JP2011031730A - 車両用シート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルなシート・バック・フレーム構成によって、後突における着座者の頸部への負担を小さくする。
【解決手段】シート・バック・フレームに、後突時にシート・バックに沈み込む着座者の腰部を支持する剛体支持部41を設けて、着座者の上体を剛体支持部を支点として後方に回転させる。これにより、着座者の肩部が剛体支持部を支点として後方へと大きな回転角度θ1で移動する。これによって、後突における着座者の頭部の回転角度θ2と上体の回転角度θ1との間の差を小さくすることでき、着座者の頸部への負担を小さくすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は車両用シート装置に関し、特に、後突における着座者の頸部への負担を軽減するシート・バック・フレーム構造に関する。
車両用シート装置のシート・バックの頂部には、ヘッドレストが装着されている。ヘッドレストは、着座者の頭部背面を支持することで、シート装置に着座したときの快適性を向上すると共に、車両本体の後面における衝突(後突)があったときには、着座者の頭部及び頸部に大きな衝撃が加わることを防止する働きを有している。
後突において、ヘッドレストによって頭部及び頸部をより安全に保護するためには、衝突時に着座者(乗員)の頭部がヘッドレストに接触している、あるいはその頭部とヘッドレストとの距離を小さくすることで頸部の傾きを小さくすることが好ましい。このため、衝突に対してヘッドレストを前方に移動することにより、着座者の頭部及び頸部をより安全に保護する機構が知られている。具体的には、着座者によってシート・バックが強く押し込まれると、ヘッドレストが前方に移動して、着座者の頭部及び頸部を保護する。このような機構は、一般に、アクティブ・ヘッドレストと呼ばれている。
後突時における上体の回転角度と頭部の回転角度との間の差が大きくなると、頸部への負担が大きくなる。図6は、後突時における着座者(テスト・ダミー)の動きを模式的に示す図である。図6(a)は、後突前の着座者の姿勢を示し、図6(b)は、後突時の着座者の姿勢を示している。図6(b)において、着座者の上体の初期位置から後突時の位置までの回転角度がθ1、頭部の初期位置から後突時の位置までの回転角度がθ2で示されている。頭部回転角度θ2と上体回転角度θ1との差異(θ2−θ1)が小さいと、頸部への負担も小さくなる。後突においてヘッドレストが前方に傾くことで、頭部の回転角度θ2が小さくなる。従って、アクティブ・ヘッドレストにより、後突における頸部への負担を軽減することができる。
後突においてヘッドレストを前方に移動する代わりに、上体、そしてそれと共に頭部を後方に移動させることで頭部の回転角度を小さくすることができる。そこで、後突においてシート・バック・フレームの一部が後方に変形することで、着座者の上体(及び頭部)を後方に移動するシート・バックが特許文献1に開示されている。このシート装置は、後突時の衝撃荷重により後方へ湾曲変形可能なロア・フレームを有している。さらに、ロア・フレームにはリブが取り付けられている。リブは、後突における衝撃荷重によって座屈変形することで衝撃を吸収する。
特開2004−16708号公報
特許文献1のシート装置においては、シート・バック内のロア・フレームが衝撃を吸収しながら湾曲変形する。これにより、後突における着座者の上体への衝撃を小さくしながら、上体及び頭部をスムーズに後方に移動することで頸部への負担も小さくすることができる。しかし、このような衝撃吸収機能を有するロア・フレームの構造は複雑であり、また、部材点数の増加にもなる。従って、よりシンプルなシート・バック構造により、後突における着座者の頸部への負担を小さくする技術が望まれる。
本発明の一態様の車両用シート装置は、シート・バックとシート・クッションとを有する。前記シート・バックのフレームは、左右方向に延在するトップ・フレーム部と、前記トップ・フレーム部から下方向に延在する左サイド・フレーム部及び右サイド・フレーム部と、前記トップ・フレーム部とリクライニング回動中心との間かつ前記左右のサイド・フレーム部の間の位置において固定され、後突において着座者の上体がその着座者の支持されている腰部を支点として後方に回転するように前記着座者の沈み込む腰部を支持する剛体支持部とを有する。
好ましい構成において、前記シート・バックのフレームは、前記左右のサイド・フレームのそれぞれに固定され、前記剛体支持部の腰部支持位置よりも後方に位置しているロア・フレーム部、をさらに有する。
