JP2011033563A - 放射線画像検出装置およびその製造方法 - Google Patents

放射線画像検出装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、小型で、生産性に優れ、画像欠陥の発生を防止した耐湿性に優れる放射線画像検出装置を提供することにある。
【解決手段】少なくとも第1の基板と、第1の粘着層と、第2の基板と、シンチレータ層とがこの順に積層されたシンチレータパネルと、光電変換素子層を有する出力基板とが密着あるいは接着された放射線画像検出装置であって、前記シンチレータパネルの各層の面方向の配置領域において、前記第1の基板の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含し、かつ前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層とが耐湿保護層に覆われていることを特徴とする放射線画像検出装置、およびシンチレータパネルを形成した後に耐湿保護層を設けることを特徴とする製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、医療診断装置、非破壊検査機器等に用いられる放射線画像検出装置およびその製造方法に関する。
従来、エックス線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、今なお、世界中の医療現場で用いられている。しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送が出来ない。
そして、近年ではコンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)やフラットパネル型放射線ディテクタ(flat panel detector:FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成を必要としない。その結果、これらのデジタル方式の放射線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
ここで、コンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)は、イメージングプレートで読取った放射線画像をレーザースキャニングで読み出してデジタル化しているが、読出し工程が必要であり、また、鮮鋭性が十分でなく空間分解能も十分ではない。
一方、デジタルの放射線画像が直接得られるデジタル放射線画像技術として開発されてきているフラットパネル型放射線ディテクタ(FPD)には、GdSやCsIなどのシンチレータによって放射線を光に変換後フォトダイオードにより電荷へ変換するシンチレータ方式と、Seを代表とするエックス線検出素子によりエックス線を直接電荷へ変換する方式がある。本発明は、前者のシンチレータ方式のFPDに関するものである。
シンチレータ方式のFPDとしては、例えば、特許文献1は、シンチレータパネルと、薄膜トランジスタ(TFT)および電荷結合素子(CCD)による光電変換素子との組み合わせであるFPDを開示している。
また、特開2008−309770号公報(特許文献2)の段落[0039]〜[0042]には、補強板を設けることでシンチレータパネルの平坦性および剛性を向上させ、シンチレータパネルのアルミニウム基板の湾曲に起因して生じるシンチレータの剥離を防止する技術が公開されている。特許文献2の補強板は、補強板の影により画像が不均一になることを防止するために、アルミニウム基板の厚さ方向から見たときに、補強板がシンチレータを覆い隠すように設けられている。
さらに、特開2008−286785号公報(特許文献3)は、各層を構成する部材間での剥がれを防止することを目的として、放射線画像検出装置を構成する各層の配置領域を規定する技術が開示されている。
特開2005−114456号公報 特開2008−309770号公報 特開2008−286785号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、補強板は、例えば両面テープや接着剤により耐湿性保護層を設けたシンチレータパネルのアルミニウム基板に貼り付けられているが、貼り付ける作業の際に耐湿性保護層が傷ついて耐湿性が劣化し、良品収率が低下する問題があった。さらに特許文献2に記載の技術では、補強板がアルミニウム基板より大きく、パネルが大型化してしまう問題点があった。
また、特許文献3に記載の技術は、部材の熱膨張係数の違いによる部材間での剥がれの問題に対しては、解決策を提示するものであるが、耐湿性の改善に関しては言及がない。
本発明は上記状況に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、生産性に優れ、画像欠陥の発生を防止した耐湿性に優れる放射線画像検出装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.少なくとも第1の基板と、第1の粘着層と、第2の基板と、シンチレータ層とがこの順に積層されたシンチレータパネルと、光電変換素子層を有する出力基板とが密着あるいは接着された放射線画像検出装置であって、前記シンチレータパネルの各層の面方向の配置領域において、前記第1の基板の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含し、かつ前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層とが耐湿保護層に覆われていることを特徴とする放射線画像検出装置。
および、
12.少なくとも第1の基板と、第1の粘着層と、第2の基板と、シンチレータ層とがこの順に積層されたシンチレータパネルと、光電変換素子層を有する出力基板とが密着あるいは接着された放射線画像検出装置の製造方法であって、前記シンチレータパネルの各層の面方向の配置領域において、前記第1の基板の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含し、かつ前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層とを設けてシンチレータパネルを形成した後に耐湿保護層を設けることを特徴とする放射線画像検出装置の製造方法。
また、本発明は、以下の態様とすることでさらに良好な効果を発揮できる。
2.前記シンチレータ層の面方向の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含するとともに、前記第1の基板の配置領域を包含することを特徴とする前記1に記載の放射線画像検出装置。
3.前記第1の粘着層の面方向の配置領域は、前記シンチレータ層の配置領域より狭く、前記第1の基板の配置領域よりは広いことを特徴とする前記2に記載の放射線画像検出装置。
4.前記耐湿保護層が、前記第1の基板の放射線入射側の面においてその全面を覆っていることを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
5.前記耐湿保護層が、前記第1の基板の放射線入射側の面においてその面の一部を覆っていることを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
