JP2011033343A - 温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲な温度域にわたる温度計測と、特定の温度域における温度の高精度計測とを、従来より好適に両立できる温度センサを提供すること。
【解決手段】第1のサーミスタ素子54と第2のサーミスタ素子56とを、電気的に並列に接続した温度センサ1において、第1のサーミスタ素子54のB定数は1000〜2000Kで、第2のサーミスタ素子56のB定数は4000〜8000Kであり、且つ、第1のサーミスタ素子54のB定数と第2のサーミスタ素子56のB定数とが3.0倍以上異なる特性を有する。更に、所定温度より低温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より低く、且つ、所定温度より高温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より高い特性を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、広範囲な温度検知ができ、且つ、特定の温度域については高精度の温度検知ができる温度計測の技術に関し、より具体的には、例えば自動車用の排気系、吸気系に好適に使用され、オンボードダイアグノーシス(OBD)検知が可能な高精度の温度センサに関する。
従来より、広い温度領域に亘って使用できる温度センサとしては、その感温体として、サーミスタや白金抵抗体を用いた温度センサが知られている。
このうち、サーミスタとしては、例えば下記特許文献1〜3に記載のサーミスタを用いた技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、B定数が7860Kのサーミスタが開示され、特許文献2には、B定数が4668Kのサーミスタが開示され、特許文献3には、B定数が2360Kのサーミスタが開示されている。
ところで、近年では、温度センサ、特に自動車の排気ガス温度を測定する温度センサとしては、厳しくなる環境規制に対応するために、より広範囲な温度域の検出を行えることが求められており、特に温度センサが低温下に晒されている状態で用いられ始めた場合も、いち早くOBDに対応するために、−40℃といった低温域においても精度良く温度計測できることが求められている。すなわち、サーミスタの場合には、サーミスタ定数(B定数)がより小さいものが求められている。
ここで、B定数とは、サーミスタの温度に対する感度を示す定数であり、負の温度係数を有するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタの温度と抵抗値との関係は、下記式(1)の近似式で与えられる。
R=R0exp{B(1/T−1/T0)}・・・(1)
なお、R;絶対温度Tにおけるサーミスタの抵抗値、R0;絶対温度T0におけるサーミスタの抵抗値である。
そして、上記式(1)にて、B定数が小さいということは、例えば図16に示す絶対温度の逆数と抵抗値の対数との関係において、その直線の傾きが小さいことを示している。なお、同図では、B定数が、7860K、4668K、2360Kの例を示した。
このことは、温度変化に対して抵抗の変化が小さいことを示しており、B定数が小さければ小さいほど、広範囲の温度計測が可能となるものの、高精度な温度計測が困難になることを意味している。
また、上述したサーミスタを組み込んだ温度センサの出力は、例えば図17に示す回路を用い、0〜5Vの出力として取り出すのが一般的であり、引き出し抵抗(プルアップ抵抗)には、1kΩの抵抗1個が使用されることが多い。自動車においては、この回路は、通常、電子制御装置(ECU)に組み込まれているため、回路の変更(例えば引き出し抵抗の変更)には、少なからずの費用と再キャリブレーションなどの手間が必要となる。
ここで、前記図16に示した絶対温度の逆数と抵抗値の対数との関係を、前記図17の回路を用いて得られた温度とセンサ出力との関係で示すと図18のようになる。つまり、温度が高くなるほど又B定数が小さくなるほど温度変化に対するセンサ出力の変化の度合が小さくなり、高精度の測定が困難になることが分かる。
なお、これとは別に、B定数の異なる2種以上のサーミスタを並列に接続した温度センサの技術が開示されている(特許文献4参照)。
特許第3254595号公報 特許第3970851号公報 特開2007−246381号公報 特許第2971200号公報
ところで、例えば自動車のターボチャージャの保護、DPF(Diesel Particulate Filter;ディーゼル微粒子除去装置)、NOx触媒、酸化触媒、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction;選択的触媒還元)等の各種排気ガス浄化システム制御においては、排気ガスの温度などを検出する温度センサが用いられるが、各制御を好適に行うためには、500〜900℃の温度域の温度を精度良く測定することが重要である。
しかしながら、前記図18に示す様に、B定数が小さいサーミスタでは、広範囲な温度計測が可能であるものの、最も精度良く温度検出を行いたい500〜900℃の温度域において、その特性を示すグラフの傾き(即ち温度とセンサ出力との関係を示すグラフの傾き)が極端にねてしまい、測定精度が極端に悪くなってしまうことがあった。
例えばB定数が2360Kのサーミスタでは、実用上あまり重要でない100〜300℃あたりでグラフが立って、温度変化に対するセンサ出力が鋭敏になっているが、500〜900℃の温度域では、鋭敏なセンサ出力が得られない。
