JP5581854B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関し、特に、定着ニップに記録紙が当接する際の姿勢の不安定さに起因した記録紙のシワ発生を抑制する技術に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、記録紙に転写された未定着トナー像を定着させるための定着装置が搭載されている。定着装置は、例えば定着ローラと加圧ローラとで形成された定着ニップ部にトナー像が転写された記録紙を通過させることで記録紙上にトナー像を定着させる。この種の定着装置においては、定着工程時に記録紙にシワが生じてしまうことがあった。
図9は、先行技術である特許文献1に記載の定着ローラを示す図である。
定着工程時に記録紙にシワが生じるという課題に対応する技術として、特許文献1には、図9に示すように、駆動モータにより回転駆動する定着ローラ42の弾性層42bの両端部の厚みを中央部よりも厚くして、定着ローラ42の形状を両端部よりも中央部が小径の所謂「逆クラウン形状」とした定着装置が記載されている。定着ローラ42の形状を逆クラウン形状にすることで、外径の大きい端部の周速が中央部に比べて速くなり、定着ニップの記録紙に紙幅方向外側に引っ張る力が働く。記録紙が、このような紙幅方向外側に引っ張る力を受けることで、シワの発生を抑制することができる。
しかしながら、従来技術ではニップ部に入る前の用紙の姿勢の不安定さに起因した記録紙のシワに対しては十分な効果を得ることはできず、さらに、幅広い紙種に対して1つのローラ形状でシワの発生を抑制することは難しい。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、幅広い紙種に対して、定着ニップ部へ入る用紙の姿勢の不安定さに起因したシワの発生を抑制することができる定着装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の定着装置及び画像形成装置を提供する。
本発明に係る定着装置は、駆動源により回転駆動される駆動部材と、該駆動部材と接触して該駆動部材との間に定着ニップを形成する対向部材と、を備えた定着装置であって、記録紙の前記定着ニップ入り口近傍の左右端の先端位置を検知する先端位置検知手段と、前記左右端の面外変形形状を検知する面外変形形状検知手段と、前記先端位置検知手段及び前記面外変形形状検知手段の検知結果に基づいて、前記左右端の噛み込み時間差を算出し、当該時間差を利用して、前記駆動部材の駆動速度を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記定着装置と、記録紙の紙種ごとに、前記駆動速度制御が可能な噛み込み時間差である制御限界閾値を記憶する記憶手段と、を有し、前記制御手段は、前記先端位置検知手段及び前記面外変形形状検知手段の検知結果に基づいて算出する噛み込み時間差が、前記制御限界閾値を下回る場合に、前記駆動速度を制御することを特徴とする。
本発明によれば、幅広い紙種に対して、定着ニップ部へ入る用紙の姿勢の不安定さに起因したシワの発生を抑制することが可能となる。
本発明による実施形態に係る画像形成装置の構成を模式的に表す図である。 図1の中間転写ベルト20及びそれに関連する機構を示す斜視図である。 図1の定着装置40及び制御ブロックを示す概略構成図である。 図3の閾値テーブル66aと補正値テーブル66bの例を示す図である。 図3の定着ニップ周辺を示す斜視図である。 (a)は、用紙先端の噛み込み時間差がある場合の定着ニップ噛み込み初期状態を示し、(b)は、用紙先端の噛み込み時間差がある場合のシワ発生時の状態を示す模式図である。 本実施形態における用紙先端噛み込み時間差調整の制御フロー図である。 本実施形態の用紙面外変形形状検知手段の構成図である。 従来の定着ローラを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンタの装置構成を模式的に示す概略構成図である。この図に示す画像形成装置1は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能な電子写真方式のカラー画像形成装置であり、4個の作像ユニット10(Y、M、C、Bk)を中間転写ベルト20の上部走行辺に沿って並設している。中間転写ベルト20については図2を参照して後に詳述する。
