JP2011032003A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録装置において、記録媒体が挿入される挿入口の所望の範囲に記録媒体を案内できるようにすると共に、この範囲を超える位置にも記録媒体を挿入できるようにする。
【解決手段】記録媒体に記録を行う記録ヘッド18を備えたドットインパクトプリンター10において、記録ヘッド18により記録可能な範囲として定められた記録可能範囲P以上の幅を有する手差口15を有し、手差口15の幅を、記録可能範囲Pよりも小さい幅に規制する用紙ガイド61を備え、用紙ガイド61は、用紙ガイド61を乗り越えて記録媒体Scを手差口15に挿入可能とする案内部64Cを備えた。
【選択図】図4

Description

本発明は、記録媒体が挿入される挿入口を備えた記録装置に関する。
従来、記録装置において、挿入口における記録媒体の位置を特定の位置に保持するため、記録媒体の給紙台に、記録媒体の幅方向の端を案内するガイドを設けたものが知られている。このガイドは、例えば、様々なサイズの記録媒体に対応するためにスライド可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−292347号公報
ところで、記録媒体を案内すべき範囲が限られている場合には、記録媒体の幅方向の端を案内するガイドを広範囲で自在にスライド可能にする必要性が薄い。このため、ガイドの位置を固定的にして、構造を単純化することが望ましいが、ガイドを固定してしまうと、ガイドの位置を超えるサイズの記録媒体の使用の妨げになってしまうという問題がある。また、ガイドにより案内される範囲を超えた位置に記録媒体を挿入することも困難になってしまうという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、記録媒体が挿入される挿入口の所望の範囲に記録媒体を案内するとともに、この範囲を超える位置に記録媒体を挿入することも可能な記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、記録媒体に記録を行う記録部を備えた記録装置において、前記記録部により記録可能な範囲として定められた記録可能範囲以上の幅を有する挿入口を有し、前記挿入口の幅を、前記記録可能範囲よりも小さい幅に規制する幅規制部を備え、前記幅規制部は、該幅規制部を乗り越えて前記記録媒体を前記挿入口に挿入可能とする案内部を有することを特徴とする記録装置を提供する。
この構成によれば、挿入口の幅が幅規制部によって記録部の記録可能範囲よりも小さい幅に規制されるため、記録可能範囲よりも小さい所望の範囲に記録媒体を案内できる。さらに、幅規制部が有する案内部を乗り越えて記録媒体を挿入可能であるため、幅規制部に挿入口の幅を規制されないようにして所望の位置に記録媒体を挿入することもできる。これにより、記録媒体が挿入される挿入口の所望の範囲に記録媒体を案内すると共に、この範囲を超える位置に記録媒体を挿入することもできる。
また、本発明は、記録媒体に記録を行う記録部と、前記記録媒体を挿入する挿入口と、前記挿入口から挿入された前記記録媒体を搬送する搬送部とを備え、前記挿入口は、前記搬送部によって前記記録媒体が搬送される搬送範囲に対応した幅を有する開口であり、前記挿入口において前記記録媒体を挿入可能な幅を、より小さい幅に規制する幅規制部を備え、前記幅規制部は、該幅規制部を乗り越えて前記記録媒体を前記挿入口に挿入可能とする案内部を有することを特徴とする記録装置を提供する。
この構成によれば、挿入口の幅が幅規制部によって搬送部の搬送範囲よりも小さい幅に規制されるため、搬送範囲よりも小さい所望の範囲に記録媒体を案内できる。さらに、幅規制部が有する案内部を乗り越えて記録媒体を挿入可能であるため、幅規制部に挿入口の幅を規制されないようにして所望の位置に記録媒体を挿入することもできる。これにより、記録媒体が挿入される挿入口の所望の範囲に記録媒体を案内できると共に、この範囲を超える位置に記録媒体を挿入することもできる。
また、前記挿入口の縁に連なり、前記挿入口に進入する記録媒体を支持する媒体挿入台を設け、前記幅規制部は、前記媒体挿入台に立設された凸部であり、前記案内部は、前記幅規制部の頂部から前記挿入口の奥側に向かって下方に傾斜する斜面で構成されても良い。
この場合、案内部が挿入口の奥側に向かって下方に傾斜した斜面で構成され、記録媒体が斜面に沿うように案内されるため、記録媒体を挿入口の奥側にスムーズに挿入できる。また、記録媒体が挿入口から排出される際に斜面に沿うように排出されるため、記録媒体が幅規制部に引っ掛かることが無く、記録媒体をスムーズに排出できる。
さらに、前記挿入口から挿入された前記記録媒体の表面を光学的に読み取る読取部を備え、前記幅規制部は、前記挿入口において前記記録媒体を挿入可能な幅を、前記読取部の読み取り可能範囲に合わせて規制しても良い。
この場合、幅規制部によって、挿入口の幅が読取部の読み取り可能範囲に合わせて規制され、記録媒体が読取部の読み取り可能範囲に案内されるため、確実に記録媒体の情報を読み取りできる。
さらにまた、前記挿入口から挿入された前記記録媒体の向きを、前記搬送部による搬送方向に沿って整える整列機構を備え、前記整列機構は、前記記録媒体の後端が前記挿入口から突出する位置で前記記録媒体の向きを整えても良い。
この場合、整列動作が記録媒体の後端が挿入口から突出する位置機構で行われ、整列の際に幅規制部によって記録媒体の移動可能な範囲が規制されるため、記録媒体が整列動作の影響を受けて搬送されるべき位置からずれてしまうことを防止できる。
また、前記幅規制部を前記挿入口の幅方向の一端側に設け、前記挿入口の他端側に、前記幅規制部の前記案内部と略同一高さで前記記録媒体が乗り越え可能な支持部を設けても良い。
