JP2011043558A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート状部材の転写ニップへの突入により発生するトナー像担持ベルトの速度変動を抑制する低コストの画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト2を挟んで二次転写対向ローラ5と二次転写ローラ8とを対向させた二次転写ニップに用紙19を突入させて転写をおこなう。この際、二次転写ニップ下流側張架面たるテンション制御領域T2の張力を制御する張力制御手段28を設け、二次転写ローラ8の変位に連動して張力制御手段28がテンション制御領域T2の張力を制御する。
【選択図】図9

Description

本発明は、シート状部材へ記録する電子写真方式、静電記録方式、イオノグラフィー、磁気記録方式等の画像形成方式を採用した複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。詳しくは、中間転写ベルト等のトナー像担持ベルト上のトナー像をシート状部材に転写して最終画像を得る画像形成装置に関するものである。
近年、カラー画像形成装置において、感光体ドラム上のトナー像を、一次転写部でトナー像担持ベルトである中間転写ベルト上に一次転写し、この中間転写ベルト上の4色のトナー像を二次転写ニップでシート状部材に二次転写する中間転写方式が多く採用されている。この中間転写ベルト方式の画像形成装置においては、薄紙や厚紙、はがき、封筒などさまざまな種類のシート状部材が使用可能で汎用性が高いという利点を有する。ところが、ある程度以上の厚さを有する単葉のシート状部材が二次転写ニップに突入する際には、それまで一定速度で駆動されていた中間転写ベルトの速度が短時間の間変動し、一次転写部で画像に乱れが生じるという不具合が発生していた。
詳しく説明すると、図20に示すように、シート状部材Sの先端が二次転写ニップへ突入することにより、二次転写ニップがシート状部材Sの厚さ分だけ押し広げられる。二次転写ニップがシート状部材Sの厚さ分だけ押し広げられると二次転写対向ローラ116の駆動に突発的に負荷が加わり、二次転写対向ローラ116の回転が一時的に遅くなる。これにより、二次転写対向ローラ116で送られるベルト量よりも二次転写ニップ上流側張架面の上流端が巻き付いている駆動ローラ114から送り出されるベルト量の方が多くなる。その結果、二次転写ニップ上流側張架面が弛み気味となる。一方、二次転写対向ローラ116が送るベルト量よりも駆動ローラ114の駆動力により従動ローラ115が送り出すベルト量の方が多くなる。その結果、中間転写ベルト110の二次転写対向ローラ116と従動ローラ115との間の張架面(以下、二次転写ニップ下流側張架面とよぶ)はベルト移動方向と反対側に引っ張られ、二次転写ニップ下流側張架面の張力が増加する。すると、従動ローラ115が、ベルト移動方向と反対側に引っ張られ減速し、中間転写ベルトの従動ローラ115と駆動ローラ114との間の領域(以下、一次転写領域という)がベルト移動方向と反対側に引っ張られ、一次転写ニップにおける中間転写ベルトの速度が減速する。従って、この減速が生じているときに、感光体ドラム104から中間転写ベルト110に一次転写部で画像の転写が行われると上記速度変動のため画像に乱れが生じてしまう。
このような不具合は、シート状部材が二次転写ニップに突入する前に、突入時に生じる中間転写ベルトの速度変動波形を想定し、想定される速度変動波形を打ち消すよう駆動ローラの駆動を制御するフィードフォワード制御によって回避することが知られている。
しかしながら、中間転写ベルトの速度変動波形は、シート状部材の腰、二次転写加圧力、二次転写ローラ硬度などの変化によって異なってくる。このため、フィードフォワード制御の場合、想定している打消し対象の速度変動波形と実際の速度変動波形とが異なってしまい、ベルト速度変動を悪化させる虞がある。
また、このような不具合は、中間転写ベルトの二次転写ニップ下流側張架面がベルト移動方向と反対側に引っ張られることを抑制することでも、回避可能であり、従来、以下の画像形成装置が知られている。
特許文献1には、シート状部材が二次転写ニップに突入する際、張り気味となる中間転写ベルトの二次転写ニップ下流側張架面で、ベルトを内側に屈曲させるように外側からバネにより付勢するテンションローラを設け、このテンションローラにより中間転写ベルトの二次転写ニップ下流側張架面のテンションを調節する画像形成装置が記載されている。具体的には、中間転写ベルトの二次転写ニップ下流側張架面がベルト移動方向と反対側に引っ張られ、二次転写ニップ下流側張架面の張力が増加すると、テンションローラが外側に変位して、二次転写ニップ下流側張架面の張力を減少させる。
しかしながら、特許文献1の画像形成装置は、シート状部材が二次転写ニップに突入したときは、二次転写ニップ下流側張架面は所定の張力によって中間転写ベルトが張った状態である。シート状部材が二次転写ニップに突入して、二次転写対向ローラの駆動に突発的に負荷が加わって回転が一時的に遅くなり、二次転写ニップ下流側張架面の張力が増加してから、テンションローラが変位して二次転写ニップ下流側張架面の張力が弱められる。よって、シート状部材が二次転写ニップに突入直後は、二次転写ニップ下流側張架面がベルト移動方向と反対側に引っ張られる力が働き、その張力が、二次転写ニップ下流側張架面よりも下流側の張架面に及んでしまう。その結果、一次転写部などで画像に乱れを十分に抑制することができなかった。また、特許文献1に記載される画像形成装置では、装置の小型化のために、二次転写ニップ下流側張架面で中間転写ベルトを90°以上内側に屈曲させて張架している。このため、中間転写ベルトを90°以上内側に屈曲させる箇所で局所的な応力が発生し、この局所的な応力により中間転写ベルトの耐久性が得難いという問題がある。
本出願人は、中間転写ベルトの一次転写部の速度変動を抑制するために、特願2008−221817号の画像形成装置を提案している。この画像形成装置は、シート部材の中間転写ベルトと二次転写ローラとの間への進入及び脱出時に連動する連動手段を設け、この連動手段は二次転写ローラの近傍で中間転写ベルトに当接する当接部材を有し、シート部材の中間転写ベルトと二次転写ローラとの間の進入及び脱出時に連動して当接部材を中間転写ベルトの張力を変える方向に作動することを特徴とするものである。具体的には、二次転写ローラを支持する支持体に、二次転写ローラの近傍で中間転写ベルトに当接する当接部材としてのテンションローラを一体的に備えた連動手段を設けている。この連動手段は、二次転写ローラが押し下げられる動きに連動して、テンションローラが二次転写ニップ下流側張架面の張力を弱める方向に変位する。シート状部材が二次転写ニップに噛み込み始めるときに、二次転写ローラは押し下げられ始めるので、連動手段によりシート状部材が二次転写ニップに突入したときの張力増加を抑制することができる。
この構成では、張力増加を抑制するためにテンションローラが変位できる量は、二次転写ローラの支持体とテンションローラとの位置関係によって制限される。一方、連動手段は二次転写ローラの近傍で中間転写ベルトに当接するテンションローラを支持体と一体的に設けるものであるため、その位置関係に対して設計の自由度は小さい。このため、十分な張力増加の抑制効果が得られない場合がある。また、二次転写ローラを支持する支持体にテンションローラを一体的に設けているため、二次転写ローラの転写圧はテンションローラからの反力を受けて減少してしまう虞があり、二次転写ローラのバネ圧を大きく設計する必要がある。このため、二次転写ユニットの軸方向のたわみが問題となる可能性がある。
