JP2011035115A - 面発光レーザ、面発光レーザアレイ、および光学機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の多層膜反射鏡を有する面発光レーザであって、
少なくとも一つの多層膜反射鏡は、
第一の歪を有する高屈折率層と、第二の歪を有する低屈折率層とのペアからなる第一のペア層が複数層積層され、
複数層中の、いずれかの第一のペア層における前記高屈折率層と前記低屈折率層のうちの一方が、第三の歪を有する四元以上の混晶半導体材料による層と置き換えられた第二のペア層を含み構成され、
第一の歪と第二の歪の和は圧縮性または引張性の歪であり、
第三の歪は、その歪みが第一の歪と第二の歪の和と逆であって、その絶対値が第一の歪および第二の歪の絶対値より大きい構成とする。
【選択図】 図1
Description
この面発光レーザによれば、半導体基板表面に対して垂直方向に光を取り出すことができるため、二次元アレイの形成が素子形成時のマスクパターンの変更のみで容易に可能になる。
この二次元アレイから出射される複数のビームを用いた並列処理により、高密度化および高速化が可能になり、様々な産業上の応用が期待される。
例えば、電子写真プリンタの露光光源として面発光レーザアレイを用いると、複数のビームによる印字工程の高密度・高速化が可能となる。
多層膜反射鏡は、屈折率が異なる二種類の層からなるペアの繰返しで構成され、各々の層の厚さは1/4波長の光学的厚さである。
一般的に多層膜反射鏡としては誘電体や半導体材料が使用される。半導体を使用した場合、半導体基板上に結晶成長させながら不純物をドープすることで電流を流すことができ、活性層への電流注入を容易にさせる。
しかしながら、結晶成長させて単結晶層を得る必要があることから、多層膜半導体の構成層としては基板に格子整合する材料に限定される。
また、そのような格子整合する半導体材料の組み合わせにおいては、屈折率差が誘電体の場合ほど大きな値が得られないため、発振に必要な反射率を得るためには繰返しペア数を多くする必要がある。
その多層膜反射鏡はGaAs基板上に、Al組成の高いAlGaAs層とAl組成の低いAlGaAs層とのペアで構成される。AlGaAsはGaAsに比べ格子定数がわずかに大きく、例えばAl組成が最も多いAlAsの場合でも、GaAs基板との格子不整合は0.14%である。
この程度の少ない歪であれば一般的には格子整合系の材料とみなされ、歪の影響は少ない。
しかしながら、面発光レーザでは多層膜反射鏡を数10ペア積層する必要があるため、少ない歪であってもその歪をもつ層厚の合計が極めて厚くなることから、累積される歪として大きな影響が生じる。
ゆえに、平均Al組成は0.7以上と赤外の場合にくらべて大きくなっている。これは歪量に換算すると0.1%程度である。
また、屈折率差が小さいため、反射率を確保するためにペア数を多くする必要が生じる。
具体的には、光を取り出す側で30ペア、取り出さない側では60ペア近く必要となり、合計10um近い厚さとなる。
この場合、歪量とそれが内在する全層厚の積算量である累積歪み量は0.1%×10um=1%・umという大きな値になる。歪を積極的に用いる例として歪量子井戸構造が挙げられる。
この例では、一般的に1%と比較的大きな歪を持つ層が用いられるが、その層厚は多重量子井戸であってもせいぜい50nm程度であり、累積歪量としては0.05%・umと桁違いに小さい値でしかない。
曲率半径7mという値は、3インチウエハの中央において70um近いギャップが生じることに相当する。
実際、エピウエハの反りを測定すると、70〜80umのギャップが生じており、累積歪により基板が凸型に反ってしまうことがわかる。
このように、ウエハに反りが生じると、フォトリソグラフィー工程のアライメントにおいてパターンずれが生じたり、プロセス時のウエハ加熱工程において温度分布ムラが生じたりして、素子形成における歩留まりの低下に繋がる。
さらに累積歪みが内在することで信頼性への影響も大きな懸念点である。
例えば、特許文献1や特許文献2では、多層膜反射鏡を構成するペアにおいて、そのペア同士で歪みを補償する材料を選択する方法が提案されている。
これらの方法では、GaAs基板上のAlGaAsのような圧縮歪みをもつ層をペアの一層に選んだ場合には、残りのもう一層には引張歪みを持つ層を用いる等の手法が採られる。
具体的には、多層膜反射鏡はその構成層の厚さが1/4波長の光学的厚さに揃えられるため、正確には屈折率の大きさに応じて層厚が異なるが、半導体材料の場合、それほど大きな屈折率差はないため、各層厚はほとんど等しくなっている。例えば、赤色面発光レーザの場合、1/4の光学的厚さは、およそ50nmになる。