好ましくは、前記シート・バックのフレームは、さらに、前記剛体支持部の支持位置よりも前方位置に、着座者の背面を弾性的に支持する弾性部材を有している。
好ましい構成において、前記剛体支持部は、前記ロア・フレームの前面に固定されている部品で構成されている。好ましくは、前記剛体支持部は、前方に突出するように屈曲している。
好ましい構成において、前記リクライニング回動中心において左右方向に延びるリクライニグ・シャフトをさらに有し、前記剛体支持部の支持位置は、前記リクライニング回動中心と前記トップ・フレーム部の中心とを結ぶ線よりも前方に位置している。
本発明によれば、シンプルなシート・バック・フレーム構造によって、後突における着座者の頸部への負担を小さくすることができる。
本実施の形態に係る車両用シート装置の構成を模式的に示す斜視図である。 本実施の形態に係るシート・バック・フレームの構造を模式的に示す斜視図である。 本実施の形態に係るシート・バック・フレームの作用を模式的に示す図である。 本実施の形態に係るシート・バック・フレームの作用と比較例のシート・バック・フレームの作用とを模式的に示す図である。 本発明のシート・バック構造を有するシート装置において、腰部を支持する剛体支持部と通常着座状態におけるダミーとの間の距離と頸部角度との間の関係を測定した結果を示す図である。 従来の技術におけるシート・バック・フレームの作用を模式的に示す図である。
以下に、本発明を適用した実施の形態を説明する。説明の明確化のため以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。本形態の車両用シート装置は、そのシート・バック・フレーム構造に特徴を有している。
本形態のシート・バック・フレームは、後突において着座者(乗員)の腰部を支持する剛体支持部を有している。剛体支持部は、シート・バック・フレーム内で固定されている。後突において着座者が後方に移動してシート・バックに沈み込むと、剛体支持部は着座者の腰部を支持する。着座者の上体は、剛体支持部を支点として後方に回転する。これにより、着座者の肩部が後方へと移動(回転)する。このように、剛体支持部を支点とするテコの原理により、後突における上体の回転角度(図6(b)におけるθ1)を大きくする。これによって、後突における着座者の頭部の回転角度(図6(b)におけるθ2)と上体の回転角度θ1との間の差を小さくすることでき、着座者の頸部への負担を小さくすることができる。
図1は本実施形態に係る車両用シート装置1の構成を模式的に示している。車両用シート装置1は、乗員(着座者)が着席する座面を有するシート・クッション11と、着座した状態の乗員がその背中をもたれかけるシート・バック12とを有している。シート・バック12の頂部にはヘッドレスト13が装着されている。なお、本明細書において、シート・バック12のシート・クッション11側を前側とし、その反対側を後側あるいは背面側とする。また、シート・クッション11側を下側としヘッドレスト13側を上側とする。これらの方向定義は、着座状態にある乗員(着座者)の前後及び上下方向に対応し、また、シート装置1が実装される車体の前後及び上下方向に対応する。
シート・バック12、シート・クッション11及びヘッドレスト13は、骨組みとしての内部フレーム、その周囲を囲む柔軟な部材であるパッド、そしてパッドの外側を覆うトリム・カバーとを有している。トリム・カバーは、一般に、織物あるいは革である。上述のように、本形態のシート装置1は、そのシート・バック12、特にシート・バック12のフレーム構造にその特徴を有している。そこで、以下においては、本形態の車両用シート装置1におけるシート・バック・フレームについて詳細に説明を行う。シート・クッション11及びヘッドレスト13は、一般に使用されている構造のものを利用することができる。
図2は、シート・バック12及びヘッドレスト13の内部構造の示す透過斜視図である。図2に示すように、シート・バック12は、シート・バック・フレーム121及びその外側のシート・バック・パッド122を有している。シート・バック・フレーム121は、一般に、鉄鋼で形成されている。シート・バック・パッド122は、トリム・カバーで覆われる。シート・バック・パッド122は、それのみでは、着座者を弾性支持することができるほどの弾性力は持っていない。
