点にある。
メモリプレーン11A,11Bは、第1方向に並んで配置され、それぞれ、第2方向に並んで配置される2つのNANDブロックBKi,BK(i+1)を有する。
メモリプレーン11A,11BのNANDブロックBKi内のワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDは、メモリプレーン11A,11Bの間に配置されるロウデコーダ12−1に接続される。
メモリプレーン11AのNANDブロックBK(i+1)内のワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDは、メモリプレーン11Aの左側に配置されるロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBK(i+1)内のワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDは、メモリプレーン11Bの右側に配置されるロウデコーダ12に接続される。
ロウデコーダ12,12−1は、それぞれ、ワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDに接続される転送トランジスタブロック18、セレクトゲート線SGSに接続される転送トランジスタ22及びセレクトゲート線SGDに接続される転送トランジスタ23を有する。
また、ロウデコーダ12,12−2は、それぞれ、低電圧デコーダ19a及び高電圧デコーダ19bを有する。低電圧デコーダ19aは、NANDゲート20とインバータ21とから構成され、ロウアドレス信号Addに基づいて制御信号RDECAD,RDECADnを出力する。
制御信号RDECAD,RDECADnの値は、相補関係にある。
高電圧デコーダ19bは、レベルシフタとしての機能を有し、制御信号RDECADの電位レベルを高くして、転送制御信号TGを出力する。
NANDブロックBKiが選択されるとき、NANDブロックBKiに接続されるロウデコーダ12−2内のNANDゲート20に入力されるロウアドレス信号Addの全てが“H”になり、転送制御信号TGが“H”になるため、ロウデコーダ12−1内の転送トランジスタブロック18は、オンになる。また、制御信号RDECADnは、“L”になるため、ロウデコーダ12−1内の転送トランジスタ22,23は、オフになる。
この時、非選択のNANDブロックBK(i+1)に接続されるロウデコーダ12では、NANDゲート20に入力されるロウアドレス信号Addの全てが“H”になることはないため、転送制御信号TGが“L”になり、転送トランジスタブロック18は、オフになる。また、制御信号RDECADnは、“H”になるため、転送トランジスタ22,23は、オンになる。
転送トランジスタ22,23がオンになることにより、セレクトゲート線SGS,SGDは、信号線USGS,USGDにそれぞれ電気的に接続される。
このレイアウトでは、ロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11B内の2つのNANDブロックBKiに共有されるため、メモリプレーン数が増えたときのロウデコーダ数の増加を抑えることができる。
ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Bの右側に設けられているが、これに代えて、メモリプレーン11Aの左側に設けてもよい。
2つのロウデコーダ12−1,12−2は、制御信号線CLにより接続される。制御信号線CLは、NANDブロックBKi上に配置してもよいし、NANDブロックBK(i+1)上に配置してもよい。
このように、第3例によれば、ロウデコーダ12−1がメモリプレーン11A,11B内の2つのNANDブロックBKiに共有されるため、ロウデコーダ数の増加によるチップ面積の増大なしに、チップパフォーマンスを向上させることができる。
D. 第4例(実施例)
図8は、ロウデコーダのレイアウトの第4例を示している。
第4例は、第3例の変形例である。
このレイアウトの特徴は、第3例と同様に、2つのメモリプレーン11A,11Bの間にロウデコーダ12−1を配置した点にある。
第4例が第3例と異なる点は、ロウデコーダ12−1,12−2の構成のみである。その他の構成については、第3例と第4例とで完全に同じであるため、その説明については省略する。
ロウデコーダ12−1は、ワード線WL0,WL1,…WLn及びセレクトゲート線SGS,SGDに接続される転送トランジスタブロック18、セレクトゲート線SGSに接続される転送トランジスタ22及びセレクトゲート線SGDに接続される転送トランジスタ23を有する。また、ロウデコーダ12−1は、高電圧デコーダ19b及びインバータ21を有する。
ロウデコーダ12−2は、低電圧デコーダ19aを有する。低電圧デコーダ19aは、NANDゲート20とから構成され、ロウアドレス信号Addに基づいて制御信号RDECADを出力する。
制御信号RDECADをインバータ21により反転させた制御信号RDECADnは、高電圧デコーダ19bに入力される。高電圧デコーダ19bは、転送制御信号TGを出力する。
このレイアウトでは、高電圧デコーダ19b及びインバータ21を、メモリプレーン11A,11Bの間に配置することにより、制御信号線CLの数を、第3例で必要とされる2本から1本に削減することができる。
但し、メモリプレーン11A,11Bの間に配置する回路数が増加するため、第3例のレイアウトを採用するか、第4例のレイアウトを採用するかは、チップパフォーマンスや、チップ全体の面積などを考慮して決定する。
尚、制御信号線CLは、NANDブロックBKi上に配置してもよいし、NANDブロックBK(i+1)上に配置してもよい。
E. 第5例(実施例)
図9は、ロウデコーダのレイアウトの第5例を示している。
第5例は、ロウデコーダ12−2の位置に関する。
NANDブロックBKi,BK(i+1)は、図7のNANDブロックBKi,BK(i+1)に対応する。ロウデコーダ12,12−1,12−2のレイアウトに関しては、NANDブロックBKi,BK(i+1)と、NANDブロックBK(i+2),BK(i+3)とで同じである。
2つのメモリプレーン11A,11B内のNANDブロックBKiに共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11Bの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Bの右側に配置される。
同様に、2つのメモリプレーン11A,11B内のNANDブロックBK(i+2)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11Bの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Bの右側に配置される。
第5例では、ロウデコーダ12−2の全ては、メモリプレーン11Bの右側にまとめて配置される。但し、これに代えて、ロウデコーダ12−2の全てを、メモリプレーン11Aの左側にまとめて配置してもよい。
このように、ロウデコーダ12−2を一箇所にまとめることにより、ロウデコーダを効率よく配置することができ、結果として、チップ面積の縮小を図ることができる。
尚、第5例は、図8のレイアウトにも適用できる。この場合、図9の制御信号線CLの数が1本になる。
F. 第6例(実施例)
図10は、ロウデコーダのレイアウトの第6例を示している。
第6例も、ロウデコーダ12−2の位置に関する。
NANDブロックBKi,BK(i+1)は、図7のNANDブロックBKi,BK(i+1)に対応する。ロウデコーダ12,12−1,12−2のレイアウトに関しては、NANDブロックBKi,BK(i+1)と、NANDブロックBK(i+2),BK(i+3)とで同じである。
2つのメモリプレーン11A,11B内のNANDブロックBKiに共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11Bの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Bの右側に配置される。
これに対し、2つのメモリプレーン11A,11B内のNANDブロックBK(i+2)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11Bの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Aの左側に配置される。
第6例では、ロウデコーダ12−2の一部は、メモリプレーン11Bの右側に配置され、残りは、メモリプレーン11Aの左側に配置される。即ち、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11A,11Bの両側にそれぞれ配置される。