この場合、挿入口の幅方向の一端側に幅規制部を設け、他端側に幅規制部の案内部と略同一高さで記録媒体が乗り越え可能な支持部を設けたため、記録媒体を幅方向に渡って略同一高さで支持でき、記録媒体を略水平な状態で案内できる。このため、記録媒体をスムーズに搬送できる。
また、前記支持部の下方には、前記搬送部によって搬送される前記記録媒体が通過可能な空間が形成され、前記支持部は、前記空間を通過する前記記録媒体の上方から前記記録媒体を押さえる上面ガイドを備えても良い。
この場合、支持部の下方の空間を通して記録媒体を挿入できるため、挿入口の幅に影響を及ぼすことなく支持部を設けることができる。また、上面ガイドによって記録媒体を上方から押さえるため、記録媒体の浮き上がりを防止できる。
本発明によれば、記録装置において、記録媒体が挿入される挿入口の所望の範囲に記録媒体を案内できると共に、この範囲を超える位置に記録媒体を挿入することもできる。
第1の実施の形態のドットインパクトプリンターの外観斜視図である。 プリンター本体を示す斜視図である。 プリンター本体の側断面図である。 プリンター本体の前部を示す平面図である。 プリンター本体の前部の側断面図である。 第2の実施の形態のドットインパクトプリンターの正面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るドットインパクトプリンター(記録装置)の外観を示す正面斜視図である。図2は、プリンター本体11を示す外観斜視図である。図3は、図1のドットインパクトプリンター10を示す側断面図である。
図1に示す記録装置としてのドットインパクトプリンター10は、記録ヘッド18(図2、図3参照)が備える複数の記録ワイヤーを、リボンカートリッジ(図示略)から繰り出したインクリボン(図示略)を介して記録媒体Saに押し付け、この記録媒体Saの記録面上にドットを形成することにより、文字や記号、画像等を記録するものである。
また、ドットインパクトプリンター10は、光学読取装置200(図3参照)を有し、この光学読取装置200によって記録媒体Saの表面に表示された文字や記号、画像等を読み取り可能である。
以下の説明では、図3中の左側をフロント(前)側とし、図3中の右側をリア(後)側とする。
ドットインパクトプリンター10で使用可能な記録媒体としては、所定長さに切断されたカットシートと、複数枚が連接された連続シートとがある。カットシートとしては、例えば単票紙や単票複写紙などの他、通帳や葉書、封筒、カードなどがあり、連続シートは複数枚の紙が連接された連続紙や複写紙が連接された連続複写紙等を含む。
図1に示す記録媒体Saは通帳であり、ここでいう通帳とは、複数枚の記録用紙が綴じられた冊子形態となっており、この冊子を開いた内側の面が記録面となっている。さらに、通帳の裏表紙には、磁気ストライプMSが設けられている。この磁気ストライプMSには磁気的に各種情報を記録し、読み取ることが可能である。
なお、以下の説明において、矩形の記録媒体Saの4辺のうち、ドットインパクトプリンター10へ向かって差し込まれる側の辺を先端とし、この先端と対向する側の辺を後端とする。
ドットインパクトプリンター10は、図1に示すように、外装体としての上部カバー12、上部ケース13及び下部ケース14を備えており、上部ケース13及び下部ケース14の前面には、記録媒体Saを挿入あるいは排出する手差口15(挿入口)が開口している。また、下部ケース14には、手差口15から前側に突出した媒体挿入台60が設けられている。
ドットインパクトプリンター10は、図2に示すように、上部カバー12、上部ケース13及び下部ケース14に覆われるプリンター本体11を有している。このプリンター本体11は、下本体部11Aと、この下本体部11Aの後端部に軸11Cで支持される上本体部(図示略)とを備え、下本体部11Aは、上部ケース13及び下部ケース14(図1)に収納される。上記上本体部は、上本体部の左側面に設置されている開閉レバー(図示略)の操作によって回転され、上本体部が開かれるとプリンター本体11内部が露出される。
図2及び図3に示すように、プリンター本体11は、ベースフレーム16、右サイドフレーム17A及び左サイドフレーム17Bを備えた本体フレームと、記録ヘッド18(記録部)及びキャリッジ19を備えた記録機構部20と、プラテン21、第1駆動ローラー22A、第1従動ローラー22B、第2駆動ローラー23A、第2従動ローラー23B、第3駆動ローラー124A、第3従動ローラー124B、下案内面24A、上案内面24B、媒体搬送モーター26及び駆動輪列部27を備えた搬送機構100(搬送部)と、記録媒体Saを整列させる整列板28を備えた整列機構30と、記録媒体Saの磁気ストライプMSに記録された情報の読み取りを行う磁気ヘッド34を備えた磁気データ読書部29と、磁気ストライプMSの読み取りを含む磁気情報処理の実行時に、記録媒体Saの浮き上がりを抑制すべく、記録媒体Sa上から押える媒体押え部35と、を有している。
また、光学読取装置200は、表面スキャナー111(読取部)、裏面スキャナー112(読取部)、及び、搬送機構100を備えて構成される。
ベースフレーム16の略両端部には、右サイドフレーム17A及び左サイドフレーム17Bが立設されている。これら両サイドフレーム17A、17Bの間には、キャリッジガイド軸31が架け渡されると共に、両サイドフレーム17A、17B間に平坦な下案内面24Aが固定して設けられる。そして、下案内面24Aの上方には、下案内面24Aに対向して上案内面24Bが配設されている。下案内面24Aと上案内面24Bとの間の空間は、記録媒体Saが搬送される搬送路Aを構成し、この搬送路Aは、プラテン21の前方側に位置する前媒体案内部24、及び、プラテン21の後方側に位置する後媒体案内部25を有している。手差口15から挿入された記録媒体Saは、前媒体案内部24を通ってプラテン21の側へ、或いは、プラテン21を越えて後媒体案内部25の表面スキャナー111側へ搬送される。
