JP2011031362A - 研磨布 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水性に優れ、かつ研磨中のスクラッチ等を抑制することができる、特に高精度研磨に適した研磨布を提供する。
【解決手段】研磨布は、繰り返し単位の90モル%以上がペンタメチレンアジパミド単位で構成され、硫酸相対粘度が3〜8で、分子量の分散度(Mw/Mn)が1.5〜3であるポリアミド56からなり、引張強度が4〜11cN/dtexであるポリアミド56繊維を有するシート状物からなることを特徴とする研磨布である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド56繊維からなる研磨布に関するものである。
精密機器の基板表面加工に使用される研磨布には、ポリアミド6繊維が主に用いられてきた。ポリアミド6繊維は、耐摩耗性に優れ加水分解し難く柔軟性にも優れている。また、ポリアミド6繊維を構成するポリアミド6は、ポリマー内にアミド結合を持つことから、ポリエステル等のアミド結合を持たない繊維に比べて吸水性が高いため、スラリー(研磨時に用いる微粒子砥粒を分散させた液体)との親和性が高く、スラリーの保持性が良いという利点も有する。
しかしながら、近年の高度な精密研磨では、研磨布がスラリーを素早く、かつ均一に担持する能力の更なる改善が求められており、そのためにはポリアミド6繊維の吸水性や保水性を向上させる必要があった。
従来、研磨布を親水化処理する方法が提案されている(特許文献1および2参照。)。しかしながら、親水加工斑があると、スラリー担持斑となったり、スラリー中の砥粒分散性が悪化したりするため、近年の高度な精密研磨の要求を十分に満足するものでなかった。
ところで、ポリアミドには、ポリアミド6やポリアミド66の他にポリアミド56がある。ポリアミド56からなる繊維は透明性に優れ、高強度であることから釣り糸等に好適であるとされている(特許文献3参照。)が、このポリアミド56繊維を研磨用途に用いようとすると、研磨中の繊維毛羽や繊維脱落による研磨時のスクラッチが発生し、高精密研磨の点で要求特性を満足するものではなかった。
特開2000−237951号公報 特開2002−224945号公報 特開2006−144163号公報
そこで本発明の課題は、吸水性に優れ、かつ研磨中のスクラッチ等を抑制することができる、特に高精度研磨に適したポリアミド56繊維からなる研磨布を提供することにある。
すなわち本発明の研磨布は、繰り返し単位の90モル%以上がペンタメチレンアジパミド単位で構成され、硫酸相対粘度が3〜8で、分子量の分散度(Mw/Mn)が1.5〜3であるポリアミド56からなり、引張強度が4〜11cN/dtexであるポリアミド56繊維を有するシート状物からなることを特徴とする研磨布である。
本発明の研磨布の好ましい態様によれば、前記のポリアミド56繊維の数平均による単繊維径が0.1〜10μmである。
本発明の研磨布の好ましい態様によれば、前記のシート状物は不織布からなり、弾性重合体を含有するものである。
本発明の研磨布の好ましい態様によれば、前記のシート状物のタテまたはヨコの10%伸長時応力は5N/cm以上である。
本発明によれば、吸水性と研磨スラリーの保持性に優れ、研磨中の繊維切れや繊維脱落を抑制することができ、スクラッチや研磨痕を抑制することができる高精度研磨用途に好適な研磨布が得られる。
本発明の研磨布は、ポリアミド56繊維を有するシート状物からなることが重要である。ポリアミド56繊維を用いることにより、素早くかつ均一にスラリーを担持することが可能となり、高精度研磨用の研磨布として優れた性能を発揮することができる。その理由としては、ポリアミド56繊維を構成するポリアミド56は、ポリアミド6やポリアミド66と比べてポリマーの単位質量あたりのアミド結合数が多く、親水性が高くなるためと考えられる。
よって本発明の研磨布におけるポリアミド56は、繰り返し単位の90モル%以上がペンタメチレンアジパミド単位で構成されてなることが重要である。繰り返し単位の90モル%以上、好ましくは95モル%以上、より好ましくは97モル%以上をペンタメチレンアジパミド単位とすることにより優れた吸水性を発揮することができ、また分子鎖の規則性が高まり配向結晶化しやすくなるため力学特性に優れた繊維とすることができる。ポリアミド56のペンタメチレンアジパミド単位は、1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸とから構成される。
本発明の研磨布は、本発明の効果を損なわない範囲において、10モル%未満の他の共重合成分を含んでもよいが、本発明の目的とする優れた吸水性を発揮し易くするためには、上述のとおりペンタメチレンアジパミド単位は、より好ましくは95モル%以上であり、更に好ましくは97モル%以上である。
ポリアミド56に10モル%未満含まれうる共重合成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸およびドデカン二酸などの脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸および5ーナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から誘導される構造単位を挙げることができる。
また、ポリアミド56繊維を構成するポリマー(ポリアミド56)には、本発明の目的を損なわない範囲で、粒子、難燃剤および帯電防止剤等の添加剤を含有させても良い。
ポリアミド56繊維を形成するポリアミド56は、硫酸相対粘度が3〜8であることが重要である。硫酸相対粘度は分子量の指標であり、硫酸相対粘度を3以上、好ましくは3.1以上、より好ましくは3.2以上、さらに好ましくは3.3以上、さらに好ましくは3.4以上とすることにより、繊維強度が向上する。これは、高分子量であることにより、繊維の構造欠陥となり易い分子鎖の末端が単位体積当たり少なり、また分子鎖長が長いことにより1本の分子鎖がより多くの分子鎖と物理的絡み合い、水素結合およびファンデルワールス力などの相互作用をすることとなり、紡糸応力や延伸応力が均一に伝達され、繊維の製造工程において分子鎖が均一に配向されるためと考えられる。一方、硫酸相対粘度を8以下、好ましくは7以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下とすることにより、適正な紡糸温度での溶融紡糸が可能となり、紡糸機内でのポリマーの熱分解が抑えられるため、製糸性が良好となり、繊維の着色も抑えられる。また、熱分解が抑えられることにより、後述する分散度(Mw/Mn)も小さくなりうる。
また、ポリアミド56繊維を形成するポリアミド56は、分子量の分散度(Mw/Mn)が1.5〜3であることが重要である。ここでMwとは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量であり、両者の比であるMw/Mnが小さいほど、分子量分布が狭いことを示している。Mw/Mnを3以下、好ましくは2.8以下、より好ましくは2.6以下、さらに好ましくは2.4以下とすることにより、上述のごとく硫酸相対粘度が高いことと相まって高強度の繊維とすることができる。これは、Mw/Mnが小さい、すなわち分子鎖長の分布が小さいことで、それぞれの分子鎖における、相互作用を及ぼしあう分子鎖の本数や、物理的絡み合い力、水素結合力およびファンデルワールス力などの相互作用力が概ね均等になるため、製糸工程において、それぞれの分子鎖が均等に紡糸応力および延伸応力が掛かり、結果として非晶相の分子鎖が均一に配向され、緻密性の高い配向結晶相が多く形成されるためと推定される。
さらに、分子鎖が均一に配向された効果によって、非晶相には結晶相同士を連結する非晶鎖が多く存在しており、該非晶鎖の分子鎖長も比較的等しいため、その多くは同等の緊張状態(結晶相によって運動を拘束された状態)で存在しているものと推定される。すなわち、緻密性の高い配向結晶相を多く含み、該結晶相は多くの緊張非晶鎖によって連結されているため、これらが相乗効果的に作用して高強度なポリアミド56繊維となるものと推定している。Mw/Mnは小さいほど好ましいが、製造可能なレベルとしては1.5以上である。
また、本発明で用いられるポリアミド56繊維は、引張強度が4〜11cN/dtexであることが重要である。引張強度が4cN/dtex以上であることにより、十分な研磨布強度得ることでき、研磨時における繊維切れを発生し難く、切れた繊維の脱落部による研磨時の圧力斑やスラリー中の砥粒分散状態悪化によるスクラッチ発生を抑制することができる。
引張強度は高いほど好ましいが、研磨時の部分的な張力斑、特に高張力部が発生したときに、張力が均等に分布できるように、10以下にすることがより好ましく、9以下がさらに好ましく、8.5以下が最も好ましい態様である。