各作像ユニット10は扱うトナーの色が異なるのみで構成は同一であり、図1では一番左側のイエロー作像ユニット10Yのみ、ユニットを構成する機器に符号を付している。すなわち、各作像ユニット10は像担持体としての感光体ドラム11を具備している。この感光体ドラム11の周りには、帯電手段12、現像装置13、クリーニング装置14等が配置され、さらに各感光体ドラム11に対向するように中間転写ベルト20の内側に一次転写部を構成する転写ローラ15が設けられている。また、本例では各作像ユニットとに露光手段を備える構成であり、例えばLED等の露光手段16が帯電手段12と現像装置13の間で光書き込み可能なように配置されている。露光手段としては、各作像ユニットに共通の露光装置、例えばレーザ書込み装置を用いることも可能である。
中間転写ベルト20の支持部材の一つであり、バックアップ部材として機能する転写対向ローラ32に中間転写ベルト20を挟んで対向するように転写用部材である転写ローラ31が配置されている。その転写ローラ31の図において右側にはレジストローラ対54が、左側には搬送ベルト55が配設される。また、搬送ベルト55の左側には定着装置40が設けられている。この定着装置40は、加熱手段たる加熱ローラ41と定着ローラ42とに掛け渡された定着ベルト43を有するベルト定着装置であり、定着ベルト43を挟んで定着ローラ42に被加圧ローラ44が圧接するように設けられている。
装置内の下部には用紙束Pを収納する給紙トレイ50が配置され、給紙手段としてピックアップコロ51や分離給送ローラ52が設けられている。また、図に一点鎖線で示す用紙搬送経路中の適宜の位置には、搬送ローラ53が配置されている。さらに図示はしないが、用紙ガイドが適宜設けられる。このほか、必要に応じて、手差し給紙部や用紙反転部を設けることもできる。また、画像読取装置(スキャナ)や自動原稿給送装置(ADF)などを装着することも可能である。
以上のように構成された本画像形成装置における画像形成動作について簡単に説明する。
上記作像ユニット10の感光体ドラム11が図示しない駆動手段によって図中反時計方向に回転駆動され、その感光体ドラム11の表面が帯電手段12によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体表面には露光手段16からの走査光が照射され、これによって感光体ドラム11表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム11に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に現像装置13から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。また、中間転写ベルト20が図中時計回りに走行駆動され、各作像ユニット10において一次転写ローラ15の作用により感光体ドラム11から中間転写ベルト20に各色トナー像が順次重ね転写される。このようにして中間転写ベルト20はその表面にフルカラーのトナー像を担持する。なお、作像ユニット10のいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、複数の作像ユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、4個の作像ユニットのうち、図の一番右側の黒ユニット10Bkを用いて画像形成を行う。
そして、トナー像を転写した後の感光体ドラム11表面に付着する残留トナーは、クリーニング装置14によって感光体ドラム表面から除去され、次いでその表面が図示しない除電器の作用を受けて表面電位が初期化されて次の画像形成に備える。
