JP2011032741A - 避難所用間仕切 - Google Patents

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邦雄 吉田
Masaru Ono
勝 大野
Masato Narumi
雅人 鳴海
Tatsuya Kobayashi
達也 小林
Kazuyoshi Sawai
一善 澤井
Shigeki Saito
繁喜 齋藤
Nobuyoshi Tanaka
延芳 田中
Osamu Iwai
修 岩井
Nobuyuki Jingu
伸幸 神宮
Masaru Ito
勝 伊藤
Michiya Takahashi
道也 高橋
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Abstract

【課題】避難所用間仕切の保管スペースを別途設ける必要がなく、かつ平常時においても使用することができるパネル装置を利用した避難所用間仕切を提供すること。
【解決手段】支柱2a,2b,2cは、平常時にパネル体3a,3bをその上部側で支持する平常時支持位置と、災害発生時にパネル体3a,3bをその下部側で支持する災害時支持位置と、の間でパネル体3a,3bの支持位置を変更できる支持位置変更手段を有するとともに、支柱2a,2b,2cは、パネル体3a,3bの支持方向をその周方向における所定の方向に変更できる支持方向変更手段6,7,8を有し、災害発生時に、パネル体3a,3bを支持位置変更手段6,7,8により災害時支持位置に変更するとともに、パネル体3a,3bを支持方向変更手段6,7,8により平面視で略L字状をなすように連設する。
【選択図】図2

Description

本発明は、災害時に仮設の避難所等で用いられる避難所用間仕切に関する。
従来、複数枚の段ボール製の間仕切板を上下方向を向く折目を介して左右一対に形成される矩形状の側板と、これら側板の左右端縁で上下方向を向く折目を介して形成される端板と、から構成した避難所用間仕切がある。この避難所用間仕切では、間仕切板を両側板間の折目で折り曲げることで、平面視で略L字状に形成した状態で間仕切板同士を端板で重ね合わせ、重なった連結部に連結材を挿通させることで、平面視で略コ字状の囲いを形成し、地震等の災害時に避難所として使用される学校の体育館等で被災者のプライバシーを保護するために使用できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−328834号公報(第3頁、第2図)
しかしながら、特許文献1に記載の避難所用間仕切にあっては、避難用間仕切は地震等の災害の発生時にのみにしか使用しないため、災害が発生していない平常時には、使用することが無く、かつ避難所用間仕切の保管スペースが別途必要になるため、長年、災害が発生しない地域などには、導入が進まないという問題がある。そこで、平常時に使用している物品を避難所用間仕切として利用して災害時に活用したいという要望がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、避難所用間仕切の保管スペースを別途設ける必要がなく、かつ平常時においても使用することができるパネル装置を利用した避難所用間仕切を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の避難所用間仕切は、
床面に立設される支柱と、該支柱に支持される複数のパネル体と、を備えるパネル装置を利用した避難所用間仕切であって、
前記支柱は、平常時に前記パネル体をその上部側で支持する平常時支持位置と、災害発生時に前記パネル体をその下部側で支持する災害時支持位置と、の間で前記パネル体の支持位置を変更できる支持位置変更手段を有するとともに、該支柱は、前記パネル体の支持方向をその周方向における所定の方向に変更できる支持方向変更手段を有し、前記災害発生時に、前記パネル体を前記支持位置変更手段により前記災害時支持位置に変更するとともに、前記パネル体を前記支持方向変更手段により平面視で略L字状をなすように連設することを特徴としている。