このように、ロウデコーダ12−2を左右に分散させることにより、ロウデコーダを効率よく配置することができ、結果として、チップ面積の縮小を図ることができる。
尚、第6例は、図8のレイアウトにも適用できる。この場合、図10の制御信号線CLの数が1本になる。
G. 第7例(実施例)
図11は、ロウデコーダのレイアウトの第7例を示している。
第7例は、ロウデコーダを共有するNANDブロックとロウデコーダを共有しないNANDブロックとの順番に関する。
2つのメモリプレーン11A,11BのNANDブロックBKi内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
メモリプレーン11AのNANDブロックBK(i+1)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBK(i+1)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12に接続される。
また、2つのメモリプレーン11A,11BのNANDブロックBK(i+2)内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
メモリプレーン11AのNANDブロックBK(i+3)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBK(i+3)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12に接続される。
第7例では、上述のレイアウトが第2方向に繰り返される。
即ち、第7例では、ロウデコーダを共有するNANDブロックとロウデコーダを共有しないNANDブロックとが交互に配置される。
このように、NANDブロックの順番を規則的にすることで、配線の複雑化が抑えられるため、結果として、チップ面積の縮小を図ることができる。
尚、第7例では、第5例及び第6例におけるロウデコーダ12−2を省略している。但し、第5例又は第6例のロウデコーダ12−2を第7例に適用することは可能である。
H. 第8例(実施例)
図12は、ロウデコーダのレイアウトの第8例を示している。
第8例も、ロウデコーダを共有するNANDブロックとロウデコーダを共有しないNANDブロックとの順番に関する。
2つのメモリプレーン11A,11BのNANDブロックBKi内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
メモリプレーン11AのNANDブロックBK(i+1)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBK(i+1)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11AのNANDブロックBK(i+2)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBK(i+2)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12に接続される。
また、2つのメモリプレーン11A,11BのNANDブロックBK(i+3)内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
第8例では、上述のレイアウトが第2方向に繰り返される。
即ち、第8例では、ロウデコーダを共有するNANDブロックとロウデコーダを共有しないNANDブロックとが2つ単位で交互に配置される。
このように、NANDブロックの順番を規則的にすることで、配線の複雑化が抑えられるため、結果として、チップ面積の縮小を図ることができる。
尚、第8例では、第5例及び第6例におけるロウデコーダ12−2を省略している。但し、第5例又は第6例のロウデコーダ12−2を第8例に適用することは可能である。
I. 第9例(実施例)
図13は、ロウデコーダのレイアウトの第9例を示している。
第9例も、ロウデコーダを共有するNANDブロックとロウデコーダを共有しないNANDブロックとの順番に関する。
メモリプレーン11AのNANDブロックBKi内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBKi内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12に接続される。
2つのメモリプレーン11A,11BのNANDブロックBK(i+1)内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
2つのメモリプレーン11A,11BのNANDブロックBK(i+2)内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
メモリプレーン11AのNANDブロックBK(i+3)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBK(i+3)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12に接続される。
第9例では、上述のレイアウトが第2方向に繰り返される。
即ち、第9例では、ロウデコーダを共有するNANDブロックとロウデコーダを共有しないNANDブロックとが2つ単位で交互に配置される。
このように、NANDブロックの順番を規則的にすることで、配線の複雑化が抑えられるため、結果として、チップ面積の縮小を図ることができる。
尚、第9例では、第5例及び第6例におけるロウデコーダ12−2を省略している。但し、第5例又は第6例のロウデコーダ12−2を第9例に適用することは可能である。
J. 第10例(実施例)
図14は、ロウデコーダのレイアウトの第10例を示している。
第10例も、ロウデコーダを共有するNANDブロックとロウデコーダを共有しないNANDブロックとの順番に関する。
2つのメモリプレーン11A,11BのNANDブロックBKi内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
2つのメモリプレーン11A,11BのNANDブロックBK(i+1)内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
メモリプレーン11AのNANDブロックBK(i+2)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBK(i+2)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11AのNANDブロックBK(i+3)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12に接続される。
メモリプレーン11BのNANDブロックBK(i+3)内のワード線及びセレクトゲート線は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12に接続される。
第10例では、上述のレイアウトが第2方向に繰り返される。
即ち、第10例では、ロウデコーダを共有するNANDブロックとロウデコーダを共有しないNANDブロックとが2つ単位で交互に配置される。
このように、NANDブロックの順番を規則的にすることで、配線の複雑化が抑えられるため、結果として、チップ面積の縮小を図ることができる。
尚、第10例では、第5例及び第6例におけるロウデコーダ12−2を省略している。但し、第5例又は第6例のロウデコーダ12−2を第10例に適用することは可能である。
K. 第11例(実施例)
図15は、ロウデコーダのレイアウトの第11例を示している。
第11例は、4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dを有するときのレイアウトに関する。
2つのメモリプレーン11A,11Bは、それぞれ、4つのNANDブロックBKi,BK(i+1),BK(i+2),BK(i+3)を有する。これらのレイアウトは、第7例と同じである。
但し、NANDブロックBKi,BK(i+1),BK(i+2),BK(i+3)のレイアウトは、第8例乃至第10例のうちの1つと同じであってもよい。
また、2つのメモリプレーン11C,11Dは、それぞれ、4つのNANDブロックBKi,BK(i+1),BK(i+2),BK(i+3)を有する。これらのレイアウトは、第7例と同じである。
但し、NANDブロックBKi,BK(i+1),BK(i+2),BK(i+3)のレイアウトは、第8例乃至第10例のうちの1つと同じであってもよい。
第11例は、例えば、第7例のレイアウトの横にさらに第7例のレイアウトと同じレイアウトを追加したものである。
