JP2011034880A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機器側コネクタ20の端子ピン28に嵌合される端子金具31がコネクタハウジング40に装着されて電線側コネクタ30が構成される。端子金具31には、電線Wが接続されるワイヤバレル32と、インナハウジング41の上挟持板54A,54Bに面当たりする保持部33A,33Bと、端子ピン28の両側方に弧状に回り込んで挟み付ける抱持部34と、各抱持部34の先端側に形成された対をなす締め付け片35とが設けられる。ハウジング40には、締め付け片35に対応した領域に開口部77が形成されて、その開口部77を閉じる蓋部材85が備えられ、蓋部材85にはハウジング40への装着に伴い一対の締め付け片35を互いに接近する方向に変位させて抱持部34によって端子ピン28を締め付ける締め付け部材100が設けられている。
【選択図】図10
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、端子同士の電気的接触の信頼性を高めるところにある。
電線に接続された端子金具の抱持部が、電線の軸線方向と交差する方向を向いたピンを挟み付けた構造であるから、電線に対して引っ張りや振動等の外力が作用した場合にも端子金具が動くことが規制され、また、保持部がコネクタハウジングの上面壁に面当たりしていることでピンから抜け出ることも阻止され、もって端子金具とピンとの間が強固な接触状態に保持される。
また、端子金具の抱持部をクリアランスを持ってピンに嵌合することが可能であるから、コネクタ同士の嵌合力が小さく抑えられるとともに、端子金具やピンに施されたメッキの剥がれを防止できる。
(1)前記締め付け部材がばね部材である。締め付け部材が端子金具の両締め付け片を弾性的に接近変位させることで、抱持部がピンを締め付ける。締め付け部材の装着が低抵抗でできながらも、締め付け力が確保できる。
(2)前記蓋部材が前記コネクタハウジングに対してボルトで締結することにより装着されている。蓋部材の取り付け時に相応の嵌合抵抗が生じたとしても、倍力機構であるボルトを利用することで蓋部材の取付作業が容易に行われる。
(4)前記コネクタハウジングが、端子金具を装着した合成樹脂製のインナハウジングをシールドシェル内に収容した構造になり、このシールドシェルが機器のケース等の金属体に取り付けられている。シールド構造が実現できる。
本発明の一実施形態を図1ないし図11によって説明する。この実施形態では、電線Wの端末に設けられた電線側コネクタ30(本発明のコネクタに相当)と、電気自動車のモータやインバータ等の機器に設けられた機器側コネクタ20(本発明の相手コネクタに相当)とからなる一括締結形式のシールドコネクタを例示している。機器10は、機器本体(図示せず)が金属製のケース11に収容された構造である(図7参照)。
取付溝22の幅狭部24と幅広部23の両端部には、合計3個の取付孔26(図7参照)が、仮想的に直角二等辺三角形をなす配置で形成されている。端子台21の各取付孔26には、機器側の導電路と接続される丸ピンからなる端子ピン28が立てられている。端子ピン28の上端部は、少し先細りとなったテーパ状に形成されている(テーパ部28A)。
機器ケース11の壁面12の窓孔13における表面側の孔縁には、パッキン装着溝14が形成されている。
端子金具31は導電性に優れた金属板をプレス加工して形成され、図4に示すように、2本の第1端子金具31Aと、1本の第2端子金具31Bとを備えている。
抱持部34は、端子ピン28の上部のテーパ形状に倣い、上端側に向けて次第に縮径されたテーパ状の円筒形をなし、同円筒の前側の周面が縦溝を挟んで左右に分断された形状であり、円筒の上縁の後縁側が上記した保持部33Aの先端と接続されている。抱持部34の両分断端からは、一対の締め付け片35が互いに平行姿勢で延出形成されている。
第2端子金具31Bは、第1端子金具31Aと比べて、保持部33Bの全長が短く形成されており、それ以外は第1端子金具31Aの構造と同様である。
インナハウジング41内には、第2端子金具31Bが中央部で、第1端子金具31Aがその両側に位置するように横方向に並んだ形態で装着されるようになっている。インナハウジング41は合成樹脂製であって、前ハウジング部42とその後部側に接続される後ハウジング部60とが設けられ、さらに前ハウジング部42が上ハウジング部43Uと下ハウジング部43Lとに上下に分割されて、計3ピースによって構成されている。