ゆえに、歪みを補償するためには、ペアを構成する層において、各々の歪みの絶対値はほぼ等しく、その符号、すなわち向きが逆である歪を持てば良いことになる。
このような条件を同時に満たす材料としては、二元や三元半導体材料では限りがある。
図3は、二元、三元および四元材料におけるバンドギャップと格子定数の関係を説明する模式的である。
図3において、縦軸はバンドギャップを示し、横軸は格子定数を示す。
これは、縦軸は屈折率を示し、横軸は歪量を示すと言い換えても良い。
この図からわかるように、二元材料は屈折率と歪量が点の関係であって一意に決まってしまう。
三元であっても屈折率と歪量は線の関係であって独立に制御できない。
四元以上の材料を用いると、初めて屈折率と歪量は面の関係になり、それぞれを独立に制御することが可能となる。
そのため、四元以上の材料を用いて構成された素子は、熱抵抗は大きくなり、熱の放散が少なく素子内部温度が上昇し、それに伴い素子特性が低下してしまうという課題を有する。
特に、温度特性の劣悪な赤色面発光レーザでは、熱抵抗の増大は素子特性の大幅な劣化に繋がり、累積歪による問題を解消できたとしても、素子特性に対する本来の要求を満たせなくなってしまう。
本発明の面発光レーザは、対向して配置された一対の多層膜反射鏡と、これらの対向して配置された多層膜反射鏡間に設けられた活性層と、を有する面発光レーザであって、
前記一対の多層膜反射鏡のうちの少なくとも一つの多層膜反射鏡は、
第一の歪を有する高屈折率層と、第二の歪を有する低屈折率層とのペアからなる第一のペア層が複数層積層され、
前記複数層中の、いずれかの第一のペア層における前記高屈折率層と前記低屈折率層のうちの一方が、第三の歪を有する四元以上の混晶半導体材料による層と置き換えられた第二のペア層を含み構成され、
前記第一の歪と前記第二の歪の和は圧縮性または引張性の歪であり、
前記第三の歪は、その歪みが前記第一の歪と第二の歪の和と逆であって、その絶対値が前記第一の歪および第二の歪の絶対値より大きいことを特徴とする。
つぎに、本発明の実施する形態について、赤色面発光レーザ用の多層膜反射鏡であるGaAs基板上のAlGaAs多層構造を例にとり、その原理を含めて説明する。
光を取り出さない側の多層膜反射鏡においては極力その反射損失を少なくしたい、すなわち反射率を高くしたいため、通常60ペア程度の多層膜反射鏡が用いられる。
ここでは、第一のペア層を構成する、高屈折率層としてAl0.5Ga0.5Asを、低屈折率層としてAlAsを用いる。
GaAs基板との格子不整合により、高屈折率層のAl0.5Ga0.5Asは0.07%の圧縮歪(第一の歪)を持ち、低屈折率層kAlAsは0.14%の圧縮歪(第二の歪)を持つことになる。層厚は各々1/4波長の光学的厚さに相当する厚さである。
ここでは、単純な1/4波長の光学的厚さを用いるが、多層膜反射鏡自体の電気伝導をより良くするために高屈折率層と低屈折率層の間に10〜20nm程度の組成傾斜層を設けても良い。
このような第一のペア層が60ペア積層された際の累積歪量は、1/4波長の光学的厚さが各々約50nmになることから、
(0.07+0.14)×0.05×60=0.63%・um
となる。
つまり、これによって上記いずれかの第一のペア層における前記高屈折率層と前記低屈折率層うちの一方が四元以上の混晶半導体材料により置き換えられた層とのペアによる、第二のペア層が構成される。
なお、ここでは第一のペア層は、二元半導体材料、または三元半導体材料で構成される。
また、ここではGaAs基板付近の格子定数を得ることができる四元材料の例として、AlGaInPを選択する。
つぎに、このAlGaInPに導入すべき歪について説明する。
この例では、多層膜反射鏡を構成するAl0.5Ga0.5As/AlAsペアは累積歪として圧縮性の歪をもつことから、この四元以上の混晶半導体材料による層の歪み(第三の歪)は、歪の方向としては逆である引張歪を有する必要がある。
次に大きさであるが、あまり大きな歪を導入すると結晶性が劣化するし、少ない歪では本発明の目的である少ない層数による歪補償が達成できないが、いずれにしても、その絶対値が前記第一の歪および第二の歪の絶対値より大きいことが必要がある。
結晶性の観点からは、歪が2%を超えると大幅に劣化することから、2%以下が好ましい。より好ましくは1%以下であり、0.6%以下であればなお良い。