6.前記第2の基板と前記シンチレータ層との間に、少なくとも放射線透過性の反射層が形成されることを特徴とする前記1から5のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
7.前記第1の基板は、第2の粘着層によって吸湿層が貼り付けられていることを特徴とする前記1から5のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
8.前記耐湿保護層は、CVD法で形成されたポリパラキシリレン膜であることを特徴とする前記1から7のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
9.前記シンチレータ層が気相堆積法により形成されることを特徴とする前記1から8のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
10.前記シンチレータ層がセシウムハライド系蛍光体を含むことを特徴とする前記1から9のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
11.前記セシウムハライド系蛍光体が賦活剤としてタリウムを含有することを特徴とする前記10に記載の放射線画像検出装置。
本発明によれば、生産性に優れ、画像欠陥の発生を防止した耐湿性に優れる放射線画像検出装置を提供することができる。
すなわち、第1の基板の配置領域が光電変換素子層の配置領域を包含することで、第1の基板の影が光電変換素子に写しこまれることを防止し、また、第1の基板からシンチレータ層までを作成してから防湿保護層で全体を覆うようにしたので、従来技術のように作成時に防湿保護層を傷つけることがなく、生産性を向上できる。
また、シンチレータ層の配置領域が第1の基板の配置領域を包含することにより、シンチレータ層で光変換された放射線画像の全てを光電変換素子に取り込むことができ、かつシンチレータ層の大きさを検出装置の最大の大きさとするので、全体として小型化を達成できる。
放射線画像検出装置100の概略構成を示す一部破断斜視図 放射線画像検出装置の層構成を示す概略断面図 放射線画像検出装置の層構成の配置領域の関係を説明する概略図 図4(a)は蒸着装置61の概略構成を示す側面図、図4(b)は図4(a)のA−A視図
放射線検出システムにおいては、放射線発生器で発生させた放射線を被写体に照射し、被写体を透過した放射線を放射線画像検出装置に入射させる。放射線画像検出装置は、被写体からの放射線情報を検出し、デジタルの画像信号に変換して出力する。使用される放射線は、例えば、波長が1×10−10m程度のエックス線である。
放射線画像検出装置により変換された画像信号は、各種画像処理を行った上、画像表示部で表示したり、各種プリンタにて媒体上に出力される。またこの画像信号をメモリに保存したり、ネットワークを介して他の部署に送信することもできる。
以下、このような放射線画像検出装置の本発明に係る概略構造について図1を用いて説明する。放射線画像検出装置100は、照射された放射線を受けて放射線情報をデジタル画像信号に変換する撮像パネル110を有している。
撮像パネル110は、放射線の照射により蛍光発光を行うシンチレータパネル111と、その下方に設けられシンチレータパネル111で発生した蛍光を光電変換する光電変換部112を有する。光電変換部112は、図1に示すように、格子状に2次元配置されており、個々の光電変換素子が放射線画像の1画素に対応するものである。
放射線画像検出装置100は、さらに、放射線画像検出装置100の動作を制御する制御回路120、撮像パネル110で変換された画像信号を記憶するメモリ部130、放射線画像検出装置100の動作を切り換える操作部140、放射線画像の撮影準備完了やメモリ部130への画像信号の書込みを表示する表示部150、撮像パネル110より画像信号を得るために必要な電力供給を行う電源部160、放射線画像検出装置100と外部の画像処理部との間で通信を行うための通信用のコネクタ170、およびこれらを収納する筐体180より構成される。
ここで、放射線画像検出装置100に電源部160を設けるとともに放射線画像の画像信号を記憶するメモリ部130を設け、コネクタ170を介して放射線画像検出装置100を着脱自在にしておけば、放射線画像検出装置100を持ち運びできる可搬構造とすることができる。
筐体180は、アルミニウムやアルミニウム合金等の軽量で耐久性を有する素材で構成される。筐体180の放射線入射面側は、カーボン繊維等の放射線を透過し易い材料で形成される。また、放射線入射面とは逆側にあたる背面側には鉛板等の放射線吸収材料を設け、放射線画像検出装置100を透過した放射線や、放射線画像検出装置100の構成素材が放射線吸収により発生する2次放射線の装置外への漏洩を防止する。
図2は本発明の放射線画像検出装置の撮像パネル110の層構成を示す断面図であり、その左半分に機能的に括った概略図を、右半分に付加可能な層も含めた具体的な層構成を示す。
まず、左半分の機能的に括った層構成を説明する。
図において、放射線は図の上方から入射する。撮像パネル110は、図の上方放射線入射方向から、大きく分けてシンチレータパネル10と光電変換素子基板20との積層で構成されており、シンチレータパネル10は、放射線入射方向から順に、第1の基板11、第1の粘着層12、第2の基板14とシンチレータ層15を有するシンチレータシート13からなり、これら全体を耐湿保護層16が覆っている。また、光電変換素子基板20は、放射線入射方向から順に、シンチレータパネル10との間に設けられる隔膜21、光電変換素子層22、出力層23、および第3の基板24が積層された構成である。
ここで、シンチレータパネル10は、放射線画像を光変換するものであるが、後述する製造方法で説明するように、第2の基板14はシンチレータ層15の基台として設けられ、両者でシンチレータシート13を構成する。そして、基台上に形成されたシンチレータシート13は、第1の粘着層12で第1の基板11に接着してある。第1の基板11は、シンチレータパネル10の強度と平坦性を確保する機能を有する。また、耐湿保護層16は、シンチレータパネル10全体を湿気から保護するものである。
次に、図2の右側で具体的な層構成を説明するに、第2の基板14のシンチレータ層15側には、第2の基板の平滑性を確保するための中間層17a、光取り出し効率をアップするための反射層17b、反射率、輝度を向上するための酸化物層17c、シンチレータ層15の保護のための保護層17dが順次積層して設けられている。これらは、付加的な層であるが、付加するほうが装置の性能を向上させる上で望ましい。少なくとも反射層は設けたほうがよい。
また、第1の基板12の放射線入射側には、第2の粘着層18によって、湿気を吸収するための吸湿層19が接着されている。吸湿層19は、特に耐湿保護層16をフィルムで構成し、密封する際に大気中の湿気が内部に取り込まれてしまうような場合に有効である。なお、吸湿層19の位置は、上記の位置に限られず、例えば、第1の基板11と第1の粘着層12の間などでもよい。なお、図中でPの記号で示す部分は、耐湿保護層16を2枚のフィルムで構成し、熱融着した場合の融着部分である。
そして、耐湿保護層16は、これら第2の粘着層18、吸湿層19を含めてシンチレータパネル10全体をほぼ覆うように形成されている。
光電変換素子基板20は、シンチレータパネル10の放射線入射面と反対側の面に設けられており、シンチレータパネル10側から順に、隔膜21、光電変換素子層22、画像信号の出力層23、および第3の基板24から構成されている。