このように、メモリプレーン数を4つにすることで、ワード線及びセレクトゲート線が長くなることによるチップパフォーマンスの劣化を抑えることができる。
L. 第12例(実施例)
図16は、ロウデコーダのレイアウトの第12例を示している。
第12例は、第11例の変形例である。
このレイアウトの特徴は、2つのメモリプレーン11B,11Cの間のロウデコーダを、これらメモリプレーンのNANDブロックで共有されるロウデコーダ12−1とした点にある。
2つのメモリプレーン11B,11CのNANDブロックBK(i+1)内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
また、2つのメモリプレーン11B,11CのNANDブロックBK(i+3)内のワード線及びセレクトゲート線は、それらの間のロウデコーダ12−1に共通接続される。
その他の構成は、第11例と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
このように、メモリプレーン数を4つにし、かつ、真ん中の2つのメモリプレーン11B,11Cの間のロウデコーダを、これらメモリプレーンのNANDブロックで共有されるロウデコーダ12−1とすることで、チップパフォーマンスの向上とチップ面積の縮小とを同時に実現できる。
M. 第13例(実施例)
図17は、ロウデコーダのレイアウトの第13例を示している。
第13例は、第12例のレイアウトに、さらにロウデコーダ12−2を追加した点に特徴を有する。
2つのメモリプレーン11A,11B内のNANDブロックBKiに共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11Bの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
同様に、2つのメモリプレーン11A,11B内のNANDブロックBK(i+2)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11Bの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
また、2つのメモリプレーン11B,11C内のNANDブロックBK(i+1)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11B,11Cの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
同様に、2つのメモリプレーン11B,11C内のNANDブロックBK(i+3)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11B,11Cの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
さらに、2つのメモリプレーン11C,11D内のNANDブロックBKiに共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11C,11Dの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
同様に、2つのメモリプレーン11C,11D内のNANDブロックBK(i+2)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11C,11Dの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
第13例では、ロウデコーダ12−2の全ては、メモリプレーン11Dの右側にまとめて配置される。但し、これに代えて、ロウデコーダ12−2の全てを、メモリプレーン11Aの左側にまとめて配置してもよい。
このように、ロウデコーダ12−2を一箇所にまとめることにより、ロウデコーダを効率よく配置することができ、結果として、チップ面積の縮小を図ることができる。
尚、第13例は、図7及び図8のレイアウトの双方に適用できる。即ち、制御信号線CLの数が2本のときは、図7に対応し、1本のときは、図8に対応する。
N. 第14例(実施例)
図18は、ロウデコーダのレイアウトの第14例を示している。
第14例も、第12例のレイアウトに、さらにロウデコーダ12−2を追加した点に特徴を有する。
2つのメモリプレーン11A,11B内のNANDブロックBKiに共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11Bの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Aの左側に配置される。
同様に、2つのメモリプレーン11A,11B内のNANDブロックBK(i+2)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11Bの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Aの左側に配置される。
また、2つのメモリプレーン11B,11C内のNANDブロックBK(i+1)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11B,11Cの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
同様に、2つのメモリプレーン11B,11C内のNANDブロックBK(i+3)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11B,11Cの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
さらに、2つのメモリプレーン11C,11D内のNANDブロックBKiに共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11C,11Dの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
同様に、2つのメモリプレーン11C,11D内のNANDブロックBK(i+2)に共有されるロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11C,11Dの間に配置され、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Dの右側に配置される。
第14例では、ロウデコーダ12−2の一部は、メモリプレーン11Dの右側に配置され、残りは、メモリプレーン11Aの左側に配置される。即ち、ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11A,11B,11C,11Dの両側にそれぞれ配置される。
このように、ロウデコーダ12−2を左右に分散させることにより、ロウデコーダを効率よく配置することができ、結果として、チップ面積の縮小を図ることができる。
尚、第14例は、図7及び図8のレイアウトの双方に適用できる。即ち、制御信号線CLの数が2本のときは、図7に対応し、1本のときは、図8に対応する。
O. まとめ
以上、第3例乃至第14例のレイアウトによれば、メモリ容量の増大により1チップ内のメモリプレーン数が増えてもロウデコーダ数の増加を抑える、という課題を解決することができる。
(4) 時定数を制御する回路
実施形態に係わるロウデコーダのレイアウトでは、1つのNANDブロック内のワード線(1本分)を駆動するロウデコーダと、2つのNANDブロック内のワード線(2本分)を駆動するロウデコーダとの2種類が存在する。
この負荷の相違は、ワード線に電位を転送するときの時定数の相違となり、そのままでは、電位の転送速度がワード線ごとに異なることになる。
そこで、例えば、ワード線に電位を転送するときの時定数を制御するドライバを新たに設け、電位の転送速度をワード線ごとに制御し、全てのワード線において電位の転送速度の均一化を図る。
図19は、NAND型フラッシュメモリの例を示している。
メモリプレーン11A,11B及びロウデコーダ12の構成は、図7と同じである。これらの構成は、図7で既に説明したので、図7と同じ符号を用いることで、ここではその説明を省略する。
電位転送線CG0,CG1,…CGnは、転送トランジスタブロック18を介して、ワード線WL0、WL1,…WLnに接続される。また、電位転送線CG0,CG1,…CGnは、第2方向に延び、その一端は、ドライバ24a,24b,24cに接続される。
ドライバ24a,24b,24cは、昇圧回路16により生成された電位をワード線WL0、WL1,…WLnに転送するときの時定数を制御する。