ここでは、0.6%の引張歪を想定する。層厚は1/4波長の光学的厚さということで、およそ50nmである。
本実施形態においては、この歪を補償するAlGaInP層に必ずしも多層膜反射鏡の機能を持たせる必要はないが、その機能を積極的に持たせたほうが多層膜反射鏡全体としてより薄い層厚で効率良く形成できる。
より具体的には、この歪補償のためのAlGaInP層を多層膜反射鏡の高屈折率層として用いるのか、あるいは低屈折率層として用いるのかを決める。
例えば、より歪量の大きい層(ここではAlAs低屈折率層)と置き換えるために、AlGaInP層を低屈折率層として用いる。
あるいは、反射率の低下を招かないように同じ屈折率が容易に達成できる層(ここではAl0.5Ga0.5As高屈折率層)と置き換えてAlGaInP層を用いても良い。
いずれにせよ、四元以上の材料による設計自由度を有効に用いて、必要な特性が得られるような選択をする。
ここでは、屈折率が等しくなるようにAl0.5Ga0.5As高屈折率層の置き換えとしてAlGaInP層を用いる。
Al0.5Ga0.5Asとほぼ同じ屈折率をもち、かつGaAs基板に格子整合するものとしてAl0.25Ga0.25In0.5Pがある。
これを基準に、必要な引張歪を導入するためにInを0.5よりも減らして、その分AlとGaの合計を0.5より増やして0.6%の引張歪を達成するようにすれば良い。
そのペア数をnとする。AlAs層はn層存在し、Al0.5Ga0.5As層は1層だけAlGaInPに置き換わることからn−1層となる。
これらの層とAlGaInP層1層の累積歪量がほぼゼロになることが歪補償の条件であることから、
ε1×t1×n+ε2×t2×(n−1)+ε3×t3×1=0…(式1)
が成り立つ。
ここで、
ε1:AlAs層の歪量
t1:AlAs層の層厚
ε2:Al0.5Ga0.5As層の歪量
t2:Al0.5Ga0.5As層の層厚
ε3:AlGaInP層の歪量
t3:AlGaInP層の層厚
である。
歪に関しては、方向が逆の場合、符号が逆となる。
ここでは、圧縮歪をマイナス、引張歪はプラスとする。
これを上記例の数値に基づいて解くと、n=3となり、上記AlGaInP層1層でAlGaAs多層膜反射鏡3ペア分の歪が補償できる。この3ペア構造は歪が補償される最小単位となるので、この歪補償される最小ペア構造を歪補償単位構造とする。
ペア単位で歪補償をする場合にくらべ、四元材料の必要な層数が1/3で済み、四元材料の熱抵抗による素子抵抗の増大を大幅に抑えることができる。
ここでは、歪補償単位構造のペア数に応じて場合分けした。
図4において、横軸にAlGaInP歪補償層の歪量を示し、縦軸に各歪単位補償構造の平均歪量を示している。
平均歪量とは、累積歪量を今考えている全層厚で規格化した値であり、この平均歪量が0であれば累積歪量も0となって基板反りなどの問題が解消される。
この図4から、歪補償単位構造が2ペアの場合、AlGaInP層が持つべき必要な引張歪量は0.4%となる。
以下、3ペアの場合は上述したように0.6%、4ペアの場合は0.8%、5ペアの場合は1.0%、6ペアの場合は1.2%、7ペアの場合は1.4%になる。
ここで、3ペアの歪補償単位構造の場合を例に考える。
まず、この3ペアを文字通り単位構造として周期的に積層し60ペアを形成する。
この構成を模式的に示すと、図1のような構成として表すことができる。
この場合、結晶成長中も大きな基板の反りの変動がなく、結晶成長中もウエハの温度分布の変動を極力抑えることができる。
この場合、歪補償単位構造の積層数がちょうど整数(20)となるが、必ずしも整数にならない場合がある。この場合、累積歪が完全にはゼロにならないが、その値はたかだか歪補償単位構造の層厚において歪補償しなかった場合に相当するだけであるため、今問題になっている基板の反り量と比較すると桁違いに小さい値となり、この場合であっても本発明の十分な効果が得られる。
この場合の歪補償の考え方を以下に示す。活性層から遠い側では、1ペア毎にAlGaInP層を頻繁に挿入する。
この状態では基板は引張性の累積歪を感じて凹型に反る状態となる。そして活性層に近くなるに従ってAlGaInP層をほとんど挿入しない構造とする。
この場合、挿入するAlGaInPの全層数としては、3ペア毎にAlGaInP層を一層挿入する場合と等しくすれば、この多層膜反射鏡全体での累積歪量は、歪単位構造を積層して得られる歪補償効果と同じ効果が得られる。
そのため、多層膜反射鏡を全層形成し終えた状態では基板反りは生じない。