また、本出願人は特願2009−041361号で、二次転写ニップ上流側張架面にシート状部材が突入したことを検知する突入検知手段と、転写ニップ下流側張架面の張力を制御する張力制御手段とを有し、突入検知手段が出力した突入検知信号をトリガとして、シート状部材転写ニップ突入時に前記転写ニップ下流側張架面の張力を、シート状部材が前記転写ニップに突入する前の張力よりも弱める制御を行うよう張力制御手段を構成した画像形成装置を提案している。この画像形成装置では、転写ニップ上流側張架面にシート状部材が突入したことを検知し、それをトリガとして張力制御手段によりシート状部材が転写ニップに突入時の転写ニップ下流側張架面の張力を、シート状部材が転写ニップに突入する前の張力よりも弱める制御をおこなう。これにより、シート状部材が転写ニップに突入時は、転写ニップ下流側張架面を弛んだ状態となり、シート状部材の突入により転写ニップ下流側張架面がベルト移動方向と反対側に引っ張られても、弛んだ状態のベルトが元の張架された状態に戻るだけである。よって、シート状部材突入時の転写ニップ下流側張架面よりも下流側のベルト張架面の速度変動を抑制することができる。しかしながら、この画像形成装置では、転写ニップ上流側張架面にシート状部材が突入したことを検知するための突入検知手段が必要である。突入検知手段は、転写ニップ上流側張架面の内側に接触するよう設けられた入口ローラの回転情報取得手段たるロータリーエンコーダと、突入前の入口ローラの線速を予め格納するメモリと、ロータリーエンコーダの取得情報を受信して入口ローラ線速を演算するとともに、予めメモリに格納した入口ローラの線速と演算された線速とを比較して、閾値を請えた場合は突入検知信号を張力制御手段の駆動制御部へ出力する機能を有するマイクロプロセッサとからなる。このような構成の突入検知手段を設けると高コスト化してしまう。また、上記閾値の設定によっては誤検知が発生する可能性がある。
また、これまでトナー像担持ベルトが中間転写ベルトである中間転写方式の画像形成装置について説明したが、高画質化のために中間転写ベルト上のトナー像をシート状部材へ転写する際、画像転写と画像定着とを同時におこなう転写同時定着方式の画像形成装置であっても、上記転写部で同様の問題が生じ得る。この場合も、ある程度以上の厚さを有するシート状部材が転写定着部に突入する際に、それまで一定速度で駆動されていた中間転写ベルトの速度が短時間の間減速し、一次転写部などで画像に乱れが生じるという不具合が発生し得る。
また、トナー像担持ベルトが感光体ベルトであり感光体ベルト上のトナー像を転写部でシート状部材に直接転写する直接転写方式の画像形成装置であっても、上記転写部で同様の問題が生じ得る。この場合は、ある程度以上の厚さを有するシート状部材が転写部に突入する際に、それまで一定速度で駆動されていた感光体ベルトの速度変動が生じる。この感光体ベルトの速度変動により、潜像を形成する露光光の照射タイミングと感光体ベルト表面が露光位置を通過するタイミングにズレが生じ、感光体ベルト上に形成される潜像の位置ズレが生じるという不具合が発生し得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、シート状部材の転写ニップへの突入により発生するトナー像担持ベルトの速度変動を抑制する低コストの画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の張架ローラによって張架され、表面にトナー像を担持して無端移動するトナー像担持ベルトと、前記複数の張架ローラのうちの一つと前記トナー像担持ベルトを挟んで対向し、前記トナー像担持ベルト上のトナー像をシート状部材に転写する転写ニップを形成する転写ローラとを有する画像形成装置において、
前記トナー像担持ベルトが前記複数の張架ローラに張架されることによって形成される複数の張架面のうち、前記トナー像担持ベルトの移動方向上流側端部が前記転写ニップとなる張架面である転写ニップ下流側の前記トナー像担持ベルトの張力を制御する張力制御手段を設け、前記転写ローラの変位に連動して前記張力制御手段が前記トナー像担持ベルトの張力を制御することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記転写ローラの変位情報を計測する転写ローラ変位情報計測手段と、前記転写ローラ変位情報計測手段により計測された変位情報に基づき前記張力制御手段を駆動する駆動司令手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、前記張力制御手段は、前記トナー像担持ベルトの前記転写ニップ下流側張架面に対して屈曲させるように付勢する付勢ローラと、前記付勢ローラの軸を回転自在に支持する軸受部と、前記軸受部を前記転写ニップ下流側張架面に対して直交する方向に移動させる変位手段とを備え、前記駆動司令手段が前記転写ローラ変位情報計測手段により計測された転写ローラの変位情報を基に生成する目標値に基づいて前記張力制御手段の変位手段を動作させることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記トナー像担持ベルトの前記転写ニップ下流側張架面に対して屈曲させるように付勢する第二の付勢ローラを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4の画像形成装置において、前記張力制御手段を構成する付勢ローラの変位情報を計測する付勢ローラ変位情報計測手段を備え、前記駆動司令手段は前記転写ローラ変位情報計測手段により計測された転写ローラの変位情報を基に生成する目標値に対して、前記付勢ローラ変位情報計測手段により計測された付勢ローラの変位情報をフィードバックして、前記張力制御手段を駆動することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、前記転写ニップ近傍に設けられ、前記トナー像担持ベルトまたはシート状部材を加熱する加熱手段を有し、前記転写ニップで前記トナー像担持ベルト上のトナー像をシート状部材に転写すると同時に定着するように構成したことを特徴とするものである。
本発明においては、転写ニップ下流側のトナー像担持ベルトの張力を制御する張力制御手段を、転写ローラの変位に連動してトナー像担持ベルトの張力を制御するよう動作させる。転写ローラの変位は、シート状部材の転写ニップへの突入により始まるので、張力制御手段が転写ローラの変位に連動して張力を制御することにより、シート状部材の転写ニップへの突入タイミングと一致して、トナー像担持ベルトの張力変動を抑制できる。この張力制御手段は、従来の転写ローラまたは転写ローラ支持体等と一体的に設けられ転写ローラの近傍でトナー像担持ベルトに当接するテンションローラと異なり、転写ローラの変位に連動して動作可能なものであれば、機械的に連動するものに限らず、電気的に連動する構成でもよい。このため、張力制御手段の配置には設計の自由度があり、張力制御手段をトナー像担持ベルトの張力変動を良好に抑制できる位置に配置することができる。よって、シート状部材の突入による転写ニップ下流側のトナー像担持ベルトの張力変動は良好に抑制され、張力変動に起因するトナー像担持ベルトの一次転写部の速度変動を抑制することができる。また、張力制御手段を、転写ニップへの突入に伴う転写ローラの変位に連動して動作させることにより、別途、突入検知手段を設ける必要も無い。上述のように、突入検知手段は、トナー担持ベルトまたは張架ローラの速度情報取得手段、メモリ、マイクロプロセッサ等から構成されるため高コストである。これに対して、転写ローラの変位は、例えば変位量センサのみの簡易な構成で検知可能であるので、低コストでトナー像担持ベルトの速度変動を抑制できる。