この特徴によれば、地震等の災害が発生していない平常時には、パネル装置を掲示板等として使用可能であるとともに、災害の発生時には、支持位置変更手段によりパネル体の支持位置を変更して、学校の体育館等の仮設の避難所で被災者のプライバシーを保護するための避難所用間仕切として利用することができ、避難所用間仕切の保管スペースを別途設ける必要がなくなるばかりか、災害発生時に、避難所用間仕切を遠方から搬送する手間も必要なくなり、災害発生直後に、短時間で避難所用間仕切を避難所に設置することができる。尚、パネル体が災害時支持位置にあるときには、支柱の上部側がパネル体よりも上方に突設されるようになり、この支柱同士にロープ等の紐状体を掛け渡すことで、この紐状体にハンガー等の物品を吊り下げ、被災者が生活し易いようにすることができる。
本発明の避難所用間仕切は、
前記パネル装置は、前記災害発生時に、前記パネル体を前記支持方向変更手段により平面視で略コ字状をなすように連設し、該連設されたパネル体の開口の両側部に立設される支柱には、前記パネル体が前記平常時支持位置にて支持されることを特徴としている。
この特徴によれば、仮設の避難所で避難所用間仕切が設置される際に、通路に面するようになっている避難所用間仕切の開口側に、平常時支持位置にて支持されるパネル体が配置され、このパネル体により、避難所用間仕切内の様子を、通路を通行する通行人の視線から遮り、被災者のプライバシーを保護することができる。
本発明の避難所用間仕切は、
前記支柱における前記災害時支持位置のパネル体よりも上部側には、布状体が張設されることを特徴としている。
この特徴によれば、布状体により避難所用間仕切内の様子を、外方から遮蔽することができ、被災者のプライバシーを保護することができる。
実施例1における避難所に設けられた避難所用間仕切を示す概略図である。 避難所用間仕切を示す斜視図である。 パネル装置の正面図である。 図3におけるパネル装置を示すA−A断面図である。 (a)は、上部連結具の正面図であり、(b)は、上部連結具の側面図である。 (a)は、中間連結具の正面図であり、(b)は、中間連結具の側面図である。 (a)は、下部連結具の正面図であり、(b)は、下部連結具の側面図である。 図4におけるパネル装置のB−B断面図である。 災害時支持位置におけるパネル体の支柱への取り付けを示す概略図である。 パネル装置の連設を示す概略図である。 実施例2における避難用間仕切を示す斜視図である。 パネル装置を連設した状態を示す概略図である。 変形例におけるパネル装置を連接した状態を示す概略図である。
本発明に係る避避難所用間仕切を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る避難所用間仕切につき、図1から図10を参照して説明する。以下、図3、図8、図9、の紙面手前側をパネル装置の正面側(前方側)とし、図4における紙面下側をパネル装置の正面側(前方側)とし、図3、図4、図8、図9における紙面左側をパネル装置の左側とし、図1及び図10における紙面下側を避難所用間仕切の正面側(前方側)とし、図1及び図10における紙面左側を避難所用間仕切の左側として説明する。
図1の符号1は、本発明の避難所用間仕切である。この避難所用間仕切1は、地震等の災害発生時に、学校の体育館等の仮設の避難所において被災者に対して避難所用ブース70を提供するために用いられる。
図1及び図2に示すように、避難所用間仕切1には、左右方向に被災者が居住するための避難所用ブース70が複数形成されている。これら各避難所用ブース70間は、パネル体3a,3bによって平面視櫛歯状に仕切られている。また、各避難所用ブース70の正面側には、開口71が形成されており、被災者は、この開口71から避難所用ブース70の内外を出入可能となっている。更に、避難所用間仕切1は、避難所内で前後方向に複数連設されている。これら前後の避難所用間仕切1間には、被災者が通行可能な通路Rが形成されている。
図3に示すように、これら避難所用間仕切1は、例えば、主に学校内で掲示板として使用されるパネル装置72を組み合わせて構成されている。このパネル装置72は、床面F上に立設された3本の支柱2a,2b,2cと、これら支柱2a,2bとの間で支持されるパネル体3aと、支柱2b,2cとの間で支持されるパネル体3bと、から主に構成されている。
これら3本の支柱2a,2b,2cのうちパネル装置72の左右側端部に配置される支柱2a,2cは、床面F上に載置される平面視で略円盤状のベース脚4上に立設されているとともに、パネル装置72の中間に配置される支柱2bは、床面F上に下端が接地されるアジャスタ5を介して床面F上に立設されている。