一方、給紙トレイ50から用紙が給送され、レジストローラ54によって、中間転写ベルト20上に担持されたトナー像とのタイミングを取って二次転写位置に向けて送出される。第二の転写手段である転写ローラ31によって中間転写ベルト表面のトナー像が用紙上に一括して転写される。トナー像を転写された用紙は搬送ベルト55によって定着装置40へと送られ、定着装置40を通過するとき、熱と圧力によってトナー像が用紙に熔融定着される。トナー像が定着された用紙は図示しない排紙トレイに排出される。
図2は、中間転写ベルト20の構成を示す斜視図である。
この図に示すように、中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、従動ローラ22、外部張架ローラ23、転写対向ローラ32及び転写ガイドローラ33に張り渡されており、駆動ローラ21がモータ26によって回転駆動されることで、図中の矢印A方向に走行される。従動ローラ22は、図示しない荷重付与手段により中間転写ベルト20に張力を与え、駆動ローラ21と中間転写ベルト20の間に摩擦搬送力を発生させる。駆動ローラ21と従動ローラ22によって形成されるベルト張架面である中間転写ベルト20の上部走行辺には、図1で説明したように各色作像ユニットの感光体ドラム11が並設され、その各感光体ドラム11に対向するように、中間転写ベルト20のループ内に一次転写手段としての転写ローラ15が配置される。転写対向ローラ32の下部には転写ローラ31が配置され、中間転写ベルト20を挟んで転写対向ローラ32に圧接される。転写対向ローラ32には図示しない転写電源より所定の高電圧が付与され、電気的に接地されている転写ローラ31との間の転写ニップに転写電界を形成する。また、転写ローラ31は、転写対向ローラ32及び中間転写ベルト20と共に用紙を所定の押し付け力で挟持して搬送する。さらに、中間転写ベルト20の裏面側で、転写対向ローラ32のベルト回動方向の上流側近傍には、転写ガイドローラ33が配置される。上記転写ローラ30、転写対向ローラ31及び転写ガイドローラ32によって二次転写部30が構成される。なお、図1から分るように、転写ガイドローラ33は、駆動ローラ21と転写対向ローラ32の外周面を結ぶ直線よりもやや外側に配置されており、中間転写ベルト20をベルト内側から外側に向けて押し出すような位置に設けられている。これにより、転写対向ローラ32と転写ローラ30の配置関係が、中間転写ベルト20が転写ローラ30の表面に巻き付いた後に転写ローラ30と転写対向ローラ32とで形成する転写ニップに挟み込まれ、かつ、用紙の、前記転写ニップに挟み込まれた部分よりも後端側の部分を用紙の腰によって像担持体表面に接近させるような配置関係になっている。また、図2には示していないが、転写対向ローラ32と外部張架ローラ23の間のベルト外側には、中間転写ベルト20をクリーニングするベルトクリーニング手段24(図1)が配置され、そのベルトクリーニング手段24のクリーニングブレードに対応する裏当てローラ25(図1)がベルト内側に配置されている。用紙Pは図中の矢印B方向に搬送され、レジストローラ対54で用紙の姿勢を修正された後、転写ローラ31と中間転写ベルト20の間を搬送され、中間転写ベルト20上のトナー像が用紙上に静電転写される。
図3は、定着装置40と制御ブロック図を示す概略構成図である。
この定着装置40は、上述したように、加熱手段たる加熱ローラ41と定着ローラ42とに掛け渡された定着ベルト43を有するベルト定着装置であり、定着ベルト43を挟んで定着ローラ42に被加圧ローラ44が圧接するように設けられている。
加熱手段たる加熱ローラ41は、中空状の金属製の芯金部内にハロゲンランプ等のヒータ45を内蔵しており、この輻射熱によって定着ベルト43を内側から加熱している。
加熱ローラ41は不図示の駆動源によって回転駆動され、定着ベルト43を介して定着ローラ42が回転駆動し、定着ニップを介して被加圧ローラ44が従動回転する。すなわち、本実施形態では、定着ローラ42が、駆動源の駆動力を用紙へ伝達し、用紙に搬送力を付与する駆動部材として機能し、被加圧ローラ44が定着ニップを介して従動回転する対向部材として機能している。
定着ニップの入口近傍には、エリアセンサ61a及びパタン投影機62が設けられている。本実施形態のパタン投影機62は、紙の幅方向に直線状のパタンを投影するものを用いた。