本発明によれば、シート状部材の転写ニップへの突入により発生するトナー像担持ベルトの速度変動を抑制する低コストの画像形成装置を提供することができるという優れた効果がある。
実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。 駆動ローラと従動ローラの速度変動を示す図。 位置ズレが発生したトナー像が転写された転写紙を模式的に示す説明図。 (a)用紙がプレニップ部に突入した際の力の伝達を示した図。(b)は、用紙がプレニップ部に突入した際の二次転写ニップ近傍の拡大説明図、(c)は、用紙がプレニップ部に突入した際の速度変動を説明するグラフ。 (a)用紙が本ニップ部に突入した際の力の伝達を示した図。(b)は、用紙が本ニップ部に突入した際の二次転写ニップ近傍の拡大説明図。(c)は、用紙が本ニップ部に突入した際の速度変動を説明するグラフ。 用紙本ニップ突入によって駆動ローラと入口ローラとが共に減速するメカニズムの説明図。 (a)は、中間転写ベルトのプレニップ領域が戻る際の力の伝達を示した図。(b)は、中間転写ベルトのプレニップ領域が戻る際の二次転写ニップ近傍の拡大説明図。(c)は、中間転写ベルトのプレニップ領域が戻る際のことによる速度変動を説明するグラフ。 従動ローラおよび駆動ローラの速度変動とテンションローラおよび二次転写ローラの変位との関係について調べたデータ。 実施例1のテンションローラ変位制御の説明図。 実施例1の画像形成装置の概略構成図。 実施例1の画像形成装置における制御ブロック図。 実施例1の張力制御手段の概略構成図であり、(a)は、駆動モータOFF時(b)は、駆動モータON時。 実施例2の画像形成装置の概略構成図。 実施例3の画像形成装置の概略構成図。 実施例3の画像形成装置における制御ブロック図。 実施例3のテンションローラの変位情報に基づきフィードバック制御を実施するためのブロック線図。 実施例4の画像形成装置の概略構成図。 実施例5の画像形成装置の他の例示す概略構成図。 検証試験の結果を示す図。 シート状部材が二次転写ニップに進入した際に中間転写ベルトの張架状態が変化した状態を示す模式図。
以下、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態について説明する。
図1は、本画像形成装置を示す要部構成図である。同図において、本画像形成装置は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット100Y,C,M,Kを備えている。また、機内で記録シートを搬送するための複数のガイド板等からなる用紙搬送路、レジストローラ対9、定着装置15、光書込ユニット(不図示)、転写ユニット50、なども備えている。
本画像形成装置は、4つのプロセスユニット100Y,C,M,Kを、後述する中間転写ベルト2に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。各色のプロセスユニット100Y,C,M,Kは、それぞれ、潜像担持体たる感光体1Y,C,M,Kと、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部本体に対して着脱可能になっている。そして、互いに使用するトナーの色が異なる点以外は同様の構成になっている。
Y用のプロセスユニット100Yを例にすると、トナー像担持体たる感光体1Yの周囲に、帯電装置103Y、現像装置101Y、クリーニング装置102Y等を有している。プロセスユニット100Yの感光体1Yは、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動せしめる。 帯電装置103Yは、回転駆動される感光体1Yの周面をトナーの帯電極性と同極性に一様帯電せしめる。図示しない光書込ユニットは、画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動して、回転中の帯電した感光体1Yに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向せしめながら照射することで、光走査処理をおこなう。これにより、感光体1Yには、Y画像情報に基づいた静電潜像が形成される。感光体1Yとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置101Yは、図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を用いて、感光体1Y上の静電潜像を現像する。二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像をおこなうタイプのものを使用していもよい。
現像によって感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述するY用の一次転写ニップで中間転写ベルト2のおもて面に転写される。このようにしてYトナー像を転写した後の感光体1Y上に付着している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置102Yによって感光体1Y表面から除去される。このクリーニングに先立って、感光体1Yの表面は図示しない除電ランプによる光照射を受けて除電される。
Y用のプロセスユニット100Yについて説明したが、M,C,K用のプロセスユニットにおいても、同様にして感光体1M,C,Kの表面にM,C,Kトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット100Y,C,M,Kの下方には、転写ユニット50が配設されている。この転写ユニット50は、トナー像担持ベルトたる中間転写ベルト2を有している。中間転写ベルト2は、駆動ローラ3、二次転写対向ローラ5、テンションローラ6、従動ローラ7、入口ローラ4などの張架ローラによって張架されている。この中間転写ベルト2を、感光体1Y,C,M,Kに当接させながら、駆動ローラ3の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体1Y,C,M,Kと中間転写ベルト2とが当接するY,C,M,K用の一次転写ニップが形成されている。
Y,C,M,K用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ104Y,C,M,Kによって中間転写ベルト2を感光体1Y,C,M,Kに向けて押圧している。これら一次転写ローラ104Y,C,M,Kには、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,C,M,K用の一次転写ニップには、感光体1Y,C,M,K上のトナー像を中間転写ベルト2に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。
図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト2のおもて面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト2のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト2の図中下方には、当接部材たる二次転写ローラ8が配設されており、中間転写ベルト2における二次転写対向ローラ5に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して二次転写ニップを形成している。これにより、中間転写ベルト2のおもて面と、二次転写ローラ8とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ8の軸中心は、二次転写対向ローラ5の軸中心よりも、用紙搬送方向上流側に位置している。二次転写ローラ8は、不図示のモータにより図中反時計回りに回転駆動させてもよいし、中間転写ベルト2に対して連れ回る構成でもよい。