本発明のポリアミド56繊維はこのように高強度な繊維であるが、従来技術において、総繊度および単繊維繊度が共に小さいポリアミド56フィラメント繊維を製造しようとすると、延伸工程において毛羽や糸切れが発生し易いため延伸倍率を下げざるを得ず、高強度な繊維を製造することは困難であった。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、ポリアミド56の原料である1,5−ペンタメチレンジアミンが重合工程で揮発や環化し易いこと、ポリアミド56があまり溶融貯留安定性の高いポリマーではないこと、また結晶性も従来のポリアミド66と比べて低いなどの特徴から、重合工程と製糸工程において分子量分布が広がり易く、特に高分子量であるポリアミド56においては、Mw/Mnが3を超えてしまうため、紡糸工程や延伸工程において分子鎖を均一に配向させることが難しくなり、毛羽や糸切れを誘発することがわかった。そこで、後述するような特定の製造方法を採用することにより、初めて高分子量でありながら、分子量分布の狭いポリアミド56からなるフィラメント繊維を形成せしめることができ、これにより細繊度でありながら高強度なポリアミド56繊維を得ることに成功したのである。
そして驚くべきことに、Mw/Mnが3以下であるポリアミド56繊維は、従来のポリアミド66よりも高強度となりうることがわかった。これはポリアミド56の結晶性が低い特徴により、製糸工程において球晶が形成され難くなり、構造欠陥を含まない繊維となったためと推定される。
本発明の研磨布で用いられるポリアミド56繊維の平均繊維径は、0.1〜10μmであることが好ましい。平均繊維径を0.1μm以上とすることにより、繊維の強力を維持し、強度低下による切断を抑制することができ、また表面積増大による繊維凝集が発生しにくくすることができる。平均繊維径を10μm以下とすることにより、研磨布表面繊維の緻密性が高くすることができ、研磨布の表面粗さを小さくすることができる。平均繊維径は、より好ましくは0.3〜5μmであり、更に好ましくは0.5〜3μmである。
本発明の研磨布となるシート状物としては、基材として織編物や不織布等を用いることができるが、中でも、表面の均一性とシート強力等の観点から、織物や繊維が絡合してなる不織布が好ましく用いられる。織物としては、平織や綾織や朱子織、またこれらの変化組織の織物を採用することができる。不織布としては、短繊維をカードやクロスラッパーを用いて積層ウェブを形成させた後に、ニードルパンチやウォータージェットパンチを施して得られる短繊維不織布、スパンボンド法やメルトブロー法などから得られる不織布、および抄紙法で得られる不織布などを採用することができる。中でも、短繊維不織布やスパンボンド不織布は繊維長が1cm以上と長く、シート状物の強力の良好なものが得られるため、好ましく用いられる。
また、シート状物の表面形態、強伸度およびクッション性など要求特性に合わせ、上述した不織布に弾性重合体を含有させることが好ましい形態である。弾性重合体のバインダー効果により、ポリアミド56繊維がシート状物から抜け落ちるのを防止することもできる。
本発明では、弾性重合体として、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマーおよびスチレン・ブタジエンエラストマーなどを用いることができるが、柔軟性とクッション性の観点からポリウレタンが好ましく用いられる。
ポリウレタンとしては、例えば、平均分子量500〜3000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、あるいはポリエステルポリエーテルジオール等のポリマージオール等から選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系およびヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系のジイソシアネート等から選ばれた少なくとも1種類のジイソシアネートと、エチレングリコール、ブタンジオール、エチレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の2個以上の活性水素原子を有する少なくとも1種類の低分子化合物を、所定のモル比で反応させて得られたポリウレタンおよびその変性物が挙げられる。
また、弾性重合体には、ポリエステル系、ポリアミド系およびポリオレフィン系などのエラストマー樹脂、アクリル樹脂およびエチレン−酢酸ビニル樹脂などが含有されていても良い。
また、本発明で用いられる弾性重合体には、必要に応じてカーボンブラック等の顔料、染料酸化防止剤、酸化防止剤、耐光剤、帯電防止剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤、難燃剤、抗菌剤および防臭剤などの添加剤が配合されていてもよい。
弾性重合体の含有率は、不織布等の基材に対し0〜100質量%であることが好ましい。弾性重合体の含有量によって、研磨布の表面状態、クッション性、硬度および強度などを調節することができる。弾性重合体の含有量が5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上とすることにより、繊維脱落を少なくすることができる。一方、弾性重合体の含有量を100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下とすることにより、ポリアミド56繊維がシート表面上に均一分散した状態を得ることができる。
本発明の研磨布は、タテまたはヨコの10%伸長時応力が5N/cm以上であることが好ましい。研磨布の10%伸長時応力が5N/cm幅以上であれば、研磨時に形態安定性に優れ、テープ研磨の場合、研磨布の伸びが小さく、表面繊維の緻密性が維持でき、超高精度の表面粗さを達成することができる。また、伸びにより発現する研磨布表面の繊維が存在しない空隙部が少なく、砥粒が凝集することによるスクラッチ欠点を発生しにくくなる。より好ましくは10%伸長時応力が10N/cm以上、さらに好ましくは20N/cm以上である。また、10%伸長時応力が高すぎると、研磨中の瞬間的な増張力時に研磨布が張力吸収し難くなることから、10%伸長時応力は200N/cm以下であることが好ましい。
本発明で用いられるシート状物の10%伸張時応力や、強度を向上させる手段としては、例えば、次のような方法を採用することができる。すなわち、研磨布とするシート状物が織編物の場合は、経糸と緯糸に伸長しにくい糸を選ぶことが好ましく、特に未捲縮糸使いの織物は好適である。また、研磨布とするシート状物が不織布の場合には、ニードルパンチ処理やウォータージェットパンチ処理などで繊維配向や繊維同士の絡合によって調整したり、繊維間のバインダーとなる上述のような高分子弾性体を付与したりすることもできる。また、シート状物が不織布の場合、シート状物に補強層となる織物や編物、またはフィルム等を積層してもよい。シート状物として、不織布と織編物をニードルパンチで積層一体化する場合、織編物を構成する繊維のニードルパンチによる損傷を防ぐため、織編物の糸条を強撚糸とすることが好ましい。糸条の撚数は、500T/m〜4500T/mであることが好ましい範囲である。また、織編物の繊維径は、極細繊維不織布の繊維径と同じか、もしくはさらに細いものを用いても良い。
また、不織布と上述する補強層とをバインダーで接着する方法、熱融着ポリマーを予め混合した補強層と不織布を積層した後に加熱ロールで熱融着させる方法等、種々の方法を採用することができる。
ここでいうフィルムとなる素材としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系およびポリフェニルサルファイド系などのフィルム形状を有するものであれば使用可能であるが、汎用性を考えると、ポリエステルフィルムを使用することが望ましい。
本発明の研磨布の目付は、100〜500g/mであることが好ましい。目付を100g/m以上、より好ましくは150g/m以上とすることにより、研磨布に十分な形態安定性と寸法安定性が得られる。一方、目付が500g/m以下、より好ましくは300g/m以下とすることにより、研磨布に十分な柔軟性が得られる。
本発明の研磨布の厚さは、0.1〜2mmであることが好ましい。厚さを0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上とすることにより、十分な形態安定性と寸法安定性が得られる。一方、厚さを2mm以下、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.7mm以下とすることにより研磨布を巻き取ったロール形状としたときに巻径がコンパクトになり、ロール1巻内に十分な長さの研磨布を巻き取ることができる。
本発明の研磨布は、少なくとも片面に立毛処理が施されていることが好ましい。このようにすることで、緻密なタッチが得られ、高精密研磨用の研磨布として好適である。
次に、本発明の研磨布の好ましい製造方法の一例を説明する。
本発明の研磨布は、例えば、次の工程を組み合わせることにより得られる。すなわち、モノマー合成や重合を行うポリアミド56樹脂製造工程、得られたポリアミド56樹脂を繊維状とする製糸工程、得られたポリアミド56繊維をシート状物とする工程に分類され、それぞれの工程で特定の製造方法を採用することが好ましい。次にポリアミド56樹脂製造工程から順に、好ましい態様について説明する。