また、支柱2a,2b間に支持されるパネル体3aと支柱2b,2c間に支持されるパネル体3bとは、図3におけるパネル体3aに示すように、地震等の災害が発生していない平常時に掲示板として使用するために、支柱2a,2bの上部側で支持される平常時支持位置と、図3におけるパネル体3bに示すように、地震等の災害発生時に支柱2b,2cの下部側で支持される災害時支持位置と、の間で、パネル体3a,2bの支持位置を変更可能となっている。
尚、本実施例における災害時支持位置では、パネル体2bと床面Fとの間に僅かな間隙Lが形成されている。更に尚、パネル装置72のパネル体3aは、その長手が水平方向を向いて支柱2a,2bの上部側で支持される。
支柱2a,2b,2c間に支持されるパネル体3a,3bは、各支柱2a,2b,2cとパネル体3a,3bとの対向面間に設けられる金属製の上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8によりそれぞれ連結されている。
尚、各支柱2a,2b,2cとパネル体3a,3bとの連結構造は全て同一であるため、以下においては、支柱2aとパネル体3aとの連結構造のみを説明し、支柱2bとパネル体3a、支柱2bとパネル体3b、支柱2cとパネル体3bとの連結構造の詳細な説明は省略する。
図4及び図8に示されるように、支柱2aは、アルミニウム等の金属材を押し出し成型することにより四角柱状に形成されており、その各側面(正面、左側面、右側面、背面)には、外方に開口する所定深さを有する直線状の凹溝10が、支柱2aの上端から下端にかけて連続的に形成されている。各凹溝10における開口の両外側縁には、互いに内向きに延設される被係止部としての2つの係止縁11が、凹溝10の長手方向にわたり形成されている。つまりこの凹溝10は、横断面略コ字形に形成される溝に両係止縁11が形成された、所謂アリ溝構造とされている。
各凹溝10含む支柱2a,2b,2cの上端及び下端はそれぞれ開口しており、凹溝10の上端開口10a及び下端開口10bを含む上下端開口は、支柱2aの上下端部に着脱自在に装着される両エンドキャップ16により閉塞されている。
また、凹溝10の底壁12の上部と下部とには、後述する上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8を取り付けるためのネジ孔13a,13b,13c(図8及び図9参照)が、それぞれ上下方向の所定高さ位置にそれぞれ形成されている。
更に、これら各底壁12により囲まれた中央空間内には、横断面C字形の貫通路14が上下方向にわたり延設されており、その貫通路14の下端には、ベース脚に対して支柱2aを連結固定するためのロングボルト15が螺合されている。
パネル体3aは、図2、図4、図6に示されるように、正面視縦長長方形状に形成された前後に配置されるパネル170,170と、パネル170,170の左右側端部に沿って設けられる金属製の縦フレーム17,17と、パネル170,170の上下端部に沿ってそれぞれ設けられる金属製の横フレーム18,19と、から主に構成される。
左右の縦フレーム17,17は、図2及び図6に示されるように、アルミニウム等の金属材を押し出し成型することにより四角柱状に形成されており、その外側面(左側面)には、外方に開口する所定深さを有する直線状の凹溝20が、縦フレーム17の上端から下端にかけて連続的に形成されている。各凹溝20における開口の両外側縁には、互いに内向きに延設される2つの係止縁21が、凹溝20の長手方向にわたり形成されている。つまりこの凹溝20は、横断面略コ字形に形成される溝に両係止縁21が形成された、所謂アリ溝構造とされている。
縦フレーム17の底壁22の内側には、横断面C字形の貫通路24が上下方向にわたり延設されており、その貫通路24の下端には、後述する下部連結具8の係止片63が嵌挿されるようになっている。
凹溝20及び貫通路24を含む縦フレーム17の上端及び下端はそれぞれ開口しており、凹溝20及び貫通路24の上端開口は、縦フレーム17の上方に配置される横フレーム18及びこの横フレーム18の側端開口を閉塞可能に装着されるエンドキャップ25により閉塞されている。また、凹溝20及び貫通路24の下端開口は、横フレーム19の側端開口を閉塞可能にこの横フレーム19に装着されるエンドキャップ26により閉塞されている。尚、このエンドキャップ26における貫通路24に対応する箇所には、円形の係止穴27が形成されており、この係止穴27を介して貫通路24の内部が外部と連通されている。