ベルトループ内の二次転写対向ローラ5には、図示しない電源によってトナーと同極性の二次転写バイアスが印加されている。一方、ベルトループ外の二次転写ローラ8は接地されている。これにより、二次転写ニップ内に二次転写電界が形成されている。
二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対9が配設されている。画像形成に並行して、給紙ローラ18を回転し、給紙カセット20からシート状部材たる用紙19を繰り出し、分離ローラ17で1枚ずつ分離して用紙搬送経路に入れ、搬送ローラ16で搬送してレジストローラ9に突き当てて止める。または、手差し部上の用紙を繰り出し、用紙搬送経路に入れ、同じくレジストローラ9に突き当てて止める。
レジストローラ間に挟み込んだ用紙19を中間転写ベルト2上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト2上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によってシート状部材たる用紙に一括二次転写され、用紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト2のおもて面には、二次転写ニップで用紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト2に当接する不図示のベルトクリーニング装置によってクリーニングされる。
二次転写ニップを通過した用紙19は、中間転写ベルト2と搬送ベルト11との搬送力により定着装置15に向けて送られる。定着装置15は、定着ローラ13と加熱ローラ14とで張架された定着ベルト13aに対して加圧ローラ12を圧接して構成する。定着ベルト13aは加熱ローラ14内の図示しないIHコイルによって加熱され、画像定着に必要な温度まで加熱される。一方、加圧ローラ12にも内部に図示しないヒーターを内蔵しており、待機時の予備加熱に使用している。用紙上の未定着画像は、定着ベルト13aと加圧ローラ12とのニップ部において熱と圧力を与えられ、用紙19に定着される。なお、定着装置15のヒーターはIHコイルを用いたものでなくてもよく、熱ローラ対で構成された方式であっても良い。
定着装置15で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、図示しない排紙トレイに排出される。または、図示しない両面反転機構により再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録、定着して後、排紙トレイに排出する。
中間転写ベルト2に当接して二次転写ニップを形成している二次転写ローラ8は、金属製の芯金とこれの周面に被覆されたゴム等の弾性部材とを具備している。二次転写ニップでは、中間転写ベルト2における二次転写対向ローラ5に対する掛け回し箇所が、二次転写ローラ8の表面の弾性部材に食い込んでいる。これにより、幅広い二次転写ニップが形成されている。
二次転写ローラ8の回転軸は、保持体としての揺動アーム10に固定された不図示の軸受によって回転自在に受けられている。そして、この揺動アーム10は、揺動軸10aを中心にして揺動するように支持されており、自らの揺動に伴って二次転写ローラ8の回転軸と、二次転写対向ローラ5の回転軸との距離を変化させる。
揺動アーム10には、付勢手段としての付勢コイルバネ10bが固定されている。この付勢コイルバネ10bにより、揺動アーム10には揺動軸10aを中心にした図中反時計回り方向の付勢力が付与されて、二次転写ローラ8が中間転写ベルト2に押圧されている。
揺動アーム10における揺動軸10aとは反対側の端部には、偏心カム10cが当接するカム当接面が設けられている。この偏心カム10cが図示しないカムモータによって回転駆動されると、付勢コイルバネ10bの付勢力に反して揺動アーム10を押し下げるように、揺動アーム10を図中時計回りに少しずつ回転させていく。すると、二次転写ローラ8と二次転写対向ローラ5との軸間距離が徐々に大きくなっていく。そして、それに伴って二次転写ニップのサイズが徐々に小さくなっていき、やがて二次転写ローラ8が中間転写ベルト2から離間する。
このように本画像形成装置においては、二次転写ローラ8を付勢コイルバネ10bによる付勢力に反して移動させることで、二次転写対向ローラ5の回転軸と、二次転写ローラ8との距離、ひいては上記軸間距離を調整する。かかる構成では、偏心カム10c、カムモータ、これを駆動する制御部等が、距離調整手段として機能している。
次に、従来の画像形成装置の中間転写ベルト2の課題について説明する。
用紙19が二次転写ニップに突入する際、中間転写ベルト2の感光体1Y,C,M,Kに当接する領域(以下、一次転写領域という)を張架する駆動ローラ3、従動ローラ7は、図2に示すような速度変動が発生する。このような現象は特に厚紙通紙時(ここでは連量220[kg]紙、坪量256[g/m]紙以上を想定している)により顕著に見られる現象である。
それに対して、感光体1Y,C,M,Kは用紙先端二次転写ニップ突入時においてもほぼ同速で回転駆動されるので、感光体1Y,C,M,Kと中間転写ベルト2との間で速度差が発生する。この速度差によって、一次転写ニップにおいて転写位置ずれが発生する。
図3は、単色の画像形成を行った場合に、位置ズレが発生したトナー像が最終画像として転写された用紙19を模式的に示す説明図である。
用紙先端の二次転写ニップ突入時に発生した一次転写ニップにおける転写位置ずれを含むトナー像は、一次転写ニップから二次転写ニップまでの距離をLとすると、用紙先端からLの位置で用紙19に転写または転写・定着される。このため、排紙される用紙19上の最終画像は図3に示すように、用紙先端からLの位置に正常な画像の部分Iよりも色が薄い部分Iや色が濃い部分Iという局所的な濃度ムラをもった画像となる。
なお、複数色の画像形成を行った場合は、各色で一次転写ニップから二次転写ニップまでの距離が異なるため、各色で紙先端から濃度ムラまでの距離Lが異なる画像となって出力される。
このように、用紙突入時に発生する一次転写部における転写位置ずれを防ぐには、用紙突入時における駆動ローラ3、従動ローラ7の速度変動を抑制する必要がある。この駆動ローラ3、従動ローラ7の速度変動がどのようなメカニズムで発生するのかについて以下に述べる。
本画像形成装置は、図1に示すように、二次転写ローラ8の軸中心は、二次転写対向ローラ5の軸中心よりも、用紙搬送方向上流側に位置している。このため、中間転写ベルト2の外周面が二次転写ローラ8と当接するニップは、次の2つニップ部を有する。すなわち、中間転写ベルト2の内周面が二次転写対向ローラ5と接触している二次転写ニップ(以下、本ニップ部という)と、二次転写ニップよりも用紙搬送方向上流側にあり、中間転写ベルト2の内周面が二次転写対向ローラ5と接触していないニップ部(以下、プレニップ部という)とを有している。
このように、本実施形態の画像形成装置は、本ニップ部、プレニップ部を有する構成であるため、駆動ローラ3、従動ローラ7の速度変動は、大きく分けて以下の3つの変動から成り立っている。
(1)用紙19の先端がプレニップ部に突入することによる速度変動
図4は、用紙19がプレニップ部に突入した際に生じる速度変動の説明図である。
