JP2011041483A - 核酸分解剤および核酸分解法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターゲット遺伝子の検出作業に先だって、検査器具装置から核酸を完全に排除するために、液相以外の状態(非ウェット状態)で、核酸を有効に分解する能力を備えた核酸分解剤を提供する。
【解決手段】ヒドロキシメチルラジカル、ヒドロペルオキシラジカル、水素ラジカル、ヒドロキシルラジカルを少なくとも含むラジカル種メタノール由来の気相物質(MRガス)を含有し、核酸を非可逆的に分解する核酸分解剤。及び、MRガスを用いて、核酸が存続可能な温度条件下において、非可逆的に核酸を分解し、不活化する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、核酸を分解する非ウェット型の核酸分解剤およびそれを用いた核酸分解法に関する。
従来の核酸分解剤として、核酸分解酵素(nuclease)を含む洗浄液(核酸分解液)が知られている。この種の核酸分解剤は、処理対象物(典型的には、遺伝子を検出するための器具、装置)からそれに付着した不要な核酸を除去するのに利用することができる。
このような核酸分解液を用いた核酸分解法では、処理対象物を核酸分解液に漬けてそれに付着している核酸を水溶性の成分に分解する。しかる後、処理対象物を水洗いして、水溶性の成分を洗い流した後、乾燥させる。このため、この種の核酸分解法は、処理工程が複雑で、時間を要する。また、処理対象物の微細構造部に核酸分解液が十分に浸透しない可能性や、あるいは、一部に核酸分解液が残留することがある(特許文献1)。
特定の遺伝子(ターゲット遺伝子)を検出するための検査器具、装置が知られている。この種の器具、装置がターゲット遺伝子以外の遺伝子情報をもつ不要な核酸で汚染されていると、検査の際、ターゲット遺伝子の検出精度が低下し、あるいは、器具、装置に付着した核酸に含まれる遺伝子が誤って検出される可能性がある。このため、ターゲット遺伝子の検出作業に先だって、検査器具、装置から核酸を完全に排除することが望まれる。
特開2005−261265号公報
したがって、当該技術分野において、液相以外の状態(非ウェット状態)で、核酸を有効に分解する能力を備えた核酸分解剤を提供するニーズがある。
さらに、この種の非ウェット型の核酸分解剤を用いて、簡便かつ有効に核酸を分解する核酸分解法を提供するニーズがある。
遺伝子検査装置、器具から、汚染物質である核酸を完全に除去できる核酸分解法(核酸除染法)を提供することが、当該技術分野において、強く要望されている。
本発明によれば、核酸を非可逆的に分解する核酸分解剤であって、当該核酸分解剤は、メタノール由来の気相物質(MRガス)であり、MRガスは、ヒドロキシメチルラジカル、ヒドロペルオキシラジカル、水素ラジカル、ヒドロキシルラジカルを少なくとも含むラジカル種を含有する、核酸分解剤が提供される。
本願発明者は、MRガスが核酸を非可逆的に分解する能力をもつことを見いだした。
本発明の核酸分解剤(MRガス)は、従来技術の核酸分解液(液相物質)とは対照的に、気相物質である。そして、このMRガスを核酸分解剤として利用する、本発明の核酸分解法は、従来の核酸分解法に不可欠であった水処理、乾燥処理が、本質的に不要であり、簡単である。
さらに、本発明の一形態によれば、本発明の核酸分解剤(MRガス)を使用して核酸を分解する核酸分解法であって、付着する核酸で汚染した可能性のある処理対象物を、核酸が存続可能な範囲内の加熱温度で加熱する加熱ステップと、前記加熱ステップと同時に、前記処理対象物をMRガスに所定時間、暴露する暴露ステップを有する核酸分解法(MRガス暴露加熱同時方式)が提供される。
一般に、処理対象物に対する、本発明の核酸分解法(核酸除染法)の適用において、MRガスによって処理対象物(特に、金属製の処理対象物、または処理対象物の金属部分)が腐食されることはなく、望ましい。すなわち、本発明の核酸分解法は、本質的に、非腐食性を有している。
好ましくは、前記加熱温度は、前記処理対象物を劣化無しに反復して加熱可能な範囲内である。
好ましくは、前記加熱温度は、50℃〜70℃である。また、前記所定時間(暴露同時加熱時間)は1時間以上であれば十分である。
本発明の別形態によれば、核酸分解剤(MRガス)を使用して核酸を分解する核酸分解法であって、付着する核酸で汚染した可能性のある処理対象物を、核酸が存続可能な範囲内の加熱温度で所定時間、加熱する加熱ステップと、前記加熱ステップに先だって、前記処理対象物をMRガスに所定時間、暴露する暴露ステップを有する核酸分解法(MRガス暴露後加熱方式)が提供される。
本発明の核酸分解剤(MRガス)は気相物質である。MRガスを使用する本発明の核酸分解法は、核酸分解液を使用する従来の核酸分解法と異なり、本質的に、水処理、乾燥処理が不要であり、実に簡便である。
