JP2012226137A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写材の後端部に余白の無いプリントを行った場合に、転写材の後端付近のトナー像が感光ドラム等により擦られることによりトナー像が乱れるという後端こすれを抑制し、良好な転写像を得ること。
【解決手段】転写ニップ部Tと定着ニップ部Fの間に撓み量dを測定する撓み量測定手段215を設置し、転写材Pの後端部に余白の無いプリントを行った場合に、撓み量測定手段215の結果に基づき、定着手段233における記録媒体搬送速度を制御し、転写材の後端部が転写ニップ部Tから抜けた時に、撓み量dが略零になるように転写材の搬送速度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、像担持体に形成したトナー像を記録媒体に転写して画像形成物を出力する画像形成装置に関する。
像担持体は、電子写真記録方式における回転可能な感光体、静電記録方式における回転可能な誘電体、磁気記録方式における回転可能な磁性体などである。また、中間転写方式の画像形成装置における中間転写ベルトや中間転写ドラム等の回転可能な中間転写体も像担持体に含まれる。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機能などである。
近年、画像形成装置においては、縁無し印字に対する要望が高まっている。縁無し印字としては、従来からの方式として、画像に対して一回り大きな転写材(記録媒体)を用い、印字後にその余白部を切断する方法が広く知られている。一方、この切断する作業を簡略化するために、予め転写材上の周囲に余白マージンを作らず、転写材全面に画像印字を行う縁無し印字の必要性が高まっている。
本出願人は先に特許文献1において縁無し印字が可能な画像形成装置を提案している。この装置は、転写材より大きなトナー像を像担持体としての感光体ドラムの表面に形成し、そのトナー像を転写ローラにより転写材に転写することによって転写材への縁無し印字を達成している。
このような方法で縁無し印字を行うことにより、転写材が転写ニップ部を通過する際に、搬送不良による転写材の斜行や、転写ローラの長手方向に対する転写材Pの相対位置のばらつきが生じたとしても、常に良好に転写材上に縁無し印字を行うことができる。一方、転写ローラの表面に転写された塗り足し領域のトナーは、ウレタン製のゴムブレードである清掃手段により清掃される。
特開2008−122512号公報
本発明は特許文献1の技術を更に発展させたものである。その目的とするところは、縁無し印字時に、転写ニップ部において記録媒体の後端が速度低下することにより発生する所謂「後端こすれ」の少ない、良好な転写像を得ることが出来る画像形成装置を提供することにある。
ここで、上記の後端こすれについて、図16と図17を用いて説明する。図16において、205は像担持体としての電子写真感光体ドラムである。ドラム205は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動され、その表面に電子写真プロセス機器(不図示)により画像情報に対応したトナー像が形成される。また、ドラム205には転写手段としての転写ローラ209が当接されている。ローラ209はドラム205の回転に従動して回転する。ドラム205とローラ209の当接部が転写ニップ部Tである。
このニップ部Tに記録媒体(以下、転写材)Pが導入され挟持搬送されることによりドラム205側のトナー像が転写材Pに対して順次に転写される。ニップ部Tを出た転写材Pはドラム205から分離されてガイド部材232に沿ってニップ部Tよりも転写材搬送方向下流側の定着装置233に導入され、先端部が定着回転体210と加圧回転体211との圧接で形成される定着ニップ部Fに進入して挟持搬送される。これにより転写材上の未定着トナー像が固着画像として定着される。
転写材Pは転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間にまたがって搬送される。そして、後端部が転写ニップ部Tを抜け、更に定着ニップ部Fを抜けて搬送されていく。転写材Pは転写ニップ部Tと定着ニップFとの両者に搬送された搬送過程において、図16の実線に示されるように所定量の撓み(ループ)dが形成された状態に制御されて搬送される。これにより転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間における転写材引張りによる画像不良を防止している。
ここで、転写材Pが所定の撓み量dをもって転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの両者に挟持されて搬送されている状態を状態A(図中:実線)とする。そして、この状態Aでの転写ニップ部Tの出口部から定着ニップ部Fの入り口部までの転写材Pの経路長をLdとする。また、転写ニップ部Tの出口部と定着ニップ部Fの入り口部との間において、転写材Pの撓み量dが「零」の状態、つまり転写材Pがピンと張った状態を状態B(図中:点線)とする。そして、その転写材Pの経路長をL0と定義する。
しかしながら、このような転写材Pの撓み量制御下(状態A)では、所謂、「後端こすれ」という画像不良が発生する。本現象は、転写材Pの後端部に余白の小さいまたは、余白の無いプリントを行った場合に、転写材Pの後端部付近のトナー像がドラム205により擦られることによりトナー像が乱れるという現象である。
その発生メカニズムは、転写ニップ部Tの出口部を、高速度カメラ(フォトロン社のFASTCAM−1024PC)を用い、1000fps(コマ/秒)での観測することにより、本発明者らが解明したものである。図17は、転写材Pの後端部とドラム205の相対位置を一定時間毎に模式的に示したものであり、“P”は転写材P後端部、“IC”はドラム205表面の位置を表す。
図17のA図は、転写材Pの後端部が転写ニップ部Tを抜ける瞬間の様子である。P4Aが転写材Pの後端の位置を表し、IC4Aは転写材Pの後端部に相当するドラム205の表面の位置を表す。図中の点線は、転写材Pが状態B、つまりピンと張った状態の転写材Pの軌跡を表し、d4Aは転写材Pの撓み量を表す。
B図は、A図中のP4A、IC4A及びd4Aが一定時間経過後した時の状態を、P4B、IC4B及びd4B、でそれぞれ表したものである。B図から分かるように、転写材Pの撓み量は小さくなる。
C図は、B図中のP4B、IC4B及びd4B、が、さらに一定時間経過後した時の状態を、P4C、IC4C及びd4C、でそれぞれ表したものである。転写材Pの後端は、転写ニップ部Tを抜けた状態であるが、転写時に転写材Pに供与された電荷による静電的な付着力により、感光ドラム205と接触した状態を保っている。
D図は、C図中のP4C、IC4C及びd4Cが、さらに一定時間経過後した時の状態を、P4D、IC4D及びd4D、でそれぞれ表したものであり、転写材Pの後端が十分にドラム205から離れた状態を表す。
図17から分かるように、転写材Pの後端部が転写ニップ部Tを抜けてから(A図)、ドラム205から離れる瞬間(C図)までの区間において、転写材Pの後端部の移動距離は、ドラム205の表面の移動距離よりも小さい。且つ、転写材Pの撓み量dはその区間において単調に減少する。これは、転写材Pの後端部が、転写ニップ部Tを抜けた時、転写ニップ部Tから受ける搬送力が無くなるために移動速度が低下するからであり、その間、定着ニップ部Fの転写材Pの速度が変わらないために、撓み量dも小さくなる。