制御部63は、装置全体の制御を司るものであり、様々な機器やセンサが接続されているが、同図では、本装置の特徴点に関連する機器やセンサだけを示している。制御手段たる制御部63は、CPU、ROM、RAMなどで構成され、ハードウェア上で所定のプログラムを実行することにより、各手段の機能を実現している。図に示すように、制御部63は、エリアセンサ61aの出力値から、定着ニップ入口の用紙Pの幅方向の面外変形形状を演算している。すなわち、本実施形態においては、制御部63とエリアセンサ61aならびにパタン投影機62とで、面外変形形状検知手段を構成している。
定着ニップの入口近傍には、用紙先端位置検知センサ61bが設けられている。本実施形態の用紙先端位置検知センサ61bは、用紙の幅方向にわたって用紙を照明する発光素子と、用紙からの反射光を電位に変換する受光部から構成されている。用紙が上記用紙先端位置センサ61bの直下を通過すると、用紙の無い状態で受光部に入る光の量の変化から用紙先端位置を検知することができる。また、用紙幅方向にわたって用紙先端位置検知センサを配置することで、用紙左右の用紙先端の位置を知ることができる。
なお、本実施例においては面外変形形状検知手段と用紙先端位置検知手段は別構成としたが、面外変形形状検知手段で用紙先端位置を測定することも可能であり、1つの要素で構成することも可能である。
また、制御部63には、記憶手段たる不揮発性メモリ64が接続されており、不揮発性メモリ64には、予め実験で求めた基準の噛み込み時間差65やシワの発生する噛み込み時間差の閾値および制御限界噛み込み時間差などの閾値テーブル66a、補正値テーブル66bなどが格納されている。
図4に、閾値テーブル66aと補正値テーブル66bの例を示す。
ここで、予め実験で求めた基準の噛み込み時間差65は、装置の紙パス形状、紙種、環境によって定着ニップ入口での用紙のばたつき方が変化する為、夫々の条件に対して噛み込み時間差を基準値として記憶しておいたものである。条件によっては、基準値がシワの発生する噛み込み時間差の閾値に達している場合もあるので、この場合にはオペレータによる印刷指示が入力された時点で定着駆動制御を行う。
また、制御部63は、駆動モータ67を制御して定着ローラ42の回転速度や、ヒータ45の電源68を制御して、定着熱量を制御している。さらに、制御部63には、報知手段たるスピーカ69や表示部70が接続されており、スピーカ69や表示部70を制御して、使用者に所定の情報を報知できるようになっている。ここで所定の情報とは、例えば、ジャムの危険性が大である旨の表示等である。
次に、用紙先端の噛み込み時間差の評価法を説明する。
図5は、姿勢が不安定な状態で定着ニップに搬送される用紙の幾何学配置を示している。
図示しない転写部によってトナー像が形成された用紙Pは、理想的には図中の2点鎖線で示した面内を搬送され、定着ニップ部に噛み込まれてトナー像を用紙上に溶融定着させる。しかし、用紙の搬送途中のバタツキや、用紙のカールなどによって図示したように理想面から外れて搬送されることが度々生じる。
定着ニップ直前の用紙上には未定着状態のトナーが付着しているため、用紙のバタツキを用紙ガイドによってガイドすることは不可能であり、このような用紙のバタツキに起因した用紙のシワを防止することは困難な事象となっている。
本実施形態においては、用紙の先端が理想位置PL、PRからから外れてPL’、PRになった状態、すなわち、用紙手前側の用紙端部が高さhだけ2点鎖線で示した理想位置平面から外れた状態を示している。この時定着ローラ42に用紙先端が接触したものとして、定着ニップの幅方向の中心位置NLとPL’の成す角度をα、さらに、用紙先端と理想平面の成す角度をθとすると、用紙先端の左右端が定着ニップに噛み込まれる時間の差は、搬送経路の差として求めることができる。
すなわち、図5の系に対して用紙先端左右端の搬送経路の差δならびに用紙先端左右端の噛み込まれる時間差Δtは、
δ=2πRα―(R−h)tanα ・・・(1)
Δt=δ/v ・・・(2)
として求めることができる。
このようにして、用紙の面外変形形状の測定結果から用紙先端の定着ニップへの噛み込み時間の差を予測することができる。さらに、用紙先端の位置の計測結果を加味することで、上述のようにして求めた噛み込み時間差をより高精度に求めることができる。