前ハウジング部42における長円形部45の前面側の構造については、下ハウジング部43Lでは、分割された各収容室52の前方に、端子金具31の保持部33A,33Bにおける長さ方向の中央部を受ける浅皿状をなす下挟持板53A,53Bが突出形成されている。ただし、両端子金具31A,31Bの保持部33A,33Bの長さと対応して、中央の下挟持板53Bは、両端の下挟持板53Aと比べて短寸に形成されている。
上ハウジング部43Uでは、分割された各収容室52の前方に、下挟持板53A,53Bの上面に重なるようにして、上挟持板54A,54Bが突出形成されている。同様に、中央の上挟持板54Bは、両端の上挟持板54Aと比べて短寸に形成されている。
各端子金具31の抱持部34並びに締め付け片35は、挟持部47の前方に突出した状態となり、中央の第2端子金具31Bにおける抱持部34の突出長が短いことから、各端子金具31の抱持部34は、上記した機器側コネクタ20の端子台21に立てられた端子ピン28と対応して、仮想的に直角二等辺三角形をなす配置を取る。併せて、図6に示すように、各抱持部34の前側に設けられた一対の締め付け片35も、同様に仮想的に直角二等辺三角形Tをなす配置を取る。また、各端子金具31の抱持部34の間は、絶縁板48で仕切られて絶縁される。
なお、前ハウジング部42のフランジ46と、後ハウジング部60の段付きのフランジ69の間には、シールリング69Aが嵌着される。
上記したインナハウジング41の外周面の段付きのフランジ69の段差面が挿通孔71の後端部に緊密に嵌合し、フランジ69の外周部が挿通孔71の口縁部、すなわち連結部72に当接するようになっている。
蓋板86は、図7にも示すように、平面方形をなす皿を伏せたような形状であって、外周面の中央高さからやや上方位置にフランジ87が形成されており、同外周面におけるフランジ87よりも下の部分にはパッキン88の嵌着溝89が形成され、このパッキン88の嵌着部分が、シールドシェル70の開口部77の周壁内に嵌合可能となっている。
蓋板86と押込体90との取付構造は、蓋板86の裏面における前縁の両端部並びに後縁の中央部、すなわち押込体90の脚体92が垂設された3箇所と対応する位置に、取付ピン93が下向きに一体形成されている。一方、押込体90の基板91における脚体92の垂設位置と対応する3箇所には、上記した取付ピン93を挿通する挿通孔94が形成されているとともに、各脚体92の上端部には、上記した挿通孔94に連通する装着孔95が前後両面に開口して形成されている。
この締め付け部材100は、ばね鋼板等の金属板をプレス加工して形成されており、上面板101の左右両側縁から一対の挟持片102が対向して垂設された正面門型をなし、上面板101の前後両縁には、左右に張り出した取付片103が形成されている。一対の挟持片102の対向面には突部102Aが形成されている。
従って、締め付け部材100は、取付片103を圧入溝106に圧入しつつ装着溝105内に後方から収容され、このとき一対の挟持片102は、装着溝105内に幅方向の若干のクリアランスを持って、ほぼ全高に亘って収容される。
まず電線側コネクタ30が組み付けられる。一部既述したように、3本の電線Wの端末に固着された端子金具31が、第2端子金具31Bの両側に第1端子金具31Aが来る配置においてインナハウジング41に装着される。各端子金具31は、ワイヤバレル32が収容室52に収容されるとともに、その先の保持部33A,33Bが挟持部47によって挟まれつつ、保持部33Aの基端の係止孔36に上ハウジング部43Uの係止突起55が嵌って抜け止めされた状態で装着される。このとき、各端子金具31の抱持部34並びに締め付け片35は、挟持部47の前方に突出し、各端子金具31の抱持部34並びに締め付け片35は、それぞれ直角二等辺三角形の配置を取る。
電線Wは、インナハウジング41の後面の各装着孔63から後方に引き出されており、各装着孔63の奥端にゴム栓65が嵌着されて、ゴム栓押さえ66で抜け止めされる。また、インナハウジング41の外周にシールリング69Aが装着される。
次に、電線Wに通されたブラケット80がインナハウジング41の後端側に嵌められ、その前面の連結部82と、シールドシェル70の連結部72との間で、インナハウジング41のフランジ69の外周部が挟まれ、両連結部72,82同士をボルト締めして固定することにより、シールドシェル70内の所定位置に、インナハウジング41並びに端子金具31が収容された状態となる。このとき併せて、電線Wの外周に、編組線からなる一括形のシールド部材が被せられ、その開口端がブラケット80の連結部82に共締めされて固定される。