このA図〜C図までの区間において、転写材Pの後端部の移動速度低下により、転写材Pの後端部とドラム205との相対速度差が生じる。そして、トナー像がドラム205により擦られると、転写材P上のトナー像は未定着像であるため、所謂、「後端こすれ」という画像不良が発生してしまう。
一方、ドラム205上に画像後端部の塗り足しトナーが存在する場合、転写材Pの後端部がドラム205に擦られる過程において、転写材Pの後端コバ部(転写材Pの裁断面)または、転写材Pの裏側を汚してしまうケースもある。
また、転写ローラ209上に画像後端部の塗り足しトナーが存在する場合には、転写材Pの後端部が転写ローラ209上に擦られる過程においても、転写材Pの後端コバ部(転写材Pの裁断面)または、転写材Pの裏側を汚してしまう。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、トナー像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体と転写ニップ部を形成して記録媒体を挟持搬送し前記トナー像を記録媒体に転写する回転可能な転写手段と、前記転写ニップ部を出た記録媒体を定着ニップ部で挟持搬送して記録媒体に転写されているトナー像を定着させる定着手段と、前記転写手段と前記定着手段の間に配置され、前記転写ニップ部と前記定着ニップ部とにまたがって搬送されている記録媒体の撓み量を測定する撓み量測定手段と、前記撓み量測定手段の結果に基づき、前記定着ニップ部による記録媒体搬送速度を制御する速度制御手段と、を有し、前記像担持体に記録媒体に対応する領域から記録媒体の外側に対応する領域までトナー像を形成して記録媒体の縁にトナー像を転写する縁無し印字モードを実行することができる画像形成装置において、前記速度制御手段は、前記縁無し印字モードの実行時における記録媒体の前記撓み量が、記録媒体の後端部が前記転写ニップ部から抜けた時点ではほぼ零となるように前記定着ニップ部による記録媒体搬送速度を制御することを特徴とする。
本発明によれば、転写ニップ部において記録媒体の後端が速度低下することにより発生する所謂「後端こすれ」の少ない、良好な転写像を得ることが出来る画像形成装置を提供することができる。
実施例1に係わる画像形成装置の概略構成図 図1の部分的な拡大模式図 非接触式の測距手段(光学式測距センサ)の測距説明図 光学式測距センサの距離と出力電圧との関係図 光学式測距センサの出力電圧時の例 目標撓み量dtgtと後端こすれランクの関係図 転写ニップ部出口部における転写材後端部の挙動図 撓み量と後端こすれランクの関係図 ΔLと後端こすれランクの関係図 L0と後端こすれランクの関係図 実施例2の要部の説明図 実施例3に係る光学式測距センサの出力電圧時の例 実施例4に係る画像形成装置の概略構成図 実施例5に係る画像形成装置の概略構成図 図14の部分的な拡大模式図 従来例に係わる転写ニップ部と定着ニップ部との間の転写材の姿勢図 従来例に係わる転写ニップ部出口部の転写材後端部の挙動図
[実施例1]
(1)画像形成装置例の全体的な説明
図1は本発明に従う画像形成装置例の要部の概略の構成模式図である。この画像形成装置200は、転写型電子写真方式のモノカラーレーザプリンタである。ホスト装置300からプリントコントローラ(制御手段)216に入力する画像情報(電気的な画像信号)に基づいて記録媒体(記録材:以下、転写材と記す)Pに画像の形成を行う。ホスト装置300は、パソコン、イメージリーダー、ファクシミリ装置等である。転写材Pは装置200によって画像が形成されるシート状物である。例えば、用紙、ラベル、OHTシート等が挙げられる。
コントローラ216はホスト装置300や操作部230との間で各種の電気的情報の授受を行う、かつ、装置200の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。従って、以下に説明する画像形成動作はコントローラ216によって制御される。操作部230には使用者が所望の画像形成実行条件等をコントローラ216に入力したり、設定したりすることができる各種の操作キーや表示器等が配設されている。
装置200はトナー像を担持する像担持体としての回転可能なドラム型の電子写真感光体(回転可能な感光体:以下、ドラムと記す)205を有する。ドラム205は駆動手段(不図示)により矢印の時計方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。
また、ドラム205の周囲には、ドラム205に作用する電子写真プロセス手段としての機器が配設されている。本例では、帯電ローラ(帯電手段)207、露光装置(露光手段)206、現像装置(現像手段)204、転写ローラ(転写手段)209、ドラムクリーナ(クリーニング手段)208等が配設されている。
帯電ローラ207は電源部(不図示)から所定の帯電バイアスが印加されて、ドラム205の回転過程においてドラム表面を所定の電位及び極性に一様に帯電する。露光装置206は本例ではレーザスキャナである。スキャナ206は、半導体レーザ、回転多面鏡、fθレンズ、反射鏡などを有する。そして、コントローラ216から入力する画像情報(画像信号)に基づいてレーザ光Lをオン/オフ変調しながら、回転するドラム205の帯電処理面をドラム母線方向に主走査露光する。この露光によりドラム面の露光部の電荷が除電されて露光パターンに対応した静電潜像(静電像)が形成される。
現像装置204はドラム205にトナーを供給してドラム面に形成された静電潜像をトナー像(未定着画像)として可視化する。転写ローラ209は、ドラム205の下面に当接して配設されており、ドラム206の回転に従動して回転する。ドラム205と転写ローラ209との当接部がドラム206から転写材Pにトナー像を転写する転写ニップ部Tである。
ニップ部Tにおけるドラム206から転写材Pへのトナー像の転写は次のようにしてなされる。即ち、ニップ部Tに給送機構部240側から転写材Pが導入され、転写材Pがニップ部Tを挟持搬送されている間、ローラ209に対して電源部(不図示)からトナーの帯電極性とは逆極性で所定の電位の転写バイアスが印加されることで静電的になされる。
転写材Pは給送機構部240の給送カセット201に積載されている。所定の制御タイミング(給送タイミング)でピップアップローラ202が駆動されることで、最上位の転写材Pに送りが掛かり、分離パッド202aにより1枚分離されて、転写ニップ部Tへ至るシートパス231に導入される。
シートパス231の途中部にはレジストレーションローラ対(レジストローラ)203が配設されている。ローラ203に到達した転写材Pの先端部はその時点では回転停止状態に制御されているローラ203のニップ部に突き当たって受け止められて転写材Pの先端全長部がニップ部に押し当たる。これにより転写材Pの斜行が矯正される。
そして、所定の制御タイミング(レジストタイミング)でローラ203の駆動が開始される。これにより、転写材Pがローラ203のニップ部に挟持されて搬送され、転写ニップ部Tに導入される。ローラ203は上記のように転写材Pの斜行を矯正する役目をすると共に、ドラム205に対するトナー像の形成と転写材Pの搬送とを同期させる役目をする。
即ち、ローラ203はカセット201から搬送された転写材Pの先端位置を一旦規制する。そして、ドラム205上に形成されたトナー像の画像先端がニップ部Tに到達するタイミングで、転写材Pのプリント開始位置がニップ部Tに丁度到達するように、転写材Pの先端規制を解除して転写材Pの搬送を再開させる。