用紙先端がプレニップ部に突入すると、中間転写ベルト2の転写ニップ上流側張架面である二次転写対向ローラ5と入口ローラ4との張架領域(以下、プレニップ領域T3という)が内側に押される。中間転写ベルト2のプレニップ領域が、内側に押されると、プレニップ領域T3の用紙先端との当接部より中間転写ベルト移動方向上流側の部分が、図4(b)に示すように、ベルト移動方向へ引っ張れる。その結果、図4(b)に示すように、入口ローラ4には、ベルト移動方向と同方向に引っ張る力I2が働き、入口ローラ4に回転方向と同方向のトルクE2が働く。その結果、入口ローラ4が加速する。また、図4(a)の矢印F(2)に示すように、ベルト移動方向と同方向に引っ張る力I2は、中間転写ベルト2を介して駆動ローラ3に伝達され、駆動ローラ3に回転方向と同方向のトルクがかかり、図4(c)で、太線で示すように、駆動ローラ3が加速される。そして、最終的には、図4(a)の矢印F(2)に示すように、ベルト移動方向と同方向に引っ張る力I2が中間転写ベルト2を介して従動ローラ7にまで伝達される。その結果、図4(c)の太線で示すように、従動ローラ7が加速される。
また、中間転写ベルト2のプレニップ領域T3の用紙先端との当接部より中間転写ベルト移動方向下流側の部分が、ベルト移動方向と逆方向へ引っ張られる。その結果、図4(b)に示すように、二次転写対向ローラ5には、ベルト移動方向と逆方向に引っ張る力I1が働き、二次転写対向ローラ5には、回転方向と逆方向のトルクE1がかかる。これにより、二次転写対向ローラ5が減速する。また、ベルト移動方向と逆方向へ引っ張る力I1は、図4(a)の矢印F(1)に示すように、中間転写ベルト2を介して、テンションローラ6、従動ローラ7へ伝達される。伝達経路を考えれば、ベルト移動方向と同方向へ引っ張る力I2が、従動ローラ7へ伝達され、従動ローラ7が加速する前に、ベルト移動方向と逆方向へ引っ張る力I1により従動ローラ7が減速するはずである。しかし、図4(c)を見ると、ベルト移動方向と逆方向へ引っ張る力I1による従動ローラ7の減速が生じていない。これは、この実験においては、二次転写ローラ8を別のモータで駆動させたため、二次転写ローラ8の回転駆動力によってベルト移動方向と逆方向へ引っ張る力I1を消滅させてしまったためと考えられる。
図4(b)に示すように、駆動ローラ3がベルト移動方向に引っ張られる力I2により加速することで、中間転写ベルト2の一次転写領域T1が加速される。その結果、図3に示すように正常な画像の部分Iよりも色が薄い部分Iが生じるのである。
(2)用紙19の先端が本ニップ部に突入することによる速度変動
図5は、用紙先端が二次転写ニップたる本ニップ部に突入した際に生じる速度変動の説明図である。
用紙19先端が本ニップ部に突入することによる速度変動は、用紙19の先端が本ニップ部に突入する際に用紙19の先端が二次転写ローラ8を押し下げることによって二次転写対向ローラ5が減速する現象である。
ここで、二次転写対向ローラ5が減速するメカニズムについて図6を用いて説明する。
図6に示すように、用紙19の先端が、本ニップ部へ進入するためには、用紙19の先端が、二次転写ローラ8を用紙19の厚さ相当分押し下げる必要がある。二次転写ローラ8は、上述したように、付勢コイルバネ10bにより図中矢印A方向に付勢されている。二次転写ローラ8を押し下げるには、用紙19の先端が二次転写ローラ8を押し下げる力(図中の矢印B)が、付勢コイルバネ10bの付勢力を上回る必要がある。用紙19の先端の押し下げる力Bは、用紙先端を図中右側へ搬送する搬送力であり、その搬送力は、二次転写対向ローラ5の回転駆動力Cである。すなわち、用紙19の先端が二次転写ローラ8に当接したとき、二次転写対向ローラ5には、ベルトを搬送するためのトルクに他に、用紙先端が二次転写ローラ8を押し下げるのに必要なトルクが生じる。その結果、図5(b)に示すように二次転写対向ローラ5の回転負荷(図中矢印D1)が増加し、二次転写対向ローラ5が減速する。なお、本実験においては、二次転写ローラ8を回転駆動させている。このため、二次転写ローラ8の回転駆動力も用紙19の先端が二次転写ローラ8を押し下げる力として働き、二次転写対向ローラ5のみで二次転写ローラ8を押し下げるものに比べて、二次転写対向ローラ5にかかるトルクは、減少されている。
一方、入口ローラ4についても、二次転写対向ローラ5と同様、減速が生じる。これは、用紙19の先端が本ニップ部に突入すると、用紙19の先端が二次転写ローラ8を押し下げるまで、用紙19が前に進まないので、中間転写ベルト2と用紙間の摩擦力によるベルト走行負荷J2が生じる。この走行負荷により、入口ローラ4に回転方向と逆方向のトルクD2が働き、入口ローラ4も同様に減速する。このベルト走行負荷J2は、図5(a)の矢印F(3)に示すように、中間転写ベルト2を介して駆動ローラ3へ伝達される。しかし、駆動ローラ3に伝達されたベルト走行負荷は、駆動ローラ3を回転駆動させるモータの駆動力により打ち消され、駆動ローラ3よりベルト移動方向上流の従動ローラ7へ伝達されることはない。
二次転写対向ローラ5が減速すると、中間転写ベルト2の転写ニップ下流側張架面たる二次転写対向ローラ5と従動ローラ7の張架領域(以下、テンション制御領域T2という)がベルト移動方向と逆方向へ引っ張られ、図5(a)の矢印F(4)に示すように、テンションローラ6、従動ローラ7にベルト移動方方向と逆方向の力J1が伝達される。従動ローラ7に、ベルト移動方向と逆方向へ引っ張る力J1が伝達されると、図5(c)の太線に示すように、従動ローラ7が減速する。従動ローラ7が減速することにより、中間転写ベルト2の一次転写領域T1がベルト移動方向と逆方向へ引っ張られ、駆動ローラ3の回転方向と逆方向のトルクがかかる。その結果、図5(c)の太線に示すように駆動ローラ3が減速する。このように、従動ローラ7、駆動ローラ3が減速する結果、中間転写ベルト2の一次転写領域T1が減速し、図3に示すように正常な画像の部分Iよりも色が濃い部分Iが生じるのである。
(3)用紙先端本ニップ突入後における中間転写ベルト2のプレニップ領域T3の戻りによる速度変動
図7は、用紙先端本ニップ突入後における中間転写ベルト2のプレニップ領域T3の戻りによる変動の説明図である。
これは、図7(b)に示すように、用紙先端が二次転写ローラ8を押し下げて、本ニップ部へ突入すると、これまで用紙19の先端によって、内側へ押し込まれていた中間転写ベルト2のプレニップ領域T3が元に戻る。その結果、上記(1)プレニップ部突入による速度変動とは逆の現象が発生する。すなわち、プレニップ領域T3の用紙先端がベルトを押していた位置よりも、ベルト移動方向下流側では、ベルト移動方向と同方向にベルトを押し込むような力G1が発生する。一方、プレニップ領域T3の用紙先端がベルトを押していた位置よりも、ベルト移動方向上流側では、ベルト移動方向と逆方向にベルトを押し込むような力G2が発生するのである。ベルト移動方向と逆方向にベルトを押し込む力G2は、図7(a)の矢印F(6)に示すように、中間転写ベルト2を介して、入口ローラ4、駆動ローラ3に伝達される。入口ローラ4にベルト移動方向と逆方向に押し込む力G2が生じることで、入口ローラ4に、図7(b)に示すように、入口ローラ回転方向と逆方向のトルクH1が生じ、入口ローラ4が減速する。同様に、駆動ローラ3に、駆動ローラ回転方向と逆方向のトルクが生じ、図7(c)の太線で示すように、駆動ローラ3の速度が低下する。
一方、ベルト移動方向と逆方向にベルトを押し込む力G1は、図7(a)の矢印F(5)に示すように、中間転写ベルト2を介して二次転写対向ローラ5、テンションローラ6、従動ローラ7に伝達される。二次転写対向ローラ5に、ベルト移動方向と逆方向にベルトを押し込む力G1が伝達されると、図7(b)に示すように、二次転写対向ローラ5の回転方向と同方向のトルクH2が生じ、二次転写対向ローラ5が加速する。同様に、従動ローラ7に、従動ローラ7回転方向と同方向のトルクが生じ、図7(c)の太線で示すように、従動ローラ7の速度が増加する。