この対策として、例えば前記引用文献4に記載の技術(即ち温度と抵抗との関係を示すグラフを途中で屈曲させるように特性を設定する技術)を利用することが考えられるが、十分な検討がなされていないのが現状である。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、広範囲な温度域にわたる温度計測と、特定の温度域における温度の高精度計測とを、従来より好適に両立できる温度センサを提供することを目的とする。
(1)かかる目的を達成するために成された本発明は、負の抵抗温度特性(負の温度係数)を有するサーミスタ焼結体と該サーミスタ焼結体に接続された電極とを備えた複数のサーミスタ素子(いわゆるNTCサーミスタ)を、電気的に並列に接続した温度センサにおいて、前記複数のサーミスタ素子のうち、−40〜900℃の温度範囲にて異なるB定数を有する第1のサーミスタ素子と第2のサーミスタ素子とについて、前記第1のサーミスタ素子のB定数は1000〜2000Kで、前記第2のサーミスタ素子のB定数は4000〜8000Kであり、且つ、前記第1のサーミスタ素子のB定数と前記第2のサーミスタ素子のB定数とが3.0倍以上異なる特性を有するとともに、所定温度より低温側にて、前記第1のサーミスタ素子の抵抗値が前記第2のサーミスタ素子の抵抗値より低く、且つ、前記所定温度より高温側にて、前記第1のサーミスタ素子の抵抗値が前記第2のサーミスタ素子の抵抗値より高い特性を有することを特徴とする。
本発明では、B定数が1000〜2000Kの範囲の第1のサーミスタ素子を用いるので、広範囲の温度を検知することができるとともに、B定数が4000〜8000Kの第2のサーミスタ素子を用いるので、所望の高温側における温度域を高精度で検知することができる。従って、両サーミスタ素子を並列に接続することにより、広範囲な温度域にわたる温度計測と、特定の温度域における温度の高精度計測とを両立することができる。
特に、本発明では、第1のサーミスタ素子のB定数と第2のサーミスタ素子のB定数が3.0倍以上異なるので(即ち第1のサーミスタ素子のB定数より第2のサーミスタ素子のB定数が3.0倍以上大きいので)、例えば図3に示す様に、絶対温度の逆数と抵抗値の対数の関係において、高温側にて、温度上昇とともに直線(第1のサーミスタ素子:A1)から低抵抗側へのずれが大きくなり(屈曲が大きくなり)、サーミスタ素子を並列接続した効果が、従来より効果的に現れる。
また、本発明では、第1のサーミスタ素子と第2のサーミスタ素子として、所定温度より低温側にて、第1のサーミスタ素子の抵抗値が第2のサーミスタ素子の抵抗値より低く、且つ、所定温度より高温側にて、第1のサーミスタの抵抗値が第2のサーミスタの抵抗値より高い特性を有するサーミスタ素子を用いる。つまり、第1、第2のサーミスタ素子においては、所定温度を境として高温側と低温側とでは、同じ温度に対する抵抗値の大小が逆転する。
なお、所定温度とは、温度計測の対象となる温度域に応じて設定される当該温度域内における特定の温度の値を指し、例えば、−40〜900℃の温度域が温度計測の対象となる場合には、500℃を所定温度とすることができる。
つまり、所定温度より低温側にて、第1のサーミスタの抵抗値を第2のサーミスタの抵抗値より低くすることにより、(両サーミスタ素子を並列に接続した)サーミスタ素子全体の特性が、第2のサーミスタ素子側(高B定数側:測定範囲が狭くなる側)に近づくことを防止でき、且つ、所定温度より高温側にて、第1のサーミスタ素子の抵抗値を第2のサーミスタの抵抗より高くすることにより、サーミスタ素子全体の特性が第1のサーミスタ素子側(低B定数側:測定精度が悪くなる側)に近づくことを防止できる。
なお、第1のサーミスタ素子(抵抗Ra)と第2のサーミスタ素子(抵抗Rb)を並列に接続した場合のサーミスタ素子の全抵抗は、下記式(2)で表すことができる。
R=(Ra・Rb)/(Ra+Rb)・・・(2)
従って、本発明では、1つの温度センサで、電子制御装置内の回路を変更することなく、従来より高いレベルで、広範囲な温度域にわたる温度計測と、特定の温度域における温度の高精度計測とを両立することができるという顕著な効果を奏する。
ここで、第1のサーミスタ素子としては、複数のサーミスタ素子の中で、−40〜900℃の温度範囲にて、最もB定数が小さいサーミスタ素子が挙げられ、第2のサーミスタ素子としては、次にB定数が小さいサーミスタ素子が挙げられる。
また、サーミスタ素子のB定数は、後述する各実施例に記載の様に、サーミスタ焼結体の組成等により調整することができる。更に、サーミスタ素子の抵抗値は、サーミスタ焼結体の組成やそのサイズや電極の配置等により調整することができる。
(2)また、上述した温度センサにおいては、請求項2の発明のように、複数のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体を、電気的に絶縁された状態で一体化してもよい。
つまり、複数のサーミスタ焼結体を、電気的に絶縁された状態で一体化することにより、温度センサの製造時などにおいて、サーミスタ素子等の扱いが容易で破損し難いという利点がある。
なお、各サーミスタ焼結体を絶縁する方法としては、例えばサーミスタ焼結体間に、サーミスタ焼結体と反応(界面反応を含む)を起こさず、且つ、絶縁性の高い材料(例えばAl23、ムライト、SrAl24など)からなる絶縁層を挟む方法が挙げられる。
(3)更に、上述した温度センサにおいては、請求項3の発明のように、複数のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体の表面を、電気的な絶縁層によってコーティングしてもよい。
これにより、サーミスタ素子を容易に製造することができる。
なお、各サーミスタ焼結体を絶縁する方法としては、サーミスタ焼結体と反応(界面反応を含む)を起こさず、且つ、絶縁性の高い、例えばセラミック製セメント、ガラス等の無機絶縁物で、サーミスタ焼結体の表面をコートする方法などを採用できる。
