JP2011039253A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広い紙種に対して、良好な定着性と記録紙のシワの発生とを経時にわたり抑制することができる定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御部63は、ラダーパターンが形成された用紙を定着ニップへ搬送し、ラインセンサ61で、横線の通過タイミングを測定して、搬送速度分布を検知する。検知した搬送速度分布が、凸形状で、端部と中央部との速度差が、0.1[%]以上の場合は、検知した速度分布に基づいて、撓み調整量を演算し、演算した撓み調整量分、押付け力調整機構67を制御して、定着ローラ42を撓ませる。
【選択図】図7

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、記録紙に転写された未定着トナー像を定着させるための定着装置が搭載されている。定着装置は、例えば定着ローラと加圧ローラとで形成された定着ニップ部にトナー像が転写された記録紙を通過させることで記録紙上にトナー像を定着させる。
この種の定着装置においては、定着工程時に記録紙にシワが生じてしまうことがあった。そのため、特許文献1には、図9に示すように、駆動モータにより回転駆動する定着ローラ42の弾性層42bの両端部の厚みを中央部よりも厚くして、定着ローラ42の形状を両端部よりも中央部が小径の所謂「逆クラウン形状」とした定着装置が記載されている。定着ローラ42の形状を逆クラウン形状にすることで、外径の大きい端部の周速が中央部に比べて速くなり、定着ニップの記録紙に紙幅方向外側に引っ張る力が働く。記録紙が、このような紙幅方向外側に引っ張る力を受けることで、シワの発生を抑制することができる。
しかしながら、定着ローラ42を逆クラウン形状にした場合、中央部のニップ圧が低下してしまい、中央部の定着性能が両端部に比べて低下してしまう。特に、記録紙として厚紙を用いた場合、中央部に定着不良が生じるおそれがあった。そこで、定着ローラ42の両端部の外径と中央部の外径との差を小さくし、中央部のニップ圧の低下を抑制し、中央部の定着性能の低下を抑制することも考えられる。しかし、この場合、定着ローラ42の弾性層42bが劣化して、弾性層42bの弾性反発力が低下すると、定着ニップから定着ローラ42の回転中心までの距離が定着ローラ42の両端部と中央部とでほぼ同じなり、記録紙のシワを経時で抑制できなくなってしまうという問題があった。さらに、薄紙などのシワが生じやすい記録紙の場合は、十分にシワを抑制できないという問題もあった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、幅広い紙種に対して、良好な定着性と記録紙のシワの発生とを経時にわたり抑制することができる定着装置および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動源により回転駆動され、少なくとも弾性層を有する駆動部材と、少なくとも弾性層し、該駆動部材に接触して該駆動部材との間に定着ニップを形成する従動部材と上記定着ニップを通過する記録紙を加熱する加熱手段とを備えた定着装置において、上記駆動部材または従動部材を上記定着ニップ側へ押圧したとき、駆動部材の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端部付近よりも短くなるよう、上記駆動部材または上記従動部材を撓ませる撓み形成手段と、上記定着ニップ入口の上記記録紙の幅方向の速度分布を検知する速度分布検知手段と、該速度分布検知手段の検知結果に基づいて、上記駆動部材または上記従動部材の撓み量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において上記撓み形成手段は、上記駆動部材の回転軸の両端を上記定着ニップ側へ押圧して、該駆動部材を撓ませることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の定着装置において、上記記録紙の適正な速度分布を記憶する記憶手段を備え、該記憶手段に記憶された適正な速度分布と、上記速度分布検知手段で検知した速度分布とに基づいて、撓み量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの定着装置において、上記制御手段は、上記撓み量に基づいて、上記加熱手段を制御することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、記録紙にトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録紙のトナー像を定着する定着手段と、情報を記憶する記憶手段と、情報を報知する報知手段とを備える画像形成装置において、該定着手段として、請求項1乃至4いずれかの定着装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記記憶手段は、上記記録紙にシワが発生する限界速度分布を記憶しており、上記制御手段は、上記速度分布検知手段の検知結果が、上記限界速度分布に達しているか否かを判定し、達している場合は、上記報知手段で上記定着装置の交換する旨を報知することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の画像形成装置において、上記記憶手段は、上記記録紙にシワが発生する限界速度分布を記憶しており、上記制御手段は、上記速度分布検知手段の検知結果が、上記限界速度分布に達しているか否かを判定し、達している場合は、定着動作を禁止することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5乃至7いずれかの画像形成装置において、上記記憶手段は、上記速度分布検知手段が検知した検知結果を時系列に記憶しており、上記制御手段は、上記記憶手段に時系列で記憶された検知結果に基づいて、上記定着装置の寿命を予測し、上記定着装置の寿命が近いと予測した場合は、上記報知手段で上記定着装置の交換する旨を報知することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項5乃至8いずれかの定着装置において、上記記憶手段は、記録紙の種類毎に上記速度分布検知手段が検知した検知結果を時系列に記憶しており、上記制御手段は、上記記憶手段に時系列で記憶された検知結果に基づいて、記録紙の種類毎に記録紙のシワの発生確率が高くなる閾値を算出し、該閾値を超える記録紙が使用される場合、上記報知手段でシワが発生する確率が高い旨を報知することを特徴とするものである。