プラテン21の上方には、プラテン21に対向するように記録ヘッド18が配置されている。
キャリッジ19は、キャリッジガイド軸31に摺動自在に挿通され、当該キャリッジ19を駆動するキャリッジ駆動モーター(図示略)の正転又は逆転により、無端形状の駆動ベルト(図示略)を介して駆動され、キャリッジガイド軸31に案内されて往復移動される。キャリッジ19の移動方向は、図1中符号Xで示す方向、すなわち、キャリッジガイド軸31の軸方向及びプラテン21の長手方向と一致する主走査方向である。また、キャリッジ19の移動(走査)範囲は、一対のサイドフレーム17A、17Bの間である。なお、キャリッジ19の主走査方向Xに直交する方向、すなわち図1中符号Yで示す方向を、副走査方向とする。
キャリッジ19に搭載される記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走行される間に、その先端面においてプラテン21に対向するワイヤー突出部(図示略)から記録ワイヤーを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを、プラテン21と記録ヘッド18との間に搬送される記録媒体Saに付着させて、記録媒体Saに記録を行う。このインクリボンは、上記の本体フレーム又はキャリッジ19に装着されるリボンカートリッジ(図示略)内に折り畳まれて収納され、キャリッジ19の走査に伴って繰り出される。
プラテン21は、キャリッジ19の走行方向に延在して平面形状に形成され、その両端が、付勢ばね41により記録ヘッド18に向けて付勢されると共に弾性支持され、搬送される記録媒体の厚さに応じて上下に変位する。
搬送機構100は、第1駆動ローラー22A、第1従動ローラー22Bが、プラテン21及び記録ヘッド18に対してプリンター本体11のフロント側に配置され、第2駆動ローラー23A、第2従動ローラー23Bが、プラテン21及び記録ヘッド18に対してプリンター本体11のリア側に配置され、第3駆動ローラー124A、第3従動ローラー124Bが、表面スキャナー111のリア側に配置されて構成される。第1駆動ローラー22Aと第1従動ローラー22Bとは、上下方向に配置されて対をなし、第2駆動ローラー23Aと第2従動ローラー23Bとは、上下方向に配置されて対をなし、第3駆動ローラー124Aと第3従動ローラー124Bとは、上下方向に配置されて対をなす。
第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A及び第3駆動ローラー124Aは、媒体搬送モーター26及び駆動輪列部27によって回転駆動される駆動ローラーであり、第1従動ローラー22B、第2従動ローラー23B及び第3従動ローラー124Bは、それぞれ第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、及び、第3駆動ローラー124A側に所定の押圧力でばね42A、42B、42Cによりばね付勢されている従動ローラーである。これによって、第1駆動ローラー22Aと第1従動ローラー22Bとが互いに反対方向に回転駆動され、第2駆動ローラー23Aと第2従動ローラー23Bとが互いに反対方向に回転駆動され、第3駆動ローラー124Aと第3従動ローラー124Bとが互いに反対方向に回転駆動される。
第1駆動ローラー22Aは、記録媒体Saの幅方向に延びる第1ローラー軸32に円筒状のローラー2が複数挿通されて構成されている。各々のローラー2は、第1ローラー軸32の軸方向に互いに略等間隔をあけて配設され、下案内面24Aの開口から搬送路A内に露出している。また、第1従動ローラー22B、第2駆動ローラー23A、第2従動ローラー23B、第3駆動ローラー124A及び第3従動ローラー124Bも第1駆動ローラー22Aと同様に、軸に対してローラーが複数挿通されて構成されている。第1従動ローラー22B、第2駆動ローラー23A、第2従動ローラー23B、第3駆動ローラー124A及び第3従動ローラー124Bの各々において各ローラー2が設けられた位置は、軸方向において第1駆動ローラー22Aの各ローラー2と同一の位置である。
駆動輪列部27は、図2に示すように、右サイドフレーム17Aの外側に配置される。この駆動輪列部27は、正転及び逆転可能な媒体搬送モーター26の駆動軸に回転一体に固定されたモーターピニオン51を備える。このモーターピニオン51からの駆動力が、減速ギア52、第2駆動ギア53B、中間ギア54、第1駆動ギア53A、及び、駆動ベルト(図示略)等によって各駆動ローラーを同一方向に回転させ、記録媒体Saをプリンター本体11内に搬送する。図3に示す第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、及び、第3駆動ローラー124Aは、媒体搬送モーター26が正転している場合、副走査方向に沿って、図3中符号Fで示すようにプリンター本体11内に記録媒体Saを搬送し、媒体搬送モーター26が逆転している場合、図3中符号Rで示すように、プリンター本体11内から排出する方向に記録媒体Saを搬送する。
整列機構30は、記録ヘッド18により記録媒体Saに記録を行う前に、或いは、光学読取装置200により記録媒体Saを読み取る前に記録媒体Saを整列する機構である。
整列機構30は、第1駆動ローラー22A、第1従動ローラー22B、前媒体案内部24、整列板28、及び整列板28を駆動する整列モーター(図示略)を備えて構成される。整列機構30は、搬送路Aに突出した整列板28に対し、記録媒体Saの先端部を突き当てることで記録媒体Saの向きを変え、記録媒体Saの向きが搬送方向に沿うように整列する。また、整列機構30は、記録媒体の後端が手差口15から突出する位置で整列動作を行う。