ポリアミド56樹脂の原料となるモノマー合成工程において、1,5−ペンタメチレンジアミンは、グルコースやリジンなどのバイオマス由来の化合物から、酵素反応、酵母反応および発酵反応などによって合成されることが好ましい。上記の方法によれば、2,3,4,5−テトラヒドロピリジンやピペリジンのような化合物の含有量が少なく、高純度の1,5−ペンタメチレンジアミンを調整できるため、溶融貯留安定性の高いポリアミド56樹脂となり、溶融紡糸工程で分子量が低下してMw/Mnが増加し難い。また、もちろん環境適応性にも優れるという利点もある。具体的には、特開2002−223771号公報、特開2004−000114号公報、特開2004−208646号公報、特開2004−290091号公報、特開2004−298034号公報、特開2002−223770号公報および特開2004−222569号公報等に開示された1,5−ペンタメチレンジアミン、あるいは1,5−ペンタンジアミン・塩酸塩や1,5−ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩を用いて重合されたポリアミド56であることが好ましく、より純度の高い原料を得やすいことから、1,5−ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩を用いて重合されることが好ましい。また、アジピン酸、他のジアミン成分およびジカルボン酸成分については、従来公知の方法で製造されたものを用いることができる。
次に、本発明の研磨布で用いられるポリアミド56樹脂の重合方法について説明する。本発明で用いられるポリアミド56繊維を構成するポリアミド56樹脂は、硫酸相対粘度が3以上と高いが、このように高分子量のポリアミド56を加熱重合法のみで製造しようとすると、重合反応が遅延してしまい、重合缶内を240℃以上の高温状態で長時間保持せざるを得ず、従来のポリアミド66の加熱重合と比較しても重合時間が長時間化してしまう傾向にあった。これは、ポリアミド56樹脂の原料である1,5−ペンタメチレンジアミンは沸点が低いため、高温下では揮発して系外へ流出し易いことや、分子内脱アンモニア反応によって、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン、ピペリジンおよびアンモニア等の塩基性アミンに変化してしまうことが原因で、重合缶内のジアミンとジカルボン酸とのモルバランスが崩れ易いためと推定される。そして、加熱重合法のみで製造した硫酸相対粘度3以上のMw/Mnが3を用いて溶融紡糸を行うと、紡出したポリアミド56フィラメント繊維のMw/Mnが3超えるものとなってしまい、高強度繊維を製造することは難しく、特に高精度研磨に好適な単糸繊度の小さな繊維となると困難であることがわかった。これは、重合遅延によって重合後期において熱分解が起こってMw/Mnが3を超えるポリアミド56樹脂となってしまったり、Mw/Mnが3以下の樹脂が得られたとしても多くの塩基性アミンを含むために溶融紡糸工程における熱分解によって分子量分布が大きくなってしまったりすることが原因であった。
よって本発明の如く硫酸相対粘度が3以上であり、Mw/Mnが3以下であるポリアミド56樹脂からなるポリアミド56繊維を製造するためには、原料であるポリアミド56樹脂の製造において、硫酸相対粘度が2.9以下のポリアミド56樹脂を予め加熱重合法で製造してペレット化した後、そのポリアミド56樹脂を固相重合法によって高重合度化することが好ましい。さらに、ポリアミド56は、従来のポリアミド66と比べると、あまり耐熱性が高いポリマーではなく結晶性も低いポリマーであることから、固相重合における重合条件を緻密に制御することが好ましい。特に、固相重合において重合反応を均一に進行せしめるためには、アミノ末端基とカルボ末端基をバランス良く有するポリアミド56樹脂を予め加熱重合法で製造し、これを固相重合せしめることが好ましい。
このように、本発明のポリアミド56繊維の製造においては、まずは前駆体となるポリアミド56樹脂の製造条件を厳密に制御することが重要であり、ここではまず好ましい加熱重合法と固相重合法について説明する。
本発明で用いられる加熱重合法とは、原料となるジアミンとアジピン酸とを含む水溶液を加熱して脱水縮合せしめることによりポリアミド56樹脂を得る重合方法であり、原料を含む水溶液を調整して重合缶内に投入する原料調整工程、重合系内を微加圧状態に維持しながら加熱し、水溶液中の水を揮発させて原料を濃縮する濃縮工程と、重合系内を密閉系とし、原料を含む水溶液を加熱して水蒸気を発生させることで、制圧工程での所望圧力へ昇圧する昇圧工程と、重合系内を一定の加圧状態に維持しながら加熱し、プレポリマーを生成させる制圧工程と、放圧して常圧に戻す、重合系内の温度をプレポリマーの融点以上に上昇させる放圧工程と、生成ポリマーの融点以上に加熱し、減圧下に保持して重縮合を進行させる減圧工程と、不活性ガスを重合缶内に注入して生成ポリマーを吐出させてペレタイズする吐出工程を含むことが好ましい。
上述したように、ポリアミド56樹脂の原料である1,5−ペンタメチレンジアミンは、従来のポリアミド66の原料である1,6−ヘキサメチレンジアミンと比べて沸点が低く(前者:約180℃、後者:約200℃)、加熱重合の温度で揮発し易いため、重合後期において重合缶内のアミノ末端基とカルボキシル末端基のモルバランスが崩れて重合遅延を招き易い。そのため重合時間が長時間化すると、1,5−ペンタメチレンジアミンの分子内脱アンモニア反応による塩基性アミンの形成を誘発する傾向にあるため、加熱重合法においては重合後期において1,5−ペンタメチレンジアミンと、アジピン酸とのモルバランスを保つ工夫を施すことが好ましい。そのためアミノ末端基とカルボ末端基をバランス良く有するポリアミド56樹脂を加熱重合法で製造し、その後の固相重合に供することが好ましい。より具体的には、加熱重合法において、アミノ末端基濃度とカルボキシル末端基濃度が、次式の関係にあるポリアミド56樹脂を製造し、固相重合に供することが好ましい。
0.3≦[NH]/([NH]+[COOH])≦0.7
[NH]:固相重合に供するポリアミド56樹脂中のアミノ末端基濃度(eq/ton)
[COOH]:固相重合に供するポリアミド56樹脂中のカルボキシル末端基濃度(eq/ton)
固相重合に供するより好ましいポリアミド56樹脂は、次式の関係をゆうするものである。
0.4≦[NH]/([NH]+[COOH])≦0.6
また、加熱重合法で製造されたポリアミド56樹脂は、硫酸相対粘度が2〜2.9であることが好ましい。硫酸相対粘度を2.9以下にすることにより、重合遅延による熱分解や塩基性アミンの形成を抑えられる。硫酸相対粘度を2以上にすることにより、吐出工程におけるポリマーの吐出状態が安定し、ペレット粒度が均一なポリアミド56樹脂を製造できる。より好ましくは2.1〜2.85であり、2.2〜2.8がさらに好ましい。
重合後期における1,5−ペンタメチレンジアミンと、アジピン酸とのモルバランスを保つために、重合開始時にアジピン酸に対して、1,5−ペンタメチレンジアミンを過剰に仕込んで加熱重合で揮発する1,5−ペンタメチレンジアミンを補うことや、加熱重合の到達温度と重合時間等を特定の範囲とし、加熱重合における1,5−ペンタメチレンジアミンの揮発を抑えることは好ましい手法であるが、本発明者らが詳細に検討した結果、これらの手法のみでは、アミノ末端基とカルボキシル末端基がバランス良く存在するポリアミド56樹脂を製造することは難しいことがわかった。
本発明者らがさらに鋭意検討した結果、1,5−ペンタメチレンジアミンは特に親水性が高いため、水の蒸発に付随して揮発され易い特徴を有するため、重合反応が殆ど進行していない重合初期段階から原料を含む水溶液を高温にせしめて水を蒸発させると、1,5−ペンタメチレンジアミンの揮発量が非常に多くなってしまうという傾向にあることがわかった。具体的には、重合初期段階から液温が150℃を超える状態にしてしまうと、水の蒸発に付随して1,5−ペンタメチレンジアミンが特に揮発し易いことがわかった。
そのため、加熱重合法によってポリアミド56樹脂を製造する方法において、原料調整工程において原料モノマーを55〜80重量%含有する原料水溶液を調整し、濃縮工程において該水溶液の温度を100〜150℃とし、原料モノマーの濃度が80〜95重量%まで濃縮することが好ましい。その後、昇圧工程、制圧工程、放圧工程、減圧工程および吐出工程を経て、ポリアミド56樹脂を製造することが好ましい。
上記のように原料水溶液の濃度を55重量%以上にすることにより、後の濃縮工程で蒸発する水が少なくなり、1,5−ペンタンジアミンの揮発量を低減することができる。
ここで原料モノマーとは、本発明で用いられるポリアミド56を構成するモノマーを指し、1,5−ペンタメチレンジアミン、アジピン酸およびそれ以外の上述した共重合成分を含むものである。原料モノマー濃度とは、原料モノマーの総重量を、水溶液の重量で除して100倍した値である。一方で、原料モノマーを80重量%以下にすることにより水溶液が流れる配管の保温温度を適度な範囲に抑えることができ、これは配管の耐熱性とエネルギー消費の観点から好ましい態様である。上記の原料水溶液の濃度は、より好ましくは60〜80重量%であり、さらに好ましくは65〜80重量%である。