本発明によれば、定着ニップ入口の記録紙の幅方向の速度分布を検知する速度分布検知手段を備えているので、速度分布検知手段の検知結果に基づいて、記録紙にシワが発生するか否かを把握することができる。以下に、具体的に説明する。定着ニップ内で、記録紙に幅方向内側に引っ張る力が働くなどして、定着ニップ内で記録紙の両端付近が、記録紙の中央部へ微小に移動すると、定着ニップ入口の記録紙の両端部付近の搬送速度が、中央部に比べて遅くなり、定着ニップ入口の記録紙の幅方向における速度分布が、凸状になる。このように、速度分布が凸状になると、記録紙の後端部付近に浮きが生じ、記録紙の後端部付近に浮きが生じた状態で定着ニップへ進入する。記録紙の両端と中央部との速度差が微小な場合は、記録紙後端部付近の浮きも僅かである。このような僅かに浮きが生じた状態で定着ニップへ搬送されても、記録紙にシワが発生する確率が低い。しかし、記録紙の両端と中央部との速度差が大きくなると、記録紙後端部付近の浮きが大きくなり、記録紙にシワが発生する確率が高くなる。このように、定着ニップ入口の記録紙の幅方向の速度分布と、記録紙のシワの発生確率とには、相関関係があるので、速度分布検知手段の検知結果に基づいて、記録紙にシワが発生するか否かを把握することができるのである。
また、本発明によれば、撓み形成手段で、駆動部材または従動部材を定着ニップ側へ押圧したとき、駆動部材の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端部付近よりも短くなるよう、駆動部材または従動部材を撓ませることで、定着ニップにおいて、駆動部材の両端付近の搬送速度が中央付近よりも速くすることができる。具体的に説明すると、駆動部材を撓ませる場合は、両端部が中央部よりも定着ニップ側となるように、撓ませることで、駆動部材の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端部付近よりも短くなる。一方、従動部材を撓ませる場合は、中央部が両端部よりも定着ニップ側となるように、撓ませることで、駆動部材を従動部材へ相対的に押圧したときに、上記駆動部材の中央部の弾性層の潰れ量を、両端部の潰れ量よりも大きくなる。その結果、駆動部材の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端部付近よりも短くなる。このように、駆動部材の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端部付近よりも短くなることで、駆動部材の両端付近の搬送速度が中央付近よりも速くすることで、定着ニップにおける記録紙に、紙幅方向外側に引っ張る力が働き、記録紙のシワが抑制される。撓み量が大きくなれば、中央部の回転中心から定着ニップまでの距離と、端部の回転中心から定着ニップまでの距離との差が大きくなり、定着ニップでより大きな引張り力を発生することができる。しかしながら、撓み量を大きくすれば、駆動部材を撓ませた場合は、中央部が従動部材から離れることになり、中央部のニップ圧が低下し、中央部付近の定着性が低下する。一方、従動部材を撓ませた場合は、両端部が駆動部材から離れることになり、両端部のニップ圧が低下し、両端部付近の定着性が低下する。
そこで、本発明によれば、速度分布検知手段の検知結果に基づいて、駆動部材または従動部材の撓み量を制御することによって、紙シワが生じない必要最低限の撓み量にすることができ、定着ニップのニップ圧を極力低減させずに、記録紙のシワの発生を抑制することができる。そして、紙種毎に速度分布を検知して、紙種毎に最適な撓み量に調整することによって、幅広い紙種に対して、良好な定着性と記録紙のシワの発生とを抑制することができる。さらに、定期的に速度分布を検知して、検知結果に基づいて、撓み量を調整すれば、経時にわたり紙シワの発生を抑制することができる。
本発明によれば、幅広い紙種に対して、良好な定着性と記録紙のシワの発生とを経時にわたり抑制することが可能となる。
本発明に係る画像形成装置の一例における装置構成を模式的に示す概略構成図。 中間転写ベルトの構成を示す斜視図。 定着装置と、制御ブロック図とを示す概略構成図。 定着装置の定着ニップ周辺を記録紙搬送方向から見た図。 定着ニップでの用紙幅方向速度分布を示す図。 (a)は、定着ローラを撓ませたときにおける図4のA−A断面図。(b)は、定着ローラを撓ませたときにおける図4のB−B断面図。 撓み量調整の制御フロー図。 用紙に形成したラダーパターンを示す図。 従来の定着ローラを示す図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例であるプリンタの装置構成を模式的に示す概略構成図である。この図に示す画像形成装置1は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能な電子写真方式のカラー画像形成装置であり、4個の作像ユニット10(Y、M、C、Bk)を中間転写ベルト20の上部走行辺に沿って並設している。中間転写ベルト20については図2を参照して後に詳述する。