第1実施形態の温度センサの構造を示す部分破断断面図である。 第1実施形態におけるサーミスタ素子の近傍を拡大して示す斜視図である。 実施例1のサーミスタ素子の絶対温度の逆数と抵抗値の対数との関係を示すグラフである。 実施例1のサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示すグラフである。 温度センサの回路を示す説明図である。 実施例4のサーミスタ素子の絶対温度の逆数と抵抗値の対数との関係を示すグラフである。 実施例4のサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示すグラフである。 実施例5のサーミスタ素子の絶対温度の逆数と抵抗値の対数との関係を示すグラフである。 実施例5のサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示すグラフである。 実施例8のサーミスタ素子の絶対温度の逆数と抵抗値の対数との関係を示すグラフである。 実施例8のサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示すグラフである。 実施例9のサーミスタ素子の絶対温度の逆数と抵抗値の対数との関係を示すグラフである。 実施例9のサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示すグラフである。 第2実施形態の温度センサのサーミスタ素子を示す説明図である。 第3実施形態におけるサーミスタ素子の近傍を拡大して示す斜視図である。 従来技術のサーミスタ素子の温度と抵抗との関係を示すグラフである。 従来技術の温度センサの回路を示す説明図である。 従来技術のサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示すグラフである。
次に、本発明を実施するための好適な形態について説明する。
[第1実施形態]
a)まず、本実施形態の温度センサの概要について説明する。図1は、温度センサ1の構造を示す部分破断断面図である。
図1に示す様に、温度センサ1は、一対の金属製のシース芯線3、4を筒状部材5の内側にて絶縁保持したシース部材7と、先端側が閉塞した軸線方向に延びる筒状の金属チューブ(ハウジング)9と、金属チューブ9を支持する取付部材11と、六角ナット部13及びネジ部15を有するナット部材17と、取付部材11の後端側に接合される外筒19とを備えている。
なお、軸線方向とは、温度センサ1の長手方向であり、図1においては上下方向に相当する。また、温度センサ1における先端側は図における下側であり、温度センサ1における後端側は図における上側である。
この温度センサ1は、金属チューブ9の先端側の内部に、感温素子としてサーミスタ素子21を収納したセンサであり、例えば内燃機関の排気管などの流通管に装着され、温度センサ1の先端側が、被測定ガス(排気ガス)が流れる流通管内に配置されることにより、被測定ガスの温度を検出する。
以下、各構成について説明する。
前記サーミスタ素子21は、後に詳述する様に、その先端側のサーミスタ本体部23と、サーミスタ本体部23から伸びる4本の電極線25、27、29、31(図2参照)とを備えている。
前記シース部材7は、例えばSUS310Sからなる筒状部材5と、例えばSUS310Sからなるシース芯線3、4と、筒状部材5と2本のシース芯線3、4との間を電気的に絶縁してシース芯線3、4を保持するシリカ等の絶縁粉末(図示せず)とから構成される。
前記シース線3、4は、後端部が加締め端子33、35と接続されている。これにより、シース芯線3、4は、外部回路(例えば、車両の電子制御装置(ECU)等)接続用のリード線37、39と接続されている。なお、一対のシース芯線3、4および一対の加締め端子33、35は、絶縁チューブ41により互いに絶縁され、リード線37、39は、耐熱ゴム製の補助リング43の内部を貫通する状態で配置される。
前記取付部材11は、径方向外側に突出する突出部47と、突出部47の後端側に位置すると共に軸線方向に延びる後端側鞘部49とを有している。この取付部材11は、金属チューブ9の後端側の外周面を取り囲んで金属チューブ9を支持する。
前記金属チューブ9は、例えばSUS310Sからなり、チューブ先端側が閉塞した軸線方向に延びる筒状をなし、筒状のチューブ後端側が開放した形態で構成されている。
この金属チューブ9の内部に、サーミスタ素子21およびセメント51が収納されており、セメント51は、サーミスタ素子21の周囲に充填されることで、サーミスタ素子21の揺動を防止している。なお、セメント51は、非晶質のシリカにアルミナ骨材を含有した絶縁材よりなる。
b)次に、本実施形態の要部であるサーミスタ素子21について説明する。
図2に示す様に、サーミスタ素子21は、上述したサーミスタ本体部23と電極線25〜31を備えている。
前記サーミスタ本体部23は、負の抵抗温度特性を有する第1のサーミスタ焼結体53と第2のサーミスタ焼結体55とが、絶縁層57を介して一体に焼成された焼結体である。従って、第1のサーミスタ焼結体53と第2のサーミスタ焼結体55とは、例えばSrAl24からなる絶縁層27により電気的に絶縁されている。
また、第1のサーミスタ焼結体53には、一対の電極線25、27が接続され、第2のサーミスタ焼結体55には、一対の電極線29、31が接続されている。なお、第1のサーミスタ焼結体53とその電極線25、27によって、第1のサーミスタ素子54が構成され、第2のサーミスタ焼結体55とその電極線29、31によって、第2のサーミスタ素子56が構成されている。
このサーミスタ素子21においては、第1のサーミスタ素子54は、−40〜900℃の温度範囲のB定数が1000〜2000Kの範囲内に設定され、第2のサーミスタ素子56は、−40〜900℃の温度範囲のB定数が4000〜8000Kの範囲内に設定され、且つ、第1のサーミスタ素子54のB定数と第2のサーミスタ素子56のB定数とは3.0倍以上異なっている。