ところで、一般的なポリアミド66の原料である1,6−ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からなる塩は、水への溶解度があまり高くないため、あまり高濃度にすると塩が再結晶化して析出するという問題を抱えていた。そのため水溶液中の塩の濃度は50重量%程度に調整する必要があり、濃度が50重量%以下であっても水溶液の温度が低いと再結晶化し易いため、配管ラインを保温するなどの対策が必要であった。このため原料調整工程において、塩の水溶液を高めることは技術的に困難とされてきた。しかしながら驚くべきことに、ポリアミド56の原料である1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸との塩は、水に対する溶解度が極めて高い塩であることがわかった。例えば、ポリアミド66樹脂の原料である1,6−ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩の50重量%水溶液は、液温が40℃を下ると再結晶化が開始してしまうのに対し、1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩の50重量%水溶液は、液温5℃でも再結晶化は起こらず、均一な溶解状態が保たれることを発見し、この新たな特徴により、予め高濃度な原料水溶液を調整することができ、1,5−ペンタメチレンジアミンを殆ど揮発させずに高濃度化することを見出したのである。
原料調整工程での水溶液の温度が10〜70℃の範囲であると、1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸との塩の水への溶解度が高まり、かつ配管ラインの保温に要するエネルギー消費量が抑えられる。上記の水溶液の温度は、より好ましくは20〜60℃である。
本発明で用いられる加熱重合法においては、原料調整工程後に、原料を含む水溶液を濃縮する工程(濃縮工程)を含むことが好ましく、この濃縮工程において、水溶液の濃度を80〜95重量%に濃縮してから、昇圧工程へ供することが好ましい。水溶液の濃度を80重量%以上とすることにより、重合工程における1,5−ペンタンジアミンの揮発量が抑えられる。一方で、水溶液の濃度を95重量%以下にすることにより、制圧工程においてプレポリマーが生成され易くなる。このため濃縮工程終了時の水溶液の濃度は、83〜93w%であることがより好ましく、85〜90重量%であることがさらに好ましい。
このとき、水溶液の温度を100〜150℃に保つことが好ましく、その温度範囲で濃縮することにより、1,5−ペンタメチレンジアミンの揮発を抑えながら、水を積極的に蒸発させることが可能となる。水溶液の温度は、より好ましくは100〜140℃であり、さらに好ましくは100〜130℃であり、特に好ましくは100〜120℃である。
また同様の理由により、重合缶内の圧力(ゲージ圧)を0.05〜0.5MPaに保持するように、重合缶のバルブを調整することが好ましく、0.1〜0.4MPaに保つことがより好ましい態様である。濃縮時間は、水溶液の濃度が上記範囲になるように選択すればよいが、0.5〜5時間であることが好ましい。
上述した本発明で用いられる好ましい加熱重合方法においては、重合缶に仕込む塩の水溶液の濃度が高いため揮発する水の絶対量が少なく、かつ濃縮工程において比較的低温で、かつ微加圧で水溶液を濃縮しているため、重合工程で揮発する1,5−ペンタメチレンジアミンの量を大幅に低減することができる。このため、上記の要件を満たす加熱重合方法において、原料調整工程で原料水溶液中に存在する、1,5−ペンタメチレンジアミンのモル数と、アジピン酸のモル数との比を、0.95〜1.05の範囲で調整せしめることや、制圧工程、放圧工程および減圧工程における缶内温度、缶内圧力および処理時間等の条件を調整することにより、上述の如くアミノ末端基とカルボキシル末端基とがバランスよく存在したポリアミド56樹脂を製造できる。
また、上述で例示したポリアミド56に共重合可能なアミン化合物や、カルボン酸化合物などを併用することにより、重合反応を制御して末端基を調整することもできる。
加えて重合反応を促進することが、1,5−ペンタメチレンジアミンの揮発を抑制するためには好ましいことから、重合促進剤をポリアミド56樹脂の製造工程におけるいずれかの段階で含有せしめることが好ましい。重合促進剤としては、重合促進効果が高く、かつ耐熱安定剤としての作用も有するリン系化合物が好ましく、フェニルホスホン酸が好適に用いられる。
重合工程における上記以外の工程については、例えば特開2003−292612号公報や特開2004−075932号公報等に記載の公知の方法を採用することができるが、次により具体的に好ましい製造方法について説明する。
昇圧工程では、重合系内を密閉系とし、原料を含む水溶液を加熱して水蒸気を発生させることにより、後述する制圧工程での所望圧力へ昇圧することが好ましい。昇圧に要する時間は、0.1〜2時間の範囲とすることが好ましい。これにより重合缶内の温度を均一に高められ、1,5−ペンタメチレンジアミンの環化反応も抑えられる。
制圧工程では、重合系内を一定の加圧状態に維持しながら加熱し、プレポリマーを生成させることが好ましい。このとき缶内圧力(ゲージ圧)を1〜2MPaとすることにより、1,5−ペンタメチレンジアミンの揮発が抑えられると共に、プレポリマーが形成され易くなる。缶内圧力は、外界と繋がるバルブの開閉度合いを調整する等の手法によって調整すればよい。また、缶内温度は180〜280℃とすることが好ましく、200〜270℃とすることがより好ましい態様である。
放圧工程では、重合缶内の圧力を放圧して常圧に戻し、重合缶内の温度をプレポリマーの融点以上にせしめることが好ましい。放圧に要する時間を0.1〜3時間の範囲で調整することにより、未反応で残存する1,5−ペンタメチレンジジアミンが揮発し難くなる。放圧に要する時間は、より好ましくは0.2〜2時間であり、さらに好ましくは0.3〜1時間である。このため上記の時間をかけて、重合缶内の温度をプレポリマーの融点以上まで上昇させることが好ましく、具体的には220〜270℃とすることが好ましい。温度は、より好ましくは230〜260℃とすることが好ましい。
減圧工程では、重合缶内の温度を生成ポリマーの融点以上に加熱すによりポリマーの熱分解が抑えられる。このため重合缶内の温度は、240〜300℃とすることが好ましい。
また、重合缶内の圧力を低くすると重縮合で発生した水を系外へ除去でき、反応を進行させ易くなり、適度な減圧下とすることで反応の均一性も維持される。このため重合缶内の圧力(ゲージ圧)は−5〜−50kPaの範囲で調整することが好ましい。減圧工程での重合時間は、所望の硫酸相対粘度のポリアミド56樹脂となる範囲で選択すれば良いが、0.1〜2時間の範囲とすることにより、好適に重合缶内での熱分解が抑えられる。
吐出工程においては、窒素等の不活性ガスを重合缶内に注入して重合缶内のゲージ圧を0.1〜2MPaに加圧し、ポリマーを吐出させればよい。吐出されたポリマーを水冷し、後述のごとく固相重合せしめるのに好ましいペレット粒度となるようにカットすることが好ましい。
次に、好ましい固相重合法について説明する。
ポリアミド56樹脂は、従来のポリアミド66樹脂と比べて結晶化速度が遅い特徴を有しており、初めから高温で固相重合を開始してしまうとペレット同士が部分融着したり、酷い場合にはおこし状になったりして固相重合が均一に進行しない場合がある。このため加熱重合法で得られたポリアミド56樹脂ペレットを、まず缶内温度80〜120℃で、減圧または窒素フロー下でペレットを攪拌しながら、1〜10時間かけて乾燥および予備結晶せしめることが好ましい。
その後、缶内温度130〜200℃において、ペレットを攪拌しながら、減圧下で、1〜48時間固相重合せしめることにより、所望の硫酸相対粘度のポリアミド56樹脂を製造することが好ましい。このとき、ペレットの外層と内層で固相重合を均一に進行させるために、缶内圧力を399Pa以下まで減圧することが好ましく、133Pa以下まで減圧することがより好ましい態様である。また、缶内温度を段階的に高めながら徐々に固相重合を進行させることが好ましく、缶内温度が130℃に到達してからの昇温速度は1〜20℃/hrであることが好ましく、2〜10℃/hrとすることがより好ましい。そして缶内の最高到達温度が低いほど、固相重合工程における熱分解が抑えられ、結果として分子量分布の狭いポリアミド56フィラメントを製造できるため好ましい態様である。このため固相重合における缶内温度は、195℃以下であることがより好ましく、より好ましくは190℃以下であり、特に好ましくは185℃以下である。
次に、本発明で用いられるポリアミド56繊維の製糸方法について説明する。
上記の如く加熱重合方法および固相重合法によって製造された、硫酸相対粘度が3〜8であり、Mw/Mnが1.5〜3のポリアミド56樹脂を用いて紡出糸を形成し、その紡出糸を冷却風で固化した後、非含水油剤を付与し、300〜2000m/分の速度で引取った後、得られたフィラメント繊維の引張伸度が10〜30%となる延伸倍率で延伸し、最終熱処理ロールの温度を210〜250℃として熱処理した後、リラックス倍率0.8〜0.95でリラックスさせた後、巻き取ることにより、本発明のポリアミド56フィラメント繊維を製造することができる。
ここではまず、ポリアミド56樹脂を溶融して紡出するまでの熱分解を抑え、Mw/Mnが3以下のポリアミド56樹脂を紡出することが肝要である。そのため、ポリアミド56樹脂を加熱乾燥して水分率を1000ppm以下にしてから溶融紡糸に供することが好ましい。
ところで、通常のポリアミド66では過度に水分率が低いと溶融貯留におけるゲル化が誘発されて糸切れを招く傾向にあるが、ポリアミド56樹脂ではゲル化は起こり難く、溶融貯留での熱劣化を抑えるために水分率は低いほど好ましい。水分率は、600ppm以下であることがより好ましく、更に好ましくは10〜400ppmである。ポリアミド56樹脂がポリアミド66樹脂と比べて溶融貯留時にゲル化し難い理由は定かではないが、アミノ末端基が結合するメチレン鎖の炭素数が短いことが原因と考えられる。すなわち、ポリアミド66樹脂においては、アミノ末端基が炭素数6のメチレン鎖に結合しているため、アミノ末端近傍の分子鎖が還化し易く、熱分解すると還化物が遊離してゲル化を誘発するのに対し、ポリアミド56樹脂では、メチレン鎖の炭素数が5であるため、立体障害によって還化し難くゲル化が殆ど起こらないものと推定される。