このように熱抵抗の高い四元以上の材料を活性層からより離れた位置に配置すると、熱が集中している活性層付近の熱抵抗が実効的に増大することなく、素子形成後の活性層での温度上昇を極力抑えることが可能になる。
また、PやNを構成元素に含むバンドギャップの広い材料ではもともとp型化が難しい。一方で、良好なn型伝導性は得られることが知られている。そこで、素子の電気抵抗の上昇を抑えるために、p型多層膜反射鏡における累積歪を補償する分の四元以上の混晶半導体材料をn型多層膜反射鏡内に配置することも可能である。この構成を模式的に示すと、図7のような構成として表すことができる。この場合も挿入するAlGaInP層の全層数は変わりがなく、同等の歪補償効果が得られる。
これらAlGaInP層の配置方法は目的と必要に応じて取捨選択すれば良い。ここでは、赤色面発光レーザを例にとって説明したため、四元以上の半導体層としてAlGaInP層を例に挙げたが、バンドギャップ(屈折率)と格子定数が独立に制御できる四元以上の材料であれば、どのようなものでもよい。
例えば、AlGaInPやAlGaInAsPNなども候補として挙げられる。また、より短波長側のGaN系面発光レーザにおいては、AlGaInNなどの四元材料が挙げられる。
所望のバンドギャップ、屈折率を得つつ、累積歪を補償するのに必要十分な歪を得ることができる設計自由度が高い四元以上の半導体材料を用いて基板の反りを解消する。その一方では、素子の熱抵抗の大幅な増大を防ぎ、熱による素子の基本特性の劣化を抑制することができる。
特に、赤色面発光レーザのような温度特性の劣悪な素子に対して、効果が大きい。
また、本実施形態の構成によれば、上記面発光レーザを配列して構成された面発光レーザアレイ、および面発光レーザアレイを備えている光学機器を実現することができる。
[実施例1]
実施例1として、図1を用いて、680nmで発振する対向して配置された一対の多層膜反射鏡と、これらの対向して配置された多層膜反射鏡間に設けられた活性層と、を有する垂直共振器型面発光レーザの構成例について説明する。
本実施例の面発光レーザは、AlGaInP四元歪補償層124を含むn型多層膜反射鏡106と、AlGaInP四元歪補償層を含むp型多層膜反射鏡116を備える。
そして、図1に示したように、AlGaInP四元歪補償層124が、p側、n側多層膜反射鏡に関わらず、歪補償単位構造毎に均等に配置されている。
図2には、その様子を詳しく示した、n型多層膜反射鏡106の拡大図が示されている。
n型多層膜反射鏡106は、発振波長680nmのそれぞれ1/4波長の光学的厚さをもつn型AlAs低屈折率層206とn型Al0.5Ga0.5As高屈折率層204を主要な構成層とし、60ペア積層した構造である。
ここでは3ペアのAlGaAs多層膜反射鏡毎にn型AlGaInP歪補償層202が1層挿入されており、n型Al0.5Ga0.5As高屈折率層204の1層と置き換えられている。これが歪補償単位構造208である。
この歪補償単位構造208を、20個積層することで60ペアのn型多層膜反射鏡106が達成される。
p型多層膜反射鏡116も、同じ考え方で形成される。
但し、酸化狭窄層114を設けているために、多層膜反射鏡としては酸化され易いAlAs低屈折率層の変わりにAl0.9Ga0.1As低屈折率層を用いる。
AlAs低屈折率層の1/4波長の光学的厚さは55.2nmで歪量は圧縮方向に0.14%である。Al0.5Ga0.5As高屈折率層の1/4波長の光学的厚さは49.6nmで歪量は圧縮方向に0.07%である。
歪補償のためのAlGaInP層はAl0.5Ga0.5As高屈折率層と同じ屈折率を持つように調整するため、その1/4波長の光学的厚さは49.6nmである。
一方、引張歪としては0.57%を持つ。このような歪をもたせるために、例えば、AlGaInP層のIn組成として約40%、Al組成として約10%、Ga組成として約50%を用いるとよい。そのときの歪と屈折率の関係を図11に示す。
この図より、Al0.1Ga0.5In0.4P歪補償層の屈折率(縦軸)はAl0.5Ga0.5As高屈折率層と同じであることがわかる。一方、このAl0.1Ga0.5In0.4P歪補償層の歪(横軸)は、Al0.5Ga0.5As高屈折率層とAlAs低屈折率層の歪の和と比較すると、その方向(符号、ここでは正が引張、負が圧縮方向)は逆であり、またその絶対値は、その和より大きくなっていることがわかる。ここでは0.57%の引張歪を用いたが、上述したように、例えば1%の引張歪層を用いる場合にはIn組成は35%を用いるようにすればよい。