ニップ部Tを出た転写材Pはドラム205から分離されて、ガイド部材232に沿って定着装置(定着手段)233に搬送される。また、転写材Pが分離された後のドラム205上の転写残トナーはクリーナ208によって除去され、ドラム205は繰り返して画像形成に供される。
本例において定着装置233は、フィルム加熱方式、加圧ローラ駆動式の加熱定着装置であり、互いに当接して定着ニップ部Fを形成している定着回転体としての定着フィルム210と加圧回転体としての加圧ローラ211とを有する。
加圧ローラ211は定着モータ220により矢印の反時計方向に所定の制御速度にて回転駆動される。定着フィルム210はこの加圧ローラ211の回転駆動に従動して回転する。転写材Pは定着ニップ部Fに導入されて挟持搬送される。これにより、定着フィルム210を介したヒータ(不図示)からの熱とニップ部圧により、転写材上の未定着トナー像が固着画像として定着される。
上記のようなフィルム加熱方式、加圧ローラ駆動式の加熱定着装置233はオンデマンドタイプの装置として公知に属するからその詳細な説明は省略する。定着装置233を出た転写材Pは搬送ローラ213・214を含むシートパス234を通って排出口235から装置外の排出トレイ222に対して画像形成物として排出される。
(2)縁無し印字モード
画像形成装置200は、後述の縁無印字モードを実行可能である。コントローラ216は、CPU217及びROMやRAMなどのメモリ(記憶手段)218からなり、縁無し印字モード、縁有り印字モードなどの画像形成に必要な各種データ及び制御プログラムが記憶されている。縁無し印字モードまたは縁有り印字モードの選択指示はホスト装置300や操作部230からなされる。
コントローラ216は縁無し印字信号を取り込むと縁無し印字に応じた画像形成の制御シーケンスを実行する。縁無し印字モードにおいては、転写材Pに対する印字領域を決定するマスク領域を、転写材Pの先端部、後端部、左端部、右端部について各々所定幅(2mm)の塗り足し領域の分だけ転写材Pよりも大きな領域としている。そして、その塗り足し領域の部分までを含めた領域のトナー像をドラム205表面に形成し、そのトナー像を転写ローラ209により転写材面に転写することによって転写材Pへの縁無し印字を達成している。
縁無し印字モードは上記のように像担持体であるドラム205に記録媒体である転写材Pに対応する領域から転写材Pの外側に対応する領域までトナー像を形成して転写材Pの縁にトナー像を転写するモードである。この方法で縁無し印字を行うことで、転写材Pが転写ニップ部Tを通過する際に、搬送不良による転写材Pの斜行や、ローラ209の長手方向に対する転写材Pの相対位置のばらつきが生じたとしても、常に良好に転写材上に縁無し印字を行うことができる。
また、縁無し印字モードにおいては、ドラム205からローラ209の表面に転写された塗り足し領域のトナーは、ウレタン製のゴムブレードである清掃手段221により清掃されてローラ209の表面から除去される。
(3)転写材Pの撓み量dの制御
本実施例においては、転写ニップ部Tとこれよりも記録媒体搬送方向下流側に間隔をあけて位置する定着ニップ部Fとの間に、転写材Pの撓み量測定手段として非接触式の測距手段215を配設している。本実施例においてはこの測距手段215として光学式測距センサを用いている。このセンサ215は該センサから被検出物である転写材Pまでの距離を非接触で計測するセンサである。
図2は図1における転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間の部分的な拡大模式図である。センサ215は、ガイド部材232の表面側(転写材搬送ガイド面側)とは反対側である裏面側において、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間のほぼ中間の位置に定置して配設されている。即ち、センサ215は、転写ニップTと定着ニップFから略同距離に配置され、転写材Pの最も撓み量(ループ量)dが大きくなる位置を測定することが可能である。
ガイド部材232のセンサ215の位置に対応する部分には距離検出のための光線303、303aがガイド部材232の表面側と裏面側に出入りするための窓穴232aが設けられている。
センサ215は、図3のようにLEDの発光部301とPSD302(Position Sensitive Device:位置検出素子)によって構成される。発光部301から測距対象物である転写材Pへ赤外線303を照射し、転写材Pで拡散反射した反射光は、PSD302の受光面302aの前方に配設された受光用集光手段305により絞られ、受光面302aに導かれる。受光面302a上に到達した赤外線303aの分布中心の位置によって、三角測量方式でセンサ215から転写材Pまでの距離を計測する方式である。
受光面302aへの到達赤外線303aの分布中心の位置を検出して距離に変換するため転写材Pの表面状態で反射率が変化しても距離データには影響しない。そして受光部302で検出した位置から演算用ICで距離に変換して電圧値として出力する。この検出距離と電圧値の関係を図4に示す。本実施例においては、センサ215から測距対象物である転写材Pまでの距離を3cmから6cmとなるようにセンサ215を配置した。図4において、White(90%)、Gray(18%)は、転写材Pの色と光反射率である。
転写ニップ部Tに導入された転写材Pは該ニップ部Tで挟持搬送されてドラム205側のトナー像の転写を受けて該ニップ部Tを出てドラム面から分離される。そして、引続く転写材Pの搬送により先端部がガイド部材232の表面に沿って案内されて定着ニップ部Fに到達して該ニップ部Fに挟持されて搬送される。転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間の転写材搬送路長は転写材Pの搬送方向の長さよりも小さい。そのため、転写材Pは定着ニップ部Fと転写ニップ部Tとにまたがって搬送されていく。
更に転写材Pの搬送が進行すると、転写材Pは後端部が転写ニップ部Tを抜け、更に定着ニップ部Fを抜けて搬送されていく。センサ215は転写ニップ部Tと定着部Fとの間を搬送される転写材Pについて転写ニップ部Tと定着部Fとの間でセンサ215と転写材Pの裏面までの距離を経時的に測定してコントローラ216に入力する。コントローラ216はこのセンサ215の入力情報に基づいて、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間にまたがって搬送されている状態時における転写材Pの撓み量dの制御を行っている。
即ち、上記のようにセンサ15において受光部302で検出した位置から演算用ICで距離に変換して電圧値がコントローラ216内に設けられたCPU217でA/D変換され、距離に応じたデジタル値を得る。コントローラ216内のメモリ218には、転写材Pが図16にて定義した状態B、つまり、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間で転写材Pがピンと張架された状態での、センサ215と転写材Pまでの距離に応じたデジタル値が格納されている。これら2つのデジタル値を、コントローラ216内のCPU217にて演算することにより、転写材Pの撓み量dが得られる。