各作像ユニット10は扱うトナーの色が異なるのみで構成は同一であり、図1では一番左側のイエロー作像ユニット10Yのみ、ユニットを構成する機器に符号を付している。すなわち、各作像ユニット10は像担持体としての感光体ドラム11を具備している。この感光体ドラム11の周りには、帯電手段12、現像装置13、クリーニング装置14等が配置され、さらに各感光体ドラム11に対向するように中間転写ベルト20の内側に一次転写部を構成する転写ローラ15が設けられている。また、本例では各作像ユニットごとに露光手段を備える構成であり、例えばLED等の露光手段16が帯電手段12と現像装置13の間で光書き込み可能なように配置されている。露光手段としては、各作像ユニットに共通の露光装置、例えばレーザ書込み装置を用いることも可能である。
中間転写ベルト20の支持部材の一つであり、バックアップ部材として機能する転写対向ローラ32に中間転写ベルト20を挟んで対向するように転写用部材である転写ローラ31が配置されている。その転写ローラ31の図において右側にはレジストローラ対54が、左側には搬送ベルト55が配設される。また、搬送ベルト55の左側には定着装置40が設けられている。この定着装置40は、加熱手段たる加熱ローラ41と定着ローラ42とに掛け渡された定着ベルト43を有するベルト定着装置であり、定着ベルト43を挟んで定着ローラ42に被加圧ローラ44が圧接するように設けられている。
装置内の下部には用紙束Pを収納する給紙トレイ50が配置され、給紙手段としてピックアップコロ51や分離給送ローラ52が設けられている。また、図に一点鎖線で示す用紙搬送経路中の適宜の位置には、搬送ローラ53が配置されている。さらに図示はしないが、用紙ガイドが適宜設けられる。このほか、必要に応じて、手差し給紙部や用紙反転部を設けることもできる。また、画像読取装置(スキャナ)や自動原稿給送装置(ADF)などを装着することも可能である。
以上のように構成された本画像形成装置における画像形成動作について簡単に説明する。
上記作像ユニット10の感光体ドラム11が図示しない駆動手段によって図中反時計方向に回転駆動され、その感光体ドラム11の表面が帯電手段12によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体表面には露光手段16からの走査光が照射され、これによって感光体ドラム11表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム11に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に現像装置13から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。また、中間転写ベルト20が図中時計回りに走行駆動され、各作像ユニット10において一次転写ローラ15の作用により感光体ドラム11から中間転写ベルト20に各色トナー像が順次重ね転写される。このようにして中間転写ベルト20はその表面にフルカラーのトナー像を担持する。なお、作像ユニット10のいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、複数の作像ユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、4個の作像ユニットのうち、図の一番右側の黒ユニット10Bkを用いて画像形成を行う。
そして、トナー像を転写した後の感光体ドラム11表面に付着する残留トナーは、クリーニング装置14によって感光体ドラム表面から除去され、次いでその表面が図示しない除電器の作用を受けて表面電位が初期化されて次の画像形成に備える。
一方、給紙トレイ50から用紙が給送され、レジストローラ54によって、中間転写ベルト20上に担持されたトナー像とのタイミングを取って二次転写位置に向けて送出される。第二の転写手段である転写ローラ31によって中間転写ベルト表面のトナー像が用紙上に一括して転写される。トナー像を転写された用紙は搬送ベルト55によって定着装置40へと送られ、定着装置40を通過するとき、熱と圧力によってトナー像が用紙に熔融定着される。トナー像が定着された用紙は図示しない排紙トレイに排出される。
図2は、中間転写ベルト20の構成を示す斜視図である。
この図に示すように、中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、従動ローラ22、外部張架ローラ23、転写対向ローラ32及び転写ガイドローラ33に張り渡されており、駆動ローラ21がモータ26によって回転駆動されることで、図中の矢印A方向に走行される。従動ローラ22は、図示しない荷重付与手段により中間転写ベルト20に張力を与え、駆動ローラ21と中間転写ベルト20の間に摩擦搬送力を発生させる。駆動ローラ21と従動ローラ22によって形成されるベルト張架面である中間転写ベルト20の上部走行辺には、図1で説明したように各色作像ユニットの感光体ドラム11が並設され、その各感光体ドラム11に対向するように、中間転写ベルト20のループ内に一次転写手段としての転写ローラ15が配置される。転写対向ローラ32の下部には転写ローラ31が配置され、中間転写ベルト20を挟んで転写対向ローラ32に圧接される。転写対向ローラ32には図示しない転写電源より所定の高電圧が付与され、電気的に接地されている転写ローラ31との間の転写ニップに転写電界を形成する。また、転写ローラ31は、転写対向ローラ32及び中間転写ベルト20と共に用紙を所定の押し付け力で挟持して搬送する。さらに、中間転写ベルト20の裏面側で、転写対向ローラ32のベルト回動方向の上流側近傍には、転写ガイドローラ33が配置される。上記転写ローラ30、転写対向ローラ31及び転写ガイドローラ32によって二次転写部30が構成される。なお、図1から分るように、転写ガイドローラ33は、駆動ローラ21と転写対向ローラ32の外周面を結ぶ直線よりもやや外側に配置されており、中間転写ベルト20をベルト内側から外側に向けて押し出すような位置に設けられている。