また、このサーミスタ素子21は、所定温度(本実施形態では500℃)より低温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より低く、且つ、所定温度より高温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より高い特性を有する。
そして、本実施形態においては、一方のシース芯線3は、先端部が第1のサーミスタ焼結体53の電極線25と接続されるとともに、第2のサーミスタ焼結体55の電極線29と接続されている。同様に、他方のシース芯線4は、第1のサーミスタ焼結体53の電極線27と接続されるとともに、第2のサーミスタ焼結体55の電極線31と接続されている。
つまり、第1のサーミスタ焼結体53の一対の電極線25、27は、一対のシース芯線3、4に接続されるとともに、第2のサーミスタ焼結体55の一対の電極線29、31も、同じ一対のシース芯線3、4に接続されている。これにより、第1のサーミスタ素子54と第2のサーミスタ素子56とが電気的に並列に接続されていることになる。
なお、各サーミスタ素子54、56の電極線25〜31とそれに対応する各シース芯線3、4とは、レーザ溶接によって、それぞれ2箇所において溶接されて一体に接合されている。
c)次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、第1、第2のサーミスタ素子54、56を電気的に並列に接続している。また、第1のサーミスタ素子54のB定数は1000〜2000Kの範囲内に設定され、第2のサーミスタ素子56のB定数は4000〜8000Kの範囲内に設定され、且つ、第2のサーミスタ素子54のB定数は第1のサーミスタ焼結体56のB定数の3.0倍以上である。更に、所定温度より低温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より低く、且つ、所定温度より高温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より高い特性を有する。
よって、上述した特性を有する第1のサーミスタ素子54と第2のサーミスタ素子56とが電気的に並列に接続されたサーミスタ素子21では、例えば図3の温度(tX)より低温側では、温度に対する抵抗の変化の傾きが緩く、この温度より高温側では、温度に対する抵抗値の変化が急になるように、直線が途中で屈曲するように変化する特性を有しており、しかも、この特性が従来より顕著に表れる。
つまり、本実施形態では、広範囲な温度域にわたる温度計測と、特定の温度域における温度の高精度計測とを両立することができるとともに、第1、第2のサーミスタ素子54、56を並列接続した効果がより効果的に現れる。
従って、1つの温度センサ1で、電子制御装置内の回路を変更することなく、従来より高いレベルで、広範囲な温度域にわたる温度計測と、特定の温度域における温度の高精度計測とを両立することができる。
[実施例1〜9]
次に、本実施形態をより詳細に示す各実施例について説明する。
以下に述べる様に、各実施例では、下記表1に示す特性を有する第1のサーミスタ素子(A:A1〜A4)と第2のサーミスタ素子(B:B1〜B3)とを採用し、下記表2に示す様に組み合わせて使用した。
なお、この表2において、効果ありとは、−40〜900℃の温度域における検知が可能であり(即ちセンサ出力が0.2〜4.8Vの範囲に入ること)、かつ、従来より高精度な温度検知が可能であること(即ち高温側のセンサ出力の傾きがたっていること)を示している。また、効果無しとは、−40〜900℃の温度域における検知が不能であること(即ちセンサ出力が0.2〜4.8Vの範囲に入らないこと)を示している。
以下、各実施例について詳細に説明する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1160Kの第1のサーミスタ素子(A1)と−40〜900℃におけるB定数が4668Kの第2のサーミスタ素子(B1)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率(第2のサーミスタ素子のB定数/第1のサーミスタ素子のB定数)は4.0である。
(1)まず、本実施例の温度センサの製造方法について説明する。
第1のサーミスタ(B定数=1160K)用の粉末と、絶縁層用のSrAl24を主成分とする粉末と、第2のサーミスタ(B定数=4668K)用の粉末とを、公知の方法により準備した。
詳しくは、第1サーミスタ用粉末は、特開平9−208310号公報の段落番号[0043]に記載の方法(表2の試料番号1の作製方法)で作製した。具体的には、コバルトに対するランタンの比率が0.95になるように、La23、La(OH)3等のランタンを含む化合物と、CoCO3、Co34、CoO等のコバルトを含む化合物との粉末を秤量し、Cr23又はCrO3等のクロムを含む化合物を0.01mol%添加した。次に、この材料を、16時間湿式混合し、乾燥後、900〜1200℃で2時間仮焼成し、この仮焼成粉を粉砕して、第1のサーミスタ用粉末を得た。
また、第2のサーミスタ用粉末は、例えば特許3970851号公報の段落番号[0021]に記載の方法(表2及び表4の実施例17の作製方法)で作製した。具体的には、Y23粉末(純度99.9%以上)、SrCO3(純度99.0%以上)、Fe23粉末(純度99.2%以上)、MnO3(純度99.0%以上)、Al23(純度99.5%以上)を用いた。そして、Srのモル数をx、Yのモル数を1−x、Mnのモル数をy、Alのモル数をz、Feのモル数を1−y−zとした場合に、表2の実施例17のモル比(x:y:z:1−y−z=0.148:0.148:0.672:0.180)となるように秤量し、湿式混合した。その後、乾燥して粉末状とし、大気中で1400℃で2時間仮焼した。次いで、この仮焼粉末100質量%に対して、1質量%の焼結助剤としてのSiO2粉末を更に添加して、湿式粉砕、乾燥し、第2のサーミスタ用粉末を得た。