(−0.14)×0.0552×3+(−0.07)×0.0496×2+0.57×0.0496×1=−0.00029%・um
となる。
今、多層膜反射鏡としてp側に30ペア、n側に60ペア用いるので、上記の歪単位構造はp側で10個、n側で20個、計30個必要となる。
AlGaInP歪補償層に着目すれば、p側で10層、n側で20層の計30層になる。
したがって、素子全体での累積歪量は−0.0086%・umとなる。3インチ基板を想定するとウエハ反りによるウエハ中央のギャップは0.6umまで大幅に低減される。
歪補償しない通常の場合の累積歪は上述したように−1.0%・umであり、ウエハ中央のギャップは約70umであることから、それぞれ1/100まで低減される。
n型多層膜反射鏡106では、n型伝導性を得るために、AlGaAs層およびAlGaInP歪補償層はSiやSeをドーピングする。
p型多層膜反射鏡116では、p型電気伝導を得るために、AlGaAs層はCやZnをドーピングする。
一方、AlGaInP歪補償層はMgやZnをドーピングしてp型伝導を得る。電気抵抗をさらに下げるために、二つの異なる屈折率層間に組成傾斜層を設けたり、光吸収を少なくしつつ電気抵抗を下げるために光分布の腹周辺ではドーピング量を落とし節ではドーピング量をふやす変調ドーピングなどを用いたりしてもよい。
この層を高温水蒸気雰囲気下で選択酸化させて素子周辺部から絶縁させることにより、中央部のみに電流が流れる電流狭窄構造を形成する。
110の活性層は、複数のGaInP量子井戸層と複数のAl0.25Ga0.25In0.5P障壁層で構成された多重量子井戸構造になっている。
その多重量子井戸構造が内部光定在波の腹に位置するように、p型AlGaInPスペーサ層108、p型AlGaInPスペーサ層112の層厚を調整する。これらで構成される共振器としては発振波長である680nmに対して、その波長の整数倍の光学的厚さを持つように層厚を調整する。
活性層自体の発光波長は面発光レーザ共振器の共振波長より短波側に発光ピーク波長(例えば660〜670nm)を持つように調整作製される。
その後、n型GaAs基板102の裏面にAuGe/Ni/Auを蒸着し、400℃前後でアニールすることでn側電極102を形成する。
最後に必要な大きさのチップに切り出して、パッケージにダイボンディングし、p側電極をワイヤーボンディングして素子が完成する。
また、マスクをアレイ用に適切に設計することで、単一素子のみならず、素子が複数個二次元に配置されたアレイを作製することができる。このように、マスクのみの変更で、比較的容易にアレイ構造が得られる点が面発光レーザの利点である。
上記説明した本実施例の構成によれば、基板の反りを解消しつつ素子の熱抵抗の増大を抑えることができ、熱による特性劣化の少ない素子が高い歩留まりで形成することができる。
実施例2として、図5を用いて、680nmで発振する対向して配置された一対の多層膜反射鏡と、これらの対向して配置された多層膜反射鏡間に設けられた活性層と、を有する垂直共振器型面発光レーザについて説明する。
図5では、図1に示した構成と同様の構成には同一の符号が付されており、重複する部分の説明は省略し、異なる構造について説明する。
図5において、502はn型AlGaInP歪補償層である。この層自体は図1のn型AlGaInP歪補償層124と同一であるが、各々p型、n型多層膜反射鏡内における配置が異なる。
ここでは、GaInP歪量子井戸110による活性層への熱の影響をできるだけ低減するために、活性層から遠いところにより多くの四元歪補償層を配置し、活性層近傍にはより少ない四元歪補償層を配置する。
本実施例では、n型およびp型多層膜反射鏡内で各々累積歪がゼロになるようになっている。
つまり、実施例1と同じようにn型多層膜反射鏡内では60ペア中にAlGaInP歪補償層を計20層必要とする。
一方、p型多層膜反射鏡内では30ペア中AlGaInP歪補償層を計10層必要とする。
これらのAlGaInP層の具体的な配置を図6に示す。
n型多層膜反射鏡602は三つの領域に分かれており、活性層に近い側、すなわち基板から遠い側から、604の領域I、606の領域II、608の領域IIIとなっている。
ここでは領域Iは30組の低屈折率と高屈折率層の組み合わせからなり、領域IIおよびIIIはそれぞれ15組の組み合わせからなる。
活性層に最も近い領域Iではn型AlAs低屈折率層とn型Al0.5Ga0.5As高屈折率層の組み合せだけで構成され、熱抵抗の高いAlGaInP歪補償層はまったく含まない。
言い換えると、3ペアの歪補償基本構造が5個積層されている。