隔膜21は、シンチレータパネル10と光電変換素子基板20を密着あるいは接着する際の緩衝層である。
光電変換素子層22は、透明電極22aと、透明電極22aを透過して入光した電磁波により励起されて電荷を発生する電荷発生層22bと、透明電極22aに対しての対極となる対電極22cとから構成されており、隔膜21側からこの順に配置される。
次に、放射線画像検出装置100の作用について説明する。まず、放射線画像検出装置100に入射された放射線は、撮像パネル110のシンチレータパネル10側から光電変換素子基板20側に向けて入射する。そして、シンチレータパネル10中のシンチレータ層15が放射線のエネルギーを吸収し、その強度に応じた電磁波(光)を発光する。発光された電磁波のうち、光電変換素子基板20に入射される電磁波は、光電変換素子基板20の隔膜21、透明電極22aを貫通し、電荷発生層22bに到達する。そして、電荷発生層22bにおいて電磁波は吸収され、その強度に応じて正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。
その後、発生した電荷(正孔と電子)は、電源部160によるバイアス電圧の印加により生じる内部電界によりそれぞれ異なる電極(透明電極22aおよび対電極22c)へ運ばれ、光電流となって流れる。
対電極22c側に運ばれた正孔は、画像信号の出力層23に設けられるコンデンサに蓄積され、蓄積された正孔は、コンデンサに接続されているトランジスタを駆動させて画像信号を出力し、出力された画像信号はメモリ部130に記憶される。
図3は、上記の層構成の配置領域について説明する概略図である。該図は層構成の横断面であり、放射線入射方向と平行な中心線Hから各層の端面までの距離を示している。
図3において、Aは中心線Hから光電変換素子層22の端面までの距離、Bは中心線Hから第1の基板11の端面までの距離、Cは、中心線Hからシンチレータ層15の端面までの距離、Dは中心線Hから第1の粘着層12の端面までの距離である。
ここで、第1の基板の配置領域は、光電変換素子層の配置領域を包含するとは、中心線Hの全方位(図3の紙面平行方向、および紙面垂直方向)において、A<Bであることを意味している。同様に、シンチレータ層の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含するとは、A<Cを意味し、第1の粘着層の面方向の配置領域は、前記シンチレータ層の配置領域より狭く、前記第1の基板の配置領域よりは広いとは、B<D<Cを意味する。
このような配置関係にすることにより、光変換された放射線画像の全てを光電変換素子に取り込むことができ、かつ装置の小型化を図ることができる。
前記の関係A<B<D<Cにおいて、夫々の距離AとB、BとC、CとDの差は、0.3mm〜1.5mmが好ましく、より好ましくは、0.5mm〜1.0mmである。
続いて、各層について、詳しく説明する。
(シンチレータ層)
シンチレータ層(「蛍光体層」ともいう。)は、放射線の照射により蛍光を発するシンチレータ(蛍光体)から成る層である。
即ち、シンチレータとは、エックス線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を発光する蛍光体をいう。蛍光体として柱状結晶を用いる場合、柱状結晶の柱径は2.0〜20μmが好ましく、3.0〜15μmがより好ましい。またシンチレータ層の膜厚は、100〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは120〜800μm、特に好ましくは140〜600μmである。
本発明においては、シンチレータ層の充填率は70〜90%であることが好ましく、より好ましくは72〜88%、特に好ましくは75〜85%である。ここで充填率とはシンチレータ層の実際の質量を、理論密度と見かけの体積で割った値をさす。シンチレータ層の充填度を制御するには、蒸着時の基板温度の制御や、蒸着速度やAr等のキャリアガスの導入量を調整することにより真空度を制御することで行うことができる。塗布法による場合は蛍光体と結合剤の比率を調整したり、カレンダリング時の温度、圧力、速度を調整することにより行うことができる。
また、シンチレータ層の充填率の変動係数は、20%以下であり、好ましくは10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下である。これにより輝度、鮮鋭性を向上し、さらに温度変動に伴う画像欠陥の発生を防止することができる。充填率の変動係数は小さければ小さいほど好ましいが、通常は0.1%以上である。
充填率の変動係数は、シンチレータ層における蛍光体の充填率のばらつきの程度を示す指標値となるものである。充填率の変動係数は、シンチレータパネル上で縦、横を10分割し生成した100区画で充填率を測定し、各測定区画における充填率から求めた平均充填率Dav、充填率の標準偏差Ddevを用いて下記式により算出する。
充填度の変動係数=Ddev/Dav(%)
ここで、Ddev:充填率の標準偏差
av :平均充填率
充填率の変動係数を20%以下にするためには、シンチレータ層の製造装置において用いる蒸発源の配置を制御することで行うことができる。例えば、複数の蒸発源を円の円周上に配置することで行うことができるが、さらに円の中心部にも蒸発源が配置されることがより好ましい。さらに複数の蒸発源が半径の異なる複数の同心円の円周上に配置されることがより好ましい。また塗布法によりシンチレータ層を形成する場合には、塗布時に用いる塗布装置のスリット形状を精密研磨により制御することにより行うことができる。
(シンチレータ層、蛍光体)
シンチレータ層を形成する材料としては、種々の公知の蛍光体材料を使用することができるが、セシウムハライド系蛍光体であるヨウ化セシウム(CsI)が好ましい。ヨウ化セシウム(CsI)は、エックス線から可視光への変換率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成できるため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、シンチレータ層(蛍光体層)の厚さを厚くすることが可能である。
但し、CsIのみでは発光効率が充分でないために、各種の賦活剤が添加される。例えば、特公昭54−35060号の如く、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものが挙げられる。また、例えば特開2001−59899号公報に開示されているように、CsIを蒸着で、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質をスパッタで同時形成することができる。
また、タリウムを含有するCsIのシンチレータ層を形成するための原材料としては、1種類以上のタリウム化合物を含む添加剤とヨウ化セシウムとが、好ましく用いられる。タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)は400nmから750nmまでの広い発光波長を持つことから好ましい。
1種類以上のタリウム化合物を含有するタリウム化合物としては、種々のタリウム化合物(+Iと+IIIの酸化数の化合物)を使用することができる。好ましいタリウム化合物は、臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)、またはフッ化タリウム(TlF、TlF)等である。