具体的には、NANDブロックBKi内のワード線WL0、WL1,…WLnを駆動するときの負荷は、NANDブロックBK(i+1)内のワード線WL0、WL1,…WLnを駆動するときの負荷の約2倍となる。
そこで、例えば、ドライバ24a,24cは、NANDブロックBKi内のワード線WL0、WL1,…WLnを駆動するときの負荷を大きくし、ドライバ24bは、NANDブロックBK(i+1)内のワード線WL0、WL1,…WLnを駆動するときの負荷を小さくする。
これにより、ワード線WL0、WL1,…WLnに電位を転送するときの負荷を、全てのNANDブロックBKi,BK(i+1)で同じにし、全てのNANDブロックBKi,BK(i+1)において、ワード線WL0、WL1,…WLnへの電位の転送速度を均一にする。
図20乃至図22は、時定数を制御する回路の例を示している。
図20の例では、ドライバ24a,24b,24cは、スイッチ素子(MOSトランジスタ)Tと抵抗素子R1とから構成される。
ワード線に電位を転送するときの時定数を大きくしたいならば、制御信号φを“L”とし、昇圧回路16とロウデコーダ12との間に抵抗素子R1が直列に接続されるようにすればよい。また、ワード線に電位を転送するときの時定数を小さくしたいならば、制御信号φを“H”とし、昇圧回路16とロウデコーダ12とを直接接続すればよい。
図21の例では、ドライバ24a,24b,24cは、スイッチ素子(MOSトランジスタ)Tと抵抗素子R1,R2とから構成される。
抵抗素子R1,R2の抵抗値は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
ワード線に電位を転送するときの時定数を大きくしたいならば、制御信号φを“L”とし、昇圧回路16とロウデコーダ12との間に抵抗素子R1が直列に接続されるようにすればよい。また、ワード線に電位を転送するときの時定数を小さくしたいならば、制御信号φを“H”とし、昇圧回路16とロウデコーダ12との間に抵抗素子R1,R2が並列に接続されるようにすればよい。
図22の例では、ドライバ24a,24b,24cは、スイッチ素子(MOSトランジスタ)Tと抵抗素子R1,R2とから構成される。
抵抗素子R1,R2の抵抗値は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
ワード線に電位を転送するときの時定数を大きくしたいならば、制御信号φを“L”とし、昇圧回路16とロウデコーダ12との間に抵抗素子R1,R2が直列に接続されるようにすればよい。また、ワード線に電位を転送するときの時定数を小さくしたいならば、制御信号φを“H”とし、昇圧回路16とロウデコーダ12との間に抵抗素子R2が直列に接続されるようにすればよい。
図23は、書き込み時のタイミングチャートを示している。
書き込み対象となるメモリセルを含まない非選択ブロックでは、転送制御信号TG、セレクトゲート線SGS,SGDの電位、及び、全ワード線の電位は、それぞれ、0Vである。これに対し、書き込み対象となるメモリセルを含む選択ブロックでは、転送制御信号TG、セレクトゲート線SGS,SGDの電位、及び、選択/非選択ワード線の電位を、それぞれ、0Vから上昇させなければならない。
特に、書き込み対象となるメモリセルが接続される選択ワード線の電位は、0Vから10Vへ、10Vから20Vへと、2段階で、20Vにする。
ここで、図24に示すように、非選択ブロックとしてのNANDブロックBK(i+1)が選択された場合、1つのロウデコーダは、1つのNANDブロックBK(i+1)内のワード線を駆動すればよいため、制御信号φを“L”とする。
制御信号φは、図20乃至図22の制御信号φに相当する。
この時、例えば、図19のドライバ24a,24cは、NANDブロックBK(i+1)内のワード線に電位を転送するときの時定数を制御する。
従って、選択ワード線の電位が10Vから20Vになるまでの時間は、T1となる。
これに対し、選択ブロックとしてのNANDブロックBKiが選択された場合、1つのロウデコーダは、2つのメモリプレーンのNANDブロックBKi内のワード線を駆動しなければならない。
このため、図24に示すように、制御信号φが“L”のままだと、選択ワード線の電位が10Vから20Vになるまでの時間は、T1よりも長いT2になる(T1<T2)。
従って、選択ブロックとしてのNANDブロックBKiが選択された場合、制御信号φを“H”にする。
この時、例えば、図19のドライバ24bは、NANDブロックBKi内のワード線に電位を転送するときの時定数を制御する。
従って、選択ワード線の電位が10Vから20Vになるまでの時間は、T1となる。
このように、ワード線に電位を転送するときの時定数をワード線ごとに制御することにより、全てのワード線において電位の転送速度を均一にすることができる。
この効果は、上述のように、特に、書き込み時に高電位が印加される選択ワード線に対して有効である。即ち、選択ワード線の時定数をそれ以外のワード線の時定数よりも小さくしたうえで、書き込みに必要とされる電位を全ワード線に転送する。
(5) 時定数を制御する回路の応用例
近年、NAND型フラッシュメモリにおいて、微細加工を目的として、ダブルパターニング技術(側壁加工技術:sidewall patterning technique)が良く使用される。
例えば、この技術は、ワード線のライン&スペースパターンに適用される。
しかし、ダブルパターニング技術で形成されたワード線は、その形状に周期的なばらつきを有することが知られている。具体的には、偶数番目のワード線と奇数番目のワード線とで断面形状の相違が生じるため、これを偶奇ばらつきと称している。
この偶奇ばらつきは、ワード線の抵抗値のばらつきとなる。
また、これ以外にも、プロセス上の理由などにより、ワード線ごとに、抵抗値及び容量値のばらつきが生じる。
このようなばらつきは、ワード線に電位を転送するときの時定数のばらつきとなるとなるため、実施形態に係わる時定数を制御する回路を適用し、全ワード線において、電位の転送速度の均一化を図ることは有効である。
例えば、チップ製造時に、このようなばらつきを検証するステップを設ける。
そして、チップごとに、どのようなばらつきが発生しているかを認識したうえで、実施形態に係わる時定数を制御する回路を用いて、ワード線に電位を転送するときの時定数をワード線ごとに制御する。
ところで、ワード線の抵抗値及び容量値のばらつきを解消するコンベンショナルな技術としては、選択ワード線に対する書き込み時の初期電位を選択ワード線の位置に応じて変化させる技術、消去時のワード線の電位をワード線ごとに適切な電位に設定する技術などが知られている。
しかし、これらの技術は、いずれも、動作モード(書き込み/消去など)に応じて、ワード線ごとに、適切な電位をトリミングしなければならないため、制御プログラムが複雑化する問題がある。
これに対し、実施形態に係わる時定数を制御する回路を用いれば、ワード線ごとに時定数を制御することにより、ワード線ごとに適切な電位をトリミングする必要がなくなり、ワード線の抵抗値及び容量値のばらつきの問題を容易に解消できる。
(6) フロアプラン
実施形態のレイアウトの適用に有効なチップフロアプランについて説明する。
図25は、フロアプランの第1例を示している。
チップ25上には、8つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dが配置される。上側の4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dは、例えば、図16のレイアウトを有する。また、下側の4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dも、例えば、図16のレイアウトを有する。
上側の4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dと下側の4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dとの間には、周辺回路26が配置される。
また、チップ25の左端には、周辺回路26及びパッド27が配置される。
図26は、フロアプランの第2例を示している。
チップ25上には、8つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dが配置される。上側の4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dは、例えば、図16のレイアウトを有する。また、下側の4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dも、例えば、図16のレイアウトを有する。
上側の4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dと下側の4つのメモリプレーン11A,11B,11C,11Dとの間には、パッド27が配置される。