本発明の気相核酸分解剤(MRガス)を用いた核酸分解法を実施するのに用いられる核酸分解装置の外観斜視図である。 図1の核酸分解装置の構成を模式的に示す斜視図である。 図2のMRガス供給装置のブロック図である。 図3のMRガス発生器の構成図である。 MRガスの反応経路とともに生成されるラジカル種を示す図である。 量の異なる健全な鋳型ゲノムDNA(タイプ1:69237)に対してリアルタイムPCRを適用して得られた検量線のグラフである。 量の異なる健全な鋳型ゲノムDNA(タイプ2:70572-3)に対してリアルタイムPCRを適用して得られた検量線のグラフである。 特定の動作条件(条件1:加熱温度70℃、暴露時間1時間)のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料1に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 条件1のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料2に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 条件1のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の対比として、ポジティブコントロール(MRガスを暴露していない各量の鋳型ゲノムDNA試料)に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 他の特定条件(条件2:加熱温度50℃、暴露時間1時間)のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料1に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 条件2のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料2に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 条件2のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の対比として、ポジティブコントロール(MRガスを暴露していない各量の鋳型ゲノムDNA試料)に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 他の特定条件(条件3:加熱温度50℃、暴露時間3時間)のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ2試料1に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 条件3のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ2試料2に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 条件3のMRガス暴露同時加熱による核酸分解法の対比として、ポジティブコントロール(MRガスを暴露していない各量の鋳型ゲノムDNA試料)に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。 MRガス暴露後加熱による核酸分解法の効果を示す図であり、乾固した各種ゲノム試料に対して、核酸分解法を選択的に適用した後、リアルタイムPCR蛍光反応を実施、測定した結果を示す図である。 MRガス暴露後加熱による核酸分解法の効果を示す図であり、溶液中の各種ゲノム試料に対して、核酸分解法を選択的に適用した後、リアルタイムPCR蛍光反応を実施、測定した結果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
MRガスはメタノール由来の気相物質であり、様々なラジカル種を含有し、非常に高い反応性を有する。本願発明者は、MRガスが、核酸を非可逆的に分解する能力をもつ新規な核酸分解剤として有用であることを発見した。MRガスは、メタノールを出発物質とし、これを触媒により反応を引き起こすことにより、生成される。MRガスの反応経路の全容、詳細は特定されていない。
図5に、判明しているMRガスの反応経路(全反応経路の一部と考えられる)を示す。図示のように、MRガスに含有されるラジカル種は、ヒドロキシルメチルラジカル[・CH] (hydroxymethyl radical)、ヒドロペルオキシラジカル[HO・](hydroperoxy radial)、水素ラジカル[H・](hydrogen radical)、ヒドロキシルラジカル[HO・](hydroxyl radical)を少なくとも含んでいる。