また、タリウム化合物の融点(常温常圧下における融点)は、発光効率の面から、400〜700℃の範囲内にあることが好ましい。また、タリウム化合物の分子量は206〜300の範囲内にあることが好ましい。
シンチレータ層において、当該賦活剤の含有量は目的性能等に応じて、最適量にすることが望ましいが、ヨウ化セシウムの含有量に対して、0.01〜20モル%であるのが好ましく、0.05〜5モル%であるのがより好ましい。
さらに、本発明においては、上記したCsI:Tl以外にも各種のものが利用可能である。他の一例として、
基本組成式(I):MX・aMIIX’・bMIIIX”:zA
で示されるアルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体が利用可能である。
上記式において、MはLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、ZnおよびCdからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属または二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、GaおよびInからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素または三価金属を表す。また、X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種のハロゲンを表し、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag、TlおよびBiからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素または金属を表す。また、a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、 0≦b<0.5、 0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
また、上記基本組成式(I)中のMとしては少なくともCsを含んでいることが好ましく、Xとしては少なくともIを含んでいることが好ましく、Aとしては特にTlまたはNaであることが好ましい。zは1×10−4≦z≦0.1の範囲内の数値であることが好ましい。
また、
基本組成式(II):MIIFX:zLn
で示される希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体も好ましい材料である。
上記式において、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、TmおよびYbからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種のハロゲンを表す。また、zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。なお、上記式中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEuまたはCeであることが好ましい。
また、他に、LnTaO:(Nb、Gd)系、LnSiO:Ce系、LnOX:Tm系(Lnは希土類元素である)、GdS:Tb、GdS:Pr、Ce、ZnWO、LuAlO:Ce、GdGa12:Cr、Ce、HfO等を挙げることができる。
ここで本発明においては、上記シンチレータ層を、第2の放射線透過性基板(第2の基板)上に反射層や保護層等を介して設け、第2の基板側に第1の粘着層を介して第1の放射線透過性基板(第1の基板)を設けてシンチレータパネルを形成し、その後、第3の基板上にフォトセンサとTFTからなる画素が2次元状に形成された光電変換素子部を形成した光電変換パネルと接着あるいは密着させることで放射線画像検出装置とする。
(第1の放射線透過性基板)
本発明に係る第1の放射線透過性基板(第1の基板)は、放射線透過性であり、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができる。第1の基板は、直接あるいは必要に応じて吸湿層等の機能層を介して、第1の粘着層(例えば両面テープやホットメルトシート、接着剤等)によって第2の基板に貼り付けられている。第1の基板としては、(1)炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、(2)カーボンボード(木炭および紙を炭化処理して固めたもの)、(3)カーボン基板(グラファイト基板)、(4)プラスチック基板、(5)ガラス基板、(6)上記(1)〜(5)の基板を薄く形成し発泡樹脂でサンドイッチしたもの等を用いることができる。
第1の基板の厚さは、第2の基板の厚さよりも大きいことが好ましい。これにより、シンチレータパネル全体の強度が向上する。第1の基板の配置領域は、光電変換素子の配置領域より広いことが必要である。これにより、第1の基板の影が映ることを防止でき、その結果、画像が不均一になるのを防止できる。また、同時にシンチレータパネルを小型化することが可能となる。
第1の基板の端部については、角部または全周にわたってテーパーをつける、または丸める(Rをつける)ことが好ましい。これにより、封止した場合にも破れにくくなるという効果がある。
(第2の放射線透過性基板)
本発明に係る第2の放射線透過性基板(第2の基板)は、放射線透過性であり、シンチレータ層を担持可能な板状体であり、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができる。
特に、ポリイミドまたはポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルム等が、ヨウ化セシウムを原材料として気相法にて柱状シンチレータを形成する場合に、好適である。
さらには第2の基板が、厚さ50〜500μmの可とう性を有する高分子フィルムであることが好ましい。ここで、「可とう性を有する基板」とは、120℃での弾性率(E120)が1000〜6000N/mmである基板をいい、かかる基板としてポリイミドまたはポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
なお、「弾性率」とは、引張試験機を用い、JIS−C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めたものである。これがヤング率と呼ばれる値であり、本発明では、かかるヤング率を弾性率と定義する。
本発明に用いられる基板は、上記のように120℃での弾性率(E120)が1000N/mm〜6000N/mmであることが好ましい。より好ましくは1200N/mm〜5000N/mmである。
高分子フィルムは単独で用いてもよく積層あるいは混合して用いてもよい。中でも、特に好ましい高分子フィルムとしては、上述のように、ポリイミドまたはポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
(反射層)