上記のように、端子金具31を装着したインナハウジング41がシールドシェル70内に正規に収容されると、図6に示すように、各端子金具31の抱持部34が揃って嵌合筒部75を通して下方に臨み、一方、各端子金具31における抱持部34の先の締め付け片35が、揃って開口部77を通して上方に臨んだ状態となる。
嵌合筒部75の取付板76が窓孔13の口縁に当たったところで押し込みが停止され、そののち取付板76をボルト締めして、機器ケース11の壁面に固定される。それに伴い、シールドシェル70が機器ケース11に接地される。
蓋部材85がシールドシェル70の上面の開口部77に挿入されると、ボルト110の下端がシールドシェル70内の取付台78のボルト孔79の上端に臨み、それとともに脚体92の下端に装着された締め付け部材100が、対応する端子金具31の一対の締め付け片35の上端を挟むように臨む。
蓋部材85のフランジ87が開口部77の口縁に当たったところで押し込みが停止され、蓋部材85の被着作業が完了する。フランジ87の下方に嵌着されたパッキン88が開口部77の周壁に密着することで、開口部77がシールされる。
また、端子金具31の抱持部34をクリアランスを持って端子ピン28に嵌合して、後から抱持部34を締め付けるようにしたから、コネクタ20,40同士の嵌合力が小さく抑えられるとともに、端子金具31や端子ピン28に施されたメッキの剥がれを防止できる。
上記のように締め付け部材100が端子金具31の締め付け片35に装着されることに伴う抵抗は比較的小さく抑えられるが3箇所あり、パッキン88の摩擦抵抗も伴うために、蓋部材85を取り付けるに当たっては、相応の抵抗が生じるが、倍力機構であるボルト110を利用することで蓋部材85の取付作業も容易に行うことができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、締め付け部材がばね性を有する場合を例示したが、特にばね性を有しない剛体で形成してもよい。
(2)端子金具の数は、上記実施形態に例示した3個に限らず任意であり、またその配置も任意である。
(3)本発明は、シールド機能を有しないコネクタにも適用することができる。
(4)さらに、非防水のコネクタにも適用可能である。
11…機器ケース
20…機器側コネクタ(相手コネクタ)
28…端子ピン(ピン)
31,31A,31B…端子金具
32…ワイヤバレル(電線接続部)
33A,33B…保持部
34…抱持部
35…締め付け片
40…コネクタハウジング
41…インナハウジング
54A,54B…上挟持板(上面壁)
63…装着孔
65…ゴム栓(シール部材)
70…シールドシェル
77…開口部
85…蓋部材
88…パッキン(シール部材)
100…締め付け部材
110…ボルト
Claims (5)
- 相手コネクタに備えられたピンに嵌合される端子金具をコネクタハウジングに装着してなり、
前記端子金具には、
電線が前記ピンと交差する方向に延びるように接続される電線接続部と、
前記コネクタハウジングの上面壁に面当たりする保持部と、
前記保持部の先端側に設けられ前記ピンの両側方に弧状に回り込んで前記ピンを挟み付ける抱持部と、
前記各抱持部の先端側に形成された対をなす締め付け片とが設けられ、
前記コネクタハウジングには、前記締め付け片に対応した領域に開口部が形成されて、その開口部を閉じる蓋部材が備えられ、
前記蓋部材には前記コネクタハウジングへの装着に伴い前記一対の締め付け片を互いに接近する方向に変位させて前記抱持部によって前記ピンを締め付ける締め付け部材が設けられていることを特徴とするコネクタ。 - 前記締め付け部材がばね部材であることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記蓋部材が前記コネクタハウジングに対してボルトで締結することにより装着されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
- 前記コネクタハウジングにおける電線の引き出し部分と、同コネクタハウジングの前記開口部と前記蓋部材との嵌合部分には、それぞれシール部材が装着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
- 前記コネクタハウジングが、端子金具を装着した合成樹脂製のインナハウジングをシールドシェル内に収容した構造になり、このシールドシェルが機器のケース等の金属体に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコネクタ。
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