そして、ドットインパクトプリンター10は、記録ヘッド18の走査位置の近傍において記録媒体Saを検出する各種センサーを備えている。
第1駆動ローラー22Aの近傍には、搬送路Aにおける記録媒体Saの有無を検出する媒体検出センサー47が、キャリッジ19の主走査方向に沿って複数設置されている。媒体検出センサー47は、搬送路Aに向けて光を発する光源と、その反射光を検出する受光部とを備えた反射型光センサー、或いは、搬送路Aを挟んで対向するように光源と受光部とを配した透過型光センサーである。媒体検出センサー47は、手差口15からの記録媒体Saの挿入、及び、プリンター本体11内からの記録媒体Saの排出完了を検出するためのセンサーである。
キャリッジ19には、記録媒体Saの幅を検出する媒体幅センサー55が搭載され、この媒体幅センサー55はキャリッジ19と共にプラテン21上を走査される。従って、キャリッジ19の走査時に媒体幅センサー55よって記録媒体Saの幅方向の端を検出し、その検出位置とキャリッジ19の走査位置とを対応付けることにより、記録媒体Saの位置を求めることができる。
すなわち、ドットインパクトプリンター10では、媒体幅センサー55によって記録媒体Saの位置を検出可能なため、検出された記録媒体Saの位置に対応させてキャリッジ19を制御することで、記録媒体Saが挿入された位置にかかわらず、記録ヘッド18による記録を行うことができ、さらに、光学読取装置200による読み取りを行うことができる。つまり、ドットインパクトプリンター10においては、手差口15の幅方向の任意の位置から記録媒体Saを挿入して記録及び読み取りを実行できる。
また、第1駆動ローラー22Aの後方には、キャリッジ19の主走査方向に沿って、8個の整列検出センサー58が互いに間隔をあけて並べて配設される。これら8個の整列検出センサー58は、例えば、媒体検出センサー47と同様に、搬送路Aを挟んで上下に対向する発光部(LED等)と受光部(フォトトランジスター等)により構成され、記録媒体Saの有無を検出する。これら整列検出センサー58は、整列板28が搬送路Aに突出した状態で、整列板28に突き当てられた記録媒体Saの有無を検出する。これにより、整列検出センサー58の出力に基づいて、整列板28による整列後の記録媒体Saの搬送方向に対する傾きが、許容される傾きの範囲内にあるか否かを判定することができる。例えば、主走査方向に並ぶ整列検出センサー58のうち、隣り合う2個が記録媒体Saを同時に検出した場合、整列が完了したと判断される。
また、ドットインパクトプリンター10は、媒体搬送モーター26の駆動制御、キャリッジ19の走行制御、記録ヘッド18の記録ワイヤーによる記録動作の制御、光学読取装置200の読み取り動作の制御等、ドットインパクトプリンター10の全体を制御する制御部として、例えばプリンター本体11の後側の下方に、制御基板部(図示略)を備えている。
ここで、ドットインパクトプリンター10の整列に関わる動作を説明する。まず、電源投入時、整列板28が搬送路Aに突出する。次にドットインパクトプリンター10は、手差口15から挿入される記録媒体Saを媒体検出センサー47によって検出すると、第1駆動ローラー22Aを駆動する。そして、記録媒体Saは、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bにより搬送され、整列板28に対し先端部が突き当てられて整列が行われる。その後、ドットインパクトプリンター10は、整列板28の前に並ぶ各整列検出センサー58によって記録媒体Saの先端部の状態を検出し、整列が正しく実施されたか否かを判定する。この判定により、記録媒体Saの整列が正しく実施されたと判断された場合には、記録媒体Saを記録ヘッド18又は光学読取装置200へ搬送し、記録或いは読み取りを実行する。一方、記録媒体Saの整列が正しく実施されていないと判断された場合には、ドットインパクトプリンター10は再度、整列動作を行うことができ、さらに、繰り返し整列動作を行っても整列ができなければ、記録媒体Saを手差口15から排出する。
図3に示すように、裏面スキャナー112は、記録媒体Saの裏面側に記録されている文字や記号、画像等の情報を読み取るイメージセンサーである。表面スキャナー111は、裏面スキャナー112と対向する位置に配置され、記録媒体Saの表面側に記録されている情報を読み取るイメージセンサーである。表面スキャナー111及び裏面スキャナー112は、第2駆動ローラー23Aと第3駆動ローラー124Aとの間に配置され、搬送中の記録媒体Saの情報を連続的に読み取る。表面スキャナー111及び裏面スキャナー112は、例えば、CIS(Contact Image Sensor)型の画像読取センサーであり、記録媒体Saに密着する平坦なガラス面111A、112Aと、LED等の光源から出力される光を記録媒体Saの読み取り領域に対して照射する照射部(図示略)と、主走査方向(X方向)に一列に配列された複数の受光センサー(図示略)と、この受光センサーからの信号を上記制御基板部に出力する出力部(図示略)と、をそれぞれ備えて構成される。ここでは表面スキャナー111及び裏面スキャナー112としてCIS型を用いたが、CCD(Charge Coupled Device)型を用いてもよい。
また、図2に示すように、裏面スキャナー112はプラテン21と略平行にドットインパクトプリンター10の幅方向に延在して長手形状に構成され、ガラス面112Aが下案内面24Aの開口から後媒体案内部25に露出している。