領域IIIでは、n型AlAs低屈折率層とn型AlGaInP歪補償層の組み合せだけで構成されている。
n型多層膜反射鏡内でみると、AlGaInP歪補償層は、領域Iにはまったくなく、領域IIでは5層、領域IIIでは15層含まれ、計20層になる。
このAlGaInP層のn側での全層数は実施例1の値と等しくなり、累積歪量は実施例1と同様にほぼゼロに等しくなる。
屈折率の異なる層の組み合わせ数はそれぞれ、領域Iで10組、領域IIで15組、領域IIIで5組となっている。
領域Iはp型Al0.9Ga0.1As低屈折率層とp型Al0.5Ga0.5As高屈折率層の組み合わせだけで10組構成され、熱抵抗の高いAlGaInP歪補償層はまったく含まない。
領域IIではp型Al0.9Ga0.1As低屈折率層/n型Al0.5Ga0.5As高屈折率層ペアが2層と、p型Al0.9Ga0.1As低屈折率層/n型AlGaInP歪補償層ペアが1層を基本とする構造が周期的に5個積層されている。
言い換えると、3ペアの歪補償基本構造が5個積層されている。
領域IIIでは、p型Al0.9Ga0.1As低屈折率層とp型AlGaInP歪補償層の組み合わせだけで5組で構成されている。
p型多層膜反射鏡内でみると、AlGaInP歪補償層は、領域Iにはまったくなく、領域IIでは5層、領域IIIでは5層含まれ、計10層になる。
このAlGaInP層のp側での全層数は実施例1の値と等しくなり、累積歪量は実施例1と同様にほぼゼロに等しくなる。
本実施例では、以上のように、歪補償の観点からは必要であるが、熱抵抗の観点からは望ましくないAlGaInP層を、活性層から遠い位置に配置する。
これにより、活性層付近の熱抵抗を増やすことなく、基板反りを解消しつつ、素子特性の劣化のより少ない面発光レーザ素子が実現できる。
実施例3として、図7を用いて、対向して配置された一対の多層膜反射鏡と、これらの対向して配置された多層膜反射鏡間に設けられた活性層と、を有する680nmで発振する垂直共振器型面発光レーザについて説明する。
図7では、図1に示した構成と同様の構成には同一の符号が付されており、重複する部分の説明は省略し、異なる構造について説明する。図7において、702はn型AlGaInP歪補償層である。この層自体は図1のn型AlGaInP歪補償層124と同一であるが、多層膜反射鏡内におけるその配置が異なる。
本実施例では、GaInP歪量子井戸110による活性層への熱の影響をできるだけ低減するために、活性層から遠いところにより多くの四元歪補償層を配置する。
そして、活性層近傍にはより少ない四元歪補償層を配置しつつ、かつより良好な電気的特性も同時に得るために、p型多層膜反射鏡の累積歪分を補償するAlGaInP層もすべてn型多層膜反射鏡内に配置する。
本実施例では、n型多層膜反射鏡内のAlGaInP歪補償層で素子構造すべての累積歪がゼロになるようになっている。
つまり、実施例1と同じようにAlGaInP層の層数は30層であるが、それがすべてn型多層膜反射鏡内に配置される。
これらのAlGaInP層の具体的な配置構成を図8に示す。
n型多層膜反射鏡802は三つの領域に分かれており、活性層に近い側、すなわち基板から遠い側から、804の領域I、806の領域II、808の領域IIIとなっている。
ここではすべての領域は20組の低屈折率と高屈折率層の組み合わせからなる。活性層に最も近い領域Iではn型AlAs低屈折率層とn型Al0.5Ga0.5As高屈折率層の組み合せだけで構成され、熱抵抗の高いAlGaInP歪補償層はまったく含まない。
領域IIIでは、n型AlAs低屈折率層とn型AlGaInP歪補償層の組み合せだけで構成されている。
AlGaInP歪補償層は、領域Iにはまったくなく、領域IIでは10層、領域IIIでは20層含まれ、計30層になる。このAlGaInP層の全層数は実施例1の値と等しくなり、累積歪量は実施例1と同様にほぼゼロに等しくなる。
p型多層膜反射鏡はp型Al0.9Ga0.1As低屈折率層とp型Al0.5Ga0.5As高屈折率層の組み合わせだけで30組構成され、AlGaInP層は含まれない。
これにより、基板反りを解消しつつ、素子特性の劣化のより少ない面発光レーザ素子が実現できる。
実施例4として、図9を用いて、400nmで発振する垂直共振器型面発光レーザに用いられるn側多層膜反射鏡について説明する。
n型多層膜反射鏡106は、発振波長400nmのそれぞれ1/4波長の光学的厚さをもつn型Al0.2Ga0.8N低屈折率層906とn型GaN高屈折率層904を主要な構成層とし、60ペア積層した構造である。