なお、図7(c)を見ると、中間転写ベルト2の戻りによる速度変動後も、駆動ローラ3、従動ローラ7は、速度変動している。これは、上記(1)〜(3)の駆動ローラ3の速度変動によって、駆動モータの駆動力が伝達される駆動ローラ3の軸にねじれ振動が生じ、そのねじれ振動によって中間転写ベルト2の戻りによる速度変動後も、駆動ローラ3、従動ローラ7は、速度変動が生じたと考えられる。
図8は、従動ローラ7および駆動ローラ3の速度変動とテンションローラ6と二次転写ローラ8の変位との関係について調べたデータである。
図8に示すように、従動ローラ7の線速が落ち込み始める、つまり上記(2)の本ニップ部突入変動の開始とほぼ同時にテンションローラ6は急激にベルト外側方向に変位し始めることがわかる。これは、中間転写ベルト2の二次転写対向ローラ5と従動ローラ7との間のベルトテンションの増大によりテンションローラ6がベルト外側に押し下げられていることを意味している。仮に、テンションローラ6がない場合は、テンションローラ6がベルト外側に押し下がることによるテンションの緩和がないので、用紙先端本ニップ部突入時に発生する負荷トルクがほぼ損失なく従動ローラ7に伝播することになり、従動ローラ7の減速は大きくなる。
逆に、用紙先端本ニップ部突入時に中間転写ベルト2のテンション制御領域T2のベルトテンションが弱い状態であれば、中間転写ベルト2のテンション制御領域T2に、ベルト移動方向と逆方向へ引っ張る力J1(図5(b)参照)が働いても、その力が従動ローラ7、駆動ローラ3に伝播し難くすることができる。その結果、従動ローラ7、駆動ローラ3の速度低下を抑制でき、中間転写ベルト2の一次転写領域T1の速度低下を抑制することができる。よって、図3に示すように正常な画像の部分Iよりも色が濃い部分Iが生じるのを抑制することができる。
また、テンションローラ6がベルト外側方向に変位し始めるのとほぼ同時に、二次転写ローラ8もベルト外側方向(図では下側)に変位し始めていることがわかる。そこで、二次転写ローラ8の変位に連動してテンションローラ6を外部からの力によってより急激にベルト外側方向に変位させれば、テンション制御領域T2のベルトテンションをより弱めることができるため、二次転写対向ローラ5を減速させる負荷トルクが従動ローラ3に伝播し難くして、従動ローラ7、駆動ローラ3の速度低下を抑制でき、中間転写ベルト2の一次転写領域T1の速度低下を抑制することができる。
そこで、本発明は、二次転写ローラ8の変位に連動してテンションローラ6を外部からの力によってより急激にベルト外側方向に変位させ、テンション制御領域T2のベルトテンションを弱める制御(以下、ベルトテンション制御という)をおこなう。以下、本発明の各実施例を用いて、具体的に説明する。
[実施例1]
図9は、実施例1のテンションローラ変位制御の説明図である。上述のように、用紙突入時において、テンションローラ6がベルト外側方向に変位し始めるのとほぼ同時に、二次転写ローラ8もベルト外側方向(図では下側)に変位し始める。よって、テンションローラ6の変位を二次転写ローラ8に連動して制御すれば、従動ローラ3が減速し始めるタイミングでテンションローラ6を変位させることができ、中間転写ベルト2のテンション制御領域T2のベルトテンションを弱めることができる。その結果、テンション制御領域T2が、従動ローラ7をベルト移動方向と逆方向へ引っ張る力を低減でき、従動ローラ7の速度低下を抑制することができる。従動ローラ7の速度低下を抑制することができる結果、従動ローラ7が駆動ローラ3をベルト移動方向と逆方向へ引っ張る力が低減され、駆動ローラ3の速度低下が抑制される。その結果、中間転写ベルト2の一次転写領域T1の速度低下が抑制され、濃度低下を抑制することができる。
なお、計測した二次転写ローラ6の変位量Lに対して、所定の係数aを乗じた値を目標値としてテンションローラ6の変位を制御するようにしており、係数aによってテンションローラ6の変位量を調節できるようにしている。抑制効果はテンションローラ6の変位量と概ね比例関係にあるが、複数の紙厚への対応のために、テンションローラ6の変位量を複数設定したい場合においても、二次転写ローラ8の変位量が紙厚に比例して変わるため、あらかじめ係数aを一つ設定するのみで対応できる。ただし、外部環境の変動により影響を受けることも想定されるので、複数の値を保持しても良く、また適宜値を変更できるようにしてもよい。
図10は、実施例1の画像形成装置の概略構成図である。
図10に示すように、二次転写ローラ8の変位を計測する二次転写ローラ変位情報計測手段としての二次転写ローラ変位センサ24を搭載している。さらに、二次転写ローラ変位センサ24から、駆動指令部25、張力制御手段28へと接続されている。二次転写ローラ変位センサ24で計測された二次転写ローラ8の変位情報を基に、駆動司令部25においてテンションローラ6の変位の目標値(駆動電圧値)を生成し、張力制御手段28を制御する。
図11は、実施例1の画像形成装置における制御ブロック図である。
駆動司令部25は、メモリ27とマイクロプロセッサ26とを備えている。マイクロプロセッサ26は、メモリ27に記憶されたプログラムに基づいて、様々な処理をおこなうものである。二次転写ローラ変位センサ24で計測された変位情報の信号が、駆動司令部25内のマイクロプロセッサ26へと入力される。マイクロプロセッサ26は、用紙突入前における二次転写ローラ加圧時を基準とするためのオフセット処理と、所定の係数を乗じる処理を行ない、テンションローラ変位の目標値を算出する。その目標値に対応する駆動電圧値を、張力制御手段28の駆動ドライバ29に送る。
図12は、張力制御手段28の概略構成図である。
図12(a)に示すように、テンションローラ6の軸が軸受部34に回転自在に支持されている。軸受部34は、テンションバネ36により、中間転写ベルト2側へ付勢されている。また、駆動モータ30により回転駆動される偏心カム34を設け、偏心カム34には一端が装置本体に回転自在に支持されたレバー33が当接している。レバー33の他端側は、軸受部34に設けられたピン35に支持されている。駆動モータ30の駆動OFFのときは、テンションバネ36により、テンションローラ6は所定の加圧力で中間転写ベルト2側へ付勢され、中間転写ベルト2に所定の張力を与えている。駆動ドライバ29から駆動モータ30に所定の駆動電圧が印加され、図12(b)に示すように、モータ30の駆動ONになり偏心カム34が回転すると、レバー33が回転し軸受部34に設けたピン35を図中下側へ押し込む。その結果、軸受部34が、テンションバネ36の付勢力に抗って、ベルト外側に変位し、テンションローラ6の中間転写ベルト2への押圧力が弱められる。このように、実施例1では、軸受部34を転写ニップ下流側張架面に対して直交する方向に移動させる変位手段は、駆動モータ30、偏心カム32、レバー33等から構成される。そして、駆動ドライバ29により変位手段を駆動して、テンションローラ6の軸受部34を変位させて、テンションローラ6による張力を制御している。なお、軸受部34を変位させる変位手段としては、上述の構成のほか、電磁ソレノイドを用い、軸受部34を転写ニップ下流側張架面に対して直交する方向に移動させる構成のものでも構わない。
なお、本実施例は、背景技術で述べたように、ある程度以上の厚さを有するシート状部材が二次転写ニップに突入する際に、それまで一定速度で駆動されていた中間転写ベルトの速度が変動し、一次転写部で画像に乱れが生じるという不具合を解決するものである。このため、シート状部材が普通紙などの、二次転写ニップに突入する際の中間転写ベルトの速度変動が無視できる程度のものを用いる場合は、別途切り替え手段を設けて、張力制御手段28を動作させないようにしても良い。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