表面スキャナー111は、図3に示すように、ガラス面111Aがガラス面112Aに対向するように裏面スキャナー112の上方に設けられ、幅方向においても裏面スキャナー112と略同一の長さの長手形状に形成されている。表面スキャナー111の上部には付勢部材113が設けられ、表面スキャナー111は、付勢部材113によって後媒体案内部25の記録媒体Saに対して近接するように付勢されている。また、付勢部材113は、表面スキャナー111を幅方向に渡って略均一な力で裏面スキャナー112側に押し付けている。ここで、付勢部材113としては、コイルばねや板ばね、弾性を有するエラストマー等を使用することができる。
また、ガラス面111Aとガラス面112Aとの間には、所定の厚さの記録媒体が入り込み可能な間隔が設けられており、記録媒体Saを読み取る際には、搬送された記録媒体Saによって表面スキャナー111が上方に押し退けられ、付勢部材113が縮むことによりガラス面111Aとガラス面112Aとの間を記録媒体Saが通過可能となる。すなわち、光学読取装置200では、付勢部材113によって付勢された表面スキャナー111によって記録媒体Saを裏面スキャナー112側に押し付けることで、記録媒体Saとガラス面111A、112Aとを確実に密着させて、読み取り品質を向上させている。
図4は、プリンター本体11を示す平面図である。
ところで、ドットインパクトプリンター10は、図4に示すように、記録媒体Saよりも大きな幅を有する記録媒体Sbや、記録媒体Sbよりも大きな幅を有する記録媒体Scを用いることも可能である。ここで、記録媒体Sbは、一例として、A4サイズの用紙であり、210(mm)の用紙幅を有し、記録媒体Scは、一例として、216(mm)の用紙幅を有するA4リーガルサイズよりも大きな幅を有する用紙である。記録媒体Sb及び記録媒体Scの表裏の面には表面スキャナー111及び裏面スキャナー112によって読み取られるべき情報がそれぞれ記録されている。
搬送路Aに連通した手差口15には、手差口15の縁に連なって前方に略水平に突出した媒体挿入台60が設けられ、この媒体挿入台60の上面の媒体セット面60Aは、キャリッジ19(図3参照)の走行可能範囲に対応して幅広に形成され、主走査方向に沿って延在している。媒体セット面60Aは、手差口15に挿入される記録媒体を下方から支持し、記録媒体の挿入を安定させている。媒体セット面60Aの幅方向の両端には、媒体セット面60Aよりも上方に突出した段部62A、62Bがそれぞれ設けられている。これら段部62A、62Bの間の間隔である搬送範囲Wは手差口15の幅に一致し、手差口15に挿入して搬送機構100により搬送可能な記録媒体の最大幅を規定している。この搬送範囲Wの大きさ及び幅方向の位置は、キャリッジガイド軸31に沿って幅方向に走査される記録ヘッド18の記録可能範囲Pに一致している。ここでは、搬送範囲Wの幅、すなわち、手差口15の幅は、記録可能範囲Pに一致しているものとして説明したが、手差口15の幅は記録可能範囲Pの幅以上であっても良い。
また、媒体挿入台60の幅方向の左端側(一端側)に設けられた段部62Aは、記録媒体の幅方向の端を案内するガイドとして機能する。
媒体挿入台60には、記録媒体Sbの搬送方向に平行に延びる用紙ガイド61(幅規制部)が設けられている。用紙ガイド61は、媒体セット面60Aに立設された凸部であり、媒体挿入台60の幅方向の右端側(他端側)に位置している。用紙ガイド61の内側面は記録媒体を案内する案内面63となっている。
用紙ガイド61は、段部62Aとの間に所定の幅に設定された間隔Lをあけて配置されている。詳細には、間隔Lは、記録媒体Sbを案内可能なように記録媒体Sbの用紙幅よりも僅かに大きく形成されており、用紙ガイド61は、記録媒体Sbの挿入位置を左端側の段部62A寄りに規制している。また、間隔Lは搬送範囲Wよりも狭く形成されており、用紙ガイド61は、記録ヘッド18の記録可能範囲Pよりも狭い記録可能範囲の端位置に対応した位置に配置されている。すなわち、用紙ガイド61は、手差口15の幅を記録可能範囲Pの幅よりも小さい幅に規制している。
図4に示すように、ドットインパクトプリンター10の幅方向において、表面スキャナー111及び裏面スキャナー112の読取可能範囲T(読み取り可能範囲)の一端は、段部62Aの位置に一致し、読取可能範囲Tの他端は、用紙ガイド61における案内面63の位置に一致している。すなわち、用紙ガイド61は読取可能範囲Tに記録媒体Sbを案内する位置に設けられ、左端側の段部62A及び用紙ガイド61に案内されて搬送された記録媒体Sbは、必ず表面スキャナー111及び裏面スキャナー112の読取可能範囲T内に搬送されるため、確実に読み取りを行うことができる。また、記録媒体Saのような、記録媒体Sbよりも幅が狭い記録媒体の読み取りを行う場合においても、用紙ガイド61によって挿入位置が規制され、段部62Aと用紙ガイド61との間に記録媒体が挿入されるため、表面スキャナー111及び裏面スキャナー112の読取可能範囲T内に確実に記録媒体を搬送できる。
図5は、プリンター本体11の前部の側断面図である。
図5に示すように、用紙ガイド61は、側面視において略三角形の形状に形成されており、上方に突出した曲面状の頂部64Aと、頂部64Aから媒体セット面60Aまで前下がりに傾斜した前斜面部64Bと、頂部64Aから手差口15の奥側に向かって媒体セット面60Aまで傾斜した案内部64Cとを有している。この案内部64Cは、用紙ガイド61上を乗り越えて記録媒体を搬送可能とする斜面で構成される。
手差口15は、記録媒体が通過する通路部15Aと、通路部15Aの上端から用紙ガイド61の側へ前上がりに傾斜した導入部15Bとを有し、導入部15Bの上端は、頂部64Aよりも上方に位置している。