図8に示すように、縦フレーム17における凹溝20内の上部には、上部連結具6としての係止金具30が配置されている。図5(a)及び図5(b)に示すように、この係止金具30は、帯板状の金属板を屈曲することにより形成されている。具体的には、上下方向を向くとともに、パネル体3aの底壁22に取り付けられる取付片31と、取付片31の上端から外方に向けて延設される水平片32と、水平片32の先端から上方に向けて延設される上部係止片としての係止片33と、取付片31の下端から外側斜め下方に向けて延設される傾斜片34と、から構成されている。
これら水平片32、取付片31、傾斜片34及び係止片33の基部の幅寸法L1は、凹溝10,20の開口の幅寸法L3(図2参照)よりも幅狭で(L1<L3)、係止片33の幅寸法L2は、開口の幅寸法L3(図2参照)よりも幅広で、かつ、凹溝10,20の幅寸法L4よりも若干幅狭である(L1<L3<L2<L4)。また、取付片31には、底壁22に取り付けるための取付ボルト36(図6参照)の取付穴35が形成されている。
図8に示すように、このように構成された係止金具30は、凹溝20の底壁22の上部に形成されたネジ孔38aに取付ボルト36を螺入することで、凹溝20内に取付片31が収容された状態で取り付けられる。尚、係止金具30が底壁22の上部に取り付けられた状態では、係止片33及び傾斜片34の下半部が凹溝20の係止縁21,21間に形成される開口から外方に突出される。
一方、図8に示すように、支柱2aにおける凹溝10内の上部には、上部連結具6としての係止金具40が配置されている。この係止金具40は、図6(a)及び図6(b)に示すように、帯板状の金属板を屈曲することにより正面視くの字形に形成されている。具体的には、上下方向を向くとともに、支柱2aの底壁12に取り付けられる取付片41と、取付片41の下端から外側斜め下方に向けて延設される傾斜片42と、から構成されている。
これら取付片41及び傾斜片42の幅寸法L1は、全て凹溝10,20の開口の幅L3(図4参照)よりも幅狭である(L1<L3)。また、取付片41には、底壁12に取り付けるための取付ボルト44の取付穴43が形成されている。尚、取付片41に対する傾斜片42の傾斜角度θは、係止金具30の取付片31に対する傾斜片34の傾斜角度θとほぼ同一とされている。
図8に示されるように、このように構成された係止金具40は、凹溝10の底壁12の上部に形成されたネジ孔13aに取付ボルト44を螺入することで、凹溝10内に取付片41が収容された状態で取り付けられる。尚、係止金具40が底壁12の上部に取り付けられた状態では、傾斜片42の上半部が凹溝10の係止縁11,11間に形成される開口から外方に突出される。
また、パネル体3aが支柱2aに支持された状態において、その傾斜片42の上向き傾斜面42b上に係止金具30の傾斜片34の下向き傾斜面34aが当接されるように、係止金具30よりもやや下方位置に取り付けられる。
このように構成される係止金具40は、後述するように中間連結具7を構成する係止金具50,51としても使用されるが、形状は係止金具40と同一であるため、詳細な説明は省略する。
尚、図8に示すように、係止金具50は、凹溝20の底壁22の上下方向の中間部に形成されたネジ孔38bに取付ボルト52を螺入し、かつ、傾斜片42を下方に向けた状態で取り付けることで、凹溝20内に取付片31が収容された状態で取り付けられる。尚、係止金具50が底壁22の中間部に取り付けられた状態では、傾斜片42の下半部が凹溝20の係止縁21,21間に形成される開口から外方に突出される。
他方の係止金具51は、凹溝10の底壁12の上下方向の中間部に形成されたネジ孔13bに取付ボルト53を螺入し、かつ、傾斜片42を上方に向けた状態で取り付けることで、凹溝10内に取付片31が収容された状態で取り付けられる。尚、係止金具51が底壁12の中間部に取り付けられた状態では、傾斜片42の上半部が凹溝10の両係止縁11間に形成される開口から外方に突出される。
また、パネル体3aが支柱2aに支持された状態において、係止金具51の傾斜片42の上向き傾斜面42b上に、係止金具50の傾斜片34の下向き傾斜面42aが当接されるように、係止金具50よりもやや下方位置に取り付けられる。