また、チップ25の左端には、周辺回路26が配置される。
図27は、フロアプランの第3例を示している。
チップ25上には、8つのメモリプレーン11A,11Bが配置される。左上、右上、左下、右下に、それぞれある2つのメモリプレーン11A,11Bは、例えば、図11のレイアウトを有する。
左上、右上、左下、右下に、それぞれある2つのメモリプレーン11A,11Bの間には、周辺回路26が配置される。
また、チップ25の下端には、パッド27が配置される。
図28は、フロアプランの第4例を示している。
チップ25上には、8つのメモリプレーン11A,11Bが配置される。左上、右上、左下、右下に、それぞれある2つのメモリプレーン11A,11Bは、例えば、図11のレイアウトを有する。
左上にある2つのメモリプレーン11A,11Bと左下にある2つのメモリプレーン11A,11Bとの間には、周辺回路26が配置される。同様に、右上にある2つのメモリプレーン11A,11Bと右下にある2つのメモリプレーン11A,11Bとの間には、周辺回路26が配置される。
また、左上及び左下にある4つのメモリプレーン11A,11Bと右上及び右下にある4つのメモリプレーン11A,11Bとの間には、パッド27が配置される。
以上の第1例乃至第4例のフロアプランは、それぞれ、メモリの大容量化を図るのに適している。例えば、1つのメモリプレーンのメモリ容量を16ギガビットとすれば、1チップで128ギガビットのメモリ容量を実現することができる。
3. 適用例
実施形態は、ロウデコーダのレイアウトを提案するものであり、NAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイ構造やメモリセル構造などに限定されることはなく、様々な種類のNAND型フラッシュメモリに適用可能である。
例えば、メモリセルアレイ構造に関しては、二次元構造、三次元構造(BiCS-NAND: Bit Cost Scalability-NAND など)のいずれにも適用可能である。
また、メモリセル構造に関しては、フローティングゲート型、MONOS(Metal/ oxide/ nitride/ oxide/ silicon)型、SONOS(silicon/ oxide/ nitride/ oxide/ silicon)型のいずれにも適用可能である。
MONOS型又はSONOS型とは、電荷蓄積層が電荷トラップ機能を有する絶縁体から構成される不揮発性メモリセルのことである。
図29は、MONOS型メモリセルを示している。
半導体基板(アクティブエリア)31内には、ソース/ドレイン拡散層32が配置される。ソース/ドレイン拡散層32間のチャネル領域上には、ゲート絶縁膜(トンネル絶縁膜)33、電荷蓄積層34、ブロック絶縁膜35及びコントロールゲート電極(ワード線WL)36が配置される。
ブロック絶縁膜35は、例えば、ONO(oxide/nitride/oxide)膜、高誘電率(high-k)材料などから構成される。
また、実施形態のNAND型フラッシュメモリは、2値(2-level)タイプ及び多値(multi-level)タイプのいずれにも適用可能である。
実施形態のNAND型フラッシュメモリが適用されるシステムの例を説明する。
図30は、NAND型フラッシュメモリを用いた製品の一例を示している。
パッケージ41内には、回路基板(circuit board)42、複数の半導体チップ43,44,45が配置される。回路基板42と半導体チップ43,44,45とは、ボンディングワイヤ46により電気的に接続される。但し、ボンディングワイヤ46に代えて、又は、ボンディングワイヤ46と共に、半導体基板を貫通するスルーシリコンビアを用いても構わない。
半導体チップ43,44,45のうちの少なくとも一つは、実施形態のNAND型フラッシュメモリである。また、半導体チップ43,44,45の一つは、実施形態のNAND型フラッシュメモリを制御するコントローラである。
本例では、パッケージ41内には、3つの半導体チップ43,44,45が配置されるが、4つ以上の半導体チップを配置してもよい。
4. フックアップエリア
(1) フックアップエリアについて
実施形態のNAND型フラッシュメモリの特徴の一つは、例えば、図31に示すように、2つのメモリプレーン11A,11Bの間にロウデコーダ12−1の転送トランジスタブロック18を配置した点にある。
ここで問題となるのが、2つのメモリプレーン11A,11B内の複数のワード線WL0,WL1,…WL(n―1),WLnと転送トランジスタブロック18とのフックアップエリア内での接続である。具体的には、1つのメモリプレーン内の1本のワード線に1つの転送トランジスタを接続するが、転送トランジスタのサイズは、複数のワード線のピッチよりも非常に大きい。このため、例えば、1つのNANDブロックBKi(i=0,1,2,3)の第2方向の幅Q内には、1〜2個程度の転送トランジスタのみが配置される。
従って、例えば、図31の転送トランジスタブロック18が実際に半導体チップ上に配置されたとき、その転送トランジスタブロック18は、複数の転送トランジスタが第1方向に並んだレイアウトを有することになる。
このような転送トランジスタブロックのレイアウトを前提として、複数のワード線WL0,WL1,…WL(n―1),WLnと転送トランジスタブロック18との接続をとろうとすると、第一に、複数のワード線WL0,WL1,…WL(n―1),WLnを同一メタル層M0内の複数の導電線LL0,LL1,…LL(n―1),LLnに接続し、第二に、複数の導電線LL0,LL1,…LL(n―1),LLnを第1及び第2方向に引き回し(リードし)、第三に、複数の導電線LL0,LL1,…LL(n―1),LLnをそれぞれ第1方向に並んだ複数の転送トランジスタに接続しなければならない。
しかし、1つのロウデコーダ12−1が2つのメモリプレーン11A,11Bにより共有されるため、2つのメモリプレーン11A,11B内の同一番号を有する2本のワード線WLk(k=0,1、…n−1,n)は、それらに共通の導電線LLkを介して1つの転送トランジスタに接続しなければならず、結果として、2つのメモリプレーン11A,11B内の複数のワード線WL0,WL1,…WL(n―1),WLnと転送トランジスタブロック18との接続が困難になる。
このような問題を解消するために、ここでは、フックアップエリアの構造、即ち、2つのメモリプレーン11A,11B内の複数のワード線WL0,WL1,…WL(n―1),WLnと転送トランジスタブロック18との接続技術について提案する。
(2) 第1例
図32A乃至図32Cは、フックアップエリアの構造の第1例を示している。
本例では、NANDブロックBKi(i=0,1)の第2方向の幅Q内に、1個の転送トランジスタを配置する。また、NANDブロックBKi内のワード線WL0,…WL7の数を8本とし、NANDブロックBKiに対応する転送トランジスタブロックは、第1方向に並んだ8個の転送トランジスタ18−0,…18−7を備える。
また、本例では、各々の転送トランジスタの向きは、2つの拡散層を結ぶ方向(チャネル長方向)が第2方向となるが、これに限られることはない。例えば、2つの拡散層を結ぶ方向が第1方向であってもよい。
このような転送トランジスタアレイにおいて、各々の転送トランジスタの第1方向の一端(本例では左側端部)に、第2方向に延びる補助接続線(Sub-interconnect line)P0,…P7を配置する。
補助接続線P0,…P7は、例えば、転送トランジスタ18−0,…18−7のゲート電極Gと同じ導電層内に形成される。即ち、転送トランジスタ18−0,…18−7のゲート電極Gと補助接続線P0,…P7とは、同じ構造を有する。例えば、転送トランジスタ18−0,…18−7のゲート電極Gが導電性ポリシリコンを含むときは、補助接続線P0,…P7も導電性ポリシリコンを含む。
そして、2つのメモリプレーン内の2つのNANDブロックBKi(i=0,1)内の8本のワード線WL0,…WL7は、コンタクトプラグCPXを介して、同一メタル層M0内の8本の導電線LL0,…LL7に接続される。
ここで重要な点は、8本の導電線LL0,…LL7が転送トランジスタ18−0,…18−7上を第1方向にまっすぐに延びている点にある。
即ち、導電線LL0,…LL7の一端を、転送トランジスタブロックの一端側のメモリプレーン内のワード線WL0,…WL7に接続し、導電線LL0,…LL7の他端を、転送トランジスタブロックの他端側のメモリプレーン内のワード線WL0,…WL7に接続することが、容易に行える。
また、導電線LL0,…LL7と転送トランジスタ18−0,…18−7との接続は、補助接続線P0,…P7を用いて行われる。