ドットインパクトプリンター10の前方側から手差口15に挿入される記録媒体Scは、先端が前斜面部64Bに乗り上げるようにして頂部64Aに達し、案内部64Cに沿うようにして下り、通路部15Aに挿入される。また、記録媒体Scが案内部64Cに完全に沿わなかった場合においても、案内部64Cの下流側に導入部15Bが設けられており、記録媒体Scの先端が導入部15Bに沿って通路部15Aに案内されるため、確実に記録媒体Scを挿入できる。
図4に示すように、ドットインパクトプリンター10は、読取可能範囲Tよりも幅広の記録可能範囲Pを有しており、間隔Lよりも大きな用紙幅を有する記録媒体Scは、手差口15に挿入された状態では、用紙ガイド61に重なることとなる。ドットインパクトプリンター10においては、用紙ガイド61が案内部64Cを有し、用紙ガイド61上を乗り越えるようにして記録媒体Scを搬送できるため、用紙ガイド61に重なる幅を有する記録媒体Scであってもスムーズに搬送できる。
ここで、ドットインパクトプリンター10による記録媒体Sbの読み取り動作の概略を説明する。
まず、記録媒体Sbが左端側の段部62Aと用紙ガイド61との間に載置されるようにして手差口15に挿入されると、ドットインパクトプリンター10は媒体検出センサー47によって記録媒体Sbの挿入を検出し、第1駆動ローラー22Aを駆動する。
そして、記録媒体Sbは、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bにより搬送され、整列板28に対し先端部が突き当てられて整列され、第2駆動ローラー23A及び第2従動ローラー23Bによって、表面スキャナー111及び裏面スキャナー112の側に搬送される。この際、記録媒体Sbが段部62Aと用紙ガイド61とによって案内されるため、効果的に整列できる。さらに、整列動作時に用紙ガイド61によって記録媒体Sbの位置が規制され、記録媒体Sbが他端側の段部62Bの側に移動することが防止されるため、記録媒体Sbを確実に読取可能範囲T内に搬送できる。
表面スキャナー111と裏面スキャナー112との間に入り込んだ記録媒体Sbは、表面スキャナー111と裏面スキャナー112との間に狭持された状態で、搬送されながら連続的に表裏の面を読み取られる。読み取りが終了すると、搬送機構100は逆回転され、記録媒体Sbは段部62Aと用紙ガイド61との間を通って手差口15の側に排出される。
次に、ドットインパクトプリンター10による記録媒体Scの記録動作の概略を説明する。
まず、記録媒体Scが段部62Aと段部62Bとの間に、用紙ガイド61を乗り越えるようにして挿入されると、ドットインパクトプリンター10は媒体検出センサー47によって記録媒体Scの挿入を検出し、第1駆動ローラー22Aを駆動する。
そして、記録媒体Scは、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bにより搬送され、整列板28に対し先端部が突き当てられて整列され、その後、記録ヘッド18により記録される。記録が終了すると、搬送機構100は逆回転され、記録媒体Scは手差口15の側に排出される。
本第1の実施の形態では、媒体セット面60Aに用紙ガイド61を設けたため、記録媒体Sbを読取可能範囲T内に確実に搬送可能であり、さらに、用紙ガイド61に案内部64Cを設けたため、用紙ガイド61が記録媒体Scの搬送を妨げることが無く、記録媒体Sb或いは間隔Lより大きな用紙幅の記録媒体Scをスムーズに搬送することができる。
すなわち、ドットインパクトプリンター10では、記録媒体Sbのように読取可能範囲Tと同等の幅の記録媒体、或いは記録媒体Saのような読取可能範囲Tより幅狭の記録媒体を、表面スキャナー111及び裏面スキャナー112によって読み取る際には、用紙ガイド61によって手差口15の幅を規制して、記録媒体を確実に読取可能範囲T内に案内することができる。また、記録媒体Scのように読取可能範囲Tよりも幅広な記録媒体に記録ヘッド18による記録を行う場合には、用紙ガイド61を乗り越えて記録媒体を挿入することができる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、手差口15の幅が用紙ガイド61によって記録ヘッド18の記録可能範囲Pよりも小さい幅に規制されるため、記録可能範囲Pよりも小さい所望の範囲に記録媒体Sbを案内できる。さらに、用紙ガイド61が有する案内部64Cを乗り越えて記録媒体Scを挿入可能であるため、用紙ガイド61に手差口15の幅を規制されないようにして所望の位置に記録媒体Scを挿入することもできる。これにより、記録媒体が挿入される手差口15の所望の範囲に記録媒体を案内すると共に、この範囲を超える位置に記録媒体を挿入することもできる。
また、手差口15の幅が用紙ガイド61によって搬送機構100の搬送範囲Wよりも小さい幅に規制されるため、搬送範囲Wよりも小さい所望の範囲に記録媒体Sbを案内できる。さらに、用紙ガイド61が有する案内部64Cを乗り越えて記録媒体Scを挿入可能であるため、用紙ガイド61に手差口15の幅を規制されないようにして所望の位置に記録媒体Scを挿入することもできる。これにより、記録媒体が挿入される手差口15の所望の範囲に記録媒体を案内できると共に、この範囲を超える位置に記録媒体を挿入することもできる。
さらに、案内部64Cが手差口15の奥側に向かって下方に傾斜した斜面で構成され、記録媒体Scが斜面に沿うように案内されるため、記録媒体Scを用紙ガイド61を乗り越えて手差口15の奥側にスムーズに挿入できる。また、記録媒体Scが手差口15から排出される際に案内部64Cの斜面に沿うように排出されるため、記録媒体Scが用紙ガイド61に引っ掛かることが無く、記録媒体Scをスムーズに排出できる。
さらにまた、用紙ガイド61によって、手差口15の幅が表面スキャナー111及び裏面スキャナー112の読取可能範囲Tに合わせて規制され、記録媒体Sbが読取可能範囲Tに案内されるため、確実に記録媒体Sbの情報を読み取りできる。