図5には、下部連結具8を構成する係止金具60が示されている。係止金具60は、帯板状の金属板を屈曲することにより正面視で略J字形に形成されている。具体的には、上下方向を向くとともに、支柱2aの底壁12に取り付けられる取付片61と、取付片61の下端から外側に向けて水平に延設され、パネル体3aの下端面となるエンドキャップ26の下面26aを下方から受支する受支片62と、この受支片62の先端から上方に延設された下部係止片としての係止片63と、から構成されている。
これら取付片61、受支片62、係止片63の幅寸法L1は、全て凹溝10,20の開口幅L3と、エンドキャップ26に形成された係止穴27及び貫通路24の直径(図4参照)よりも幅狭である(L1<L3)。また、取付片61には、底壁12に取り付けるための取付ボルト65a,65b(図8参照)の取付穴64a,64bが上下に形成されている。尚、受支片62に対する係止片63の屈曲角度(内角)は約90度以上とされ、先端に向けて僅かに外向きに傾斜している。
図8に示すように、このように構成された係止金具60は、凹溝10の底壁12の下部に形成された2つのネジ孔13cに取付ボルト65a,65bを螺入することで、凹溝10内に取付片61が収容された状態で取り付けられる。尚、係止金具60が底壁12の下部に取り付けられた状態では、受支片62及び係止片63が凹溝10の両係止縁11間に形成される開口から外方に突出される。
パネル3aを支柱2aによって平常時支持位置で支持するには、各係止金具40,51,60を凹溝10内の上部にそれぞれ取付ボルト44,53,65a,65bによって取り付けるとともに、各係止金具30,50を凹溝20内にそれぞれ取付ボルト36,52によって取り付ける。そして、支柱2aの上端開口に装着されたエンドキャップ16を取り外して凹溝10の上端開口10aを開放する。
次に、支柱2aの右側面とパネル体3aの左側端面、つまり両係止縁11の外面11aと両係止縁21の外面21aとを付き合わせる。この状態で、支柱2a側に取り付けられた係止金具40,51の傾斜片42の先端部がパネル体3aの凹溝20内に入り込むとともに、パネル体3a側に取り付けられた係止金具30,50の傾斜片34,42が支柱2aの凹溝10内に入り込む。
このように両係止縁11の外面11aと両係止縁21の外面21aとを付き合わせた状態で、支柱2aに対してパネル体3aを下方に向けてスライドさせることで、係止金具30の係止片33が上端開口10aから凹溝10内に入り込むとともに、係止金具60の係止片63が係止穴27内に嵌挿される。
そして、パネル体3aのエンドキャップ26の下面、つまりパネル体3aの下端面が係止金具60の受支片62の上面に当接することにより下方への移動が規制されることで、上部連結具6を構成する傾斜片34,42及び中間連結具7を構成する傾斜片42,42が当接し、上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8により、パネル体3aの上部位置、中央位置、下部位置がそれぞれ支柱2aの上部で連結されて、パネル体3aが平常時支持位置に保持される。
尚、パネル3aを支柱2aによって災害時支持位置で支持するには、図9に示すように、各係止金具40,51,60を凹溝10内の下部にそれぞれ取付ボルト44,53,65a,65bによって取り付け、支柱2aの右側面とパネル体3aの左側端面とを付き合わせた状態で支柱2aに対してパネル体3aを下方に向けてスライドさせ、係止金具60の係止片63を係止穴27内に嵌挿させる。
また、図4に示すように、凹溝10内に取り付けられる係止金具40,51,60(係止金具40,51は図示せず)は、異なる凹溝10内に取付ボルト44,53,65a,65bによって取り付けられることで、パネル体3aの支持方向を支柱2aの周方向における平面視で90度毎に変更することができるようになっている。つまり、これら上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8は、本発明における支持位置変更手段及び支持方向変更手段を構成している。
次に、前述したように構成されたパネル装置72を用いた避難所用間仕切1の組立について説明する。先ず、図3及び図10に示すように、地震等の災害が発生したら、体育館等の避難所となる建築物内にパネル装置72を運び込み、パネル装置72におけるパネル体3aの支柱2a,2bによる支持位置を正面側に平面視で90度変更することによって、パネル体3aとパネル体3bとで、パネル装置72を平面視で略L字状に形成する。