これにより、転写対向ローラ32と転写ローラ30の配置関係が、中間転写ベルト20が転写ローラ30の表面に巻き付いた後に転写ローラ30と転写対向ローラ32とで形成する転写ニップに挟み込まれ、かつ、用紙の、前記転写ニップに挟み込まれた部分よりも後端側の部分を用紙の腰によって像担持体表面に接近させるような配置関係になっている。また、図2には示していないが、転写対向ローラ32と外部張架ローラ23の間のベルト外側には、中間転写ベルト20をクリーニングするベルトクリーニング手段24(図1)が配置され、そのベルトクリーニング手段24のクリーニングブレードに対応する裏当てローラ25(図1)がベルト内側に配置されている。用紙Pは図中の矢印B方向に搬送され、レジストローラ対54で用紙の姿勢を修正された後、転写ローラ31と中間転写ベルト20の間を搬送され、中間転写ベルト20上のトナー像が用紙上に静電転写される。
図3は、定着装置40と、制御ブロック図とを示す概略構成図であり、図4は、定着装置40の定着ニップ周辺を記録紙搬送方向から見た図である。
この定着装置40は、上述したように、加熱手段たる加熱ローラ41と定着ローラ42とに掛け渡された定着ベルト43を有するベルト定着装置であり、定着ベルト43を挟んで定着ローラ42に被加圧ローラ44が圧接するように設けられている。
定着ローラ42は、金属からなる芯金部42aと、芯金部表面に設けられたシリコンゴムなどからなる弾性層42bとによって構成されている。また、被加圧ローラ44も、金属からなる芯金部44aと、芯金部表面に設けられたシリコンゴムなどからなる弾性層44bとによって構成されている。定着ローラ42は、用紙Pの表面に対して直交する方向に移動可能に支持されている。また、定着ローラ42の芯金部44aの両端部には、図4に示すように、撓み形成手段たる押し付け力調整機構67が当接しており、定着ローラ42を被加圧ローラ側へ付勢している。被加圧ローラ44の芯金部の両端は、不図示の軸受を介して、回転自在に装置本体の不図示の側壁に取り付けられている。
押付力調整機構67のプランジャ67aを、被加圧ローラ44側へ移動させていくと、定着ローラ42の芯金部42aの両端部が、被加圧ローラ44側へ押し付けられる。初めは、定着ローラ全体が、被加圧ローラ側へ移動して、被加圧ローラ44を幅方向均一に押圧する。さらに、押付力調整機構67のプランジャ67aを、被加圧ローラ44側へ移動させて定着ローラ42を被加圧ローラ44側へ移動させていくと、被加圧ローラ44の反力が増加していき、ついには、定着ローラ42の曲げ剛性よりも被加圧ローラ44の反力が勝り、定着ローラ42が図中2点削線(C)に示すように、撓む。押付力調整機構67のプランジャ67aの移動量(押付力)が増加すると、定着ローラ42の撓み量が増加するので、押付力調整機構67のプランジャ67aの移動量(押付力)を制御することによって、定着ローラ42の撓み量を制御することができる。すなわち、本実施形態においては、押付力調整機構67が、撓み形成手段として機能している。
加熱手段たる加熱ローラ41は、中空状の金属製の芯金部内にハロゲンランプ等のヒータ45を内蔵しており、この輻射熱によって定着ベルト43を内側から加熱している。
加熱ローラ41は不図示の駆動源によって回転駆動され、定着ベルト43を介して定着ローラ42が回転駆動し、定着ニップを介して被加圧ローラ44が従動回転する。すなわち、本実施形態では、定着ローラ42が、駆動源の駆動力を用紙へ伝達し、用紙に搬送力を付与する駆動部材として機能し、被加圧ローラ44が定着ニップを介して従動回転する従動部材として機能している。
定着ニップの入口近傍には、ラインセンサ61が設けられている。本実施形態のラインセンサ61は、紙の幅方向に等間隔で複数の反射型光学センサが配設されたものを用いた。
制御部63は、装置全体の制御を司るものであり、様々な機器やセンサが接続されているが、同図では、本装置の特徴点に関連する機器やセンサだけを示している。制御手段たる制御部63は、CPU、ROM、RAMなどで構成され、ハードウェア上で所定のプログラムを実行することにより、各手段の機能を実現している。図に示すように、制御部63は、ラインセンサ61の出力値から、定着ニップ入口の用紙Pの幅方向の速度分布を演算している。すなわち、本実施形態においては、制御部63とラインセンサ61とで、速度分布検知手段を構成している。また、制御部63には、記憶手段たる不揮発性メモリ64が接続されており、不揮発性メモリ64には、予め実験で求めた基準の速度分布や限界速度分布などが格納されている。また、この不揮発性メモリ64には、検知した速度分布を紙種毎に時系列で格納している。
また、制御部63は、押付け力調整機構67の押付け力を制御して定着ローラ42の撓み量や、ヒータ45の電源68を制御して、定着熱量を制御している。さらに、制御部63には、報知手段たるスピーカ65や表示部66が接続されており、スピーカ65や表示部66を制御して、使用者に所定の情報を報知できるようになっている。
図5は、定着ニップでの用紙幅方向速度分布を示している。
図5(a)に示すように、定着ニップで用紙の搬送方向Bに対して凸形状の速度分布を呈している場合、定着ニップで用紙の搬送方向に対して内向きの速度ベクトルが生じる。このため、用紙Pが定着ニップを搬送されるに従って用紙Pの幅方向両端部が徐々に内側に搬送され、最終的に用紙に"しわ"が発生する可能性が高くなる。一方、図5(b)に示すように、定着ニップで用紙の搬送方向Bに対して凹形状の速度分布を呈している場合、定着ニップで用紙の搬送方向に対して外向きの速度ベクトルが生じる。このため、定着ニップ内では、用紙Pの幅方向両端部が外側へ引っ張られるため、用紙のしわは発生しにくくなる。