図13は、実施例2の画像形成装置の概略構成図である。
図13に示すように、実施例2においては、図1の二次転写ニップ下流側張架面で中間転写ベルト2を付勢するテンションローラ6とは別に、テンション制御領域T2に第二のテンションローラ41を設ける。そして、テンションローラ6はそのままで、第二のテンションローラ41を、二次転写ローラ8の変位に連動して外部からの力によってより急激にベルト外側方向に変位させ、テンション制御領域T2のベルトテンション制御をおこなう。
このように構成することにより、第2のテンションローラ41が不具合等により想定以上に変位したとしても、テンションローラ6によりある一定以上のベルトテンションを維持できる。なお、二次転写ローラ変位センサ24、駆動司令部25、張力制御手段等は実施例1と同様の構成である。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。
図14は、実施例3の画像形成装置の概略構成図である。
図14で示すように、実施例3においては、実施例1に加えてテンションローラ6の変位情報を計測する付勢ローラ変位情報計測手段としてのテンションローラ変位センサ31を搭載しており、テンションローラ変位センサ31は駆動指令部25に接続されている。駆動司令部25においては、二次転写ローラ変位センサ24で計測された二次転写ローラ8の変位情報を基に、テンションローラ6の変位の目標値(駆動電圧値)を生成するが、この変位の目標値に対してテンションローラ変位センサ24で計測されたテンションローラ8の変位情報を基に、目標値に対して追従するようにテンションローラ変位をフィードバック制御するようにしている。
図15は、実施例3の画像形成装置における制御ブロック図である。
図15に示すように、二次転写ローラ変位センサ24で計測された二次転写ローラ8の変位情報の信号が、駆動司令部25内のマイクロプロセッサ26へと入力される。マイクロプロセッサ26は、用紙突入前における二次転写ローラ加圧時を基準とするためのオフセット処理と、所定の係数を乗じる処理を行ない、テンションローラ変位の目標値を算出する。一方、テンションローラ変位センサ31で計測されたテンションローラ6の変位情報の信号も、駆動司令部25内のマイクロプロセッサ26へと入力される。マイクロプロセッサ26は、二次転写ローラ変位と同様に、用紙突入前を基準とするためのオフセット処理をした上で、テンションローラ変位の目標値との比較を行ない、目標値との偏差をなくすような駆動電圧値を生成し、張力制御手段28の駆動ドライバ29に駆動電圧値を送る。
図16は、テンションローラ6の変位情報に基づき上記フィードバック制御を実施するためのブロック線図である。テンションローラ変位センサ31の出力信号、すなわちテンションローラ6の変位量の情報P(i−1)は演算部(減算器)37に与えられる。この演算部37は、制御目標値であるテンションローラの変位量の目標値Ref(i)とテンションローラの検出変位量P(i−1)との差e(i)を算出する。この差e(i)は制御コントローラ部38に入力される。この制御コントローラ部38は、高周波ノイズを除去するためのローパスフィルタ39と、比例要素(ゲインKp)40とで構成されている。制御コントローラ部38では、駆動モータ30の駆動に用いる制御電圧u(i)が求められる。駆動電圧u(i)に基づいて、駆動ドライバ29により駆動信号が生成され、駆動モータ30へ出力される。このように駆動制御された駆動モータ30の駆動力が偏芯カム32を回転させ、テンションローラ6が所定の目標変位量に従って移動する。このようなフィードバックループの制御動作が繰り返される。ここで制御系は一例を示したものであり、この他のPID制御系、現代制御系、ロバスト制御系等いずれを用いてもよい。
このようにテンションローラ変位センサ31を設けて、目標値に対してフィードバック制御をおこなうことにより、精度良くテンションローラ6を変位させることができる。
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。実施例4は、中間転写ベルト上のトナー像を二次転写ニップで用紙19へ転写すると同時に定着もおこなうものである。
図17は、実施例4の画像形成装置の概略構成図である。
図17に示すように、二次転写ニップ近傍であり二次転写ニップよりもシート状部材搬送方向上流側に加熱手段たる加熱装置21が設けられている。加熱装置21によって用紙19をトナーが定着するのに十分な温度まで加熱し、二次転写ニップにおいて転写と定着を同時におこなう構成となっている。
図18は、実施例4の変形例である。この変形例においては、加熱装置21によって中間転写ベルト2を加熱し、中間転写ベルト2上のトナーを溶融して、二次転写ニップにおいて転写と定着とを同時におこなう構成となっている。
図17、図18に示した実施例4においても、実施例1と同様に、二次転写ローラ変位センサ24により検知した二次転写ローラ8の変位に連動して、張力制御手段8によりテンション制御領域T2のベルトテンションを制御する。その結果、中間転写ベルト2の一次転写領域T1の速度低下が抑制され、濃度低下を抑制することができる。
次に、本発明者らがおこなった検証試験について説明する。
検証試験は、まず、図1に示した中間転写方式における画像形成装置とほぼ同じ特性を有するベルト搬送試験機を試作し、さらにそれを再現するシミュレーションモデルを構築した。次に、このシミュレーションモデルを用いて、ニ次転写ローラ8の変位に連動してテンションローラ6の変位を制御した時にどの程度の抑制効果があるのかを検証する試験である。
図19は、検証試験の結果を示す図である。図19(a)は、テンションローラ変位制御をおこなわない場合のテンションローラ変位と、テンションローラ変位制御を行った場合のテンションローラの変位とを示す図である。図19(b)は、テンションローラ変位制御をおこなわない場合の従動ローラ線速変動と、テンションローラ変位制御を行った場合の従動ローラ線速変動とを示す図である。なお、プレニップ部突入による速度変動の部分で、従動ローラ線速変動が落ち込んでいるのは、図1の画像形成装置と異なり、二次転写ローラが従動であることやレイアウトの差であり、抑制効果を検証するのに影響はない。
今回のシミュレーションでは、坪量359[g/m]紙を通紙した場合を想定しており、実施例1で示した係数aを2と設定している。つまり、二次転写ローラ8の変位量Lの2倍の変位量を目標値として、テンションローラ変位を制御している。係数aを大きくすればするほど、突入直後の1回目の線速落ち込みは抑制できるが、一方で残留振動(2回目以降の線速落ち込み)も大きくなってしまうので、実際に適用する画像形成装置において、抑制効果と悪影響を比較しながら決定すればよい。
二次転写ローラ8の変位に連動して、図19(a)に示すようなテンションローラ変位制御を行った場合、図19(b)に示すように、従動ローラ線速変動は、変位制御を行なわない場合に比べて約35[%]程度低減できていることがわかる。
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、複数の張架ローラによって張架され、表面にトナー像を担持して無端移動するトナー像担持ベルトたる中間転写ベルト2と、複数の張架ローラのうちの一つである二次転写対向ローラ5を挟んで対向し、中間転写ベルト上のトナー像をシート状部材たる用紙19に転写する転写ニップたる本ニップ部を形成する転写ローラたる二次転写ローラ8とを有する。また、中間転写ベルト2が複数の張架ローラに張架されることによって形成される複数の張架面のうち、中間転写ベルト2の移動方向下流側端部が本ニップ部となる張架面である転写ニップ下流側張架面たるテンション制御領域T2の張力を制御する張力制御手段28とを有している。そして、二次転写ローラ8の変位に連動して張力制御手段28がテンション制御領域T2の張力を制御するよう構成した。