具体的には、パネル体3aを平常時支持位置で支持している支柱2a,2bから一旦パネル体3aを取り外し、支柱2aの凹溝10内の上部に取り付けられている係止具40,51,60を凹溝10内の下部に取り付ける。支柱2bは、左側の凹溝10内上部に取り付けられている係止金具40,51,60を取り外し、正面側の凹溝10内の下部に係止金具40,51,60を取り付ける。
更に、支柱2a,2bを前後方向で対向するように配置させ、これら支柱2a,2b間にパネル体3aに取り付けられている係止金具30,50を挿通させることで、パネル体3aを支柱2a,2bに取り付ける。このとき、パネル体3aは、支柱2a,2b間の災害時支持位置で支持される。
図10に示すように、パネル装置72が平面視でL字状に形成された状態から、支柱2cに正面側と右側からパネル体2a,2bを連設させる。具体的には、支柱2cの正面側と右側の凹溝10の下部に係止金具40,51,60を取り付け、支柱2cの正面側には、平面視で長手方向が前後方向を向くパネル体3aが取り付けられる。尚、このパネル体3aの前端部には、支柱2bと同一のアジャスタ5を介して床面F上に立設されている支柱2dが取り付けられており、パネル体3aは、これら支柱2c,2dの間で災害時支持位置に支持される。パネル体3a,3b,3aで囲まれた空間は、正面側に開口71を有する、平面視で略コ字状に形成された避難者の避難所用ブース70に形成される。
支柱2cの右側には、平面視で長手方向が左右方向を向くパネル体3bが取り付けられる。このパネル体3bの右端部には、支柱2bと同一のアジャスタ5を介して床面F上に立設されている支柱2eが取り付けられており、パネル体3bは、これら支柱2c,2eの間で災害時支持位置に支持される。
支柱2eの正面側と右側には、パネル体3a,3bが連設され、パネル体3a,3b,3aで囲まれた避難所用ブース70が形成される。尚、パネル体3aの前端部とパネル体3bの右端部には、支柱2a,2cと同一のベース脚4上に立設されている支柱が取り付けられている。以下、支柱の右側に取り付けられるパネル体の右端部に取り付けられる支柱の正面側と右側とに、更にパネル体が連設されて図2に示す避難所用間仕切1が構成される。尚、避難所用間仕切1の右端部に配置される支柱には、正面側からのみパネル体が取り付けられる。
また、図2に示すように、前述のように構成された避難所用間仕切1の各避難所用ブース70では、災害時支持位置で支柱2a,2b,2c,2dで支持されている各パネル体3a,3b,3aと床面Fとの間に間隙L(図3参照)が形成されているために空気の流れが形成され易く、避難所用間仕切1で囲まれた空間の風通しを良くすることができる。
開口71の上部には、支柱2a,2dによってパネル体3cが平常時支持位置で支持されている。この平常時支持位置に支持されるパネル体の高さ位置は、図3に示すように、通路Rを通過する通行人である他の被災者の視線の高さ位置であり、パネル体3cによって通路Rを通過する通行人の視線を遮蔽することができる。
更に、避難所用ブース70の上方は、支柱2a,2b,2c,2dの上端部に張設された布状体73により覆うことが可能となっている。このため、避難所用ブース70は、支柱2a,2b,2c,2dによって災害時支持位置に支持された3枚のパネル体3a,3b、3aと、これらパネル体3a,3b,3aの上方に張設された布状体73によって外方から内部が遮蔽されている。
尚、支柱2a,2b,2c,2d間には、布状体73の他、ロープ等の紐状体74を掛け渡すことによって、ハンガー等の物品を吊り下げ、被災者の避難所での生活のし易さを向上させることも可能である。
以上、本実施例における避難所用間仕切1にあっては、支柱2a,2b,2cは、平常時にパネル体3a,3bをその上部側で支持する平常時支持位置と、災害発生時にパネル体3a,3bをその下部側で支持する災害時支持位置と、の間でパネル体3a,3bの支持位置を変更できる上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8を有するとともに、支柱2a,2b,2cは、パネル体3a,3bの支持方向をその周方向における所定の方向に変更できる上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8を有し、災害発生時に、パネル体3a,3bを上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