そして、コントローラ216は、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間における転写材Pの撓み量dがあらかじめ設定してある所定の撓み量に維持されるように定着モータ220によるローラ211の回転スピードを制御する。これにより、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間において転写材Pを引っ張り過ぎず、たるみ過ぎないようにしている。
加圧ローラ211はコントローラ216で制御される定着モータ220により駆動され、回転速度は可変であり、転写ニップ部Tの転写材搬送速度に対して遅い側と速い側の速度切換えが可能である。より具体的には、コントローラ216はセンサ215から出力される図4のような電圧値をA/Dポートで受ける。そして、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間における転写材Pの撓み量dが所定の撓み量に維持されるように、転写材Pの現在撓み量に応じて定着モータ220の速度を可変するためモータドライバ219にクロック信号を出力する。これによりローラ211の回転スピードを制御する。
より詳しくは、コントローラ216のメモリ218内には、紙種、通紙モード毎に目標撓み量(dtgt)が格納されている。そして、カスタマーの指示若しくは、搬送路に設けられた転写材Pの種類を判別するセンサ223(図1)の結果から目標撓み量dtgtを可変とすることが可能となっている。定着モータ220の速度制御は、実際の撓み量dが目標の撓み量dtgtとなるように、定着モータ220の回転を制御するためモータドライバ219にCPU217から制御信号を出力する。
上記において、センサ215が、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとにまたがって搬送されている転写材Pの撓み量dを測定する撓み量測定手段である。また、コントローラ216が、撓み量測定手段であるセンサ215の結果に基づき、定着ニップ部Fによる記録媒体搬送速度を制御する速度制御手段である。
(4)縁無し印字モードの実行時における転写材Pの撓み量の制御
コントローラ216は、縁無し印字モードの実行時における転写材Pの前記撓み量dが、転写材Pの後端部が転写ニップ部Tから抜けた時点ではほぼ零となるように定着ニップ部Fによる記録媒体搬送速度を制御する。以下、これについて説明する。
縁無し印字モードの実行時において、転写材Pの先端が定着ニップ部Fに突入した瞬間からの、定着モータ220の速度制御方法について記す。本速度制御は、実際の撓み量dの目標の撓み量dtgtからの偏差eを、“零”に収束させるための制御であり、制御の基本式は下記の式(1)にて表せられる。本制御はPI制御であり、定着モータ220の回転速度は、撓み量dの目標値撓み量dtgtからの偏差e(=d−dtgt)、およびその積分値の2つの要素によって行われる。
MV=Kp・e+Ki・∫edt+Ms ・・・式(1)
MV:実際のモータ速度(モータ周波数)
e:実際の撓み量と目標の撓み量からの偏差(e=d−dtgt)
Kp:比例制御の比例定数(eに応じて操作量を変更する比例係数)
Ki:積分制御の比例定数(∫eに応じて操作量を変更する比例係数)
Ms:定常時の操作量(e=0の時のモータ周波数。基本周波数)
上記の制御パラメータKp、Kiは、加圧ローラ211が熱膨張することによる外径変動を考慮に入れて決定した。比例制御のパラメータであるKp(比例ゲイン)は、撓み量dが目標撓み量dtgtに対して、オーバーシュート及びハンチングが発生しない範囲で決定した。これは、オーバーシュートやハンチングが発生すると、転写材Pが転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間で引っ張られ、転写ニップ部Tで画像ずれなどが発生するためである。
そして、比例制御だけでは、目標値に達しないまま残ってしまう目標の撓み量dtgtからの偏差e(オフセット)に関しては、積分制御で除去するようにパラメータKiを決定した。積分制御を加えると、オフセットがある限り出力変更が積み重なるので、最終的には、オフセットを除去し、目標値に収束することが可能となる。Ki決定の際にも、撓み量dが目標撓み量dtgtに対してオーバーシュートおよびハンチングが発生しない範囲で決定した。
これにより、転写材Pが転写ニップ部Tと定着ニップ部Fの両方にまたがって挟持搬送されている制御区間において、撓み量dは単調に減少し且つ、転写材Pの後端が転写ニップ部Tを抜ける前に、目標の撓み量に収束する。
プロセス速度が40mm/秒、目標撓み量dtgtが2.0mmの条件で、本制御を用いた撓み量dの時間推移の一例を図5に示す。図5中のAが、転写材Pの先端が定着ニップ部Fに突入するタイミングであり、制御開始タイミングに相当する。Bが、転写材Pの後端が転写ニップ部Tを抜けるタイミングであり、制御終了タイミングに相当する。図5からも分かるように、上記した制御により、撓み量dは目標撓み量dtgtに収束し、目標撓み量dtgtを維持した状態で転写材Pの後端が転写ニップTを抜けて、制御が終了する。
(5)撓み量dと“後端こすれ”との関係
縁無し印字モード時に、本制御を用い、目標の撓み量dtgtと“後端こすれ”がどのような相関関係になるかの検証実験を行った結果を図6に示す。図6の横軸は、転写材Pの後端が転写ニップ部Tを抜けた瞬間の撓み量d(=目標の撓み量dtgt)、縦軸は、“後端こすれ”の画像ランクを数値化したものである。
使用した転写材の種類は、Hewlett Packard社製の光沢紙であるColor Laser Photo Paper, Glossyを用い、画像パターンとしては。2種類(パターンAおよびB)を用いて行った。
パターンAは、2ドット巾(600DPI相当の画像形成装置)の横線を3ドットの間隔を空けて繰り返したハーフトーンであり、パターンBは、10ポイント、Times New Roman、英語アルファベットで構成されるパターンである。パターンAは転写材Pの後端部がこすれる方向と直交する方向にトナー像が並んでいるために、“画像こすれ”に対しては検出力の高い画像パターンとなっている。
画像ランクは、下記の通り定義付け、連続10印字した時の平均のランクを画像ランクとした。
0:発生無し
1:極軽微なレベル(顕微鏡のみ検出可能)
2:軽微なレベル(パターンAでの目視での検出限界付近)
3:軽微なレベル(パターンAのみ目視で検出可能レベル)
4:実用的なパターンで軽微に発生(パターンBで軽微に発生)
5:実用的なパターンで発生(パターンBで容易に視認可能)
6:発生顕著(明らかにカスタマーが問題とするレベル)
図6に示した通り、後端こすれは、撓み量dが小さくなればなるほど良化するという結果を得た。また、撓み量dが0の場合、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間で転写材Pの引っ張り合いが発生し、転写ニップ部Tで像ズレや転写材搬送方向の倍率ズレなどが発生する場合があった。よって、撓み量dは0とする場合は、像ズレや倍率ズレなどの発生しない範囲で定着モータ220の速度を決定する必要性がある。
転写ニップ部Tの出口部を、高速度カメラ(フォトロン社、FASTCAM−1024PC)を用い、1000fps(コマ/秒)での観測を行った。そして、その結果を従来の画像形成装置における観察結果(図17)と対比させることにより、そのメカニズムの考察を行った。図7に、後端こすれが良好であった、目標撓み量dtgtが1.0mmの時の観察結果を示す。