本実施形態においては、定着ニップ内において、図5(b)に示すような速度分布が得られるように、定着ニップ内で、用紙に駆動力を伝達する定着ローラ42を撓ませている。定着ローラ42を、先の図4の2点削線Cのように撓ませると、定着ローラ42の芯金部42aの中央部が、両端部よりも被加圧ローラ44から離間する位置にあることになる。その結果、定着ローラ42の中央部の被加圧ローラ44への加圧力が、定着ローラ42の両端部の被加圧ローラ44への加圧力よりも低下する。このため、定着ローラ42と被加圧ローラ44との当接領域において、両端は、定着ローラ42により被加圧ローラ44の弾性層44bが潰され、中央部は被加圧ローラ44の反発力により、定着ローラ42の弾性層42bが逆に潰される。その結果、定着ニップにおける定着ローラ42の両端付近は、定着ローラ回転中心から定着ニップまでの距離が長くなり、定着ローラ42の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が短くなる。これにより、定着ニップにおける定着ローラ42の両端付近の周速が中央付近よりも速くなる。本実施形態においては、定着ローラ42が定着ニップ内で用紙Pを搬送するので、定着ニップにおける定着ローラ42の両端付近の周速が中央付近よりも速くなる結果、定着ニップにおける用紙の速度分布が図5(b)に示すようになり、用紙のシワが抑制される。
図6(a)は、定着ローラ42を撓ませたときにおける図4のA−A断面図であり、図6(b)は、定着ローラ42を撓ませたときにおける図4のB−B断面図である。
定着ローラ42を撓ませると、定着ローラ42の中央部の被加圧ローラ44への加圧力が、定着ローラ42の両端部の被加圧ローラ44の加圧力も低下するため、図6(a)、(b)に示すように、定着ニップの幅方向中央部と端部とで、ニップ幅やニップ圧が異なってくる。すなわち、中央部では、ニップ幅が、端部よりも狭くなるため、十分な加熱時間が取れず、中央部が端部よりも定着性能が落ちてしまう。特に、厚紙などの場合、上述のように定着ローラを撓ませた場合、中央部に定着不良が生じるおそれがある。
このため、厚紙でも定着不良が生じないように定着ローラ42の撓み量を小さくすると、シワ発生の余裕度が低下してしまう。その結果、薄紙などの紙シワが生じやすい用紙の場合、紙シワが発生する確率が高くなる。
そこで、本実施形態においては、ラインセンサ61で定着ニップ入口の用紙の幅方向の速度分布を検知して、その検知結果に基づいて、定着ローラ42の撓み量を調整することで、紙のシワの発生を経時で抑え、紙種応じたに最適な撓み量にすることができる。以下に、具体的に説明する。
図7は、撓み量調整の制御フロー図である。
まず、制御部63は、速度分布を計測する紙種を特定する(S1)。紙種の特定は、例えば、給紙トレイに用紙Pをセットする際に、ユーザーに給紙トレイにセットされる用紙Pの厚さや種類の情報を入力させ、入力した情報を不揮発性メモリ64に記憶しておく。制御部63は、不揮発性メモリ64に記憶されている給紙トレイ50にセットされている用紙の紙種情報を読み出すことで、速度分布を計測する紙種を特定することができる。次に、制御部63は、図8に示すような複数の横線からなるラダーパターンを用紙に形成し(S2)、このラダーパターンが形成された用紙を定着ニップへ搬送し、ラインセンサ61で、横線の通過タイミングを測定して、搬送速度分布を検知する。
定着ニップで、微小すべりが発生するなどして、定着ニップ内で用紙の搬送方向に対して内向きの速度ベクトルが生じて、用紙Pの幅方向両端部が内側に移動すると、用紙端部付近の横線が斜めになり、用紙端部付近の横線の検知タイミングが中央部に比べて長くなる。その結果、検知される速度分布が、凸状になる。また、定着ニップ内の速度分布が、図5(a)のような場合は、用紙Pの幅方向両端部が徐々に内側に搬送されるため、用紙端部付近の横線の傾斜が徐々に大きくなる。その結果、用紙端部付近の横線の検知タイミングが中央部に比べて徐々に大きくなる。その結果、検知される速度分布が、徐々に凸状になる。一方、定着ニップ内で、用紙Pの幅方向両端部が内側に搬送される事態が生じていない場合は、用紙端部付近と中央部付近とでの横線の検知タイミングが変わらないので、検知される速度分布としては、フラットな形状となる。
なお、速度分布は、複数の横線の検知タイミングの平均から求める。これは、検知タイミングに誤差を含むためである。また、凸状の速度分布が生じた場合、用紙の後端付近は、浮きが生じた状態で、ラインセンサ61を通過することになり、検知タイミングに用紙浮きの影響も検知され、正確な速度分布を計測できないおそれがある。このため、用紙の先端部付近の領域に形成された横線の検知タイミングから速度分布を検知するのが好ましい。また、用紙の先端が、定着ニップに挟まれてから、所定時間(数十ミリ秒程度)経過してから、横線通過タイミングの検知を始めるのが好ましい。これは、用紙が定着ニップ突入直後は、速度変動が生じる可能性があるからである。
凸状の速度分布が検知されると、用紙の後端に浮きが生じ、浮きが生じた状態で、用紙後端が定着ニップへ搬送される。中央部と端部との速度差が微小な場合、用紙後端の浮きも僅かであるので、定着ニップ内でシワなどが生じることはない。しかし、中央部と端部との速度差が大きくなると、用紙後端の浮きも大きくなり、定着ニップで用紙にシワが発生する確率が高くなる。よって、本実施形態においては、端部と中央部との速度差が、0.1[%]以上の場合は、シワが発生する確率が高いと判定して、定着ローラ42の撓み量を大きくする。なお、これは一例であり、この数値は、紙の種類毎に異ならせてもよい。
また、不揮発性メモリ64には、下記に示す表1に示すような限界速度分布が記憶されており、制御部63は、不図示の温湿度計より、環境を検知し、検知した環境と、紙種情報とに基づいて、対応する限界速度分布を読み出す。また、制御部63は、検知した速度分布に基づいて、中央部の搬送速度と各位置の搬送速度との比を算出し、算出した各位置にける速度比が、読み出した各位置に対応する限界速度比を下回っているか否かをチェックする(S4)。限界速度比を下回っている場合(S4のYES)は、定着装置に大きな不具合が発生している可能性があり、その紙種を用いる場合は、シワが確実に発生してしまう。そのため、限界速度比を下回っている場合は、その紙種を使用すると紙シワが発生するため、スピーカを制御してアラームを発信するとともに、定着装置を交換する旨を表示部に表示する(S10)。なお、下記表1において、中央部の速度Vcは、V4とV5との間となり、V1が、用紙右端の搬送速度比であり、V8が、用紙左端の搬送速度比である。