更に、絶縁層用の粉末は、例えば特開2007−246381号公報の段落番号[0046]に記載の様に、SrAl24となるように、SrCO3、Al23(全て純度99%以上)の粉末をそれぞれ秤量し、この原料粉末を湿式混合して乾燥し、この混合物を大気雰囲気下で1200℃で2時間仮焼成し、(SrAl24からなる)絶縁層用の粉末を得た。
そして、前記の様に準備した各粉末を、サーミスタ本体部の形状に対応した金型に順次投入(例えば第1のサーミスタ用粉末、絶縁層用粉末、第2のサーミスタ用粉末の順番で投入)するとともに、電極線として、0.3mmφのPR線(87質量%Pt−13質量%Rh線)各2本を、それぞれ第1のサーミスタ用粉末の充填部分と第2のサーミスタ用粉末の充填部分に挿入した。
次に、金型内に充填した粉末に対して、4500kg/cm3の圧力でプレスし、1550℃の温度にて焼成して、サーミスタ素子を得た。
このサーミスタ素子の4本の電極線を、前記図2に示した様に、各シース芯線に対して、第1、第2のサーミスタ素子が並列接続となるように、レーザ溶接により接合した。
そして、このようにして製造したサーミスタ素子を、従来と同様な手法で、温度センサの内部に組み込んで、温度センサを完成した。
(2)次に、本実施例におけるサーミスタ素子及び温度センサの特性について説明する。
・本実施例のサーミスタ素子は、図3に示す様な温度と抵抗との関係を有する。なお、図3におけるTの単位は絶対温度である(以下同様)。この図3では、第1のサーミスタ素子のみと第2のサーミスタ素子のみを用いた比較例も示してある。
なお、図3では、A1が第1のサーミスタ素子を示し、B1が第2のサーミスタ素子を示し、A1+B1が本実施例の(第1、第2のサーミスタ素子を並列接続した)サーミスタ素子を示している(図4も同様)。
また、各サーミスタ素子の抵抗値は、図3に示す様なグラフが得られるように、最適な抵抗値を設定してある。この抵抗値は、サーミスタ焼結体の組成やそのサイズ等により調整することができる(以下同様)。
前記図3に示す特性は、例えば測定装置(図示せず)内に、各サーミスタ素子を配置し、温度を変化させた場合の各サーミスタ素子の抵抗値を調べることにより求めることができる。
なお、B定数は、下記式(3)を用いて算出することができる。
B定数=ln(R/R0)/(1/T−1/T0)・・・(3)
R ;絶対温度T(K)のときの抵抗値(kΩ)
0;絶対温度T0(K)のときの抵抗値(kΩ)
・また、図4では、前記サーミスタ素子を温度センサに組み込んで、図5に示す回路を用いて得られるセンサ出力を示している。
この図4に示す特性は、測定装置内に、測定に用いる各温度センサを配置し、温度を変化させた場合の各温度センサの出力を調べることにより求めることができる。
前記図5は、5Vを印加する回路において、第1、第2のサーミスタ素子を並列に接続するとともに、1kΩの引き出し抵抗(プルアップ抵抗)を直列に接続し、第1、第2のサーミスタ素子とプルアップ抵抗との間から、分圧された電圧を取り出し、10ビットのADC(A/Dコンバータ)によって、デジタル信号としてセンサ出力を得る回路を示している。
なお、図5中のカッコ内の数値は、測定の際の誤差の範囲を示しており、印加電圧では±0V、プルアップ抵抗では±1%、ADCでは±4digitを示し、(断線やショートを検出する)ダイアグノーシスゾーンは、図4に示すセンサ出力全体の±4%を示している。
・前記図3に示す様に、第1のサーミスタ素子の特性のグラフと第2のサーミスタ素子の特性のグラフは、所定温度(tX;525℃)で交差し、その温度にて、温度に対する抵抗値の値が逆転することが分かる。
また、図3及び図4から、第1のサーミスタ素子単体を用いた場合には、−40〜1000℃までの温度領域をカバーしているものの、高温側では、温度変化に対するセンサ出力が変化が小さく、精度良く温度の計測ができないことが分かる。
更に、第2のサーミスタ素子単体を用いた場合には、高温側では、温度変化に対するセンサ出力変化が大きく、精度良く測定できるが、低温側では抵抗が高く、広い温度域をカバーできないことが分かる。
それに対して、本実施例のサーミスタ素子を用いた場合には、全温度域をカバーするとともに、高温側の測定も精度良く行うことができることが分かる。
次に、実施例2の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1160Kの第1のサーミスタ素子(A1)と−40〜900℃におけるB定数が6034Kの第2のサーミスタ素子(B2)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は5.2である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
まず、第1のサーミスタ(B定数=1160K)用の粉末と、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
また、第2のサーミスタ用粉末も、前記実施例1と同様な方法で作製した。但し、特許3970851号公報の表1及び表4の実施例12の試料に対応する組成、即ち表1のモル比(x:y:z:1−y−z=0.106:0.106:0.414:0.480)となるように調整した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
次に、実施例3の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1160Kの第1のサーミスタ素子(A1)と−40〜900℃におけるB定数が7860Kの第2のサーミスタ素子(B3)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は6.8である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