従来の画像形成装置での観察結果(図17)と対比させると、本実施例においては転写材Pの後端部が転写ニップ部Tを抜ける瞬間の撓み量(ループ量)を略零とすることで、転写ニップ部Tを抜けた直後の転写材Pの速度低下を抑制している。つまり、転写材Pの後端が転写ニップ部Tを抜けたP9Aから、ドラム205からはなれるP9B迄の移動距離が、ドラム表面の移動距離(IC9AからIC9Bまでの距離)とほぼ同じである。
これにより、転写材Pの後端が転写ニップ部Tを抜けた時の、転写材Pの後端とドラム205との移動速度が略同じとなり、このため、転写材Pの後端部の画像はドラム205に擦られることなく、良好な画像が得られる。
更に、本実施例では転写材Pの撓み量dを測定するために、非接触の光学式測距センサ215を用いている。転写材Pの裏側から接触式の測距センサを用いた場合、測距センサが転写材Pを像担持体であるドラム205に押し付け、後端こすれが不良化する。よって、本実施例で説明した非接触の光学式測距センサ215を用いることにより、接触式のセンサを用いるより、後端こすれに対して有利となる。
以上説明を行った通り、縁無し画像モードが可能な画像形成装置において、画像形成中に非接触式の測距センサ215を用いて転写材Pの撓み量dを制御し、転写材後端が転写ニップ部Tを抜ける瞬間の撓み量dを略零とする。これにより、後端こすれの発生を抑制し、良好な画像を得ることが可能となる。
(6) “後端こすれ”を良好にするための具体的な条件
以下に、後端こすれを良好な状態にするための、具体的な構成条件に関して述べる。転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間において、撓み量dの状態で挟持された転写材Pの経路長をLd(図2中のLd参照)、撓み量dが零、つまり、ピンと張った状態で張架された転写材Pの経路長をL0と定義する(図2中のL0参照)。また、LdとL0との差、撓んだ転写材Pとピンと張架した転写材Pとの経路差をΔLと定義する。撓んだ転写材Pの経路長を円弧長と十分近いと近似すると、ΔLは、撓み量d、L0の関数である下式(2)及び(3)で近似が出来る。
ΔL=2・L0・ASIN(L0/2・R)−L0 ・・・・式(2)
R=(d/2)+(L02/8・d) ・・・・式(3)
L0(転写ニップ部Tから定着ニップ部F迄の距離)と、目標撓み量dtgtを振り、画像確認を行った結果を図8に示す。L0は定着装置233の位置を変えることにより、L0を、40mm、80mm、120mm及び160mmにて実験を行い、画像確認方法は前述したものと同じ方法を用いた。図中の、横軸は転写材P後端部の撓み量d(=目標撓み量dtgt)、縦軸は画像ランクであり、実験の結果をL0毎にプロットし、近似曲線も合わせて記した。
更に、図8の各プロットに対し、ΔLをL0と撓み量dから上式(2)、(3)から算出し、横軸をΔL、縦軸を画像ランクとしてプロットしたものを図9に示す。図9から分かるように、後端こすれの画像ランクは、撓んだ転写材Pとピンと張架した転写材Pとの経路差であるΔLと良い相関があることが分かった。これは、転写材Pが撓むことにより発生する経路差が、定着手段による転写材Pの後端への搬送力の伝達を遅らせるためであり、その遅れ時間(距離)分、転写材Pの後端が転写ニップ部の出口部に滞留するためである。
上記の画像確認の結果から、後端こすれを良好な状態にするためには、画像ランクでランク3.5以下(図9中ラインBより下側)、さらに望ましくはランク2以下(図9中ラインAより下側)にする必要性がある。図9の結果からは、ランク3.5を満たすにはΔLを1.6mm以下、ランク2を満たすにはΔLを1.0mm以下にする必要性がある。
上式(2)、(3)で示した通り、ΔLは、L0及びdの関数として求めることが出来る。よって、ΔLが1.0mm若しくは1.6mmの時の、撓み量dはL0の関数として表す事が出来る。図10に、ΔL=1.0mmの時と、1.6mmの時の、撓み量dとL0との関係と、その近似式を記す。
これにより、後端こすれを画像ランクでランク3.5以下(数値が小さい側)をする条件は、下式で表すことが出来る。下式中のL0(転写ニップ部Tから定着ニップ部Fまでの距離)は、装置の設計パラメータであり、下式を用いることにより任意の設計パラメータに対して、後端こすれを良好にするための撓み量dを表すことが可能となる。
0≦d≦3.92+0.0385×L0-0.000108×(L0-100)2+5.91e-7×(L0-100)3・・・・式(4)
更に好ましくは、撓み量dを下式の関係にすることにより、後端こすれを画像ランクでランク2.0以下(数値が小さい側)にすることが可能となる。
0≦d≦3.09+0.0305×L0-0.0000858×(L0-100)2+4.71e-7×(L0-100)3・・・・式(5)
また、使用する転写材Pの種類により後端こすれの発生レベルが若干異なる場合がある。その場合においては、前述した、転写材Pの種類を判別するセンサ223の結果や、ユーザーからの指示により目標撓み量dtgtを補正することが可能である。
以上説明した通り、縁無し印字モードが可能な画像形成装置において、画像形成中に非接触の測距センサ215を用いて撓み量dを制御し、転写材Pの後端部が転写ニップ部Tを抜ける時の撓み量dを略零とする。これにより、後端こすれのレベルを抑制し、良好な画像を得ることが可能となる。
具体的には、転写材Pの後端が転写ニップ部Tを抜ける時の、撓み量が最大となる転写ニップ部Tと定着ニップ部Fの略中央部で撓み量dと、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの経路長L0との関係が、下記の条件を満たしていることが必要となる。
0≦d≦3.92+0.0385×L0-0.000108×(L0-100)2+5.91e-7×(L0-100)3
さらに好ましくは、下記の関係を満たす事で、後端こすれの少ない良好な画像を得る事が可能となる。
0≦d≦3.09+0.0305×L0-0.0000858×(L0-100)2+4.71e-7×(L0-100)3
また、使用する転写材Pの種類により後端こすれの発生レベルが上記した条件からずれる場合においては、転写材Pの種類を判別するセンサ223の結果や、ユーザーからの指示により目標撓み量dtgtを補正することが可能である。ユーザーからの指示は操作部230やホスト装置300によりなされる。
[実施例2]
実施例2の装置構成は、実施例1とほぼ同じであるため、その差異である、光学式測距センサ215の配置位置について説明を行う。実施例1においては、センサ215は転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間のほぼ真中に配置した。しかし、装置本体のスペースの制約上、中央部に配置出来ない場合がある。本実施例は、このような場合における目標撓み量dtgtを示すものであり、センサ215の任意の配置に対する条件を明確にする。
本実施例では、図11に示すように、センサ215を、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間の中央部Oから、定着ニップ部F側へSmmシフトした位置Gに配置した。本実施例では中央部Oからシフトしているために、撓み量dは、センサ215を中央部Oに配置する場合より小さく制御する必要性がある。転写材Pの撓み形状を円弧状であると近似することにより、後端こすれを良好の状態にするための条件は、以下の様に与えることが可能となる。
後端こすれを画像ランクでランク3.5以下(数値が小さい側)にするためには、下記条件が必要となり、これにより、後端こすれが良好となる。