反射層は、シンチレータ層のシンチレータから発した光を反射して、光の取り出し効率を高めるためのものであり、第2の基板に直接、あるいは中間層を介して形成される。当該反射層は、シンチレータ層からの光を反射すると同時に放射線透過性を有する材料で構成され、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、PtおよびAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。特に、上記の元素からなる金属薄膜、例えば、Ag膜、Al膜などを用いることが好ましい。また、このような金属薄膜を2層以上形成するようにしても良い。
なお、反射層の厚さは、発光光取り出し効率の観点から、0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmであることが好ましい。
(酸化物層)
反射層とシンチレータ層の間にはさらに少なくとも1層からなる酸化物層を設けても良い。酸化物層を設けることで反射率が向上し、輝度向上の効果がある。特に第2の基板としてアルミニウムやカーボン等の導電性の基板を使用する場合は、腐食防止の効果も得ることができる。
酸化物層としては金属酸化物を含むことが好ましく、SiO、TiOなどが挙げられる。酸化物層は、複数の酸化物層からなることがより好ましい。酸化物層の厚さは、0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmであることが、輝度向上、腐食防止の観点から好ましい。
(中間層)
本発明においては、第2の基板と反射層の間に、第2の基板に平滑性を与えるための中間層を有してもよい。中間層としては、樹脂を含有する層であることが好ましい。樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、ポリイミド、ポリアミド、ポリパラキシリレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、ポリイミド、ポリパラキシリレンを使用することが好ましい。なお中間層の表面性やヤング率を制御するために必要に応じてマット剤やフィラーを添加しても良い。
中間層の厚みは1.0μm〜30μmであるのが好ましく、より好ましくは2.0μm〜25μmであり、特には5.0μm〜20μmであるのが好ましい。
また、第2の基板の表面に中間層を設ける手段としては、貼合法、塗設法などの手段がある。このうち貼合法は加熱、加圧ローラを用いて行い、加熱条件は約80〜150℃、加圧条件は4.90×10〜2.94×10N/cm、搬送速度は0.1〜2.0m/sが好ましい。
(保護層)
本発明のシンチレータパネルは、第2の基板上に設けられた反射層の上に保護層を有することが好ましい。保護層の厚みは、光の散乱が抑えられる点から、0.2〜5.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.5〜4.0μmが、特には0.7〜3.5μmであるのが好ましい。
保護層には有機樹脂を用いることが好ましく、有機樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、ポリイミド、ポリアミド、ポリパラキシリレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。
なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、ポリイミド、ポリパラキシリレンを使用することが好ましい。
通常、蒸着によりシンチレータを形成するにあたっては、基板温度は150℃〜250℃で実施されるが、保護層にガラス転移温度が−20℃〜45℃である有機樹脂を含有しておくことで、保護層が接着層としても有効に機能するようになる。
また保護層は、光吸収層であることが好ましく、極大吸収波長は560〜650nmであることが好ましい。当該保護層は、極大吸収波長が560〜650nmの範囲にあるようにするために顔料および染料の少なくとも一方の着色剤を含有することが好ましい。560〜650nmの間に極大吸収波長を有する着色剤としては、紫〜青の有機系もしくは無機系の着色剤が好ましく用いられる。
紫〜青の有機系着色剤の例としては、紫色:ジオキサジン、青色:フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーなどである。紫〜青〜青緑の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
着色剤として、特に好ましいものは金属フタロシアニン系顔料である。金属フタロシアニン系顔料としては、具体的には、銅フタロシアニンが挙げられる。しかし、極大吸収波長が560〜650nmの範囲内にある限り、他の金属含有フタロシアニン顔料、例えば亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、および他のそのような金属に基づくものも使用できる。
適当なフタロシアニン系顔料は、未置換でも、置換、例えば1つまたはそれ以上のアルキル、アルコキシ、ハロゲン、または他のフタロシアニン顔料に典型的な置換基で置換されていてもよい。粗フタロシアニンは、技術的に公知のいくつかの方法のいずれかで製造できるが、好ましくは無水フタル酸、フタロニトリルまたはそれらの誘導体の、金属ドナー、窒素ドナー(例えば尿素またはフタロニトリル自体)と、好ましくは有機溶媒中随時触媒の存在下に反応させることによって製造できる。
顔料は、保護層を形成する上記有機樹脂中に分散されて用いられることが好ましい。分散剤は、用いる有機樹脂と顔料とに合わせて種々のものを用いることができる。分散剤としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。
このような保護層は、溶剤に溶解した樹脂を塗布、乾燥して形成したり、CVD法により形成される。
(粘着層)
本発明に係る第1の粘着層、第2の粘着層に使用可能な粘着層としては、例えば両面テープ(マトリックステープ)、ホットメルトシート、接着剤が用いられる。
ホットメルトシートに使用されるホットメルト樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系などのホットメルト樹脂が挙げられる。ホットメルト樹脂の熱膨張係数は、材料により異なるが、例えば、160〜230×10−6/℃である。ホットメルト樹脂としては、例えば特開2006−78471号公報の[0024]〜[0034]に記載されたホットメルト樹脂を使用することができる。また接着剤としては、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系の群に属する接着剤を用いることができる。接着剤の熱膨張係数は、材料により異なるが、例えば、110×10−6/℃以下である。
第1の粘着層の面方向の配置領域は、シンチレータ層の配置領域より狭く、第1の放射線透過性基板の配置領域より広いことが好ましい。
(吸湿層)
本発明においては、吸湿層を、第1の基板の上面、あるいは第1の基板と第2の基板の間に設けることができる。吸湿層としては、乾燥剤を含む樹脂層を使用するのが好ましく、例えば、ドライキープ(プラスチックなどの樹脂と乾燥剤が一体化した製品)が使用できる。
(耐湿保護層)
耐湿保護層は、シンチレータ層の保護を主眼とするものである。即ち、ヨウ化セシウム(CsI)は、吸湿性が高く露出したままにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して潮解してしまうため、これを防止することを主眼とする。本発明においては、耐湿保護層は、単にシンチレータ層を覆うのみならず、シンチレータパネルを構成する他の層も含めて全体を覆うように構成され、これにより、製造工程において耐湿保護層が傷つくことを防止し、ひいては、放射線画像検出装置の良品収率を高めることができる。