本発明の核酸分解法は、このMRガスを核酸分解剤として利用するものである。本発明の核酸分解法は、気相の核酸分解剤を使用することから、従来のような水洗処理、乾燥処理は、原理上、不要であり、簡便である。
一形態において、核酸分解法は、付着する核酸で汚染した可能性のある処理対象物を、核酸が存続可能な範囲内の加熱温度で加熱する加熱ステップと、前記加熱ステップと同時に、前記処理対象物をMRガスに所定時間、暴露する暴露ステップを有する(MRガス暴露同時加熱方式)。加熱ステップは、処理対象物(特に、最大許容温度が低いプラスチック製処理対象物またはそのプラスチック部分)を劣化無しに反復して加熱可能な範囲内の加熱温度で、実施可能である。別の形態において、核酸分解法は、付着する核酸で汚染した可能性のある処理対象物を、核酸が存続可能な範囲内の加熱温度で所定時間、加熱する加熱ステップと、前記加熱ステップに先だって、前記処理対象物をMRガスに所定時間、暴露する暴露ステップを有する(MRガス暴露後加熱方式)。本願発明者は、意図しない核酸で汚染された処理対象物(典型的には遺伝子検査装置、器具)を本発明の気相核酸分解剤「MRガス」に暴露し、暴露と同時または暴露後に加熱することにより、核酸が非可逆的に分解され、処理対象物が事実上完全に除染されることを見いだした。
次に、本発明の気相核酸分解剤(MRガス)による核酸分解法を実施するのに用いられる核酸分解装置について説明する。図1に、この種の核酸分解装置10の外観を示し、図2に核酸分解装置10の内部構成を模式的に示す。この核酸分解装置10は、図示しない処理対象物を収容する、密閉構造のNP処理室(nucleolytic process chamber)20と、NP処理室20内にMRガスを供給するMRガス供給装置30を備えている。動作の際、処理対象物は、NP処理室20に収納され、MRガスによる核酸分解処理が適用される。
NP処理室20は、耐試薬性、耐熱性、耐圧性を有する。NP処理室20の前面には処理対象物を出し入れするための開口部21が設けられている。開口部21には扉22が設けられており、扉22を閉じるとNP処理室20内が気密に密閉される構造になっている。NP処理室20のMRガス供給部30側隔壁20aには、NP処理室20内にMRガスを導入するための導入口23及び排ガスを排出するための排出口24が設けられている。導入口23にはMRガス導入管31の下流端が、排出口24には排気管32の上流端が、それぞれ接続されている。MRガス導入管31の上流端はMRガス供給装置30のMRガス排出口30aに、排気管32の下流端はMRガス供給装置30の排ガス吸気口30bに、それぞれ接続されている。
NP処理室20の側壁内部には、NP処理室20内の温度を調節するための電熱ヒータ(室温調節用ヒータ)25が設けられている。また、NP処理室20内には、処理対象物を載置するための図示しない台(棚)が設けられており、この台(棚)の上に、図示しない電熱ヒータ(対象加熱用ヒータ)が設置されていて、載置した処理対象物を加熱するのに使用される。各電熱ヒータには図示しない温度センサが設けられており、その温度センサの出力がMRガス供給装置30内の制御器60(図3参照)に入力される。
また、MRガス供給装置30の前面部には、核酸分解処理のモード(暴露同時加熱/暴露後加熱)の選択、処理時間(暴露時間/加熱時間)の設定、供給されるMRガスの濃度、温度T1、湿度、対象加熱用ヒータの温度T2、NP処理室20の温度(室温調節用ヒータの温度T3)の設定等をするための各種操作子61や状態表示器62が設けられている。
図3にMRガス供給装置30の構成を示す。MRガス供給装置30は、MRガスを発生するMRガス発生器40と、このMRガス発生器40からのMRガスを密閉されたNP処理室20内に導入するガス搬送系50と、制御器60を備えている。制御器60は、MRガス発生器40およびガス搬送系50の動作を制御するとともに、NP処理室20の各電熱ヒータへの通電を制御するように構成されている。
図4にMRガス発生器40の構成を示す。MRガス発生器40内には、図示しないメタノール供給源から搬送管41を通してメタノールが供給される気化室42と、気化室42を周囲から加熱する第1温度調節器43と、気化室42の上方に接続された略円筒状の触媒槽44と、触媒槽44を周囲から加熱する第2温度調節器45とが設けられている。触媒槽44には、粒状化した触媒46が充填されている。触媒46には、白金、銅、アルミニウム、または炭素、あるいはこれらの混合物が用いられる。