0<d≦(3.92+0.0385×L0-0.000108×(L0-100)2+5.91e-7×(L0-100)3)×COS(2×S/L0)
更に好ましくは、目標撓み量dtgtを下記条件することにより、後端こすれを画像ランクでランク2.0以下(数値が小さい側)にすることが可能となる。
0<d≦(3.09+0.0305×L0-0.0000858×(L0-100)2+4.71e-7×(L0-100)3)×COS(2×S/L0)
例えば、L0が120mm、Sが60mmの装置においては、上式から求められるように、dは4mm以下、さらに好ましくは、3mm以下にする必要性がある。
以上説明した通り、縁無し印字モードが可能な画像形成装置において、測距センサ215を転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの中央からシフトした位置に設置した場合においても、後端こすれのレベルを抑制し良好な画像を得ることが可能となる。
[実施例3]
実施例3の装置構成は、実施例1と同じであるため、その差異について説明を行う。
(1)定着モータの速度制御の説明
実施例1においては、定着モータ220の速度制御の開始直後より、目標撓み量dtgtを略零として制御が行われる。そして、転写材Pの後端が転写ニップ部Fを抜ける時には、撓み量dは目標撓み量dtgtと略同じく零となり、後端こすれの良好なプリントを可能としている。制御中の撓み量dの時間推移に関しては、図5に示した通りである。
一方、本実施例3においては、制御開始から一定時間は目標撓み量dtgtを、実施例1よりも大きく設定することにより、撓み量dを大きい状態に保持し、その後に目標撓み量dtgtを、後端こすれが良好なる様に略零としている。図12にその具体例を示す。
本実施例においては、転写ニップ部Tと定着ニップ部Fとの間の経路長L0は、120mm、プロセス速度は40mm/秒である。このため、後端こすれを良好にするためには、転写材Pの後端部が転写ニップ部Tを抜ける時の撓み量dは、8.5mm以下にする必要性がある(前記式(4)より)。更に、好ましくは、6.8mm以下にする必要性がある(前記式(5)より)。
図12を用い、制御中の流れを説明する。転写材Pが定着ニップ部Fに入るタイミングで定着モータ220の速度制御がスタートする(図12中のA)。目標撓み量dtgtを、13mmとして速度制御を行う。制御開始から0.5秒後(図12中のB)に、撓み量dは目標撓み量dtgt(13mm)に収束する。
制御開始から1.8秒後(図12中のC)つまり、72mm通過後に、目標撓み量dtgtを切り替え後端こすれが良好となる撓み量dtgtを4.6mmに設定した。その後、目標撓み量dtgtに撓み量dが収束(図12中のD)した後、転写材P後端が転写ニップTを抜けて、制御が終了する(図12中のE)。
上記のように、制御開始から一定時間、目標撓み量dtgtを、後端こすれに好適な撓み量より大きくすることにより、紙しわに対して有利になる。この理由は以下のとおりである。
転写材Pの先端は定着ニップ部Fに突入した直後、転写材Pは定着ニップ部Fの長手方向において、直線ではなく軽微に波打ち形状をしている場合が多い。転写材Pの先端部で波打ちが発生した状態で、定着ニップ部Fに導入されると、その波打ちに沿って転写材しわ(紙しわ)になってしまう可能性がある。このため、転写材Pの前半部において波打ちの発生する定着ニップ部長手方向と直交する転写材搬送方向Eに沿って転写材Pの撓みを作ると、その波打ちは解消され、紙しわに対してより良い搬送が可能となるためである。
撓み量dを大きくする期間としては、定着装置233の駆動手段である加圧ローラ211の一周分以上とすることが好ましい事も、本発明者らの実験で判明した。
以上説明した通り、縁無し印字モードが可能な画像形成装置において、測距センサ215を用いて撓み量dを制御する。そして、転写材Pが定着ニップ部Fに突入してから一定時間は、後端こすれに好適な撓み量より大きくなるように制御する。その後に、ほぼ零を目標撓み量dtgtとすることにより、紙しわ、後端こすれ共に発生レベルを抑制し、良好な画像を得ることが可能となる。
本実施例をまとめると次のとおりである。目標撓み量dtgtが格納された記憶手段218を有する。速度制御手段216は、転写ニップ部Tにおける記録媒体Pへのトナー像の転写開始の一定時間後から、目標撓み量dtgtを変更する。そして、記録媒体Pの後端部が転写ニップ部Tから抜けた時点で、撓み量dがほぼ零となるように記録媒体搬送速度を制御する。記憶手段218には複数の目標撓み量dtgtが格納されており、搬送された記録媒体の種類に応じて前記目標撓み量dtgtが可変である。
[実施例4]
図13は本実施例における画像形成装置200の概略構成図である。この装置200は、複数の回転可能な感光体205と回転可能な中間転写ベルト251を用いた電子写真方式のレーザービームカラープリンタである。図1の電子写真方式のレーザービームプリンタと共通する構成部材、部分には共通の符号を付して再度の説明を省略する。
(1)画像形成部
装置本体内には、第1から第4の4つのカラーステーション(プロセスカートリッジ)UY、UM、UC、UKが略水平方向に並べて配置(インライン構成、タンデム型)されている。各ステーションは現像装置に収容させたトナーの色は異なるが、互いに同様の構成の電子写真画像形成機構である。
即ち、各ステーションは、それぞれ、第1の像担持体としての電子写真感光体ドラム205と、このドラムに作用するプロセス手段を有する。プロセス手段は図には省略したけれども、図1における帯電ローラ207、現像装置204、ドラムクリーナ208等である。ドラム205は矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
第1のステーションUYのドラム205にはイエロー色(Y色)のトナー像が形成される。第2のステーションUMのドラム205にはマゼンタ色(M色)のトナー像が形成される。第3のステーションUCのドラム205にはシアン色(C色)のトナー像が形成される。第4のステーションUKのドラム205には黒色(K色)のトナー像が形成される。
ステーションUY、UM、UC、UKの下方部には、第2の像担持体としての無端状の中間転写ベルト251を有するユニット250が配設されている。ベルト251は、駆動ローラ252、従動ローラ253、テンションローラ254で張架され、矢印の時計方向へドラム205の速度と略同じ速度で回転駆動される。各ステーションUのドラム205はその下面がベルト251の上面に接している。ベルト251の内側には、各ステーションUのドラム205に対向させて4個の一次転写ローラ255が配設されている。
そして、回転するベルト251の面に対して各ステーションUのドラム205から各色のトナー像が所定に重畳されて一次転写されることで、ベルト面に対してフルカラートナー像が合成形成される。そのトナー像が引き続くベルト251の回転で二次転写ニップ部Tに搬送される。転写ニップ部Tは駆動ローラ252のベルト懸回に二次転写ローラ209を当接させて形成されており、ベルト251と二次転写ローラ209との当接部が転写ニップ部Tである。
一方、給送機構部240から転写材Pが一枚分離給送され、レジストローラ203により転写ニップ部Tに対して所定の制御タイミングで導入され転写ニップ部Tで挟持搬送される。これにより、転写材Pに対してベルト251のフルカラートナー像が一括して順次に二次転写される。転写ニップ部Tを出た転写材Pはベルト251から分離されて、定着装置233に搬送される。