当該耐湿保護層は種々の材料を用いて形成することができるが、最も好適には、CVD法によりポリパラキシリレン膜を形成することである。即ち、シンチレータシートおよび第1の基板の表面全体にポリパラキシリレン膜を形成し、耐湿保護層とすることができる。ポリパラキシリレンは、非常に低い透湿性を示し、隙間浸透性にも優れているので、CVD法で膜形成することにより、本発明の耐湿保護膜として好適である。
また、耐湿保護層は、耐湿保護層用の塗布液を前記蛍光体層の表面に直接塗布して形成してもよく、また、予め別途形成した耐湿保護層を前記蛍光体層に接着したり、包み込むことにより封止してもよい。予め別途形成した耐湿保護層として有機フィルムを用いる場合、その構成例としては、保護層(最外層)/防湿層/熱溶着層(最内層)の構成を有した多層積層材料が挙げられる。また、上記各層は必要に応じて多層とすることも可能となっている。
上記の有機フィルムを保護フィルムとして用いる場合、保護フィルムによってシンチレータパネルが真空封止されていることが好ましい。真空封止は、シンチレータパネルの上面と底面に保護フィルムを密着させ、真空装置で減圧したのち、2枚の保護フィルムの端面を熱融着させることで可能である。
さらには、耐湿保護層は、蒸着法やスパッタリング法などにより、SiC、SiO、SiN、Alなどの無機物質を積層して形成してもよい。
上記耐湿保護層の厚さは、空隙部の形成性、シンチレータ(蛍光体)層の耐湿保護性、鮮鋭性、防湿性、作業性等を考慮し、12μm以上、100μm以下が好ましく、更には20μm以上、60μm以下が好ましい。
耐湿保護層のヘイズ率は、鮮鋭性、放射線画像ムラ、製造安定性、作業性等を考慮し、3%以上、40%以下であることが好ましく、更には3%以上、10%以下であることがより好ましい。ヘイズ率は、曇りの度合いを表す指標(数値が大きくなると、曇りの度合いも大きくなる)であり、全光線透過率に対する散乱光透過率の割合(%)で表された値である。
耐湿保護層の光透過率は、光電変換効率、シンチレータ発光波長等を考慮し、550nmで70%以上あることが好ましいが、99%以上の光透過率のフィルムは工業的に入手が困難であるため、実質的に99〜70%が好ましい範囲となる。
耐湿保護層の透湿度はシンチレータ層の保護性、潮解性等を考慮し、50g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定、以下同様)以下が好ましく、更には10g/m・day(40℃・90%RH)以下が好ましいが、0.01g/m・day(40℃・90%RH)以下の透湿度のフィルムは工業的に入手が困難であるため、実質的に0.01g/m・day(40℃・90%RH)以上、50g/m・day(40℃・90%RH)以下が好ましく、更には0.1g/m・day(40℃・90%RH)以上、10g/m・day(40℃・90%RH)以下が好ましい範囲となる。
(シンチレータパネルの作製方法)
本発明のシンチレータパネル10を作製する作製方法の具体例について、図を参照しながら説明する。
まず準備工程として、第2の基板14に中間層17a、反射層17b、酸化物層17c、保護層17d等を必要に応じて順次作製する。夫々の層の材料、作成方法は上述したとおりである。
ついで、シンチレータ層を形成するのであるが、その説明に先立ち、シンチレータ層を形成する蒸着装置について説明する。
図4は、蒸着装置61の概略構成を示す図面である。図4に示すように、蒸着装置61は真空容器62を備えており、真空容器62には真空容器62の内部の排気および大気の導入を行う真空ポンプ66が備えられている。
真空容器62の内部の上面付近には、基板B(第2の基板14)を保持する基板ホルダ64が設けられている。
基板Bの表面には、蛍光体層が気相堆積法によって形成される。気相堆積法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法その他を用いることができるが、本発明では特に蒸着法が好ましい。
基板ホルダ64は、基板Bのうち前記蛍光体層を形成する面が真空容器62の底面に対向し、かつ真空容器62の底面と平行となるように基板Bを保持する構成となっている。
また、基板ホルダ64には、基板Bを加熱する加熱ヒータ(図示せず)を備えることが好ましい。この加熱ヒータで基板Bを加熱することによって、基板Bの基板ホルダ64に対する密着性の強化や、前記蛍光体層の膜質調整を行う。また、基板Bの表面の吸着物を離脱・除去し、基板Bの表面と後述する蛍光体との間に不純物層が発生することを防止する。
また、加熱手段として温媒または熱媒を循環させるための機構(図示せず)を有していてもよい。この手段は蛍光体の蒸着時における基板Bの温度を50〜150℃といった比較的低温に保持して蒸着する場合に適している。
また、加熱手段としてハロゲンランプ(図示せず)を有していてもよい。この手段は蛍光体の蒸着時における基板Bの温度を150℃以上といった比較的高温に保持して蒸着する場合に適している。
さらに、基板ホルダ64には、基板Bを水平方向に回転させる基板回転機構65が設けられている。基板回転機構65は、基板ホルダ64を支持すると共に基板Bを回転させる基板回転軸67および真空容器62の外部に配置されて基板回転軸67の駆動源となるモータ(図示せず)から構成されている。
また、真空容器62の内部の底面付近には、基板Bに垂直な中心線を中心とした円の円周上の互いに向かい合う位置に蒸発源63a、63bが配置されている。この場合において、基板Bと蒸発源63a、63bとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。また、基板Bに垂直な中心線と蒸発源63a、63bとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。
なお、本発明の蒸着装置においては、3個以上の多数の蒸発源を設けることも可能であり、各々の蒸発源は等間隔に配置してもよく、間隔を変えて配置してもよい。また、基板Bに垂直な中心線を中心とした円の半径は任意に定めることができる。本発明においては複数の蒸発源が円の円周上に配置されることが好ましいが、さらに円の中心部にも蒸発源63cを配置することや複数の同心円上に複数の蒸発源を配置することで、FPD等の大サイズのパネルに使用する場合でも、シンチレータ層の蛍光体の充填率の変動係数を20%以下とすることができ、耐衝撃性や耐湿性を良好にすることができる。
蒸発源63a、63bは、蛍光体を収容して抵抗加熱法で加熱するため、ヒータを巻いたアルミナ製のるつぼから構成しても良いし、ボートや、高融点金属からなるヒータから構成しても良い。また、蛍光体を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でも良いが、本発明では比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、かつ、非常に多くの物質に適用可能である点から直接電流を流し抵抗加熱する方法や、周りのヒータでるつぼを間接的に抵抗加熱する方法が好ましい。また、蒸発源63a、63bは分子源エピタキシャル法による分子線源でも良い。