第一に、導電線LLk(k=0,…7)を、第2方向に延びる補助接続線Pkに接続し、第二に、補助接続線Pkを、第1方向に延びる導電線LLφkに接続し、第三に、導電線LLφkを転送トランジスタ18−kの拡散層に接続する。ここで、導電線LLφkは、導電線LL0,…LL7と同じ導電層内に形成される。
このようなフックアップエリアの構造によれば、1個の転送トランジスタ18−kに1個の補助導電線Pkを設けることにより、8本の導電線LL0,…LL7を第1方向にまっすぐに延ばすことができ、2つのメモリプレーン内のワード線WL0,…WL7と転送トランジスタ18−0,…18−7との接続が容易化される。
(3) 第2例
図33A乃至図33Cは、フックアップエリアの構造の第2例を示している。
第2例は、第1例の変形例である。
第2例の特徴は、補助導電線P0,…P7の位置にあり、その他については、第1例と同じである。以下では、第1例と異なる点のみを説明し、第1例と同じ点については、図32A乃至図32Cと同じ符号を付すことによりその説明を省略する。
第2例では、例えば、左側から偶数番目の転送トランジスタ18−k(even)(k(even)=0,2,4,6)の右側端部に、第2方向に延びる補助接続線Pk(even)を配置する。また、左側から奇数番目の転送トランジスタ18−k(odd)(k(odd)=1,3,5,7)の左側端部に、第2方向に延びる補助接続線Pk(odd)を配置する。
従って、2本の補助導電線Pk(even),Pk(even)+1(k(even)=0,2,4,6)が2つの転送トランジスタ18−k(even),18−k(even)+1との間で互いに隣接することになる。
このような構造においても、2つのメモリプレーン内の2つのNANDブロックBKi(i=0,1)内の8本のワード線WL0,…WL7は、コンタクトプラグCPXを介して、同一メタル層M0内の8本の導電線LL0,…LL7に接続される。
また、導電線LL0,…LL7と転送トランジスタ18−0,…18−7との接続は、補助接続線P0,…P7を用いて行われる。
第一に、導電線LLk(k=0,…7)を、第2方向に延びる補助接続線Pkに接続し、第二に、補助接続線Pkを、第1方向に延びる導電線LLφkに接続し、第三に、導電線LLφkを転送トランジスタ18−kの拡散層に接続する。
このようなフックアップエリアの構造によれば、第1例と同様に、1個の転送トランジスタ18−kに1個の補助導電線Pkを設けることにより、8本の導電線LL0,…LL7を第1方向にまっすぐに延ばすことができ、2つのメモリプレーン内のワード線WL0,…WL7と転送トランジスタ18−0,…18−7との接続が容易化される。
(4) 転送トランジスタの構造例
図34は、転送トランジスタの構造例を示している。
半導体基板51内には、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離絶縁層52が形成される。
素子分離絶縁層52により取り囲まれた素子領域(アクティブエリア)AA内には、転送トランジスタ18−kが形成される。転送トランジスタ18−kは、FET(Field Effect Transistor)である。素子領域AA内の半導体基板51内には、2つのソース/ドレイン拡散層が形成される。2つのソース/ドレイン拡散層間のチャネル上には、ゲート絶縁層を介してゲート電極Gが形成される。
導電線LLkは、補助接続線Pkに接続される。補助接続線Pkは、導電線LLφkを介して、転送トランジスタ18−kの2つのソース/ドレイン拡散層のうちの1つに接続される。
(5) まとめ
以上のように、2つのメモリプレーンの間に転送トランジスタブロックを配置し、この転送トランジスタブロックを2つのメモリプレーンで共有するとき、上述のようなフックアップエリアの構造を採用すると、複数のワード線を容易に複数の転送トランジスタに接続することができる。
また、このような補助接続線を用いたフックアップエリアの構造は、1つの転送トランジスタブロックを2つのメモリプレーンで共有する実施形態に係わるNAND型フラッシュメモリに適用すると非常に効果的である。
5. メモリプレーン上の制御信号線のレイアウト
(1) 制御信号線について
実施形態のNAND型フラッシュメモリでは、例えば、図7の例に示すように、2つのメモリプレーン11A,11Bの間にロウデコーダ12−1が配置され、メモリプレーン11Bの右端部にロウデコーダ12−2が配置される。
ロウデコーダ12−2は、ロウデコーダ12−1内の転送トランジスタ18,22,23のオン/オフを制御する制御信号RDECADn,TGを生成するため、これらの制御信号RDECADn,TGを転送する制御信号線CLをメモリプレーン11B上に配置しなければならない。
しかし、制御信号線CLのレイアウトによっては、メモリ動作(例えば、消去動作)に支障をきたす恐れが生じる。
即ち、メモリプレーン上にはソース線が配置され、例えば、消去動作時には、非選択のメモリセルのフローティングゲートの電位を、ウェル及びソース線(これらを高電位にするものと仮定する)とのカップリングによって上昇させ、誤消去を防止する。しかし、制御信号線CLが所定のワード線(ページ)のみを覆っていると、消去動作時に、そのページ内のメモリセルのフローティングゲートの電位の上昇が不十分になり、誤消去が発生する可能性が増大する。
そこで、このような状況を考慮して、以下では、メモリプレーン上の制御信号線のレイアウトを提案する。
(2) メモリプレーン上に制御信号線が配置される他の例について
実施形態のNAND型フラッシュメモリでは、制御信号線がメモリプレーン上に配置される。但し、上述の実施形態以外にも、制御信号線がメモリプレーン上に配置される場合がある。以下では、その場合について説明する。
A. 第1例
図35は、メモリプレーン上に制御信号線が配置される他の例を示している。
メモリプレーン11A,11Bは、第1方向に並んで配置され、それぞれ、第2方向に並んで配置される4つのNANDブロックBKi(i=0,1,2,3)を有する。
メモリプレーン11A,11BのNANDブロックBKi内のワード線WL0,WL1,…WL(n−1),WLnは、メモリプレーン11A,11Bの間に配置されるロウデコーダ12−1内の転送トランジスタブロック18に接続される。
ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−1は、例えば、図7のロウデコーダ12−1と同じ構成を有していてもよい。
転送トランジスタブロック18内の転送トランジスタのゲート電極は、制御信号線CLiを介して、ロウデコーダ12−2内のレベルシフタ19bに接続される。制御信号線CLiは、メモリプレーン11B上に配置される。
ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−2は、例えば、図7のロウデコーダ12−2と同じ構成を有していてもよい。
尚、ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−1,12−2が図7のロウデコーダ12−1,12−2と同じ構成を有しているとき、例えば、図36に示すように、メモリプレーン11B上に配置される制御信号線CLiは、2本である。
このレイアウトでは、ロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11B内の2つのNANDブロックBKiに共有されるため、メモリプレーン数が増えたときのロウデコーダ数の増加を抑えることができる。
ロウデコーダ12−2は、メモリプレーン11Bの右側に設けられているが、これに代えて、メモリプレーン11Aの左側に設けてもよい。
また、制御信号線CLiは、NANDブロックBKi上に配置してもよいし、NANDブロックBKiとは異なるNANDブロック上に配置してもよい。
このように、ロウデコーダ12−1がメモリプレーン11A,11B内の2つのNANDブロックBKiに共有されるため、ロウデコーダ数の増加によるチップ面積の増大なしに、チップパフォーマンスを向上させることができる。
B. 第2例
図37は、メモリプレーン上に制御信号線が配置される他の例を示している。
メモリプレーン11A,11Bは、第1方向に並んで配置され、それぞれ、第2方向に並んで配置される4つのNANDブロックBKi(i=0,1,2,3)を有する。
メモリプレーン11A,11Bの奇数番目のNANDブロックBK1,BK3内のワード線WL0,WL1,…WL(n−1),WLnは、メモリプレーン11A,11Bの間に配置されるロウデコーダ12−1内の転送トランジスタブロック18に接続される。
メモリプレーン11Aの偶数番目のNANDブロックBK0,BK2内のワード線WL0,WL1,…WL(n−1),WLnは、メモリプレーン11Aの左側に配置されるロウデコーダ12−1内の転送トランジスタブロック18に接続され、メモリプレーン11Bの偶数番目のNANDブロックBK0,BK2内のワード線WL0,WL1,…WL(n−1),WLnは、メモリプレーン11Bの右側に配置されるロウデコーダ12−1内の転送トランジスタブロック18に接続される。
ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−1は、例えば、図7のロウデコーダ12−1と同じ構成を有していてもよい。
転送トランジスタブロック18内の転送トランジスタのゲート電極は、制御信号線CLiを介して、ロウデコーダ12−2内のレベルシフタ19bに接続される。
メモリプレーン11A,11B間のロウデコーダ12−1内の転送トランジスタのゲート電極は、メモリプレーン11B上の制御信号線CL1,CL3を介して、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12−2内のレベルシフタ19bに接続される。
メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12−1内の転送トランジスタのゲート電極は、制御信号線CL0,CL2を介して、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12−2内のレベルシフタ19bに接続される。メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12−1内の転送トランジスタのゲート電極は、メモリプレーン11A,11B上の制御信号線CL0,CL2を介して、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12−2内のレベルシフタ19bに接続される。
ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−2は、例えば、図7のロウデコーダ12−2と同じ構成を有していてもよい。
尚、ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−1,12−2が図7のロウデコーダ12−1,12−2と同じ構成を有しているとき、例えば、図38に示すように、メモリプレーン11B上に配置される制御信号線CLは、2本である。
このレイアウトでは、メモリプレーン11A,11B間のロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11A,11B内の2つのNANDブロックBKi(i=1,3)に共有されるため、メモリプレーン数が増えたときのロウデコーダ数の増加を抑えることができる。
メモリプレーン11A,11B間のロウデコーダ12−1は、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12−2に接続されるが、これに代えて、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12−2に接続してもよい。この時、メモリプレーン11Aの左側のロウデコーダ12−1及びメモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12−1は、それぞれ、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12−2に接続される。
また、制御信号線CLiは、NANDブロックBKi上に配置してもよいし、NANDブロックBKiとは異なるNANDブロック上に配置してもよい。
このように、メモリプレーン11A,11B間のロウデコーダ12−1が、メモリプレーン11A,11B内の2つのNANDブロックBKi(i=1,3)に共有されるため、ロウデコーダ数の増加によるチップ面積の増大なしに、チップパフォーマンスを向上させることができる。
C. 第3例
図39は、メモリプレーン上に制御信号線が配置される他の例を示している。
この例は、図37の例の変形例である。
この例が図37の例と異なる点は、レベルシフタ19bの位置にある。具体的には、レベルシフタ19bは、メモリプレーン11Bの右側のロウデコーダ12−2内のみに配置される。その他の点については、図37の例と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−2は、例えば、図7のロウデコーダ12−2と同じ構成を有していてもよい。
尚、ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−1,12−2が図7のロウデコーダ12−1,12−2と同じ構成を有しているとき、例えば、図40に示すように、メモリプレーン11B上に配置される制御信号線CLは、2本である。
第3例によれば、第2例と同じ効果を得ることができる。
D. 第4例
図41は、メモリプレーン上に制御信号線が配置される他の例を示している。
この例は、図39の例の変形例である。
この例が図39の例と異なる点は、メモリプレーン数にある。具体的には、メモリプレーン11は、1つとし、NANDブロックBK0,BK2内のワード線は、メモリプレーン11の第1端に配置される転送トランジスタブロック18に接続され、NANDブロックBK1,BK3内のワード線は、メモリプレーン11の第2端に配置される転送トランジスタブロック18に接続される。
メモリプレーン11に対応する全てのレベルシフタ(デコードブロック)19bは、メモリプレーン11の第1端に配置される。メモリプレーン11の第2端に配置される転送トランジスタブロック18の制御端子とレベルシフタ19bとを接続する制御信号線は、メモリプレーン上に配置される。
その他の点については、図39の例と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−2は、例えば、図7のロウデコーダ12−2と同じ構成を有していてもよい。
尚、ロウデコーダ(1つのNANDブロックに対応する部分)12−1,12−2が図7のロウデコーダ12−1,12−2と同じ構成を有しているとき、例えば、図42に示すように、メモリプレーン11上に配置される制御信号線CLは、2本である。
第4例によれば、第3例と同じ効果を得ることができる。
(3) メモリプレーン上の制御信号線のレイアウト
A. 第1例
図43は、メモリプレーン上の制御信号線のレイアウトの第1例を示している。図44は、図43のエリアXを詳細に示す図である。
この例では、制御信号線CLは、第1方向(ワード線WL0〜WL7が延びる方向)に蛇行して延びる。具体的には、制御信号線CLは、第1方向に延び、シャントエリアSH内において第2方向(ワード線WL0〜WL7が延びる方向に交差する方向)にシフトする。このシフト量は、ワード線WL0〜WL7のピッチ以上、例えば、ワード線WL0〜WL7のピッチの3〜5倍である。
また、制御信号線CLは、例えば、NANDブロックBK0,BK1bの左側から奇数番目のシャントエリアSH内において下方向にシフトした後、NANDブロックBK0,BK1bの左側から偶数番目のシャントエリアSH内において上方向にシフトし、元の位置に戻る。
その結果、制御信号線CLの振幅は、NANDブロックBK0,BK1bの第2方向の幅Qよりも小さい。
ここで、シャントエリアSHとは、半導体基板(P型ウェル領域、N型ウェル領域を含む)又はワード線とそれらの上層にある金属配線とのコンタクトをとるエリアのことをいうものとする。
制御信号線CLは、例えば、図35乃至図42に対応して、1つのNANDブロック上に2本配置される。制御信号線CLのうちの1つは、制御信号RDECADnを転送し、他の1つは、制御信号TGを転送する。制御信号RDECADn,TGは、図36、図38、図40及び図42のそれと同じである。
NANDブロックBK0上の制御信号線CLとNANDブロックBK1上の制御信号線CLとの間には、複数のソース線SLが配置される。複数のソース線SLは、第1方向に延び、NANDブロックBK0,BK1内の複数のNANDストリングのソース拡散層に接続される。
複数のソース線SLは、互いに接続されるため、その実質的な幅(第2方向の幅)は、H(1NANDストリング以上)となり、複数のソース線SLの低抵抗化によるソース電位の安定化に寄与する。
NANDストリングのソース拡散層は、2本のソース側セレクトゲート線SGSの間に存在する。NANDストリングのドレイン拡散層は、2本のドレイン側セレクトゲート線SGDの間に存在する。
図45は、図43のXLV−XLV線に沿う断面図、図46は、図43のXLVI−XLVI線に沿う断面図である。
P型半導体基板41内には、N型ウェル領域42及びP型ウェル領域43が形成される。P型ウェル領域43内には、第2方向に直列接続される複数のメモリセルを有するNANDストリングが形成される。NANDストリングの一端には、ソース側セレクトトランジスタが配置され、他端には、ドレイン側セレクトトランジスタが配置される。