シート・バック・パッド122は、典型的には、ウレタン・パッドである。典型的には、シート・バック・パッド122は、シート・バック・フレーム121の前後及び左右を覆う。シート・バック・フレーム121の一部、特にその背面の一部はシート・バック・パッド122から露出することもある。シート・バック・フレーム121と着座者の背中との間にあって、着座者に快適な座り心地を与えると共に、後突における衝撃吸収の働きも有する。
ヘッドレスト13も同様に、ヘッドレスト・フレーム131及びその外側のヘッドレスト・パッド132を有している。ヘッドレスト・フレーム131は、一般に、鉄鋼で形成されている。ヘッドレスト・パッド132は、典型的には、ウレタン・パッドであり、トリム・カバーで覆われる。ヘッドレスト・フレーム131と着座者の頭部との間にあって、着座者に快適性を与え、後突における衝撃吸収の働きを有する。
図2の好ましい構成例において、シート・バック・フレーム121は、コの字上のアッパー・パイプ211と、左右両側のサイド・パネル212、213とを有している。アッパー・パイプ211は屈曲されたパイプで構成されている部品である。サイド・パネル212、213は、板状の部品である。それらの前後端が屈曲されており、断面コの字状である。
また、サイド・パネル212、213の下部は、上部に対してボルト・ナット及び溶接により固定されており、これらは一体的にサイド・パネル212、213を構成している。サイド・パネル212、213の下部と上部とは連続する一つの部品で構成してもよい。サイド・パネル212、213は、アッパー・パイプ211に強固に固定されている。典型的には、溶接によりそれらは結合される。
アッパー・パイプ211は、左右方向に延びるトップ部31とそのトップ部31の左右端から下方に伸びる二つのサイド部32、33を有している。本構成例においては、トップ部31には、ヘッドレスト・フレーム131が固定されている。アッパー・パイプ211のトップ部31は、シート・バック・フレーム121のフレーム・トップ部である。アッパー・パイプ211のサイド部32、33は、シート・バック・フレーム121のフレーム・サイド部(左サイド部と右サイド部)の一部を構成する。アッパー・パイプ211に相当する部品を、中実棒状(以下棒状)あるいは板状の部品により形成してもよい。
左サイド・パネル212は、アッパー・パイプ211の左サイド部32に固定されている。右サイド・パネル213は、アッパー・パイプ211の右サイド部33に固定されている。サイド・パネル212、213は上下方向に延在しており、互いに平行である。これらは、シート・バック・フレーム121のフレーム・サイド部(左サイド部と右サイド部)の一部を構成する。本構成例においては、シート・バック・フレーム121の左のフレーム・サイド部はサイド部32、サイド・パネル212で構成され、右のフレーム・サイド部はサイド部33、サイド・パネル213で構成されている。サイド・パネル212、213に相当する部品を、筒状あるいは棒状の部品で形成してもよい。
サイド・パネル212、213の下端には、リクライニング機構の一部を構成する回動軸受け部214、215が固定されている。回動軸受け部214、215の間には左右方向に延びるシャフト216が渡されている。シャフト216は、リクライニングにおける回動の回動中心位置にある。着座者はリクライニング機構を操作することでシート・バック12の傾斜角度を調整する。シート・バック・フレーム121は、回動軸受け部214、215において回動することで、その傾斜角度(リクライニング角度)が変化する。シャフト216は、設計によって、省略することができる。
サイド・パネル212、213の間には、弾性体であるバネ217、218が渡されている。バネ217、218は、サイド・パネル212、213の内側の面に固定されている。シート・バック・フレーム121の上下方向の略中央にあるバネ217の下側に、バネ218が固定されている。バネ217、218は、屈曲を繰り返しながら左右方向に延びている。
バネ217、218は、着座者の背中によって後方に曲げられ、その背中を弾性的に(パッド122を介して)支持する。これにより、通常時に着座者の座り心地を向上する。設計により適切な数のバネが適切な位置に与えられる。シート・バック・フレーム121には、樹脂による弾性体など、バネ217、218と異なる弾性体を装着してもよい。シート・バック・フレーム121にはこのような弾性体を実装することが好ましいが、設計により、これを省略してもよい。
シート・バック・フレーム121の下部には、板状の部品であるロア・パネル219が固定されている。ロア・パネル219はサイド・パネル212、213の間で渡されており、サイド・パネル212、213のそれぞれの内側面に固定されている。ロア・パネル219は、シート・バック・フレーム121の剛性を効果的に強化すため、シート・バック・フレーム121の下側、つまり、上下方向における中央よりも下の位置に固定されている。本構成において、ロア・パネル219は、リクライニグにおける回動中心(本構成においてはシャフト216)よりも後方に固定されている。