次に、用紙先端の噛み込み時間差によってシワが発生する現象を説明する。
図6は、定着ニップでの用紙幅方向面外変形形状を示している。
図5に示したように用紙先端左端PL’が理想的な用紙の搬送平面からずれている場合、前述したように定着ニップへの用紙先端の噛み込み時間差が生じ、図6(a)に示すように、用紙先端の一部(本実施例では右側だけ)が定着ニップに噛み込まれる状況が生じる。この時点では、用紙先端左側はまだ定着ニップ部に噛み込まれていない。
定着ローラの回転に伴い用紙は図中Bの方向に搬送され、用紙先端左側も定着ニップ二部に噛み込まれるが、この時点では先に噛みこまれた領域と後から噛みこまれた領域とで用紙面内で搬送される方向に角度差が生じており、用紙が平面形状を保てなくなり、うねりW1を生じる。用紙の搬送に伴いこの用紙のうねりが大きくなり、ついには用紙ニップ部でのシワW2の発生に至る。
そこで、本実施形態では、面外変形形状ならびに用紙先端位置の測定結果から予測した用紙先端の噛み込み時間差Δtがシワの発生する値に達成した時に、定着ローラ42の回
転速度を遅くするように制御している。定着ローラ42の回転速度が遅くなると、転写部からの搬送力により用紙Pが定着ニップ側に押し込まれるようになり、定着ニップ部に噛み込まれていなかった用紙先端(本実施例では左側)も定着ニップに噛み込まれるようになる。すなわち、実質的に用紙先端の噛み込み時間差が小さくなるように作用し、シワの発生を防止することができる。
なお、用紙剛性が高い厚い紙の場合には、用紙を平面形状に保とうとする力が強いので、用紙先端の噛み込み時間差が大きくてもうねりが小さくなり、シワに至らない。一方、用紙剛性の低い薄い紙の場合には用紙を平面形状に保とうとする力が弱いので、わずかな用紙先端の噛み込み時間差でもシワが発生するようになる。このように、紙の種類によってシワの発生しやすさが異なるので、紙の種類毎にシワの発生し始める用紙先端の噛み込み時間差は異なる。そこで、本発明においては紙種毎にシワの発生する噛み込み時間差の閾値を不揮発性メモリ64などの記憶手段に保持しており、用紙の変形形状の測定や用紙先端位置の測定結果に基づいて算出された用紙先端の噛み込み時間差と参照することで、シワ防止のための制御を行うかどうかの判断を行う。
また、定着ローラの回転速度の低減量を大きくするほど、大きな用紙先端の噛み込み時間差でもシワの発生しない状態に制御することが可能となるので、用紙先端の噛み込み時間差と定着器の制御量としての定着ローラの回転速度の低減量を予め決めておき、補正値としてメモリなどの記憶手段に保持させている。
しかし、定着ローラの回転速度の変化は定着性に直接影響を及ぼすので、定着ローラの回転速度に応じて定着温度を変更しても安定した定着品質を得る観点からは自ずと限界がある。そこで本発明においては、安定した定着品質を得ることの出来る限界を制御限界噛み込み時間差としてメモリなどの記憶手段に保持させており、用紙先端の噛み込み時間差がこの限界を超える場合には、その旨を使用者に表示するとともに装置を停止させ、シワの生じた不良印刷物やシワによって発生する紙ジャムを防ぐようにしており、無駄な紙の使用やジャム処理に要する無駄な時間の発生を防止するようにしている。
図7は、用紙先端噛み込み時間差の調整の制御フロー図である。
まず、制御部63は、面外変形形状を計測する紙種を特定する(S1)。紙種の特定は、例えば、給紙トレイに用紙Pをセットする際に、ユーザーに給紙トレイにセットされる用紙Pの厚さや種類の情報を入力させ、入力した情報を不揮発性メモリ64に記憶しておく。
制御部63は、不揮発性メモリ64に記憶されている給紙トレイ50にセットされている用紙の紙種情報を読み出すことで、面外変形形状を計測する紙種を特定することができる。次に、制御部63は、パタン投影機62でラインパタンを用紙上に投射し(S2)、このラインパタンが照射された用紙を定着ニップへ搬送し、エリアセンサ61aでラインパタンの形状を測定して面外変形形状を検知する(S3)。また、用紙先端位置センサ61bによって用紙先端位置を検知する(S3)。