また、蒸発源63a、63bと基板Bとの間には、蒸発源63a、63bから基板Bに至る空間を遮断するシャッタ68が水平方向に開閉自在に設けられており、このシャッタ68によって、蒸発源63a、63bにおいて蛍光体の表面に付着した目的物以外の物質が蒸着の初期段階で蒸発し、基板Bに付着するのを防ぐことができるようになっている。
以上の蒸着装置61を用いた製造方法によれば、複数の蒸発源63a、63bを設けることによって蒸発源63a、63bの蒸気流が重なり合う部分が整流化され、基板Bの表面に蒸着する後述する蛍光体の結晶性を均一にすることができる。このとき、多数の蒸発源を設けるほど多くの箇所で蒸気流が整流化されるため、より広範囲において蛍光体の結晶性を均一にすることができる。また、蒸発源63a、63bを基板Bに垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置することで、蒸気流の整流化によって結晶性が均一になるという作用を、基板Bの表面において等方的に得ることができる。
また、基板回転機構65によって基板Bを回転しながら後述する蛍光体の蒸着を行うことによって、基板Bの表面により均一に蛍光体を蒸着させることができる。
以上説明した蒸着装置61によりシンチレータ層を形成する。まず、基板ホルダ64に準備工程で作製した第2の基板14(中間層17a、反射層17b、酸化物層17c、保護層17dなどを設けてある)を取付ける。また、真空容器62の底面付近において、第2の基板14に垂直な中心線を中心とした円の円周上に蒸発源63a、63bを配置し、蒸発させるべき蛍光体(ヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む混合物)を載置する。
次いで、真空ポンプ66を作動させて真空容器62の内部を排気し、真空容器62の内部を0.1Pa以下の真空雰囲気下にする。ここでいう「真空雰囲気下」とは、100Pa以下の圧力雰囲気下のことを意味し、0.1Pa以下の圧力雰囲気下であるのが好適である。
その後、アルゴン等の不活性ガスを真空容器62の内部に導入し、当該真空容器62の内部を0.1Pa〜5Paの真空雰囲気下に維持する。そして、基板ホルダ64のヒータと基板回転機構65のモータとを駆動させ、基板ホルダ64に取付け済みの第2の基板14を蒸発源63に対向させた状態で加熱しながら回転させる。
この状態において、電極から蒸発源63に電流を流し、ヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む混合物を700〜800℃程度で所定時間加熱してその混合物を蒸発させる。
その結果、基板14の表面に無数の柱状結晶体が順次成長して所望の厚さのシンチレータ層15が形成される。
蒸着源を加熱する温度としては、500℃〜800℃が好ましく、特に630℃〜750℃が好ましい。基板温度は100℃〜250℃が好ましく、特に150℃〜250℃とするのが好ましい。基板温度をこの範囲とすることで、柱状結晶の形状が良好となり、輝度特性が向上する。
なお、基板14の表面に蛍光体を成長させる工程を複数回に分けて行って蛍光体層を形成することも可能である。また、蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて、被蒸着体を冷却あるいは加熱しても良い。さらに、蒸着終了後、蛍光体層を加熱処理(アニール)しても良い。また、蒸着法においては必要に応じてO、Hなどのガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行っても良い。
次に、上記のように作製したシンチレータシート13を用いてシンチレータパネル10を作製する方法について説明する。
まず、作製したシンチレータシート13に粘着層12を貼り付け、その上に第1の基板11(ガラス基板など)を、位置を合わせて載置し押圧して接着する。そして、最後に耐湿保護層16を形成する。耐湿保護層16は、上述したように、CVD法によりポリパラキシリレン膜を形成する。
以上の説明においては、耐湿保護層が第1の基板も含めたシンチレータパネルの全面を覆う例を示したが、第1の基板にガラス板など湿気が通過しない材料で構成する場合などは、第1の基板の上面側は除いて耐湿保護層を形成しても良い。すなわち、耐湿保護層はシンチレータ層の下面(光電変換素子層の側)とシンチレータパネルを構成する各層の端面を覆い、第1の基板の上面側は開放とすることができる。このような構成は、耐湿保護層を形成する際に第1の基板の上面にマスクを設け、耐湿保護層の形成後マスクを除去すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(反射層の作製)
第2の基板として厚さ125μmのポリイミドフィルム(宇部興産製UPILEX−125S)を用い、この上にアルミニウムをスパッタして反射層(0.02μm)を形成した後、SiO膜(0.08μm)膜、TiO膜(0.05μm)を形成した。
(保護層の作製)
バイロン200(東洋紡社製:ポリエステル樹脂、Tg:67℃)100質量部
ヘキサメチレンジイソシアナート 3質量部
フタロシアニンブルー 0.1質量部
メチルエチルケトン(MEK) 100質量部
トルエン 100質量部
上記処方を混合し、ビーズミルにて15時間分散し、保護層塗設用の塗布液を得た。
この塗布液を上記基板の反射層面に乾燥膜厚が2.5μmになるように押し出しコーターで塗布した。
(シンチレータ層の形成)
基板回転機構を備えた基板ホルダに反射層と保護層を設けた前記基板を設置した。次に、蛍光体原料(CsI:0.8Tlモル%)を蒸着材料として蒸発源るつぼに充填し、8個の蒸発源るつぼを真空容器の内部の底面付近であって、基板に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置した。このとき、基板と蒸発源との間隔を400mmに調節すると共に、基板に垂直な中心線と蒸発源との間隔を300mmに調節した。さらに、8個の遮蔽板を、蒸発源と基板のうち蒸発源に対向する面の中心点とを結ぶ線分上に、遮蔽板の上端部分が接する高さおよび位置となるように配置し、蛍光体が基板に蒸着する際の入射角の範囲を制限するようにした。次に、4個の蒸発源るつぼを真空容器の内部の底面付近であって、基板に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置した。このとき、基板と蒸発源との間隔を400mmに調節すると共に、基板に垂直な中心線と蒸発源との間隔を150mmに調節した。さらに真空容器の内部の底面付近であって、基板に垂直な中心線を中心とした円の中心に1個の蒸発源るつぼを配置した。
続いて真空容器の内部を一旦排気し、Arガスを導入して0.02Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で基板を回転させながら基板の温度を50℃に保持した。次いで、抵抗加熱によりるつぼ内を所定の温度に上昇させて蛍光体を蒸着開始したのち基板温度を200℃まで上昇させ、蛍光体層(CsI:0.8Tlモル%)の膜厚が470μmとなったところで蒸着を終了させた。
(シンチレータパネルの作成)
蒸着が終了し、シンチレータ層が形成されたシンチレータシートを430.0mm×430.0mmの四角形状に断裁した。次に、ホットメルトシート(429.5mm×429.5mm 厚みは50μm、エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、ヒロダイン7544(ヒロダイン工業製)を使用)により、ガラス基板(429.0mm×429.0mm 厚みは0.5mm 端部の全周にわたって丸み(R)をつけてある)を密着させた。その後、CVD法により全面に厚さ15μmのポリパラキシリレン膜による耐湿保護層を設けた。