MRガス発生器40にてMRガスを発生させる際、まず気化室42内に所定量のメタノールが供給される。気化室42に供給されたメタノールは、加熱により気化されて触媒槽44に供給される。触媒槽44内では、メタノールガスに触媒が作用することにより、HCHO(ホルムアルデヒド)および各種ラジカル種(ヒドロキシルメチルラジカル、ヒドロペルオキシラジカル、水素ラジカル、ヒドロキシルラジカル等)を含むMRガスが発生する(図5参照)。MRガスの発生量は、気化室42におけるメタノールの気化量、触媒槽44に供給されるメタノールガスの量、触媒槽44の加熱温度、等の動作条件に依存する。メタノールを出発物とし、触媒反応によって生成されるMRガスには、多様なラジカル種が含まれ、ラジカル種を介して核酸分解能が発現すると推測される。
図3において、ガス搬送系50は、外気またはMRガス(MRガスまたはMRガスと外気との混合気体)をNP処理室20内に送り込む吸気ポンプ(ガス搬送器)51と、NP処理室20内に供給するMRガスの湿度を調節する湿度調節器52と、NP処理室20内に供給するMRガスの温度を調節する温度調節器53と、NP処理室20内からの排ガスを処理(不活性化)するための排ガス処理器54、処理済の排ガスを排出する排気ポンプ(ガス排出器)55とを有する。排気ポンプ55の排気口側通路と吸気ポンプ51の吸気口側通路は、還流空気通路56により接続されている。
MRガス供給装置30(図3)において、MRガス発生器40、吸気ポンプ51、湿度調節器52、温度調節器53、排ガス処理器54および排気ポンプ55は、制御器60により制御される。
制御器60は、MRガス発生器40を制御することによりMRガスの濃度(発生量)を所定範囲の濃度に制御するとともに、湿度調節器52と温度調節装置53とを制御することによりNP処理室20内に供給するMRガスの温度および湿度を所定の範囲に制御する。さらに、制御器60は、吸気ポンプ51と排気ポンプ55とを制御することによりNP処理室20内へのMRガスの搬送量およびNP処理室20内からの排ガスの排出量を制御する。また、制御器60は、NP処理室20内の温度センサの検出値に応じて、各電熱ヒータに通電する電流量を制御する。
次に、上記核酸分解装置10を用いた核酸分解法の実施について説明する。
核酸分解法の実施に際し、処理対象物およびNP処理室20の取り扱いならびにMRガス供給装置30の操作は専門の作業員が行う。まず、除染すべき処理対象物(たとえば、遺伝子検査装置)をNP処理室20内に収容し、扉22を閉める。次に、核酸分解法として、MRガス暴露同時加熱によるモード、またはMRガス暴露後加熱モードのいずれかをモード選択操作子により、選択する。
MRガス暴露同時加熱による核酸分解法を実施する場合は、パラメータ設定として、供給されるMRガスの温度T1、ガス湿度、処理対象物の加熱温度T2(対象物用ヒータの温度)、NP処理室20の温度T3(室温調節用ヒータの温度)等を設定する。ガス温度T1は、たとえば、20℃〜40℃の範囲から選ばれ、ガス湿度は、たとえば、相対湿度80〜90%の範囲から選ばれ、加熱温度T2は、たとえば、50℃〜70℃の範囲から選ばれる。MRガス温度T1、加熱温度T2、処理対象物の最高許容温度T0について、T1<T2<T0の関係が成り立つ。また、NP処理室温度T3は加熱温度T2より低く設定される。つぎに、核酸分解装置10を起動する。これにより、対象物用ヒータ及び室温調節用ヒータへの通電が開始され、対象物用ヒータの温度が設定加熱温度T2になったら、NP処理室20内にMRガスが導入され、NP処理室20内に収容されている処理対象物が、MR暴露下で加熱され、核酸の除染が行なわれる。その際、NP処理室20内に供給されるMRガスの温度は設定温度T1に制御される。また、供給されるMRガスの湿度は設定された湿度H1に制御される。なお、この例では、室温調節用ヒータ25を作動させてMRガス供給前のNP処理室20内の温度調節を行っているが、外気温が30℃程度であれば、NP処理室20内の温度調節を行わずにMRガスの供給を開始してもよい。
MRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の実施において、MRガスの供給を開始してから設定された処理時間HR1(暴露同時加熱時間)が経過すると、MRガスの供給が停止されるとともに、各電熱ヒータへの通電が遮断される。このとき、処理対象物の表面に付着していた核酸は、この核酸分解処理により、十分に分解され、処理対象物は、除染されている。つづいて、排気運転が開始される。排気運転は、MRガス発生器40を停止させた状態で、吸気ポンプ51および排気ポンプ55を運転することにより行う。これにより、NP処理室20内からの排ガスが排ガス処理器54で処理される。処理された排ガスは、還流空気通路56を介して吸気ポンプ51に供給され、再度、NP処理室20内に供給することによりNP処理室20内の空気を循環させる。この処理をNP処理室20内のMRガス濃度が所定の値より低くなるまで実施する。その後、NP処理室20内に外気を取り込む換気運転が行われる。
