JP2011033343A - 温度センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のサーミスタ素子54と第2のサーミスタ素子56とを、電気的に並列に接続した温度センサ1において、第1のサーミスタ素子54のB定数は1000〜2000Kで、第2のサーミスタ素子56のB定数は4000〜8000Kであり、且つ、第1のサーミスタ素子54のB定数と第2のサーミスタ素子56のB定数とが3.0倍以上異なる特性を有する。更に、所定温度より低温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より低く、且つ、所定温度より高温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より高い特性を有する。
【選択図】図2
Description
このうち、サーミスタとしては、例えば下記特許文献1〜3に記載のサーミスタを用いた技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、B定数が7860Kのサーミスタが開示され、特許文献2には、B定数が4668Kのサーミスタが開示され、特許文献3には、B定数が2360Kのサーミスタが開示されている。
なお、R;絶対温度Tにおけるサーミスタの抵抗値、R0;絶対温度T0におけるサーミスタの抵抗値である。
R=(Ra・Rb)/(Ra+Rb)・・・(2)
従って、本発明では、1つの温度センサで、電子制御装置内の回路を変更することなく、従来より高いレベルで、広範囲な温度域にわたる温度計測と、特定の温度域における温度の高精度計測とを両立することができるという顕著な効果を奏する。
つまり、複数のサーミスタ焼結体を、電気的に絶縁された状態で一体化することにより、温度センサの製造時などにおいて、サーミスタ素子等の扱いが容易で破損し難いという利点がある。
なお、各サーミスタ焼結体を絶縁する方法としては、サーミスタ焼結体と反応(界面反応を含む)を起こさず、且つ、絶縁性の高い、例えばセラミック製セメント、ガラス等の無機絶縁物で、サーミスタ焼結体の表面をコートする方法などを採用できる。
[第1実施形態]
a)まず、本実施形態の温度センサの概要について説明する。図1は、温度センサ1の構造を示す部分破断断面図である。
前記サーミスタ素子21は、後に詳述する様に、その先端側のサーミスタ本体部23と、サーミスタ本体部23から伸びる4本の電極線25、27、29、31(図2参照)とを備えている。
この金属チューブ9の内部に、サーミスタ素子21およびセメント51が収納されており、セメント51は、サーミスタ素子21の周囲に充填されることで、サーミスタ素子21の揺動を防止している。なお、セメント51は、非晶質のシリカにアルミナ骨材を含有した絶縁材よりなる。
図2に示す様に、サーミスタ素子21は、上述したサーミスタ本体部23と電極線25〜31を備えている。
本実施形態では、第1、第2のサーミスタ素子54、56を電気的に並列に接続している。また、第1のサーミスタ素子54のB定数は1000〜2000Kの範囲内に設定され、第2のサーミスタ素子56のB定数は4000〜8000Kの範囲内に設定され、且つ、第2のサーミスタ素子54のB定数は第1のサーミスタ焼結体56のB定数の3.0倍以上である。更に、所定温度より低温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より低く、且つ、所定温度より高温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より高い特性を有する。
[実施例1〜9]
次に、本実施形態をより詳細に示す各実施例について説明する。
第1のサーミスタ(B定数=1160K)用の粉末と、絶縁層用のSrAl2O4を主成分とする粉末と、第2のサーミスタ(B定数=4668K)用の粉末とを、公知の方法により準備した。
このサーミスタ素子の4本の電極線を、前記図2に示した様に、各シース芯線に対して、第1、第2のサーミスタ素子が並列接続となるように、レーザ溶接により接合した。
(2)次に、本実施例におけるサーミスタ素子及び温度センサの特性について説明する。
B定数=ln(R/R0)/(1/T−1/T0)・・・(3)
R ;絶対温度T(K)のときの抵抗値(kΩ)
R0;絶対温度T0(K)のときの抵抗値(kΩ)
・また、図4では、前記サーミスタ素子を温度センサに組み込んで、図5に示す回路を用いて得られるセンサ出力を示している。
前記図5は、5Vを印加する回路において、第1、第2のサーミスタ素子を並列に接続するとともに、1kΩの引き出し抵抗(プルアップ抵抗)を直列に接続し、第1、第2のサーミスタ素子とプルアップ抵抗との間から、分圧された電圧を取り出し、10ビットのADC(A/Dコンバータ)によって、デジタル信号としてセンサ出力を得る回路を示している。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1160Kの第1のサーミスタ素子(A1)と−40〜900℃におけるB定数が6034Kの第2のサーミスタ素子(B2)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は5.2である。
まず、第1のサーミスタ(B定数=1160K)用の粉末と、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1160Kの第1のサーミスタ素子(A1)と−40〜900℃におけるB定数が7860Kの第2のサーミスタ素子(B3)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は6.8である。
まず、第1のサーミスタ(B定数=1160K)用の粉末と、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
具体的には、同公報の段落番号[0011]に記載の様に、純度が99.9%以上のY2O3と、純度が98.5%以上のSrCO3と、純度が98.5%以上のFe2O3と、純度が98.5%以上のTiO2を、(Y1-X SrX)(Cr1-Y-Z FeY TiZ)O3と表したとき、X、Y、Zが、0.41、0.12、0.40の割合となるように秤量し、湿式により混合し、乾燥した。次に、その混合物を1400℃で2時間保持することにより仮焼成した。次に、仮焼成された粉末に、SiO2粉末を1質量%加えて、湿式により混合した。混合したスラリーを200メッシュの篩を通してから乾燥した。乾燥した粉末に、PVB15質量%、DBP10質量%、MEK50質量%、トルエン25質量%からなるバインダを添加して、造粒し、第2のサーミスタ用粉末を得た。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1220Kの第1のサーミスタ素子(A2)と−40〜900℃におけるB定数が4668Kの第2のサーミスタ素子(B1)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は3.8である。