端部と中央部との速度差が、0.1[%]以上の場合(S5のYES)、検知した速度分布に基づいて、撓み調整量を演算する(S6)。具体的には、不揮発性メモリ64には、最適な用紙幅方向の速度分布が記憶されている。この最適な用紙幅方向速度分布は、図5(b)に示すような凹型の速度分布であり、両端部の速度が、中央部の速度より0.数[%]早くなるよう設定されている。なお、この最適な速度分布は、紙種毎に設けてもよいし、表1と同様、紙種と環境とにそれぞれ対応した最適な速度分布を設けてもよい。そして、制御部63は、検知した速度分布と不揮発性メモリ64に記憶された最適な速度分布とに基づいて、撓み調整量(押付け力調整機構67のプランジャ67aの移動量)を求める。一例としては、検知した速度分布と不揮発性メモリ64に記憶された最適な速度分布との差分値と、定着ローラ42の撓み調整量との関係を予め実験などで調べておき、上記差分値と、撓み調整量とを関連づけたテーブルを不揮発性メモリ64に記憶しておく。そして、上記差分値と、上記テーブルとから、撓み調整量を求める。
上述のようにして、撓み調整量を求めたら、押付け力調整機構67を制御して、定着ローラを求めた調整量分撓ませる(S7)。また、調整中に調整の限界(プランジャの移動限界)になった場合(S8のYES)は、定着ローラ42の寿命と判定し、アラームを発信するとともに、表示部66に定着装置を交換する旨を表示する。
また、本実施形態では、調整の限界(プランジャ67aの移動限界)になった場合は、定着ローラ42の寿命と判定しているが、調整の限界に達しても、ある程度調整されているので、もう少し使用可能である。そこで、調整の限界に達したら、限界速度分布に達するまでの定着装置40の寿命を予測し、予測した寿命に基づいて、定着装置40を交換する旨を報知にしてもよい。具体的には、検知した速度分布を時系列で不揮発性メモリ64に記憶していく。そして、調整の限界(プランジャの移動限界)になった場合、不揮発性メモリ64に記憶された時系列の速度分布データから、速度分布の変化の度合いを求め、不揮発性メモリ64に記憶されている限界速度分布に達するまでの時間(もしくは印刷枚数)を外挿して求める。これにより、定着装置40が寿命に達するまでの時間(印刷枚数)が予測される。このようにして求められた時間(もしくは印刷枚数)から、閾値を設定し、時間または印刷枚数が閾値に達したら、表示部66に定着装置を交換する旨を表示するとともに、スピーカ65からアラームを発生させる。その結果、シワが確実に発生する前に、定着装置の交換を行うことができ、生産性の低下を抑制することができる。
また、画像形成装置が通信装置を備えている場合は、閾値に達したら、サービスセンターに定着装置を交換する旨を送信してもよい。また、画像形成装置ではなく、サービスセンターで、定着装置の寿命予測を行ってもよい。この場合、適宜、時系列の速度分布データをサービスセンターへ送信し、サービスセンターで定着装置が寿命に達するまでの時間(印刷枚数)を求める。また、検知した速度分布データを不揮発性メモリ64に記憶しておくことで、故障した際に、不揮発性メモリ64に記憶された速度分布データに基づいて故障解析を行うことで、要因の特定や対策をうつことができる。
また、撓み量を調整すると、中央部の定着ニップ幅やニップ圧が低下して、定着不良が生じるおそれがある。このため、撓み量を調整した際は、その撓み量に基づいて、定着温度を変化させるのが好ましい。これにより、中央部の定着不良を極力抑えることができる。定着温度の変化量は、紙種毎に異ならせる。
図1の画像形成装置においては、給紙トレイ50が一つであり、使用される用紙が一種類であるが、給紙トレイ50が複数あり、各給紙トレイ50に収容されている用紙の種類が互いに異なり、使用される用紙の種類が複数の場合は、各給紙トレイ50に収容されているそれぞれの用紙に対して、幅方向速度分布を検知して、撓み調整が必要か否かなどを判定する。
具体的には、制御部63は、速度分布を計測する紙種を特定する。紙種の特定は、例えば、給紙トレイに用紙Pをセットする際に、ユーザーに給紙トレイにセットされる用紙Pの厚さや種類の情報を入力させ、入力した情報を不揮発性メモリ64に記憶しておく。制御部63は、不揮発性メモリ64に記憶されている給紙トレイ50にセットされている用紙の紙種情報を読み出すことで、速度分布を計測する紙種を特定することができる。このように、速度分布を計測する紙種を特定したら、不揮発性メモリ64に記憶されているその紙種に対応する撓み量を読み出し、撓み量を調整してから、上述同様、ラダーパターンを作成し、速度分布を測定する。そして、給紙トレイに収容されている用紙について、定着装置の寿命と判定された場合(検知した速度分布が限界速度を下回っていた場合)、その給紙トレイを使用禁止にする。また、給紙トレイに収容されている用紙について撓み調整が必要な場合(中央部と端部との速度差が0.1[%]以上の場合)、その用紙について、定着ローラの撓み量、定着温度を求める。そして、不揮発性メモリ64に各用紙の種類毎に記憶されている撓み量、定着温度を、求めた撓み量、定着温度に書き換える。画像形成動作時には、使用される給紙トレイを特定し、その給紙トレイに収容されている用紙に対応した撓み量、定着温度を不揮発性メモリ64から読み出し、読み出した撓み量、定着温度に調整してから、画像形成動作を行う。