本構成の特徴として、シート・バック・フレーム121は、剛体支持部である剛体支持部材41を有している。剛体支持部材41は、シート・バック・フレーム121内で固定されており、動くことがない不動部材である。剛体支持部材41はシート設計上の剛体であり、バネ217、218のような弾性体として機能することはない。例えば、剛体支持部材41は7〜10mm径の鉄鋼棒あるいは10〜15mm径、1.0〜1.5mm厚の鉄鋼パイプを屈曲することで形成することができる。このように、設計上の弾性変形を示さない剛体支持部材41は、後突において着座者の腰部を確実に支持することができる。
図3は、本実施形態におけるシート装置1に着座している乗員の後突時における姿勢変化を模式的に示す図である。図3(a)は、通常着座状態にある乗員の着座姿勢を模式的に示している。より具体的には、着座者の上体が垂直から25°の角度に最も近くなるように(典型的には24°〜26°の範囲)、シート・バック12のリクライニング機構(リクライニング角度)が調整されている。図3(b)は、後突によりに乗員がシート・バック12に沈みこみ、シート・バック・フレーム121に支持されている状態の着座状態を模式的に示している。図3(b)示す後突時での着座状態において、着座者の腰部は剛体支持部材41によって支持されている。
後突において、着座者の上体は、剛体支持部材41が腰部を支持している点を支点として、後方に回転する。テコの原理により肩部に力が加わり、肩部がスムーズにパッド122内へとさらに沈み込む。着座者の上体のこの動きにより、後突における着座者の頸部への負担を軽減することができる。本構成において、着座者の肩部はサイド・パネル212、213の上部において支持される。図3(b)に示すように、後突における肩部支持位置は剛体支持部材41の腰部支持位置よりも後方にあり、後突において着座者の剛体が後方に回転する。
本構成による着座者の着座姿勢変化について、より具体的に説明する。本構成による着座者の頸部への負担軽減効果は、後突時における着座者の上体の角度変化によっている。図6を参照して説明したように、着座者の頸部への負担は、頭部回転角度θ2と上体回転角度θ1との差異(θ2−θ1)に依存している。角度差(θ2−θ1)が大きくなると頸部への負担が大きくなり、小さくなると負担も小さくなる。従って、後突における角度差(θ2−θ1)を小さくすることで、頸部への負担を軽減することができる。
頭部回転角度θ2と上体回転角度θ1との間の差(θ2−θ1)は、頭部の回転角度θ2を小さくすることで小さくすることができる。従来のシート装置は、頭部の回転角度θ2を小さくすることで、頸部への負担を軽減する。一方、角度差(θ2−θ1)は、上体回転角度θ1を大きくすることでも小さくすることができる。本実施形態の車両用シート装置1は、上体回転角度θ1を大きくすることで、後突における着座者の頸部への負担を軽減する。
図4(a)、図4(b)は、異なる構造のシート・バック・フレームを有するシート装置における後突時の着座者の着座姿勢を模式的に示している。図4(a)は剛体支持部材41を有するシート装置1における後突時の着座者の着座姿勢を模式的に示す。図4(b)は、後突における腰部支持部を有していないシート装置における後突時の着座者の着座姿勢を模式的に示す。図4(b)のシート・バック・フレーム構造は、図2を参照して説明したシート・バック・フレーム121から剛体支持部材41を除いた構造に相当する。
図4(a)と図4(b)とを比較して、腰部支持部を有していない構成(図4(b))においては、着座者の腰部の後方へのシフトが、剛体支持部材41を有するシート装置1(図4(a))よりも大きい。着座者の肩部も腰部と共に後方にシフトするため、上体の回転角度θ1は小さくなる。
これに対して、剛体支持部材41を有するシート装置1(図4(a))においては、着座者の腰部が剛体支持部材41に支持され、腰部の後方のシフトはその支点において停止する。腰部の後方へのシフト量は、図4(b)の構成と比較して減少する。着座者の肩部は、支持されている腰部よりも後方へシフトするので、上体の回転角度θ1は大きく増加する。さらに、剛体支持部材41の重要な点は、着座者の上体をテコの原理により回転させることである。