以上の一連の工程を終えた後、作業者は、NP処理室20内から核酸が除染された処理対象物を取り出す。
一方、MRガス暴露後加熱による核酸分解法を実施する場合は、加熱ステップに先立って、常温下で、処理対象物をMRガスに暴露させる。たとえば、NP処理室20内が常温である温度(20℃〜40℃の範囲から選ばれる)状態で、NP処理室20内にMRガスが供給され、NP処理室20内に収容されている処理対象物にMRガスを暴露させる。その際、処理室20内に供給されるMRガスの温度も処理室20内の温度とほぼ同じ温度T1に制御される。また、供給されるMRガスの湿度は設定された湿度H1に制御される。
MRガス暴露後加熱による核酸分解法の実施において、MRガスの供給を開始してから所定時間(MRガス暴露時間HR1)が経過すると、MRガスの供給が停止される。それと同時に、加熱ステップに移行するために、電熱ヒータ25および対象物用ヒータへの通電量が増加され、対象物用ヒータが加熱温度T2になるまで加熱される。これにより、加熱ステップのモードになる。この間、NP処理室20内にはMRガスが残存している。
所定時間(加熱時間HR2)の間、加熱ステップを実行した後、各電熱ヒータ(電熱ヒータ25および対象物用ヒータを含む)への通電が停止される。つづいて排気運転が開始される。すなわち、MRガス発生器40を停止させた状態で、吸気ポンプ51および排気ポンプ55が運転される。そして、NP処理室20内からの排ガスを排ガス処理器54により処理する。排ガス処理器54により処理された排ガスは、還流空気通路56を介して吸気ポンプ51に供給され、再度、NP処理室20内に供給することによりNP処理室20内の空気を循環させる。この処理をNP処理室20内のMRガス濃度が所定の値より低くなるまで実施する。その後、NP処理室20内に外気を取り込む換気運転が行われる。その後は、MRガス暴露同時加熱による核酸分解処理と同様である。
なお、本発明の核酸分解法によれば、HCHOの換算濃度が200〜400ppmあるいはそれ以下の極めて低濃度のMRガスを使用することが可能であるので、HCHOの残留が問題となることはなく安全かつ確実に核酸分解処理を実施できる。
なお、上記実施形態ではMRガス供給装置30のガス搬送系50が二つのポンプ51、55を備えた構成例について説明したが、ポンプを一つだけ備え、そのポンプによって処理容器内へのガスの供給および排出がなされるように構成してもよい。また、MRガスをNP処理室20に循環させるガス循環ループを設けてもよい。
以下に、本発明の核酸分解処理方法の実施例を列挙する。まず、MRガス暴露同時加熱方式の実施例を説明し、後で、MRガス暴露後加熱方式の実施例を説明する。
以下、MRガス暴露同時加熱方式の実施例について説明する。ここでは、ヒト遺伝子の分解処理に適用した場合を例示する。
[分解対象としたヒトゲノムDNA]
・69237(Novagen社製):150ng、15ng、1.5ng、0.15ngに調製し、96穴マイクロプレート(96-well microtiter plate)の穴(ウェル)底に乾固させた。
・70572-3(Novagen社製):180ng、18ng、1.8ng、0.18ngに調製し、96穴マイクロプレートの穴(ウェル)底に乾固させた。
[MRガス暴露及び加熱条件]
・暴露装置:MRガスシステム((株)バイオメディア社製)
・暴露時間:1時間または3時間
・MRガス:触媒温度450℃に達した際のMRガス濃度(ホルムアルデヒド濃度換算で1,500ppm)、ガスレベル2A
・加熱構造:96穴のアルミブロックにヒートブロック(対象加熱用ヒータ)を埋め込み、アルミブロックごと加熱する。暴露時に96穴マイクロプレートをアルミブロックに嵌め合わせた。
・同時加熱温度:50℃または70℃(アルミブロックの温度を熱電対により追跡)
[実験]
条件1: 暴露同時加熱温度70℃、暴露時間1時間、ヒトゲノムDNAは69237(Novagen社製)
条件2: 暴露同時加熱温度50℃、暴露時間1時間、ヒトゲノムDNAは69237(Novagen社製)
条件3: 暴露同時加熱温度60℃、暴露時間3時間、ヒトゲノムDNAは70572-3(Novagen社製)
[PCR]
PCR自動測定装置(TaqMan(R) RNase P Detection Reagents(FAM(TM))を用いて、リアルタイムPCRを実施し、同じ反応条件で、サイクル毎に96穴マイクロプレートのウェル内ゲノム量を蛍光反応強度により検査した。希釈系列上の各鋳型量のDNA試料から検出したCt値から検量線(standard curve)を作成した。PCRで増幅生成さアンプリコン(amplicon)のサイズは100bp以下である。なお、Ct値とは、検出閾値の蛍光強度(生成物であるアンプリコンの生成量を表す)が検出されたときのPCRサイクル数(threshold cycle)を指す。