また、整列動作が記録媒体Sbの後端が手差口15から突出する位置で行われ、整列の際に用紙ガイド61によって記録媒体Sbの移動可能な範囲が規制されるため、記録媒体Sbが整列動作の影響を受けて搬送されるべき位置からずれてしまうことを防止できる。
[第2の実施の形態]
以下、図5及び図6を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態における段部62Aの側に記録媒体の上面を案内する上面ガイド71を設け、この上面ガイド71に記録媒体を支持する支持部72を設けたものである。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るドットインパクトプリンター70の正面図である。
図6に示すように、ドットインパクトプリンター70は、媒体挿入台60及び用紙ガイド61を備え、媒体挿入台60の左端側の段部62Aの側には、上方に突出した支持部72が設けられている。
支持部72は、段部62Aから媒体セット面60Aと平行に用紙ガイド61の側へ延びる板状の上面ガイド71を備え、上面ガイド71の上面に立設されている。この上面ガイド71は、媒体セット面60Aとの間に所定の高さの空間Uが確保されるように配置され、この空間Uの高さは、ドットインパクトプリンター70に挿入可能な記録媒体の内、最も板厚の厚い記録媒体が通過可能な高さに設定されている。すなわち、記録媒体は空間Uを通過可能であり、その上面を上面ガイド71によって案内されて搬送される。
段部62Aと上面ガイド71の先端との間の長さは、段部62Bから用紙ガイド61までの長さと同等である。
図5に2点鎖線で示すように、支持部72は用紙ガイド61と同様に側面視で略三角形の形状に形成されている。支持部72は、上方に突出した曲面状の頂部74Aと、頂部74Aから上面ガイド71の上面71Aまで前下がりに傾斜した前斜面部74Bと、頂部74Aから手差口15の奥側に向かって上面71Aまで傾斜した第2の案内部74Cとを有している。第2の案内部74Cは、支持部72上を乗り越えて記録媒体を搬送可能とする斜面で構成される。
また、頂部74Aの高さは、用紙ガイド61の頂部64Aの高さと略等しい高さに位置している。なお、図5では、用紙ガイド61及び支持部72を示す線の重複を避けるために支持部72の輪郭線を用紙ガイド61の内側に示したが、支持部72と用紙ガイド61の上部とは、略同一形状かつ略同一高さである。
ここで、ドットインパクトプリンター70による記録媒体Sbの読み取り動作の概略を説明する。
まず、記録媒体Sbが、段部62Aと用紙ガイド61との間に挿入されると共に、上面ガイド71と媒体セット面60Aとの間に通されると、ドットインパクトプリンター70は媒体検出センサー47によって記録媒体Sbの挿入を検出し、第1駆動ローラー22Aを駆動する。
そして、記録媒体Sbは、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bにより搬送され、整列板28に対し先端部が突き当てられて整列され、第2駆動ローラー23A及び第2従動ローラー23Bによって、表面スキャナー111及び裏面スキャナー112の側に搬送されて読み取られる。この際、用紙ガイド61によって記録媒体Sbの位置が規制されるため、記録媒体Sbを確実に読取可能範囲T内に搬送でき、さらに、記録媒体Sbの上面の位置を上面ガイド71によって規制できるため、記録媒体Sbの浮き上がりを防止でき、スムーズに搬送できる。
読み取りが終了すると、搬送機構100は逆回転され、記録媒体Sbは、段部62Aと用紙ガイド61との間を通りつつ、上面ガイド71に上面を案内されて手差口15の側に排出される。
次に、ドットインパクトプリンター70による記録媒体Scの記録動作の概略を説明する。
まず、記録媒体Scは、用紙ガイド61及び支持部72上に載置され、頂部64A、74Aの間に掛け渡されるようにしてセットされる。ドットインパクトプリンター70は媒体検出センサー47によって記録媒体Scの挿入を検出し、第1駆動ローラー22Aを駆動する。
そして、記録媒体Scは、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bよって、用紙ガイド61及び支持部72を乗り越えるようにして搬送され、整列板28に対し先端部が突き当てられて整列され、その後、記録ヘッド18により記録される。記録が終了すると、搬送機構100は逆回転され、記録媒体Scは空間U及び案内部64Cを経て手差口15の側に排出される。
本第2の実施の形態では、用紙ガイド61に加えて、媒体挿入台60の左端側に案内部64Cと略同一高さを有する支持部72を設けて、記録媒体Scの幅方向の両端部をそれぞれ支持するため、記録媒体Scを略水平に保った状態で搬送でき、記録媒体Scをスムーズに、かつ、真直ぐに搬送できる。
また、支持部72を上面ガイド71に立設し、支持部72及び上面ガイド71の下方に記録媒体Sbを挿入可能な空間Uを確保したため、記録媒体Scを略水平に支持して支持部72を乗り越えて搬送可能でありながら、記録媒体Sbの挿入スペースを確保し、記録媒体Sbの挿入位置を用紙ガイド61で規制可能な構造を実現できる。
以上説明したように、本発明を適用した第2の実施の形態によれば、手差口15の幅方向の右端側に用紙ガイド61を設け、左端側に用紙ガイド61の案内部64Cと略同一高さで記録媒体Scが乗り越え可能な支持部72を設けたため、記録媒体Scを幅方向に渡って同一高さで支持でき、記録媒体Scを略水平な状態で案内できる。このため、記録媒体Scをスムーズに搬送できる。