このため、溶融紡糸における紡糸温度は、260〜310℃であることが好ましい。紡糸温度が310℃以下であることにより、ポリアミド56樹脂の熱分解が抑え得られる。紡糸温度は、より好ましくは300℃以下であり、さらに好ましくは295℃以下である。一方、紡糸温度が260℃以上であることでポリアミド56が十分な溶融流動性を示し、吐出孔間の吐出量が均一化され、高倍率延伸が可能となる。紡糸温度は、270℃以上であることがより好ましく、更に好ましくは275℃以上である。
前述したように、本発明の好ましい形態として、用いられるポリアミド56繊維の単繊維の平均繊維径が0.1〜10μmである極細繊維とすることが挙げられる。極細繊維の製造方法としては、例えば、直接極細繊維を紡糸する方法や、通常繊度の繊維であって極細繊維を発生することができる繊維(以下、極細繊維発生型繊維と呼ぶことがある。)を紡糸し、次いで極細繊維を発生させる方法で製造することができる。極細繊維発生繊維を用いる方法としては、例えば、海島型繊維を紡糸してから海成分を除去する方法、分割型繊維を紡糸してから分割して極細化する方法が挙げられる。これらの中で、本発明においては極細繊維を容易に安定して得ることができる点で、海島型繊維または分割型繊維によって製造することが好ましく、海島型繊維によって製造することがより好ましい態様である。
本発明でいう海島型繊維とは、2成分以上の成分を任意の段階で複合または混合して海島状態とした繊維をいう。この海島型繊維を得る方法としては、例えば、(1)2成分以上のポリマーをチップ状態でブレンドして紡糸する方法、(2)予め2成分以上のポリマーを混練してチップ化した後に紡糸する方法、(3)溶融状態の2成分以上のポリマーを紡糸機パック内の静止混練器等で混合する方法、および(4)特公昭44−18369号公報、特開昭54−116417号公報等の口金を用いて製造する方法などが挙げられる。中でも、上記(4)の方法は、ポリマーの選択が容易であり、高度な精密研磨で求められる極細繊維径の均一性と分散性の優れる点で好ましく採用される。
上記(4)の方法において、海島型繊維の島成分ポリマーはポリアミド56とすることが重要であり、海成分ポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、およびポリ乳酸などを用いることができる。また、用いられるポリマー種の数は、紡糸安定性を考慮すると海成分が1成分で、島成分が1成分の2成分で構成されることが好ましい。このときに、島繊維が海島型繊維内で合流が生じないようにするには、海島型繊維に対する島繊維の重量比0.99以下とし、好ましくは0.97以下とし、好ましくは0.8以下とすることが好ましい。また、海成分除去量を抑える目的で、海島型繊維に対する島繊維の重量比を0.1以上とし、好ましくは0.2以上とし、より好ましくは0.4以上とすることが好ましい。海島型繊維の海成分ポリマーを除去して得られる島繊維の断面形状は、例えば、丸、多角、Y、H、X、W、C、田およびπ型等が挙げられる。
次に、このようにして得られたポリアミド56繊維を用いて、シート状物を形成する工程について説明する。
本発明の研磨布となるシート状物の好ましい形態である不織布を得る方法としては、繊維ウェブをニードルパンチやウォータージェットパンチにより絡合させる方法、スパンボンド法、メルトブロー法および抄紙法などを採用することができ、中でも、より繊維を絡合させるために、ニードルパンチやウォータージェットパンチなどの処理を経る方法が好ましく用いられる。
シート状物としての不織布には、これに織編物を積層一体化させてもよく、不織布と織編物を積層しニードルパンチやウォータージェットパンチ等により一体化する方法が好ましく用いられる。
ニードルパンチ処理において、ニードルのバーブ数は1〜9個/本であることが好ましい。ニードルのバーブ数を1個/本以上とすることにより、効率的な繊維の絡合が可能となる。また、バーブ数を9個/本以下とすることにより、好適に繊維損傷を抑えることができる。バーブのトータルデプスは、0.05〜0.09mmであることが好ましい。トータルデプスを0.05mm以上とすることにより、繊維束への十分な引掛かりが得られるため効率的な繊維絡合が可能となる。また、トータルデプスを0.09mm以下とすることにより、好適に繊維損傷を抑えることが可能となる。
パンチング本数は、1000〜7500本/cmであることが好ましい。パンチング本数を1000本/cm以上とすることにより、緻密性が得られ高精度の好適な仕上げを得ることができる。また、パンチング本数を7500本/cm以下とすることにより、好適に加工性の悪化、繊維損傷および強度低下を防ぐことができる。
また、織編物と不織布を積層一体化する場合、積層時のニードルパンチのニードルのバーブ方向は、シートの進行方向に対して直行する90±15°とすることにより、損傷しやすい緯糸を引掛けにくくなる。
また、ウォータージェットパンチ処理を行う場合には、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。具体的には、直径0.05〜1.0mmのノズルから圧力1〜60MPaで水を噴出させることができる。
このようにして得られた不織布は、緻密化の観点から、乾熱もしくは湿熱またはその両者によって収縮させ、さらに高密度化することが好ましい。
極細繊維発生型繊維を用いた場合、極細繊維を発生させるために易溶解性ポリマー(海成分)を溶解する溶剤としては、海成分がポリエチレンやポリスチレン等のポリオレフィンであればトルエンやトリクロロエチレン等の有機溶媒が用いられ、海成分がポリ乳酸や共重合ポリエステルであれば水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いることができる。また、極細繊維発生加工(脱海処理)は、溶剤中に極細繊維発生型繊維からなる不織布を浸漬し、窄液することによって行うことができる。極細繊維発生加工には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機およびジッガー染色機等の公知の装置を用いることができる。
また、本発明の研磨布の表面形態、強伸度およびクッション性を向上させるために、シート状物に弾性重合体を含有させることが好ましい形態であるが、弾性重合体を含有させるのは、上述する極細繊維発生加工の前に付与してもよいし、極細繊維発生加工の後に付与してもよい。
弾性重合体としてポリウレタンを付与させる際に用いられる溶媒としては、N,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等が好ましく用いられるが、ポリウレタンを水中にエマルジョンとして分散させた水分散型ポリウレタン液としてもよい。
溶媒に溶解した弾性重合体溶液に、不織布を浸漬する等して弾性重合体を不織布等の基材に付与し、その後、乾燥することによって弾性重合体を実質的に凝固し固化させる。溶剤系のポリウレタン溶液の場合は、非溶解性の溶剤に浸漬することにより凝固させることができ、ゲル化性を有する水分散型ポリウレタン液の場合は、ゲル化させた後乾燥する乾式凝固方法等で凝固させることができる。乾燥にあたっては、繊維絡合体および弾性重合体の性能が損なわない程度の温度で加熱してもよい。
本発明の研磨布は、少なくとも片面が立毛処理により立毛されていても良い。立毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて行うことができる。特に、サンドペーパーを用いることにより、均一かつ緻密な立毛を形成することができる。さらに、研磨布の表面に均一な立毛を形成させるためには、研削負荷を小さくすることが好ましい。研削負荷を小さくするためには、例えば、バフ段数を3段以上の多段バッフィングとし、各段に使用するサンドペーパーの番手を、JIS規定の150番〜600番の範囲とすることがより好ましい態様である。
本発明の研磨布は、吸水性や吸水保持性、均一な吸水性に優れるため、ハードディスクのテクスチャー加工用の研磨布、ハードディスクの表面仕上げ用の研磨布、シリコンウエハや光学ガラスなどの精密機器等の仕上げ用の研磨布、さらには高吸水性を活かしたワイピングクロスとして好適に用いられる。
具体的には、本発明の研磨布は、例えば、記録メディアや集積回路基盤、光学部品などの精密機器の仕上げ用に用いられる高精密研磨用の研磨布であり、ハードディスクのテクスチャー加工用研磨布、ハードディスクの表面仕上げ用研磨布、シリコンウエハや光学ガラスなどの精密機器等の研磨布に好適である。
以下、本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。実施例中の測定および評価は以下の方法を用いた。
(1)硫酸相対粘度
試料0.25gを、濃度98重量%の硫酸100mlに対して1gになるように溶解し、オストワルド型粘度計を用いて25℃の温度での流下時間(T1)を測定した。引き続き、濃度98重量%の硫酸のみの流下時間(T2)を測定した。T2に対するT1の比、すなわちT1/T2を硫酸相対粘度とした。