複数のメモリセルは、フローティングゲートとコントロールゲートのスタックゲート構造を有する。複数のメモリセルのコントロールゲートは、複数のワード線WLである。ソース側セレクトトランジスタのゲートは、ソース側セレクトゲート線SGSである。また、ドレイン側セレクトトランジスタのゲートは、ドレイン側セレクトゲート線SGDである。
NANDストリングのソース拡散層は、ソース線SLに接続され、NANDストリングのドレイン拡散層は、ビット線BLに接続される。
本例によれば、制御信号線CLは、図45の断面図では、メモリセルグループG1上に存在するが、図46の断面図では、メモリセルグループG2上に存在する。
従って、例えば、消去動作時に、非選択のメモリセルのフローティングゲートの電位を、P型ウェル領域43及びソース線SL(これらを高電位にするものと仮定する)とのカップリングによって上昇させるとき、非選択のメモリセルの誤消去を防止できる。
即ち、制御信号線CLが所定のワード線(ページ)WLのみを覆うことがなく、例えば、図45及び図46のメモリセルグループG1,G2については、制御信号線CLに覆われる割合は、約50%となる。言い換えれば、残りの約50%は、制御信号線CLがソース線SLに覆われるため、消去動作時に、そのページ内の非選択のメモリセルのフローティングゲートの電位を十分に上昇させることができる。
B. 第2例
図47は、メモリプレーン上の制御信号線のレイアウトの第2例を示している。
第2例では、第1例と同様に、制御信号線CLは、第1方向(ワード線WL0〜WL7が延びる方向)に蛇行して延びる。即ち、制御信号線CLは、第1方向に延び、シャントエリアSH内において第2方向(ワード線WL0〜WL7が延びる方向に交差する方向)にシフトする。但し、第2例では、シフト方法が第1例と異なる。
例えば、制御信号線CLは、NANDブロックBK0,BK1bの左側から1番目及び2番目のシャントエリアSH内においてそれぞれ下方向にシフトした後、4番目及び5番目のシャントエリアSH内においてそれぞれ上方向にシフトし、元の位置に戻る。
その結果、制御信号線CLの振幅は、NANDブロックBK0,BK1bの第2方向の幅Qよりも小さい。
制御信号線CLの蛇行構造(シフト方法)は、第1例及び第2例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。重要な点は、制御信号線CLをシャントエリアSH内においてシフトさせる点にある。
レイアウトの詳細については、シフト方法を除き、第1例(図44)と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
図48は、図47のXLVIII−XLVIII線に沿う断面図、図49は、図47のXLIX−XLIX線に沿う断面図である。
P型半導体基板41内には、N型ウェル領域42及びP型ウェル領域43が形成される。P型ウェル領域43内には、第2方向に直列接続される複数のメモリセルを有するNANDストリングが形成される。NANDストリングの一端には、ソース側セレクトトランジスタが配置され、他端には、ドレイン側セレクトトランジスタが配置される。
複数のメモリセルは、フローティングゲートとコントロールゲートのスタックゲート構造を有する。複数のメモリセルのコントロールゲートは、複数のワード線WLである。ソース側セレクトトランジスタのゲートは、ソース側セレクトゲート線SGSである。また、ドレイン側セレクトトランジスタのゲートは、ドレイン側セレクトゲート線SGDである。
NANDストリングのソース拡散層は、ソース線SLに接続され、NANDストリングのドレイン拡散層は、ビット線BLに接続される。
本例によれば、制御信号線CLは、図48の断面図では、メモリセルグループG2上に存在するが、図49の断面図では、メモリセルグループG3上に存在する。
従って、例えば、消去動作時に、非選択のメモリセルのフローティングゲートの電位を、P型ウェル領域43及びソース線SL(これらを高電位にするものと仮定する)とのカップリングによって上昇させるとき、非選択のメモリセルの誤消去を防止できる。
即ち、制御信号線CLが所定のワード線(ページ)WLのみを覆うことがなく、例えば、図48及び図49のメモリセルグループG2,G3については、制御信号線CLに覆われる割合は、30〜35%となる。言い換えれば、残りの70〜65%は、制御信号線CLがソース線SLに覆われるため、消去動作時に、そのページ内の非選択のメモリセルのフローティングゲートの電位を十分に上昇させることができる。
尚、制御信号線CLは、例えば、図35乃至図42に対応して、1つのNANDブロック上に2本配置される。
C. 第3例
図50は、メモリプレーン上の制御信号線のレイアウトの第3例を示している。
第3例では、第1例と同様に、制御信号線CLは、第1方向(ワード線WL0〜WL7が延びる方向)に蛇行して延びる。即ち、制御信号線CLは、第1方向に延び、シャントエリアSH内において第2方向(ワード線WL0〜WL7が延びる方向に交差する方向)にシフトする。
但し、第3例では、制御信号線CLの振幅を最大にしている点が第1例と異なる。
例えば、制御信号線CLは、NANDブロックBK0,BK1bの左側から1番目〜9番目のシャントエリアSH内においてそれぞれ下方向にシフトした後、11番目〜19番目のシャントエリアSH内においてそれぞれ上方向にシフトし、元の位置に戻る。
その結果、制御信号線CLの振幅は、最大となる。
但し、制御信号線CLの最大振幅は、ソース線コンタクトエリアSC及びビット線コンタクトエリアBCを考慮すると、NANDブロックBK0,BK1bの第2方向の幅Qよりも小さいことが必要である。
レイアウトの詳細については、シフト方法を除き、第1例(図44)と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
図51は、図50のLI−LI線に沿う断面図、図52は、図50のLII−LII線に沿う断面図である。
P型半導体基板41内には、N型ウェル領域42及びP型ウェル領域43が形成される。P型ウェル領域43内には、第2方向に直列接続される複数のメモリセルを有するNANDストリングが形成される。NANDストリングの一端には、ソース側セレクトトランジスタが配置され、他端には、ドレイン側セレクトトランジスタが配置される。
複数のメモリセルは、フローティングゲートとコントロールゲートのスタックゲート構造を有する。複数のメモリセルのコントロールゲートは、複数のワード線WLである。ソース側セレクトトランジスタのゲートは、ソース側セレクトゲート線SGSである。また、ドレイン側セレクトトランジスタのゲートは、ドレイン側セレクトゲート線SGDである。
NANDストリングのソース拡散層は、ソース線SLに接続され、NANDストリングのドレイン拡散層は、ビット線BLに接続される。
本例によれば、制御信号線CLは、図51の断面図では、メモリセルグループG1上に存在するが、図52の断面図では、メモリセルグループG6上に存在する。
従って、例えば、消去動作時に、非選択のメモリセルのフローティングゲートの電位を、P型ウェル領域43及びソース線SL(これらを高電位にするものと仮定する)とのカップリングによって上昇させるとき、非選択のメモリセルの誤消去を防止できる。
即ち、制御信号線CLが所定のワード線(ページ)WLのみを覆うことがなく、例えば、図51及び図52のメモリセルグループG1,G6については、制御信号線CLに覆われる割合は、約10%となる。言い換えれば、残りの約90%は、制御信号線CLがソース線SLに覆われるため、消去動作時に、そのページ内の非選択のメモリセルのフローティングゲートの電位を十分に上昇させることができる。
尚、制御信号線CLは、例えば、図35乃至図42に対応して、1つのNANDブロック上に2本配置される。
(4) まとめ
以上、実施形態の制御信号線のレイアウトによれば、制御信号線CLが所定のワード線(ページ)のみを覆うことがないため、メモリ動作を安定化することができる。但し、制御信号線の蛇行の程度(振幅)とソース線の実質的な幅(ソース線の抵抗値)とは、トレードオフの関係にある。従って、制御信号線の振幅は、ソース線の抵抗値とメモリ動作の安定化との観点から最適値を選択する。
6. むすび
実施形態によれば、メモリ容量の増大により1チップ内のメモリプレーン数が増えてもロウデコーダ数の増加を抑えることができる。
実施形態は、高速ランダム書き込み可能なファイルメモリ、高速ダウンロード可能な携帯端末、高速ダウンロード可能な携帯プレーヤー、放送機器用半導体メモリ、ドライブレコーダ、ホームビデオ、通信用大容量バッファメモリ、防犯カメラ用半導体メモリなどに対して産業上のメリットは多大である。
本発明の例は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。