また、上面ガイド71によって記録媒体Sbを上方から押さえるため、記録媒体Sbの浮き上がりを防止できる。さらに、支持部72の下方の空間Uを通して記録媒体Sbを挿入できるため、手差口15の幅に影響を及ぼすことなく支持部72を設けることができ、手差口15の幅を大きくできる。従って、上面ガイド71及び支持部72の下方を通して記録媒体Sbを挿入できると共に、支持部72を乗り越えるようにして記録媒体Scを挿入することもできる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態に限定されない。
上記実施の形態では、用紙ガイド61を、媒体挿入台60の幅方向の右端側に設けるもとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、用紙ガイドを媒体挿入台60の幅方向に複数設けても良い。例えば、用紙ガイド61に加え、用紙ガイド61よりも媒体挿入台60の中央側に用紙ガイド61よりも高さが低い用紙ガイドを設けても良い。
また、上記実施の形態では、用紙ガイド61は、読取可能範囲Tに記録媒体Sbを案内する位置に設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ドットインパクトプリンター10が表面スキャナー111及び裏面スキャナー112を有していない構成において、用紙ガイド61を、記録ヘッド18の記録可能範囲P内において記録可能範囲Pよりも狭い範囲に記録媒体Sbを案内する位置に設けても良い。この場合においても、記録媒体Sbの挿入位置を規制できると共に、用紙ガイド61を乗り越えて記録媒体Scを搬送することもできる。
また、上記実施の形態では、用紙ガイド61は、表面スキャナー111及び裏面スキャナー112の読取可能範囲Tに記録媒体Sbを案内する位置に設けられるものとして説明したが、これに限らず、用紙ガイド61は他の読取装置の読取可能範囲に合わせて設けても良く、例えば、磁気ヘッド34の読取可能範囲に記録媒体を案内する位置に用紙ガイド61を設けても良い。
さらに、本発明はドットインパクト式のプリンターに限らず、インクジェット式のプリンターや、感熱媒体を加熱して画像を記録するサーマルプリンターにおいても適用可能である。さらに、ドットインパクトプリンター10のように独立したプリンターとして使用される機器に限らず、他の機器(ATM(Automated Teller Machine)やCD(Cash Dispenser)等)に組み込まれたものであってもよく、多様な機器に適用可能である。
10、70…ドットインパクトプリンター(記録装置)、15…手差口(挿入口)、18…記録ヘッド(記録部)、30…整列機構、61…用紙ガイド(幅規制部)、64A…頂部、64C…案内部、71…上面ガイド、72…支持部、74C…第2の案内部、100…搬送機構(搬送部)、111…表面スキャナー(読取部)、112…裏面スキャナー(読取部)、P…記録可能範囲、Sa…記録媒体、Sb…記録媒体、Sc…記録媒体、T…読取可能範囲(読み取り可能範囲)、W…搬送範囲。

Claims (7)

  1. 記録媒体に記録を行う記録部を備えた記録装置において、
    前記記録部により記録可能な範囲として定められた記録可能範囲以上の幅を有する挿入口を有し、
    前記挿入口の幅を、前記記録可能範囲よりも小さい幅に規制する幅規制部を備え、
    前記幅規制部は、該幅規制部を乗り越えて前記記録媒体を前記挿入口に挿入可能とする案内部を有すること、
    を特徴とする記録装置。
  2. 記録媒体に記録を行う記録部と、前記記録媒体を挿入する挿入口と、前記挿入口から挿入された前記記録媒体を搬送する搬送部とを備え、
    前記挿入口は、前記搬送部によって前記記録媒体が搬送される搬送範囲に対応した幅を有する開口であり、
    前記挿入口において前記記録媒体を挿入可能な幅を、より小さい幅に規制する幅規制部を備え、
    前記幅規制部は、該幅規制部を乗り越えて前記記録媒体を前記挿入口に挿入可能とする案内部を有すること、
    を特徴とする記録装置。
  3. 前記挿入口の縁に連なり、前記挿入口に進入する記録媒体を支持する媒体挿入台を設け、
    前記幅規制部は、前記媒体挿入台に立設された凸部であり、
    前記案内部は、前記幅規制部の頂部から前記挿入口の奥側に向かって下方に傾斜する斜面で構成されること、
    を特徴とする請求項2記載の記録装置。
  4. 前記挿入口から挿入された前記記録媒体の表面を光学的に読み取る読取部を備え、
    前記幅規制部は、前記挿入口において前記記録媒体を挿入可能な幅を、前記読取部の読み取り可能範囲に合わせて規制すること、
    を特徴とする請求項2または3記載の記録装置。
  5. 前記挿入口から挿入された前記記録媒体の向きを、前記搬送部による搬送方向に沿って整える整列機構を備え、
    前記整列機構は、前記記録媒体の後端が前記挿入口から突出する位置で前記記録媒体の向きを整えること、
    を特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 前記幅規制部を前記挿入口の幅方向の一端側に設け、
    前記挿入口の他端側に、前記幅規制部の前記案内部と略同一高さで前記記録媒体が乗り越え可能な支持部を設けたこと、
    を特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の記録装置。
  7. 前記支持部の下方には、前記搬送部によって搬送される前記記録媒体が通過可能な空間が形成され、
    前記支持部は、前記空間を通過する前記記録媒体の上方から前記記録媒体を押さえる上面ガイドを備えること、
    を特徴とする請求項6に記載の記録装置。
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