8により災害時支持位置に変更するとともに、パネル体3a,3bを上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8により平面視で略L字状をなすように連設することによって、地震等の災害が発生していない平常時には、パネル装置72を掲示板等として使用可能であるとともに、災害の発生時には、上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8によりパネル体3a,3bの支持位置を変更して、学校の体育館等の仮設の避難所で被災者のプライバシーを保護するための避難所用間仕切1として利用することができ、避難所用間仕切1の保管スペースを別途設ける必要がなくなるばかりか、災害発生時に、避難所用間仕切1を遠方から搬送する手間も必要なくなり、災害発生直後に、短時間で避難所用間仕切1を避難所に設置することができる。尚、パネル体3a,3bが災害時支持位置にあるときには、支柱2a,2b,2cの上部側がパネル体3a,3bよりも上方に突設されるようになり、この支柱2a,2b,2c同士にロープ等の紐状体74を掛け渡すことで、この紐状体74にハンガー等の物品を吊り下げ、被災者が生活し易いようにすることができる。
また、パネル装置72は、災害発生時に、パネル体3a,3b,3aを上部連結具6,中間連結具7,下部連結具8により平面視で略コ字状をなすように連設し、連設されたパネル体3a,3aの開口71の両側部に立設される支柱2a,2dには、パネル体3cが平常時支持位置にて支持されるので、仮設の避難所で避難所用間仕切1が設置される際に、通路Rに面するようになっている避難所用間仕切1の開口71側に、平常時支持位置にて支持されるパネル体3cが配置され、このパネル体3cにより、避難所用間仕切1内の様子を、通路Rを通行する通行人(被災者)の視線から遮り、被災者のプライバシーを保護することができる。
また、支柱2a,2b,2c,2dにおける災害時支持位置のパネル体3a,3b,3aよりも上部側には、布状体73が張設されるので、布状体73により避難所用間仕切1内の様子を、外方から遮蔽することができ、被災者のプライバシーを保護することができる。
次に、実施例2に係る避難所用間仕切につき、図11から図13を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。以下、図12及び図13の紙面下側を避難所用間仕切の正面側(前方側)として説明する。
図11及び図12に示すように、実施例2における避難所用間仕切1を構成するパネル装置72は、床面F上に立設された3本の支柱2a’,2b’,2c’と、これら支柱2a’,2b’との間で支持されるパネル体3aと、支柱2b’,2c’との間で支持されるパネル体3bと、から主に構成されている。
パネル体3aは、平面視で長手を前後方向に向けて、支柱2a’,2b’によって災害時支持位置で支持されており、パネル体3bは、平面視で長手を左右方向に向けて支柱2b’,2c’によって災害時支持位置で支持されている。このため、パネル装置72は、平面視で略L字状に形成されている。
避難所用ブース70を形成する際には、パネル装置72(実施例1の図3参照)において、先ず、支柱2c’をパネル体3bから取り外す。そして、支柱2c’が取り外されたパネル体3bを、異なるパネル装置72の支柱2b’の左側に取り付け、パネル体3bを支柱2b’,2b’によって支持させる。このとき、パネル体3bを異なるパネル装置72の支柱2b’に取り付けることによって、パネル体3a,3bと、異なるパネル装置72のパネル体3aによって平面視で略コ字状をなす避難所用ブース70が形成される。
そして、支柱2cが取り外されたパネル体3bを他のパネル装置72(実施例1の図3参照)の支柱2bの左側に取り付けていくことで、左右方向に正面側に開口71を有する避難所用ブース70が形成される。尚、最後にパネル体3bが取り付けられるパネル装置72のみは、右端部の支柱2c’の正面側に長手が前後方向を向くパネル体3aを取り付ける。このように複数のパネル装置72を用いた避難所用間仕切1が構成される。このため、各避難所用ブース70の開口71は、全てアジャスタ5(図3参照)によって床面Fに設置されるようになり、避難所用ブース70の開口71には、ベース脚4が配置されないようになり、被災者が避難所用ブース70に入出する際にベース脚4が邪魔にならずに済むようになる。