剛体支持部材41は、腰部支持の観点から実質的に変形することも位置を変化させることもなく、着座者の腰部をしっかりと支持する。着座者の上体は、剛体支持部材41(に支持された腰部)を支点として後方に回転する。その回転角度θ1は、図4(b)の構成と比較して増加する。腰部を支持しているため、テコの原理により肩部を効果的にシート・バック12内に沈み込ませることができる。つまり、肩部(上体)の回転角度θ1を効果的に大きくすることができる。
このように上体の回転角度θ1が大きくなることで、頭部の回転角度θ2との間の角度差(θ2−θ1)が減少する。本構成は、後突において剛体支持部材41を支点として上体を効果的に後方に回転させることができるので、後突における着座者の頸部への負担を効果的に低減することができる。
剛体支持部材41の構造について、詳細に説明する。図2に戻って、剛体支持部材41は、ロア・パネル219の前面に固定されている。剛体支持部材41の左右端をサイド・パネル212、213の内側面に固定してもよい。しかし、剛体支持部材41をロア・パネル219上に形成することで製造効率を上げることができる。また、ロア・パネル219が、剛体支持部材41と同様の働きをする剛体支持部を有するように加工してもよいが、製造効率の点からロア・パネル219とは別部材の剛体支持部材41を用意し、それを溶接及び/もしくはボルト・ナットによりシート・バック・フレーム121内で固定することが好ましい。
図2の構成において、剛体支持部材41は、その前端部411で着座者の腰部を支持する。着座者の腰部を着実に支持するため、前端部411は、シート・バック12(あるいはシート・バック・フレーム121)の左右方向における中心を含む範囲に位置していることが重要であり、好ましくはその中心において左右対称である。剛体支持部材41は、左右方向における中央においてロア・パネル219の前方位置で腰部を支持するように、ロア・パネル219から前方に突出するように屈曲されている。
具体的には、前方の突出する左右のアーム部412、413を有し、それらアーム部の前端を左右に延びる前端部411がつないでいる。アーム部412、413は、左右方向における中央に向かって傾いている。剛体支持部材41は一つの部材を屈曲して形成しており、アーム部412、413、前端部411は連続している。この剛体支持部材41の形状は一例であって、剛体支持部は異なる形状を有することができる。例えば、アーム部412、413は垂直に前後方向に平行に突出していてもよく、下上下方向において傾いていてもよい。前端部411は、好ましくは、上下方向において傾いておらず左右方向に平行である。
図3(a)に示すように、着座者が通常着座状態にあるとき、剛体支持部材41は着座者の腰部から離れた位置にあって、その腰部を支持していないことが好ましい。つまり、シート設計上、通常着座状態にある着座者からの剛体支持部材41に対する負荷は実質的にない。このように、剛体支持部は通常着座状態に対して不支持の位置に固定されているので、通常着座状態において着座者が剛体支持部材41からの押圧を感じることがなく、その乗り心地を悪くすることはない。
図2を参照して説明したように、バネ217、218は、通常着座状態にある着座者を弾性的に支持することでシート装置1の快適性を向上する。従って、この好ましい構成例のように、弾性体であるバネ217、218を有するシート・バック・フレーム121においては、図3(a)に示すように、剛体支持部材41(の前端部411)は、それに最も近い位置にあるロア・バネ218よりも後方の位置に固定されていることが好ましい。これにより、通常の使用状態において、剛体支持部材41が着座者を押圧する力を効果的に小さくする、あるいは実質的にその押圧をなくす。
具体的には、この位置関係は、シート・バック12においてリクライニング中心とトップ部31の中心とを結ぶ線が垂直であるときに満足する。好ましくは、着座者が通常着座状態にあるときに、この位置関係が満足する。シート設計において広く使用されているように、通常着座状態において、着座者(テスト・ダミー)の上体が垂直面から25°に最も近い角度(典型的に24°〜26°の範囲)にある。シート・バック12は、通常着座状態が満足するように傾斜角度が調整されている。このような通常着座状態を満足するリクライニング角度において、剛体支持部材41(の前端部411)はバネ218よりも後方の位置にあることが好ましい。
剛体支持部材41は、前端部411が上下方向において後突において着座者の腰部を支持する位置に固定される。その位置はシート・バック12(シート・バック・フレーム121)の上下方向における中央よりも下側であり、また、典型的には、リクライニング回転中心よりも上に位置する。