まず、第1のサーミスタ(B定数=1160K)用の粉末と、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
また、第2のサーミスタ用粉末は、特許3254595号公報の表1の試料番号33に対応する組成となるように調整した。
具体的には、同公報の段落番号[0011]に記載の様に、純度が99.9%以上のY23と、純度が98.5%以上のSrCO3と、純度が98.5%以上のFe23と、純度が98.5%以上のTiO2を、(Y1-X SrX)(Cr1-Y-Z FeY TiZ)O3と表したとき、X、Y、Zが、0.41、0.12、0.40の割合となるように秤量し、湿式により混合し、乾燥した。次に、その混合物を1400℃で2時間保持することにより仮焼成した。次に、仮焼成された粉末に、SiO2粉末を1質量%加えて、湿式により混合した。混合したスラリーを200メッシュの篩を通してから乾燥した。乾燥した粉末に、PVB15質量%、DBP10質量%、MEK50質量%、トルエン25質量%からなるバインダを添加して、造粒し、第2のサーミスタ用粉末を得た。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
次に、実施例4の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1220Kの第1のサーミスタ素子(A2)と−40〜900℃におけるB定数が4668Kの第2のサーミスタ素子(B1)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は3.8である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
まず、第1サーミスタ用粉末は、特開平7−176406号公報の段落番号[0018]〜[0020]に記載の方法(表1の試料番号1−3の作製方法)で作製した。
具体的には、コバルトに対するランタンのモル比率が0.95になるように、La23とCoCO3の粉末を秤量し、この秤量した粉末に、Zrを0.001mol%添加した。次に、この材料を、16時間湿式混合し、乾燥後、1000℃で2時間仮焼成し、この仮焼成粉を粉砕して、第1のサーミスタ用粉末を得た。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
更に、第2のサーミスタ用粉末も、前記実施例1と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
図6に本実施例におけるサーミスタ素子の絶対温度と抵抗値の対数との関係を示す。また、図7に、本実施例におけるサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示す。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
次に、実施例5の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1220Kの第1のサーミスタ素子(A2)と−40〜900℃におけるB定数が6034Kの第2のサーミスタ素子(B2)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は4.9である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
まず、第1サーミスタ用粉末は、前記実施例4と同じ方法で作製した。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
更に、第2のサーミスタ用粉末は、前記実施例2と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
図8に本実施例におけるサーミスタ素子の絶対温度と抵抗値の対数との関係を示す。また、図9に、本実施例におけるサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示す。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
次に、実施例6の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1220Kの第1のサーミスタ素子(A2)と−40〜900℃におけるB定数が7860Kの第2のサーミスタ素子(B3)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は6.4である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
まず、第1サーミスタ用粉末は、前記実施例4と同じ方法で作製した。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
更に、第2のサーミスタ用粉末は、前記実施例3と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
[比較例]
次に、比較例の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本比較例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1600Kの第1のサーミスタ素子(A3)と−40〜900℃におけるB定数が4668Kの第2のサーミスタ素子(B1)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は2.9である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