ここでは、3ペアのAlGaN多層膜反射鏡毎にn型AlGaInN歪補償層902が1層挿入されており、n型Al0.2Ga0.8N低屈折率層906の1層と置き換えられている。
これが歪補償単位構造208である。これを20個積層することで60ペアのn型多層膜反射鏡106が達成される。
Al0.2Ga0.8N低屈折率層の1/4波長の光学的厚さは41.8nmで歪量は引張方向に0.49%である。GaN高屈折率層の1/4波長の光学的厚さは39.4nmで歪はn型GaN基板904に格子整合するため0%である。ここでは、歪補償のためのAlGaInN層はGaN高屈折率層と同じ屈折率を持つように調整するため、その1/4波長の光学的厚さは39.4nmである。一方、圧縮歪としては1.6%を持つ。
このような歪をもたせるために、例えば、AlGaInN層のIn組成として約20%Al組成として約30%、Ga組成として約50%を用いるとよい。そのときの歪と屈折率の関係を図12に示す。この図より、Al0.3Ga0.5In0.2N歪補償層の屈折率(縦軸)はGaN高屈折率層と同じであることがわかる。一方、このAl0.3Ga0.5In0.2N歪補償層の歪(横軸)は、GaN高屈折率層とAl0.2Ga0.8N低屈折率層の歪の和と比較すると、その方向は逆であり、またその絶対値は、その和より大きくなっていることがわかる。
0.49×0.0418×3+0×0.0394×2+(−1.6)×0.0394×1=−0.0016%・um
となる。
今、多層膜反射鏡として60ペア用いるので、上記の歪単位構造は20個必要となる。AlGaInN歪補償層に着目すれば、20層になる。したがって、素子全体での累積歪量は−0.032%・umとなる。
歪補償しない通常の場合の累積歪は1.2%・umであるので、1/50まで低減される。3インチ基板を想定するとウエハ反りによるウエハ中央のギャップは0.6umまで大幅に低減される。
さらに、AlGaNは引張歪によりクラックが入り結晶性が劣化することがあるが、これを防ぐこともできる。
電気抵抗をさらに下げるために、二つの異なる屈折率層間に組成傾斜層を設けたり、光吸収を少なくしつつ電気抵抗を下げるために光分布の腹周辺ではドーピング量を落とし節ではドーピング量をふやす変調ドーピングなどを用いたりしてもよい。
912の活性層は、複数のGaInN量子井戸層と複数のGaN障壁層で構成された多重量子井戸構造になっている。その多重量子井戸構造が内部光定在波の腹に位置するように、p型AlGaNスペーサ層914、p型AlGaNスペーサ層910の層厚を調整する。
これらで構成される共振器としては発振波長である400nmに対して、その波長の整数倍の光学的厚さを持つように層厚を調整する。
活性層自体の発光波長は面発光レーザ共振器の共振波長より短波側に発光ピーク波長(例えば390〜400nm)を持つように調整作製される。
本実施例では、以上のように、材料系が異なると歪が入る方向や大きさが変わるが、その場合であっても十分な効果を示す。
実施例5として、図10を用いて、本発明の垂直共振器型面発光レーザを適用して構成した光学機器の構成例について説明する。
ここでは、光学機器として、本発明の垂直共振器型面発光レーザによる赤色面発光レーザアレイを用いて構成した画像形成装置の構成例について説明する。
図10(a)は画像形成装置の上面図であり、図10(b)は同装置の側面図である。
図10において、1200は感光体、1202は帯電器、1204は現像器、1206は転写帯電器、1208は定着器、1210は回転多面鏡、1212はモータである。
また、1214は赤色面発光レーザアレイ、1216は反射鏡、1220はコリメータレンズ及び1222はf−θレンズである。
具体的には、図10に示されるモータ1212は、回転多面鏡1210を回転駆動するように構成されている。
また、本実施例における回転多面鏡1210は、6つの反射面を備えている。1214は記録用光源であるところの赤色面発光レーザアレイである。
この赤色面発光レーザアレイ1214は、レーザドライバ(図示せず)により画像信号に応じて点灯または消灯し、こうして変調されたレーザ光は、赤色面発光レーザアレイ1214からコリメータレンズ1220を介し回転多面鏡1210に向けて照射される。
この反射光は、f−θレンズ1222により歪曲収差の補正等を受け、反射鏡1216を経て感光体1200に照射され、感光体1200上で主走査方向に走査される。
このとき、回転多面鏡1210の1面を介したビーム光の反射により、感光体1200の主走査方向に赤色面発光レーザアレイ1214に対応した複数のライン分の画像が形成される。