また、紙種毎に検知した速度分布を時系列で不揮発性メモリ64に記憶しておき、ある給紙トレイに収納されている用紙に対応する撓み量が、調整の限界(プランジャ67aの移動限界)になった場合、この用紙に対応する時系列の速度分布データから、上述と同様にして、この用紙の搬送速度分布が、限界速度分布に達するまでの時間もしくは印刷枚数を求める。このようにして求められた時間(もしくは印刷枚数)から、しわの発生確率が高くなる閾値を設定し、時間または印刷枚数が閾値に達したら、この給紙トレイに収容されている用紙を使用する場合、画像形成動作を開始する前に、この用紙を使用すると、紙シワが発生する確率が高い旨をアラームとともに警告表示する。また、定着装置の交換を促す表示を行う。そして、求められた時間(もしくは印刷枚数)に達したら、この用紙が収容されている給紙トレイの使用を禁止する。
また、本実施形態においては、反射型光学センサを用紙幅方向に複数並べたラインセンサ61を用いて、用紙幅方向の速度分布を検知しているが、レーザードップラー方式により、用紙幅方向の速度分布を検知してもよい。また、特開2008−224227号に記載されている用紙の繊維を撮像する撮像手段を用いて用紙幅方向の速度分布を求めてよい。この場合、定着ニップ入口と、定着ニップ入口よりも上流側に紙の繊維を撮像手段が幅方向に複数並んだラインセンサをそれぞれ配置し、特開2008−224227号に記載されている方法と同様にして、撮像した用紙の繊維から用紙の各場所の位置変動を検知する。そして、その位置変動量から、用紙幅方向の速度分布を求める。このように、用紙の繊維を撮像して、速度分布を求める場合は、図8に示すようなラダーパターンを作成する必要がなく、通常の画像形成動作時に用紙幅方向の速度分布を求めることができる。そして、上述同様、中央部と端部との速度差が0.1[%]以上ある場合は、紙間や画像形成動作終了後に、撓み調整を行う。また、検知した速度分布に限界速度分布を下回る箇所があった場合は、何らかのイレギュラーな事象によって用紙搬送速度が極端に変化したことが考えられる。この場合は、定着動作を禁止する。これにより、シワが生じる定着装置が使用されることがないので、資源の無駄が防止できる。
また、本実施形態においては、駆動部材たる定着ローラ42を撓ませているが、従動ローラたる被加圧ローラ44を撓ませてもよい。この場合は、被加圧ローラ44の両端部が、中央部よりも定着ニップから離れるように撓ませる。そして、このように撓ませた被加圧ローラ44を定着ローラ側へ押圧することによって、定着ローラ42の弾性層42bの中央部が、端部よりも潰れる。よって、定着ローラ42の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端付近よりも短くなる。これにより、定着ニップにおける定着ローラ42の両端付近の周速が中央付近よりも速くでき、定着ニップにおける用紙の速度分布が先の図5(b)に示すようになり、用紙のシワが抑制される。そして、被加圧ローラ44の撓み量を大きくすることによって、定着ローラの中央部の弾性層の潰れが大きくなり、定着ニップにおける定着ローラ42の両端付近と中央付近との周速差を大きくすることができ、定着ニップにおける用紙を外側に引っ張る力を強くすることができる。しかし、この場合には、被加圧ローラ44の撓み量を大きくするほど、両端部のニップ幅やニップ圧が低下して、両端部の定着不良が生じるおそれがある。よって、被加圧ローラ44を撓ませる場合も、ラインセンサ61が検知した用紙の幅方向の速度分布(以下、検知速度分布データという)に基づいて、定着ローラの撓み量を制御することで、中央部の定着性の低下を極力抑えて、紙シワを経時にわたり抑制することができ、かつ、紙種に応じた最適な撓み量に調整することができる。
以上、本実施形態の画像形成装置は、駆動源により回転駆動され、少なくとも弾性層を有する駆動部材たる定着ローラ42と、少なくとも弾性層し、定着ローラ42に接触して定着ローラ42との間に定着ニップを形成する従動部材たる被加圧ローラ44と、定着ニップを通過する記録紙たる用紙を加熱する加熱手段たる加熱ローラ41とを備えた定着装置を有している。また、この定着装置は、定着ローラ42または被加圧ローラを上記定着ニップ側へ押圧したとき、定着ローラ42の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端部付近よりも短くなるよう、定着ローラ42または被加圧ローラ44を撓ませる撓み形成手段を備えている。そして、制御手段たる制御部63は、ラインセンサ61が検知した用紙の幅方向の速度分布(以下、検知速度分布データという)に基づいて、定着ローラの撓み量を制御する。これにより、中央部の定着性の低下を極力抑えて、紙シワを経時にわたり抑制することができ、かつ、紙種に応じた最適な撓み量に調整することができる。
また、上記撓み形成手段として、上記定着ローラ42の回転軸たる芯金部42aの両端を上記定着ニップ側へ押圧して、駆動部材を撓ませる押し付け力調整機構67を設けている。押付力調整機構67で、定着ローラ42の芯金部42aを定着ニップ側へ押圧していくと、被加圧ローラ44の反発力が高まっていく。定着ローラの両端部は、押付け力調整機構により押圧されているので、被加圧ローラ44の反発力が高まっても、反発力により、押付け力調整機構67の押圧方向と反対方向へ移動することはできないが、定着ローラ42の中央部は、何も支持されていない。このため、被加圧ローラ44の反発力が高まると、被加圧ローラ44の反発力により、定着ローラ42の中央部が、定着ニップと反対側へ移動し、定着ローラ42が撓むのである。その結果、定着ローラ42の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端部付近よりも短くなり、定着ニップにおける定着ローラ42の両端付近の周速が中央付近よりも速くなる。これにより、定着ニップにおける用紙の速度分布が図5(b)に示すようになり、用紙のシワが抑制される。