用紙19の転写ニップへの突入により転写ローラの変位は始まるので、張力制御手段28が転写ローラの変位に連動して張力を制御するよう構成することにより、用紙19の転写ニップへの突入タイミングと一致して、中間転写ベルト2のテンション制御領域T2の張力変化を抑制できる。この張力制御手段28は二次転写ローラ8の変位に連動して動作するものであればよく、二次転写ローラ8または支持体と一体的に設ける必要がないため、設計の自由度があり、テンション制御領域T2の張力制御が効率的におこなうように設計できる。よって、十分な張力変化の抑制効果が得られ、用紙19の突入により発生する中間転写ベルト2の一次転写部の速度変動を良好に抑制することができる。また、張力制御手段28を、二次転写ニップへの突入に伴う二次転写ローラ28の変位に連動して動作させることにより、別途、突入検知手段を設ける必要無いので、コストダウンが図れる。
また、二次転写ローラ8の変位情報を計測する転写ローラ変位情報計測手段たる二次転写ローラ変位センサ24と、二次転写ローラ変位センサ24により計測された変位情報に基づき張力制御手段28を駆動する駆動司令部25とを設ける。張力制御手段28は二次転写ローラ変位センサ24により計測された変位情報に基づきテンション制御領域T2の張力を制御する。これにより、二次転写ローラ変位センサ24よる変位情報に基づく張力制御ができ、テンション制御領域T2の張力制御が効率的におこなうようことができる。
また、張力制御手段28は、中間転写ベルト2の転写ニップ下流側張架面に対して屈曲させるように付勢する付勢ローラたるテンションローラ6と、テンションローラ6の軸を回転自在に支持する軸受部34と、軸受部を転写ニップ下流側張架面に対して直交する方向に移動させる変位手段を構成する駆動モータ30、偏心カム32、レバー33等を備える。そして、駆動司令部25が二次転写ローラ変位センサ24により計測された二次転写ローラ8の変位情報を基に生成する目標値に基づき、張力制御手段28の変位手段を動作させる。このように構成を有することにより、二次転写ローラ8の変位情報に応じて、テンションローラ6の軸を変位させて、適宜中間転写ベルト2に対するテンションローラ6への当接圧を所望の値に制御でき、テンション制御領域T2の張力制御が効率的におこなうようことができる。
また、実施例2に記載するように、図1のテンションローラ6とは別に、テンション制御領域T2に第二のテンションローラ41を設ける。そして、テンションローラ6はそのままで、第二のテンションローラ41を、二次転写ローラ8の変位に連動して外部からの力によってより急激にベルト外側方向に変位させ、テンション制御領域T2のベルトテンション制御をおこなう。このように構成することにより、第2のテンションローラ41が不具合等により想定以上に変位したとしても、テンションローラ6によりある一定以上のベルトテンションを維持できる。
また、実施例3に記載するように、張力制御手段28を構成するテンションローラ6の変位情報を計測する付勢ローラ変位情報計測手段としてのテンションローラ変位センサ31を設け、転写ローラ変位情報計測手段により計測された転写ローラの変位情報を基に生成する目標値に対して、前記付勢ローラ変位情報計測手段により計測された付勢ローラの変位情報をフィードバックして、張力制御手段28を駆動する。このように構成を有することにより、精度良くテンションローラ6を変位させることができる。
また、実施例4に記載するように、二次転写ニップ近傍に設けられ、中間転写ベルト2または用紙19を加熱する加熱手段である加熱装置21を有し、二次転写ニップで中間転写ベルト2上のトナー像を用紙19に転写すると同時に定着するように構成した画像形成装置であっても、上述した各効果を得ることができる。
1Y,C,M,K:感光体
2:中間転写ベルト
3:駆動ローラ
4:入口ローラ
5:二次転写対向ローラ
6:テンションローラ
7:従動ローラ
8:二次転写ローラ
9:レジストローラ
10:揺動アーム
11:搬送ベルト
15:定着装置
19:用紙
21:加熱装置
24:二次転写ローラ変位センサ
25:駆動司令部
26:マイクロプロセッサ
27:メモリ
28:駆動制御手段
29:駆動ドライバ
30:駆動モータ
31:テンションローラ変位センサ
32:偏心カム
33:レバー
34:軸受部
35:ピン
36:テンションバネ
37:演算器(減算器)
38:制御コントローラ部
50:転写ユニット
T1:一次転写領域
T2:テンション制御領域
T3:プレニップ領域
特開2005−338884号公報

Claims (6)

  1. 複数の張架ローラによって張架され、表面にトナー像を担持して無端移動するトナー像担持ベルトと、前記複数の張架ローラのうちの一つと前記トナー像担持ベルトを挟んで対向し、前記トナー像担持ベルト上のトナー像をシート状部材に転写する転写ニップを形成する転写ローラとを有する画像形成装置において、
    前記トナー像担持ベルトが前記複数の張架ローラに張架されることによって形成される複数の張架面のうち、前記トナー像担持ベルトの移動方向上流側端部が前記転写ニップとなる張架面である転写ニップ下流側の前記トナー像担持ベルトの張力を制御する張力制御手段を設け、前記転写ローラの変位に連動して前記張力制御手段が前記トナー像担持ベルトの張力を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、前記転写ローラの変位情報を計測する転写ローラ変位情報計測手段と、前記転写ローラ変位情報計測手段により計測された変位情報に基づき前記張力制御手段を駆動する駆動司令部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、前記張力制御手段は、前記トナー像担持ベルトの前記転写ニップ下流側張架面に対して屈曲させるように付勢する付勢ローラと、前記付勢ローラの軸を回転自在に支持する軸受部と、前記軸受部を前記転写ニップ下流側張架面に対して直交する方向に移動させる変位手段とを備え、前記駆動司令手段が前記転写ローラ変位情報計測手段により計測された転写ローラの変位情報を基に生成する目標値に基づいて前記張力制御手段の変位手段を動作させることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、前記トナー像担持ベルトの前記転写ニップ下流側張架面に対して屈曲させるように付勢する第二の付勢ローラを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3または4の画像形成装置において、前記張力制御手段を構成する付勢ローラの変位情報を計測する付勢ローラ変位情報計測手段を備え、前記駆動司令手段は前記転写ローラ変位情報計測手段により計測された転写ローラの変位情報を基に生成する目標値に対して、前記付勢ローラ変位情報計測手段により計測された付勢ローラの変位情報をフィードバックして、前記張力制御手段を駆動することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、前記転写ニップ近傍に設けられ、前記トナー像担持ベルトまたはシート状部材を加熱する加熱手段を有し、前記転写ニップで前記トナー像担持ベルト上のトナー像をシート状部材に転写すると同時に定着するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
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