(2)Mw/Mn
試料を90℃の温度の熱水で30分間洗浄した後、90℃の温度で真空乾燥して水分率を1000ppmとし、ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解して測定溶液とした。これをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、PMMA換算で重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、Mw/Mnを求めた。測定条件は下記のとおりである。
・GPC装置:Waters510
・カラム:Shodex GPC HFIP−806Mを2本連結して使用
・溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール
・温度:30℃
・流速:0.5ml/分
・試料濃度:2mg/4ml
・濾過:0.45μm−DISMIC 13HP(東洋濾紙)
・注入量:100μl
・検出器:示差屈折計RI(Waters 410)
・スタンダード:PMMA(濃度:サンプル0.25mg/溶媒1ml)
・測定時間:62分。
(3)アミノ末端基濃度
試料1gを50mLのフェノール/エタノール混合溶液(フェノール/エタノール=80/20)に、30℃の温度で振とう溶解させて溶液とし、この溶液を0.02Nの塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸量を求めた。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸の量を求める。そして、その差から試料1tonあたりのアミノ末端基量を求めた。
(4)カルボキシル末端基濃度
試料0.5gを196±1℃のベンジルアルコール20mlに溶解し、この溶液を0.02Nの水酸化カリウムエタノール溶液で中和滴定し、要した0.02N水酸化カリウムエタノール溶液の量を求める。また、上記ベンジルアルコール20mlのみを0.02Nの水酸化カリウムエタノール溶液で中和滴定し要した0.02N水酸化カリウムエタノール溶液の量を求める。そして、その差から試料1tonあたりのカルボキシル末端基量を求めた。
(5)水分率
カールフィッシャー電量滴定法水分計(平沼産業株式会社製微量水分測定装置AQ−2000、および同社製水分気化装置EV−200)を用い、水分気化温度180℃で乾燥窒素ガスを流して測定した。
(6)研磨布の目付・厚み・見掛け密度
JIS L1096 8.4.2(1999)の方法で目付(g/m)を測定し、ダイヤルシックネスゲージ((株)尾崎製作所製、商品名“ピーコックH”(登録商標))により厚さ(mm)測定した。目付と厚さの値から計算によって繊維見掛け密度(g/cm)を求めた。
(7)単繊維の平均繊維径
研磨布の厚み方向に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で3000倍で観察し、30μm×30μmの視野内で無作為に抽出した50本の単繊維直径を測定した。これを3ヶ所で行い、合計150本の単繊維の直径を測定し、小数点以下を四捨五入して平均値を算出した。極細繊維が異形断面の場合、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面を円形と見立てた場合の直径を算出することによって単繊維の直径を求めた。
(8)単繊維の繊度
シート状物から抜き出した単繊維を、JIS K0061 (2001)、8.3項の密度こうばい管法に準じて比重を測定した。求めた繊維ポリマーの比重と、上記(7)で求めた平均繊維径から繊度(dtex)を算出することで求めた。
(9)引張強度
JIS L1017 (1995)、7.5項の引張強さ及び伸び率、(1)標準時試験の測定方法に準じ、オリエンテック(株)社製テンシロン(TENSILON)UCT−100を用いて、シート状物から抜き出した単繊維のS−S曲線を測定した。測定に先立ち、試料を室温25℃、相対湿度55%の環境下、無荷重の状態で48時間放置して調湿した。そして該試料を同環境下において、初荷重0.08cN/dtex、試料長20mm、引張速度20mm/分として、S−S曲線を測定した。引張強度は、S−S曲線における最大強力を示した点での強力を、上記(8)の単繊維の繊度で求めた繊度で除することにより求めた。
(10)シート状物の引張強力
JIS L1096 8.12.1(1999)により、シート状物から幅5cm、長さ20cmのサンプルを採取し、つかみ間隔10cmで定速伸長型引張試験機にて、引張速度10cm/分にて伸長させて測定した。得られた値から幅1cm当たりの荷重を引っ張り強力(N/cm)とした。また、1cm伸長時の応力を10%伸長時応力とした。
(11)水滴吸収時間
FACE/CA−A型の接触角想定装置(共和界面科学(株)製)を用い、注射器に蒸留水を入れ、注射針(外径0.60mm、内径0.45mm)から水滴1滴を研磨布状に滴下し、その水滴を該装置の接眼レンズから観察し、吸水時間(tq)を次式から求めた。
tq=t2−t1(秒)
(ただし式中、t1は水滴が研磨布上に落ちた時間であり、t2は研磨布中に水滴が吸い込まれ表面上に水滴がなくなった時間である。)。
このt1とt2の状態は、通常の場合(およそtqが10秒以上)では目視で観察可能であるが、非常に早い場合や観察しにくい場合は、前述の装置で水滴が注射針から滴下開始する時間から水滴が研磨布中に十分吸収されるまでの状態を該装置の接眼レンズを通して水滴の状態の全画像をビデオ撮影してから測定する。これを20ヶ所で行い、20ヶ所の測定値の中で最も大きい方の5個のデータの平均値をとり、該平均値を水滴吸収時間とした。吸水時間が短いほど、吸水性が高いことを示す。
(12)水滴接触角
上記(11)と同様の装置を用い、液適法で温度20℃、湿度60%の環境下で測定を行った。吸水時間の測定と同様に20ヶ所の測定を行い、20ヶ所の測定値の中で最も大きい方の5個のデータの平均値をとり、その平均値を水滴接触角とした。水滴接触角が小さいほど親水性が高く、スラリーを研磨布表面に均一に分散することを示す。
(13)研磨評価
アルミニウムにNi−Pメッキを施し、ポリッシュ加工した表面粗さ1.2オングストロームの下地メッキサブストレート(基板)に対し、各研磨布を40mm幅にカットしたテープ状研磨布として、テクスチャー装置(日立DECO製)を用い、平均粒子径50nmの多結晶ダイヤモンド約0.2wt%とクーラントを含むスラリー液を用いて研磨を行った。研磨条件は、基板の回転数を50rpm、基板の揺動周波数を5Hz、テープ状研磨布の押付圧力を500gf、テープ状研磨布の移動速度を40mm/分、スラリーの供給量を15ml/分とした。研磨時間は、両面同時で1枚あたり15secとした。
(14)研磨後の基板表面粗さ
上記(13)で研磨した基板を、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、10μm×10μmの視野で、走査速度10μm/秒、走査数256で観察したときの算術平均粗さ(Ra)を算出した。これをディスク1枚あたり3ヶ所、ディスク3枚、合計9ヶ所のRaを測定し、9個のデータの平均値をとり、その平均値を表面粗さとした。
(15)研磨後の基板スクラッチ数
上記(13)で研磨した基板5枚の両面、すなわち計10表面を測定対象として、Candela5100光学表面分析計を用いて、深さ2nm以上の溝をスクラッチとし、スクラッチ数を測定し、10表面の測定値の平均値で評価した。
<調整例1>(リジン脱炭酸酵素の調整)
E.coli JM109株の培養を次のように行った。まず、この菌株をLB培地5mlに1白金耳植菌し、30℃の温度で24時間振とうして前培養を行った。次に、LB培地50mlを500mlの三角フラスコに入れ、予め115℃の温度で10分間蒸気滅菌した。この培地に前培養した上記菌株を植え継ぎ、振幅30cmで、180rpmの条件下で、1N塩酸水溶液でpHを6.0に調整しながら、24時間培養した。このようにして得られた菌体を集め、超音波破砕および遠心分離により無細胞抽出液を調製した。これらのリジン脱炭酸酵素活性の測定を定法に従って行った(左右田健次、味園春雄、生化学実験講座、vol.11上、P.179〜191(1976))。
リジンを基質とした場合、本来の主経路と考えられるリジンモノオキシゲナーゼ、リジンオキシダーゼおよびリジンムターゼによる転換が起こり得るので、この反応系を遮断する目的で、75℃の温度で5分間、E.coli JM109株の無細胞抽出液を加熱した。さらに、この無細胞抽出液を40%飽和および55%飽和硫酸アンモニウムにより分画した。この粗精製リジン脱炭酸酵素溶液を用い、リジンから1,5−ペンタメチレンジアミンの生成を行った。
<調整例2>(1,5−ペンタメチレンジアミンの調整)
50mM リジン塩酸塩(和光純薬工業製)、0.1mM ピリドキサルリン酸(和光純薬工業製)および40mg/L−粗精製リジン脱炭酸酵素(調整例1で製造)となるように調製した水溶液を、0.1N塩酸水溶液でpHを5.5〜6.5に維持しながら、45℃の温度で48時間反応させ、1,5−ペンタメチレンジアミン塩酸塩を得た。この水溶液に水酸化ナトリウムを添加することによって1,5−ペンタメチレンジアミン塩酸塩を1,5−ペンタメチレンジアミンに変換し、クロロホルムで抽出して、減圧蒸留(1.33kPa、60℃)することにより、1,5−ペンタメチレンジアミンを得た。