第1サーミスタ用粉末は、前記実施例4と同様に、特開平7−176406号公報の段落番号[0018]〜[0020]に記載の方法(但し、表1の試料番号1−7の作製方法)で作製した。
具体的には、コバルトに対するランタンのモル比率が0.95になるように、La23とCoCO3の粉末を秤量し、この秤量した粉末に、Zrを10mol%添加した。次に、この材料を、16時間湿式混合し、乾燥後、1000℃で2時間仮焼成し、この仮焼成粉を粉砕して、第1のサーミスタ用粉末を得た。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
更に、第2のサーミスタ用粉末は、前記実施例1と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本比較例では、B定数の倍率が2.9と小さいので、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果は得られなかった。即ち、−40〜900℃におけるセンサ出力が0.2〜4.8Vの範囲に入らず、−40〜900℃が検知できなかった。
次に、実施例7の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1600Kの第1のサーミスタ素子(A3)と−40〜900℃におけるB定数が6034Kの第2のサーミスタ素子(B2)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は3.8である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
まず、第1サーミスタ用粉末は、前記比較例と同じ方法で作製した。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
更に、第2のサーミスタ用粉末は、前記実施例2と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
次に、実施例8の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1600Kの第1のサーミスタ素子(A3)と−40〜900℃におけるB定数が7860Kの第2のサーミスタ素子(B3)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は4.9である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
まず、第1サーミスタ用粉末は、前記実施例7と同じ方法で作製した。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
更に、第2のサーミスタ用粉末は、前記実施例3と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
図10に本実施例におけるサーミスタ素子の絶対温度と抵抗値の対数との関係を示す。また、図11に、本実施例におけるサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示す。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
次に、実施例9の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1790Kの第1のサーミスタ素子(A4)と−40〜900℃におけるB定数が7860Kの第2のサーミスタ素子(B3)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は4.4である。
本実施例の温度センサは、下記の手順で製造した。
第1サーミスタ用粉末は、前記実施例4と同様に、特開平7−176406号公報の段落番号[0018]〜[0020]に記載の方法(但し、表1の試料番号1−8の作製方法)で作製した。
具体的には、コバルトに対するランタンのモル比率が0.95になるように、La23とCoCO3の粉末を秤量し、この秤量した粉末に、Zrを20mol%添加した。次に、この材料を、16時間湿式混合し、乾燥後、1000℃で2時間仮焼成し、この仮焼成粉を粉砕して、第1のサーミスタ用粉末を得た。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
更に、第2のサーミスタ用粉末は、前記実施例3と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
図12に本実施例におけるサーミスタ素子の絶対温度と抵抗値の対数との関係を示す(なお、図12では、900℃までしか示していないが、それより高温側にて、第1、第2のサーミスタ素子のグラフは交差する)。また、図13に、本実施例におけるサーミスタ素子の温度とセンサ出力との関係を示す。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の温度センサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
図14に示す様に、本実施例の温度センサで用いられるサーミスタ素子71も、前記実施例1と同様に、B定数が1160Kの第1のサーミスタ素子73と、B定数が4668Kの第2のサーミスタ素子75とを並列に接続したものである。
以下では、サーミスタ素子71の製造方法について説明する。
前記図14に示す様に、予め公知の方法で、厚さ0.5mmの2枚の第1のサーミスタ用シート77、79と、厚さ0.3mmのSrAl24を主成分とする1枚の絶縁層用シート81と、厚さ0.5mmの2枚の第2のサーミスタ用シート83、85とを準備した。