ゲノムDNAタイプ1(69237)及びゲノムDNAタイプ2(70572-3)に対する、リアルタイムPCRの定量範囲を、それぞれ、図6、図7に示すように、確認した。鋳型量について、ゲノムDNAタイプ1は、150ng、15ng、1.5ng、0.15ng、0.015ngの対数希釈試料を作製し、ゲノムDNAタイプ2は、180ng、18ng、1.8ng、0.18ng、0.01ngの対数希釈試料を作製した。なお、検量線の信頼値はそれぞれ99.8%(図6)、99.9%(図7)と高い一致度を示した。
前記PCR自動測定装置を使用した反応系ではゲノムDNAタイプ1は、最小15pgまで、ゲノムDNAタイプ2は、最小18pgまで定量可能である。ゲノム15pgのコピー数は2.3コピー、18pgのコピー数は2.7コピーであるので検出感度としては十分であると考えられる。なお、コピー数は次式により計算される。
コピー数=(ゲノム重量×6×1023)/(3×10×2×330×2)
このPCR反応系を用いてMRガス暴露同時加熱処理後の残存ゲノムDNA量を定量し、分解効果の指標とした。
[条件1: 暴露同時加熱温度70℃、暴露時間1時間]
条件1で核酸分解処理したゲノムDNA(タイプ1)に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応を図8から図10に示す。詳細には、図8は、条件1のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料1に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。同様に、図9は、条件1のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料2に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。図10は、条件1のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の対比(ポジティブコントロール)として、MRガスを暴露していない各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。図8から図10の各図において、鋳型ゲノムDNAの分量は、(a)が150ng、(b)が15ng、(c)が1.5ng、(d)が0.15ng、(e)がゼロである。各グラフの縦軸は蛍光強度(アンプリコン生成量を表す)、横軸は実施したPCRサイクル数である。驚くべきことに、MRガスに暴露され加熱されたゲノムDNAのPCR蛍光反応は、分量ゼロのゲノムDNA試料のPCR蛍光反応とほぼ同様になっている。これらの結果から、99.9%を超えて(150ngのゲノムDNA試料の場合で、約99.9%の分解率)、ほとんどのゲノムDNAは、条件1の暴露同時加熱処理により、分解されたことが確認された。
[条件2: 暴露同時加熱温度50℃、暴露時間1時間]
条件2で核酸分解処理したゲノムDNA(タイプ1)に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応を図11から図13に示す。詳細には、図11は、条件2のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料1に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。同様に、図12は、条件2のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料2に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。図13は、条件1のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の対比(ポジティブコントロール)として、MRガスを暴露していない各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。図11から図13の各図において、鋳型ゲノムDNAの分量は、前と同様に、(a)が150ng、(b)が15ng、(c)が1.5ng、(d)が0.15ng、(e)がゼロである。同様に、各グラフの縦軸は蛍光の相対強度、横軸はPCRサイクル数である。条件2では、加熱温度を条件1の70℃から50℃に下げたにもかかわらず、図11および図12に示すように、顕著なDNA分解作用が観測された。図示のように、PCRサイクル数が30以下において、PCR生成物であるアンプリコンは、実質、増幅していないことが読みとれる。99%以上のゲノムDNAが加熱温度50℃、暴露加熱同時処理時間1時間の核酸分解処理により、分解したことが判明した。