定着装置233は、図1の装置と同様に、フィルム加熱方式、加圧ローラ駆動式の加熱定着装置であり、転写材Pは定着ニップ部Fに導入されて挟持搬送される。これにより、定着フィルム210を介したヒータからの熱とニップ部圧により、転写材上の未定着フルカラートナー像が固着画像として定着される。定着装置233を出た転写材Pは搬送ローラ214を通って排出トレイ222に対して画像形成物として排出される。
本実施例においても、縁無し印字モードを実行可能であり、縁無し印字モードは画像形成装置に接続されるホストコンピュータ等の外部装置300や操作部230によって選択可能になっている。プリントコントローラ(制御手段)216が縁無し印字信号を取り込むと縁無し印字に応じた画像形成の制御シーケンスを実行する。
本実施例においても、転写材Pに対する印字領域を決定するマスク領域を、転写材Pの先端部、後端部、左端部、右端部について各々所定幅(2mm)の塗り足し領域の分だけ転写材Pよりも大きな領域としている。そして、その塗り足し領域の部分までを含めた領域のトナー像をドラム205表面に形成し、そのトナー像をベルト251へと転写する。そのトナー像を転写ローラ209により転写材Pの面に転写することによって転写材Pへの縁無し印字を達成している。転写ローラ209の表面へと転写した塗り足し部のトナーは、クリーニングブレード221により清掃される。
(2)撓み量制御
定着ニップ部Fと転写ニップ部Tとの間には、転写材Pの撓み量dを検知するための、撓み量検知手段260が設けられている。この撓み量検知手段260は、軸部261を中心に回動可能となっており、その回動元部のフラグ262が光センサで構成された検出センサ263を遮光するか否かで転写材Pの撓み量dが一定以上になったか否かを検出する。また、撓み量検知手段260によって検出された信号のオンオフ(センサ263のオンオフ)は、タイマー(計時手段)にて測定される。
一方、加圧ローラ211の駆動速度は、速度切換手段219を備えたコントローラ216によって少なくとも2段階以上の段階的に速度を切り換えられる。そして、検出センサ263の検出結果に応じて定着モータ220の駆動速度を切り換えることで転写材Pの撓み量dを一定にする。なお、本実施例では2段階での切り換えが可能となっている。
すなわち、搬送される転写材Pの撓みがないときは、検出センサ263は、オン状態にあり、撓み量が所定量よりも大きくなるとフラグ262が検出センサ263を遮光するためにオフになる。従って、検出センサ263がオンのときは、定着ニップ部Fの転写材Pの搬送速度を遅くし、検出センサ263がオフになると定着ニップ部Fの搬送速度を速くする。これによって、定着ニップ部Fと転写ニップ部Tとの間の転写材Pの撓み量dを一定にすることができる。
(3)後端こすれの抑制
実施例1においては、転写ローラ209の対向部材がドラム205であったのに対し、本実施例では、駆動ローラ252である違いはあるものの、後端こすれに関しての発生条件は同じである。よって、実施例1に記載された条件を満たさないと、本実施例においても、同様の理由から後端こすれが発生する。
本実施例では、転写ニップ部Tから定着ニップ部Fとの距離L0を120mmとした時の、後端こすれが発生しない条件を式(4)および(5)から求め、目標撓み量dtgtが3mmとした。具体的には、撓み量検知手段260を転写ニップ部Tと定着ニップ部Fと間の中央部に配置し、検出センサ263のオン、オフの切り替わる位置を、転写材Pの撓み量が3mmとなるようなフラグ形状とした。
上記した構成において、縁無しモードにて実施例1と同様の方法で画像評価を行った結果、後端こすれは良好となった。
以上説明した通り、縁無し印字モードが可能な、中間転写ベルト方式のインラインカラー画像形成装置において、撓み量検知手段を用いて撓み量dを制御し、転写材P後端が転写ニップTを抜ける時の撓み量dを略零とする。これにより、後端こすれを抑制し良好な画像を得ることが可能となる。
[実施例5]
図14は本実施例における画像形成装置200の概略構成図である。この装置200は転写材Pを吸着し搬送するための転写材搬送ベルト(記録媒体搬送ベルト、転写搬送ベルト)271を用いた電子写真方式のレーザービームカラープリンタである。図13の電子写真方式のレーザービームカラープリンタと共通する構成部材、部分には共通の符号を付して再度の説明を省略する。
(1)画像形成部
この装置200においては第1から第4の4つのカラーステーション(プロセスカートリッジ)UY、UM、UC、UKは下から上に順に縦一列に配置されている。各ステーションUのドラム205は矢印の反時計方向に本実施例においては40mm/秒の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
各ステーションUのドラム露呈側には、転写材Pを吸着して下から上に搬送するための無端状の転写材搬送ベルト(転写搬送ベルト)271を有するベルトユニット270が配設されている。ベルト271は、第1のステーションUY側の第1ローラ272、第4のステーションUY側の第2ローラ273、及び第3と第4のローラ274・275の並行4本のローラ間に張架され、矢印の時計方向へドラム205の速度とほぼ同じ速度で回転駆動される。
各ステーションUのドラム205は、第1と第2のローラ272・273との間のベルト部分の外面に接している。ベルト251の内側には、各ステーションUのドラム205に対向させて4個の転写ローラ255が配設されている。第1のローラ272にはベルト271を介して吸着ローラ276が当接されている。ベルト271と吸着ローラ276との当接部が転写材吸着ニップ部である。
転写材Pは第1のステーションUYの下方に配設された給送機構部240から一枚分離給送され、レジストローラ203により所定の制御タイミングにて上記の転写材吸着ニップ部に導入され、ベルト271の外面に対して静電的に吸着される。そして、転写材Pはベルト271の回転に伴って下から上に搬送されて第1から第4のステーションUY、UM、UC、UKの転写部を順次に搬送される。これにより、ベルト271で搬送される転写材Pの面に対して各ステーションUのドラム205から、Y、M、C、Kの各色トナー像が順次に所定に重畳されて転写されることでフルカラートナー像が合成形成される。
トナー像が形成された転写材Pは、第2ローラ273のベルト懸回部においてローラ273の曲率によって分離部Sにて分離されて、定着装置233に搬送される。
定着装置233は、図1や図13の装置と同様に、フィルム加熱方式、加圧ローラ駆動式の加熱定着装置であり、転写材Pは定着ニップ部Fに導入されて挟持搬送される。これにより、定着フィルム210を介したヒータからの熱とニップ部圧により、転写材上の未定着フルカラートナー像が固着画像として定着される。定着装置233を出た転写材Pは搬送ローラ214を通って排出口235から装置外の排出トレイ222に対して画像形成物として排出される。
本実施例においても、縁無し印字モードを実行可能であり、縁無し印字モードは画像形成装置に接続されるホストコンピュータ等の外部装置300や操作部230によって選択可能になっている。プリントコントローラ(制御手段)216が縁無し印字信号を取り込むと縁無し印字に応じた画像形成の制御シーケンスを実行する。
各ステーションUのドラム205上には、縁無し印字モード時には、転写材Pの先端部、後端部、左端部、右端部について各々所定幅(2mm)の塗り足し領域の分だけ転写材Pよりも大きなトナー像が形成される。ベルト271に吸着された転写材Pは、ドラム205と対向してベルト271の裏側に配置されるバイアスを印加された転写ローラ255によってトナー像を転写される。この際、ドラム205上の塗り足しトナーの一部は、ベルト271側に転写される。