具体的には、実施例1と同様な第1のサーミスタ焼結体87の組成の材料に、DBPを加え、PVDバインダで混練し、ドクターブレード法で、一対の第1のサーミスタ用シート77、79を作製した。
また、実施例2と同様な第2のサーミスタ焼結体89の組成の材料を用いて、同様にドクターブレード法によって、一対の第2のサーミスタ用シート83、85を作製した。
なお、同様なドクターブレード法によって、絶縁層用シート81を作製した。
次に、1対の第1のサーミスタ用シート77、79の間に、電極線91、93として、0.25mmφのPR線(87質量%Pt−13質量%Rh線)を2本挟むとともに、1対の第2のサーミスタ用シート83、85の間に、電極線95、97として、同様な0.25mmφのPR線を挟んだ。
そして、一方の第2のサーミスタ用シート85、他方の第2のサーミスタ用シート83、絶縁層用シート81、一方の第1のサーミスタ用シート79、他方の第1のサーミスタ用シート77となるように順次積層し、圧着した。
次に、この圧着体を1550℃で焼成することにより、第1のサーミスタ焼結体87と絶縁層101と第2のサーミスタ焼結体89とが一体となったサーミスタ本体部103を備えたサーミスタ素子71を得た。
本実施例のサーミスタ素子71を備えた温度センサにおいても、前記実施例1と同様に、前記図3及び図4に示す特性が得られた。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の温度センサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
図15に示す様に、本実施例の温度センサに用いられるサーミスタ素子111は、第1のサーミスタ素子113のサーミスタ焼結体115が、ガラス等の絶縁層117で覆われるとともに、第2のサーミスタ素子119のサーミスタ焼結体121も、ガラス等の絶縁層123で覆われたものであり、両サーミスタ焼結体115、121は電気的に絶縁されている。
また、第1のサーミスタ焼結体15から伸びる一対の電極線125、127と第2のサーミスタ焼結体121から伸びる一対の電極線129、131とは、前記実施例1と同様に、一対のシース芯線133、135にそれぞれ溶接されている。
なお、各サーミスタ素子113、119は、例えばガラス材料からなるディップ材料に(各電極線125〜131を備えた)各サーミスタ焼結体115、121を漬け、その後に焼成することにより製造することができる。
また、第1、第2のサーミスタ素子113、119の材料としては、前記実施例1と同様な特性(B定数、抵抗値)を有する材料を採用できる。
本実施形態においても、前記第2実施形態と同様な効果を奏する。
なお、本発明は、以下の実施形態や実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
(1)例えば、前記シース芯線としては、ステンレス又はインコネルからなる線材が挙げられる。更に、シース芯線としては、筒状部材に貫挿されたシース芯線を用いることができ、筒状部材は、シース芯線の先端が筒状部材より突出した状態で絶縁保持することができる。また、前記電極線としては、Pt又はPR(Pt/Rh合金)からなる線材が挙げられる。
(2)また、前記第1のサーミスタ素子と第2のサーミスタ素子以外に、1又は複数のサーミスタ素子が並列に接続されていてもよい。この場合も、第1のサーミスタ素子は、複数のサーミスタ素子の中で、−40〜900℃の温度範囲にて、最もB定数が小さいサーミスタ素子であり、第2のサーミスタ素子は、次にB定数が小さいサーミスタ素子である。
1…温度センサ
3、4、133、135…シース芯線
9…金属チューブ
7…シース部材
21、71、111…サーミスタ素子
23、103…サーミスタ本体部
25、27、29、31、91、93、95、97、125、127、129、
131…電極線
53、87、115…第1のサーミスタ焼結体
55、89、121…第2のサーミスタ焼結体
54、73、113…第1のサーミスタ素子
56、75、119…第2のサーミスタ素子
57、101、117、123…絶縁層

Claims (3)

  1. 負の抵抗温度特性を有するサーミスタ焼結体と該サーミスタ焼結体に接続された電極とを備えた複数のサーミスタ素子を、電気的に並列に接続した温度センサにおいて、
    前記複数のサーミスタ素子のうち、−40〜900℃の温度範囲にて異なるB定数を有する第1のサーミスタ素子と第2のサーミスタ素子とについて、
    前記第1のサーミスタ素子のB定数は1000〜2000Kで、前記第2のサーミスタ素子のB定数は4000〜8000Kであり、且つ、前記第1のサーミスタ素子のB定数と前記第2のサーミスタ素子のB定数とが3.0倍以上異なる特性を有するとともに、
    所定温度より低温側にて、前記第1のサーミスタ素子の抵抗値が前記第2のサーミスタ素子の抵抗値より低く、且つ、前記所定温度より高温側にて、前記第1のサーミスタ素子の抵抗値が前記第2のサーミスタ素子の抵抗値より高い特性を有することを特徴とする温度センサ。
  2. 前記複数のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体は、電気的に絶縁された状態で一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
  3. 前記複数のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体は、その表面が電気的な絶縁層によってコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
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