まず、第1サーミスタ用粉末は、特開平7−176406号公報の段落番号[0018]〜[0020]に記載の方法(表1の試料番号1−3の作製方法)で作製した。
更に、第2のサーミスタ用粉末も、前記実施例1と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1220Kの第1のサーミスタ素子(A2)と−40〜900℃におけるB定数が6034Kの第2のサーミスタ素子(B2)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は4.9である。
まず、第1サーミスタ用粉末は、前記実施例4と同じ方法で作製した。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1220Kの第1のサーミスタ素子(A2)と−40〜900℃におけるB定数が7860Kの第2のサーミスタ素子(B3)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は6.4である。
まず、第1サーミスタ用粉末は、前記実施例4と同じ方法で作製した。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
[比較例]
次に、比較例の温度センサについて説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
第1サーミスタ用粉末は、前記実施例4と同様に、特開平7−176406号公報の段落番号[0018]〜[0020]に記載の方法(但し、表1の試料番号1−7の作製方法)で作製した。
更に、第2のサーミスタ用粉末は、前記実施例1と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1600Kの第1のサーミスタ素子(A3)と−40〜900℃におけるB定数が6034Kの第2のサーミスタ素子(B2)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は3.8である。
まず、第1サーミスタ用粉末は、前記比較例と同じ方法で作製した。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1600Kの第1のサーミスタ素子(A3)と−40〜900℃におけるB定数が7860Kの第2のサーミスタ素子(B3)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は4.9である。
まず、第1サーミスタ用粉末は、前記実施例7と同じ方法で作製した。
また、絶縁層用の粉末は、前記実施例1と同様な方法により製造した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
本実施例においても、前記表2に記載した様に、前記実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例の温度センサは、前記表2に示す様に、−40〜900℃におけるB定数が1790Kの第1のサーミスタ素子(A4)と−40〜900℃におけるB定数が7860Kの第2のサーミスタ素子(B3)とを並列に接続したサーミスタ素子を用いたものであり、そのB定数の倍率は4.4である。
第1サーミスタ用粉末は、前記実施例4と同様に、特開平7−176406号公報の段落番号[0018]〜[0020]に記載の方法(但し、表1の試料番号1−8の作製方法)で作製した。
更に、第2のサーミスタ用粉末は、前記実施例3と同様な方法で作製した。
そして、前記の様に準備した各粉末を用いて、前記実施例1と同様にしてサーミスタ素子及び温度センサを製造した。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の温度センサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
前記図14に示す様に、予め公知の方法で、厚さ0.5mmの2枚の第1のサーミスタ用シート77、79と、厚さ0.3mmのSrAl2O4を主成分とする1枚の絶縁層用シート81と、厚さ0.5mmの2枚の第2のサーミスタ用シート83、85とを準備した。
なお、同様なドクターブレード法によって、絶縁層用シート81を作製した。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の温度センサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態においても、前記第2実施形態と同様な効果を奏する。
(1)例えば、前記シース芯線としては、ステンレス又はインコネルからなる線材が挙げられる。更に、シース芯線としては、筒状部材に貫挿されたシース芯線を用いることができ、筒状部材は、シース芯線の先端が筒状部材より突出した状態で絶縁保持することができる。また、前記電極線としては、Pt又はPR(Pt/Rh合金)からなる線材が挙げられる。
3、4、133、135…シース芯線
9…金属チューブ
7…シース部材
21、71、111…サーミスタ素子
23、103…サーミスタ本体部
25、27、29、31、91、93、95、97、125、127、129、
131…電極線
53、87、115…第1のサーミスタ焼結体
55、89、121…第2のサーミスタ焼結体
54、73、113…第1のサーミスタ素子
56、75、119…第2のサーミスタ素子
57、101、117、123…絶縁層
Claims (3)
- 負の抵抗温度特性を有するサーミスタ焼結体と該サーミスタ焼結体に接続された電極とを備えた複数のサーミスタ素子を、電気的に並列に接続した温度センサにおいて、
前記複数のサーミスタ素子のうち、−40〜900℃の温度範囲にて異なるB定数を有する第1のサーミスタ素子と第2のサーミスタ素子とについて、
前記第1のサーミスタ素子のB定数は1000〜2000Kで、前記第2のサーミスタ素子のB定数は4000〜8000Kであり、且つ、前記第1のサーミスタ素子のB定数と前記第2のサーミスタ素子のB定数とが3.0倍以上異なる特性を有するとともに、
所定温度より低温側にて、前記第1のサーミスタ素子の抵抗値が前記第2のサーミスタ素子の抵抗値より低く、且つ、前記所定温度より高温側にて、前記第1のサーミスタ素子の抵抗値が前記第2のサーミスタ素子の抵抗値より高い特性を有することを特徴とする温度センサ。 - 前記複数のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体は、電気的に絶縁された状態で一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
- 前記複数のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体は、その表面が電気的な絶縁層によってコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
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