図3(a)、(b)に示す好ましい構成においては、前端部411は、シャフト216よりも上方にあり、また、シャフト216の中心とアッパー・パイプ211のトップ部31の中心とを結ぶ線よりも前方に位置している。これにより、剛体支持部材41は、後突において着座者の頸部への負担を軽減するように効果的に着座者の腰部を支持する。このほか、シャフト216を省略し、リクライニグ回転中心をより上及び前方に位置させ、バネ218と前端部411とをリクライニグ回転中心より後方に位置させてもよい。
本発明のシート・バック・フレーム構造による効果を確認するための測定を行った。図5は、その測定の結果を示している。測定は、北米法規FMVSS202aの測定方法に従った。測定は、テスト・ダミー"Hybrid III 50th Percentile Male"を使用した。テスト・ダミー及びシート装置の初期位置(通常着座状態)において、テスト・ダミーの上体が垂直から25°に最も近い角度となるように、シート・バックのリクライニング機構を調整した。剛体支持部による支持位置(剛体支持部の前端位置)と、肩部の回転角度θ1と頭部の回転角度θ2との間の角度差(θ2−θ1)と、の間の関係を測定した。
図5のグラフにおいて、X軸は剛体支持部による支持位置とダミーの腰部(背面)との間の距離、Y軸は角度差(θ2−θ1)を示している。距離は、テスト・ダミーの上体に垂直な方向(実質的25°の上体に対して垂直な方向)における、支持位置とダミー腰部(背面)との距離である。剛体支持部を設けることで、角度差(θ2−θ1)を小さくすることができた。さらに、剛体支持部と初期位置におけるテスト・ダミー腰部との距離を小さくすると共に、角度差(θ2−θ1)が減少した。上記距離が8cm以下の範囲において、角度差(θ2−θ1)を十分に小さくすることができた。
以上、本発明を好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することができる。
1 車両用シート装置、11 シート・クッション、12 シート・バック
13 ヘッドレスト、31 トップ部、32 左サイド部、33 右サイド部
41 剛体支持部材、121 シート・バック・フレーム
122 シート・バック・パッド、131 ヘッドレスト・フレーム
132 ヘッドレスト・パッド、211 アッパー・パイプ、212 左サイド・パネル
213 右サイド・パネル、214、215軸受け部、216 シャフト
217、218 バネ、219 ロア・パネル、411 前端部
412、413 アーム部

Claims (6)

  1. シート・バックとシート・クッションとを有する車両用シート装置であって、前記シート・バックのフレームは、
    左右方向に延在するトップ・フレーム部と、
    前記トップ・フレーム部から下方向に延在する左サイド・フレーム部及び右サイド・フレーム部と、
    前記トップ・フレーム部とリクライニング回動中心との間かつ前記左右のサイド・フレーム部の間の位置において固定され、後突において着座者の上体がその着座者の支持されている腰部を支点として後方に回転するように前記着座者の沈み込む腰部を支持する、剛体支持部と、
    を有する車両用シート装置。
  2. 前記シート・バックのフレームは、前記左右のサイド・フレームのそれぞれに固定され、前記剛体支持部の腰部支持位置よりも後方に位置しているロア・フレーム部、をさらに有する、
    請求項1に記載の車両用シート装置。
  3. 前記シート・バックのフレームは、さらに、前記剛体支持部の支持位置よりも前方位置に、着座者の背面を弾性的に支持する弾性部材を有している、
    請求項1または2に記載の車両用シート装置。
  4. 前記剛体支持部は、前記ロア・フレームの前面に固定されている部品で構成されている、
    請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シート装置。
  5. 前記剛体支持部は、前方に突出するように屈曲している、
    請求項1〜4のいずれかに記載の車両用シート装置。
  6. 前記リクライニング回動中心において左右方向に延びるリクライニグ・シャフトをさらに有し、
    前記剛体支持部の支持位置は、前記リクライニング回動中心と前記トップ・フレーム部の中心とを結ぶ線よりも前方に位置している、
    請求項1〜5のいずれかに記載の車両用シート装置。
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