次に、実施例2における変形例の避難用間仕切1’について説明すると、図13に示すように、避難用間仕切1’は、前述したパネル装置72の他に、平面視で略T字状に形成されたパネル装置75と、パネル装置72と左右対称となる平面視で略L字状に形成されたパネル装置76と、によって構成されている。
具体的には、パネル装置75は、支柱2b’の右側と左側とにパネル体3bが取り付けられており、両パネル体3bは、支柱2b’,2c’によって災害時支持位置で支持されている。また、支柱2b’の正面側にはパネル体3aが取り付けられており、このパネル体3aは、支柱2a’,2b’間で災害時支持位置で支持されている。つまり、パネル装置75は、平面視で略T字状に形成されている。パネル装置76は、パネル装置72の支柱2b’の右側に取り付けられたパネル体3bを、支柱2b’の左側に付け替えた平面視で略L字状に形成されている。
これらパネル装置72,75,76を連設するには、パネル装置72,76のパネル体3bから支柱2c’を取り外し、パネル装置72のパネル体3bをパネル装置75の左側の支柱3aの左側に取り付けるとともに、パネル装置76のパネル体3bをパネル装置75の右側の支柱3aの右側に取り付ける。このように避難所用間仕切1を構成することによって、避難所用ブース70を、各2枚のパネル体3a,3bによって実施例1及び実施例2に示すよりも広く形成することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例1では、避難所用ブース70の上方を支柱2a,2b,2c,2dの上端部に張設された布状体73により覆い、避難所用ブース70内におけるプライバシーを保護するようにしたが、支柱2a,2b間に布状体73を垂直方向に張設することでパネル体3aの上方を布状体73で覆うようにし、避難所用ブース70内のプライバシーを保護するようにしてもよい。
また、前記実施例1及び2では、パネル装置72のパネル体3aは、平常時において、その長手が水平方向を向いて支柱2a,2bの上部側で支持されるとともに、災害発生時においても、その長手が水平方向を向いて支柱2a,2bの下部側で支持されるようになっているが、パネル装置72のパネル体3aの支持態様はこれに限ることなく、例えば、パネル装置72のパネル体3aを、平常時において、その長手が垂直方向を向くように支柱2a,2bで支持し、災害発生時において、その長手が水平方向を向くように切り換えて支柱2a,2bで支持するようにしてもよい。
1,1’ 避難所用間仕切
2a,2b,2c 支柱
2a’,2b’ 支柱
2c’ 支柱
3a,3b,3c パネル体
6 上部連結具(支持位置変更手段,支持方向変更手段)
7 中間連結具(支持位置変更手段,支持方向変更手段)
8 下部連結具(支持位置変更手段,支持方向変更手段)
30,40,50 係止金具
51,60 係止金具
70 避難所用ブース
71 開口
72 パネル装置
73 布状体
74 紐状体
75,76 パネル装置
R 通路

Claims (3)

  1. 床面に立設される支柱と、該支柱に支持される複数のパネル体と、を備えるパネル装置を利用した避難所用間仕切であって、
    前記支柱は、平常時に前記パネル体をその上部側で支持する平常時支持位置と、災害発生時に前記パネル体をその下部側で支持する災害時支持位置と、の間で前記パネル体の支持位置を変更できる支持位置変更手段を有するとともに、該支柱は、前記パネル体の支持方向をその周方向における所定の方向に変更できる支持方向変更手段を有し、前記災害発生時に、前記パネル体を前記支持位置変更手段により前記災害時支持位置に変更するとともに、前記パネル体を前記支持方向変更手段により平面視で略L字状をなすように連設することを特徴とする避難所用間仕切。
  2. 前記パネル装置は、前記災害発生時に、前記パネル体を前記支持方向変更手段により平面視で略コ字状をなすように連設し、該連設されたパネル体の開口の両側部に立設される支柱には、前記パネル体が前記平常時支持位置にて支持されることを特徴とする請求項1に記載の避難所用間仕切。
  3. 前記支柱における前記災害時支持位置のパネル体よりも上部側には、布状体が張設されることを特徴とする請求項1または2に記載の避難所用間仕切。
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