<調整例3>(1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の塩の50重量%水溶液の調製)
調整例2で製造した1,5−ペンタメチレンジアミン102gを、水248g中に溶解した水溶液を、50℃の温度のウォーターバスに浸して撹拌しているところに、アジピン酸(カーク製)を約1gずつ、中和点付近では約0.2gずつ添加していき、アジピン酸添加量に対する水溶液のpH変化を調べ、中和点を求めると、pH8.32であった。中和点でのアジピン酸添加量は146gであった。pHが8.32になるように、1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩の50重量%水溶液(496g)を調整した。
<調整例4>(1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の塩の70重量%水溶液の調製)
調整例3において、水の量を104.3gとしたこと以外は、調整例3と同様にして1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩の70重量%水溶液(354.3g)を調整した。
<調整例5>(1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の塩の57重量%水溶液の調製)
製造例3において、水の量を187.1gとしたこと以外は、調整例3と同様にして1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩の57重量%水溶液(435.1g)を調整した。
[実施例1]
調整例4の1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩の70重量%水溶液を、50℃の温度に温調しながら、1,5−ペンタメチレンジアミンおよび水を加え、水溶液中に存在する1,5−ペンタメチレンジアミンのモル数とアジピン酸のモル数の比(1,5−ペンタメチレンジアミンのモル数/アジピン酸のモル数)を1.007とし、水溶液中の原料の濃度を70重量%に調整した。さらに、原料水溶液にフェニルホスホン酸を、得られるポリアミド56樹脂中にリン原子が100ppm含まれるように添加した後、予め窒素置換された熱媒加熱式の重合釜に仕込んだ(原料調整工程)。
次に、缶内を窒素パージしながら熱媒を加熱して水溶液を濃縮した(濃縮工程)。このとき缶内温度を125℃とし、缶内圧力(ゲージ圧)を0.2MPaに制圧しながら、水溶液中の原料の濃度が90重量%となるまで濃縮した。缶内の水溶液の濃度は、留出水量から判断した。
次いで、重合釜を密閉して熱媒温度を270℃まで上昇させ、缶内圧力(ゲージ圧)1.7MPaに到達するまで昇圧した(昇圧工程)。この後缶内圧力(ゲージ圧)を1.7MPaで制圧し、缶内温度が250℃となるまで維持した(制圧工程)。さらに熱媒温度を285℃に変更し、60分間かけて大気圧まで放圧した(放圧工程)。さらに缶内圧力(ゲージ圧)を−13.3kPaまで減圧し、所定の攪拌動力となったところで重合反応を停止した(減圧工程)。
得られたポリアミド56樹脂の硫酸相対粘度は、2.75、アミノ末端基濃度とカルボ末端基濃度のバランスの指標である[NH]/([NH]+[COOH])は0.48であった。
得られたポリアミド56樹脂を、バキュームドライヤー型の真空乾燥機に仕込み、酢酸銅5重量%水溶液を銅原子としてポリアミド56樹脂に対して100ppmとなるように添加し、ドライヤーを回転させて約1時間ブレンドした。そして、ヨウ化カリウム50重量%水溶液をカリウム原子としてポリアミド56樹脂に対して600ppmとなるように添加し、再びドライヤーを回転させて約1時間ブレンドした。その後ドライヤーの回転により、缶内の樹脂を攪拌しながら、窒素フロー下で缶内温度90℃まで昇温し、缶内温度を90℃で5時間維持して予備結晶化を行った。
次いで、窒素の供給を止めて缶内の減圧を開始した後、再度缶内の温度を昇温し、缶内温度が130℃に達してから、昇温速度が5℃/時間となるようにヒーター出力をコントロールしながら缶内温度を170℃に昇温した。そして缶内温度170℃、缶内圧力133Pa以下の条件下で所定時間保持した後、ポリアミド56樹脂を抜き出した。このとき、缶内圧力133Pa以下の条件下での保持時間は、得られるポリアミド56樹脂の硫酸相対粘度が3.85となるように調整した。すなわち、保持時間を変更したポリアミド56樹脂を製造し、得られたポリアミド56樹脂の硫酸相対粘度と保持時間との相関曲線を求め、硫酸相対粘度が3.85となる保持時間を決定した。
得られたポリアミド56樹脂の硫酸相対粘度は3.85であり、Mw/Mnは2.17であり、水分率は300ppmであった。
得られたポリアミド56樹脂を島成分とし、アクリル酸2−エチルヘキシルを22mol%共重合した共重合ポリスチレン(co−PSi)を海成分として、36島/ホールの海島型複合紡糸口金を用いて、紡糸温度が275℃で、島/海質量比率が40/60で、吐出量が1.6g/分・ホールで、紡糸速度が1200m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、繊度が4.2dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
得られた海島型複合繊維の原綿を用いて、カードとクロスラッパー工程を経て積層ウェブを形成した。次いで、トータルバーブデプス0.08mmのニードル1本を植込んだニードルパンチ機を用いて、針深度が7mmでパンチ本数3000本/cmでニードルパンチし、目付が695g/mで見掛け密度が0.23g/cmの不織布を作製した。
得られた不織布を95℃の温度で熱水収縮させた後、ポリビニルアルコールを繊維質量に対し34質量%付与後、乾燥させた。その後、トリクロロエチレンで処理し海島型複合繊維の海成分を溶解除去させ、ポリアミド56の極細繊維からなる不織布を得た。
このようにして得られたポリアミド56の極細繊維不織布に、ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%とからなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で25質量%付与し、液温35℃の30%DMF水溶液でポリウレタンを凝固させ、約85℃の温度の熱水でDMFおよびポリビニルアルコールを除去した。その後、エンドレスのバンドナイフを有する半裁機により厚み方向に半裁し、非半裁面をJIS#320番のサンドペーパーを用いて3段研削し、立毛を形成させてポリアミド56極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド56極細繊維と得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりであり、優れた吸水性を示し研磨性能も良好であった。
[実施例2]
実施例1において、調整例5で調整した1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩の57重量%水溶液を水温50℃に温調しながら、該水溶液に1,5−ペンタメチレンジアミンおよび水を加え、水溶液中に存在する1,5−ペンタメチレンジアミンのモル数とアジピン酸のモル数の比(1,5−ペンタメチレンジアミンのモル数/アジピン酸のモル数)を1.007とし、水溶液中の原料モノマーの濃度を57重量%に調整して用いたこと以外は、実施例1と同様にして加熱重合を行ってポリアミド56樹脂を得た。
得られたポリアミド56樹脂の硫酸相対粘度は2.75であり、アミノ末端基濃度とカルボ末端基濃度のバランスの指標である[NH2]/([NH2]+[COOH])は0.33であった。
このポリアミド56樹脂について、実施例1と同様に固相重合を施したのち、実施例1と同様にして、ポリアミド56極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド56極細繊維と得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりであり、優れた吸水性を示し研磨性能も良好であった。
[実施例3]
実施例1において、海島型複合繊維の紡糸時に使用した紡糸口金の島数を376島/ホールとしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド56極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド56極細繊維と得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりであり、優れた吸水性を示し研磨性能も良好であった。
[実施例4]
実施例1において、海島型複合繊維の原綿から得た不織布の目付を1045g/mで、見掛け密度が0.22g/cmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド56極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド56極細繊維と得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりであり、優れた吸水性を示し研磨性能も良好であった。