制御部63は検知した面外変形形状と用紙先端位置から予測される用紙先端噛み込み時間差を算出し、不揮発性メモリ64に記憶されている紙種に対応した先端噛み込み時間差の制御限界値と比較する(S4)。予測される用紙先端噛み込み時間差が制御限界値を超えている場合には、シワの発生を回避できない為、スピーカを制御してアラームを発信するとともに、ジャムの危険性が大である旨を表示部に表示して装置を停止させる(S8)。
予測される用紙先端噛み込み時間差が限界値を超えていない場合(S4/No)、不揮発性メモリ64に記憶されている紙種に対応した先端噛み込み時間差の制御要否閾値と比較する(S5)。予測される用紙先端噛み込み時間差が制御要否閾値よりも小さい場合、シワは発生しないので用紙先端噛み込み時間差に起因したシワ防止のための定着条件の制御は行わず、通常の定着条件のままで印刷を続ける。
予測される用紙先端噛み込み時間差が制御要否閾値よりも大きい場合(S5/No)、制御部63は不揮発メモリ64に記憶されている補正値テーブル66bと測定結果から予測される用紙先端噛み込み時間差から定着ローラの回転速度や定着ローラの温度などの定着条件の調整量を求め(S6)、求めた調整量に応じて定着条件を変更してシワの発生を回避する(S7)。
なお、用紙の剛性は環境によって大きく変動する為、上述の各種限界値や閾値は紙種のみならず環境によっても異なる。そこで、上述の各種限界値や閾値のテーブルは、紙種と環境ごとに不揮発性メモリに記憶されていることが望ましい。ここで、環境とは、主に温湿度の環境を意図している。
図8は、用紙面外変形形状検知手段の構成図である。
用紙Pは定着ローラ42と被加圧ローラ44によって形成されるニップ部を矢印Bの方向に搬送される。パタン投影機62はニップ入り側に、用紙Pの記録面に対して所定の角度を設けて配置され、用紙Pのニップ入り側近傍の用紙全幅にわたり、パタンLPを照射する。ここで「所定の角度」としたパタン投影機62が用紙Pの記録面に対して配置される角度は、用紙Pに対して垂直に近くなると測定感度が下がり、角度が浅くなると測定感度は上がる一方で少しの変形で測定レンジから外れてしまうことになるため、45°程度が扱いやすい。
エリアセンサ61は、用紙PのパタンLP形成側で用紙Pの記録面に対してほぼ垂直方向に配置され、用紙P上に形成されているパタンLPを撮影する。用紙Pにたわみの無い場合にはパタンLPは直線としてエリアセンサ61に捉えられるが、用紙Pにたわみが発生すると、用紙のうねりにより用紙の高さが局所的に変化し、パタン投影機62から用紙Pの記録面に対して斜めに照射されているパタンLPは、エリアセンサ61からは歪んだ曲線として捉えられるようになる。
用紙の面外変形量が大きくなり、所定の値を超えると、その近傍でシワWが発生することがわかっているので、用紙の面外変形量を測定することで、シワが発生するかどうかを予測することができる。また、用紙の高さと、パタンLPの位置の関係を予め検定しておくことで、エリアセンサ61の出力から用紙Pの面外変形量を求めることができる。
本実施形態においては、用紙の全幅にわたって用紙の変形形状を計測しているが、通紙する用紙の幅方向両端部に対応した位置にスポット的な変位計測装置を配置することで、センサのコストを低減させながら同様な効果を得ることができる。
以下、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態によれば、定着ニップ入口近傍の上記記録紙の少なくとも左右端の先端位置を検知する先端位置検知手段を備えているので、上記先端位置検知手段で検知した用紙先端位置と上記面外変形形状検知手段で検知した面外変形形状とから算出した予測される噛み込み時間差に基づいて、記録紙にシワが発生するか否かを判断することができる。
以下、理由を説明する。
搬送中の用紙のばたつきや用紙の変形などにより用紙の幅方向で定着ニップへの噛み込み時間に差が生じることがある。この場合、用紙の先に噛み込まれる箇所と後から噛みこまれる箇所では、用紙面内で搬送される方向に角度差が生じて用紙が平面形状を保てずにうねり変形を生じ、シワに発展する。このように、用紙の噛み込み時間差と用紙のシワの発生には相関があるので、用紙の噛み込み時間差を測定することでシワの発生を判断できる。