[条件3: 暴露同時加熱温度50℃、暴露時間3時間]
条件1、2から、MRガスの核酸分解能(またはPCR阻害効果)について、試料のゲノムDNA量との相関、MRガス暴露された対象の加熱温度との相関が確認されたので条件3の実験では暴露時間を過剰にして、ゲノムDNAの分解効果を検証した。なお、鋳型ゲノムDNA試料としては、タイプ2(70572-3)を使用した。条件3で核酸分解処理したゲノムDNA(タイプ2)に発生したリアルタイムPCR蛍光反応を図14から図16に示す。詳細には、図14は、条件3のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の効果を示す図であり、この核酸分解処理を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ2試料1に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。同様に、図15は、条件3のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の効果を示す図であり、この核酸分解法を適用した各量の鋳型ゲノムDNAタイプ1試料2に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。図16は、条件3のMRガス暴露同時加熱による核酸分解処理の対比(ポジティブコントロール)として、MRガスを暴露していない各量の鋳型ゲノムDNAタイプ2試料に対して実施したリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果を示す図である。図14から図16の各図において、鋳型ゲノムDNA(タイプ2)の分量は、(a)が180ng、(b)が18ng、(c)が1.8ng、(d)が0.18ng、(e)がゼロである。各グラフの縦軸は蛍光強度(アンプリコン生成量を表す)、横軸は実施したPCRサイクル数である。驚くべきことに、3時間にわたり、MRガスに暴露され加熱(温度50℃)されたゲノムDNAのPCR蛍光反応は、分量ゼロのゲノムDNA試料のPCR蛍光反応(アンプリコン生成量はゼロと考えられる)と差異が観測されなかった。この結果から、事実上100%のゲノムDNAが、条件3の暴露同時加熱処理により、分解されたと認められる。
[MRガス核酸分解能]
なお、実施例で述べたPCRのアンプリコンサイズは100bp以下であり、核酸分解処理後のヒトゲノムのPCR反応が阻害されているという観察結果から、核酸分解処理により、ヒトゲノムDNAは、100bp以下のレベルに裁断、もしくはPCRで増幅できないように不活化していることが示唆される。このことはPCRを用いるヒト遺伝子検出装置の品質を保証する上で非常に有意である。
以下、MRガス暴露後加熱方式による核酸分解法の実施例を説明する。
[試験サンプル調製]
試験対象の核酸としてヒトゲノムDNA(TaqMan(R) Β-actin Control Reagents, Part No.401846)を使用した。このヒトゲノムDNAをそれぞれ15ng、1.5ng、0.15ng分、PCRチューブ内の1.5μl溶液に添加し、その後、ホットプレートにて乾固させたものを試料(乾燥試料)として調製した。同様に、PCRチューブにセットされ、同量のヒトゲノムDNAを含有する溶液のものも試料(溶液試料)として調製した。
[MRガス暴露後加熱]
小型MRガス発生装置のガス室に、試料の入った各PCRチューブからキャップを取り外して、セットし、各試料にMRガスを180分間、暴露した。MRガス暴露は、温度41.9〜44.2℃、湿度73.6〜87.5%RHの条件下で実施した。また、MRガス暴露中、ファンにてガス室内のガス循環を行った。暴露後、PCRチューブのキャップを閉じた状態で恒温槽にて90℃、30分間の加熱処理を行った。
[PCR実施]
MRガスを暴露後加熱処理した各試料にリアルタイムPCRを実施して、MRガス暴露後加熱処理によるゲノムDNAの不活効果を確認した。詳細には、暴露後加熱処理した試料のPCRチューブ内に、滅菌蒸留水、PCR buffer、3.5mMのMgCl2、200μMのdNTPs、300nMのΒ-actin forward primer、300nMのΒ-actin reverse primer、200nMのTaqMan (TR) Β-actin probe、0.025U/μlのTaq DNA polymeraseを添加して全量25μlのリアルタイムPCR反応溶液を調製した。その後、Cepheid社製Smart Cycler (TR) Systemにより、最初に95℃600秒(酸素活性化)を1サイクル行った後、95℃15秒(熱変性)、60℃60秒(アニーリング/伸長)を1サイクルとして50サイクル行うことによってPCR蛍光反応を測定した。なお、PCR反応生成物であるアンプリコンDNAのサイズは295bpである。