[比較例1]
予め窒素置換した熱媒加熱式の重合釜に、調整例3で得られた1,5−ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩の50重量%水溶液を仕込み、熱媒温度を280℃に設定して加熱を開始した。重合缶内の圧力を1.47MPaに調整し内容物を270℃の温度まで昇温し、次に缶内の圧力を除々に放圧し、更に重合缶内の圧力(ゲージ圧)を−13.3kPaまで減圧した後、所定の攪拌動力となったところで重合反応を停止し、吐出したストランドを水冷し、カットすることにより硫酸相対粘度3.72のポリアミド56樹脂を得た。比較例1では、加熱重合法のみで硫酸相対粘度が3以上のポリアミド56樹脂を製造したため、所定の攪拌動力に達するには、重合缶内の圧力(ゲージ圧)が−13.3kPaに達してから3時間と、保持時間を長くする必要があった。得られたポリアミド56樹脂のMw/Mnは3.2と分子量分布の広いものであり、アミノ末端基濃度とカルボ末端基濃度のバランスの指標である[NH]/([NH]+[COOH])が0.15と低く、重合缶内でのモルバランスが崩れてしまっていた。
得られたポリアミド56樹脂を、バキュームドライヤー型乾燥機を用いて缶内温度90℃で真空乾燥を行い、乾燥後のポリマーの水分率が300ppmとなるまで乾燥した。
得られたポリマーを用い、実施例1と同様にして、ポリアミド56極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド56極細繊維と得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりであり、実施例1と比較し研磨性能が悪かった。また、研磨後のシート状物には繊維切れによる繊維脱落が観察された。脱落した繊維が研磨時の異物となり悪影響を及ぼしたためと考えられる。
[比較例2]
実施例1において、加熱重合で得られたポリアミド56樹脂に固相重合を施さず、バキュームドライヤー型乾燥機にて、缶内温度90℃で真空乾燥を行い、乾燥後のポリマーの水分率が300ppmとなるまで乾燥した。
得られたポリマーを用い、実施例1と同様にして、ポリアミド56極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド56極細繊維と得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりであり、実施例1と比較し研磨性能が悪かった。また、研磨後のシート状物には繊維切れによる繊維脱落が観察された。
[比較例3]
予め窒素置換した熱媒加熱式の重合釜に、1,6−ヘキサメチレンジアミンのモル数とアジピン酸のモル数の比(1,6−ヘキサメチレンジアミンのモル数/アジピン酸のモル数)が1.007であり、水溶液中の原料モノマーの濃度が50重量%であり、水温が50℃の温度である水溶液を仕込み、熱媒温度を280℃に設定して加熱を開始した。重合缶内の圧力を1.47MPaに調整し内容物を270℃まで昇温し、次に缶内の圧力を除々に放圧し、更に減圧圧力にした後に所定の攪拌動力となったところで重合反応を停止し、吐出したストランドを水冷し、カットすることでポリアミド66樹脂を得た。
得られたポリアミド66樹脂の硫酸相対粘度は、2.85、アミノ末端基濃度とカルボ末端基濃度のバランスの指標である[NH]/([NH]+[COOH])は0.42、であった。
得られたポリアミド66樹脂を、バキュームドライヤー型の真空乾燥機に仕込み、酢酸銅5重量%水溶液を銅原子としてポリアミド66樹脂に対して100ppmとなるように添加し、ドライヤーを回転させて約1時間ブレンドした。そしてヨウ化カリウム50重量%水溶液をカリウム原子としてポリアミド66樹脂に対して600ppmとなるように添加し、再びドライヤーを回転させて約1時間ブレンドした。その後、ドライヤーの回転により、缶内の樹脂を攪拌しながら、缶内の減圧を開始した後、再度缶内の温度を昇温し、缶内温度を170℃の温度に昇温した。そして170℃の温度に到達後、缶内圧力133Pa以下として所定時間保持した後、ポリアミド66樹脂を抜き出した。このとき缶内圧力133Pa以下での保持時間は、得られるポリアミド66樹脂の硫酸相対粘度が3.85となるように調整した。すなわち、維持時間を変更したポリアミド66樹脂を製造し、得られたポリアミド66樹脂の硫酸相対粘度、保持時間との相関曲線を求め、硫酸相対粘度が3.85となる維持時間を決定した。得られたポリアミド66樹脂の硫酸相対粘度は3.85であり、Mw/Mnは2.2であった。
その後、得られたポリアミド66樹脂の水分率を600ppmとなるように調湿し、実施例1と同様にして、ポリアミド66極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。ただし、紡糸温度は280℃とした。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド66極細繊維と得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりで、実施例1と比較すると吸水性、研磨性能ともに劣っていた。
[比較例4]
80リットルのステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム水溶液(15%含水)を25kg仕込み、缶内を窒素置換した後密閉し、缶内の温度が255℃になるまで内圧(ゲージ圧)が1.5MPaを超えないようにバルブを調整し、撹拌しながら加熱昇温を行って重合反応を進行させた。缶内温度が250℃に到達後、缶内圧力を徐々に大気圧まで放圧し、その後も窒素を供給しながら(5リットル/分)引き続き重合を行い、所定の攪拌動力で重合反応を停止した。重合缶内を窒素で微加圧としてポリマーを吐出せしめ、水冷してカットした。得られたポリアミド6樹脂を、低分子量成分を除去するため95℃の温度の熱水により10時間処理し、ポリアミド6樹脂を得た。
得られたポリアミド6樹脂を、バキュームドライヤー型乾燥機を用いて、缶内温度90℃で真空乾燥を行い、乾燥後のポリマーの水分率が400ppmとなるまで乾燥した後、実施例1と同様にして、ポリアミド6極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。ただし、紡糸温度は260℃とした。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド6極細繊維と得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりで、実施例1と比較すると、吸水性と研磨性能が共に劣っていた。
[実施例5]
実施例1の島成分ポリマーと海成分ポリマーを用い、島成分/海成分の質量比率=40/60でチップブレンドしたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が4.1dtexであり、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。得られた原綿を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド56極細繊維とポリウレタンからなるシート状物を作製した。得られたシート状物から抜き取ったポリアミド56極細繊維と得られたシート状物の評価結果を、表1に示す。
[実施例6]
実施例1で得られたポリアミド56の極細繊維からなる不織布を用い、ポリウレタンを付着せずに、エンドレスのバンドナイフを有する半裁機により厚み方向に半裁した。
得られた半裁不織布を0.1mmφの穴が0.6mm間隔で開いているノズルから圧力水流を表層側に噴射して、極細繊維を絡合すると同時にポリビニルアルコールを除去した。処理速度は5m/分で5回処理を行い、5回処理時の水圧をそれぞれ17MPa、17MPa、17MPa、10MPaおよび7MPaとした。次いで、非半裁面をJIS#320番のサンドペーパーを用いて3段研削し、立毛を形成させてポリアミド56極細繊維のみからなるシート状物を作製した。得られたシート状物の評価結果は表1に示すとおりで、優れた吸水性を示し研磨性能も良好であった。
Figure 2011031362

Claims (5)

  1. 繰り返し単位の90モル%以上がペンタメチレンアジパミド単位で構成され、硫酸相対粘度が3〜8で、分子量の分散度(Mw/Mn)が1.5〜3であるポリアミド56からなり、引張強度が4〜11cN/dtexであるポリアミド56繊維を有するシート状物からなることを特徴とする研磨布。
  2. ポリアミド56繊維の数平均による単繊維径が0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の研磨布。
  3. シート状物が不織布からなることを特徴とする請求項1または2記載の研磨布。
  4. シート状物が弾性重合体を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研磨布。
  5. シート状物のタテまたはヨコの10%伸長時応力が5N/cm以上であること特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の研磨布。
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