前記シンチレータパネルを、PaxScan2520(Varian社製FPD)のシンチレータパネルと交換してセットして装置101とした。この装置101の画像欠陥の個数および耐湿性を、後述する方法で評価した。また、光電変換素子の配置領域は四角形状とし、表1に記載された大きさとなるように調整した。
(装置102〜103)
装置101の作製において、シンチレータ層の膜厚を表1に示すように変更したこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置104)
装置101の作製において、シンチレータパネルの耐湿保護層を設ける際に、ガラス基板のシンチレータ層側の反対面(放射線入射側)にマスク部材を設けた後、CVD法により全面に厚さ15μmのポリパラキシリレン膜を設けた。その後、マスク部材をとり除くことで、ガラス基板の上面(放射線入射側の面)を除く部分以外にポリパラキシリレン膜による耐湿保護層を設けた。この点以外は装置101と同様である。
(装置105)
装置104の作製において、シンチレータ層の膜厚を表1に示すように変更したこと以外は装置104と同様にして作製した。
(装置106)
装置101のシンチレータパネルの作製において、ガラス基板を密着させる前にCVD法により全面に厚さ15μmのポリパラキシリレン膜による耐湿保護層を設けた。その後、ホットメルトシートによりガラス基板を密着させたこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置107)
装置101の作製において、PaxScan2520の光電変換素子の配置領域を表1に記載のように変更したこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置108)
装置101の作製において、ガラス基板を使用しなかったこと以外は装置101と同様にして作製した。
《評価》
〈画像欠陥の評価〉
12bitの出力データよりシンチレータパネルのセッティングによって発生した画像欠陥数を計測した。ここでの画像欠陥は画像の平均シグナルの90%以下、110%以上のシグナルを示す画素のことである。画像欠陥数は、500ピクセル×500ピクセルあたりの個数を計測した。
〈耐湿性の評価〉
得られたシンチレータパネルを70℃/90%の環境に3日間放置し、放置後の輝度の劣化幅を放置前の値を100とした相対値で表示した。輝度の評価は、電圧80kVpのエックス線を試料の裏面(シンチレータ層が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したFPDで検出し、画像の平均シグナル値を発光輝度とした。
結果を、表1に示す。この表1から、本発明の放射線画像検出装置は、小型で画像欠陥の発生がなく、耐湿性に優れることが分かる。
Figure 2011033563
10、111 シンチレータパネル
11 第1の基板
12 第1の粘着層
13 シンチレータシート
14 第2の基板
15 シンチレータ層
16 耐湿保護層
17a 中間層
17b 反射層
17c 酸化物層
17d 保護層
18 第2の粘着層
19 吸湿層
20 光電変換素子基板
21 隔膜
22 光電変換素子層
22a 透明電極
22b 電荷発生層
22c 対電極
23 出力層
24 第3の基板
61 蒸着装置
62 真空容器
63、63a、63b、63c 蒸発源(被充填部材)
64 基板ホルダ
65 基板回転機構
66 真空ポンプ
67 基板回転軸
68 シャッタ
100 放射線画像検出装置
110 撮像パネル

Claims (12)

  1. 少なくとも第1の基板と、第1の粘着層と、第2の基板と、シンチレータ層とがこの順に積層されたシンチレータパネルと、光電変換素子層を有する出力基板とが密着あるいは接着された放射線画像検出装置であって、
    前記シンチレータパネルの各層の面方向の配置領域において、前記第1の基板の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含し、かつ前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層とが耐湿保護層に覆われていることを特徴とする放射線画像検出装置。
  2. 前記シンチレータ層の面方向の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含するとともに、前記第1の基板の配置領域を包含することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像検出装置。
  3. 前記第1の粘着層の面方向の配置領域は、前記シンチレータ層の配置領域より狭く、前記第1の基板の配置領域よりは広いことを特徴とする請求項2に記載の放射線画像検出装置。
  4. 前記耐湿保護層が、前記第1の基板の放射線入射側の面においてその全面を覆っていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  5. 前記耐湿保護層が、前記第1の基板の放射線入射側の面においてその面の一部を覆っていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  6. 前記第2の基板と前記シンチレータ層との間に、少なくとも放射線透過性の反射層が形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  7. 前記第1の基板は、第2の粘着層によって吸湿層が貼り付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  8. 前記耐湿保護層は、CVD法で形成されたポリパラキシリレン膜であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  9. 前記シンチレータ層が気相堆積法により形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  10. 前記シンチレータ層がセシウムハライド系蛍光体を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  11. 前記セシウムハライド系蛍光体が賦活剤としてタリウムを含有することを特徴とする請求項10に記載の放射線画像検出装置。
  12. 少なくとも第1の基板と、第1の粘着層と、第2の基板と、シンチレータ層とがこの順に積層されたシンチレータパネルと、光電変換素子層を有する出力基板とが密着あるいは接着された放射線画像検出装置の製造方法であって、
    前記シンチレータパネルの各層の面方向の配置領域において、前記第1の基板の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含し、かつ前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層とを設けてシンチレータパネルを形成した後に耐湿保護層を設けることを特徴とする放射線画像検出装置の製造方法。
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