[試験結果]
試験結果を図17および図18に示す。図17は、乾固したヒトゲノムDNA試料に対して、MRガス暴露後加熱による核酸分解処理を選択的に適用した後、リアルタイムPCR蛍光反応を実施、測定した結果を示す。一方、図18は、溶液中のヒトゲノムDNA試料に対して、MRガス暴露後加熱による核酸分解法を選択的に適用した後、リアルタイムPCR蛍光反応を実施、測定した結果を示したものである。
図17、図18において、「sample」は、MRガス暴露後加熱による核酸分解処理を適用したヒトゲノムDNAの試料を表している。一方、「control」は、対比として、MRガス暴露後加熱による核酸分解法を適用しなかった(MRガスを暴露しなかった)ヒトゲノムDNA試料を表している。また、「negative control」は、対比として、ヒトゲノムDNA試料がないことを表している。「(s)」は、試料が乾固した(固体)試料であることを表し、「(l)」は、試料が溶液(液体)試料であることを表している。たとえば、「sample 1.5ng (s)」が指すサイクル/蛍光強度のプロット(図17)は、MRガス暴露後加熱による核酸分解処理を適用した1.5ngのヒトゲノムDNAの乾固試料から得られたリアルタイムPCR蛍光反応の測定結果である。
図17のリアルタイムPCR蛍光反応測定グラフに示すように、ヒトゲノムDNAを乾固させた状態で核酸分解処理を適用した試料については、量が15ngと1.5ngの試料がサイクル数30以上で、若干の蛍光強度(PCR反応生成物の量を表す)の増加を呈したものの、0.15ngの処理適用乾固試料では、PCR反応の増幅は認められなかった。
また、図18のリアルタイムPCR蛍光反応測定グラフに示すように、ヒトゲノムDNAを溶液中においた状態で核酸分解処理を適用した試料については、15ng、1.5ng、0.15ngのいずれも、PCR蛍光反応の増加を示さず、鋳型無しのPCR蛍光反応グラフ(negative controlのグラフ)と同様になった。
このようにして、MRガス暴露後加熱による核酸分解処理によっても、核酸が非可逆的に分解されることが確認された。
多様なラジカル種を含有するMRガスを気相の核酸分解剤として使用する本発明の核酸分解法は、核酸を気相雰囲気下で効果的に分解できるので、遺伝子を検出するための各種デバイス(バイオチップ、マイクロ流体デバイス、等)の品質保証に有効に利用できる。また、この種のデバイスの使用後における核酸分解処理やPCR産物の分解処理にも利用できる。以上で、実施形態の説明を終えるが、本発明の趣旨から逸脱すること無しに、種々の変更が当業者には自明である。したがって、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみ規定されるべきである。
10 核酸分解装置
20 NP処理室
30 MRガス供給装置
40 MRガス発生器
42 気化室
43 触媒槽
50 ガス搬送系
51 吸気ポンプ(MRガス搬送器)
52 湿度調節器
53 温度調節器
54 排ガス処理器
55 排気ポンプ(ガス排出器)
60 制御器

Claims (6)

  1. 核酸を非可逆的に分解する核酸分解剤であって、当該核酸分解剤は、メタノール由来の気相物質(MRガス)であり、MRガスは、ヒドロキシメチルラジカル、ヒドロペルオキシラジカル、水素ラジカル、ヒドロキシルラジカルを少なくとも含むラジカル種を含有する、核酸分解剤。
  2. 請求項1に記載の核酸分解剤(MRガス)を使用して核酸を分解する核酸分解法であって、
    付着する核酸で汚染した可能性のある処理対象物を、核酸が存続可能な範囲内の加熱温度で加熱する加熱ステップと、
    前記加熱ステップと同時に、前記処理対象物を前記MRガスに所定時間、暴露する暴露ステップを
    有する核酸分解法。
  3. 前記加熱温度は、前記処理対象物を劣化無しに反復して加熱可能な範囲内である、請求項2に記載の核酸分解法。
  4. 前記加熱温度は50℃〜70℃である、請求項2に記載の核酸分解法。
  5. 前記所定時間は1時間以上である、請求項2に記載の核酸分解法。
  6. 請求項1に記載の核酸分解剤(MRガス)を使用して核酸を分解する核酸分解法であって、
    付着する核酸で汚染した可能性のある処理対象物を、核酸が存続可能な範囲内の加熱温度で所定時間、加熱する加熱ステップと、
    前記加熱ステップに先だって、前記処理対象物を前記MRガスに所定時間、暴露する暴露ステップを
    有する核酸分解法。
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