また、上記定着ローラ42の回転軸たる芯金部42aの両端を上記定着ニップ側へ押圧することで、定着ローラ撓みと、定着ローラの被加圧ローラ側の押圧とを押付力調整機構67ひとつで、行えることができ、部品点数を削減することができる。
また、用紙の適正な速度分布を記憶する記憶手段たる不揮発性メモリ64を備え、適正な速度分布と、検知速度分布データとに基づいて、撓み量を制御することで、適正な速度分布となるように、撓み量を調整することができる。
また、上記撓み量に基づいて、上記加熱ローラを制御することによって、用紙中央部の定着不良を極力抑えることができる。
また、不揮発性メモリ64には、用紙にシワが発生する限界速度分布を記憶しており、検知速度分布データが、上記限界速度分布に達している場合は、報知手段(スピーカおよび表示部)で上記定着装置の交換する旨を報知する。これにより、シワが発生する段階で定着装置を交換することができる。
また、検知速度分布データが、限界速度分布に達している場合は、定着動作を禁止することで、シワが発生する定着装置が使用されることがなくなり、資源の無駄を抑制することができる。
また、検知速度分布データを不揮発性メモリ64に時系列に記憶し、時系列で記憶された検知速度分布データに基づいて、上記定着装置の寿命を予測し、上記定着装置の寿命が近いと予測した場合は、上記定着装置の交換する旨を報知する。これにより、シワが発生する前に定着装置の交換がなされ、装置のダウンタイムが生じるのを抑制することができる。
また、不揮発性メモリ64に時系列で記憶された検知速度分布データに基づいて、用紙の種類毎に用紙のシワの発生確率が高くなる閾値を算出し、閾値を超える用紙が使用される場合、シワが発生する確率が高い旨を報知する。これにより、使用する用紙を他のものに切り替えるなどの動作が促され、シワの発生を抑制することがきる。
40:定着装置
41:加熱ローラ
42:定着ローラ
43:定着ベルト
44:被加圧ローラ
45:ヒータ
61:ラインセンサ
63:制御部
64:不揮発性メモリ
65:スピーカ
66:表示部
67:押付力調整機構
特開2005−195856号公報

Claims (9)

  1. 駆動源により回転駆動され、少なくとも弾性層を有する駆動部材と、
    少なくとも弾性層し、該駆動部材に接触して該駆動部材との間に定着ニップを形成する従動部材と
    上記定着ニップを通過する記録紙を加熱する加熱手段とを備えた定着装置において、
    上記駆動部材または従動部材を上記定着ニップ側へ押圧したとき、駆動部材の中央付近の回転中心から定着ニップまでの距離が両端部付近よりも短くなるよう、上記駆動部材または上記従動部材を撓ませる撓み形成手段と、
    上記定着ニップ入口の上記記録紙の幅方向の速度分布を検知する速度分布検知手段と、
    該速度分布検知手段の検知結果に基づいて、上記駆動部材または上記従動部材の撓み量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において
    上記撓み形成手段は、上記駆動部材の回転軸の両端を上記定着ニップ側へ押圧して、該駆動部材を撓ませることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2の定着装置において、
    上記記録紙の適正な速度分布を記憶する記憶手段を備え、
    該記憶手段に記憶された適正な速度分布と、上記速度分布検知手段で検知した速度分布とに基づいて、撓み量を制御することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかの定着装置において、
    上記制御手段は、上記撓み量に基づいて、上記加熱手段を制御することを特徴とする定着装置。
  5. 記録紙にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    記録紙のトナー像を定着する定着手段と、
    情報を記憶する記憶手段と、
    情報を報知する報知手段とを備える画像形成装置において、
    該定着手段として、請求項1乃至4いずれかの定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記記憶手段は、上記記録紙にシワが発生する限界速度分布を記憶しており、
    上記制御手段は、上記速度分布検知手段の検知結果が、上記限界速度分布に達しているか否かを判定し、達している場合は、上記報知手段で上記定着装置の交換する旨を報知することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5または6の画像形成装置において、
    上記記憶手段は、上記記録紙にシワが発生する限界速度分布を記憶しており、
    上記制御手段は、上記速度分布検知手段の検知結果が、上記限界速度分布に達しているか否かを判定し、達している場合は、定着動作を禁止することを特徴とする定着装置。
  8. 請求項5乃至7いずれかの画像形成装置において、
    上記記憶手段は、上記速度分布検知手段が検知した検知結果を時系列に記憶しており、
    上記制御手段は、上記記憶手段に時系列で記憶された検知結果に基づいて、上記定着装置の寿命を予測し、上記定着装置の寿命が近いと予測した場合は、上記報知手段で上記定着装置の交換する旨を報知することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項5乃至8いずれかの定着装置において、
    上記記憶手段は、記録紙の種類毎に上記速度分布検知手段が検知した検知結果を時系列に記憶しており、
    上記制御手段は、上記記憶手段に時系列で記憶された検知結果に基づいて、記録紙の種類毎に記録紙のシワの発生確率が高くなる閾値を算出し、該閾値を超える記録紙が使用される場合、上記報知手段でシワが発生する確率が高い旨を報知することを特徴とする定着装置。
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