また、本実施形態によれば、該先端位置検知手段および面外変形形状検知手段の検知結果に基づいて、上記駆動部材または上記加熱手段を制御する制御手段とを備えているため、シワの発生を防止することができる。
すなわち、上記測定結果から予測される用紙の噛み込み時間差に基づいて定着ローラの回転速度を一時的に低下させ、定着器の上流側に配置されている用紙搬送系による用紙の押し込み力によって、定着ニップへの用紙の噛み込み時間差を低減することで、用紙のシワの発生を防止させることができる。
さらに、定着ローラの駆動速度に応じて定着ローラの温度を制御することで定着性の均一性を確保することができる。
また、本実施形態によれば、記憶手段に標準的な噛み込み時間差ならびに駆動速度制御の必要な噛み込み時間差の閾値を記憶しており、これに基づいて定着駆動制御を行うか否かの判断を行う為、不必要に制御を行うことを防止している。
さらに、本実施形態では上記記憶手段に駆動速度制御では補いきれない制御限界の噛み込み時間差を記憶しており、上記制御手段は、上記噛み込み時間差の算出結果が、上記制御限界に達しているか否かを判定し、達している場合は、定着動作を禁止することで紙シワに起因した不良印刷や、紙づまり不良を防止することができる。
さらに、本実施形態では上記限界値を各種用紙に対して有しているので、紙種毎に適正な制御を行うことが出来、幅広い紙種に対して安定な印刷を実現できる。
40 定着装置
41 加熱ローラ
42 定着ローラ
43 定着ベルト
44 被加圧ローラ
45 ヒータ
61a エリアセンサ
61b 用紙先端位置検知センサ
62 パタン投影機
63 制御部
64 不揮発性メモリ
69 スピーカ
70 表示部
特開2005−195856号公報

Claims (5)

  1. 駆動源により回転駆動される駆動部材と、該駆動部材と接触して該駆動部材との間に定着ニップを形成する対向部材と、を備えた定着装置であって、
    録紙の前記定着ニップ入り口近傍の左右端の先端位置を検知する先端位置検知手段と、
    前記左右端の面外変形形状を検知する面外変形形状検知手段と、
    前記先端位置検知手段及び前記面外変形形状検知手段の検知結果に基づいて、前記左右端の噛み込み時間差を算出し、当該時間差を利用して、前記駆動部材の駆動速度を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ニップを通過する記録紙を加熱する加熱手段を備え、
    前記制御手段は、前記駆動速度に基づいて前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記左右端の予め実験で求めた基準の噛み込み時間差を記憶しておき、
    前記制御手段は、記憶されている前記基準の噛み込み時間差と、前記先端位置検知手段及び前記面外変形形状検知手段の検知結果に基づいて算出する噛み込み時間差とに基づいて、前記駆動速度を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の定着装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の定着装置と、
    記録紙の紙種ごとに、前記駆動速度制御が可能な噛み込み時間差である制御限界閾値を記憶する記憶手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記先端位置検知手段及び前記面外変形形状検知手段の検知結果に基づいて算出する噛み込み時間差が、前記制御限界閾値を下回る場合に、前記駆動速度を制御することを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記記憶手段は、前記駆動速度制御が必要な噛み込み時間差である制御要否閾値を記憶し、
    前記制御手段は、
    前記先端位置検知手段及び前記面外変形形状検知手段の検知結果に基づいて算出する噛み込み時間差が、前記制御要否閾値を上回る場合に、前記駆動速度を制御することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
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