本実施例においては、4×8の赤色面発光レーザアレイ1214を用いており、32ライン分の画像が同時に形成される。
また、感光体1200は矢印方向に回転していて、形成された静電潜像は、現像器1204により現像され、現像された可視像は転写帯電器1206により、転写紙(図示せず)に転写される。
可視像が転写された転写紙は、定着器1208に搬送され、定着を行った後に機外に排出される。
また、本実施例では、4×8赤色面発光レーザアレイを用いたが、これに限定されるものではなく、m×n赤色面発光レーザアレイ(m、n:自然数)であっても良い。
なお、上記説明では、光学機器として画像形成装置を構成した例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
例えば、本発明の垂直共振器型面発光レーザを適用して構成した光源を用い、該光源からの光を画像表示体上に入射させ、画像の表示をするようにしてプロジェクションディスプレイ等の光学機器を構成するようにしてもよい。
104:n型GaAs基板
106:n型多層膜反射鏡
108:n型AlGaInPスペーサ層
110:GaInP量子井戸活性層
112:p型AlGaInPスペーサ層
114:Al0.98Ga0.02As酸化狭窄層
116:p型多層膜反射鏡
118:GaAsコンタクト層
120:絶縁膜
122:p側電極
124:AlGaInP四元歪補償層
Claims (10)
- 対向して配置された一対の多層膜反射鏡と、これらの対向して配置された多層膜反射鏡間に設けられた活性層と、を有する面発光レーザであって、
前記一対の多層膜反射鏡のうちの少なくとも一つの多層膜反射鏡は、
第一の歪を有する高屈折率層と、第二の歪を有する低屈折率層とのペアからなる第一のペア層が複数層積層され、
前記複数層中の、いずれかの第一のペア層における前記高屈折率層と前記低屈折率層のうちの一方が、第三の歪を有する四元以上の混晶半導体材料による層と置き換えられた第二のペア層を含み構成され、
前記第一の歪と前記第二の歪の和は圧縮性または引張性の歪であり、
前記第三の歪は、その歪みが前記第一の歪と第二の歪の和と逆であって、その絶対値が前記第一の歪および第二の歪の絶対値より大きいことを特徴とする面発光レーザ。 - 前記第一のペア層における高屈折率層と低屈折率層は、二元半導体材料、または三元半導体材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。
- 前記第二のペア層は、前記第一のペア層における前記高屈折率層が前記混晶半導体材料による層と置き換えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の面発光レーザ。
- 前記第二のペア層における前記四元以上の混晶半導体材料は、AlとPを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 前記第一のペア層はAlGaAsで構成され、前記第一の歪と前記第二の歪の和が圧縮性であり、
前記第二のペア層における前記四元以上の混晶半導体材料は、AlGaInP層で構成され、前記第三の歪が引張歪であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の面発光レーザ。 - 前記第一のペア層はAlGaN層で構成され、前記第一の歪と前記第二の歪の和が引張歪であり、
前記第二のペア層における前記四元以上の混晶半導体材料は、AlGaInN層で構成され、前記第三の歪が圧縮歪であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の面発光レーザ。 - 前記対向して配置された一対の多層膜反射鏡のうち、前記活性層により近い側により多くの第一のペア層が配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 前記多層膜反射鏡は、n型またはp型の多層膜反射鏡を構成し、前記第二のペア層がn型を構成する多層膜反射鏡にのみ含まれることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の面発光レーザが、配列されて構成されていることを特徴とする面発光レーザアレイ。
- 請求項9に記載の面発光レーザアレイを光源として構成されていることを特徴とする光学機器。
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