ベルト271へと転写された塗り足し部のトナーは、第4ローラ275の位置においてベルト271に当接するクリーニングブレード277により清掃されて除去される。
(2)撓み量制御
ベルト271と定着ニップ部Fとにわたって搬送される転写材Pには所定の撓み量dが形成されるように制御される。本実施例における撓み量dは、分離部Sと転写ニップ部Fとを直線で結んだ線を基準とした転写材Pの撓み量と定義する。
実施例1と同様の光学式測距センサ215は、転写材Pの裏側、且つ、分離部Sと定着ニップ部Fとのほぼ中央の最も撓み量dが大きくなるポイントに設置されている。光学式測距センサ215を用い、実施例1に示した制御方法にて転写材Pの撓み量dが一定になるように、定着ニップ部Fの転写材Pの速度を制御している。
(3)後端こすれの抑制
図15は図14における分離部Sと定着ニップ部Fとの間の拡大模式図である。本実施例においては、ベルト271の転写材Pが分離するポイント(分離部S)と定着ニップ部Fとの間の転写材Pの撓み量dを略零にすることにより、転写材Pの後端のコバ部(裁断面)や裏面のトナー汚れを抑制出来る。
図15を用いて、その理由を以下に説明する。転写材Pはベルト271に吸着されて搬送されており、その際、転写材Pはベルト271の表面と略同じ速度で搬送される。転写材Pの撓み量dが大きい場合、転写材Pの後端部がベルト271の転写材分離部Sを過ぎると、転写材Pの後端部のベルト271から受ける搬送力は小さくなる。このため、ベルト271からの搬送力が低下した転写材Pの後端部の速度は、ベルト271の表面速度に対して遅くなる。
この転写材Pの速度が遅くなる過程において、転写材Pの後端部はベルト271によって擦られる。縁無し印字モードにおいては、ベルト271表面に転写された塗り足し部のトナーがあるため、ベルト271により擦られる時に、転写材Pの後端部のコバ部の汚れ(コバ汚れ)及び裏面のトナー汚れ(裏汚れ)が発生する。
以上説明した内容は、実施例1にて説明を行った内容と同じであり、転写ニップ部Tを転写材分離部Sに置き換えたものである。
本実施の装置においても、撓み量dを振りながら画像評価を行った結果、撓み量dと後端コバ汚れおよび裏汚れは、良い相関があった。画像評価には、画像後端部にベタ画像があるものを行った。その結果、後端コバ汚れ及び、裏汚れを良好な状態にするための条件は、実施例1と同様に下式の条件であることが分かった。
0≦d≦3.92+0.0385×L0-0.000108×(L0-100)2+5.91e-7×(L0-100)3
また、以下の関係にすることにより、更に後端コバ汚れ及び、裏汚れを良好にすることが可能である。
0≦d≦3.09+0.0305×L0-0.0000858×(L0-100)2+4.71e-7×(L0-100)3
撓み量dは転写材Pの後端が転写ニップ部T(分離部S)を抜ける時の撓み量を、L0は転写ニップ部T(分離部S)から定着ニップ部Fまでの距離とする。
以上説明した通り、縁無し画像モードが可能な、転写搬送ベルトを用いたインラインカラー画像形成装置において、撓み量検知手段を用いて撓み量dを制御し、転写材Pの後端が転写ニップT(分離部S)を抜ける時の撓み量dをほぼ零とする。これにより、後端コバ汚れや裏汚れの発生を抑制し、良好な画像を得る事が可能となる。
[その他の実施形態]
画像形成装置の画像形成プロセスは、像担持体として感光体を用いた実施例の電子写真方式に限られず、像担持体として誘電体を用いた静電記録プロセス、像担持体として磁性体誘電体を用いた磁気記録プロセスなどであってもよい。
205,251・・像担持体、T・・転写ニップ部、P・・記録媒体、209・・転写手段、F・・定着ニップ部、233・・定着手段、d・・記録媒体の撓み量、215,260・・撓み量測定手段、216・・速度制御手段

Claims (8)

  1. トナー像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体と転写ニップ部を形成して記録媒体を挟持搬送し前記トナー像を記録媒体に転写する回転可能な転写手段と、前記転写ニップ部を出た記録媒体を定着ニップ部で挟持搬送して記録媒体に転写されているトナー像を定着させる定着手段と、前記転写手段と前記定着手段の間に配置され、前記転写ニップ部と前記定着ニップ部とにまたがって搬送されている記録媒体の撓み量を測定する撓み量測定手段と、前記撓み量測定手段の結果に基づき、前記定着ニップ部による記録媒体搬送速度を制御する速度制御手段と、を有し、前記像担持体に記録媒体に対応する領域から記録媒体の外側に対応する領域までトナー像を形成して記録媒体の縁にトナー像を転写する縁無し印字モードを実行することができる画像形成装置において、
    前記速度制御手段は、前記縁無し印字モードの実行時における記録媒体の前記撓み量が、記録媒体の後端部が前記転写ニップ部から抜けた時点ではほぼ零となるように前記定着ニップ部による記録媒体搬送速度を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記速度制御手段は、前記撓み量d(mm)に関してほぼ零となる状態で前記転写ニップ部と前記定着ニップ部とにまたがって搬送されている記録媒体の経路長をL0(mm)としたとき、前記縁無し印字モードの実行時において、記録媒体の後端部が前記転写ニップ部から抜けた時点の記録媒体の撓み量d(mm)が、
    0≦d≦3.92+0.0385×L0-0.000108×(L0-100)2+5.91e-7×(L0-100)3
    上式の範囲になるように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記撓み量測定手段が、非接触式の測距手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 目標撓み量dtgtが格納された記憶手段を有し、前記速度制御手段は、前記転写ニップ部における記録媒体へのトナー像の転写開始の一定時間後から、前記目標撓み量dtgtを変更し、記録媒体の後端部が前記転写ニップ部から抜けた時点で、前記撓み量dがほぼ零となるように記録媒体搬送速度を制御することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記記憶手段には複数の目標撓み量dtgtが格納されており、搬送された記録媒体の種類に応じて前記目標撓み量dtgtが可変であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体が回転可能な感光体であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記像担持体が回転可能な中間転写ベルトであり、回転可能な感光体から前記中間転写ベルトにトナー像が転写され、前記中間転写ベルトから前記記録媒体に対してトナー像が転写されることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記像担持体が複数の回転可能な感光体であり、前記複数の感光体のトナー像が記録媒体搬送ベルトで搬送される記録媒体へ転写されることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の画像形成装置。
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